説明

搬送式秤量装置、特に搬送コンベア付き秤量コンベア

【課題】教育を受けていない作業者でも簡単で確実な洗浄を可能にする搬送式秤量装置、特に搬送コンベア付き秤量コンベアを得ること。
【解決手段】本発明は、秤量セル(9)および、秤量セル(9)へ供給し秤量セルから排出するために計量商品、特に個体商品用の搬送装置(5)を備えており、そして搬送式秤量装置の機能を制御するための制御装置(11)を備えている搬送式秤量装置、特に特に搬送コンベア付き秤量コンベアに関するものである。本発明によれば制御装置(11)が洗浄モードに移行可能であり、そのモードにおいて、事前に決められた洗浄モード機能マスターに従って搬送式秤量装置(1)の機能を、作業者の危険性および/または搬送式秤量装置(1)の損傷を減らす又は回避するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブルに記載の特徴を有する搬送式秤量装置、特に搬送コンベア付き秤量コンベアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
搬送式秤量装置、例えば搬送コンベア付き秤量コンベアは、特に食品産業でその使用が見られる。この場合には、製造する製品で求められる衛生状態ないし清浄度を保証できるようにするために、正に搬送式秤量装置の洗浄が大きな役割を果たす。ここで示唆しておきたいことは、この明細書の記載における用語“搬送式秤量装置”は、次のような秤量装置全てで使用することである、即ち、計量する商品の重量を検知するための少なくとも一つの秤量セルおよび、秤量プロセスを行う秤量台の点または範囲にある秤量セルへ計量商品を供給、又は秤量セルから排出する任意の手段を有しているものである。動的な搬送式秤量装置では多くの場合、秤量セルの荷重受け部と繋がっている搬送コンベアを使用するので、搬送コンベア上にある計量商品の重量を、その移動中にも求めることができる。静的な搬送式秤量装置は例えば、適切な供給装置を使ってそれぞれ計量商品を秤量台上に押し出して、問題のない(静的な)秤量プロセス後に再び秤量台から取り除くように実施されていることがある。又その搬送手段は多様な方法で、例えば(比較的簡単な)ロボットアーム、プッシャーまたは同等品として実施されていることがある。それらは、選択的に秤量台または機械フレームに固定されていることがある。
【0003】
複雑又は敏感な生産設備、例えば高価な搬送式秤量装置の洗浄では一般的に、相応の教育を受けた作業者を必要とする。洗浄プロセスは多くの場合、この目的のために設けた位置で搬送式秤量装置を開けて特定の範囲の洗浄を実施せねばならないので、時間がかかるものである。
【0004】
搬送式秤量装置、特に少なくとも一つの秤量セルと一つの搬送コンベアが付いた秤量コンベアを、食品産業において食品生産の生産ラインで使用する時は多くの場合で、測定精度と作業者の安全性を向上するために秤量コンベアを十分にカバーしているように構成する。結果として搬送コンベアを、例えば蒸気噴射洗浄機を使って洗浄することになる。洗浄プロセスは、搬送コンベアが静止している時に秤量コンベアを電流ゼロに切り替えた後に行う。
【0005】
搬送式秤量装置の洗浄を、部分的に使用する時も含め運転中に行うと、搬送手段の動作要素により作業者が負傷する、あるいは例えば蒸気噴射ノズルが搬送手段の動作要素と衝突した時に、搬送式秤量装置が損傷する危険性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
よって本発明の課題は、教育を受けていない作業者でも簡単で確実な洗浄を可能にする搬送式秤量装置、特に搬送コンベア付き秤量コンベアを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を本発明は、特許請求項1の特徴を使って解決する。
【0008】
本発明が前提にする見識は、搬送式秤量装置が一つ又は複数の秤量運転モードの他に洗浄モードを有していると、いずれの観点でも利点があるということであり、その洗浄モードでは搬送式秤量装置の機能を、事前に決められた洗浄モード機能マスターに従って、作業者の危険性および/または搬送式秤量装置の損傷を防ぐ又は回避するように制御することである。
【0009】
搬送式秤量装置で洗浄モードへの移行は、搬送式秤量装置自体の制御装置により行うことができる;例えば制御装置が、事前に決められた時間的な間隔で又は事前に決められた時点に、または制御装置が一連の秤量プロセスの終了を検知すると、自動的に洗浄モードに切り替えることにより行う。しかし勿論、例えば制御装置と接続している又はこれに含まれるスイッチを押すことによる要求に基づいて、又は外部信号を送ることにより、制御装置を洗浄モードに移行することもある。
