説明

搬送装置

【課題】 印画紙の表裏の反転を行う機能を有した搬送装置において印画紙の詰まりを発生した場合に印画紙の除去を容易に行えるように構成する。
【解決手段】 露光ユニットの露光搬送経路ELから送り出される露光後の印画紙2を受け入れ姿勢で先端側から受け入れ、排出姿勢に切り換えた後後端側から排出するリバース機構Rと、このリバース機構Rから排出された印画紙2を挟持して搬送する挟持機構Cを備え、リバース機構Rの部位で印画紙2の詰まりが発生したことを検出した場合には、挟持機構Cをリバース機構Rから離間させるとともに、このリバース機構Rを排出姿勢に切り換える排出補助手段を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光部で露光された感光材料の表裏の反転を行うリバース機構と、このリバース機構で反転した感光材料を受け取り現像処理部に送る中継搬送機構とを備えている搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように構成された搬送装置として、露光処理部(本発明の露光部)で露光され、水平方向に送り出される印画紙(本発明の感光材料)が小さいサイズの場合には、左右のチャッキングローラ(本発明のリバース機構)で交互に受け取り、この受け取りの後には、夫々のチャッキングローラの姿勢の変更により印画紙が垂れ下がる形態に切り換え、対応する振り分け搬送経路方向に移動させながら上昇させ、夫々のチャッキングローラにチャッキングした印画紙を上部の導入ローラ(本発明の中継搬送機構)に受け渡すように振り分け作動を行い、振り分けを行えない大きいサイズの印画紙を搬送する場合には、左右のチャッキングローラで印画紙の両端部をチャッキングする形態で受け取り、この受け取りの後には、夫々のチャッキングローラの姿勢の変更により印画紙が垂れ下がる形態に切り換え、上方に持ち上げて上部の導入ローラに受け渡す作動を行うよう構成された装置が存在する(特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1では、露光済みの印画紙をチャッキングローラで受け取る際には、チャッキングローラを正転させることにより後端側をチャッキングする状態に達するまで印画紙を送り込み、このチャッキングローラの姿勢を90度回転させることにより、印画紙の表裏を入れ換え、かつ、この印画紙の後端を上方に向かわせる状態で、対応する振り分け経路に向けてチャッキングローラを移動させながら上昇させることにより、2列の振り分け経路に沿った形態で導入ローラに送り込み、また、チャッキングローラを上昇させる際には、印画紙に矯正ローラを接触させることにより印画紙の姿勢を決めるように構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002‐55400号公報 (段落番号〔0019〕〜〔0037〕、図3〜図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されるように露光部から送られる感光材料をローラで受け取った後に、このローラの姿勢を変更するよう構成したものでは、露光部からの感光材料が送られる搬送経路と、ローラとの間に必ず隙間が形成されるものであり、この隙間を小さくしたものでも、この隙間の部位に感光材料の先端が入り込んで詰まりが発生することがある。また、特許文献1に記載される構成では、ローラの姿勢が切り換えられるため、例えば、ローラの姿勢が適正でない場合には、露光部から送られる感光材料をローラで受け入れることができず詰まりを発生することも考えられ、この詰まりを簡単に取り除くことが可能な構成が望まれている。
【0006】
別の観点から考えると、特許文献1に記載される構成は、一対のチャッキングローラを備えていることから構造が複雑化しやすく、部品数も増大するため簡素化が望まれている。そこで、感光材料を反転する単一のリバース用の機構と、この機構で反転した感光材料を現像処理部に送る単一の搬送用の機構とを備えることも考えられるが、前述したようにリバース用の機構の部位で感光材料の詰まりが発生し、その感光材料を取り除く場合には搬送用の機構が感光材料の取り除きを阻害することも想像された。
【0007】
