説明

搬送装置および扉装置

【課題】物品を収容したバケットを搬送する搬送装置における搬入扉が、より簡単に開閉できるようにすることを目的とする。
【解決手段】載置部130にバケット20が載置されると圧縮ばね16が作動し、この圧縮ばね16の作動により、載置部130の載置面19が下方に移動することで、保持部120による扉14の閉状態の保持を解除し、移動機構140により開放方向に扉14が移動されて開放されるので、載置部130に載置されたバケット20を搬入口10から搬入することができる。このように、載置部130にバケット20を載置するだけで、自動的に扉14が開放されることとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬入口から搬入された搬送物を搬送する搬送装置に関し、特に、搬入口に開閉可能な扉を備える搬送装置と、その扉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば寿司等の飲食物を飲食物容器である皿に載置して循環搬送させることにより人手を煩わすことなく飲食客に提供することのできる搬送装置は周知である。また、飲食店内にて、食べ終わった皿(飲食物容器)を搬入口より投入して搬送させることにより使用済みの皿を回収する搬送装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−125914号公報(第3頁、図1、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使用済みの皿を回収する搬送装置では、使用済みの皿を投入する搬入口は、開口したままであると見栄えが悪く、また、使用済みの皿を回収するため衛生面からも搬入口に扉等を設けておき、使用しないときには密閉しておくことが望ましい。
【0005】
一方で、搬入口に扉を設けた場合には、扉を開ける作業が必要となるので、店員が使用済みの皿を持ちながら搬入口から皿を投入するときの作業負荷が増大することとなる。特に、大量の使用済みの皿を持っていて両手が塞がっているような場合には、扉を開けようとすることも大変な作業となる。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、搬入口に扉を設けた場合に、搬送物を、より簡単に搬入することが可能な搬送装置と扉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の搬送装置は、
搬入口から搬入された搬送物を搬送する搬送部を有する搬送装置において、
前記搬入口の前方に設けられ、前記搬送物を載置する載置部と、
前記載置部に載置された前記搬送物を搬入する前記搬入口に、開閉可能な扉と、当該扉を開放方向に移動させる移動機構とを備える搬入扉部と、
前記扉が閉じられたときに閉状態に保持する保持部と、
を有し、
前記載置部は、前記搬送物が載置されたときに作動する作動手段と、前記作動手段の作動により、前記保持部による前記扉の閉状態の保持を解除する解除手段とを備えることを特徴としている。
この特徴によれば、載置部に搬送物が載置されると作動手段が作動し、この作動手段の作動により、解除手段が、保持部による扉の閉状態の保持を解除し、移動機構により開放方向に扉が移動されて開放されるので、載置部に載置された前記搬送物を前記搬入口から搬入することができる。このように、載置部に搬送物を載置するだけで、自動的に扉が開放されることとなる。このため、搬送物を搬入口に搬入しようとする搬入者は、両手が搬送物を持つことで塞がっていても、扉を自分で開放したり、扉の開放の指示を行ったりする必要がなくなり、載置部に搬送物を載置するだけで、より簡単に搬送物を搬入させることができる。また、直接搬入口から搬送部に搬送物を投入させずに、載置部に搬送物を載置し、載置部に載置された前記搬送物を搬入することで、より簡単に搬送物を搬入させることができる。特に、搬送物が重量物である場合などに、搬送部に搬送物を直接投入する場合より労力を低減させることができる。さらに、搬入扉部の扉は、例えば、ばねなどの付勢手段や傾斜レールなどの移動機構により移動されるように、機械的に構成されており、保持部による保持が解除されると扉が開放されるので、電気的に扉が開閉されるような構成を備える必要がなく、電気的に扉が開閉されるような構成に比べて節電が可能となる。
【0008】
本発明の搬送装置は、
前記作動手段は、前記載置部に前記搬送物が載置されたときに、当該搬送物の自重により押下されて作動し、
前記解除手段は、前記作動手段の押下による作動に連動して、前記保持部による閉状態の保持を解除するように動作することを特徴としている。
この特徴によれば、載置部に前記搬送物が載置されたときに、当該搬送物の自重により押下されて作動手段が作動し、これに連動して、解除手段が前記保持部による閉状態の保持を解除するように動作することができる。作動手段としては、例えば、載置部の載置面の下方に設けられる圧縮ばねなどにより構成できる。この場合、載置部の載置面に搬送物が載置されたときに、当該搬送物の自重により載置面が押下されて圧縮ばねが圧縮し、載置面が下降するように作動する。この載置面が下降するように作動することで、解除手段は、これに連動して、前記保持部による閉状態の保持を解除するように動作することができる。
【0009】
本発明の搬送装置は、
前記載置部に前記搬送物が載置されたときに、当該載置部の載置面と、前記搬入口側の搬入面とが面一になる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、前記載置部に前記搬送物が載置されたときに、搬入口側の搬入面と載置面とが面一となるように設定しておくので、載置部に載置された搬送物を搬入しやすくすることができる。請求項2において作動手段が、載置部に搬送物が載置されたときに、当該搬送物の自重により押下されて作動するような場合には、載置面が下降したときに、搬入口側の搬入面と載置面とが面一となるように設定しておくことができる。
【0010】
本発明の搬送装置は、
移動機構は、前記扉を開放方向に付勢する付勢手段を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、扉を付勢手段により開放方向に付勢するという、簡単な構成で、保持部による前記扉の閉状態の保持を解除されたときに扉が開放されるようにできる。これにより、載置部に載置された前記搬送物を前記搬入口から搬入することができる。
【0011】
