説明

搬送方向切替装置及び媒体取扱装置

【課題】従来と比して一段と適切に媒体の搬送方向を切り替え得るようにする。
【解決手段】切替ゲート100の、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52a、52bの間の部分に小ブレード101を設け、この小ブレード101のガイド面101aにより、この部分に入り込んできた紙幣30の切れ残り部32を搬送方向にガイドするようにした。これにより、従来と比して一段と適切に媒体の搬送方向を切り替えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送方向切替装置及び媒体取扱装置に関し、例えば、媒体として紙幣を扱う現金自動取引装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、紙幣の入出金を顧客の操作に応じて行う現金自動取引装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
現金自動取引装置の内部には、紙幣を各部に搬送する複数の搬送路が設けられている。さらに搬送路上には分岐部が設けられ、この分岐部により紙幣の搬送方向を切り替えるようになっている。
【0004】
ここで、現金自動取引装置内部の分岐部周辺部の構成について、図12を用いて説明する。この図12に示すように、分岐部周辺部Sには、例えば、側面視で8箇所の位置にそれぞれローラ11〜18が設けられている。
【0005】
具体的には、側面視で、ローラ11の右側にローラ12が配置され、ローラ11の左下にローラ13が配置されている。さらにローラ11の右下で且つローラ13の右側となる位置にローラ14が配置されている。
【0006】
さらにローラ12の左下で且つローラ14の右側となる位置にローラ15が配置され、ローラ12の右下で且つローラ15の右側となる位置にローラ16が配置されている。
【0007】
さらにローラ15の下方に、ローラ17とローラ18とが横に並んで配置されている。
【0008】
尚、図12では、ローラ11〜18として、手前側のローラのみを図示しているが、実際には、その奥側にもローラが1個ずつ設けられている。つまり、分岐部周辺Sには、側面視で8箇所の位置にローラ11から18が、それぞれ手前側と奥側の計2個ずつ設けられている。
【0009】
さらにローラ11と12の組にはベルト21が装着され、ローラ13と14の組にはベルト22が装着され、ローラ15と16の組にはベルト23が装着されている。尚、このベルト21〜23についても、図12では手前側のローラに装着されたベルトのみを図示しているが、実際には、奥側のローラにもベルトが装着されている。
【0010】
ベルト21、22は、その間に紙幣30を挟持するベルト対24を形成し、ベルト21、23は、その間に紙幣30を挟持するベルト対25を形成する。このベルト対24と25とが、矢印αの方向(図中、右から左へ向かう方向)へ紙幣を搬送する搬送路7bの一部となっている。尚、このベルト対24、25についても、それぞれ手前側と奥側の計2本ずつ設けられ、図13に示すように、手前側のベルト対24a(又は25a)と奥側のベルト対24b(又は25b)とで、紙幣30を、その長手方向の一端側と他端側の2箇所で挟持して搬送するようになっている。
【0011】
さらにローラ14と15の間には、紙幣の搬送方向を切り替える切替ゲート40が回動自在に支持されている。
【0012】
この切替ゲート40は、図12に実線で示す位置にあるとき、ベルト対25により矢印αの方向に搬送されてきた紙幣30を、矢印αの方向に対して略直角な矢印βの方向(図中、上から下へ向かう方向)にガイドしてローラ17、18間を通る搬送路7dに向けて搬送する。
【0013】
一方、図12に点線で示す位置にあるとき、切替ゲート40は、ベルト対25により矢印αの方向に搬送されてきた紙幣30を、そのまま直線的に矢印αの方向にガイドしてベルト対24に向けて搬送する。
【0014】
尚、分岐部周辺Sは、紙幣30の双方向の搬送が可能となっている。すなわち、切替ゲート40を図中実線の位置に回動させ、搬送路7dを矢印βの逆方向(図中、下から上へ向かう方向)に搬送されてきた紙幣30を矢印αの逆方向(図中、左から右へ向かう方向)にガイドして搬送路7bに向けて搬送させたり、切替ゲート40を図中点線の位置に回動させ、ベルト対24により矢印αの逆方向に搬送されてきた紙幣30を、そのまま直線的に矢印αの逆方向にガイドしてベルト対25に向けて搬送させたりすることができる。
【0015】
図14及び図15に、この切替ゲート40の全体構成を示す。切替ゲート40は、回動自在に支持され搬送路7b、7dに対して直角なシャフト41と、このシャフト41に固定された1つの第1ブレード組立体51と、2つの第2ブレード組立体52(52a、52b)とで構成される。
【0016】
第1ブレード組立体51は、シャフト41に固定された複数(例えば6枚)のブレード42と、各ブレード42の間のシャフト部分、及び両端のブレード42のさらに外側のシャフト部分に嵌合された複数のボス43とで構成されている。この第1ブレード組立対51は、全体としてフォークのような形状をなし、各ブレード42のフォークの腹に相当する面42aと、フォークの背に相当する面42bが、それぞれ搬送方向をガイドするガイド面として機能するようになっている。
【0017】
また第2ブレード組立体52も、シャフト41に固定された複数(例えば4枚)のブレード42と、各ブレード42の間のシャフト部分、及び両端のブレード42のさらに外側のシャフト部分に嵌合された複数のボス43とで構成されている。こちらも全体としてフォークのような形状をなし、各ブレード42のフォークの腹に相当する面42aと、フォークの背に相当する面42bが、それぞれガイド面として機能するようになっている。
【0018】
これら2つの第2ブレード組立体52a、52bは、第1ブレード組立体51の両側にそれぞれベルト対25のベルト幅以上の間隔を隔てて設けられている。
【0019】
そしてこの切替ゲート40は、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52aの間のシャフト部分と、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52bの間のシャフト部分に、それぞれ手前側のベルト対25aの先端部と奥側のベルト対25bの先端部が対向するように配置される。
【0020】
