説明

搬送装置及び画像記録装置

【課題】ベルトに対する過剰な張力の変化を抑え、ローラを移動可能な搬送装置を提供する。
【解決手段】用紙とトレイを案内する搬送路の上側に配置された第2搬送ローラ60、第2搬送ローラ60と同軸で一体回転する第1ギヤ80、搬送路の下側に第1ギヤ80と噛合する第2ギヤ81、第2ギヤと同軸で一体回転する第1プーリ82、搬送路の下側かつ第2搬送ローラ60の前方に配置され、用紙を搬送可能な第1位置、及び第1位置よりも下方かつ前方であってトレイを搬送可能な第2位置の間で移動可能な第1搬送ローラ62、第1搬送ローラ62と同軸で一体回転する第2プーリ83、第1プーリ82と第2プーリ83に架け渡されたベルト85、第1搬送ローラ62が第1位置の場合にベルト85に下向きの張力を与える第1テンショナー87、及び第1搬送ローラ62が第2位置の場合にベルト85に上向きの張力を与える第2テンショナー150を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラの回転によって被搬送体を搬送する搬送装置に関し、特に、各ローラに設けられたプーリがベルトで連結された搬送装置、及び当該搬送装置を備えた画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ローラの回転によって被搬送体を搬送する搬送装置が知られている。例えば、インクジェット方式や電子写真方式などによって、記録用紙などのシート状の被記録媒体に画像を記録する画像記録装置は、このような搬送装置を備えている。詳細には、画像記録装置は、搬送装置としてのローラ対と、被搬送体としてのシート状の被記録媒体を案内する搬送路と、シート状の被記録媒体に画像を記録する記録部などを備えている。そして、画像記録装置においては、シート状の被記録媒体が、ローラ対に挟持されながら搬送路を搬送され、画像記録部を通過する際に所定の画像が記録される。ここで、ローラ対は、シート状の被記録媒体を挟持して搬送するために、相互に当接されている。
【0003】
また、画像記録装置の搬送路はある程度の長さを有しているため、通常、搬送路には、複数のローラ対が設けられている。また、画像記録装置には、各ローラ対を構成する少なくとも一方のローラに当該ローラと一体に回転するプーリが設けられ、これらのプーリ間にベルトが架け渡された構成を有するものがある(例えば、特許文献1参照)。このような構成とすることにより、一のローラから他のローラにベルトを介して駆動力が伝達される。これにより、1個の駆動源によって複数のローラを駆動させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−123381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した画像記録装置において画像が記録される被記録媒体には、記録用紙などの剛性の低いシート状の被記録媒体の他、CDやDVDなどの剛性の高い被記録媒体も提案されている。一般に、剛性の高い被記録媒体に画像が記録される際、被記録媒体は専用のトレイにセットされる。トレイは画像記録装置に設けられた挿入口から挿入され、画像記録装置内を搬送される。
【0006】
しかし、トレイは、剛性の低い被記録媒体(記録用紙など)よりも厚みがある。そのため、搬送路に設けられた各ローラ対がシート状の被記録媒体を挟持するために当接されている場合には、剛性の高い被記録媒体を挟持できない。そこで、剛性の高い被記録媒体にも画像記録可能な画像記録装置に、ローラ対を構成する一対のローラを離間させる機構、つまり一対のローラの少なくとも一方を移動可能な機構を設けることが考えられる。例えば、剛性の低いシート状の被記録媒体に画像記録する際には、一対のローラを当接させ、剛性の高い被記録媒体に画像記録する際には、一対のローラを離間させる。
【0007】
しかし、移動可能なローラにプーリが設けられており、当該プーリが他のモータに設けられたプーリとベルトで連結されている場合、以下の問題が生じる。通常、ベルトは、プーリ間に取り付けられる際に、テンショナーによって張力が与えられている。しかし、ローラが移動すると、ベルトの張力が変化してしまう。
【0008】
例えば、テンショナーが2個のプーリ間に架け渡されている環状ベルトに対して搬送路側の外側に取り付けられ、環状ベルトがテンショナーによって環状ベルトの外側からローラが移動する側の第1向きに引っ張られている場合、ローラが第1向きに移動すると、テンショナーによる張力が弱くなるおそれがある。
【0009】
このように、張力が弱くなると、ベルトが弛んでしまう。これにより、ローラ間の駆動力の伝達が適正に行われず、被記録媒体の搬送力が不安定になるおそれがある。また、ベルトが、プーリやテンショナーから外れてしまうおそれもある。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ローラがベルトで連結されている場合に、ベルトの弛み、及び、ベルトの過剰な張力の変化を抑え、ローラを移動させることができる搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1) 本発明の搬送装置は、第1被搬送体及び上記第1被搬送体よりも厚みがある第2被搬送体を案内する搬送路と、駆動源からの駆動伝達によって回転する第1プーリと、上記搬送路の一方側に配置された第1ローラと、上記第1ローラと同軸に設けられており、上記第1ローラと一体に回転する第2プーリと、上記第1プーリ及び上記第2プーリに架け渡されており、上記第1プーリ及び上記第2プーリ間で周運動可能な第1ベルトと、上記第1ローラを、上記第1被搬送体を搬送可能な第1位置、及び上記第1位置よりも上記搬送路から離間する側であって、上記第2被搬送体を搬送可能な第2位置の間で移動させる第1移動手段と、上記第1ローラが上記第1位置である場合に、上記第1ベルトに所定の張力を与え、上記第1ベルトを上記搬送路から離間する向きに引っ張る位置に固定された第1テンショナーと、上記第1ローラが上記第2位置である場合に、上記第1ベルトを上記搬送路に近付く向きに引っ張る位置に固定された第2テンショナーと、を備える。
【0012】
第1テンショナーが、第1ベルトを搬送路から離間する向きに引っ張る位置に配置されている場合に、第1ローラが搬送路から離間する向きに移動すると、第1テンショナーが第1ベルトに与える張力が小さくなり、第1ベルトが弛むおそれがある。しかし、上述の構成においては、第1ローラが第1位置から第2位置に移動しても、第2テンショナーが第1ベルトに張力を与える。これにより、第1ベルトに与える張力の減少が防止できる。
【0013】
(2) 本発明の搬送装置は、上記搬送路の他方側であって、上記搬送路における上記第1被搬送体及び上記第2被搬送体の搬送方向に沿った位置が上記第1ローラとは異なる位置に配置された第2ローラと、上記第2ローラと同軸に設けられており、上記第2ローラと一体に回転する第1ギヤと、上記搬送路に対して一方側であって、上記第1ギヤに対向して配置されており、上記第1ギヤと噛合している第2ギヤと、を備え、上記駆動源は、駆動伝達によって第2ローラを回転させ、上記第1プーリは、上記第2ギヤと同軸に設けられており、上記第2ギヤと一体に回転する。
【0014】