本発明の搬送装置は、
移動機構は、前記扉をガイドし、前記扉の開放方向に下がって傾斜する傾斜レール手段を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、傾斜レール手段が、扉の開放方向に下がって傾斜しているので、扉の自重により開放方向に扉が移動することができる。傾斜レール手段という、簡単な構成で、保持部による前記扉の閉状態の保持を解除されたときに扉が開放されるようにできる。これにより、載置部に載置された前記搬送物を前記搬入口から搬入することができる。
【0012】
本発明の搬送装置は、
前記保持部は、一対の係合部材を備え、
前記一対の係合部材は、前記扉と、当該扉が閉状態のときに対向する位置にある前記載置部または前記搬入口の周囲とにそれぞれ設けられ、
前記解除手段は、前記作動手段の作動に連動して前記一対の係合部材による係合を解除することを特徴としている。
この特徴によれば、前記一対の係合部材は、一方を前記扉に設け、他方を前記扉が閉状態のときに対向する位置にある載置部にすれば、載置部側にある作動手段と解除手段に連動させやすくなる。この場合の係合部材としては、例えば、載置部側にフック、ローラなどの凸部を設けておき、扉側に切欠きなどの凹部を設けておくことができる。これらの凹凸部材などによる扉と載置部との係合部材による係合を解除することで、扉の閉状態の保持が解除され、扉が開放されるので、載置部に載置された前記搬送物を前記搬入口から搬入することができる。また、前記一対の係合部材は、一方を前記扉に設け、他方を前記扉が閉状態のときに対向する位置にある搬入口の周囲に設ける場合には、扉と搬入口の周囲の所定部分とを係合することができる。例えば、搬入口の周囲の部分に扉をより密着させて係合させるようにできる。一対の係合部材としては、例えば、扉と搬入口との両側に磁石や、磁石と金属板などの磁石吸着板を利用することができる。これら磁石などによる係合を解除手段で解除する場合には、解除手段としては、作動手段に連動して扉を開放方向に押しだすような力をかけて磁石による吸着を解除するような力をかけるように構成できる。または、押しだすような力をかける代わりに、作動手段に連動して扉を開放方向に引っ張るような力をかけて、磁石による吸着を解除するような力をかけるように構成してもよい。磁石などの扉と搬入口との係合部材を押し出して解除することにより、扉の閉状態の保持が解除され、扉が開放されるので、載置部に載置された前記搬送物を前記搬入口から搬入することができる。
【0013】
本発明の搬送装置は、
前記載置部は、載置された前記搬送物を前記搬送部へ搬送する搬送手段を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、載置部の搬送手段により、載置された前記搬送物を前記搬送部へ搬送することができるので、搬送部への搬入がより簡単に行うことができる。搬送手段としては、ベルトコンベアのように電気的に動作するようなものでもよいし、また、載置部の載置面が傾斜していて、搬送物が載置されたときに滑りやすくして搬送物が搬送しやすい構成でもよいし、載置部に回転ローラを並べておき、ローラコンベアのような構成として、搬入者が搬送物を押すことで、回転ローラが回転して搬送物が移動しやすい構成としておくことができる。
【0014】
本発明の扉装置は、
物品を搬入し、開閉可能な扉を備える扉装置において、
前記扉の前方に設けられ、前記物品を載置する載置部と、
前記扉を開放方向に移動させる移動機構と、
前記扉が閉じられたときに閉状態に保持する保持部と、
を有し、
前記載置部は、前記物品が載置されたときに作動する作動手段と、前記作動手段の作動により、前記保持部による前記扉の閉状態の保持を解除する解除手段とを備えることを特徴としている。
この特徴によれば、載置部に物品が載置されると作動手段が作動し、この作動手段の作動により、解除手段が、保持部による扉の閉状態の保持を解除し、移動機構により開放方向に扉が移動されて開放されるので、載置部に載置された物品を前記搬入口から搬入することができる。このように、載置部に物品を載置するだけで、自動的に扉が開放されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例における寿司皿回収装置が設けられている飲食物循環搬送装置を示す斜視図である。
【図2】図1におけるI−I断面図である。
【図3】図1におけるII−II断面図である。
【図4】第1実施例における扉装置の搬入扉部の構成を説明する図である。
【図5】第1実施例における扉装置の正面図である。
【図6】図5における扉装置のIII−III断面図である。
【図7】図5における扉装置のIV−IV断面図である。
【図8】第2実施例における扉装置の全体構成を示しており、搬入扉部の構成を説明する図である。
【図9】図8におけるV−V断面図である。
【図10】第3実施例における扉装置の全体構成を示しており、搬入扉部の構成を説明する図である。
【図11】図10におけるVI−VI断面図である。
【図12】図5に示す扉装置の載置部の他の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る搬送装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0017】
実施例に係る飲食物容器回収装置につき、図1から図12を参照して説明する。本発明における搬送装置は、寿司皿等の飲食物容器を飲食客に対して搬送する飲食物循環搬送装置の下部に設けられる使用済飲食物容器の搬送装置である寿司皿回収装置として構成される。本実施例における寿司皿回収装置の搬入口には、使用済飲食物容器を載置部に載置したときに自動的に扉が開くような扉装置を備えている。
【0018】
以下、飲食物循環搬送装置の構成を説明後、寿司皿回収装置の搬送部の構成を説明し、その後、本発明における寿司皿回収装置に備える扉装置の構成と、それを利用した使用済飲食物容器を寿司皿回収装置へ搬入する動作について説明する。
【0019】
図1に、実施例における寿司皿回収装置が設けられている飲食物循環搬送装置の斜視図を示す。図1において、飲食物循環搬送装置1は、例えば回転寿司店等の飲食店において、料理人が調理を行う厨房Cと飲食客が飲食を行う店内Kとに亘って延設された支持台2が設けられており、料理人が調理した飲食物としての寿司が載置された飲食物容器としての寿司皿3を、支持台2に設けられた循環搬送路9で店内の飲食客に循環搬送して、寿司を提供する装置であって、寿司皿回収装置13を下部に備えたところが特徴である。