【0010】
制御装置が、認められた運転状態においてのみ又は認められた特定運転状態からのみ、洗浄モードへの移行が可能であるように構成されていると好ましい。洗浄モードへの移行は特に、搬送式秤量装置が有効な秤量を行う必要のない時にのみ認めることができる。
【0011】
本発明の構成によれば、一つ又は複数の洗浄モード機能マスターが、制御装置の記憶装置の記憶部分にメモリーされていることがあり、多数の洗浄モード機能マスターのケースの中で、その洗浄モード機能マスター用に規定された洗浄モード機能マスターを選択できる。それぞれ適切な規定の洗浄モード機能マスターの選択は、制御装置自体により又は上位配設の制御ユニットが該当信号を送ることにより行うことができる。
【0012】
本発明によれば、搬送装置の駆動手段による回転トルクを検知する手段が設けられていることがあり、その回転トルク信号が制御装置に送られている。そして回転トルクに対する規定の安全リミット、即ち最大許容回転トルクを超えないように、制御装置が洗浄モードで搬送装置の駆動手段を制御するように、事前に規定の洗浄モード機能マスターを選んでいることがある。この本発明による方法は勿論、制御装置部分が当該駆動部に一体化されている実施形態をも含んでいる。例えば駆動部自体に、回転トルクを検知する手段および、種々の運転モードで駆動部を切り替えることができる制御手段が含まれていることがある。この場合には制御装置の残りの部分が、最大許容回転トルク用の値のみを含む信号を、駆動部に含まれる制御装置部分に送ることができる。この値は例えば、デジタル値として伝達されることもある。駆動部に含まれる制御装置部分がこの値を、該当する最大可能回転トルクで駆動部を制御するために利用することができる。以上により、該当する低い回転トルク用最大許容値を選択することで作業者の危険性を確実に排除する、あるいはいずれにしろ大幅に減少することを保証できる。勿論それにより同様にして、例えば駆動部のような搬送式秤量装置部品の損傷も回避することができる。例えば洗浄目的のために搬送コンベアが短時間、手動でブロックされると、この洗浄モード機能マスターを使って洗浄モードにある駆動モータが、該当する高駆動電流により、極端な場合には許容されない高駆動電流により強制的に動くようなことがない。
【0013】
本発明の構成によれば搬送式秤量装置が、近接安全装置、例えば一つ又は複数の光シャッタを有していることもあり、搬送装置で近接安全装置が監視する危険範囲に作業者が近接していることを近接安全装置が検知すると、その近接安全装置が“近接”信号を発生し制御装置に送る。同じく搬送式秤量装置が、開口可能なケーシング範囲または保護カバーを有していることがあり、そのときケーシングの当該範囲の開口または保護カバーが開いている信号を搬送装置に送る手段が設けられる。この種の近接安全装置は生産設備で公知であり、一般的に制御装置が“近接”信号を検知すると、生産設備全部または特定の動作部分を停止するように使用する。しかしながら本発明による搬送式秤量装置では、“接近”信号の検知が必ずしも、搬送装置の停止または電流ゼロに切り替えることにはならない。それにより特定の駆動形式では、位置センサまたは角度センサの較正を廃止することができる。洗浄モードにおいて近接安全装置の機能を、選択した洗浄モード機能マスターに対応して全部または部分的に機能しないようにする、あるいは異なって構成していることがある。それにより例えば洗浄モードが機能している時に、搬送装置の動作を行うことを可能にすることがある。
【0014】
本発明によれば“近接”信号の検知を利用して、今機能している洗浄モード機能マスターを変更する、又はメモリーされている多数の洗浄モード機能マスターから別のものを選択することもできる。
【0015】
本発明の構成の違いにより、事前に決められた一つ又は複数の洗浄モード機能マスターが、次の機能の一つ又は複数を含んでいることがある:
【0016】
(a)搬送装置の駆動手段を、事前に決められた速度で駆動することができる。動作要素が作業者にとって危険なものとならない、又は動作速度が例えば汚れを飛ばすことにより洗浄を容易にするように、その速度を選択すると好ましい。
【0017】
(b)搬送装置の駆動手段を、事前に決められた動作方向で駆動することができる。この機能により、洗浄モードにおいて搬送コンベアないし任意の搬送装置の動作方向を、秤量運転モードに対して逆転する又は変更することが可能になる。