すなわち、切替ゲート40は、図16に示すように、2本のベルト対25を避けるように第1ブレード組立体51と第2ブレード組立体52a、52bとの間に間隙(これをクリアランスとも呼ぶ)44が設けられ、これによりベルト対25と干渉することなくブレード42を回動させて搬送方向を切り替えることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2008−150173号公報(段落0023〜段落0025、図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
ところが、第1ブレード組立体51と第2ブレード組立体52a、52bとの間にクリアランス44が設けられていると、搬送されてくる紙幣30によっては、ブレード42のガイド面42aに沿って適切に搬送されないことがある。
【0023】
ここで、このような状況が起こり得る場合の紙幣30の例を図17に示す。この図17に示すように、長辺に切れ目31が2箇所あり、これらの間の切れ残り部32の幅がクリアランス44よりも狭い紙幣30の場合、搬送時に、この切れ残り部32が切替ゲート40のクリアランス44に入り込んでしまうことがある。
【0024】
このとき、切替ゲート40が搬送方向を矢印βの方向(下方)に切り替える位置にあるとすると、紙幣30の切れ残り部32がブレード42のガイド面42aに沿わずにオーバーラップして搬送路を外れていってしまうことがある。
【0025】
この結果、例えば図18に示すように、切れ残り部32の先端が、切替ゲート40のシャフト41に接触したり、例えば図19に示すように、切替ゲート40とローラ17との間に紙幣30を下方にガイドする搬送ガイド45が設けられている場合に、この搬送ガイド45のガイド面45a以外の箇所に接触したりすることになる。尚、図15、図18、図19は、切替ゲート40のクリアランス44の部分で、シャフト41に直交する方向に切断した場合の断面図である。
【0026】
このように、従来の切替ゲート40では、紙幣30の搬送方向を変える際に、紙幣30の一部(すなわち切れ残り部32)が搬送路を外れていって紙幣30に「折れ」や「破れ」が発生したり、「ジャム(紙幣詰まり)」が発生したりすることがあるという問題があった。
【0027】
本発明は以上の点を考慮したもので、従来と比して一段と適切に媒体の搬送方向を切り替え得る搬送方向切替装置及びこの搬送方向切替装置を備えた媒体取扱装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
かかる課題を解決するため本発明の搬送方向切替装置においては、可動部によって搬送されてくる媒体の搬送方向を切り替える複数のブレードと、ブレードが可動部と干渉しないよう設けられているブレードとブレードとの間隙部分に、可動部と干渉しないよう設けられた、当該間隙部分に入り込んでくる媒体の一部を搬送方向にガイドするガイド部とを設けるようにした。
【0029】
こうすることで本発明の搬送方向切替装置は、媒体の搬送方向を切り替えた際に、媒体の切れ残り部がブレードとブレードとの間に設けられた間隙(クリアランス)に入り込んできたとしても、これをこの間隙部分に設けられたガイド部によって正常な搬送方向にガイドすることができる。
【0030】
また本発明の媒体取扱装置においては、媒体を搬送する可動部と、可動部によって搬送されてくる媒体の搬送方向を切り替える切替部とを設け、切替部に、媒体の搬送方向を切り替える複数のブレードと、ブレードが可動部と干渉しないよう設けられているブレードとブレードとの間隙部分に、可動部と干渉しないよう設けられた、当該間隙部分に入り込んでくる媒体の一部を搬送方向にガイドするガイド部とを設けるようにした。
【0031】
こうすることで本発明の媒体取扱装置は、媒体の搬送方向を切り替えた際に、媒体の切れ残り部がブレードとブレードとの間に設けられた間隙(クリアランス)に入り込んできたとしても、これをこの間隙部分に設けられたガイド部によって正常な搬送方向にガイドすることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、媒体の切れ残り部が、ブレードとブレードとの間に設けられた間隙(クリアランス)に入り込んできたとしても、これをこの間隙部分に設けられたガイド部によって正常な搬送方向にガイドすることができるので、従来と比して一段と適切に媒体の搬送方向を切り替え得る搬送方向切替装置、及びこの搬送方向切替装置を備えた媒体取扱装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】現金自動取引装置の全体構成を示す略線図である。
【図2】分岐部周辺の構成を略線図である。
【図3】第1の実施の形態における切替ゲートの構成(1)を示す略線図である。
【図4】第1の実施の形態における切替ゲートの構成(2)を示す略線図である。
【図5】紙幣の切れ残り部が小ブレードによりガイドされる様子を示す略線図である。
【図6】第2の実施の形態における切替ゲートの構成(1)を示す略線図である。
【図7】第2の実施の形態における切替ゲートの構成(2)を示す略線図である。
【図8】紙幣の切れ残り部がシャフト又はボスによりガイドされる様子を示す略線図である。
【図9】第3の実施の形態における切替ゲートの構成(1)を示す略線図である。
【図10】第3の実施の形態における切替ゲートの構成(2)を示す略線図である。
【図11】紙幣の切れ残り部がシャフト、ボス又は小ブレードによりガイドされる様子を示す略線図である。
【図12】従来の現金自動取引装置における分岐部周辺の構成を示す略線図である。
【図13】ベルト対による紙幣の挟持を示す略線図である。
【図14】従来の切替ゲートの構成(1)を示す略線図である。
【図15】従来の切替ゲートの構成(2)を示す略線図である。
【図16】従来の切替ゲートの構成(3)を示す略線図である。
【図17】紙幣の切れ残り部を示す略線図である。
【図18】紙幣の切れ残り部がシャフトに接触している様子を示す略線図である。
【図19】紙幣の切れ残り部が搬送ガイドのガイド面以外の箇所に接触している様子を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、発明を実施するための形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0035】
[1.第1の実施の形態]
[1−1.現金自動取引装置の全体構成]
