説明

損傷抵抗性超吸収性材料

【課題】ゲルベッド透過率及び/又は平均粒径を大きく低減することなく機械的な力に耐えることができる超吸収性材料、及び超吸収性材料の損傷抵抗を増大させる方法を提供する。
【解決手段】現行の市販おむつ製造工程中に起こる機械的損傷を模擬する「吸収性製品加工模擬試験」を受けた時に損傷に抵抗するように処理された超吸収性材料。処理された超吸収性材料の遠心保持容量は、超吸収性材料のグラムあたり約15グラム又はそれよりも多い0.9重量パーセント塩化ナトリウムであり、事前に篩い分けした粒子に対する0psi膨潤圧力でのゲルベッド透過率(GBP)は、約200(×10-9cm2)又はそれよりも大きくなる。処理済み超吸収性材料が「吸収性製品加工模擬試験」を受けた後に、処理済み超吸収性構造体は、0psi又は0.3psi膨潤圧力での事前に篩い分けられた又は篩い分けられていない粒子のGBPの最小の低減を示すことができ、並びに平均粒径(PSD)の最小の低減を示す可能性がある。超吸収性材料は、親水性軟質ポリマーの水溶液を超吸収性材料に加え、超吸収性材料を水溶液と混合し、超吸収性材料を乾燥させることによって処理することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性、具体的にはゲルベッド透過率及び/又は平均粒径を大きく低減することなく機械的な力に耐えることができる超吸収性材料に関する。本発明はまた、超吸収性材料の損傷抵抗を増大させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
市販の超吸収性材料は、乳児用おむつ、小児用トレーニングパンツ、大人用失禁用製品、及び女性用ケア製品などのような様々なパーソナルケア製品に広く用いられている。これらの超吸収性材料又はヒドロゲルは、水膨潤性で水不溶性であり、非常に高い水吸収性を示す基本質的に架橋した多価電解質である。一般的に、これらの架橋した多価電解質の遠心保持容量(CRC)は、ポリマーのグラムあたり少なくとも15グラムの0.9重量パーセント塩化ナトリウム水溶液である。超吸収性材料はまた、体液を迅速に取り込むように設計されており、これには、超吸収性材料が高いゲルベッド透過率(GBP)を有することが必要である。市販の超吸収性材料は、製造及び加工処理中に相当の粒子損傷を受け、本来のゲルベッド透過率の大きな損失をもたらしている。本来のゲルベッド透過率がこのように減少すると、早期漏れ及び皮膚濡れの問題の原因の1つになる場合がある。
【0003】
これらの超吸収性材料は、ガラス状ポリマーとして特徴付けられ、それらが乾燥しているか又は30%よりも低いRHのような低相対湿度(RH)環境にある時には機械的衝撃及び応力の下で非常に脆弱である。それらのガラス状で脆弱な性質のために、これらのポリマーは、おむつ製造工程のような製造工程中に粒子の大きさ及び形状に相当な破壊を受ける。ポリマーの主な機械的損傷は、空気搬送及び混合段階での高速衝突及び製品高密度化段階での高圧圧縮から発生する。この粒子損傷は、製品製造業者がより薄い製品を得ようと努力する時に高い含有量で超吸収性材料を用いる製品において更に増大する。超吸収性材料に対するこの機械的に誘発される損傷は、本明細書の実施例にも示すように材料の有効性を低減する。
従って、吸収性、具体的にはゲルベッド透過率及び/又は粒径の大きな低減を生じることなく吸収性製品の製造及び加工工程に耐えることができる超吸収性材料に対する必要性又は要望が存在する。超吸収性材料の損傷抵抗を増大させる方法に対する更に別の必要性又は要望も存在する。
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,596,402号
【非特許文献1】「表面及びコロイド科学−実験的方法」、第II巻、Robert J.Good、及び、Robert J.Stromberg編、プレナム・プレス、1979年
【非特許文献2】Lichstein、「INDA技術シンポジウム抄録集」、1974年3月、129〜142頁
【発明の開示】
【0005】
本発明は、現在市販されている超吸収性材料に比較して機械的損傷に対する抵抗性が改善し、このような損傷による吸収性の消失が最小である超吸収性材料、及び超吸収性材料の損傷抵抗及び機能損失抵抗性を増大させる方法に関する。
損傷抵抗処理後の本発明の超吸収性材料は、適切な態様においては、超吸収性材料のグラムあたり約15グラム又はそれよりも多い0.9重量パーセント塩化ナトリウム水溶液である遠心保持容量と、0psi膨潤圧力で300〜600ミクロン粒子に対して測定した約200(×10-9cm2)又はそれよりも大きく、又は約300(×10-9cm2)又はそれよりも大きく、又は約500(×10-9cm2)又はそれよりも大きく、又は約800(×10-9cm2)又はそれよりも大きいゲルベッド透過率(GBP)値と、以下の特性、すなわち、(1)本明細書に説明する「吸収性製品加工模擬試験」後に0psi膨潤圧力で300〜600ミクロン粒子に対して測定したGBP値の約20%又はそれよりも小さい低減、(2)「吸収性製品加工模擬試験」後に0.3psi膨潤圧力で300〜600ミクロン粒子に対して測定したGBP値の約50%又はそれよりも小さい低減、(3)「吸収性製品加工模擬試験」後に0psi膨潤圧力でそのままの粒子に対して測定したGBP値の約50%又はそれよりも小さい低減、(4)「吸収性製品加工模擬試験」後に0.3psi膨潤圧力でそのままの粒子に対して測定したGBP値の約60%又はそれよりも小さい低減、及び/又は(5)「吸収性製品加工模擬試験」後にそのままの粒子に対して測定した平均粒径の約20%又はそれよりも小さい低減のうちの少なくとも1つとを有する。「吸収性製品加工模擬試験」は、現行の市販おむつ製造工程中に超吸収性材料が受ける機械的損傷を模擬するものである。
【0006】
超吸収性材料は、材料の損傷抵抗を増大させるために非粒子状溶液で処理することができる。例えば、材料の損傷抵抗を増大させるために超吸収性材料を処理する1つの方法には、架橋して水膨潤性であるが水不溶性のポリマーを形成することができる親水性軟質ポリマーの水溶液を超吸収性材料に加える段階、水溶液及び超吸収性材料を混合する段階、及び処理した超吸収性材料を乾燥させる段階が必要である。親水性軟質ポリマーは、適切には、約20℃よりも低いガラス転移温度を有し、適切には、水溶液の約0.1重量%と約10重量%の間の量で水溶液中に存在する。超吸収性材料は、超吸収性材料の10重量%〜約1000重量%水溶液で処理することができる。
【0007】
処理の前の超吸収性材料は、陰イオン性ポリマー、陽イオン性ポリマー、又はその組合せを含む標準的な市販の架橋した多価電解質とすることができる。超吸収性材料は、生物分解性又は非生物分解性とすることができる。超吸収性材料は、粒子、繊維、麻くず、フレーク、フィルム、及び発泡体などを含むことができる。
本発明の方法からもたらされる超吸収性材料を含む本発明の超吸収性材料は、あらゆる適切な吸収性物品に組み込むことができる。このような吸収性物品の例には、以下に限定されるものではないが、乳児用おむつ、小児用トレーニングパンツ、大人用失禁製品、女性用ケア製品、ペーパータオル、及びティッシュなどが含まれる。
以上に鑑みて、本発明の特徴及び利点は、損傷抵抗性超吸収性材料と超吸収性材料の損傷抵抗を増大させる方法とを提供することである。
【0008】
定義
本明細書の関連では、以下の各用語又は語句は、以下の1つ又は複数の意味を含むことになる。
「超吸収性構造体」という用語は、最も好ましい条件下で、0.9重量パーセント塩化ナトリウムを含有する水溶液中でその重量の少なくとも約15倍、より望ましくは、その重量の少なくとも約25倍吸収することができる水膨潤性で水不溶性の有機又は無機材料を意味する。超吸収性材料は、天然、合成、及び修飾天然のポリマー及び材料とすることができる。更に、超吸収性材料は、シリカゲルのような無機材料又は架橋ポリマーのような有機化合物とすることができる。超吸収性材料は、生物分解性又は非生物分解性とすることができる。超吸収性材料は、粒子、繊維、麻くず、フレーク、フィルム、及び発泡体などを含むことができる。材料がこれらの条件下で水溶液をその重量の少なくとも5倍吸収する場合に、その材料は「吸収性」である。
【0009】
「ポリマー」という用語は、一般的に、以下に限定されるものではないが、ホモポリマーと、ブロック、グラフト、ランダム、及び交互コポリマーを含むコポリマーと、ターポリマーと、その他と、その配合物及び修飾物とを含む。更に、特に断らない限り、「ポリマー」という用語は、材料のあらゆる可能な幾何学的構成を含むものとする。これらの構成には、以下に限定されるものではないが、アイソタクチック、シンジオタクチック、及びアタクチック対称が含まれる。
【0010】
「事前に篩い分けする」という用語は、本明細書で用いる場合、指定の大きさの範囲の粒子を含むように篩い分けされたか又は他の方法で選別された超吸収性材料のサンプルを意味する。本明細書で特に断らなければ、事前に篩い分けした超吸収性材料には、300〜600ミクロンの範囲の大きさの粒子が含まれる。篩い分け処理の更に詳細な説明を以下の「平均粒径分布試験法」に説明する。
「篩い分けしていない」という用語は、本明細書で用いる場合、「そのままの」という用語と互換的に用いられる。これらの用語は、指定の大きさの範囲の粒子のみを含むように篩い分けがされていないか又は他の方法で選別されていない超吸収性材料のサンプルを意味する。その代わりに、篩い分けしていない超吸収性材料は、機械的損傷の結果として大きさ及び形状が変化した粒子のようなあらゆる大きさの粒子を含むことができる。