【0018】
(c)搬送装置の駆動手段を、速度および/または動作方向に関して、事前に決められた時間変化に従って駆動することができる。この洗浄モード機能マスターにより例えば、搬送装置の動作要素用の特定速度曲線で通過させることが可能になり、それには例えば搬送コンベアの前後進またはチャックアーム、又はプッシャーアームの前後動作のように動作方向逆転の可能性を含む。
【0019】
(d)搬送装置の駆動手段を、事前に決められた回転トルク又は事前に決められた駆動力で制御でき、その回転トルクまたは駆動力または動作経路が、作業者が負傷する又は搬送式秤量装置が損傷する危険性を回避する又は減らすように選択されている。
【0020】
(e)搬送装置の駆動手段を、動作要素にブレーキをかける又は動作要素の移動を停止するトルクがなくなった後に、ないし該当する力がなくなった後に、事前に決められた洗浄モード機能マスターに従った動作に自動的に復帰するように制御することができる。それにより、例えば動作要素を手動で停止した時に、洗浄プロセス全体を即時停止して改めて手動で始動せねばならないことを回避できる。
【0021】
(f)搬送装置の駆動手段を、一つ又は複数の動作要素を洗浄位置に移動できるように制御することができる。そのとき洗浄位置は、洗浄すべき部分への容易な接近が確実であるように選択することができる。
【0022】
(g)更に秤量セルを密封する手段を、特に荷重のかかる範囲において機能させることもできる。この処置により特に、湿気および/または洗浄剤が敏感な秤量セル範囲に侵入することを防ぐことができる。
【0023】
(h)搬送式秤量装置が秤量セル用に制御可能なオーバーロード安全装置を有している場合には、これを機能させることができる。例えば秤量セルの荷重受け部の動作をブロックすることにより、(例えば作業者が−認められない方法で−秤量コンベアの搬送コンベアに立ち入った時のように)許容されない高荷重力による秤量セルの破損を回避することができる。
【0024】
(i)最後に、特定の電気または電子的な構成グループ、特に重量力を検知および/または演算する構成グループを電流ゼロに切り替えることもできる。それにより、この構成グループが湿気または洗浄剤によって破損することが回避される。そのとき勿論、洗浄モードが機能している時に希望する機能を実施するために必要な構成グループは、電流ゼロに切り替えることができない;これは少なくとも、当該構成グループがその機能を洗浄モードでも行わねばならない時間的空間に対して当て嵌まる。
【0025】
本発明による搬送式秤量装置の好ましい実施形態によれば、制御装置は洗浄モードにおいて例えば較正上の理由から有効な重量値を出さない。これは、制御装置が洗浄モードで一般的に重量値を見出さない、又は洗浄プロセス中に見出した重量値を無効と表示して出力して現れることがある。
【0026】
本発明の別の構成は、従属請求項から分かる。
【0027】
本発明を以下において、図面で示している実施例を使って詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】単一の図は、本発明による搬送式秤量装置構成の簡単な概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0029】
秤量コンベア1には基本的にクローズのケーシング3があり、その中に秤量コンベア1の基本的な構成要素すべて、特に秤量セル9の荷重受け部7に当たる搬送コンベア5および制御装置11が設けられている。
【0030】
秤量セル9は、通信バスとしても構成していることのある一つまたは複数のデータ配線13を介して、制御装置11と接続している。
【0031】
搬送コンベア5は、それ自体は公知である方法により、二つのローラ15,17を取り巻いて案内される搬送ベルト19を有している。そのローラ17は、詳細には図示していない駆動装置、例えば電動モータを使って駆動されている。被駆動ローラ17又はこのローラ用の駆動部には回転トルクセンサ21が配設されており、そのセンサ信号が制御装置11に送られている。勿論、その回転トルクセンサ21は、駆動部、例えば電動モータに内蔵されていることもある。制御装置11が被駆動ローラ17用の(図示していない)駆動部を、運転モードに従って希望する形式と方法で制御する。
【0032】