まず第1の実施の形態について説明する。図1に、この第1の実施の形態における現金自動取引装置1の全体構成の概略を示す。現金自動取引装置1は、紙幣入出金口2と、紙幣鑑別部3と、紙幣収納部4(4a〜4c)と、補充回収カセット5と、入出金リジェクトボックス6と、これらを接続する複数の搬送路7(7a〜7g)とを備えている。
【0036】
この現金自動取引装置1では、紙幣が搬送路7(7a〜7g)を双方向に自由に行き来できるようになっている。実際、入金時に紙幣入出金口2から投入された紙幣は、紙幣鑑別部3で真偽が鑑別された後、紙幣収納部4(4a〜4c)に収納される。また、出金時に紙幣収納部4(4a〜4c)から搬送される紙幣は、紙幣鑑別部3で真偽が鑑別された後、紙幣入出金口2に集積される。
【0037】
紙幣収納部4(4a〜4c)は、例えば千円札を収納する紙幣収納部4aと、一万円札を収納する紙幣収納部4b及び4cとを備えている。補充回収カセット5は、現金自動取引装置1に紙幣を補充したり、投入された紙幣の回収を行ったりするものである。入出金リジェクトボックス6は、紙幣鑑別部3によって入出金不可と判定された紙幣を回収するものである。
【0038】
複数の搬送路7(7a〜7g)は、複数の分岐部8(8a〜8d)を介して、搬送路7a、7b、7c、7d、7e、7f、7gに区分されている。
【0039】
搬送路7aは、一端が紙幣入出金口2に接続され、他端が搬送路7bに接続されている。搬送路7bは、紙幣鑑別部3を通り紙幣収納部4(4a〜4c)に接続されている。搬送路7aと搬送路7bとの間の分岐部8aには、補充回収カセット5への搬送路7fが接続されている。
【0040】
また、搬送路7bの分岐部8bには、紙幣収納部4aへの搬送路7cが接続され、搬送路7bの分岐部8cには、紙幣収納部4bへの搬送路7dが接続されている。さらに、搬送路7bの分岐部8dには、紙幣収納部4cへの搬送路7eと、入出金リジェクトボックス6への搬送路7gとが接続されている。尚、搬送路7gだけは一方通行である。
【0041】
[1−2.分岐部周辺の構成]
ここで、搬送路7b及び7dに接続されている分岐部8cの周辺(これを分岐部周辺とも呼ぶ)Sの構成例について、図2を用いて説明する。尚、この図2は、図12と同一部分に同一符号を付している。
【0042】
この図2に示すように、分岐部周辺Sには、例えば、側面視で8箇所の位置にそれぞれローラ11〜18が設けられている。
【0043】
具体的には、側面視で、ローラ11の右側にローラ12が配置され、ローラ11の左下にローラ13が配置されている。さらにローラ11の右下で且つローラ13の右側となる位置にローラ14が配置されている。
【0044】
さらにローラ12の左下で且つローラ14の右側となる位置にローラ15が配置され、ローラ12の右下で且つローラ15の右側となる位置にローラ16が配置されている。
【0045】
さらにローラ15の下方に、ローラ17とローラ18とが横に並んで配置されている。
【0046】
尚、図2では、ローラ11〜18として、手前側のローラのみを図示しているが、実際には、その奥側にもローラが1個ずつ設けられている。つまり、分岐部周辺Sには、側面視で8箇所の位置にローラ11から18が、それぞれ手前側と奥側の計2個ずつ設けられている。
【0047】
さらにローラ11と12の組にはベルト21が装着され、ローラ13と14の組にはベルト22が装着され、ローラ15と16の組にはベルト23が装着されている。尚、このベルト21〜23についても、図2では手前側のローラに装着されたベルトのみを図示しているが、実際には、奥側のローラにもベルトが装着されている。
【0048】
ベルト21、22は、その間に紙幣30を挟持するベルト対24を形成し、ベルト21、23は、その間に紙幣30を挟持するベルト対25を形成する。このベルト対24と25とが、矢印αの方向(図中、右から左へ向かう方向)へ紙幣を搬送する搬送路7Aの一部となっている。尚、このベルト対24、25についても、それぞれ手前側と奥側の計2本ずつ設けられ、図13に示したように、手前側のベルト対24a(又は25a)と奥側のベルト対24b(又は25b)とで、紙幣30を、その長手方向の一端側と他端側の2箇所で挟持して搬送するようになっている。
【0049】
さらにローラ14と15の間には、紙幣の搬送方向を切り替える切替ゲート100が回動自在に支持されている。
【0050】
この切替ゲート100は、図2に実線で示す位置にあるとき、ベルト対25により矢印αの方向に搬送されてきた紙幣30を、矢印αの方向に対して略直角な矢印βの方向(下方)にガイドしてローラ17、18間を通る搬送路7dに向けて搬送する。
【0051】
さらに切替ゲート100とローラ17との間には、切替ゲート100により矢印βの方向にガイドされ搬送されてくる紙幣30を、ローラ17近傍まで引き続き矢印βの方向にガイドする搬送ガイド45が設けられている。
【0052】
この搬送ガイド45は、矢印βの方向に平行(すなわち搬送路7dに平行)なガイド面45aを有し、このガイド面45aによって紙幣30を矢印βの方向にガイドするようになっている。
【0053】
一方、切替ゲート100が図2に点線で示す位置にあるとき、切替ゲート100は、ベルト対25により矢印αの方向へ搬送されてきた紙幣30を、そのまま直線的に矢印αの方向にガイドしてベルト対24に向けて搬送する。
【0054】
尚、分岐部周辺Sは、紙幣30の双方向の搬送が可能となっている。すなわち、切替ゲート100を図中実線の位置に回動させ、搬送路7dを矢印βの逆方向(図中、下から上へ向かう方向)に搬送されてきた紙幣30を矢印αの逆方向(図中、左から右へ向かう方向)にガイドして搬送路7bに向けて搬送させたり、切替ゲート100を図中点線の位置に回動させ、ベルト対24により矢印αの逆方向に搬送されてきた紙幣30を、そのまま矢印αの逆方向にガイドしてベルト対25に向けて搬送させたりすることができる。
【0055】
図3及び図4に、この切替ゲート100の全体構成を示す。切替ゲート100は、回動自在に支持され搬送路7b、7dに対して直角なシャフト41と、このシャフト41に固定された1つの第1ブレード組立体51と、2つの第2ブレード組立体52(52a、52b)とを有している。
【0056】
第1ブレード組立体51は、シャフト41に固定された複数(例えば6枚)のブレード42と、各ブレード42の間のシャフト部分、及び両端のブレード42のさらに外側のシャフト部分に嵌合された複数のボス43とで構成される。
【0057】