【0011】
「吸収性物品」という用語には、おむつ、トレーニングパンツ、水着、吸収性下着、大人用失禁製品、及び女性用衛生製品などのようなパーソナルケア吸収性物品、並びにティッシュペーパー、ペーパータオル、キッチンタオル、外出用タオル、及び湿潤ワイプなどのような吸収性拭き取り用物品、並びに医療用吸収性衣類、ドレープ、ガウン、包帯、マスク、創傷被覆材、アンダーパッド、及びワイプなどのような医療用吸収性物品が含まれる。
【0012】
「親水性」という用語は、空気中の水の接触角が90度よりも小さい材料を意味する。本出願の目的に対しては、接触角測定値は、「表面及びコロイド科学−実験的方法」、第II巻、Robert J.Good、及び、Robert J.Stromberg編(プレナム・プレス、1979年)に示されたように判断される。
「親水性軟質ポリマー」という用語は、水溶性モノマーを3炭素又はそれよりも少ないアルキル鎖と重合して得られ、乾燥ポリマーに関して20℃よりも低いガラス転移温度(Tg)を有する材料を意味する。親水性軟質ポリマーは、室温でエラストマーとして作用し、急速非放射架橋を行うことができる。
「非粒子状溶液」という用語は、固体、液体、気体、又はそれらの組合せとすることができる2つ又はそれよりも多い物質の均質な混合物を意味し、この溶液は、非溶解性固体粒子を含まない。
これらの用語は、本明細書の残りの部分で付加的な言葉によって定義される場合がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明によれば、損傷抵抗性超吸収性材料は、本発明に説明する方法を用いて達成することができる。これらの超吸収性材料は、現在市販されている超吸収性材料に比較して機械的損傷、特に吸収性製品加工から生じる損傷に対する抵抗性が改善され、機能的損失が減少する。
本発明の超吸収性材料は、以下の実施例で詳細に説明する「吸収性製品加工模擬試験」を受けた時に損傷に抵抗するように処理された従来の超吸収性材料を含む。従来の超吸収性材料は、架橋多価電解質である。多価電解質には、陰イオン性及び陽イオン性の両方のポリマーが含まれる。陰イオン性ポリマーは、カルボキシル、スルホン酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、又はそれらの混合物のような官能基を含有する。陰イオン性ポリマーの例には、以下に限定されるものではないが、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、ポリビニル酢酸、ポリビニルホスホン酸、ポリビニルスルホン酸、イソプチレン−無水マレイン酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、カラギーナン、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、及びそれらのコポリマー又は混合物の塩又は部分塩が含まれる。陽イオン性ポリマーは、一級、二級、及び三級アミン、イミン、アミド、四級アンモニウム、又はそれらの混合物のような官能基を含有する。陽イオン性ポリマーの例には、以下に限定されるものではないが、ポリビニルアミン、ポリジアリルジメチル水酸化アンモニウム、ポリアクリルアミドプロピルトリメチル水酸化アンモニウム、ポリアミノプロパノールビニルエーテル、ポリアリルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリグルタミン、及びそれらのコポリマー又は混合物の塩又は部分塩が含まれる。市販の超吸収性材料の例には、共に米国ノースカロライナ州グリーンズボロ所在のストックハウゼン・インコーポレーテッドから入手可能な「SXM 9543」及び「FAVOR 880」、及び米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル・カンパニーから入手可能な「Dow DRYTECH 2035」が含まれる。これらの超吸収性材料、及び多成分超吸収性材料(すなわち、陰イオン性及び陽イオン性ポリマーの両方を備えた超吸収性構造体)及び生物分解性超吸収性構造体を含む他の超吸収性材料は、本発明に用いるのに適切なものである。
【0014】
従来の超吸収性材料のように、本発明の処理済み超吸収性材料は、ポリマー又は超吸収性構造体のグラムあたり少なくとも15グラムの0.9重量パーセント塩化ナトリウム水溶液の遠心保持容量(CRC)と、0psi膨潤圧力で300〜600ミクロン粒子に対して測定した少なくとも約200(×10-9cm2)、又は少なくとも300(×10-9cm2)、又は少なくとも500(×10-9cm2)、又は少なくとも800(×10-9cm2)のゲルベッド透過率(GBP)値とを示すものである。代替的に、本発明の処理済み超吸収性材料は、吸収性構造体、材料、又は物品製造工程を行う前に、超吸収性材料のグラムあたり約20グラム又はそれよりも大きい、又は約25グラム又はそれよりも大きい0.9重量パーセント塩化ナトリウム水溶液のCRCを示すことができる。しかし、本発明の処理済み超吸収性材料は、以下の実施例に示すように、従来の超吸収性材料ほど脆弱ではなく、従って吸収性物品製造工程中に受ける損傷が少ない。
【0015】
超吸収性材料の損傷抵抗は、超吸収性材料を非粒子状溶液で処理することにより増大させることができる。例えば、超吸収性材料を処理して材料の損傷抵抗を増大させる1つの方法には、以下の実施例5に説明するように超吸収性材料を表面処理するために添加剤の使用が含まれる。この手法では、適切な添加剤は、ガラス転移温度(Tg)が約20℃又はそれよりも低い、又は約10℃又はそれよりも低い、又は約0℃又はそれよりも低い親水性軟質ポリマーである。Tgが低くなれば、ポリマーが軟らかくなる。適切な親水性軟質ポリマーの例には、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリエチレングリコールグラフトコポリマーを含む親水性アクリレート又はメタクリレートコポリマーが含まれる。親水性軟質ポリマーは、適切には、水溶液の重量で約0.1%と約10%の間、又は約0.5%と約8%の間、又は約2%と約5%の間の量で水溶液中に存在する。水溶液は、超吸収性材料の重量で約10%と約1000%の間、又は約50%と約800%の間、又は約100%と約500%の間の量で超吸収性材料に加えることができる。水溶液及び超吸収性材料は、次に互いに混合される。一様な表面コーティングを確実にするために、水溶液及び超吸収性材料の混合物は、約0.1〜約10分間撹拌することができる。水溶液を超吸収性材料に加えた後に、超吸収性材料は、適切には、約20と約150の間、又は約50と約100℃の間の温度で約0.1〜約30時間、又は約1〜約10時間の期間にわたって乾燥させることができる。添加剤を含む乾燥済み超吸収性材料は、篩いを通して篩い分けすることができ、次に、あらゆる凝塊形成した粒子を分離することができる。凝塊形成した粒子は、粒子を過度に損傷させないように手によって又は緩やかに圧縮して混錬することができる機器を用いることによって圧縮することができる。
【0016】
本出願で開示する親水性軟質ポリマーは、架橋させて水膨潤性であるが水不溶性のポリマーを形成し、付加的な吸収性を与えることができる。更に、親水性軟質ポリマーにより、処理済み超吸収性構造体のGBP値を相当に増大させることができる。超吸収性材料上に被覆した後に親水性軟質ポリマーを架橋することにより、一様なコーティングを達成することができる。表面処理後に架橋を達成する2つの機構が存在する。一方の機構は、潜伏性架橋剤を用いることであり、他方は、自己架橋可能な修飾親水性軟質ポリマーを用いることである。潜伏性架橋剤は、水溶液中で又は表面処理中に親水性軟質ポリマーと反応しない。それは、ポリマーが乾燥された後にある一定の適正条件がもたらされた時にポリマーと反応するだけである。このような適正条件には、例えば、加熱、マイクロ波処理、電子ビーム照射、UV、高湿度、及び有機溶媒処理が含まれる。適切な潜伏性架橋剤には、以下に限定されるものではないが、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボン酸基、カルボキシル基、イミノ基、グリコール基、オキシド基、エポキシ基、イソシアネート基、アジリジノ基、及びそれらの組合せのような親水性軟質ポリマー上のペンダント基と反応することができる少なくとも2つの官能基又は官能性を有するあらゆる有機化合物が含まれる。その例には、ブタンジオール、エチレングリコール、エチレントリアミン、クエン酸、トリクエン酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール、グリセロールポリグリシジルエーテル、エピクロルヒドリン、ポリイソシアネート、ポリアジリジン化合物、ポリビニルアミン、ポリ四級アミン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、デンプン、カルボキシメチルセルロース、キトサン、キトサン塩、アルギン酸、カラギーナン、ポリアスパラギン酸、ポリリジン、ポリコハク酸、ポリグルタミン酸、及びこれらの何れかの混合物が含まれる。他の適切な潜伏性架橋剤には、例えば、Al3+、Fe3+、Zr4+、Ti3+、Co3+、Fe4+、Cr3+、Ce3+、Ce4+、−PO43-のような原子価が少なくとも3である陽イオン又は陰イオンが含まれる。陽イオンは、陰イオン性ペンダント基を有する親水性軟質ポリマーを架橋するための潜伏性架橋剤として用いることができ、一方、陰イオンは、陽イオン性ペンダント基を架橋するのに用いることができる。