【0020】
図1には、店内全体の斜視図を示しており、飲食物循環搬送装置1は、厨房C側に基部11が形成され、店内K側に、基部11から平面視櫛歯状に3つの島部4a,4b,4cが形成され、基部11と島部4a,4b,4cとに、無端状の循環搬送路9が設けられ、各島部4a,4b,4cを囲むように飲食カウンタ5及び飲食テーブル6と、飲食カウンタ5及び飲食テーブル6で飲食客が着座する客席とが配備される。
【0021】
また、各島部4a,4b,4cでは、飲食カウンタ5及び飲食テーブル6と客席とで飲食客が飲食可能となっている。店内Kと厨房Cとの間には、店内Kと厨房Cとを隔てる壁Wが設けられており、循環搬送路9に載置された寿司皿3は、壁Wに設けられた複数の開口8を通過して店内の各島部4a,4b,4cにほぼ一定速度にて搬送されて、飲食客に提供されるようになっている。
【0022】
循環搬送路9は、互いに相対移動可能に連結された公知のクレセントチェーンコンベアによって形成されており、これらクレセントチェーンコンベアをほぼ一定速度にて移動するように駆動する図示しない駆動モータが、循環搬送路9の内部の適宜位置に設けられており、駆動モータ及びクレセントチェーンコンベアによって飲食物循環搬送装置1が構成されている。
【0023】
飲食物循環搬送装置1を構成するクレセントチェーンコンベアは、厨房Cで寿司の載置された寿司皿3が投入されると、先ず、寿司皿3を図1に示す店内Kの右端の島部4aに搬送し、この島部4aの先端部まで搬送した後に、折り返して再び島部4aの根元部分である厨房C側まで戻り、次いで中央の島部4bに搬送されるようになっており、最終的に左端の島部4cまで搬送された後に再び厨房Cに戻るようになっている。
【0024】
つぎに、寿司皿回収装置の搬送部の構成を説明する。
【0025】
図1に示すように飲食物循環搬送装置1の基部11の下方には、寿司皿回収装置13が備えられており、寿司皿回収装置13は、支持台2の内部に設けられている。なお、本実施例においては、基部11の下方にのみ直線状の寿司皿回収装置13を設ける場合を例にしているが、島部の下方にも寿司皿回収装置を設け、それぞれの島部で回収された皿を基部側の寿司皿回収装置13と合流させるようにしてもよい。
【0026】
図2に、図1におけるI−I断面図を示し、図3に、図1におけるII−II断面図を示している。寿司皿回収装置13は、図2および図3に示すように、支持台2の内部に配置され、一方方向に走行可能で、上下に折り返された無端状のチェーン状コンベヤ260と、それを駆動するモータ(図示せず)とより構成される直線状の搬送部200を備える。搬送部200は、チェーン状コンベヤ260の上面の搬送面250に使用済の寿司皿3または使用済の寿司皿3を内部に収容できるバケット20を載せて走行可能となっている。図1に示されるように、チェーン状コンベヤ260の一端の直下に回収槽12が設置され、寿司皿回収装置13は、回収槽12に向けた方向に使用済みの寿司皿等を載置して回収槽12まで搬送するように構成されている。または、寿司皿回収装置13は、正逆方向に走行可能なコンベヤにして、両方向に使用済みの寿司皿等を載置して搬送するようにしてもよい。また、寿司皿回収装置13の搬送部は、搬送面250を備える走行体が走行するような構成にしてもよい。
【0027】
寿司皿回収装置13には、使用済みの寿司皿等を搬入するための開口部である搬入口10が、複数箇所設けられ、各搬入口10の前方には、扉装置100がそれぞれ設けられている。
【0028】
つぎに、寿司皿回収装置における扉装置100の構成を説明する。
【0029】
本実施例における扉装置100は、図2および図3に示すように、搬入口10の前方である店内K側に設けられ、使用済みの寿司皿3等を載置する載置部130と、扉14および移動機構140を備える搬入扉部110と、扉14が閉じられたときに閉状態に保持する保持部120と、を少なくとも有している。扉14は、開閉可能であり、移動機構140は、扉14を開放方向に移動させる機構を備え、保持部120による扉14の閉状態の保持が解除されたときに、移動機構140により扉14が開放方向に移動される。載置部130、保持部120、搬入扉部110の移動機構140などの構成については、後述する第1実施例〜第3実施例において説明する。
【0030】
本実施例においては、店員が、使用済みとなった寿司皿3を回収してバケット20に収容し、図2および図3に示すように、寿司皿回収装置13の店内K側の側面に設けられた載置部130に、このバケット20を載置する。バケット20が載置部130に載置されると、載置部130に備える解除手段により、保持部120による扉14の閉状態の保持が解除され、移動機構140により扉14が開放方向に移動され、自動的に扉14が開くような構成をとっている。店員は、扉14が開放されると、バケット20を搬入口10の方向に押下し、寿司皿回収装置13の搬送部200までバケットを移動させ、搬送部200上にバケット20を移載する。搬送部200上にバケット20が移載されると、搬送部200のチェーン状コンベヤにより回収槽12まで搬送され、洗浄装置(図示せず)において洗浄される。店員が、搬送部200までバケット20を移動させた後、扉14を手動で閉めると、保持部120により扉14は閉状態に保持され、つぎにバケット20が載置されるまで、扉14は閉まった状態に維持される。この場合、バケット20に使用済みとなった寿司皿3を収容して搬送することで、搬送時における寿司皿3の損傷を低減できるようにしている。
【0031】
搬入口10の前方に設けられる扉装置100は、図2に示すように、壁Wに、扉14と搬入口10に対応するような開口を設け、壁Wの店内K側に搬入扉部110および載置部130を設けるようにしておくようにしてもよいし、図3に示すように、壁Wを扉14より上方にのみ設けるようにしておき、寿司皿回収装置13の店内K側の側面に搬入扉部110および載置部130を直接設けるようにして、扉14より下方に壁Wを設けないようにしてもよい。また、図2または図3に示すように、搬入口10側の寿司皿回収装置13の搬入面210として、扉14まで延伸するような移載板50を備えておくと便利である。
【0032】
つぎに、扉装置100の第1実施例における構成について、図4〜図7および図12を参照して説明する。図4に、第1実施例における扉装置100の搬入扉部110の構成を説明する図を示す。図5に、第1実施例における扉装置100の正面図を示し、図6に、図5における扉装置100のIII−III断面図を示し、図7に、扉装置のIV−IV断面図を示し、図12に、図5に示す扉装置の載置部の他の構成例を示す断面図を示す。