この第1ブレード組立対51は、全体としてフォークのような形状をなし、各ブレード42のフォークの腹に相当する面42aが、搬送方向を矢印αの方向から矢印βの方向に(又は矢印βの方向から矢印αの方向に)切り替えるときのガイド面42aとして機能し、フォークの背に相当する面42bが、搬送方向を矢印αの方向(又は矢印αの逆方向)のままとするときのガイド面42bとして機能するようになっている。
【0058】
また第2ブレード組立体52(52a、52b)も、シャフト41に固定された複数(例えば4枚)のブレード42と、各ブレード42の間のシャフト部分、及び両端のブレード42のさらに外側のシャフト部分に嵌合された複数のボス43とで構成されている。
【0059】
こちらも全体としてフォークのような形状をなし、各ブレード42のフォークの腹に相当する面42aが、搬送方向を矢印αの方向から矢印βの方向に(又は矢印βの方向から矢印αの方向に)切り替えるときのガイド面42aとして機能し、フォークの背に相当する面42bが、搬送方向を矢印αの方向(又は矢印αの逆方向)のままとするときのガイド面42bとして機能するようになっている。
【0060】
これら2つの第2ブレード組立体52a、52bは、第1ブレード組立体51の両側にそれぞれベルト対25のベルト幅以上の間隔を隔てて設けられている。
【0061】
さらに第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52aの間のシャフト部分と、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52bの間のシャフト部分には、それぞれブレード42より小型の小ブレード101が1枚ずつ嵌合されている。
【0062】
そしてこの切替ゲート100は、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52aの間のシャフト部分と、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52bの間のシャフト部分(すなわち小ブレード101が設けられている部分)に、それぞれ手前側のベルト対25aの先端部と奥側のベルト対25bの先端部が対向するように配置される。
【0063】
尚、上述の搬送ガイド45は、例えば、ブレード42とブレード42との間のシャフト部分の下方、及びブレード42と小ブレード101との間のシャフト部分の下方に、それぞれ設けられている。
【0064】
ところで、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52aの間と、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52bの間には、ベルト対25と干渉してしまうという理由からブレード42を設けることができない。
【0065】
実際、これらの箇所にブレード42を設けると、ブレード42を図2に示す点線の位置に回動させようとしたとき(すなわち搬送方向を矢印αの方向のままにしようとするとき)に、ブレード42の先端がベルト対25に接触して干渉してしまうことになる。
【0066】
一方で、これらの箇所にシャフト41しかなければ、これらの箇所に図17に示した紙幣30の切れ残り部32が入り込み、紙幣30に「折れ」や「破れ」が発生したり、「ジャム」が発生したりする原因となってしまう。
【0067】
そこで、本実施の形態の切替ゲート100には、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52aの間と、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52bの間に、それぞれベルト対25と干渉しないようブレード42より小型の小ブレード101を設けるようになっている。
【0068】
具体的な例としては、この小ブレード101は、図4に示すように、側面視で、シャフト41から一方向に延びる略菱形の板状でなり、その厚さはブレード42とほぼ等しく、断面積はブレード42の1/4程度となっている。
【0069】
そしてこの小ブレード101は、図5に示すように、ブレード42が図中実線の位置にあるとき(すなわち搬送方向を矢印αの方向から矢印βの方向に切り替える位置にあるとき)に、シャフト41から矢印βの方向(下方)に突出するように、且つ側面視で、外周がブレード42より外側にはみ出ないように位置決めされた状態で、シャフト41に嵌合されるようになっている。尚、図4、図5は、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52aの間の部分で、シャフト41に直交する方向に切断した場合の断面図である。
【0070】
ここで、小ブレード101は、ブレード42が搬送方向を矢印αの方向から矢印βの方向に切り替える位置にあるとき、シャフト41から矢印βの方向に延びる、搬送路側の面101aが、第1ブレード組立体51と第2ブレード組立体52a、52bとの間に入り込んでくる紙幣30の切れ残り部32を、矢印βの方向(すなわち搬送方向)にガイドするガイド面101aとして機能するようになっている。
【0071】
尚、小ブレード101のガイド面101aは、必ずしも矢印βの方向に平行(すなわち搬送方向に平行)である必要はなく、例えば、シャフト41から、その下方に設けられている搬送ガイド45のガイド面45aに向かって傾斜していてもよい。実際、図5は、小ブレード101のガイド面101aがこのように傾斜している例である。
【0072】
[1−3.第1の実施の形態による動作及び効果]
以上の構成において、図5に示すように、ブレード42が搬送方向を矢印βの方向に切り替える位置にあるときに、第1ブレード組立体51と第2ブレード組立体52a又は52bとの間に、紙幣30の切れ残り部32がブレード42のガイド面42aに沿わずにオーバーラップしてきたとする。
【0073】
このとき、紙幣30の切れ残り部32は、その先端が、例えば、搬送ガイド45のガイド面45a以外の箇所に到達する前に、小ブレード101のガイド面101aに接触して矢印βの方向(すなわち搬送方向)にガイドされる。
【0074】
このように、切替ゲート100は、第1ブレード組立体51と第2ブレード組立体52a、52bとの間に入り込んでくる紙幣30の切れ残り部32についても、小ブレード101により搬送方向にガイドすることができるので、紙幣30の搬送方向を切り替える際に、紙幣30の切れ残り部32が搬送路7を外れていって紙幣30に「折れ」や「破れ」が発生したり、「ジャム(紙幣詰まり)」が発生したりすることを防ぐことができる。