本発明の目的は、感光材料の表裏の反転を行う機能を有した搬送装置において感光材料の詰まりを発生した場合にも容易に詰まりを除去できるように構成する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴は、露光部で露光された感光材料の表裏の反転を行うリバース機構と、このリバース機構で反転した感光材料を受け取り現像処理部に送る中継搬送機構とを備えている搬送装置において、
前記リバース機構が、前記感光材料の幅方向と平行する姿勢の軸芯周りでの揺動によって受け入れ姿勢と排出姿勢とに切り換え自在な圧着搬送型のローラ対を備え、このローラ対を前記受け入れ姿勢に設定して正転駆動することにより前記感光材料を先端側から受け入れ、この受け入れの後には、前記ローラ対を排出姿勢に設定して逆転駆動することにより前記感光材料を後端側から排出すると共に、前記圧着搬送型のローラ対を駆動する搬送駆動機構と、該リバース機構を前記軸芯周りで回転させる回転駆動機構とを備えて構成され、
前記中継搬送機構が、前記リバース機構から排出される前記感光材料を受け取る待機位置と、受け取った感光材料を現像処理部の受け入れ部に受け渡す受け渡し位置との間で移動自在に構成された挟持機構を備えて構成され、
前記リバース機構での前記感光材料の受け入れ時に詰まりセンサで前記感光材料の詰まり状態を検出した際には、前記搬送駆動機構による前記ローラ対の駆動を停止し、前記回転駆動機構の制御により前記リバース機構を前記排出姿勢に切り換える排出補助手段を備えている点にある。
【0009】
この構成により、露光部で露光された感光材料はリバース機構において表裏を反転した後に、待機位置にセットされた挟持機構に受け渡され、この挟持機構は受け渡し位置まで移動した後に感光材料を現像処理部の受け入れ部に受け渡す作動を行うものとなり、詰まりセンサで感光材料の詰まり状態を検出した場合には、排出補助手段がリバース機構での感光材料の搬送を停止することにより駆動系に大きい負荷を作用させず、このリバース機構の姿勢の切り換えにより、露光部からの感光材料が送られる搬送経路の終端部位と、リバース機構において感光材料を受け入れる部位との距離を大きくして感光材料の取り除きを容易にする。その結果、感光材料の詰まりを発生した場合でも容易に除去できる搬送装置が構成されたのである。
【0010】
本発明は、前記詰まりセンサによって該感光材料の詰まり状態を検出した際には、前記挟持機構を前記待機位置を基準にして前記リバース機構から離間する位置にセットするよう前記排出補助手段の制御形態を設定しても良い。
【0011】
この構成により、リバース機構の部位で詰まりが発生した場合には、挟持機構をリバース機構から離間する位置にセットすることになり、感光材料を除去する場合にも挟持機構が取り除きの妨げになることはない。
【0012】
本発明は、前記リバース機構として、前記露光部から水平方向に送られる感光材料を受け入れ、この感光材料を上方に排出するように水平姿勢となる前記軸芯周りで90度揺動することによって前記受け入れ姿勢と前記排出姿勢とに切り換え自在に構成され、前記リバース機構を前記排出姿勢に設定した状態で、このリバース機構において前記露光部からの感光材料が送られる搬送経路に向かう面が、この搬送経路による感光材料の搬送方向に対して傾斜する傾斜姿勢に成形しても良い。
【0013】
この構成により、リバース機構の部位で詰まりが発生し、リバース機構を排出姿勢に設定した場合には、リバース機構において露光部からの感光材料が送られる搬送経路に向かう面が、この搬送経路による感光材料の搬送方向に対して傾斜するので、このリバース機構の傾斜面と搬送経路の終端部位との間の空間を一部拡大する形態となり、例えば、オペレータの指を挿入することや、感光材料を除去する際にリバース機構が妨げになる不都合を低減できるものとなる。
【0014】
本発明は、前記リバース機構のローラ対の少なくとも一方の駆動軸の端部に人為的な回転操作が可能なノブを備えても良い。
【0015】
この構成により、詰まりを発生した場合には、ノブを回転操作することにより、リバース機構から感光材料を送り出すことが可能となり、感光材料の全てを確実に除去できるものとなる。
【0016】
