説明

握持装置のための緩衝器具

【課題】空気式の把持装置、特に吸着カップの作動や機能を妨げることのない緩衝器具を提供する。
【解決手段】固定した支持本体11、該支持本体において軸方向に可動である管状のロッド12、該支持本体および該ロッドの間の戻しばね13を含み、この管状のロッド12は、吸入/降下器具が空気式の握持装置を作動させるために支持本体に連結される場合、外部から空気が入るのを妨げるために提供される封止16、19と共に摺動外被20の介入によって支持本体11に導かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気式の握持装置のための緩衝器具に関し、特に動作を制御する吸入システムに連結可能な吸着カップの緩衝器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ある領域において、部品、アイテムを握持するおよび取り扱うため、または、吸着カップが握持することができる表面を有して搭載される吸着カップの形の空気式の握持装置は、すでに使われている。吸着カップは、移動される部品またはアイテムのサイズおよび/または重量次第で個別にまたは集団で使われ、それぞれ緩衝器具によって支持フレーム上に組み立てられ、真空装置に連結されることができる。それらは、持ち上げられる部品またはアイテムの表面に載置され、確実に吸入装置に取り付けられる。
【0003】
公知の技術によれば、上述の使用のために設計される吸着カップのための緩衝器具は、固定された支持本体と前記本体において導かれ、戻しばねと対照をなすように軸方向に運動しがちな可動の管状ロッドとを含む。管状ロッドの一端は、吸着カップに連結されかつそれを支持し、一方で、反対側の端部は、真空装置と連絡する管に接合される。戻しばねに関しては、吸着カップが作動していなく、そのような表面から戻された場合、吸着カップの位置を毎回接触する表面、および、ロッドの始動の前方位置に適応させるように、管状のロッドが変化する逆方向の動きの実行を可能にするために設定される。
【0004】
このように作成されると、緩衝器具は比較的単純であるが、空気管は、接合されるロッドの動きに続いて常に動くという欠点を有する。
【0005】
このために、空気管の応力および摩耗に関する問題を経験することになり、時に吸着カップの動作を妨げる可能性のある起こりうる干渉および管の間の妨害を特に、同じ支持フレーム上でいくつかの吸着カップが互いに近くに配置される場合に、排除することができない。
【0006】
そのような欠点を避けるために、吸着管が固定した支持本体に接合され、前記本体内部に延長する導管によって吸着カップを保つ管状のロッドと連通して配置される緩衝器具が、吸着カップのために提案された。このように、吸着管は支持本体で停止したままになる、しかしながら、空気の送達、その機能および吸着カップの反応の速度を制限する妨害が、吸着カップに向かって空気路において形成されるという欠点がある。
【発明の開示】
【0007】
〔本発明の目的および要約〕
本発明の目的は、空気式の握持装置、特に吸着カップのための緩衝器具を提案することであり、そこで吸着管は、制御される吸着カップに向かって、支持体の本体および空気路に取り付けられかつ静止される。吸着カップは、上述の欠点および公知の技術的な不都合を実際に回避するように、あらゆる有意な妨害を有しない。
【0008】
本発明のさらなる目的は、効率的かつ信頼性が高く、特に同じ支持フレーム上で多くの吸着カップを使用する把持システムで重要な特徴である、それを軽くする構造をさらに有する吸着カップの緩衝器具を提供することである。
【0009】
前記の目的は、請求項1の序文の吸着カップのような把持装置のための緩衝器具によって達成され、そこで、管状のロッドは、吸入/真空装置が作動し、空気式の握持装置が支持本体に適用される時、空気が外部から入るのを止めるために提供される封止と結合して摺動外被の介入によって支持本体において導かれる。
〔発明の詳細な説明〕
【0010】
装置は基本的に、固定した支持本体11、可動ロッド12、および、前記本体および前記ロッドの間に位置する戻しばね13を含む。
【0011】
支持本体11は基本的に管状であり、軸方向の空洞11'を形成する。外面上、それは均一であり、滑らかであり、または、少なくとも部分的にネジ式である可能性があり、支持および運動フレーム(図示せず)にそれを固定するため、ナットのような手段14を備える。
【0012】
支持本体11の後ろの一端で、穿孔されたプラグ15が載置され、そこに、図示されない吸着管を連結することができる。
【0013】
その反対の端部、つまり前側で、支持本体11は内側に封止16を含み、一方で外側に周囲の溝17を有し、これと同一線上に、少なくとも2つの直径において反対側の放射状の孔18を有する。放射状の孔18を外部から守るリングシール19は、周囲の溝17において提供される。
【0014】
支持本体は、その空洞11'において配置される自己潤滑性材料の外被20によって外側が覆われ、プラグ15および支持本体の一端と、放射状の孔18および前記本体の前端の間の前記空洞の一部において提供される棚部21との間で軸方向に位置する。
【0015】
ここに示した例では、前記外被20は、それがそれらの縦の境界22'に沿って相補的に適合し、それぞれその一端で、外側に面する連結歯または段部24を有する可撓性つまみ23が提供される、2つの要素または対向する半円筒状シェル22で構成される。要素または半円筒状シェルは、プラグ15を取付ける前に本体の後端の空洞11'に挿入され、本体の周囲の溝17の線における放射状の孔18に、それぞれが連結歯または段部24と係合するまで押される。このように係合されて、歯または段部24はすでにそれ自身において、その回転を妨げることによって、本体の外被20を安定させる手段として作用する。加えて、外被20を含む、要素またはシェルの内部表面の少なくとも一つの部品22'は、多角形の部分15'と結合するために平らに削られる、または、プラグ15と一体で平らに削られる。
【0016】