【0075】
さらに小ブレード101は、ブレード42より小型で、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52aの間と、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52bの間のシャフト部分に、ベルト対25と干渉しない適切な向きで嵌合されている。
【0076】
これにより、切替ゲート100は、小ブレード101以外の部分を、図14に示す既存の切替ゲート40から流用することができ、切替ゲート全体を1から設計し直すような場合と比べ、低コストで紙幣30の搬送方向を切り替える際の不具合を防ぐことができる。
【0077】
以上の構成によれば、切替ゲート100は、紙幣30の切れ残り部32が、ブレード42とブレード42との間に入り込んできたとしても、これを小ブレード101によって正常な搬送方向にガイドすることができるので、紙幣30の搬送方向を切り替えるときに、紙幣30の切れ残り部32が搬送路7を外れていって紙幣30に「折れ」や「破れ」が発生したり、「ジャム(紙幣詰まり)」が発生したりすることを防ぐことができる。かくしてこの切替ゲート100は、従来と比して一段と適切に紙幣30の搬送方向を切り替えることができる。
【0078】
[2.第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、第1の実施の形態とは異なる構成の切替ゲートを有する実施の形態である。
【0079】
尚、切替ゲート以外の部分については、第1の実施の形態と同様であるので、第1の実施の形態を参照とする。ゆえに、ここでは、切替ゲートを主に説明する。
【0080】
[2−1.切替ゲートの構成]
図6及び図7に示すように、第2の実施の形態の切替ゲート200には、小ブレード101が設けられてなく、その代わりに、第1の実施の形態のシャフト41に対応するシャフト201自体に、小ブレード101のガイド面101aと同様の役割を果たすガイド面201aが形成されるようになっている。
【0081】
具体的に、切替ゲート200のシャフト201は、その断面が円の一部を直線的にカットしたような略D字形状でなり、外周部に長手方向に延びる帯状のガイド面201aが形成されている。
【0082】
そしてこのシャフト201は、図8に示すように、ブレード42が図中実線の位置にあるとき(すなわち搬送方向を矢印αの方向から矢印βの方向に切り替える位置にあるとき)に、ガイド面201aが矢印βの方向と平行もしくは略平行となるように、ブレード42と嵌合されるようになっている。尚、図7、図8は、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52aの間の部分で、シャフト201に直交する方向に切断した場合の断面図である。
【0083】
そしてこのガイド面201aは、ブレード42が搬送方向を矢印αの方向から矢印βの方向に切り替える位置にある状態で、第1ブレード組立体51と第2ブレード組立体52a、52bとの間に紙幣30の切れ残り部32が入り込んできたときに、これを矢印βの方向(すなわち搬送方向)にガイドするように機能する。
【0084】
尚、シャフト201のガイド面201aは、矢印βの方向と平行もしくは略平行であるとしたが、例えば、シャフト41から、その下方に設けられている搬送ガイド45のガイド面45aに向かって傾斜していてもよく、実際、図8は、シャフト201のガイド面201aがこのように傾斜している例である。
【0085】
さらに図6及び図7に示すように、切替ゲート200には、第1の実施の形態のボス43に対応するボス202にも、その内側に位置するシャフト201の形状に沿って、シャフト201のガイド面201に平行なガイド面202aが形成されるようになっている。
【0086】
このガイド面202aは、図8に示すように、ブレード42が搬送方向を矢印αの方向から矢印βの方向に切り替える位置にある状態で、ボス202が設けられている部分に紙幣30の切れ残り部32が入り込んできたときに、これを矢印βの方向(すなわち搬送方向)にガイドするように機能する。
【0087】
[2−2.第2の実施の形態による動作及び効果]
以上の構成において、ブレード42が搬送方向を矢印βの方向に切り替える位置にあるときに、第1ブレード組立体51と第2ブレード組立体52a、52bとの間に、紙幣30の切れ残り部32がブレード42のガイド面42aに沿わずにオーバーラップしてきたとする。
【0088】
このとき、図8に示すように、紙幣30の切れ残り部32は、その先端が、シャフト201のガイド面201a又はボス202のガイド面202aに接触して矢印βの方向(すなわち搬送方向)にガイドされる。
【0089】
このように、切替ゲート200は、第1ブレード組立体51と第2ブレード組立体52a、52bとの間に入り込んでくる紙幣30の切れ残り部32についても、シャフト201のガイド面201a又はボス202のガイド面202aにより搬送方向にガイドすることができるので、紙幣30の搬送方向を切り替える際に、紙幣30の切れ残り部32が搬送路7を外れていって紙幣30の搬送方向を切り替える際に、紙幣30に「折れ」や「破れ」が発生したり、「ジャム(紙幣詰まり)」が発生したりすることを防ぐことができる。
【0090】
さらに、例えば、第1ブレード組立体51のブレード42とブレード42との間に、紙幣30の切れ残り部32がオーバーラップしてきても、ブレード42とブレード42との間に設けられているボス202のガイド面202aにより、紙幣30の切れ残り部32は、搬送方向にガイドされる。
【0091】
このように、切替ゲート200は、第1ブレード組立体51と第2ブレード組立体52a、52bとの間だけでなく、ブレード42とブレード42との間に入り込んでくる紙幣30の切れ残り部32についても、ボス202のガイド面202aにより搬送方向にガイドすることができるので、一段と確実に、紙幣30の搬送方向を切り替える際の不具合を防ぐことができる。
【0092】
以上の構成によれば、切替ゲート200は、紙幣30の切れ残り部32が、ブレード42とブレード42との間に入り込んできたとしても、これをシャフト201に形成されているガイド面201aやボス202に形成されているガイド面202aによって正常な搬送方向にガイドすることができるので、紙幣30の搬送方向を切り替えるときに、紙幣30の切れ残り部32が搬送路7を外れていって紙幣30に「折れ」や「破れ」が発生したり、「ジャム(紙幣詰まり)」が発生したりすることを防ぐことができる。