本発明は、前記挟持機構が、前記現像処理部の受け入れ部に向かって直線的に移動するフィード作動と、このフィード作動方向と直交する方向に移動するシフト作動とを行えるよう構成されると共に、前記リバース機構から前記感光材料を受け取った後には、前記フィード作動と前記シフト作動とを行うことにより、複数の振り分け経路に前記感光材料を振り分けて送り出すよう構成しても良い。
【0017】
この構成によると、挟持機構のフィード作動とシフト作動とによって感光材料を複数の振り分け経路に振り分けることが可能となり、露光部で露光された感光材料の現像処理を効率的に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔写真プリント装置の構成〕
図1及び図2に示すように、オペレート部Aとプリント処理部Bとを備えて写真プリント装置が構成されている。前記オペレート部Aは写真フィルム1の画像情報をR、G、Bの3原色に色分解しデジタル信号化して取り込むフィルムスキャナ3と、処理情報を表示するディスプレイ4と、キーボード5をテーブル6の上面に備え、このテーブル6の下方位置に汎用コンピュータからなる処理装置7を備えている。尚、この処理装置7にはCD−RやDVD−R等に記録された画像データや、半導体メディアに記録された画像データを取得するメディアドライブ8を備えている。
【0019】
前記プリント処理部Bは、露光部EXにおいて感光材料としての印画紙2をプリントサイズに切断した後、画像データの露光を行い、この露光の後には、縦搬送装置CVにおいて印画紙2を反転して表裏を入れ換えた状態で上方に搬送して現像処理部DEに送り込み、この現像処理部DEで現像処理を行った印画紙2を乾燥処理部DRで乾燥した後にコンベアベルト9上に送り出し、更に、コンベアベルト9からソータ(図示せず)に送り出すよう構成されている。尚、前記縦搬送装置CVにおいて印画紙2の表裏を反転させる理由はコンベアベルト9からソータに送り出された印画紙2の上面側に画像面(感光面)を位置させるためである。
【0020】
前記露光部EXは、印画紙マガジンMからの印画紙2(感光材料の一例)を圧着型の供給ローラ11で送り出し、カッター12でプリントサイズに切断し、挟持型の横搬送機構13によって水平方向に送り、この横搬送装置13から露光ユニットEmに送り込み、この露光ユニットEmの露光搬送経路EL(図7、図8を参照)において印画紙2を水平方向となる副走査方向に搬送しながら、露光ユニットEmからのレーザビームを主走査方向に操作する形態で画像データの露光を行うように構成されている。また、露光ユニットEmは、R(赤)・G(緑)・B(青)の3原色のレーザビームを下方に向けて送り出す露光エンジン15を備えると共に、前記横搬送装置13からの印画紙を受け入れる圧着型の一対の搬入ローラ16と、露光エンジン15のビーム出射部15aを基準にして印画紙2の搬送上手側と搬送下手側とに配置された一対の露光搬送ローラ17と、従動ローラ18とを備えている。
【0021】
図3、及び、図6〜図8に示すように、前記露光ユニットEmは、前記一対の搬入ローラ16と前記露光搬送ローラ17と従動ローラ18とで前記露光搬送経路ELに搬送される印画紙2の下面側を案内するガイドプレート19を備え、このガイドプレート19で印画紙2を搬送する印画紙2の存否を判別する詰まりセンサとしてLED型の赤外線光源LSからの光線を受ける受光素子PSを備えている。
【0022】
第1搬送モータCM1(回転駆動機構の一例)からタイミングベルト型の第1駆動ベルトCB1を介してプーリ16Pに駆動力を伝えるように前記搬入ローラ16の駆動系が構成され、第2搬送モータCMの駆動力をタイミングベルト型の第2駆動ベルトCB2から第1プーリCP1に伝え、更に、この第1プーリCP1と一体回転する第2プーリCP2に巻回するタイミングベルト型の第3ベルトCB3からプーリ17Pに駆動力を伝えるよう前記一対の露光搬送ローラ17の駆動系が構成されている。図6に示すように、前記第2駆動ベルトCB2に張力を作用させるテンションプーリ20を備え、このテンションプーリ20と一体回転する回転軸20aの軸端にテンションプーリ20を回転操作して、露光搬送経路ELに存在する印画紙2の強制排出を可能にするノブ48を備えている。尚、このノブ48は露光部EXにおいて開閉自在な壁体の側に配置されている。
【0023】
〔縦搬送装置の構造〕