プラグ15を通過する孔と同一線上にあり、かつ、その直径は孔のそれとほとんど等しい軸方向の通路12'を有して、可動ロッド12は管状である。ロッド12は、支持本体内部で外被20に収容されかつ摺動し、例えば制御される吸着カップ(図示せず)のような握持装置が連結される部分を有する支持本体の前端から出てくる。さらに、好ましくはその基部で、ロッド12は、外被20の内の平らに削られた表面22''と連結されるように設計される多角形または平らに削られた部分12''を有し、そのため、ロッドは、縦に自由に摺動するが、それに連結される吸着カップの必要な配向を保証するように曲がる可能性は有しない。
【0017】
戻しばね13は、プラグ15およびロッド12の内部端部の間で配置されかつ圧縮可能である。後者は、図3および4に示すような本体の前端から突出する前方位置と図5に示すような収縮位置との間で移動可能である。ロッド12の前方位置は、バネ13によって引き起こされ、例えば、外被20内部で肩部25に載置されるその多角形の部分12''によって制限されることができ、一方で、ロッド12の収縮位置は、吸着カップが時々接触する表面の位置に従い変化することができるバネの圧縮を生じる。ロッドの端部で配置される吸着カップは、吸入の後ろから緩衝器具への適用によって作動する。内外の封止16および19は、吸入の間、循環する環境空気から空気が入るのを避け、そのように装置の効率を保証して、固定した本体および可動ロッドの間の空気のグリップを保証する。特に、内部封止16は、縦方向の2つの構成部分間に空気が入るのを妨げ、ロッドおよび固定した本体の間で作動する。同時に、放射状の孔18を通じた外部からの吸気の傾向を有する吸入のため降下が本体において生成されるとすぐに、外側のリングシール19は収縮を受け、これらの孔を塞ぎ、その方向からまた空気の封止を生じさせる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明は、説明的でありかつ制限的でない図面を参照して、この説明に継続してさらに詳細に図示される:そこで、
【図1】緩衝器具の構成部分の拡大図を示す。
【図2】組み立てられた装置の斜視図を示す。
【図3】組み立てられた装置の側面図を示す。
【図4】図3の矢印A-Aによる、ロッドが延長した位置にある装置の横断面を示す。
【図5】類似しているが、本体のロッドが収縮位置にある装置の部分を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気式の握持装置、特に吸着カップ、のための緩衝器具であって、固定した支持本体(11)、該本体において軸方向に可動である管状のロッド(12)、該本体および該ロッドの間の戻しばね(13)を含み、そこで該管状のロッド(12)は、その一端で該空気式の握持装置を保ち、該把持装置が該本体に適用される吸入/降下器具によって把持される表面と接触する場合、該戻しばね(13)によって該本体の端部から出る前進位置と収縮位置との間で該支持本体(11)において可動である緩衝器具において、
該管状のロッド(12)が、空気が外部から入るのを妨げるために配置された封止(16、19)と共に摺動外被(20)の介入によって、該空気式の把持装置を作動させる該吸入/降下装置が該支持本体に連結される場合、該支持本体において導かれるという事実によって特徴付けられる、緩衝器具。
【請求項2】
前記支持本体(11)が管状であり、かつ、軸方向の空洞(11')を形成し、前記摺動外被(20)が、前記管状のロッド(12)が出る該支持本体の端部の棚部(21)と該本体の反対側の端部に載置されるプラグの間で、前記空洞において配置され、該プラグは穿孔されていて、前記空気式の握持装置を作動させるために前記吸入/降下装置の管に連結可能である、請求項1記載の緩衝器具。
【請求項3】
前記摺動外被(20)が、それらの縦の境界22''に沿って、相補的に適合する2つの要素または半円柱状の面するシェル(22)で構成され、該要素は自己潤滑性の材料である、請求項1または2記載の緩衝器具。
【請求項4】
前記摺動外被(20)を構成する前記要素または半円筒状シェル(22)が、外側へ面する歯または段部(24)を有し、該要素を該本体に固定するため、該支持本体(11)に提供される放射状の孔(18)と係合するように設計された可撓性つまみ(23)を各々有する、請求項3記載の緩衝器具。
【請求項5】
前記支持本体(11)および前記管状のロッド(12)の間に、封止(16)が好ましくは該ロッドが突出する該支持本体の端部の近くに挿入される、請求項1から4のいずれかに記載の緩衝器具。
【請求項6】
前記支持本体(11)が前記放射状の孔部(18)と同一水準で周囲の溝(17)を備え、前記半円柱状の要素(22)の連結用歯またはピンが前記摺動外被(20)を成形して適合し、前記溝において、前記空気式の握持装置を作動するために前記支持本体に連結される前記吸入/降下器具に応答して前記孔部(18)の外側において収縮する封止(19)が適合する、請求項1から5のいずれかに記載の緩衝器具。
【請求項7】
前記摺動外被(20)内部で、特にその部品を形成する前記半円柱状の要素において、前記管状のロッド(12)の前記外側の表面の少なくとも一部分で対応する抗回転手段(12'')、およびさらに、前記支持本体(11)に適用される前記プラグ(15)と一体的な抗回転手段と係合する抗回転手段(22'')が提供される、請求項1から6のいずれかに記載の緩衝器具。
【請求項8】
前記摺動外被(20)が前記管状のロッド(12)の前記前方位置を定める手段を有し、前記プラグまたはロッドが基本的に等しい軸方向の孔部を有する、請求項1から7のいずれかに記載の緩衝器具。
【請求項9】
前記支持本体は支持および操縦フレームに該本体を取付ける手段を有し、滑らかなまたはネジ式の外側表面を有する、請求項1から8のいずれかに記載の緩衝器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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