駆動源から駆動伝達される第2ローラと第1ローラとが搬送路を介して反対側に設けられている場合、第1ローラと第2ローラを第1ベルトで連結して第2ローラから第1ローラへ駆動伝達すると、一方のローラが被搬送体を所定向きに案内するように回転するのに対して、他方のローラは被搬送体を上記所定向きと逆向きに案内するように回転する。つまり、第1ローラ及び第2ローラは、被搬送体に対して逆向きに回転してしまい、被搬送体を搬送できない。しかし、上述の構成においては、駆動源から第2ローラに伝達された駆動力は、第1ギヤ及び第2ギヤによって、第1ローラと搬送路の同じ側に設けられている第1プーリに伝達される。これにより、第1ローラ及び第2ローラは、被搬送体に対して同じ向きに回転し、被搬送体を搬送することができる。
【0015】
(3) 本発明の搬送装置は、上記搬送路の一方側であって、上記搬送路における上記第1被搬送体及び上記第2被搬送体の搬送方向に沿った位置が上記第1ローラに対して上記第2プーリとは反対側に配置された第3ローラと、上記第3ローラと同軸に設けられており、上記第3ローラと一体に回転する第3プーリと、上記第2プーリにおいて上記第1ベルトが架けられている位置と軸方向に異なる位置で上記第2プーリに巻回されるとともに、上記第3プーリに巻回されることによって、上記第2プーリ及び上記第3プーリに架け渡されており、上記第2プーリ及び上記第3プーリ間で周運動可能な第2ベルトと、上記第3ローラを、上記第1被搬送体を搬送可能な第3位置、及び上記第3位置よりも上記搬送路から離間する側である第4位置の間で移動させる第2移動手段と、上記第3ローラが上記第3位置である場合に、上記第2ベルトに所定の張力を与え、上記第2ベルトを上記搬送路から離間する向きに引っ張る位置に固定された第3テンショナーと、上記第3ローラが上記第4位置である場合に、上記第2ベルトを上記搬送路に近付く向きに引っ張る位置に固定された第4テンショナーと、を更に備え、上記第1移動手段は、上記第2移動手段による上記第3ローラの上記第3位置から上記第4位置への移動が開始したことを条件として、上記第1ローラを上記第1位置から上記第2位置に移動させる。
【0016】
第1ローラが第3ローラの移動開始前に移動された場合、第1ローラの移動によって、第2ベルトに与える張力が変化してしまう。しかし、上述の構成においては、第1ローラの移動が第3ローラの移動の開始前に行われることはない。よって、第1ローラの移動による第2ベルトの張力の変化の影響を抑制することができる。
【0017】
(4) 本発明の搬送装置は、上記第1移動手段は、上記第2移動手段による上記第3ローラの上記第3位置から上記第4位置への移動が完了した後に、上記第1ローラを上記第1位置から上記第2位置に移動させる。
【0018】
第1ローラが第3ローラの移動開始前に移動された場合、第1ローラの移動によって、第2ベルトに与える張力が変化してしまう。しかし、上述の構成においては、第3ローラの移動が完了した後、第1ローラが移動される。第3ローラの移動が完了することによって、第2ベルトには、第1ローラの移動によって変化する張力を考慮した張力が与えられる。そのため、第3ローラの移動後に第1ローラが移動されても、第1ローラの移動による第2ベルトの張力の変化の影響を抑制することができる。
【0019】
(5) 本発明の搬送装置は、上記第3ローラの上記第3位置から上記第4位置までの移動量は、上記第1ローラの上記第1位置から上記第2位置までの移動量よりも大きく、上記第2移動手段は、上記第3ローラを、上記第3位置から上記第4位置までの移動経路上の位置であって、上記第1位置と上記第2位置との間の距離及び方向だけ上記第4位置から上記第3位置側である第5位置に移動でき、上記第1移動手段は、上記第2移動手段による上記第3ローラの上記第3位置から上記第5位置への移動が完了したことを条件として、上記第1ローラを上記第1位置から上記第2位置に移動させ、上記第2移動手段は、上記第1移動手段による上記第1ローラの上記第1位置から上記第2位置への移動開始と同時に、上記第3ローラを上記第5位置から上記第4位置に移動させる。
【0020】
上述の構成においては、上述の(5)の場合と同様の理由によって、第3ローラの第3位置から第5位置への移動が、第1ローラの第1位置から第2位置への移動より先に行われることによって、第1ローラの移動による第2ベルトの張力の変化の影響を抑制することができる。
【0021】
更に、上述の構成においては、第1ローラの第1位置から第2位置への移動開始と同時に、第3ローラが第5位置から第4位置に移動される。ここで、第5位置は、第1位置と第2位置との間の距離及び方向だけ第4位置から第3位置側の位置である。よって、第1位置から第2位置へ移動される第1ローラと、第5位置から第4位置へ移動される第3ローラとは、互いに平行に移動される。これにより、第1ローラの移動による第2ベルトにかかる負荷を最小限に抑えることができる。
【0022】
(6) 本発明は、上述の(1)から(5)のいずれかに記載の搬送装置を備える画像記録装置として捉えることもできる。この場合、上記搬送路は、上記第1被搬送体としての第1被記録媒体、及び第2被記録媒体を載置可能な上記第2被搬送体としてのトレイを案内可能に構成されている。また、当該画像記録装置は、上記搬送路における上記第1被記録媒体及び上記第2被記録媒体の記録面側に配置されており、上記被記録媒体に対して画像を記録する記録部を備えている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、第1ローラが第1位置から第2位置に移動しても、第1ベルトの弛みを抑えつつ、第1ベルトに与える張力を同等にできる。これにより、第1ベルトに過剰な張力の変化を与えることなく第1ローラを移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の画像記録装置の実施形態の一例の複合機10の斜視図である。
【図2】図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
【図3】図3は、本発明の搬送装置の実施形態の一例の斜視図である。
【図4】図4は、本発明の搬送装置の実施形態の一例の縦断面図である。
【図5】図5は、本発明の搬送装置の実施形態の一例を模式的に示す縦断面図であり、(A)には第3搬送ローラ45が第3位置143から第4位置144に移動する場合が示されており、(B)には第3搬送ローラ45が第3位置143と第4位置144と第5位置145に移動する場合が示されている。
【図6】図6は、メディアトレイ71の斜視図である。
【図7】図7は、変形例3における搬送装置のうちの第1プーリ82と第2プーリ83と第1テンショナー87と第2テンショナー150を模式的に示す縦断面図である。
【図8】制御部160の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。以下の説明では、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7を定義し、開口13が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8を定義し、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9を定義する。
【0026】
[複合機10]
図1に示されるように、本発明の画像記録装置の一例である複合機10は、概ね薄型の直方体に形成されており、下部にインクジェット記録方式のプリンタ部11が設けられている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。プリンタ部11は、正面に開口13が形成された筐体14を有し、給紙トレイ20及び排紙トレイ21(図2参照)が、開口13から前後方向に挿抜可能である。給紙トレイ20には、所望のサイズの記録用紙(本発明の第1被搬送体の一例)が載置される。