前記縦搬送装置CVは、図3〜図8に示すように、露光ユニットEmの露光搬送経路ELから単列で水平方向に送り出される印画紙2を受け取り、その印画紙2の表裏を反転した状態で上方(搬送方向の下流側)に送り出すリバース機構Rを備えると共に、単一の挟持機構Cを備えている。この挟持機構Cは中継搬送機構として機能するものであり、待機位置Wにおいてリバース機構Rから受け渡された印画紙2のサイズが予め設定されたサイズ未満である場合には、その印画紙2を2つの振り分け経路LSに振り分けて搬送し、受け渡し位置Tにおいて受け入れユニットDに備えた受け入れローラ80に送り込む作動(振り分けモードでの作動)を行い、また、この挟持機構Cは、待機位置Wでリバース機構Rから受け渡された印画紙2のサイズが予め設定されたサイズ以上である場合には、その印画紙2を振り分けずに中央位置の縦搬送経路LCにおいて上方に搬送し、受け渡し位置Tにおいて受け入れユニットDに備えた受け入れローラ80に送り込む作動(単列搬送モードでの作動)を行うよう構成されている。尚、前記受け入れローラ80に受け入れた印画紙2は現像処理部DEに送り込まれる。
【0024】
前記挟持機構Cを上下方向(前記振り分け経路LSと平行する方向・フィード作動方向)に駆動するフィード手段Fと、前記挟持機構Cを横方向(前記振り分け経路LSと直交する方向・シフト作動方向)に駆動するシフト手段Sとを備えており、この挟持機構Cとフィード手段Fとシフト手段Sとを備えることで振り分けユニットが構成されている。
【0025】
この縦搬送装置CVは、プレート状の主フレーム21を備えると共に、この主フレーム21の折り曲げにより一体形成した一対のブラケット部21aに対して前記リバース機構Rを支持してあり、また、主フレーム21において前記2つの振り分け経路LSの外測部に縦向き姿勢で2つの第1ガイドロッド31を備え、夫々の第1ガイドロッド31によって両端部が支持された状態で上下方向に移動自在となる搬送フレーム32を備え、この搬送フレーム32に対して横方向に往復自在となるよう前記挟持機構Cを備えている。
【0026】
〔リバース機構の構造〕
図3〜図8、及び、図11に示すように、前記リバース機構Rは前記ブラケット部21aに対して横向き姿勢の第1軸芯X1周りで回動自在に支持された回動フレーム22と、この回動フレーム22に支持された駆動ローラ23と、この駆動ローラ23に対向する圧着ローラ24と、この圧着ローラ24を支持する揺動フレーム25とを備え、この揺動フレーム25は前記回動フレーム22に対して前記第1軸芯X1と平行姿勢となる第2軸芯X2周りで揺動自在に支持されている。
【0027】
また、リバース機構Rは、前記第1軸芯X1周りでの90度の回動により、図7に示すように前記露光部EXから送り出される印画紙2を受け入れる「受け入れ姿勢」と、図8に示すように前記第1軸芯X1周りでの回動によって印画紙1を上方に送り出す「排出姿勢」とに切り換え自在に構成され、「受け入れ姿勢」で印画紙2を受け入れる際には前記駆動ローラ23を正転方向に駆動することにより印画紙2を導入し、この導入の後、「排出姿勢」に切り換えた際には前記駆動ローラ23を逆転方向に駆動することにより印画紙2を後端側から排出し、これにより印画紙2の表裏を反転させるように機能する。
【0028】
前記駆動ローラ23の支軸23aを前記ブラケット部21aに支持し、この駆動ローラ23の支軸23aの軸芯位置を前記第1軸芯X1に一致させており、前記回動フレーム22に固設したタイミングプーリ型の回動プーリP1と、ステッピングモータ型の回動モータM1の出力軸との間にタイミングベルトB1を巻回することにより、回動モータM1からの駆動力によって回動フレーム22を、前記「受け入れ姿勢」と「排出姿勢」とに切り換えるように構成されている。
【0029】
前記駆動ローラ23の支軸23aのうち一方の端部に備えたタイミングプーリ型の駆動プーリP2と、ステッピングモータ型の駆動モータM2(搬送駆動機構の一例)との間にタイミングベルトB2を巻回することにより、駆動モータM2の駆動力によって駆動ローラ23を正転及び反転方向に駆動自在に構成されている。また、このリバース機構Rでは、前記排出姿勢に設定した状態で、このリバース機構において前記露光部Emにおいて印画紙2を搬送する露光搬送経路ELの排出側の端部向かう部位に、この露光搬送経路ELによる印画紙2の搬送方向に対して傾斜する姿勢となる傾斜面22Tを成形している。この傾斜面22Tは、リバース機構Rが受け入れ姿勢にある場合には、露光搬送経路ELによる印画紙2の印画紙2の搬送方向の下流側ほど下方に向かう姿勢に設定されている。