【0017】
自己架橋可能な潜伏性架橋剤は、アルコキシシラン官能性を含むアクリレート又はメタクリレートエステル単位を質量で約0.1〜約20%含む。水に露出されると、アルコキシシラン官能性は、シラノール基を形成し、これは、縮合して架橋ポリマーを形成する。
親水性軟質ポリマーはまた、ポリオレフィングリコール及び/又はポリオレフィンオキシド単位を質量で約0.1〜約75%含むことができる。ポリオレフィングリコール及び/又はオキシドは、約2〜約4の炭素原子を有するα−オレフィンを含むことができ、分子あたり約30〜約15,000のオレフィングリコール及び/又はオキシド単位を含むことができる。ポリオレフィングリコール及び/又はオキシドは、アクリレート又はメタクリレートエステルとグラフト重合してグラフトコポリマーを形成することができる。ポリオレフィングリコール及び/又はオキシドは、ホモポリマー又はコポリマーとすることができる。ポリオレフィングリコール及び/又はオキシドは、異なる数の炭素原子を有するオレフィングリコール又はオキシド単位を含むブロックコポリマー、例えば、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマーとすることができる。ポリオレフィングリコール及び/又はオキシドは、可撓性が強化された親水性軟質ポリマーを提供することができる。すなわち、親水性軟質ポリマーは、湿潤条件での付着性、吸収性、及び可撓性が強化されている。
【0018】
親水性軟質ポリマーは、モノエチレン的不飽和ポリマー及びアクリレート又はメタクリレートエステルが、予め形成された鋳型ポリマー、すなわち、ポリオレフィングリコール及び/又はポリオレフィンオキシドの存在下で重合される鋳型重合工程を用いて調製することができる。この重合は、一方がアルコキシシラン官能性を含有する2つの異なるモノエチレン的不飽和モノマーを反応させることにより行うことができる。重合は、熱、放射線、酸化還元化学反応、及び他の技術により誘発することができる。適切な放射線開始剤には、以下に限定されるものではないが、紫外線、マイクロ波、及び電子ビーム放射が含まれる。開始剤は、モノマーの共重合を引き起こす遊離基を生成する。一実施形態では、重合反応は、エタノールのような有機溶媒中で行われる。重合はまた、水溶液中又は組み合わせた水性及び有機溶媒中で起こすこともできる。
【0019】
ポリオレフィングリコール及び/又はオキシドは、重合工程中にアクリレート又はメタクリレート単位上にグラフト重合することができ、又はそうでない場合もある。得られる親水性軟質ポリマーは、別々の成分として、又はコポリマーの一部として、又はこの両方の組合せとしてポリオレフィングリコール及び/又はオキシドを含有することができる。
得られるポリマーは、アルコキシシラン官能性のために潜伏性水分誘発架橋機能を有する。このポリマーは、流動可能な状態で基体又は他の最終使用用途に応用することができる。水分誘発架橋は、アルコキシシランの加水分解と、基体から溶媒を蒸発させるか又は他のいずれかの有効な技術を用いるかのいずれかにより基体から溶媒を除去する時のその後の縮合とを通じて達成することができる。代替的に、アルコキシシランの加水分解及びその後の縮合は、コーティングを周囲空気中の水分に露出することにより溶媒の除去後に行うことができる。
【0020】
超吸収性材料を処理して材料の損傷抵抗を増大させる更に別の方法には、吸収性粒子材料を超吸収性材料に加える段階が含まれる。適切な吸収性粒子材料の一例には、以下に限定されるものではないが、Soerens他に付与された米国特許第6,596,402号に説明されたような架橋ポリ(エチレンオキシド)が含まれ、この特許は、本明細書において本発明の文献と矛盾しない方法でその全内容が引用により組み込まれている。
【0021】
吸収性粒子材料は、超吸収性材料の重量で約0.5%と約10%の間、又は約1%と約5%の間、又は約2%と約4%の間の量で超吸収性材料に加えることができる。吸収性粒子材料は、水性又はアルコール溶液、又は水とメタノール又はエタノールのような適切なアルコールとの配合物の形態で超吸収性材料上に形成することができる。溶液を超吸収性材料に加えてその後乾燥させると、例えば、架橋した吸収性ポリ(エチレンオキシド)粒子の不連続なプラークが超吸収性材料の表面上に形成される。この実施形態の全ての他の態様は、先の実施形態と依然として一致している。
【0022】
これらの方法の全ては、「吸収性製品加工模擬試験」後に0psi又は0.3psiの膨潤圧力で事前に振り分けるか又は振り分けていない粒子のゲルベッド透過率(GBP)の減少が最小であり、並びにこれらの材料の平均粒径(PSD)の減少が最小であることから明らかなように、超吸収性構造体の損傷を大きく低減することができる。「吸収性製品加工模擬試験」は、吸収性物品の製造工程中に一般的に超吸収性材料に加えられる機械的な力を模擬するように作られたものである。この試験の開発は、以下の実施例1及び2によって更に詳細に説明される。以下の実施例は、市販の超吸収性材料及び本発明の処理済み超吸収性材料の両方に起こる損傷の量を更に明らかにしている。より詳細には、事前に篩い分けされた(300〜600ミクロン)損傷した市販の超吸収性材料は、一般的に、0psiでのGBPの減少が少なくとも30%であり、0.3psiでのGBPの減少が60%である。そのままの損傷した市販の超吸収性材料は、0psiでのGBPの減少が少なくとも50%、0.3psiでのGBPの減少が95%であり、模擬試験を受ける前のそれらのバージン材料に比較すると「吸収性製品加工模擬試験」後の平均粒径の減少が少なくとも25%である。これとは対照的に、本発明の処理済み超吸収性材料は、遠心保持容量(CRC)が約15g/g又はそれよりも大きく、又は約20g/g又はそれよりも大きく、又は約25g/g又はそれよりも大きく、0psi膨潤圧力で300〜600ミクロン粒子に対して測定したGBPが約200(×10-9cm2)又はそれよりも大きく、又は約300(×10-9cm2)又はそれよりも大きく、又は約500(×10-9cm2)又はそれよりも大きく、又は約800(×10-9cm2)又はそれよりも大きいことにより、及び、処理済み超吸収性材料が「吸収性製品加工模擬試験」を受けた後の以下の吸収特性、すなわち、(1)0psiでの300〜600ミクロン粒子に対するGBPの約20%又はそれよりも少ない、又は約10%又はそれよりも少ない、又は約5%又はそれよりも少ない低減、(2)0.3psiでの300〜600ミクロン粒子に対するGBPの約50%又はそれよりも少ない、又は約30%又はそれよりも少ない、又は約20%又はそれよりも少ない低減、(3)0psiでのそのままの粒子に対するGBPの約50%又はそれよりも少ない低減、(4)0.3psiでのそのままの粒子に対するGBPの約60%又はそれよりも少ない、又は約40%又はそれよりも少ない低減、及び/又は(5)平均粒径の約20%又はそれよりも少ない低減のうちの少なくとも1つにより示されるように、優れた超吸収性特性を有している。本発明の処理済み超吸収性材料は、これらの吸収特性の1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つ全てを示すことができる。
【0023】
本発明の処理方法は、全体的又は部分的に、超吸収性構造体製造工程の一部として、又は超吸収性材料を吸収性物品に組み込む前又はそれに続くいずれかの他の時点で、又は、吸収性構造体、材料、又は物品の製造工程中でさえも実行することができる。
本発明の超吸収性材料は、あらゆる適切な吸収性構造体及び/又は物品内に組み込むか又はそれらに形成することができる。適切な吸収性構造体の例には、以下に限定されるものではないが、超吸収性材料と天然及び/又は合成繊維を含む繊維との均質又は不均質な混合物、繊維又は不織材料の層に隣接した超吸収性材料の層又は個別のポケットを含む構造体、発泡体、及び原位置重合構造体などが含まれる。適切な吸収性物品の例には、以下に限定されるものではないが、おむつ、トレーニングパンツ、水着、吸収性下着、大人用失禁製品、及び女性用衛生製品などのようなパーソナルケア製品、並びにティッシュペーパー、ペーパータオル、キッチンタオル、外出用タオル、湿潤ワイプ、及び清拭装置などのような吸収性拭き取り物品、並びに医療用吸収性衣類、ドレープ、ガウン、包帯、マスク、創傷被覆材、アンダーパッド、及びワイプなどのような医療用吸収性物品が含まれる。例えば、吸収性物品は、吸収層の全重量に基づき処理済み超吸収性材料の重量で少なくとも約10%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約80%で作られた、又はそれを含有する少なくとも1つの領域を含む吸収層を含むことができる。本明細書で用いる場合、「吸収層」という用語は、超吸収性材料を含有する構成要素又は構造体を意味する。吸収層はまた、繊維、天然又は合成繊維、及び機能性添加物又は界面活性剤などを含むことができる。吸収層は、組織層又は他の適切なラップ材料内に包み込むことができるが、吸収層の組成を計算する目的に対しては、吸収層はラップ層を含まない。
【実施例1】
【0024】