【0033】
扉装置100は、前述したように、載置部130と搬入扉部110と保持部120とを有している。搬入扉部110は、取っ手28を備える扉14と、扉14を開放方向に移動させる移動機構140とを有している。移動機構140は、店内K側の側面に備え付けられ、扉14を支えるとともに扉14を移動させることができる。
【0034】
第1実施例では、扉装置100の移動機構としてばね等の付勢手段を利用する場合を例にしており、図5に示す矢印32方向に付勢して、扉14を矢印32方向に移動させて、扉14を開放させることができる。搬入扉部110の移動機構140は、壁Wの店内K側に取り付ける取付部29と、扉14の上部に取り付けられ、回転ローラを備えるスライダ24と、スライダ24がスライドして左右方向に移動する際のガイドとなるレール23と、扉14に取り付けられたスライダ24をワイヤ22により開放方向に付勢するゼンマイユニット21と、を少なくとも備える。取付部29には、レール23とゼンマイユニット21とを配置し、レール23に沿って移動するようにスライダ24を取り付け、ゼンマイユニット21のワイヤ22をスライダ24に取り付けておく。また、スライダ24の下側には扉14を取り付けておき、スライダ24の移動とともに扉14も移動できるように接続しておく。尚、前記移動機構140は支持台2の店内K側に取り付けることもできる。
【0035】
図4においては、説明のため、移動機構140の構成を図示しているが、外部から移動機構140の内部構造が見えないように実際には移動機構140全体をカバー等で覆っておくことができる。
【0036】
ゼンマイユニット21は、ワイヤ22を引き込む方向に付勢されたゼンマイであり、ワイヤ22の先端に取り付けられたスライダ24を矢印32方向に常時引っ張り、扉14を常時開放方向に付勢している。保持部120による扉14の閉状態の保持が解除されると(図6を参照)、ゼンマイユニット21がワイヤ22を引き込んで、スライダ24を矢印32方向に引っ張ることで、扉14を開放方向に移動せることができる。スライダ24の内部には、回転ローラ(図示せず)が取り付けられ、回転ローラがレール23に沿って回転する。また、移動機構140としては、扉14を閉めたときまたは開けたときに移動してきたスライダ24に接触する位置に設けられる、衝撃吸収を行う衝撃吸収ダンパーなどのショックアブソーバ27を、レール23の両端側の取付部29にさらに備えておいてもよい。
【0037】
図4に示すように、ゼンマイユニット21によりワイヤ22が引き込まれるような方向に引っ張られて、スライダ24の回転ローラが回転して矢印32の方向にスライダ24が移動する。そのスライダ24を取り付けている扉14は、スライダ24と共に矢印32の方向に移動し、図4に一点鎖線で示すように、扉14が開放状態となる。
【0038】
扉装置100の保持部120としては、第1実施例では、フックとフックが嵌まり込む切欠き部による一対の係合部材を備える場合を例にしている。図5および図6に示すように、保持部120は、載置部130に設けられたフック18と、フック18に係合する切欠き部分を有する、扉14側に設けられる切欠き部15との一対の係合部材を備える。扉14が、ステンレスなどの材料により内部が中空に形成されている場合、切欠き部15は、扉14が閉状態のときにフック18に対向する位置にある扉14の所定部分に、扉14の底部の一部を切欠いて設けられている。扉14が一枚板などの中充の木製である場合には、切欠き部15として、扉14の底部の一部を凹ませて構成させてもよい。扉14が閉状態にあるときに、図6の拡大部分の点線で示すように、扉14の切欠き部15に、載置部130のフック18が挿入されることで、扉14を閉状態に保持している。これら一対の係合部材の解除は、載置部130のフック18が下方向に押し下げられて移動することで解除される。このため、載置部130の載置面の下方移動が解除手段として機能している。載置部130に設けられるフック18の配置位置は、バケットを横方向に移動するときに邪魔にならないような、載置部130の所定位置に設けておけばよい。例えば、図6に示すように、載置部130の台などの枠上部分の側面にフック18を設けておくことができる。なお、フック18と切欠き部15とは、それぞれ逆の位置に設けるようにしてもよい。例えば、載置部130の台などの枠上部分の側面に切欠き部を設け、扉14に設けたフックと係合するようにしてもよい。
【0039】
図5および図6に示すように、載置部130は、前述のフック18と、使用済み寿司皿3が収容されたバケット20が載置面19に載置されたときに作動する作動手段としての圧縮ばね16と、圧縮ばね16が作動して載置面19が下方に押し下げられたときに、載置面19が所定の高さ以上に沈み込まないように所定の高さに維持するためのスペーサ17と、壁Wの側面に載置部130を取り付ける取付部40とを備える。載置面19は、例えば、板状の台により構成され、載置面19が取付部40上に圧縮ばね16およびスペーサ17を介して取り付けられる。取付部40には、スペーサ17に嵌合する軸部41が設けられており、軸部41に圧縮ばね16が挿入され、スペーサ17をはめ込んで、載置面19の下面(裏面)をスペーサ17の上面に固定する。スペーサ17と圧縮ばね16とは、載置面19の下側の所定位置に所定個数設けられる。例えば、長方形状の載置面19の場合には、スペーサ17と圧縮ばね16とを4組設けておき、四隅にそれぞれ配置しておくことができる。また、載置部130の作動手段の他の構成例として、スペーサ17と圧縮ばね16と軸部41とを設ける代わりに、図12に示すように、ばね軸ブラケット49と、圧縮ばね16とを設けるようにしてもよい。この場合、ばね軸ブラケット49は、圧縮ばね16を挿通させるボルトおよびナットで構成でき、載置面19の下側(裏面)に上部が固定されるとともに、取付部40の所定位置に設けられた軸孔に挿通して取付部40の裏面側でナット52により固定される。バケット20が載置面19に載置されていない扉14が閉じられている状態では、ナット52が取付部40の裏面に当接した状態にあり、バケット20が載置され載置面19が下方に押し下げられたときに、圧縮ばね16が圧縮するとともに、ばね軸ブラケット49が載置面19の下側(裏面)に押し下げられ、ナット52が取付部40の裏面から離間した状態に移動するように構成される。このように、載置部130の作動手段の構成としては、種々の構成をとることができる。