【0027】
図2に示されるように、プリンタ部11は、記録用紙を給送する給紙部15と、記録用紙に画像を記録するインクジェット記録方式の記録部24(本発明の記録部の一例)と、搬送装置12(図3及び図4参照、本発明の搬送装置の一例)などを備えている。プリンタ部11は、外部機器などから受信した印刷データなどに基づいて、記録用紙に画像を記録する。また、複合機10は、記録用紙よりも厚みがあるCD−ROMやDVD−ROMメディアなどの記録メディアの盤面上に記録部24によって画像を記録する機能を有する。この機能については後述する。
【0028】
複合機10には、第1搬送路65(本発明の搬送路の一例)が形成されている。第1搬送路65は、給紙トレイ20の後端部から上方且つ複合機10の正面側へ曲がって、複合機10の背面側から正面側に延出され、記録部24の下側を通過して排紙トレイ21へ通じている。記録用紙は、第1搬送路65を搬送向き(図2において矢印付きの一点鎖線で示される向き)に案内される。第1搬送路65は、所定間隔を隔てて互いに対向する外側ガイド部材18と内側ガイド部材53とによって区画されている。
【0029】
給紙トレイ20の上側には、給紙部15が設けられている。給紙部15は、給紙ローラ25、給紙アーム26及び駆動伝達機構27を備えている。給紙ローラ25は、給紙トレイ20に接離可能に上下方向7に回動する給紙アーム26の前端で軸支されている。給紙ローラ25は、複数のギヤが噛合されてなる駆動伝達機構27によって、給紙用モータ166(図8参照)の駆動力が伝達されて回転する。給紙ローラ25は、給紙トレイ20上に積載された記録用紙を1枚ずつ分離して第1搬送路65へ供給する。
【0030】
記録部24は、記録ヘッド38を搭載して主走査方向(図2の紙面に垂直な方向)へ往復移動するキャリッジ40を備えている。記録ヘッド38には、インクカートリッジ(不図示)からインクが供給される。記録ヘッド38は、ノズル39から、各インクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ40が主走査方向へ往復動することにより、記録ヘッド38が記録用紙に対して走査され、第1搬送路65の下方に記録部24と対向して設けられているプラテン42上を搬送される記録用紙または記録メディアに画像が記録される。プラテン42は、記録用紙及び記録メディアが保持された後述するメディアトレイ71(本発明の第2被搬送体及びトレイの一例)を支持する支持面43を有する。
【0031】
[第2ローラ対58、第1ローラ対59及び第3ローラ対44]
記録部24より搬送向きの上流側には、第1搬送路65の上側に配置された第2搬送ローラ60(本発明の第2ローラの一例)及び第1搬送路65の下側に第2搬送ローラ60に対向して配置された第1ピンチローラ61よりなる第2ローラ対58が設けられている。第1ピンチローラ61は、図示しないバネなどの弾性部材によって第2搬送ローラ60を構成する後述の第1円形部材111(図3参照)のローラ面に圧接されている。第2ローラ対58は、搬送されてきた記録用紙を狭持してプラテン42上へ送る。
【0032】
記録部24より搬送向きの下流側には、第1搬送路65の下側に配置された第1搬送ローラ62(本発明の第1ローラの一例)及び第1搬送路65の上側に第1搬送ローラ62に対向して配置された拍車ローラ63よりなる第1ローラ対59が設けられている。第1ピンチローラ61と同様、拍車ローラ63は第1搬送ローラ62に圧接されている。第1ローラ対59は、記録部24から搬送されてきた記録用紙を狭持して、下流側へ搬送する。
【0033】
第1ローラ対59より搬送向きの下流側には、第1搬送路65の下側に配置された第3搬送ローラ45(本発明の第3ローラの一例)及び第1搬送路65の上側に第3搬送ローラ45に対向して配置された拍車ローラ46よりなる第3ローラ対44が設けられている。第1ピンチローラ61と同様、拍車ローラ46は第3搬送ローラ45に圧接されている。第3ローラ対44は、第1ローラ対59から搬送されてきた記録用紙を挟持して、排紙トレイ21または後述する第2搬送路67へ搬送する。
【0034】
第2搬送ローラ60は、搬送用モータ167(図8参照、本発明の駆動源の一例)から駆動伝達機構(不図示)を介して駆動力が伝達されて回転される。駆動伝達機構は、遊星ギヤなどで構成されており、搬送用モータ167が正転または逆転の一方(本実施形態では正転とする。)に回転された場合に、記録用紙またはメディアトレイ71を搬送向きに搬送させ、搬送用モータ167が正転または逆転の他方(本実施形態では逆転とする。)に回転された場合に、記録用紙またはメディアトレイ71を搬送向きと逆向きに搬送させるように、第2搬送ローラ60を回転させる。なお、搬送向き、及び搬送向きと逆向きが、本発明の搬送方向に相当する。また、後述するように、第1搬送ローラ62は、第2搬送ローラ60から第1ベルト85(図3参照、本発明の第1ベルトの一例)を介して駆動力が伝達されて回転され、第3搬送ローラ45は、第2搬送ローラから第2ベルト86(図3参照、本発明の第2ベルトの一例)を介して駆動力が伝達されて回転される。
【0035】
[経路切換部41]
第1ローラ対59と第3ローラ対44の間における第1搬送路65の上側には、経路切換部41が設けられている。フラップ49は、外側ガイド部材18に設けられた支軸50に回動可能に軸支されている。フラップ49には、拍車状に形成された補助ローラ47、48が軸支されている。記録用紙の両面に画像が記録される際、第1搬送路65を搬送された記録用紙は、分岐口36の下流側でスイッチバックされた後に、分岐口36から下方へ延びた後述する第2搬送路67へ搬送される。経路切換部41は、補助ローラ48の下端が分岐口36よりも上方に位置する排出姿勢(図2に実線で示される姿勢)と、分岐口36よりも下方へ進入する反転姿勢(図2に破線で示される姿勢)との間で回動する。
【0036】
経路切換部41が自重によって反転姿勢を保持している状態において、記録部24から搬送向きの下流側へ搬送される記録用紙の先端が経路切換部41に到達すると、経路切換部41は記録用紙の上面に押され、反転姿勢から排出姿勢に姿勢変化される。その後、記録用紙の後端部が補助ローラ48よりも上流側である規定位置に到達したときに、経路切換部41が排出姿勢から反転姿勢へ姿勢変化される。これにより、記録用紙の後端部は、補助ローラ48によって下側へ押圧され、第2搬送路67側へ向けられる。片面記録が行われる場合、第3搬送ローラ45は正転を維持し、記録用紙は排紙トレイ21へ排出される。両面記録が行われる場合、記録用紙の後端部が第2搬送路67側へ向けられた状態において、第3搬送ローラ45は正転から逆転へ切り換えられる。これにより、記録用紙は第2搬送路67へスイッチバック搬送される。
【0037】
[第2搬送路67]
第2搬送路67は、分岐口36で第1搬送路65から分岐され、第1ガイド部材53の下側かつ給紙部15の上側を通って、合流部37で第1搬送路65と合流する。第2搬送路67は、第2搬送路67の上側に設けられた内側ガイド部材53と、第2搬送路67の下側に設けられた下側ガイド部材33とによって区画される。第2搬送路67には、一対の第4搬送ローラ68と拍車ローラ69よりなる第4ローラ対57が設けられている。第4搬送ローラ68は、搬送用モータ167から回転力が伝達されて回転駆動され、記録用紙を分岐口36から合流点37への向きへ搬送する。