勿論、制御装置11の一部が駆動部に一緒に内蔵されていることもあり、それに回転トルクセンサ21の信号が送られていると共に、それが駆動部の本来の制御を行う。よって制御装置11のこの部分には制御装置の残りの部分から、駆動のために希望する運転モードのみが送られることがある。そして制御装置11のこの二つの部分間における接続は、例えば通信バスを介して行うことができる。
【0033】
図で示している秤量コンベア1は更に、例えば洗浄目的のために開く、特に外方に倒すことができるケーシング扉3aを有している。ケーシング扉又は保護カバー3aが閉じている状態が、リミットスイッチ23を使って検知される。リミットスイッチ23の信号が同じく制御装置11に送られている。このようにして制御装置11が、ケーシング扉3aの開いていることを検知できる。
【0034】
ケーシング3の外側には更にスイッチ25が設けられており、その信号が制御装置11に送られている、又はスイッチ状態を制御装置11が検知できるように、そのスイッチが制御装置11と接続されている。勿論、スイッチは任意の方法で、例えばボタンとして構成されていることがある。
【0035】
通常の秤量運転モードでは、計量する商品が秤量コンベア1に入口側で供給され、搬送コンベア5を使って秤量コンベア1のケーシング3を通過移動し、そして出口側で再び排出される。計量する商品の供給ないし排出を、矢印I(入口側)ないしII(出口側)を使って図示している。
【0036】
計量する商品が搬送コンベア5の搬送ベルト19上にある限り、その重量を(振動現象の経過後に)求めることができる。
【0037】
秤量コンベア1、特に搬送コンベア5の洗浄を行う必要があるとき、スイッチ25の操作により制御装置11を洗浄モードに移すことができる。図示していない安全装置により例えば数字合わせロック、カードリーダ、又は同等品を使って、スイッチ25の操作をブロックしていることがある。
【0038】
洗浄モードが機能していることを、制御装置11により作業者または上位配設された制御ユニットにも分かるようにすることがある。そのために、制御装置により制御可能な表示ユニット20を機能させることがある。表示ユニットは勿論、スイッチ25の状態に直接関係しているものとすることができ、スイッチ25が当該スイッチ状態を有する時に、洗浄モードが機能していることを示すことができる。洗浄モードが機能していることを指示する当該信号を、上位配設された制御ユニットに伝達することがある。
【0039】
洗浄モードへの移行を制御装置11が勿論自動的に、例えば事前に決めた時点に、又は特定の時間インターバル経過後に行うこともできる。
【0040】
スイッチ25の代わりに、制御装置11に外部信号が送られていることもある(図示していない)。このようにすることにより、例えば上位配設された制御ユニットが制御装置11を洗浄モードに移すことができる。
【0041】
洗浄モードでは制御装置11が、事前に決めた洗浄モード機能マスターに従って、秤量コンベア1、特に搬送コンベア5の特定動作を引き起こすことができる。洗浄モード用に規定された洗浄モード機能マスターは、制御装置11の記憶装置の記憶部分にメモリーしておくことができる。勿論、洗浄モード機能マスターが、制御装置11の中で“固定配線して”実施されていることもある。
【0042】
リミットスイッチ23ないし、ケーシング扉3aの“開”状態を示して制御装置11に送られる信号により、秤量コンベア1の通常秤量運転モードでは秤量コンベア1とくに搬送コンベア5が即時停止となる一方で、洗浄モードではそのような普通のスイッチオフを望まないことがある。
【0043】
例えば洗浄モードが機能している時に、秤量運転モードに該当する場合と較べて搬送コンベア5が遅い速度で更に進むように洗浄モード機能マスターを選んでいることがある。追加して又は速度を遅くする代わりに、洗浄モードでの被駆動ローラ17の駆動部による最大回転トルクを、秤量運転モードでの回転トルクと較べて小さくすることがあり、それにより作業者の負傷を回避する、あるいは負傷の危険性を大幅に減少する。
【0044】
洗浄モード機能マスターは、多様に構成しているものとすることができる。動作速度の減速または最大許容駆動回転トルクの減少の他に、動作方向の逆転を行うこともある。動作方向の逆転を含め、特定の速度曲線により規定した時間的な変化も可能である。
【0045】
以上により、例えば搬送ベルト19を洗浄目的のために分解せねばならないことを回避できる。好ましくは緩速で搬送ベルト19を継続して動作させることにより特に、例えば蒸気噴射機を使って−搬送ベルト19のいずれの範囲にも到達することができる。種々の速度および/または動作方向により、搬送ベルト19ないしローラ15,17から汚れ粒子を取り去ることもできる。