この実施例は、おむつ生産ラインで加工されることにより超吸収性特性及び超吸収性材料の平均粒径に起こる変化を示している。表1は、これらの変化をまとめたものである。バージン材料とは、吸収性物品に組み込まれる前に超吸収性材料製造業者から受け取られた状態の材料である。再生材料とは、市販の吸収性物品に組み込まれた後に見られる状態の材料である。再生超吸収性材料は、おむつ吸収性コア内のフラフから超吸収性構造体を分離するために低速又は中速で空気乱流パルス及びゴムビーターを用いることにより得られたものである。
【0025】
試験した超吸収性構造体は、米国ノースカロライナ州グリーンズボロ所在のストックハウゼン・インコーポレーテッドから入手可能な2つの異なるロットのバージン「SXM 9543」、及び米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル・カンパニーから入手可能なバージン「Dow DRYTECH 2035」であった。対応する再生超吸収性材料は、米国ウィスコンシン州ニーナ所在のキンバリー・クラーク・コーポレーションから入手可能な市販の「Huggies(登録商標)」おむつから得られたものである。


【0026】
(表1)

【0027】
表1のデータでは、事前に篩い分けした300〜600ミクロン粒子又は篩い分けしていないそのままの粒子に対して膨潤圧力を用いるか又は用いずに測定したゲルベッド透過率及び超吸収性材料の平均粒径は、行われているおむつ製造工程の結果相当減少されることが示されている。従って、このデータからは、超吸収性材料の主な機械的損傷及び機能損失がおむつ製造工程で起こっていることを見ることができる。
【実施例2】
【0028】
市販のおむつラインの超吸収性材料が受ける損傷の程度、特に平均PSD及びその減少を模倣し、同時に小規模おむつ使用試験のための吸収性複合材を作るのに適切なサンプルの大きさを生成することができるベンチ法を開発するために、米国フロリダ州ボーカラトーン所在のサンビーム・プロダクツ・インコーポレーテッドから入手可能な市販配合機「OSTERIZER(登録商標)12速度」を用いた。
【0029】
納入業者から受け取ったそのままの(バージン)又は後に本明細書に説明するように修飾/処理した粒子状超吸収性構造体50グラムを毎回配合機に加え、次に、配合機が「高速」及び「配合」設定の組合せに設定される間に、配合機は、様々な長さの時間(15、30、及び60秒)にわたって運転された。配合時間の長さを用いて損傷レベルに対応させ、長時間はより重い損傷を表すものであった。表2は、この仮説を支持するデータを列記している。また、表2のデータに基づいて、市販のおむつ製造ラインの損傷に類似する損傷のレベルを表す30秒配合方法を選択した。この方法は、本明細書では「吸収性製品加工模擬試験」と呼び、以下の「試験方法」の節にも説明する。
【0030】
表2はまた、市販おむつラインに対するパイロットラインによって超吸収性材料に被った損傷を比較するものである。パイロットラインを用いて評価用のサンプル吸収性コアが作られた。これらのサンプル吸収性コアから得た再生超吸収性構造体の平均粒径の減少は、バージン対応物に比較して最小であったが、これは、生成速度が遅いためにパイロットラインが超吸収性構造体に負わせる損傷が最小になることを示している。この結果はまた、再生処理が超吸収性材料に最小の損傷衝撃を与えることも示している。
【0031】
(表2)

【実施例3】
【0032】
市販の超吸収性構造体の3つの種類、すなわち、共にストックハウゼン・インコーポレーテッドから入手可能な「SXM 9543」及び「FAVOR 880」、及びダウ・ケミカル・カンパニーから入手可能な「Dow DRYTECH 2035」に実施例2に説明した30秒配合法により別々に損傷を与え、その特性を測定して表3に列記した。これらの3つ全ての超吸収性構造体は、機械的衝撃及び応力により損傷を与えることができた。表3で「バージン」とラベル付けされたサンプルには、配合処理を行わなかった。「配合物」とラベル付けしたサンプルは、上述のように30秒間配合されたものである。粒径が300〜600ミクロンのサンプルは、それらのバージン超吸収性構造体に比較して、0psiでのGBP減少が約30%又はそれよりも大きく、0.3psiでのGBP減少が約60%又はそれよりも大きいことが示されており、そのままの粒子は、0psiでのGBP損失が約50%又はそれよりも大きく、0.3psiでのGBP損失が約95%又はそれよりも大きく、平均粒径の減少が約25%又はそれよりも大きいことが示されている。














【0033】
(表3)

【実施例4】
【0034】
バージン及び配合した市販超吸収性構造体「SXM 9543」及び「Dow DRYTECH 2035」は、生産速度が遅いために超吸収性構造体損傷が最小になるパイロットラインを用いて木質パルプを有する吸収性複合材に組み入れられた。
バージンの市販超吸収性構造体を含む吸収性複合材料は、表4で損傷レベルが0秒と示され、一方、損傷又は配合した市販超吸収性構造体を含む複合材は、用いた配合時間の量によって損傷の程度を表すようにラベル付けされている。
【0035】
各吸収性複合材料は、「CR 1654」として指定された米国アラバマ州クーサリバー所在のボワターから入手可能な複合材の重量でほぼ45%の超吸収性構造体及び55%の木質パルプで調製したものであった。吸収性複合材料は、ほぼ600gsmの全坪量及び0.22g/ccの密度であった。吸収性複合材料は、ダイカットしておむつ試験のための吸収性コアに組み立てた。各コアは、2層の吸収性複合材料を含み、下層は、現在の市販の「Step 4 HUGGIES(登録商標)Ultratrim」おむつコアと同じT字形を有し、上層は、2−7/8インチ(7.3cm)×9インチ(22.9cm)の矩形を有し、下層の前縁から3.5cm後退している。「Step 4 HUGGIES(登録商標)Ultratrim」おむつは、米国ウィスコンシン州ニーナ所在のキンバリー・クラーク・コーポレーションから入手可能である。下層の表面積は、ほぼ394cm2であり、上層の表面積は、ほぼ167cm2であった。下層の股幅は、3.5インチ(8.9cm)であった。層は、層間に組織を含むことなく粘着的に積層された。次に、積層吸収性コアの各々は、標準「Step 4 HUGGIES(登録商標)Ultratrim」おむつシャーシに入れられた。このおむつ修正は、存在するライナ、サージ、組織、及び吸収性パッド材料を標準「Step 4 HUGGIES(登録商標)Ultratrim」おむつから切り取って除去し、軽くスプレーした組立用接着剤及び接着テープを用いて新しい2積層吸収性コア及び標準「Step 4 HISGGIES(登録商標)Ultratrim」おむつライナ、2.5osyサージ、及び組織材料の新しいもので置換することによって行った。用いた組立用接着剤は、H2525Aであり、これは、米国ウィスコンシン州ウォーワトサ所在のフィンドレー・アドヒーシブズ・インコーポレーテッドから入手可能なスチレンブロックコポリマー接着剤である。
【0036】
この試験は、年齢が13ヶ月と36ヶ月の間の体重が22〜32ポンドの範囲の男児12人及び女児12人が関わっており、座位及び腹臥位(うつぶせ)の両方で試験した。被験者は、流体放出中及び流体放出後の追加の30秒の間のみ座位又は腹臥位を保った。70mlの0.9重量%塩化ナトリウム水溶液が、衣類が漏れるまで(少なくとも米国0.25ドルコイン(ほぼ直径2.4cm)の大きさの第1の湿潤スポットが被験者の綿パンツに観察された時)15分毎に15ml/秒の速度でおむつに注入された。破断時の平均荷重及び280グラム荷重の前に破断したおむつのパーセント(早期漏れと呼ぶ)を用いておむつ性能を表した。平均荷重が大きく、早期漏れパーセントが小さければ、おむつ性能が良いことを示している。表4は、試験の結果をまとめている。
【0037】
(表4)

【0038】
表4に見られるように、最小の超吸収性構造体損傷を受けた超吸収性材料を有する衣類は、他の衣類よりも性能が優れていた。
【実施例5】
【0039】
この実施例では、超吸収性材料の損傷抵抗は、親水性軟質ポリマーの水溶液を超吸収性材料に導入して超吸収性材料の脆弱性を低減することにより増大させた。適切な親水性軟質ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、少なくとも室温よりも低く、又は少なくとも0℃よりも低いものである。
この実施例では、1:1モル比のアクリル酸:アクリレート四級アミンコポリマー(ポリマーA)及びアクリレート四級アミンホモポリマー(ポリマーB)である2つの親水性軟質ポリマーを用いた。これらのポリマーを作る方法を以下に列記する。
【0040】
ポリマーAの調製
溶液第1号は、以下のように調製した。14.4グラム(0.20モル)のアクリル酸を200mlのビーカに入れたものに、6.0グラムのポリエチレングリコール200を加え、続いて、3.2グラム水酸化ナトリウムの34グラム蒸留水溶液を加えた。次に、0.18グラム(1.02×10-3モル)のアスコルビン酸を溶液に加えた。この混合物をアスコルビン酸が溶解するまで約23℃で水浴に入れて約60rpmの磁気撹拌バーで撹拌し、この混合物を23℃に冷却した。
【0041】