【0093】
[3.第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態とは異なる構成の切替ゲートを有する実施の形態である。
【0094】
尚、切替ゲート以外の部分の構成については、第1の実施の形態と同様であるので、第1の実施の形態を参照とする。ゆえに、ここでは、切替ゲートを主に説明する。
【0095】
[3−1.切替ゲートの構成]
図9及び図10に示すように、この第3の実施の形態の切替ゲート300は、第1の実施の形態の切替ゲート100と、第2の実施の形態の切替ゲート200とを組み合わせた構成となっている。
【0096】
すなわち、切替ゲート300は、第2の実施の形態のシャフト201及びボス202にそれぞれ対応するシャフト301及びボス302に、シャフト201のガイド面201a及びボス202のガイド面202aと同様の役割を果たすガイド面301a及び302aがそれぞれ形成されている。
【0097】
さらに、この切替ゲート300は、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52aの間のシャフト部分と、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52bの間のシャフト部分に、それぞれ第1の実施の形態の小ブレード101に対応する小ブレード303が1枚ずつ嵌合されている。
【0098】
具体的に、切替ゲート300のシャフト301は、シャフト201と同形状(断面D字形状)でなり、外周部に長手方向に延びる帯状のガイド面301aが形成されている。
【0099】
そしてこのシャフト301は、図11に示すように、ブレード42が図中実線の位置にあるとき(すなわち搬送方向を矢印αの方向から矢印βの方向に切り替える位置にあるとき)に、ガイド面301aが矢印βの方向と平行もしくは略平行となるように、ブレード42と嵌合されるようになっている。尚、図10、図11は、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52aの間の部分で、シャフト301に直交する方向に切断した場合の断面図である。
【0100】
またボス302も、ボス202と同形状(断面D字形状)でなり、シャフト301のガイド面301に平行なガイド面302aが形成されている。
【0101】
さらに小ブレード303も、小ブレード101と同形状(断面略菱形板状)、同サイズ(厚さはブレード42と等しく断面積は1/4)でなり、ブレード42が図中実線の位置にあるとき(すなわち搬送方向を矢印αの方向から矢印βの方向に切り替える位置にあるとき)に、シャフト41から矢印βの方向(下方)に突出するように、且つ側面視で、外周がブレード42より外側にはみ出ないように位置決めされた状態で、シャフト41に嵌合されている。
【0102】
このときこの小ブレード303は、シャフト42から矢印βの方向に延びる搬送路側のガイド面303aが、シャフト301のガイド面301aに平行になるようになっている。
【0103】
このように、切替ゲート300は、シャフト301のガイド面301a、ボス302のガイド面302a、及び小ブレード303のガイド面303aが、互いに平行となっていて、それぞれが、ブレード42のガイド面42aに沿わずにオーバーラップしてくる紙幣30の切れ残り部32を、矢印βの方向(すなわち搬送方向)にガイドするガイド面として機能する。
【0104】
尚、ボス302のガイド面302aと、小ブレードのガイド面303aとは平行なだけでなく同一平面上となっていてもよい。
【0105】
[3−2.第3の実施の形態の動作及び効果]
以上の構成において、ブレード42が搬送方向を矢印βの方向に切り替える位置にあるときに、第1ブレード組立体51と第2ブレード組立体52a、52bとの間に、紙幣30の切れ残り部32がブレード42のガイド面42aに沿わずにオーバーラップしてきたとする。
【0106】
このとき、図11に示すように、紙幣30の切れ残り部32は、その先端が、シャフト301のガイド面301aやボス302のガイド面302a、又は小ブレード303のガイド面303aに接触して矢印βの方向(すなわち搬送方向)にガイドされる。
【0107】
このように、切替ゲート300は、第1ブレード組立体51と第2ブレード組立体52a、52bとの間に入り込んでくる紙幣30の切れ残り部32についても、シャフト301のガイド面301aやボス302のガイド面302a、又は小ブレード303のガイド面303aにより搬送方向にガイドすることができるので、紙幣30の搬送方向を切り替える際に、紙幣30の切れ残り部32が搬送路7を外れていって紙幣30に「折れ」や「破れ」が発生したり、「ジャム(紙幣詰まり)」が発生したりすることを防ぐことができる。
【0108】
さらに、例えば第1ブレード組立体51のブレード42とブレード42との間に、紙幣30の切れ残り部32がオーバーラップしてきても、ブレード42とブレード42との間に設けられているボス302のガイド面302aにより、紙幣30の切れ残り部32は、搬送方向にガイドされる。
【0109】
このように、切替ゲート300は、第1ブレード組立体51と第2ブレード組立体52a、52bとの間だけでなく、ブレード42とブレード42との間に入り込んでくる紙幣30の切れ残り部32についても、ボス302のガイド面302aにより搬送方向にガイドすることができるので、一段と確実に、紙幣30の搬送方向を切り替える際の不具合を防ぐことができる。
【0110】
以上の構成によれば、切替ゲート300は、紙幣30の切れ残り部32が、ブレード42とブレード42との間に入り込んできたとしても、これをシャフト301のガイド面301aやボス302のガイド面302a、又は小ブレード303のガイド面303aによって正常な搬送方向にガイドすることができるので、紙幣30の搬送方向を切り替えるときに、紙幣30の切れ残り部32が搬送路7を外れていって紙幣30に「折れ」や「破れ」が発生したり、「ジャム(紙幣詰まり)」が発生したりすることを一段と確実に防ぐことができる。
【0111】
[4.他の実施の形態]
[4−1.他の実施の形態1]
尚、上述した第1の実施の形態では、小ブレード101の形状を、シャフト41から一方向に延びる略菱形の板状とすると共に、その大きさを、厚さがブレード42とほぼ等しく、断面積がブレード42の1/4程度とした。