【0038】
[メディアトレイ71]
上述したように、複合機10は、記録メディアの盤面上に画像を記録する機能を有する。記録メディアに画像が記録される場合、記録メディアはメディアトレイ71に載置される。メディアトレイ71は開口13に設けられたトレイガイド76に載置されつつ、第1搬送路65に沿って、矢印77の向きに挿入される。図6に示されるように、メディアトレイ71は、薄型の直方体の樹脂板である。メディアトレイ71の上面72には、円形状の凹みであって記録メディアが載置されるメディア載置部70が設けられている。
【0039】
[搬送装置12]
図3及び図4に示されるように、搬送装置12は、上述の第1搬送路65、第2搬送ローラ60、第1搬送ローラ62、拍車ローラ63及び第3搬送ローラ45の他、第1ギヤ80(本発明の第1ギヤの一例)、第2ギヤ81(本発明の第2ギヤの一例)、第1プーリ82(本発明の第1プーリの一例)、第2プーリ83(本発明の第2プーリの一例)、第3プーリ84(本発明の第3プーリの一例)、第1ベルト85、第2ベルト86、第1テンショナー87(本発明の第1テンショナーの一例)、第2テンショナー150(本発明の第2テンショナーの一例)、第3テンショナー88(本発明の第3テンショナーの一例)、第4テンショナー151(本発明の第4テンショナーの一例)などを備えている。
【0040】
第2搬送ローラ60は、第1回転軸110と、第1回転軸110の円周方向の周囲に設けられ、ゴムなどの弾性部材で構成され、かつ記録用紙及びメディアトレイ71と接触する第1円形部材111とで構成されている。第2搬送ローラ60は、第1搬送路65の左右両端部に設けられたプリンタ部11の右フレーム16及び左フレーム17に回転可能に支持されている。第1円形部材111は、左右方向9において右フレーム16と左フレーム17の間に設けられている。第1回転軸110における左フレーム17の左側には、全周に歯を有する第1ギヤ80が取り付けられている。第1ギヤ80は、第1回転軸110を中心として第2搬送ローラ60と一体に回転する。
【0041】
第1ピンチローラ61は、第2搬送ローラ60と同様、回転軸(第2回転軸113)と円形部材(不図示)とで構成されており、右フレーム16及び左フレーム17に回転可能に支持されている。第2回転軸113における左フレーム17の左側には、全周に歯を有する第2ギヤ81が取り付けられている。第2ギヤ81は、第2回転軸113を中心として第1ピンチローラ61と一体に回転する。第2ギヤ81は、第1ギヤ80に対向して設けられており、第1ギヤ80と噛合している。
【0042】
第2回転軸113における左フレーム17と第2ギヤ81の間には、第1プーリ82が取り付けられている。第1プーリ82は、第2回転軸113を中心として第1ピンチローラ61と一体に回転する。第1プーリ82の周面に沿って、第1ベルト85が架けられる。本実施形態において、第1プーリ82は、第2搬送ローラ60、第1ギヤ80及び第2ギヤ81を介して搬送用モータ167から駆動伝達されるが、第2搬送ローラ60、第1ギヤ80及び第2ギヤ81を介することなく搬送用モータ167から駆動伝達されてもよい。
【0043】
第1搬送ローラ62は、第3回転軸120と、第3回転軸120の円周方向の周囲に設けられ、ゴムなどの弾性部材で構成され、かつ記録用紙及びメディアトレイ71と接触する第2円形部材121とで構成されている。第2円形部材121は、左右方向9において互いに離間して複数設けられている。各フレーム16、17には、第1右切り欠き122及び第1左切り欠き123が設けられている。第3回転軸120の左右両端部は、第1右切り欠き122及び第1左切り欠き123に係入されている。また、第1搬送ローラ62は、右フレーム16の右側及び左フレーム17の左側において、上下方向7及び前後方向8に移動可能な後述する第1ガイド部材54(図2参照)に回転可能に支持されている。
【0044】
第3回転軸120における左フレーム17の左側には、第2プーリ83が取り付けられている。第2プーリ83は、第3回転軸120を中心として第1搬送ローラ62と一体に回転する。第2プーリ83の周面は、右側と左側の2領域に区画されている。右側の周面に沿って第1ベルト85が架けられ、左側の周面に沿って第2ベルト86が架けられる。
【0045】
第1プーリ82と第2プーリ83の間に、無端環状の第1ベルト85が張架されている。第1ベルト85は、一方を第1プーリ82の周面に巻回され、他方を第2プーリ83の右側の周面に巻回されている。第1ベルト85は、第1プーリ82が回転すると周運動する。第2プーリは、第1ベルト85が周運動すると回転する。つまり、第1プーリ82の回転駆動力は、第1ベルト85を介して第2プーリ83に伝達される。
【0046】
第1テンショナー87は、第1テンショナーコロ90及び第1テンショナー支持部91で構成されている。第1テンショナー支持部91は、第1テンショナーコロ90を回転自在に支持している。第1テンショナー支持部91は、少なくとも、第1テンショナーコロ90の下端が第1プーリ82の上端及び第2プーリ83の上端より下側となる位置において、左フレーム17の左側面に取り付けられている。第1テンショナーコロ90の下側の周面には、第1プーリ82と第2プーリ83の間に位置する第1ベルト85のうち、上側の第1ベルト85の上面が架けられている。これにより、第1ベルト85には、第1テンショナーコロ90によって、下向きの張力が与えられる。換言すると、第1テンショナー87は、第1ベルト85を第1搬送路65から離間する向きに引っ張る。
【0047】
第2テンショナー150は、第2テンショナーコロ152及び第2テンショナー支持部153で構成されている。第2テンショナー支持部153は、第2テンショナーコロ152を回転自在に支持している。第2テンショナー支持部153は、第2テンショナーコロ152の上端が、第1搬送ローラ62が第1位置(図4の上段及び図2に実線で示される位置)である場合の第1ベルト85に当接せず、且つ、第1搬送ローラ62が第2位置(図4の下段及び図2に破線で示される位置)である場合の第1ベルト85に当接する位置において、左フレーム17の左側面に取り付けられている。これにより、第1搬送ローラ62が第2位置である場合の第1ベルト85には、第2テンショナーコロ152によって、上向きの張力が与えられる。換言すると、第2テンショナー150は、第1ベルト85を第1搬送路65に近付く向きに引っ張る。
【0048】
第3搬送ローラ45は、第4回転軸130と、第4回転軸130の円周方向の周囲に設けられ、ゴムなどの弾性部材で構成され、かつ記録用紙及びメディアトレイ71と接触する第3円形部材131とで構成されている。第3円形部材131は、左右方向9において互いに離間して複数設けられている。各フレーム16、17には、第2右切り欠き132及び第2左切り欠き133が設けられている。第4回転軸130の左右両端部は、第2右切り欠き132及び第2左切り欠き133に係入されている。また、第3搬送ローラ45は、右フレーム16の右側及び左フレーム17の左側において、上下方向7及び前後方向8に移動可能な後述する第2ガイド部材55(図2参照)に回転可能に支持されている。
【0049】