【0040】
図5および図6に示すように、載置部130は、使用済み寿司皿3が収容されたバケット20が載置面19に載置されると、バケット20の自重により押下されて圧縮ばね16が作動して載置面19が下方向の矢印31の方向に押し下げられ、載置面19が押し下げられたことに連動して載置部130のフック18も下方向に移動し、切欠き部15とフック18との係合が解除されることで載置部130が解除手段として機能する。切欠き部15とフック18との係合が解除されると、搬入扉部110の移動機構140により扉14が開放方向に移動され、図4に一点鎖線で示すように、扉14が開放状態になる。また、載置面19上から搬入口へバケット20が搬入されて、圧縮ばね16が伸びて元の状態に復帰すると載置面19が元の位置に押し上げられる。
【0041】
また、スペーサ17を設けておくことにより、圧縮ばね16が圧縮されたときに載置面19が所定の高さ以上に沈み込まないように所定の高さに維持することができる。スペーサ17と圧縮ばねとを位置ずれを防ぐために取付部40の上面には、スペーサ17に嵌合する軸部41を設けられており、軸部41の下方に圧縮ばね16を取り付けておき、圧縮ばね16が圧縮したときに、軸部41の先端部分がスペーサ17の嵌合内部の上面に接触するように、スペーサ17と軸部の高さ方向の長さを設定しておくことができる。これにより、載置部130にバケット20が載置されたときの載置面19が所定の高さ分だけ沈み込むように設定できる。また、載置部130にバケット20が載置されたときの載置面19と搬入口10側の搬入面210とが面一になるように設定しておくことができる。さらに、図7に、図5における扉装置のIV−IV断面図を示すように、搬送部200の搬送面250も、載置部130にバケット20が載置されたときの載置面19と面一になるように設定しておくことで、バケット20を横方向に押して滑らせて移動させることができるので、載置面19から搬送部200の搬送面250へのバケット20の移載がより簡単になり、載置部130に載置されたバケット20を搬入しやすくすることができる。載置面19は、バケット20が移動しやすいように、表面が摩擦係数の低い滑りやすい材質のものを利用した載置台としておくことができる。また、載置部130には、載置されたバケット20を搬送部200へ搬送する搬送手段を備えるようにしてもよく、搬送手段としては、ベルトコンベアのように電気的に動作するようなものや、載置部130に回転ローラを並べておき、ローラコンベアのような構成として、搬入者が搬送物を押すことで、回転ローラが回転してバケット20が移動しやすい構成としておくことができる。
【0042】
また、他の搬送手段としては、載置面19にバケット20が配置されたときに、載置面19を寿司皿回収装置13側に傾斜させて、載置されたバケット20の自重で搬送部200へ移載しやすくするようにしてもよい。この場合、スペーサ17と圧縮ばね16との配置位置を、例えば長方形状の載置面の場合に寿司皿回収装置13側の載置面19の長辺に沿って二組配置しておき、載置面19にバケット20が配置されたときに、載置面19の寿司皿回収装置13側の長辺部分のみが下方に押し下げられ、載置面19の他方の長辺側は、沈み込まないようにしておくことで、載置面19を傾斜させることができる。この場合も載置部130にバケット20が載置されたときの載置面19の寿司皿回収装置13側の長辺部分と搬入口10側の搬入面210との高さが同じになるように設定しておくことでバケット20を搬送部200へ移載しやすくすることができる。
【0043】
載置部130を取り付ける取付部40は、壁Wの側面の所定位置にねじ等により取り付けられる。また、取付部40としては、これらの側面に取り付ける代わりに脚部を設けて床に脚部を取り付けて立脚させるようにしてもよい。
【0044】
第1実施例においては、以上説明したような構成により、載置部130に、バケット20が載置されると、バケット20の自重により圧縮ばね16が作動して載置面19が下方向に押し下げられ、載置面19が押し下げられたことに連動して載置部130のフック18も下方向に移動し、切欠き部15とフック18との係合が解除され、移動機構140により扉14が開放方向に移動され、自動的に扉14が開くようにできる。このように、載置部130にバケット20を載置するだけで、自動的に扉14が開放されることとなる。このため、バケット20を搬入口10に搬入しようとする店員は、両手がバケット20を持つことで塞がっていても、扉14を自分で開放したり、扉14の開放の指示を行ったりする必要がなくなり、載置部130にバケット20を載置するだけで、より簡単にバケット20を搬入させることができる。また、直接搬入口10から搬送部200にバケット20を投入させずに、載置部130にバケット20を載置し、載置部130に載置されたバケット20を搬入することで、より簡単にバケット20を搬入させることができる。特に、使用済の寿司皿3を内部に大量に収容してバケット20の重量が重い場合などに、搬送部200にバケット20を直接投入する場合より労力を低減させることができる。さらに、搬入扉部110の扉14は、ゼンマイユニット21の代わりに、圧縮ばね、コイルばねなどの付勢手段を用いてもよい。付勢手段などで機械的に構成することで、保持部120による保持が解除されると扉14が開放されるので、電気的に扉が開閉されるような構成を備える必要がなく、電気的に扉が開閉されるような構成に比べて節電が可能となる。
【0045】
つぎに、扉装置100の第2実施例における構成について、図8および図9を参照して説明する。図8に、第2実施例における扉装置の全体構成を示しており、搬入扉部の構成を説明する図を示し、図9に、図8におけるV−V断面図を示す。第2実施例では、扉装置100の移動機構の構成と保持部の構成とが第1実施例と異なる。第2実施例における移動機構240の構成としては、付勢手段を設ける代わりに、傾斜レールを設ける場合を例にし、また、第2実施例における保持部220の構成は、回転ローラとこの回転ローラが嵌まり込む切欠き部による一対の係合部材を備える場合を例にする。他の構成は、第1実施例と同じであるので、異なる構成について説明する。なお、図8においては、保持部220の構成を示すために、載置部130の一部の構成を破断して省略している。
【0046】