【0030】
図11に示すように、前記揺動フレーム25を揺動操作する揺動操作軸26が前記第2軸芯X2と同軸芯上に配置され、この揺動操作軸26の軸端に操作アーム27を備え、この操作アーム27に対してバネ28の付勢力を作用させ、操作アーム27の揺動端にはカムフォロワーとして機能する遊転ローラ29を支承し、これに対応する回転カム30を備えている。この回転カム30に連結したタイミングプーリ型の回転プーリP3と、ステッピングモータ型のカムモータM3との間にタイミングベルトB3を巻回することにより、回転カム30の回転操作を行えるように構成されている。また、前記揺動フレーム25に対してガイド板25aを備えており、揺動フレーム25に支持された圧着ローラ24を駆動ローラ23の側に付勢する一対の圧縮コイルバネ22sを備えている。
【0031】
この構成により、バネ28の付勢力によって遊転ローラ29を回転カム30のカム面に圧接させ、遊転ローラ29と回転カム30との相対回転時にはカム面との形状に従って操作アーム27を揺動させ、駆動ローラ23に対して圧着ローラ24を圧着させる状態と、夫々を離間させる状態(開放姿勢)とを現出するように構成されている。
【0032】
前記回転カム30のカム面は、最も半径が小さい小径面30aと、これより大径となる中径面30bと、最も大径となる大径面30cとで構成され、小径面30aに対して前記遊転ローラ29が接触する状態では前記圧着ローラ24が前記駆動ローラ23に圧着し、前記遊転ローラ29が前記中径面30bに接触する状態では前記圧着ローラ24が前記駆動ローラ23から僅かに離間する位置関係となり、前記遊転ローラ29が前記大径面30cに接触する状態では前記圧着ローラ24が前記駆動ローラ23から大きく離間する位置関係となる。
【0033】
また、前記駆動ローラ23の支軸23aのうち前記駆動プーリP2の反対側の軸端には人為的に回転操作するノブ45を備えており、更に、この支軸23aに対して揺動自在にブラケット46を遊転支承し、このブラケット46を付勢するバネ47を備え、支軸23aと一体回転する出力ギヤG1と、ブラケット46に遊転支承した中間ギヤG2とを噛合させている。図面に示していないがこのプリント処理部Bでは、前記ノブ45は露光部EXにおいて開閉自在は壁体の側に配置されている。
【0034】
〔振り分け装置の構造〕
図4、図5に示すように、前記第1ガイドロッド31にスライド自在に外嵌するリニアブッシュ33を前記搬送フレーム32の両端位置に備えることにより前記搬送フレーム32を上下方向に移動自在に支持している。前記主フレーム21の上部位置に横向き姿勢の連結軸34を備え、この連結軸34の両端部に形成したタイミングプーリ型の連係プーリ34Pに巻回するタイミングベルトB4を前記第1ガイドロッド31と平行する位置に配置し、このタイミングベルトB4を前記搬送フレーム32の両端部に連結している。前記一方のタイミングベルトB4を駆動するステッピングモータ型のフィードモータM4を備え、このフィードモータM4の駆動力により搬送フレーム32を水平姿勢のまま昇降作動できるように構成している。
【0035】
前記挟持機構Cは、圧着状態に維持される第1挟持ローラ35と、第2挟持ローラ36と、前記印画紙2を案内する縦向き姿勢の一対のガイド板37を備えて構成され、これら第1、第2挟持ローラ35、36及びガイド板37はシフトフレーム38に支持されている。前記一対のガイド板37は、第1、第2挟持ローラ35、36で挟持された印画紙2の表裏両面に対して近接する位置に配置されるものであり幅方向での中央部の上端には一対の突出部37aを形成している。この突出部37aは後述する受け入れユニットDの受け入れローラ80のローラ部80b同士の中間位置に入り込む位置に配置されている。
【0036】
前記搬送フレーム32に備えた横向き姿勢のガイドレール39に対してスライド部材40をスライド移動自在に嵌合し、このスライド部材40に対して前記シフトフレーム38を支持することにより、挟持機構Cを横方向に往復移動自在に支持している。
【0037】