溶液第2号は、以下のように調製した。48.4グラム(0.20モル)の2−(アクリロイルオキシ)エチル−トリメチルアンモニウムクロリド(80%水溶液)を300mlビーカに入れたものに、6.0グラムポリエチレングリコール200を加え、続いて、0.37mlの30%過酸化水素水及び1.0ml(5.42×10-3モル)の3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートを加えた。原料は、透明な溶液になるように撹拌しながら加えられた。この混合物は、約60rpmの磁気撹拌バーで撹拌し、透明な溶液を生成した。
【0042】
約60rpmの磁気撹拌バーで撹拌しながら溶液第2号を溶液第1号に加えた。熱電対を用いて温度をモニタし、反応発熱を観察した。重合反応は、約30秒以内混合する間に始まり、この時の温度は23から40℃まで上昇した。2つの溶液を3分間混合した後に最高温度の約68℃が観察された。付加的に40グラムの水を加え、依然として手で撹拌することができる粘性を維持した。混合物を47℃の水浴に70分間維持した。得られるポリマー溶液を185グラムの水で希釈し、均質な溶液を形成した。
【0043】
得られる水性結合剤組成物は、24.7グラムの溶液を表面積約100cm2のポリスチレン秤量ボートに注ぎ、室温でフードに入れて一晩水を蒸発させることにより架橋フィルムに成形された。得られるフィルムの重量は、5.36グラムであり、溶液濃度が約22.1%であることを示している。
フィルムの吸収容量は、試験方法の節に説明する「遠心保持容量」試験を用いて試験された。フィルムの吸収容量は、その生理食塩水溶液の乾燥重量の12.2g/gであった。
【0044】
ポリマーBの調製
2つのモノマー溶液を別々に調製した。溶液第1号は、以下のように調製した。67.3グラムの2−(アクリロイルオキシ)エチル−トリメチルアンモニウムメチルスルフェート(0.20モル)80%溶液に25.3グラムの脱イオン水及び6.0グラムのPEG200(分子量200)を加えた。次に、0.18グラム(1.02×10-3モル)のアスコルビン酸を溶液に加えた。この混合物をアスコルビン酸が溶解するまで約23℃の水浴に入れ、約60rpmの磁気撹拌バーで撹拌した。
【0045】
溶液第2号は、以下のように調製した。67.3グラムの2−(アクリロイルオキシ)エチル−トリメチルアンモニウムメチルスルフェート(0.20モル)の80%溶液に、25.3グラムの脱イオン水、6.0グラムのPEG200(分子量200)、0.37mlの30%過酸化水素水、及び1.0ml(5.42×10-3モル)の3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートを加えた。この混合物を約23℃の水浴に入れて約60rpmの磁気撹拌バーで撹拌し、透明な溶液を生成した。
【0046】
溶液第2号を温度37℃の水浴中で溶液第1号に加えた。熱電対を用いて温度をモニタし、反応発熱を観察した。溶液を組み合わせて3分以内に、1分間にわたって温度が73℃に上昇することにより発熱したことが明らかになり、溶液は高度に粘性になった。溶液第2号を溶液第1号に加えてから60分後に反応ビーカを水浴から除去した。次に、150グラムの脱イオン水を加え、ポリマー濃度を約25%まで低減した。
【0047】
50グラムの25%ポリマー溶液に2.5mlの塩酸の0.2%溶液を加えた。この溶液を2つの秤量皿(100cm2面積)に注ぎ、実験室フードに入れて2日間乾燥させた。得られるフィルムは、非常に軟質で可撓性があり、僅かに粘着性のものであった。フィルムの一部を切り取り(0.5グラム)、20mlの0.9%生理食塩水に60分間浸漬した。「試験方法」の節に説明する「遠心保持容量」試験を用いてフィルムの吸収容量を試験した。フィルムは実質的に膨潤し、その生理食塩水溶液の乾燥重量の約7.1g/gを吸収した。
【0048】
50グラムのポリマーAの10%溶液を秤量し、500mlガラスビーカに入れた。このビーカに、200グラムの蒸留水を加え、5分間撹拌して均質な溶液A1を形成した。同様に、84グラムのポリマーAの10%溶液を秤量して500mlガラスビーカに入れた。このビーカに、336グラムの蒸留水を加え、5分間撹拌して均質な溶液A2を形成した。また、50グラムのポリマーBの10%溶液を秤量して500mlガラスビーカに入れた。このビーカに、200グラムの蒸留水を加え、5分間撹拌して均質な溶液Bを形成した。次に、各溶液に100グラムの「SXM 9543」を加え、激しく撹拌した。膨潤した超吸収性構造体を80℃のオーブンに入れて一晩乾燥させた。親水性軟質ポリマー添加剤を加えた乾燥超吸収性構造体は、850ミクロン篩いを通して篩い分けされ、850ミクロンよりも大きな全ての粒子を手で押して、全ての凝塊形成した粒子を分離した。損傷が起こらないことを確実にするために機械的な力は用いなかった。「吸収性製品加工模擬試験」に従い、乾燥して篩い分けした「SXM 9543」粒子の一部を30秒間配合機で損傷させた。配合機で損傷させる前の超吸収性構造体を調製サンプルと呼び、一方、損傷された超吸収性構造体を配合サンプルと呼んだ。
【0049】
処理済み9543に対するPSD及び吸収性は、もはやバージン材料と同じではないので、損傷処理済み9543(配合サンプル)は、処理済み9543(調製したまま)と比較された。表5の結果は、親水性軟質ポリマーを加えると機械的損傷に対する抵抗性が向上する傾向を明確に示している。より詳細には、この処理により、調製超吸収性構造体のあらゆる条件でGBP値が相当に増大し、処理を通してこれらのGBP及び平均粒径の減少が最小になる。
【0050】
(表5)

【0051】
実施例5に対する比較例
この比較例では、超吸収性材料の損傷抵抗は、疎水性軟質ポリマーの乳剤を超吸収性材料に導入して超吸収性材料の脆弱性を低減することにより増大させた。適切な疎水性軟質ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、少なくとも室温である。
この比較例では、エア・プロダクト・アンド・ケミカル・インコーポレーテッドから入手可能な疎水性ラテックス乳剤である「AIRFLEX 192」を用いた。「AIRFLEX 192」の様々な量(乾燥超吸収性構造体に基づく2.5、5、及び10重量パーセント)を別々に秤量し、3つの250mlガラスビーカに入れた。これらの3つのビーカに蒸留水を加え、「AIRFLEX 192」及び加えた水の全重量を25グラムにして、2分間撹拌して均質な乳剤を形成した。10グラムの「SXM 9543」を各希釈乳剤に加え、激しく撹拌した。膨潤超吸収性構造体を60℃のオーブンに1晩入れて乾燥させた。疎水性軟質ポリマー添加剤を含む乾燥超吸収性構造体を850ミクロン篩を通して篩い分けし、850ミクロンよりも大きな全ての粒子を手で押して凝塊形成した粒子を分離した。損傷が起こらないことを確実にするために機械的な力は使用しなかった。乾燥して篩い分けした「SXM 9543」粒子は、30秒間配合機により損傷させた。
【0052】
処理済み9543に対するPSD及び吸収性は、もはやバージン材料と同じではないので、損傷させて処理した9543は、本来の処理済み9543(調製したまま)と比較された。表6の結果は、「AIRFLEX 192」を加えると機械的損傷への抵抗性が向上する傾向が明確に示されている。しかし、この添加はまた、調製サンプルのあらゆる条件でGBP値も相当に減少させる。例えば、2.5%、5%、又は10%の「AIRFLEX 192」を「SXM 9543」上に加えると、処理済み「SXM 9543」の0psiでのGBP値が241.7×10-9cm2からそれぞれ131.3×10-9cm2、98.2×10-9cm2、及び85.9×10-9cm2まで減少した。機械的損傷を受ける前の調製「SXM 9543」のGBP値は、本発明の範囲外である。0psiでのGBP値は、約200×10-9cm2又はそれよりも大きいことが望ましい。






















【0053】
(表6)

【0054】
試験方法
0psi膨潤圧力でのゲルベッド透過率(GBP)試験
本明細書で用いる場合、0psi膨潤圧力での「ゲルベッド透過率(GBP)」試験は、一般的に「自由膨潤」条件と呼ばれる条件の下でゲル粒子(例えば、表面処理済み吸収性材料又は表面処理前の超吸収性材料など)の膨潤ベッドの透過率を判断するものである。「自由膨潤」という用語は、これから説明するように試験溶液を吸収する時に制限荷重なしにゲル粒子が膨潤することができることを意味する。「ゲルベッド透過率試験」に適切な装置は、図1及び図2に全体的に28で示されている。試験装置28には、全体的に30で示すサンプル容器及び全体的に36で示すピストンが含まれる。ピストン36には、シャフトの縦方向軸線に下向きに穿孔された同心の円筒形穴40を有する円筒形「LEXAN」シャフト38が含まれる。シャフト38の両端を機械加工し、それぞれ42及び46で示す上端及び下端を設ける。48で示す重りが一端42に載せられており、それは、少なくともその中心の一部分を通って穿孔された円筒形の穴48を有する。
【0055】
円形のピストンヘッド50を他端46に位置決めし、各々直径が約0.95cmの7個の穴の同心内側リング60と、これも各々直径が約0.95cmの14個の穴の同心外側リング54とを設ける。穴54及び60は、ピストンヘッド50の上部から下部まで穿孔されたものである。ピストンヘッド50はまた、その中心に穿孔された円筒形の穴62を有し、シャフト38の端部46を受け取る。ピストンヘッド50の下部はまた、2軸延伸100メッシュステンレス鋼スクリーン64で覆うことができる。
【0056】