図8に示すように、搬入扉部110の移動機構240は、壁Wの店内K側の側面に取り付ける取付部29と、扉14の上部に取り付けられるスライダ41と、スライダ41がスライドして左右方向に移動する際のガイドとなり、開放方向にいくにつれて高さが下降している傾斜レール42とを備えている。傾斜レール42は、開放方向にいくにつれて高さH(例えば1cm)分、下降しており、扉14の自重でスライダ41の回転ローラが回転することで、開放方向に扉14が移動することができるような傾斜がついている。また、図8において、扉14の右側下部に重りをつけておき、開放方向に移動しやすくしてもよい。また、移動機構240としては、扉14を閉めたときまたは開けたときに移動してきたスライダ41に接触する位置に設けられる、衝撃吸収を行う衝撃吸収ダンパーなどのショックアブソーバ27を、傾斜レール42の両端にさらに備えておいてもよい。また、扉14の下部に取り付けられる複数の下回転ローラと、下回転ローラが回転して左右方向に移動する際のガイドとなり、開放方向にいくにつれて高さが下降している下側傾斜レールとを、載置面19より下側に設けるようにして、より開放しやすくしてもよい。
【0047】
図8に示すように、保持部220による扉14の閉状態の保持が解除されると、扉14の自重でスライダ41の回転ローラが傾斜レール42上を回転することで、矢印32の方向にスライダ41が移動する。そのスライダ41を取り付けている扉14は、スライダ41と共に矢印32の方向に移動し、図8に一点鎖線で示すように、扉14が開放状態となる。
【0048】
扉装置100の保持部220の構成は、図9に示すように、保持部220は、載置部130の載置面側部に設けられた回転ローラ45と、この回転ローラ45が嵌まり込む切欠き部46とによる一対の係合部材を備える。切欠き部46は、扉14が閉状態のときに回転ローラ45に対向する位置にある扉14の所定部分に設けられている。切欠き部46は、回転ローラ45が嵌まり込みやすいように形成しておいてもよい。扉14が閉状態になるとき、すなわち、手動で扉14を閉めるときに、扉14の切欠き部46に、載置部130の回転ローラ45が回転しながら挿入されることで、扉14の切欠き部46に回転ローラ45が係合しやすくなり、扉14を閉状態に保持することができる。これら一対の係合部材の解除は、第1実施例と同様に、載置部130の圧縮ばね16が作動して載置面19が下方に押し下げられたときに、載置部130の回転ローラ45が下方向に押し下げられて移動することで解除される。
【0049】
第2実施例によれば、付勢手段を設ける代わりに、傾斜レールを用いた移動機構とすることで、構造がより簡単になり、また、メンテナンスもしやすくなる。さらにばね等を用いないため、第1実施例より耐久性も優れたものとすることができる。また、フックの代わりに、回転ローラ45を用いることで、手動で扉14を閉めるときに、回転ローラ45が回転して扉14の切欠き部46に嵌りやすくすることができる。
【0050】
つぎに、扉装置100の第3実施例における構成について、図10および図11を参照して説明する。図10に、第3実施例における扉装置の全体構成を示しており、搬入扉部の構成を説明する図を示し、図11に、図10におけるVI−VI断面図を示す。第3実施例では、扉装置100の保持部の構成と解除手段の構成とが第1実施例と異なる。他の構成は、第1実施例と同じであるので、異なる構成について説明する。なお、図10においては、押出部33の構成を示すために、載置部130の一部の構成を破断して省略している。
【0051】
第3実施例における保持部320の構成としては、一対の係合部材として磁石を利用する場合を例にする。図10に示すように、扉14とともに移動するスライダ24側にマグネット吸着板25を設けておき、取付部29側の所定部分にマグネット26を設けておく。扉14を閉じたときに、このマグネット26をマグネット吸着板25に吸着させることで、扉14を閉状態に保持するようにしている。この場合、スライダ24と取付部29とに磁石などの係合部材を設けているが、移動する側のスライダ24または扉14と、移動しない搬入口10の周囲の所定部分であれば、どの部分に係合部材を設けてもよい。また、マグネット吸着板25は、磁石でもいいし、金属板などを設けておいてもよい。
【0052】
これら磁石などによる係合を解除する場合の解除手段としては、作動手段としての圧縮ばね16が作動して載置面19が下方に押し下げられたときに、これに連動して扉14を開放方向に押しだすような力をかける押出部33を設けておく。これにより、マグネットによる吸着を解除して、移動機構240により扉14が開放方向に移動され、自動的に扉14が開くようにできる。本実施例における押出部33は、図10および図11に示すように、載置面19の側面に接して設けられ、圧縮ばね16が作動して載置面19が下方に押し下げられたときに載置面19の側方に設けられたフランジ55により押し下げられるローラA34と、ローラA34を先端に備えて支点37を支点として回動可能なように取り付けられるアームA36と、ローラB35を先端に備えて支点37を支点としアームA36に連動して回動可能なように取り付けられるリンクアーム39と、リンクアーム39が回動したときに扉14の側面を扉14の開放方向に押すためのローラB35と、支点37に取り付けられ、アームA36およびリンクアーム39を搬入口側に軸支してばねが設けられたばね軸38とを備える。ばね軸38は、搬入口側の壁Wの側面に固定されているが、取付部40に固定しておくようにしてもよい。ばね軸38は、矢印51の方向に付勢されており、載置面19が下方に押し下げられたときに載置面19の側方に設けられたフランジ55によりローラA34が押し下げられることで、アームA36およびリンクアーム39が、矢印50方向に回動し、これによりリンクアーム39の先端に備えているローラB35も回動する。ローラB35は、扉14の側面に接触した位置に配置されており、矢印50方向に回動することで、扉14を押し出すことができる。また、載置面19上から搬入口へバケット20が搬入されて、圧縮ばね16により載置面19が元の位置に押し上げられると、アームA36およびリンクアーム39もばね軸38の付勢により、矢印51の方向に回動して元の位置に復帰する。
【0053】