前記搬送フレーム32の一方の端部に備えたシフトモータM5の出力軸と、搬送フレーム32に支持したプーリP5とに亘ってタイミングベルトB5を巻回し、このタイミングベルトB5を前記シフトフレーム38に連結固定することにより、このシフトモータM5の駆動力によって挟持機構Cを横方向にシフト作動自在に構成している。尚、このシフトモータM5、タイミングベルトB5で成るシフト操作系で前記シフト手段Sが構成され、前記フィードモータM4、タイミングベルトB4で成るフィード作動系で前記フィード手段Fが構成されている。
【0038】
図13(a)に示すように、前記搬送フレーム32のうち前記シフトモータM5を備えた側と反対側に支持フレーム32Fを形成してあり、前記第1挟持ローラ35の軸芯と同軸芯で、この軸芯方向に相対移動自在で第1挟持ローラ35に対して軸芯方向にスライド移動自在で、かつ、この第1挟持ローラ35と一体的に回転する軸体41を搬送フレーム32に備えている。前記支持フレーム32Fには前記中間ギヤG2と噛合する受動ギヤG3と、この受動ギヤG3に噛合する入力ギヤG4とを支承してあり、この入力ギヤG4と軸体41とを連結している。また、前記受動ギヤG3の軸部分に接当スリーブ42を備え、前記入力ギヤG4の軸部分には回転阻止用の爪車43と爪体44で成るラチェット機構を備えている。
【0039】
この構成から、前記搬送フレーム32を下方の移動端まで移動させることにより、図13(b)に示すように、ブラケット46の端部に形成した案内面46aが前記接当スリーブ42に接当し、前記バネ47の付勢力に抗してブラケット47を揺動させることにより、衝撃を発生させないように前記中間ギヤG2に対して前記受動ギヤG3を噛合させるものにしており、このように中間ギヤG2と受動ギヤG3とが噛合することにより、リバース機構Rからの駆動力を前記挟持機構Cの第1挟持ローラ35に伝え、この挟持機構Cにおいて印画紙2の搬送を行えるよう構成されている。
【0040】
図7、図8に示すように、前記シフトフレーム38に対して上方に突出する一対の操作ロッド51をバネ52の付勢力によって上方に突出するように備えている。また、この操作ロッド51の上端には接当部51aを形成している。
【0041】
前記受け入れユニットDは、前記主フレーム21の上端位置に配置される受け入れフレーム71に対して前記圧着型の受け入れローラ80を支承すると共に、この受け入れフレーム71の下面のうち、開口を挟んだ一方に樹脂製のガイド部材72を備えている。このガイド部材72と対向する位置には このガイド部材72の案内面72aに対して印画紙2を押しつける一対のガイドローラ65を備えている。つまり、前記第1、第2軸芯X1、X2と平行する姿勢の支軸63を中心にして揺動自在な一対の揺動アーム64を備え、夫々の揺動アーム64には前記第1、第2軸芯X1、X2と平行する軸芯周りで回転自在にガイドローラ65を遊転支承し、揺動アーム64には前記第1、第2軸芯X1、X2と平行する姿勢の被操作軸66を形成し、更に、ガイドローラ65を前記ガイド部材72の案内面72aの側に付勢するトーションバネ68を備えている。
【0042】
また、前記被操作軸66は、前記挟持機構Cが前記縦搬送経路LCと振り分け経路LSと何れの経路に沿って印画紙2を搬送した場合にも前記操作ロッド51の接当部51aと接当する位置に配置されており、前記挟持機構Cが前記縦搬送経路LCの経路に沿って印画紙2を搬送した場合には一対の操作ロッド51が左右のガイドローラ65に対応する被操作軸66に接当し、前記挟持機構Cが前記振り分け経路LSの経路に沿って印画紙2を搬送した場合には操作ロッド51が対応するガイドローラ65に対応する被操作軸66に接当するように位置関係が設定されている。
【0043】
図7、図8に示すように前記受け入れローラ80は軸部80aと、この軸部80aと一体回転する複数のローラ部80bとを備えており、前記ガイド部材72は、印画紙2を受け入れローラ80の方向に案内するよう断面形状が傾斜姿勢の案内面72aを形成してあり、また、搬送フレーム32で搬送される印画紙2の紙面に直交する方向視において横方向での中央から設定距離だけ離間した位置に最も下方(印画紙2の搬送方向での上流側)に大きく突出する突出部72Tを形成し、この突出部72Tから幅方向での外端ほど突出量が少なくなる導入部72Uを形成した形状に成形されている。
【0044】