第4回転軸130における左フレーム17の左側には、第3プーリ84が取り付けられている。第3プーリ84は、第4回転軸130を中心として第3搬送ローラ45と一体に回転する。第3プーリ84の周面に沿って、第2ベルト86が架けられる。
【0050】
第2プーリ83と第3プーリ84の間に、無端環状の第2ベルト86が張架されている。第2ベルト86は、一方を第2プーリ83の左側の周面、つまり第1ベルト85が架けられている周面と軸方向に異なる周面に巻回され、他方を第3プーリ84の周面に巻回されている。第2ベルト86は、第2プーリ83が回転すると周運動する。第3プーリ84は、第2ベルト86が周運動すると回転する。つまり、第2プーリ83の回転駆動力は、第2ベルト86を介して第3プーリ84に伝達される。
【0051】
第3テンショナー88は、第3テンショナーコロ92及び第3テンショナー支持部93で構成されている。第3テンショナー支持部93は、第3テンショナーコロ92を回転自在に支持している。第3テンショナー支持部93は、少なくとも、第3テンショナーコロ92の下端が第2プーリ83の上端及び第3プーリ84の上端より下側となる位置において、左フレーム17の左側面に取り付けられている。第3テンショナーコロ92の周面のうち下側の部分には、第2プーリ83と第3プーリ84の間に位置する第2ベルト86のうち、上側の第2ベルト86の上面が架けられている。これにより、第2ベルト86には、第3テンショナーコロ92によって、下向きの張力が与えられる。換言すると、第3テンショナー88は、第2ベルト86を第1搬送路65から離間する向きに引っ張る。
【0052】
第4テンショナー151は、第4テンショナーコロ154及び第2テンショナー支持部155で構成されている。第4テンショナー支持部155は、第4テンショナーコロ154を回転自在に支持している。第4テンショナー支持部155は、第4テンショナーコロ154の上端が、第3搬送ローラ45が第3位置(図4の上段及び図2に実線で示される位置、本発明の第3位置に相当)である場合の第2ベルト86に当接せず、且つ、第3搬送ローラ45が第4位置(図4の下段及び図2に破線で示される位置、本発明の第4位置に相当)である場合の第2ベルト86に当接する位置において、左フレーム17の左側面に取り付けられている。これにより、第3搬送ローラ45が第4位置である場合の第2ベルト86には、第4テンショナーコロ154によって、上向きの張力が与えられる。換言すると、第4テンショナー154は、第2ベルト86を第1搬送路65に近付く向きに引っ張る。
【0053】
[電気的構成]
次に、図8を参照して、複合機1の電気的構成について説明する。制御部160は、複合機1の全体動作を制御するものである。
【0054】
制御部160は、演算処理を行うCPU161、制御プログラム等が格納されたROM162、データの記憶領域又は作業領域として使用されるRAM163を主とするマイクロコンピュータとして構成されている。各構成要素は、バス164を介してASIC165に接続されている。
【0055】
CPU161は、ROM162やRAM163に記憶さている固定値やプログラムに従って、複合機1が有している各機能の制御や、ASIC85と接続された各部を制御するものである。
【0056】
ROM162は、複合機1で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリである。
【0057】
RAM163は、CPU161が各プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域として、また作業領域として用いられる。
【0058】
ASIC165は、CPU161からの指令に従い、接続されている周辺機器を制御するものである。ASIC165には、給紙用モータ166、搬送用モータ167、第1のカムモータ168、第2のカムモータ169などが接続されている。ASIC165にはモータを制御する駆動回路がモータ毎に組み込まれている。CPU161から所定のモータに応じた駆動回路に各モータを回転させるための駆動信号が入力されると、駆動信号に応じた駆動電流が駆動回路から対応するモータへ出力され、これにより、対応するモータが所定の回転速度で正転又は逆転する。
【0059】
[第1部材稼動機構94及び第2部材稼動機構95]
第1搬送ローラ62は、第1位置(図4の上段及び図2に実線で示される位置)と、第1位置より下側(第1搬送路65から離間する側)の第2位置(図4の下段及び図2に破線で示される位置)との間で移動可能である。第1位置の第1搬送ローラ62は、拍車ローラ63と当接されており、拍車ローラ63との間に記録用紙を挟持して搬送可能である。第2位置の第1搬送ローラ62は、拍車ローラ63との間をメディアトレイ71が通過可能な位置である。
【0060】
第1搬送ローラ62が第1位置より下側に移動すると、第1テンショナー87が第1ベルト85に与える張力が小さくなる。しかし、第1搬送ローラ62が第2位置に移動すると、第2テンショナー150が第1ベルト85に張力を与える。そして、第2テンショナー150の配置位置は、第1搬送ローラ62の下側への移動による張力の減少と第2テンショナー150による張力の増加が等しくなる位置である。換言すると、第1搬送ローラ62が第2位置である場合に、第1位置で第1ベルト85に第1テンショナーが与えていた張力と同等の張力を第1ベルト85に与えることができる。また、同等の張力とは、上記第1位置で第1テンショナー87によって張力が与えられた状態にある第1ベルト85の長さが、第1搬送ローラ62が第2位置に移動しても変わらない状態である。
【0061】
なお、第1搬送ローラ62は、第1位置及び第2位置のいずれの位置であっても、その上端がプラテン42の支持面43より上側に位置するように配置されている。
【0062】
第3搬送ローラ45は、第3位置(図4の上段及び図2に実線で示される位置、本発明の第3位置に相当)と、第3位置より下側の第4位置(図4の下段及び図2に破線で示される位置、本発明の第4位置に相当)との間で移動可能である。第3位置の第3搬送ローラ45は、拍車ローラ46と当接されており、拍車ローラ46との間に記録用紙を挟持して搬送可能である。
【0063】
第3搬送ローラ45が第3位置より下側に移動すると、第3テンショナー88が第2ベルト86に与える張力が小さくなる。しかし、第3搬送ローラ45が第4位置に移動すると、第4テンショナー151が第2ベルト86に張力を与える。そして、第4テンショナー151の配置位置は、第3搬送ローラ45の下側への移動による張力の減少と第4テンショナー151による張力の増加が等しくなる位置である。換言すると、第3搬送ローラ45が第4位置である場合に、第3位置で第2ベルト86に第3テンショナー88が与えていた張力と同等の張力を第2ベルトに与えることができる。また、同等の張力とは、上記第3位置で第3テンショナー88によって張力が与えられた状態にある第2ベルト86の長さが、第3搬送ローラ45が第4位置に移動しても変わらない状態である。
【0064】
第4位置の第3搬送ローラ45は、拍車ローラ46から離間されている。図2に示されるように、第3位置の第3搬送ローラ45は、第1位置の第1搬送ローラ62よりも上側に配置されている。また、第4位置の第3搬送ローラ45は、第2位置の第1搬送ローラ62よりも下側に配置されている。また、第4位置の第3搬送ローラ45は、その上端がプラテン42の支持面43よりも下側に位置するため、第4位置の第3搬送ローラ45はメディアトレイ71を搬送しない。
【0065】