サンプル容器30には、シリンダ34と、2軸延伸して緊縮させてシリンダの下端に取り付けられた400メッシュステンレス鋼布スクリーン66とが含まれる。図1に68で示すゲル粒子サンプルは、試験中にシリンダ34内のスクリーン66上に支持される。
シリンダ34は、透明「LEXAN」ロッド又は同等の材料に穿孔することができ、又は「LEXAN」チューブ又は同等の材料から切断することもでき、内径が約6cm(例えば、断面積が約28.27cm2)、壁厚が約0.5cm、高さがほぼ10cmである。スクリーン66の上方の高さほぼ7.8cmのシリンダ34の側壁に排水穴(図示せず)を形成し、液体がシリンダから排水されるようにして、それによってサンプル容器内の流体レベルをスクリーン66の上方ほぼ7.8cmに維持することができる。ピストンヘッド50は、「LEXAN」ロッド又は同等の材料を機械加工して作られ、高さほぼ16mmであり、直径がシリンダ34内部に適合し、壁間隙が最小であるが依然として自由に滑る大きさにされる。シャフト38は、「LEXAN」ロッド又は同等の材料を機械加工して作られ、外径が約2.22cm、内径が約0.64cmである。
【0057】
シャフトの上端42は、長さほぼ2.54cm、直径ほぼ1.58cmであり、重り48を支持するための環状肩部47を形成する。環状重り48の内径は約1.59cmであり、シャフト38の上端42上に滑り、それに形成された環状肩部47に載るようになっている。環状重り48は、ステンレス鋼又は0.9重量パーセント塩化ナトリウム蒸留水溶液である試験溶液の存在下で耐腐食性の他の適切な材料で作ることができる。ピストン36及び環状重り48を組み合わせた重量は、ほぼ596グラム(g)に等しく、これは、約28.27cm2のサンプル面積にわたって約0.3ポンド/平方インチ(psi)又は約20.7ダイン/cm2(2.07kPa)であるサンプル68に加えられた圧力に一致する。
【0058】
試験溶液が、以下に説明するように試験中に試験装置を通して流れる時に、サンプル容器30は、全体的に16メッシュ剛直ステンレス鋼支持スクリーン(図示せず)上に載っている。代替的に、サンプル容器30は、支持リングが容器の下部からの流れを制限しないようにシリンダ34と実質的に等しい直径方向の大きさにされた支持リング(図示せず)上に載せることができる。
「自由膨潤」条件下で「ゲルベッド透過率試験」を行うために、重り48を載せたピストン36を空のサンプル容器30に入れ、圧板を除去して0.01mm精度の適切なゲージを用いて高さを測定する。各サンプル容器30を空にして高さを測定し、複数の試験装置を用いる場合には、どのピストン36及び重り48を用いるかの経過を把握することが重要である。後にサンプル68を飽和させてから膨潤させる時に測定するために、同じピストン36及び重り48を用いる必要がある。
【0059】
試験するサンプルは、米国標準30メッシュスクリーンを通して事前に篩い分けし、米国標準50メッシュスクリーン上に保持された粒子から調製される。その結果、試験サンプルには、約300〜約600ミクロンの範囲の大きさの粒子が含まれる。粒子は、手動又は自動で事前に振り分けることができる。また、試験サンプルは、そのままの粒子とすることもできる。ほぼ0.9グラムのサンプルをサンプル容器30に入れ、サンプル容器の下部で均等に広げる。0.9グラムのサンプルを入れてピストン36及び重り48を出した容器は、次に、試験溶液に約60分間浸漬してサンプルを飽和させ、制限荷重を掛けることなくサンプルを膨潤させる。
【0060】
この期間の終了時に、ピストン36及び重り48アセンブリをサンプル容器30の飽和サンプル68上に置き、その後、サンプル容器30、ピストン36、重り48、及びサンプル68を溶液から除去する。飽和サンプル68の厚さは、ゼロ点が最初の高さ測定から変化していなければ同じ厚さゲージを用いて重り48の下部からシリンダ34の上部までの高さを再び測定することにより判断される。サンプル68を飽和した後に得られた高さ測定値から、空のサンプル容器30、ピストン36、及び重り48を測定することから得られた高さ測定値が差し引かれる。得られる値は、膨潤サンプルの厚さ、すなわち、高さ「H」である。
【0061】
透過率測定は、飽和サンプル68、ピストン36、及び重り48を内部に入れたサンプル容器30に試験溶液の流れを送出することにより開始される。試験溶液を容器に流す流量を調節し、流体の高さをサンプル容器の下部の上方約7.8cmに維持する。サンプル68を通過する溶液量対時間は、重量測定法で測定する。流体レベルが高さ約7.8cmに安定して維持された状態で、データ点は、少なくとも20秒間にわたって毎秒収集される。膨潤サンプル68を通る流量Qは、サンプル68を通過する流体(グラム単位)対時間(秒単位)の線形最小二乗当て嵌め法によりグラム/秒(g/s)単位で判断される。
【0062】
cm2単位の透過率は、以下の式:
K=[Q**μ]/[A*ρ*P]
により得られ、ここで、K=透過率(cm2)、Q=流量(g/sec)、H=サンプルの高さ(cm)、μ=液体粘性(ポアズ)(この「試験」に用いた試験溶液では、ほぼ1センチポアズ)、A=液体流に対する断面積(cm2)、ρ=液体密度(g/cm3)(この「試験」に用いた試験溶液では、ほぼ1g/cm3)、及びP=静水圧(dynes/cm2)(通常、ほぼ3,923dynes/cm2)である。静水圧は、
P=ρ**
から計算され、ここで、ρ=液体密度(g/cm3)、g=重力加速度、公称981cm/sec2、及びh=流体高さ、例えば、本明細書に説明する「ゲルベッド透過率試験」では7.8cmである。
最少でも3つのサンプルを試験し、結果を平均してサンプルのゲルベッド透過率を判断する。
【0063】
0.3psi膨潤圧力でのGBP試験
本明細書で用いる場合、「荷重下ゲルベッド透過率(GBP)試験」は、本明細書ではそれ以外に0.3psiでのGBPとも呼ばれ、一般的に「荷重下」条件と呼ばれる条件下でゲル粒子(例えば、本明細書で用いられる時の用語である超吸収性材料又は吸収性材料)の膨潤ベッドの透過率を判断するものである。「荷重下」という用語は、着用者が座ったり、歩いたり、捻ったりする時のように粒子に加えられる通常の使用時荷重とほぼ一致する荷重により粒子の膨潤が制限されることを意味する。
【0064】
より詳細には、「荷重下ゲルベッド透過率試験」は、上述の「自由膨潤ゲルベッド透過率試験」と以下の例外を除いて実質的に同じである。ほぼ0.9グラムのサンプルをサンプル容器30に入れてサンプル容器の下部に均等に広げ、ピストン36及び重り48が、サンプル容器(ピストン及び重りを入れたもの)を試験溶液(0.9重量%NaCl生理食塩水)に約60分間浸漬する前にサンプル容器内のサンプル上に置かれる。その結果、サンプルが飽和して膨潤する時に0.3psi制限荷重がサンプルに加わる。
【0065】
平均粒径分布試験
本発明で用いるPSD試験方法では、篩い分析により、超吸収性材料の粒径の分布を判断する。異なる大きさの篩い目の篩いのスタックを用いて、所定のサンプルの粒径分布を判断する。すなわち、例えば、原理上は、600ミクロン篩い目の篩いに保持された粒子の粒径は、600ミクロンよりも大きいと考えられる。600ミクロン篩い目の篩いを通過し、300ミクロン篩い目の篩いに保持された粒子の粒径は、300と600ミクロンの間であると考えられる。更に、300ミクロン篩い目の篩いを通過した粒子の粒径は、300ミクロンよりも小さいと考えられる。
【0066】
850、600、300、90、及び45ミクロンの篩い目の篩いを篩い目の大きさ順に最も大きな篩い目を一番上にし、一番小さな篩い目の篩いを一番下にして重ねて置く。このようなスタックを皿の上に置く。超吸収性粒子のサンプル25グラムを最も大きな篩い目の篩いに入れる。篩いのスタックを米国オハイオ州メンター所在のW・S・タイラーから入手可能な「Ro−Tap Mechanical Sieve Shaker、 Model B」又は他の同様な振盪装置で10分間振盪する。振盪が終了すると、各篩い上に保持された超吸収性粒子を除去し、重量を測定して記録する。各篩い上に保持された粒子のパーセントは、各篩い上に保持された粒子の重量を最初のサンプル重量で割ることにより計算される。最低でも4つサンプルを試験し、結果を平均してサンプルの各篩い上に保持された粒子のパーセントを判断する。平均粒径(PSD)は、次の式:
平均PSD=(850W850+600W600+300W300+90W90+45W45+Wpan)/100
により計算される。ここで、Wは、各篩いに保持された粒子の平均重量パーセントを表し、添え字は、各篩いの篩い目の大きさを表している。
【0067】
遠心保持容量
「遠心保持容量(CRC)試験」では、ゲル粒子(例えば、表面処理済み吸収性材料又は表面処理される前の超吸収性材料など)を飽和し、制御した条件下で遠心分離が行われた後に液体をその内部に保持する機能を測定する。得られる保持容量は、サンプルのグラム重量あたりの保持された液体のグラム(g/g)で表される。試験されるサンプルは、米国標準30メッシュスクリーンを通して事前に篩い分けされ、米国標準50メッシュスクリーン上に保持された粒子から調製される。その結果、サンプルには、約300〜約600ミクロンの範囲の大きさの粒子が含まれる。粒子は、手動又は自動で事前に篩い分けすることができ、試験するまで密封気密容器に保存される。
【0068】