図4、図5に示すように、前記主フレーム21の下部には前記回動モータM1、駆動モータM2、カムモータM3、フィードモータM4、シフトモータM5夫々を制御する制御ユニット90(排出補助手段として機能する)を備えている。
【0045】
図面には示していないが、縦搬送装置CVには印画紙2が送られる部位には、印画紙2の存否を判別するセンサを備えており、このセンサからの検出信号が前記制御ユニット90に入力し、この制御ユニット90はセンサからの信号に基づき、予め設定されたシーケンスで印画紙2を搬送する制御を実行する。制御ユニット90は、前記リバース機構Rでの印画紙2の搬送を行う搬送制御手段として機能すると共に、振り分けユニットを制御して印画紙2の振り分けを行う振り分け制御手段として機能するものであり、その作動形態は後述する通りである。
【0046】
〔搬送シーケンス〕
縦搬送装置CVで印画紙2を搬送する場合には、露光ユニットEmから印画紙2が送り出される以前に回動モータM1からの駆動力によって前記リバース機構Rの回動フレーム22を予め図7に示す「受け入れ姿勢」に設定すると共に、図12(a)に示す如く、カムモータM3からの駆動力で回転カム30の中径面30bに遊転ローラ29を接触させることにより前記圧着ローラ24を駆動ローラ23から僅かに離間する姿勢に設定する。
【0047】
この設定状態において露光ユニットEmから印画紙2が送り出される場合には、露光ユニットEmの露光搬送ローラ17と従動ローラ18とで印画紙2が圧着された状態にあり、この印画紙2の先端が前記駆動ローラ23と圧着ローラ24とで圧着が可能な位置まで送り込まれた後に、前記駆動モータM2を正転駆動して駆動ローラ23の回転駆動を開始し、これと略同時に前記カムモータM3からの駆動力でカムモータM3からの駆動力で回転カム30を図12(b)に示す姿勢に設定することにより、回転カム30の小径面30aに遊転ローラ29を接触させることにより圧着ローラ24を駆動ローラ23の側に変位させ、この圧着ローラ24と駆動ローラ23とで印画紙2を圧着し、露光ユニットEmから印画紙2が送り出される速度と同期した速度で回動フレーム22に対して印画紙2を導入する。
【0048】
前記導入を継続することにより、印画紙2の後端部が前記ガイド板25aから少し突出する状態となるまで、該印画紙2を送り込んだタイミングで前記駆動モータM2を停止する。この停止状態で回動モータM1からの駆動力で回動フレーム22を90度回転させることにより、図8に示すように回転フレーム22が「排出姿勢」に設定され、印画紙2の後端部分が上方に向かい、印画紙2の先端部分が下方に垂れ下がる姿勢となる。また、このように回動フレーム22を90度回転させた場合には、図12(c)に示す如く、回転カム30の小径面30aに遊転ローラ29が接触する状態を維持するので、駆動ローラ23と圧着ローラ24とで印画紙2を圧着した状態は維持される。
【0049】
このように回動フレーム22を「排出姿勢」に設定した後には、シフトモータM5からの駆動力によりシフトフレーム38を搬送フレーム32の横方向での中央位置(前記縦搬送経路LCの延長上に位置する)に設定した状態で前記フィードモータM4からの駆動力により搬送フレーム32を下端まで下降させてシフトフレーム38の挟持機構Cを待機位置Wにセットする。このよう挟持機構Cを待機位置Wにセットした場合には、図13(b)に示す如く、中間ギヤG2と受動ギヤG3とが噛合状態に達する。
【0050】
この状態で駆動モータM2を逆転駆動することにより駆動ローラ23と圧着ローラ24とが印画紙2を排出する方向に回転し、この回転と連係して中間ギヤG2と受動ギヤG3から伝えられる動力によって挟持機構Cの第1挟持ローラ35と第2挟持ローラ36が印画紙2を上方に搬送する方向に回転する。これにより、駆動ローラ23と圧着ローラ24とに圧着されている印画紙2が回動フレーム22から排出され、挟持機構Cへの受け渡しが開始される。また、このように回転フレーム22から印画紙2を排出する場合には、挟持機構Cの第1挟持ローラ35と第2挟持ローラ36とで印画紙2を確実に挟持した後に、前記カムモータM3からの駆動力で回転カム30を図12(d)に示す姿勢に設定することにより、回転カム30の大径面30cで遊転ローラ29を押し上げることになるので、前記圧着ローラ24を駆動ローラ23から離間させ、この駆動ローラ23、あるいは、圧着ローラ24から印画紙2に作用する抵抗を低減する。