なお、図2及び図5においては、各ローラ62、45の移動を見やすくするために、各ローラ62、45の移動量が実際の移動量(図4参照)よりも大きく記されている。
【0066】
以上説明したような、各搬送ローラ62、45の移動を実現するために、プリンタ部11には、図2に示されるように、第1部材稼動機構94(本発明の第1移動手段の一例)及び第2部材稼動機構95(本発明の第2移動手段の一例)が設けられている。
【0067】
第1部材稼動機構94は、第1ガイド部材54と、第1ガイド部材54及び第1搬送ローラ62を上下方向7へ移動させる第1偏心カム96と、第1右切り欠き122(図5)及び第1左切り欠き123(図5)とで構成されている。また、第2部材稼動機構95は、第2ガイド部材55と、第2ガイド部材55及び第3搬送ローラ45を上下方向7へ移動させる第2偏心カム97と、第2右切り欠き132(図5)及び第2左切り欠き133(図5)とで構成されている。なお、部材稼動機構94、95は、各ローラ62、45を上下方向7へ移動させる機能を実現可能であれば他の構成であってもよい。
【0068】
第1偏心カム96は、第1ガイド部材54の下側に第1ガイド部材54と当接して設けられている。第1偏心カム96は、プリンタ部11のフレーム(不図示)などに左右方向9の第1軸99を回転軸として回転自在に支持されている。第1偏心カム96は、第1軸99からの径が周期的に変化する円盤である。第1ガイド部材54は、第1偏心カム96に載置されるように支持されている。第1偏心カム96は、第1のカムモータ168(図8参照)から駆動伝達されて回転される。第1偏心カム96が回転されると、その周面が第1ガイド部材53に対して摺動される。第1偏心カム96の周面は、第1軸99からの径が周期的に変化するので、この変化によって第1ガイド部材53が上下方向7に移動する。
【0069】
図3及び図5に示されるように、第1左切り欠き123(第1右切り欠き122も同様)は、上下方向7に延びている。これにより、第1搬送ローラ62は、第1偏心カム96の回転によって上下方向7へ移動する際に、切り欠き122、123に沿ってのみ移動可能、つまり第1位置141及び第2位置142の間で移動可能となる。
【0070】
図2に示されるように、第2偏心カム97は、第2ガイド部材55の下側に第2ガイド部材55と当接して設けられている。第2偏心カム97は、プリンタ部11のフレーム(不図示)などに左右方向9の第2軸100を回転軸として回転自在に支持されている。第2偏心カム97は、第2軸100からの径が周期的に変化する円盤である。第2ガイド部材55は、第2偏心カム97に載置されるように支持されている。第2偏心カム97は、第1のカムモータ168とは別の第2のカムモータ169(図8参照)から駆動伝達されて回転される。第2偏心カム97が回転されると、その周面が第2ガイド部材55に対して摺動される。第2偏心カム97の周面は、第2軸100からの径が周期的に変化するので、この変化によって第2ガイド部材55が上下方向7に移動する。
【0071】
図3及び図5に示されるように、第2左切り欠き133(第2右切り欠き132も同様)は、上下方向に延びている。これにより、第3搬送ローラ45は、第2偏心カム97の回転によって上下方向7へ移動する際に、切り欠き132、133に沿ってのみ移動可能、つまり第3位置143及び第4位置144の間で移動可能となる。
【0072】
なお、各カム96、97の直径及び軸99、100の位置は、第3搬送ローラ45の第3位置から第4位置への上下方向7の変位が第1搬送ローラ62の第1位置から第2位置への上下方向7の変位よりも大きくなるように調整される。本実施形態では、当該調整として、第2偏心カム97の直径が第1偏心カム96の直径よりも大きく構成されている。
【0073】
[第1搬送ローラ62及び第3搬送ローラ45の移動]
以下、記録メディアに画像が記録される場合に、複合機10にメディアトレイ71が挿入可能な状態とされる手順が説明される。記録メディアへの画像記録指示が図示しない指示手段によって指示されると、第2のカムモータ169が駆動される。これにより、第2偏心カム97が回転され、第3搬送ローラ45が第3位置から第4位置へ移動される。
【0074】
第3搬送ローラ45が第4位置に到達したことが図示しないセンサによって検知されると、第1のカムモータ168が駆動される。これにより、第1偏心カム96が回転されて、第1搬送ローラ62が第1位置から第2位置へ移動される。つまり、第1部材稼動機構94には、当該センサも含まれる。そして、第1部材稼動機構94は、第2部材稼動機構95による第3搬送ローラ45の第3位置から第4位置への移動が完了したことを条件として、第1搬送ローラ62を第1位置から第2位置に移動させる。
【0075】
また、経路切換部41が反転姿勢から排出姿勢へ姿勢変化される。当該姿勢変化は、例えば、指示手段による指示をトリガとして経路切換部41がモータなどから駆動伝達されることにより行われる。以上の動作が行われた結果、メディアトレイ71は、複合機10の開口13から第1搬送路65に沿って、矢印77の向きに挿入可能な状態となる。
【0076】
[実施形態の効果]
第1テンショナー87が、第1ベルト85を第1搬送路65から離間する向きに引っ張る位置に配置されている場合に、第1搬送ローラ62が第1搬送路65から離間する向きに移動すると、第1テンショナー87が第1ベルト85に与える張力が小さくなる。第1ベルト85の張力が小さくなってしてしまうと、ローラ間の駆動力の伝達が適正に行われず、メディアトレイ71の搬送力が不安定になるおそれがある。しかし、上述の実施形態においては、第1搬送ローラ62が第1位置から第2位置に移動しても、第2テンショナー150が第1ベルト85に張力を与えることによって、第1ベルト85に与える張力を第1位置での張力と同等にできる。これにより、第1ベルト85に過剰な張力の変化を与えることなく第1ローラ85を移動させることができる。
【0077】
上述の実施形態のように、搬送用モータ167から駆動伝達される第2搬送ローラ60と第1搬送ローラ62とが第1搬送路65を介して反対側に設けられている場合、第1搬送ローラ62と第2搬送ローラ60を第1ベルト85で直接連結して第2搬送ローラ60から第1搬送ローラ62へ駆動伝達すると、記録用紙及びメディアトレイ71を搬送できない。一方のローラが記録用紙及びメディアトレイ71を搬送向きに案内するように回転するのに対して、他方のローラは記録用紙及びメディアトレイ71を搬送向きと逆向きに案内するように回転するからである。つまり、第2搬送ローラ60及び第1搬送ローラ62は、記録用紙及びメディアトレイ71に対して逆向きに回転してしまうからである。しかし、上述の実施形態においては、搬送用モータ167から第2搬送ローラ60に伝達された駆動力は、第1ギヤ80及び第2ギヤ81によって、第1搬送ローラ62と第1搬送路65の同じ側に設けられている第1プーリ82に伝達される。これにより、第2搬送ローラ60及び第1搬送ローラ62は、記録用紙及びメディアトレイ71に対して同じ向きに回転し、記録用紙及びメディアトレイ71を搬送することができる。
【0078】
第1搬送ローラ62が第3搬送ローラ45の移動開始前に移動された場合、第1搬送ローラ62の移動によって、第2ベルト86に与える張力が変化してしまう。しかし、上述の実施形態においては、第3搬送ローラ45の移動が完了した後、第1搬送ローラ62が移動される。第3搬送ローラ45の移動が完了することによって、第2ベルト86には第1搬送ローラ62の移動によって変化する張力を考慮した張力が与えられる。そのため、第3搬送ローラ45の移動後に第1搬送ローラ62が移動されても、第1搬送ローラ62の移動による第2ベルト86の張力の変化の影響を抑制することができる。