このような構成で、バケット20が載置面19に載置されると、バケット20の自重により押下されて圧縮ばね16が作動して載置面19が下方向に押し下げられ、載置面19が押し下げられたことに連動してローラA34が押し下げられてアームA36およびリンクアーム39が矢印50方向に回動し、これにより、図11に示すように、リンクアーム39の先端にあるローラB35が扉の側面を扉14の開放方向に押すことで、マグネット26とマグネット吸着板25による吸着を解除する。マグネットの吸着が解除されると、移動機構140により扉14が開放方向に移動されて扉14が開放状態になる。その後、搬送部200までバケット20が移動された後、扉14を手動で閉めることで、マグネット26とマグネット吸着板25とを吸着させることで、扉14を閉状態に保持させ、つぎにバケット20が載置されるまで、扉14は閉まった状態に維持される。
【0054】
アームA36は、ばね軸38に複数本を軸支するようにして、載置面19の下方や側方の異なる位置に配置して、載置面19の複数個所でローラA34を押し下げるようにしてもよい。
【0055】
第3実施例によれば、保持部320を、マグネット等を利用して構成するので、手動で扉を閉めるときに、フック等を切欠き部にはめ込むよりも磁力により吸着されやすくなるため、より少ない力で簡単に扉を閉状態にすることができる。また、載置部130の解除手段を押出部33を用いることでマグネット等の吸着の解除をすることができ、移動機構140により扉14を開放させることできる。第3実施例では、押出部33により圧縮ばね16の圧縮による載置面19の下方移動に連動して扉14を開放方向に押しだすような力をかけているが、これ以外にも、圧縮ばね16の圧縮による載置面19の下方移動に連動して扉14を開放方向に引っ張るような力をかける引張部を設けておき、磁石による吸着を解除するような力をかけるように構成してもよい。
【0056】
以上、本発明における寿司皿回収装置13にあっては、搬入口10から搬入された使用済みの寿司皿3等を収容したバケット20を搬送する搬送部200を有する寿司皿回収装置13において、搬入口10の前方に設けられ、バケット20を載置する載置部130と、載置部130に載置されたバケット20を搬入する搬入口10に、開閉可能な扉14と、当該扉14を開放方向に移動させる移動機構140とを備える搬入扉部110と、扉14が閉じられたときに閉状態に保持する保持部120と、を有し、載置部130は、バケット20が載置されたときに作動する圧縮ばね16と、圧縮ばね16の作動により、保持部120による扉14の閉状態の保持を解除する解除手段とを備えることで、載置部130にバケット20が載置されると圧縮ばね16が作動し、この圧縮ばね16の作動により、載置部130の載置面19が下方に移動することで、保持部120による扉14の閉状態の保持を解除し、移動機構140により開放方向に扉14が移動されて開放されるので、載置部130に載置されたバケット20を搬入口10から搬入することができる。このように、載置部130にバケット20を載置するだけで、自動的に扉14が開放されることとなる。
【0057】
また、圧縮ばね16は、載置部130にバケット20が載置されたときに、当該バケット20の自重により押下されて作動し、載置部130の載置面19は、圧縮ばね16の押下による作動に連動して下方移動することで、保持部120による閉状態の保持を解除するように動作する。これにより、載置部130にバケット20が載置されたときに、当該バケット20の自重により押下されて圧縮ばね16が作動し、これに連動して、載置面19が下方移動して保持部120による閉状態の保持を解除するように動作することができる。
【0058】
載置部130にバケット20が載置されたときに、当該載置部130の載置面19と、搬入口10側の搬入面210とが面一になるように設定されている。これによれば、載置部130にバケット20が載置されたときに、搬入口10側の搬入面210と載置面19とが面一となるように設定しておくので、載置部130に載置されたバケット20を搬入しやすくすることができる。この場合、載置部130にバケット20が載置されたときに、載置面19が下降したときに、搬入口10側の搬入面210と載置面19とが面一となるように設定しておくことができる。
【0059】
移動機構140は、扉14を開放方向に付勢するゼンマイユニット21を備える。これによれば、扉14をゼンマイユニット21により開放方向に付勢するという、簡単な構成で、保持部120による扉14の閉状態の保持を解除されたときに扉14が開放されるようにできる。これにより、載置部130に載置されたバケット20を搬入口10から搬入することができる。
【0060】
移動機構140は、扉14をガイドし、扉14の開放方向に下がって傾斜する傾斜レール42を備える。これによれば、傾斜レール42が、扉14の開放方向に下がって傾斜しているので、扉14の自重により開放方向に扉14が移動することができる。傾斜レール42という、簡単な構成で、保持部120による扉14の閉状態の保持を解除されたときに扉14が開放されるようにできる。
【0061】
保持部120は、一対の係合部材として、フック18および切欠き部15を備え、フック18および切欠き部15は、移動する側の扉14と、当該扉14が閉状態のときに対向する位置にある所定部分とにそれぞれ設けられ、圧縮ばね16が作動して載置面19が下方に押し下げられたときに、フック18および切欠き部15による係合を解除する。または、一対の係合部材として、回転ローラ45および切欠き部46を用いてもよい。扉14と、当該扉14が閉状態のときに対向する位置にある所定部分とに設けられるフック18および切欠き部15により、扉14が閉じられたときに閉状態に保持することができる。また、一対の係合部材として、マグネット26とマグネット吸着板25とを利用してもよい。この場合の、解除手段としては、作動手段に連動して扉14を開放方向に押しだすような力をかけて磁石による吸着を解除するような力をかけるように構成できる。または、押しだすような力をかける代わりに、作動手段に連動して扉14を開放方向に引っ張るような力をかけて、磁石による吸着を解除するような力をかけるように構成してもよい。磁石などの扉14と搬入口側との係合部材を押し出して解除することにより、扉14の閉状態の保持が解除され、扉14が開放されるので、載置部130に載置されたバケット20を搬入口10から搬入することができる。
【0062】
載置部130は、載置されたバケット20を搬送部200へ搬送する回転ローラを備えることで、載置されたバケット20を搬送部200へ搬送することができるので、搬送部への搬入がより簡単に行うことができる。
【0063】