【0046】
一般的に言って、洗浄モードが機能している時の駆動手段(図示している実施例ではローラ17の駆動部)の制御は、行われる動作ないし方向および速度(場合によっては事前に決められた時間的変化曲線の後に)が洗浄効果を有利に働き、そして同時に作業者に対する負傷の危険性、又は搬送式秤量装置ないし秤量コンベア1の部品損傷の危険性を回避する、あるいはいずれにしろ大幅に減少するように行うことがある。
【0047】
制御装置11が、洗浄モード用に規定の洗浄モード機能マスターに従って、必要としない電気または電子的な構成グループまたはスイッチ回路も、電流ゼロに切り替えることがある。ここで対象になるのは、例えば秤量セル9に含まれる又はこれを取り巻く電子回路である。それにより同時に達成されることは、洗浄モードが機能している時に秤量コンベア1が重量値を出力しないことであり、それにより、無効である重量値が発生しそれを不正確なまま受け取る危険性が存在しない。
【0048】
洗浄モード中に例えば当該状態の洗浄モード機能マスターの時に、重量値を生み出して出力する可能性が更にあるならば、洗浄モード機能マスターは、洗浄モードの機能している時に出される重量値を制御装置11が無効の重量値として表示するようにできる。
【0049】
洗浄モード機能マスターを構成する別の可能性は、秤量セル用のオーバーロード安全装置を機能させることにある。図示している実施例では、機能している状態で搬送ベルト19を下側で支持して荷重受け部7への荷重力の作用をブロックする、又は荷重力を制限する装置を設けるようにできるであろう。それにより洗浄モード中に、秤量セル9が(許容されない)大きな荷重力により損傷することを防ぐ。
【0050】
更に、特に荷重受け部7の範囲で秤量セルを密封するために、詳細には図示していないが洗浄モードで機能させることができる装置を設けていることがある。それにより、例えば湿気および/または洗浄剤が秤量セルの中に侵入することを回避することができる。
【0051】
最後に示唆しておきたいことは、本発明が単一の図で示した実施形態に限られないことである。本発明に含まれるのは、少なくとも一つの秤量セルおよび一つの、計量する商品を秤量セルに送る又はこれを排出する任意形式の搬送装置を有する搬送式秤量装置すべてである。よってここでは、計量する商品をプッシャーまたはロボットアームを使って秤量台に送る静的な秤量装置も対象になる。これらのケースすべてで適切な洗浄モード機能マスターを設けることにより、洗浄モードが機能している時の動作が影響して、洗浄プロセスを有利にすると共に作業者の負傷ないし搬送式秤量装置の損傷を回避する。
【符号の説明】
【0052】
1 秤量コンベア
3 ケーシング
5 搬送コンベア
9 秤量セル
11 制御装置
13 データ配線
15 ローラ
17 ローラ
19 搬送ベルト
20 表示ユニット
21 回転トルクセンサ
23 リミットスイッチ
25 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)秤量セル(9)および、秤量セル(9)へ供給し秤量セルから排出するために計量商品、特に個体商品用の搬送装置(5)を備えており、
(b)搬送式秤量装置(1)の機能を制御するための制御装置(11)を備えている
搬送式秤量装置、特に搬送コンベア付き秤量コンベアにおいて、
(c)制御装置(11)が洗浄モードに移行可能であり、そのモードにおいて、事前に決められた洗浄モード機能マスターに従って搬送式秤量装置(1)の機能を、作業者の危険性および/または搬送式秤量装置(1)の損傷を減らす又は回避するように制御する
ことを特徴とする搬送式秤量装置。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送式秤量装置において、
一つ又は複数の洗浄モード機能マスターが、制御装置(11)の記憶装置の記憶部分にメモリーされており、多数の洗浄モード機能マスターのケースの中で、洗浄モード機能マスター用に規定された洗浄モード機能マスターを選択できる
ことを特徴とする搬送式秤量装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の搬送式秤量装置において、
搬送装置(5)の駆動手段による回転トルクを検知する手段(21)が設けられており、その回転トルク信号が制御装置(11)に送られていること、および
回転トルクに対する規定の安全リミットを超えないように、制御装置(11)が洗浄モードで搬送装置(5)の駆動手段を制御するように、事前に規定の洗浄モード機能マスターが選ばれている