【0079】
[実施例の変形例1]
上述の実施形態においては、第3搬送ローラ45が第4位置に到達した後に第1搬送ローラ62が移動される場合について説明した。しかし、第1部材稼動機構94は、第3搬送ローラ45の第3位置から第4位置への移動が開始したことを条件として、第1搬送ローラ62を第1位置から第2位置に移動させてもよい。このような移動は、例えば、複合機10の全体動作を制御する制御部160(図8参照)などによって、第1のカムモータ168と第2のカムモータ169への駆動命令が、第2のカムモータ169に与えられた後に、第1のカムモータ168に与えられることによって実現される。
【0080】
第1搬送ローラ62が第3搬送ローラ45の移動開始前に移動された場合、第1搬送ローラ62の移動によって、第2ベルト86に与える張力が変化してしまう。しかし、変形例1においては、第1搬送ローラ62の移動が第3搬送ローラ45の移動の開始前に行われることはない。よって、第1搬送ローラ62の移動による第2ベルト86の張力の変化の影響を抑制することができる。
【0081】
[実施例の変形例2]
上述の実施形態では、第2部材稼動機構95は、第3搬送ローラ45を第3位置143と第4位置144との間で移動させる場合について説明した(図4の上段及び下段並びに図5(A)参照)。しかし、第2部材稼動機構95は、第3搬送ローラ45を、第3位置143と第4位置144に加えて、第3位置143と第4位置144の経路上にある第5位置145(本発明の第5位置に相当)へも移動させてもよい(図4の中段及び図5(B)参照)。
【0082】
ここで、第5位置145は、第1位置141から第2位置142までの距離及び方向と同じだけ、第4位置144から第3位置143側に移動した位置である。つまり、第1位置141から第2位置142までの距離及び方向は、第5位置145から第4位置144までの距離及び方向と同一となる。また、第5位置145から第4位置144までの距離及び方向と、第1位置141から第2位置142までの距離及び方向とは同一であることから、図5(B)に示されるように、第3位置143から第4位置144までの距離は、第1位置141から第2位置142までの距離よりも長い。
【0083】
以下、変形例2において、記録メディアに画像が記録される場合に、複合機10にメディアトレイ71が挿入可能な状態とされる手順が説明される。記録メディアへの画像記録指示が図示しない指示手段によって指示されると、第2のカムモータ169が駆動される。これにより、第2偏心カム97が回転され、第3搬送ローラ45が第3位置143から第5位置145へ移動される。
【0084】
第3搬送ローラ45が第5位置145に到達したことが図示しないセンサによって検知されると、第1のカムモータ168が駆動される。これにより、第1偏心カム96が回転されて第1ガイド部材54が下方へ移動される。また、第2偏心カム97の回転も継続されて第2ガイド部材55が下方へ移動される。その結果、第1搬送ローラ62が第1位置141から第2位置142へ移動されると同時に、第3搬送ローラ45が第5位置145から第4位置144へ移動される。
【0085】
つまり、第1部材稼動機構94には、当該センサも含まれる。そして、第1部材稼動機構94は、第2部材稼動機構95による第3搬送ローラ45の第3位置143から第5位置145への移動が完了したことを条件として、第2ローラ142を第1位置141から第2位置142に移動させる。また、第2部材稼動機構95は、第1部材稼動機構94による第1搬送ローラ62の第1位置141から第2位置142への移動開始と同時に、第3搬送ローラ45を第5位置145から第4位置144に移動させる。
【0086】
なお、第2のカムモータ169は、第3搬送ローラ45が第5位置145へ到達すると一旦停止して、その後、第1のカムモータ168の駆動開始と同時に駆動開始してもよい。この場合、複合機10の全体動作を制御する制御部160(図8参照)などによって、第1のカムモータ168と第2のカムモータ169への駆動命令が、同時に与えられる。
【0087】
また、経路切換部41が反転姿勢から排出姿勢へ姿勢変化される。当該姿勢変化は、例えば、自重により反転姿勢にある経路切換部41は、指示手段による指示をトリガとしてモータが所定量正回転することにより排出姿勢に姿勢変化するように構成されている。以上の動作が行われた結果、メディアトレイ71は、複合機10の開口13から第1搬送路65に沿って、矢印77の向きに挿入可能な状態となる。その状態から更にモータを所定量正回転すると経路切換部41は反転姿勢に戻る。この反転姿勢においては、上述したように自重により反転姿勢にあり、用紙との当接によって排出姿勢に回動する。
【0088】
変形例2においても、上述の実施形態の場合と同様の理由によって、第3搬送ローラ45の第3位置143から第5位置145への移動が、第1搬送ローラ62の第1位置141から第2位置142への移動より先に行われることによって、第1搬送ローラ62の移動による第2ベルト86の張力の変化の影響を抑制することができる。更に、変形例2では、第1搬送ローラ62の第1位置141から第2位置142への移動開始と同時に、第3搬送ローラ45が第5位置145から第4位置144に移動される。ここで、第5位置145は、第1位置141と第2位置142との間の距離及び方向だけ第4位置144から第3位置143側の位置である。よって、第1位置141から第2位置142へ移動される第1搬送ローラ62と、第5位置145から第4位置144へ移動される第3搬送ローラ45とは、互いに平行に移動される。これにより、第1搬送ローラ62の移動による第2ベルト86にかかる負荷を最小限に抑えることができる。
【0089】
[実施例の変形例3]
上述の実施形態においては、図3及び図4に示されるように、第1テンショナー87は、少なくとも、第1テンショナーコロ90の下端が第1プーリ82の上端及び第2プーリ83の上端より下側となる位置において、左フレーム17の左側面に取り付けられ、また、第1テンショナーコロ90の下側の周面には、第1プーリ82と第2プーリ83の間に位置する第1ベルト85のうち、上側の第1ベルト85の上面が架けられている場合について説明したが、第1テンショナー87は、上記とは異なる位置において、左フレーム17の左側面に取り付けられていてもよい。
【0090】
例えば、図7に示されるように、第1テンショナー87は、第1搬送ローラ62が第1位置にある場合(図7の上段)、少なくとも、第1テンショナーコロ90の下端が第1プーリ82の下端及び第2プーリ83の下端より下側となる位置において、左フレーム17の左側面に取り付けられ、また、第1テンショナーコロ90の下側の周面には、第1プーリ82と第2プーリ83の間に位置する第1ベルト85のうち、下側の第1ベルト85の上面が架けられていてもよい。
【0091】
この場合、第2テンショナー150は、第1搬送ローラ62が第2位置にある場合(図7の下段)、少なくとも、第2テンショナーコロ152の上端が第1プーリ82の上端及び第2プーリ83の上端より上側となる位置において、左フレーム17の左側面に取り付けられ、また、第2テンショナーコロ151の上側の周面には、第1プーリ82と第2プーリ83の間に位置する第1ベルト85のうち、上側の第1ベルト85の下面が架けられる。