保持容量は、試験溶液(0.9重量パーセント塩化ナトリウムの蒸留水溶液)がサンプルに自由に吸収されるようにしながらサンプルを収容することになる水透過率バッグに0.2±0.005グラムの事前に篩い分けしたサンプルを入れることにより測定する。米国コネチカット州ウィンザーロックス所在のデクスター・コーポレーションから入手可能な型式番号「1234T」ヒートシール可能フィルタ紙のようなヒートシール可能なティーバッグ材料は、ほとんどの用途で良好に機能する。このバッグは、バッグ材料の5インチ×3インチサンプルを半分に折って2つの開放縁部をヒートシールし、2.5インチ×3インチの矩形パウチを形成することにより形成される。ヒートシールは、材料の縁部の内側約0.25インチとすべきである。サンプルをパウチに入れた後に、パウチの残りの開放縁部もヒートシールする。空のバッグも作って対照として用いる。試験のために3つのサンプル(例えば、充填して密封したバッグ)を調製する。充填したバッグは、直ちに密封容器に入れなければ、調製して3分以内に試験する必要があり、密封容器に入れる場合は、充填したバッグは、調製から30分以内に試験すべきである。
【0069】
バッグは、3インチ開口部を有する2つの「TEFLON(登録商標)」被覆ガラス繊維スクリーン(米国ニューヨーク州ピーターズバーグ所在のタコニック・プラスチックス・インコーポレーテッド)の間に挟んで23℃の試験溶液の皿に浸漬し、バッグが完全に濡れるまでスクリーンが確実に押し下げられるようにする。湿潤後、サンプルは、溶液中に約30±1分間入れたままにし、その時点で溶液から除去して非吸収性の平坦な表面に一時的に置く。複数回試験するために、24個のバッグが皿内で飽和した後に、皿を空にして新しい試験溶液を補充すべきである。
【0070】
次に、サンプルに約350のgの力を与えることができる適切な遠心分離機のバスケットに湿潤バッグを入れる。適切な遠心分離機の1つは、水収集バスケット、デジタルrpmゲージ、及びバッグサンプルを保持して排水するように構成された機械加工排水バスケットを有する「Heraeus LaboFuge 400」である。複数のサンプルを遠心分離する場合には、サンプルは、遠心分離機内の対向する位置に置き、回転する時にバスケットの均衡を取るようにすべきである。バッグ(湿潤した空のバッグを含む)は、約1,600rpm(例えば、目標の約350のgの力を達成するための)で3分間遠心分離する。バッグを除去して重さ(W)を量るが、最初に空のバッグ(対照)の重さを量り、次にサンプルを含むバッグの重さを量る。サンプルに保持される溶液の量は、バッグ自体に保持される溶液を考慮すると、流体のグラム/サンプルのグラムで表されるサンプルの遠心保持容量(CRC)である。より詳細には、保持容量は、以下のように判断される。
CRC=(W(サンプル+バッグ)遠心分離後−W(バッグ)遠心分離後−W乾燥サンプル)/W乾燥サンプル
3つのサンプルを試験して結果を平均し、遠心保持容量(CRC)を判断する。サンプルは、23±1℃及び50±2パーセント相対湿度で試験する。
【0071】
荷重下吸収性(0.9psiでのAUL)試験
「荷重下吸収性(AUL)試験」は、材料を0.9psi荷重下にしながら、ゲル粒子サンプル(例えば、表面処理済み吸収性材料又は表面処理前の超吸収性材料など)が室温の塩化ナトリウムの0.9重量パーセント蒸留水溶液(試験溶液)を吸収する機能を測定するものである。「AUL試験」を行うための装置106を図3に示しており、全体的に100で示す「要求吸収性試験器(DAT)」を含み、これは、米国マサチューセッツ州ダナーズ所在のM/K・システムズから入手可能な「重量分析吸収性試験システム(GATS)」及び「INDA技術シンポジウム抄録集」、1974年3月の129〜142頁にLichsteinにより説明されたシステムに類似している。
【0072】
試験装置は、全体として101(図4)で示されており、そこに形成された空洞102及び空洞に入れた多孔性プレート103を有し、プレートを通って延びる複数の穴104により形成された直径約2.54cmの中心の孔領域を有する試験スタンドを更に含む。図4に示す空洞102の直径は約3.2cm、多孔性プレート103の直径は約3.1cmであり、各々直径が約0.3cmの7つの穴104を含む。穴104の1つは中心に位置し、残る6つの穴は、中心穴の中心から各隣接する穴の中心までの間隔が約1センチメートルになるように中心穴の周りに同心円状に位置決めされている。
【0073】
試験するサンプル110を含むためのサンプル容器には、シリンダ112と、2軸延伸して緊縮させてシリンダの下端に取り付けたステンレス鋼布スクリーン114とが含まれる。シリンダ112は、透明「LEXAN」ロッド又は同等の材料に穿孔することができ、又は「LEXAN」チューブ又は同等の材料から切断することもでき、内径が約1インチ(約2.54cm)である。ステンレス鋼布スクリーン114は、100メッシュスクリーンであることが適切である。
【0074】
ディスク又はピストン116は、「LEXAN」ロッド、「Plexiglass」、又は同等の材料を機械加工して作られ、壁間隙が最小であるが依然として自由に滑るようにシリンダ112内に適合する直径にされる。ピストン116の高さは、ほぼ0.8cmであり、ピストンの重量は、約4.4グラムにして容器内のサンプルの断面積にわたる荷重が約0.01psiになるようにすることが適切である。重り118は、ピストン116に載ってサンプル上の荷重(例えば、ピストンの重量に加えて)を増大させる大きさ(例えば、直径約2.5cm)にされる。例えば、約317グラムの重りを用いて、容器内のサンプルの断面積にわたり約0.9psiの荷重(例えば、ピストン重量を含む)を与える。
【0075】
空洞102、及び従って多孔性プレート103は、適切な導管122を通じて試験溶液(室温の0.9重量パーセント塩化ナトリウム蒸留水溶液)を含有するリザーバ120と流体連通する。図3に示すように、リザーバ120は、静電気秤108上に着座している。
米国標準30メッシュスクリーンを通して粒子を篩い分けし、米国標準50メッシュスクリーン上に粒子を保持させ、サンプルが約300〜約600ミクロンの範囲の大きさの粒子を含むようにすることにより、約0.160グラムの重さのゲル粒子のサンプル110を調製する。サンプルは、適切な秤量紙に載せて秤量し、次に、粒子が均一に分布して容器の下部でスクリーンの上に重なるように、サンプル容器(ピストン116を除去した)の中に装填される。サンプル容器を軽く叩いて容器内の粒子のベッドを平らにする。
【0076】
「AUL試験」は、GF/Aガラスフィルタ紙124の円形の一片を多孔性プレート103上に形成された穴104を覆って置き、導管122を通じてリザーバ120から多孔性プレートまで送出される試験溶液によって飽和させることにより開始される。紙124は、シリンダ112の内径よりも大きく、外径よりも小さい大きさにし、穴104にわたる蒸発を阻害しながら確実に良好に接触させることが適切である。この時点で、静電気秤108のゼロ点を合わせる。ピストン116及び重り118を容器内のサンプル上に置き、容器(サンプル、ピストン、及び重りを入れたもの)を飽和ガラスフィルタ紙124を覆ってプレート103上に置き、試験溶液が導管122、プレート102の穴104、及びフィルタ紙を通じて容器内のサンプルに取り込まれることを可能にする。
【0077】
静電気秤108を用いて、試験溶液のサンプルまでの流れを約60分にわたって測定する。約60分後にサンプルに取り込まれた溶液の量(グラム)をサンプルの乾燥重量(例えば、約0.160グラム)で割ったものが、液体のグラム/サンプルグラム重量で表されるサンプルのAUL値である。
測定値の精度は、2回検査して確認することができる。第1に、サンプル容器の下部のスクリーン114の上方にピストン116の高さが上昇した値にピストンの断面積を乗じたものは、60分間にわたってサンプルに取り込まれた溶液の量とほぼ等しくなるべきである。第2に、サンプル容器は、試験の前(例えば、超吸収性材料が乾燥している間)及びその後に重量を測定し、その重量の差は、60分間にわたってサンプルに取り込まれる溶液の量にほぼ等しくなるべきである。
最低でも3回試験を行い、結果を平均して0.9psiでのAUL値を判断する。サンプルは、23±1℃及び50±2パーセント相対湿度で試験する。
【0078】
吸収性製品加工模擬試験
50グラムの超吸収性材料を米国フロリダ州ボーカラトーン所在のサンビーム・プロダクツ・インコーポレーテッドから入手可能な「OSTERIZER(登録商標)」12速度配合機に入れる。配合機を「高速」及び「配合」に設定し、超吸収性材料を30秒間配合する。
【0079】
本明細書に開示した本発明の実施形態は現時点で好ましいものであるが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な修正及び改良を行うことができる。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示されており、均等物の意味及び範囲に該当する全ての変更は、本発明の範囲に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】自由流動粒子の透過率を測定するのに用いられる装置を示す図である。
【図2】図1の装置の底面図である。
【図3】自由流動粒子の荷重下吸収性(AUL)を測定するのに用いられる装置を示す図である。
【図4】図3の装置の底面図である。
【符号の説明】
【0081】
28 ゲルベッド透過率試験装置
30 サンプル容器
38 「LEXAN」シャフト