ことを特徴とする搬送式秤量装置。
【請求項4】
前記請求項1から3のいずれかに記載の搬送式秤量装置において、
近接安全装置(23)が搬送装置(5)のために設けられており、搬送装置(5)で近接安全装置(23)が監視する危険範囲に作業者が近接していること、および/または搬送装置(5)のための保護カバー(3a)が開いていることを近接安全装置(23)が検知すると、その近接安全装置が“近接”信号を発生して制御装置(11)に送り、そこで搬送式秤量装置(1)の秤量運転モードで制御装置(11)が搬送装置(5)を停止する、又は“近接”信号を検知すると自己の機能に影響を及ぼすこと、そして
制御装置(11)が洗浄モード機能時に“近接”信号を検知しても搬送装置(5)を停止しない
ことを特徴とする搬送式秤量装置。
【請求項5】
請求項4に記載の搬送式秤量装置において、
制御装置(11)が、“近接”信号の検知時に、事前に決められた洗浄モード機能マスターを変更する、又はメモリーされている多数の洗浄モード機能マスターから別のものを選択する
ことを特徴とする搬送式秤量装置。
【請求項6】
前記請求項1から5のいずれかに記載の搬送式秤量装置において、
洗浄モードが、制御装置(11)と繋がるスイッチ(25)を使って、又は制御装置(11)に送られる信号を使って始動可能である
ことを特徴とする搬送式秤量装置。
【請求項7】
前記請求項1から6のいずれかに記載の搬送式秤量装置において、
制御装置(11)が、事前に決められた時間または事前に決められた秤量プロセス数の後に、洗浄モードを機能させる
ことを特徴とする搬送式秤量装置。
【請求項8】
前記請求項1から7のいずれかに記載の搬送式秤量装置において、
事前に決められた一つ又は複数の洗浄モード機能マスターが、
(a)搬送装置(5)の駆動手段を、事前に決められた速度で駆動する、
(b)搬送装置(5)の駆動手段を、事前に決められた動作方向で駆動する、
(c)搬送装置(5)の駆動手段を、速度および/または動作方向に関して、事前に決められた時間変化に従って駆動する、
(d)搬送装置(5)の駆動手段を、事前に決められた回転トルク又は事前に決められた駆動力又は事前に決められた動作経路で制御し、回転トルクまたは駆動力または動作経路が、作業者の負傷又は搬送式秤量装置(1)の損傷を回避する又は減らすように選択されている、
(e)搬送装置の駆動手段を、ブレーキをかける又は移動を停止するトルクがなくなった後に、又は該当する力がなくなった後に、事前に決められた機能マスターに従った動作に自動的に復帰するように制御する、
(f)搬送装置の駆動手段を、一つ又は複数の動作要素を洗浄位置に移動するように制御する、
(g)秤量セル(9)を密封する手段を、特に荷重のかかる範囲において機能させる、
(h)秤量セル(9)用にオーバーロード安全装置を機能させる、
(i)事前に決められた電気または電子的な構成グループ、特に重量力を検知および/または演算する構成グループを電流ゼロに切り替える
という機能の一つ又は複数を含んでいる
ことを特徴とする搬送式秤量装置。
【請求項9】
前記請求項1から8のいずれかに記載の搬送式秤量装置において、
制御装置(11)が、洗浄モードにおいて有効な重量値を出力しない
ことを特徴とする搬送式秤量装置。
【請求項10】
前記請求項1から9のいずれかに記載の搬送式秤量装置において、
搬送装置が、搬送コンベア(5)である
ことを特徴とする搬送式秤量装置。

【図1】
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【公表番号】特表2010−526304(P2010−526304A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506797(P2010−506797)
【出願日】平成20年5月5日(2008.5.5)
【国際出願番号】PCT/DE2008/000746
【国際公開番号】WO2008/135027
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(506186673)ヴィポテック ヴィーゲ−ウント ポジティオニエルシステーメ ゲーエムベーハー (21)
【氏名又は名称原語表記】WIPOTEC WIEGE−UND POSITIONIER−SYSTEME GMBH
【住所又は居所原語表記】ADAM−HOFFMANN STRASSE 26, 67657 KAISERSLAUTERN,GERMANY