【0092】
これにより、第1搬送ローラ62が第1位置にある場合、第1ベルト85には、第1テンショナーコロ90によって、下向きの張力が与えられる。換言すると、第1テンショナー87は、第1ベルト85を第1搬送路65に離間する向きに引っ張る。また、第1搬送ローラ62が第2位置にある場合、第1ベルト85には、第2テンショナーコロ152によって、上向きの張力が与えられる。換言すると、第2テンショナー150は、第1ベルト85を第1搬送路65に近付く向きに引っ張る。
【0093】
なお、第3テンショナー88も、変形例3の第1テンショナー87と同様の構成であってもよい。その場合、第4テンショナー151も、変形例3の第2テンショナー150と同様の構成になる。
【0094】
[実施例の変形例4]
第2搬送ローラ60は第1搬送路65の下側に設けられていてもよい。この場合、各ローラの位置関係は上述の実施形態と上下逆になる。つまり、各ローラ61、62、45が第1搬送路65の上側となり、各ローラ63、46、89が第1搬送路65の下側となる。これに伴い、搬送装置12の各構成要素の位置関係も上述の実施形態と上下逆になる。
【0095】
[実施例の変形例5]
複合機10は、第3搬送ローラ45を備えていなくてもよい。例えば、片面のみに画像記録可能な複合機10は、このような構成を採用することができる。この場合、搬送装置12は、第1搬送路65、第2搬送ローラ60、第1搬送ローラ62、第1ギヤ80、第2ギヤ81、第1プーリ82、第2プーリ83、第1ベルト85、第1テンショナー87、第2テンショナー150、第2ピンチローラ89、及び第1部材稼動機構94で構成される。
【0096】
第1プーリ82は、給紙ローラ25や記録ヘッド38のメンテナンスに使用する吸引ポンプ(不図示)などを駆動させる駆動源(不図示)によって、回転されても良い。
【符号の説明】
【0097】
12・・・搬送装置
60・・・第2搬送ローラ
62・・・第1搬送ローラ
65・・・第1搬送路
80・・・第1ギヤ
81・・・第2ギヤ
83・・・第2プーリ
85・・・第1ベルト
87・・・第1テンショナー
94・・・第1部材稼動機構
150・・・第2テンショナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1被搬送体及び上記第1被搬送体よりも厚みがある第2被搬送体を案内する搬送路と、
駆動源からの駆動伝達によって回転する第1プーリと、
上記搬送路の一方側に配置された第1ローラと、
上記第1ローラと同軸に設けられており、上記第1ローラと一体に回転する第2プーリと、
上記第1プーリ及び上記第2プーリに架け渡されており、上記第1プーリ及び上記第2プーリ間で周運動可能な第1ベルトと、
上記第1ローラを、上記第1被搬送体を搬送可能な第1位置、及び上記第1位置よりも上記搬送路から離間する側であって、上記第2被搬送体を搬送可能な第2位置の間で移動させる第1移動手段と、
上記第1ローラが上記第1位置である場合に、上記第1ベルトに所定の張力を与え、上記第1ベルトを上記搬送路から離間する向きに引っ張る位置に固定された第1テンショナーと、
上記第1ローラが上記第2位置である場合に、上記第1ベルトを上記搬送路に近付く向きに引っ張る位置に固定された第2テンショナーと、を備える搬送装置。
【請求項2】
上記搬送路の他方側であって、上記搬送路における上記第1被搬送体及び上記第2被搬送体の搬送方向に沿った位置が上記第1ローラとは異なる位置に配置された第2ローラと、
上記第2ローラと同軸に設けられており、上記第2ローラと一体に回転する第1ギヤと、
上記搬送路に対して一方側であって、上記第1ギヤに対向して配置されており、上記第1ギヤと噛合している第2ギヤと、を備え、
上記駆動源は、駆動伝達によって第2ローラを回転させ、
上記第1プーリは、上記第2ギヤと同軸に設けられており、上記第2ギヤと一体に回転する請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
上記搬送路の一方側であって、上記搬送路における上記第1被搬送体及び上記第2被搬送体の搬送方向に沿った位置が上記第1ローラに対して上記第1プーリとは反対側に配置された第3ローラと、
上記第3ローラと同軸に設けられており、上記第3ローラと一体に回転する第3プーリと、
上記第2プーリにおいて上記第1ベルトが架けられている位置と軸方向に異なる位置で上記第2プーリに巻回されるとともに、上記第3プーリに巻回されることによって、上記第2プーリ及び上記第3プーリに架け渡されており、上記第2プーリ及び上記第3プーリ間で周運動可能な第2ベルトと、
上記第3ローラを、上記第1被搬送体を搬送可能な第3位置、及び上記第3位置よりも上記搬送路から離間する側である第4位置の間で移動させる第2移動手段と、
上記第3ローラが上記第3位置である場合に、上記第2ベルトに所定の張力を与え、上記第2ベルトを上記搬送路から離間する向きに引っ張る位置に固定された第3テンショナーと、
上記第3ローラが上記第4位置である場合に、上記第2ベルトを上記搬送路に近付く向きに引っ張る位置に固定された第4テンショナーと、を更に備え、
上記第1移動手段は、上記第2移動手段による上記第3ローラの上記第3位置から上記第4位置への移動が開始したことを条件として、上記第1ローラを上記第1位置から上記第2位置に移動させる請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
上記第1移動手段は、上記第2移動手段による上記第3ローラの上記第3位置から上記第4位置への移動が完了した後に、上記第1ローラを上記第1位置から上記第2位置に移動させる請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
上記第3ローラの上記第3位置から上記第4位置までの移動量は、上記第1ローラの上記第1位置から上記第2位置までの移動量よりも大きく、
上記第2移動手段は、上記第3ローラを、上記第3位置から上記第4位置までの移動経路上の位置であって、上記第1位置と上記第2位置との間の距離及び方向だけ上記第4位置から上記第3位置側である第5位置に移動でき、
上記第1移動手段は、上記第2移動手段による上記第3ローラの上記第3位置から上記第5位置への移動が完了したことを条件として、上記第1ローラを上記第1位置から上記第2位置に移動させ、
上記第2移動手段は、上記第1移動手段による上記第1ローラの上記第1位置から上記第2位置への移動開始と同時に、上記第3ローラを上記第5位置から上記第4位置に移動させる請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の搬送装置を備え、
上記搬送路は、上記第1被搬送体としての第1被記録媒体、及び第2被記録媒体を載置可能な上記第2被搬送体としてのトレイを案内可能に構成されており、
上記搬送路における上記第1被記録媒体及び上記第2被記録媒体の記録面側に配置されており、上記被記録媒体に対して画像を記録する記録部を備えた画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−201632(P2011−201632A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69359(P2010−69359)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】