【0112】
そしてこの小ブレード101を、ブレード42が搬送方向を矢印αの方向から矢印βの方向に切り替える位置にあるときに、シャフト41から矢印βの方向に突出するように、且つ側面視で、外周がブレード42より外側にはみ出ないように位置決めして、シャフト41に嵌合するようにした。
【0113】
このような小ブレード101の形状、大きさ、位置(向き)は、小ブレード101が、紙幣30を搬送する可動部としてのベルト対25に干渉しないように選定されたものである。換言すれば、ベルト対25に干渉しなければ、第1の実施の形態の小ブレード101とは異なる形状、大きさの小ブレードを、第1の実施の形態の小ブレード101とは異なる位置(向き)に設けるようにしてもよい。
【0114】
実際、ベルト対25に干渉しない範囲であれば、例えば、小ブレード101の代わりに、シャフト41から矢印βの方向に突出する部分と、矢印βの逆方向に突出する部分を有する小ブレードを設けるなどしてもよい。
【0115】
また例えば、小ブレード101の代わりに、ブレード42と同形状でサイズの小さい小ブレードを設けるなどしてもよい。
【0116】
要は、ベルト対25に干渉しない範囲であれば、種々の形状、大きさ、位置(向き)の小ブレードを設けるようにしてもよい。この点は、第3の実施の形態についても同様である。
【0117】
[4−2.他の実施の形態2]
また、上述した第1の実施の形態では、小ブレード101のガイド面101aを、矢印βの方向(すなわち搬送方向)に平行又は略平行な平面にしたが、これに限らず、ガイド面101を曲面にしてもよく、例えば、ベルト対25のローラ15の形状に沿った曲面にしてもよい。この点は、第3の実施の形態についても同様である。
【0118】
さらに第2の実施の形態のシャフト201及びボス202についても、それぞれのガイド面201a及び202aを平面ではなく曲面にしてもよい。この点は、第3の実施の形態についても同様である。
【0119】
[4−3.他の実施の形態3]
さらに、上述した第1及び第3の実施の形態では、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52aの間のシャフト部分と、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52bの間のシャフト部分に、小ブレード101を設けるようにした。
【0120】
これに限らず、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52aの間のシャフト部分と、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52bの間のシャフト部分のそれぞれの下方に位置する搬送ガイド45に、小ブレード101を上方に突出するように取り付けるようにしてもよい。
【0121】
このように小ブレード101を搬送ガイド45に取り付けた場合でも、第1及び第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0122】
[4−4.他の実施の形態4]
さらに、上述した第2の実施の形態では、シャフト201を断面略D字形状として、外周部に長手方向に延びる帯状のガイド面201aを形成するようにした。つまり、この第2の実施の形態では、シャフト201に、その端から端まで延びるガイド面201aを形成するようにした。
【0123】
これに限らず、例えば、シャフト201全体のうち、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52aの間の部分と、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52bの間の部分だけ、断面略D字形状とすることで、これらの部分にだけガイド面201aを設けるようにしてもよい。ボス202についても同様に、これらの部分にだけガイド面202aを設けるようにしてもよい。この点は、第3の実施の形態についても同様である。
【0124】
[4−5.他の実施の形態5]
さらに、上述した第2の実施の形態では、シャフト201とボス202に、それぞれガイド面201aとガイド面202aを設けるようにしたが、これに限らず、例えば、シャフト201にのみガイド面201aを設けて、ボス202にはガイド面を設けないようにしてもよい。この点は、第3の実施の形態についても同様である。
【0125】
[4−6.他の実施の形態6]
さらに、上述した第1の実施の形態では、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52を、それぞれシャフト41に固定された複数のブレード42と、各ブレード42の間のシャフト部分、及び両端のブレード42のさらに外側のシャフト部分に嵌合された複数のボス43とで構成するようにした。
【0126】
これに限らず、同様の機能を有していれば、これら第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52を、この他種々の構成としてもよい。
【0127】
例えば、シャフト41に嵌合された1本の所定長さの筒状のボス43と、このボス43に、所定の間隔を隔てて嵌合された複数のブレード42とで、第1ブレード組立体51及び第2ブレード組立体52を構成するようにしてもよいし、例えば、両端のブレード42のさらに外側のシャフト部分には、ボス43を設けないようにするなどしてもよい。この点については、第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0128】
[4−7.他の実施の形態7]
さらに、上述した第1の実施の形態では、紙幣30の搬送方向を第1の方向としての矢印βの方向又は第2の方向としての矢印αの方向に切り替える切替ゲート100に本発明を適用するようにした。
【0129】
これに限らず、搬送方向を3つ以上の方向に切り替えることのできる切替ゲートに本発明を適用するようにしてもよい。
【0130】
尚、元の搬送方向と、切り替え先の搬送方向との角度が急なほど、紙幣30の切れ残り部32がオーバーラップする可能性が高くなる。ゆえに、搬送方向を3つ以上の方向に切り替えることのできる切替ゲートの場合、例えば、元の搬送方向に対して最も角度が急な搬送方向に切り替えられたときに、紙幣30の切れ残り部32を切り替え先の搬送方向にガイドするような構成とすればよい。この点については、第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0131】