また、本実施例においては、搬送装置の搬入口に設けられる扉装置を例にしたが、これに限らず、物品等を搬入する搬入口に、上記実施例に示した扉装置のみを後から追加することで、物品を載置部に載置することで自動的に扉が開動するようにできる。この場合、扉装置としては、物品を搬入し、開閉可能な扉を備える扉装置において、前記扉の前方に設けられ、前記物品を載置する載置部と、前記扉を開放方向に移動させる移動機構と、前記扉が閉じられたときに閉状態に保持する保持部と、を有し、前記載置部は、前記物品が載置されたときに作動する作動手段と、前記作動手段の作動により、前記保持部による前記扉の閉状態の保持を解除する解除手段とを備えることができる。
【0064】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0065】
例えば、第1実施例〜第3の実施例において説明した異なる各構成をそれぞれ組み合わせてもよい。例えば、第2実施例で説明した傾斜レールを備える移動機構の構成を第1実施例や第3実施例の移動機構として組み合わせてもよい。
【0066】
また、上記実施例では、使用済みの寿司皿3を収納したバケット20を載置する場合を例にしたが、使用済みの寿司皿3を一枚または複数枚積層状態に積み上げて、そのまま載置面に載置して、搬入口10より搬入させるようにしてもよい。
【0067】
また、前記実施例では、扉14は、左右方向に開閉可能な構成としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、シャッターのような扉を設け、上下方向に開閉するような構成でもよい。この場合、移動機構は、シャッターが上昇する方向に常時付勢しておき、シャッターが閉まったときに、閉状態を保持する保持部を備えればよい。例えば、扉装置100の係合部材としては、フックとフックが嵌まり込む切欠き部による一対の係合部材を備える場合に、扉側の切欠き部は、扉の側面に設けることで上昇しないように保持するような構成にすることができる。
【0068】
また、扉装置100は、壁Wに直接設けるようにしてもよいし、寿司皿回収装置13の側面に設けることもでき、搬入装置に限らず、いろいろな出入口の扉に設けることができる。
【0069】
また、スペーサ17は、上記実施例に示すような構成の他に、圧縮ばね16および軸部41を2組一緒にはめ込むような、直方体形状としてもよい。直方体形状のスペーサの場合、長方形状の上面が載置面19の下面(裏面)に固定されるので、載置面19に接する面積がより大きくなるので、載置面19をより安定して支えることができる。
【符号の説明】
【0070】
1 飲食物循環搬送装置
3 寿司皿(飲食物容器)
12 回収槽
13 寿司皿回収装置(搬送装置)
14 扉
15、46 切欠き部
16 圧縮ばね
17 スペーサ
18 フック
19 載置面
20 バケット
21 ゼンマイユニット
22 ワイヤ
23 レール
24 スライダ
25 マグネット吸着板
26 マグネット
28 取っ手
29 取付部
33 押出部
34 ローラA
35 ローラB
36 アームA
37 支点
38 ばね軸
39 リンクアーム
40 取付部
41 軸部
42 傾斜レール
45 回転ローラ
100 扉装置
110 搬入扉部
120 保持部
130 載置部
140 移動機構
200 搬送部
210 搬入面
220 保持部
240 移動機構
250 搬送面
260 チェーン状コンベヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬入口から搬入された搬送物を搬送する搬送部を有する搬送装置において、
前記搬入口の前方に設けられ、前記搬送物を載置する載置部と、
前記載置部に載置された前記搬送物を搬入する前記搬入口に、開閉可能な扉と、当該扉を開放方向に移動させる移動機構とを備える搬入扉部と、
前記扉が閉じられたときに閉状態に保持する保持部と、
を有し、
前記載置部は、前記搬送物が載置されたときに作動する作動手段と、前記作動手段の作動により、前記保持部による前記扉の閉状態の保持を解除する解除手段とを備える
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記作動手段は、前記載置部に前記搬送物が載置されたときに、当該搬送物の自重により押下されて作動し、
前記解除手段は、前記作動手段の押下による作動に連動して、前記保持部による閉状態の保持を解除するように動作する
ことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記載置部に前記搬送物が載置されたときに、当該載置部の載置面と、前記搬入口側の搬入面とが面一になる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記移動機構は、前記扉を開放方向に付勢する付勢手段を備える
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項5】
前記移動機構は、前記扉をガイドし、前記扉の開放方向に下がって傾斜する傾斜レール手段を備える
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項6】
前記保持部は、一対の係合部材を備え、
前記一対の係合部材は、前記扉と、当該扉が閉状態のときに対向する位置にある前記載置部または前記搬入口の周囲とにそれぞれ設けられ、
前記解除手段は、前記作動手段の作動に連動して前記一対の係合部材による係合を解除する
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれかに記載の搬送装置。
【請求項7】
前記載置部は、載置された前記搬送物を前記搬送部へ搬送する搬送手段を備える
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項8】
物品を搬入し、開閉可能な扉を備える扉装置において、
前記扉の前方に設けられ、前記物品を載置する載置部と、
前記扉を開放方向に移動させる移動機構と、
前記扉が閉じられたときに閉状態に保持する保持部と、
を有し、
前記載置部は、前記物品が載置されたときに作動する作動手段と、前記作動手段の作動により、前記保持部による前記扉の閉状態の保持を解除する解除手段とを備える
ことを特徴とする扉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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