48 重り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
「吸収性製品加工模擬試験」を受けた時に損傷に抵抗するように非粒子状溶液又は吸収性粒子材料で処理した超吸収性材料、
を含み、
前記処理済み超吸収性材料が前記「吸収性製品加工模擬試験」を受ける前では、該処理済み超吸収性材料の遠心保持容量は、該処理済み超吸収性材料のグラムあたり約15グラム又はそれよりも多い0.9重量パーセント塩化ナトリウム水溶液であり、事前に篩い分けした300〜600ミクロン粒子に対する0psi膨潤圧力でのゲルベッド透過率(GBP)は、約200(×10-9cm2)又はそれよりも大きくなり、
前記処理済み超吸収性材料が前記「吸収性製品加工模擬試験」を受けた後では、該処理済み超吸収性材料は、(1)事前に篩い分けた粒子に対する0psi膨潤圧力でのGBP値の約20%又はそれよりも少ない低減、(2)事前に篩い分けた粒子に対する0.3psi膨潤圧力でのGBP値の約50%又はそれよりも少ない低減、(3)篩い分けていない粒子に対する0psi膨潤圧力でのGBP値の約50%又はそれよりも少ない低減、(4)篩い分けていない粒子に対する0.3psi膨潤圧力でのGBP値の約60%又はそれよりも少ない低減、及び(5)平均粒径の約20%又はそれよりも少ない低減から成る群から選択された少なくとも1つの特性を示す、
ことを特徴とする超吸収性材料。
【請求項2】
前記処理済み超吸収性材料が前記「吸収性製品加工模擬試験」を受けた後では、該処理済み超吸収性材料は、(1)事前に篩い分けた粒子に対する0psi膨潤圧力でのGBP値の約20%又はそれよりも少ない低減、(2)事前に篩い分けた粒子に対する0.3psi膨潤圧力でのGBP値の約50%又はそれよりも少ない低減、(3)篩い分けていない粒子に対する0psi膨潤圧力でのGBP値の約50%又はそれよりも少ない低減、(4)篩い分けていない粒子に対する0.3psi膨潤圧力でのGBP値の約60%又はそれよりも少ない低減、及び(5)平均粒径の約20%又はそれよりも少ない低減から成る群から選択された少なくとも2つの特性、又は少なくとも3つの特性、又は少なくとも4つの特性を示すことを特徴とする請求項1に記載の超吸収性材料。
【請求項3】
陰イオン性ポリマー、陽イオン性ポリマー、及びその組合せから成る群のうちから少なくとも1つを有する架橋した多価電解質を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超吸収性材料。
【請求項4】
前記陰イオン性ポリマーは、カルボキシル、スルホン酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、及びそれらの組合せから成る群から選択された官能基を含むことを特徴とする請求項3に記載の超吸収性材料。
【請求項5】
前記陰イオン性ポリマーは、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、ポリビニル酢酸、ポリビニルホスホン酸、ポリビニルスルホン酸、イソプチレン−無水マレイン酸コポリマー、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、カラギーナン、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、及びそれらのコポリマー又は混合物の塩から成る群から選択されることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の超吸収性材料。
【請求項6】
前記陽イオン性ポリマーは、一級、二級、及び三級アミン、イミン、アミド、四級アンモニウム、及びそれらの組合せから成る群から選択された官能基を含むことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の超吸収性材料。
【請求項7】
前記陽イオン性ポリマーは、ポリビニルアミン、ポリジアリルジメチル水酸化アンモニウム、ポリアクリルアミドプロピルトリメチル水酸化アンモニウム、ポリアミノプロパノールビニルエーテル、ポリアリルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリグルタミン、及びそれらのコポリマー又は混合物の塩から成る群から選択されることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の超吸収性材料。
【請求項8】
超吸収性材料の重量で約10%〜約1000%の親水性軟質ポリマーの水溶液で処理され、
前記親水性軟質ポリマーのガラス転移温度は、約20℃又はそれよりも低い、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の超吸収性材料。
【請求項9】
前記処理済み超吸収性材料の事前に篩い分けした300〜600ミクロン粒子に対する0psi膨潤圧力でのGBP値は、該処理済み超吸収性材料が前記「吸収性製品加工模擬試験」を受ける前では、約800(×10-9cm2)又はそれよりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の超吸収性材料。
【請求項10】
前記処理済み超吸収性材料が前記「吸収性製品加工模擬試験」を受ける前では、該処理済み超吸収性材料の事前に篩い分けた300〜600ミクロン粒子に対する0.3psi膨潤圧力でのGBP値は、約100(×10-9cm2)又はそれよりも大きいか又は約200(×10-9cm2)又はそれよりも大きく、遠心保持容量は、該処理済み超吸収性材料のグラムあたり約25グラム又はそれよりも多い0.9重量パーセント塩化ナトリウム水溶液であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の超吸収性材料。
【請求項11】
前記処理済み超吸収性材料が前記「吸収性製品加工模擬試験」を受けた後では、該処理済み超吸収性材料の篩い分けていない粒子に対する0.3psi膨潤圧力でのGBP値は、約40%又はそれよりも少ない、又は約30%又はそれよりも少ない、又は約10%又はそれよりも少ない低減を示すことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の超吸収性材料。
【請求項12】
前記処理済み超吸収性材料が前記「吸収性製品加工模擬試験」を受ける前では、該処理済み超吸収性材料の遠心保持容量は、該処理済み超吸収性材料のグラムあたり約20グラム又はそれよりも多いか又は約25グラム又はそれよりも多い0.9重量パーセント塩化ナトリウム水溶液であることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の超吸収性材料。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の超吸収性材料を含むことを特徴とする吸収性材料又は吸収性物品。
【請求項14】
吸収層の全重量に基づいて約10%又はそれよりも多い超吸収性材料の濃度で超吸収性材料を含有する少なくとも1つの領域を有する吸収層を含むことを特徴とする請求項13に記載の吸収性材料又は吸収性物品。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の超吸収性材料を生成する方法であって、
ガラス転移温度が約20℃又はそれよりも低い親水性軟質ポリマーの水溶液を超吸収性材料に加える段階と、
前記水溶液及び前記超吸収性材料を混合する段階と、
少なくとも部分的に前記超吸収性材料を乾燥させる段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記超吸収性材料の重量で約10%と約1000%の間の水溶液を加える段階を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記親水性軟質ポリマーの前記水溶液は、該親水性軟質ポリマーを該溶液の重量で約0.1%と約10%の間で含むことを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記超吸収性材料を約20と約150℃の間の温度で乾燥させる段階を含むことを特徴とする請求項15から請求項17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記超吸収性材料を濾過する段階と、少なくとも一部の凝塊形成した粒子を分離する段階とを更に含むことを特徴とする請求項15から請求項18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記超吸収性材料を乾燥させる段階に続いて該超吸収性材料を吸収性物品に組み入れる段階を更に含むことを特徴とする請求項15から請求項19のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−503991(P2007−503991A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525312(P2006−525312)
【出願日】平成16年4月2日(2004.4.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/010204
【国際公開番号】WO2005/025628
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】