[4−8.他の実施の形態8]
さらに、上述した第1の実施の形態では、媒体取扱装置の切替部、及び搬送方向切替装置としての切替ゲート100に、ガイド部として、小ブレード101を設けるようにした。さらに、上述した第2の実施の形態では、切替ゲート200に、ガイド部として、ガイド面201aが形成されたシャフト201及びガイド面202aが形成されたボス202を設けるようにした。さらに、上述した第3の実施の形態では、切替ゲート300に、ガイド部として、ガイド面301aが形成されたシャフト301、ガイド面302aが形成されたボス302及び小ブレード303を設けるようにした。
【0132】
これに限らず、同様に機能するものであれば、この他種々のガイド部を、切替ゲートに設けるようにしてもよい。
【0133】
[4−9.他の実施の形態9]
さらに、上述した第1乃至第3の実施の形態では、本発明を、媒体取扱装置としての現金自動取引装置1に適用したが、本発明は、これに限らず、媒体の搬送方向を切り替える手段を有する装置であれば、コピー機やプリンタ、自動販売機、券売機など、種々の装置に適用することができる。
【0134】
さらに、上述した第1乃至第3の実施の形態では、本発明を、ローラとこのローラに装着されたベルトで構成される2本のベルト対で紙幣30を搬送する現金自動取引装置1に適用したが、これに限らず、1本のベルト対で紙幣30を搬送する装置や、搬送路上に設けられた複数のローラのみで媒体を搬送する装置など、種々の装置に適用することもできる。
【0135】
さらに、切替ゲートを構成するシャフトやブレードの大きさや強度を適宜選定することで、本発明を、紙幣や紙などの紙葉類を搬送する装置だけでなく、工場内で部品を搬送するベルトコンベア装置などに適用することもできる。
【0136】
尚、上述した第1乃至第3の実施の形態では、適切に搬送されない状況を引き起こすことがある媒体として、切れ残り部30を有する紙幣30を例に挙げたが、要は、従来の切替ゲートにおいて、シャフトやボスに接触したり、搬送方向をガイドするガイド面以外の箇所に接触したりする可能性のある媒体であれば、このような状況を引き起こすことがあり、このような媒体を取り扱う装置において本発明は有効となる。
【0137】
[4−10.他の実施の形態10]
さらに、本発明は、上述した第1乃至第3の実施の形態と、上述した他の実施の形態とに限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した第1乃至第3の実施の形態と上述した他の実施の形態の一部または全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明は、媒体の搬送方向を切り替える手段を有する現金自動取引装置や、コピー機、プリンタ、自動販売機、券売機などの装置で広く利用することができる。
【符号の説明】
【0139】
1……現金自動取引装置、7、7a〜7g……搬送路、8、8a〜8d……分岐部、11〜18……ローラ、21〜23……ベルト、24、25……ベルト対、30……紙幣、32……切れ残り部、40、100、200、300……切替ゲート、41、201、301……シャフト、42……ブレード、43、202、302……ボス、45……搬送ガイド、101、303……小ブレード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動部によって搬送されてくる媒体の搬送方向を切り替える複数のブレードと、
上記ブレードが上記可動部と干渉しないよう設けられているブレードとブレードとの間隙部分に、上記可動部と干渉しないよう設けられた、当該間隙部分に入り込んでくる媒体の一部を上記搬送方向にガイドするガイド部と
を備える搬送方向切替装置。
【請求項2】
上記複数のブレードは、
媒体の搬送方向を第1の方向又は第2の方向に切り替え、
上記ガイド部は、
上記搬送方向が上記第1の方向に切り替えられているときに、上記間隙部分に入り込んでくる媒体の一部を当該第1の方向にガイドする
請求項1に記載の搬送方向切替装置。
【請求項3】
上記複数のブレードは、
シャフトに嵌合されることで回動自在に支持され、回動することで媒体の搬送方向を切り替える
請求項2に記載の搬送方向切替装置。
【請求項4】
上記ガイド部は、
上記ブレードよりも小型の小ブレードであり、当該小ブレードに形成されたガイド面によって、上記間隙部分に入り込んでくる媒体の一部を上記第1の方向にガイドする
請求項3に記載の搬送方向切替装置。
【請求項5】
上記ガイド部は、
上記間隙部分のシャフトであり、当該間隙部分のシャフトに形成されたガイド面によって、当該間隙部分に入り込んでくる媒体の一部を上記第1の方向にガイドする
請求項3に記載の搬送方向切替装置。
【請求項6】
上記ガイド部は、
上記間隙部分のシャフトと、当該間隙部分のシャフトに嵌合されたボスとでなり、当該シャフトに形成されたガイド面及び当該ボスに形成されたガイド面によって、当該間隙部分に入り込んでくる媒体の一部を上記第1の方向にガイドする
請求項5に記載の搬送方向切替装置。
【請求項7】
上記ガイド部は、
上記ブレードよりも小型の小ブレードと、上記間隙部分のシャフトと、当該間隙部分のシャフトに嵌合されたボスとでなり、当該小ブレードに形成されたガイド面、当該シャフトに形成されたガイド面及び当該ボスに形成されたガイド面によって、当該間隙部分に入り込んでくる媒体の一部を上記第1の方向にガイドする
請求項3に記載の搬送方向切替装置。
【請求項8】
媒体を搬送する可動部と、
上記可動部によって搬送されてくる媒体の搬送方向を切り替える切替部と
を備え、
上記切替部は、
媒体の搬送方向を切り替える複数のブレードと、
上記ブレードが上記可動部と干渉しないよう設けられているブレードとブレードとの間隙部分に、上記可動部と干渉しないよう設けられた、当該間隙部分に入り込んでくる媒体の一部を搬送方向にガイドするガイド部と
を有する
媒体取扱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−23384(P2013−23384A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163297(P2011−163297)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】