【0051】
また、第1挟持ローラ35と第2挟持ローラ36とで印画紙2を挟持する場合、その挟持位置は後述する振り分け搬送モードでも単列搬送モードでも印画紙2の幅方向での中央位置に設定され、この挟持状態においては前記一対のガイド板37に挟み込まれる位置に印画紙2が配置される。
【0052】
前述のように回動フレーム22からの印画紙2を挟持機構Cの第1挟持ローラ35と第2挟持ローラ36に受け渡した後には、シフトフレーム38に備えたガイド板39の上端から印画紙2が予め設定された量だけ露出するまで前記駆動モータM2の逆転駆動を継続した後に停止することにより、挟持機構Cの第1挟持ローラ35と第2挟持ローラ36とによってのみ印画紙2を挟持するものとなり、この挟持状態では印画紙2の重量により第1挟持ローラ35と第2挟持ローラ36とが回転しないように前記爪車43と爪体44とで成るラチェット機構が機能する。
【0053】
このようにフィードモータM4からの駆動力で搬送フレーム32を昇降させる際には、一対のタイミングベルトB4が連結軸34で同期して作動するので、この搬送フレーム32に偏った搬送力を作用させることなく、この搬送フレーム32の両端を第1ガイドロッド31で案内する形態となるので、搬送フレーム32を水平姿勢に維持した円滑な昇降を可能にしている。
【0054】
また、回動フレーム22から挟持機構Cへの印画紙2を受け渡す搬送シーケンスは印画紙2のサイズに拘わらず共通するものであるが、印画紙2の幅が予め設定された寸法未満である場合には、振り分け搬送モードでの搬送が行われ、印画紙2の幅が予め設定された寸法以上である場合には単列搬送モードでの搬送が行われる。
【0055】
〔振り分け搬送モード〕
印画紙2の幅が予め設定された寸法未満である場合には、フィードモータM4からの駆動力によって搬送フレーム32を上昇させると同時に、前記シフトモータM5からの駆動力によってシフトフレーム38を前記2つの振り分け経路LSのうちの一方の側に作動させる。この搬送フレーム32の上昇と、シフトフレーム38の作動とが行われる際には、シフトフレーム38を振り分け経路LS上に配置する作動が先に完了し、この後に搬送フレーム32が上昇するため、この上昇により前記操作ロッド51の先端の接当部51aが対応する被操作軸66に接当して押し上げる結果、支軸63周りでガイドローラ65を待避位置まで揺動させて印画紙2が通過する経路を開放する。
【0056】
この後、挟持機構Cが前記一方の振り分け経路LS上において図7、図10に示す受け渡し位置Tに達することにより、印画紙2の上端部分を前記受け入れユニットDの受け入れローラ80が圧着して、挟持機構Cから印画紙2を抜き出す形態での受け渡しが実行される。このように印画紙2の受け渡しが完了した後には、搬送フレーム32を下降させることにより、操作ロッド51からの接当力によって待避位置にあったガイドローラ65をトーションバネ69の付勢力で前記ガイド部材72の側に揺動させ、印画紙2の垂れ下がり部分を湾曲させる形態でガイド部材72の方向に押し出すことになる。
【0057】
また、前記搬送フレーム32を下降させる際には、シフトフレーム38を搬送フレーム32の横方向の中央位置(前記縦搬送経路LCと一致する)にセットした状態で前述のように待機位置Wにセットすることにより前記回動フレーム22から排出される印画紙2を受け取ることになる。このように次の印画紙2を受け取った場合には、シフトフレーム38を逆方向に作動させることにより前記2つの振り分け経路LSのうち他方の振り分け経路LS上で印画紙2の受け渡しを行うことになる。そして、このように2つの振り分け経路LSに対して交互に印画紙2を振り分けることにより、印画紙2を2列で現像処理部DEに送り込み、効率的な現像処理を実現するのである。
【0058】
〔単列搬送モード〕
印画紙2の幅が予め設定された寸法以上である場合には、フィードモータM4からの駆動力によって搬送フレーム32を上昇させ、この上昇により前記操作ロッド51の先端の接当部51aが左右の被操作軸66に接当して押し上げることにより支軸63周りで左右のガイドローラ65を待避位置まで揺動させて印画紙2が通過する経路を開放する。つまり、図9(a)に示すように、挟持機構Cを待機位置Wに設定した場合には、挟持機構Cは前記縦搬送経路LC上に位置するため、単列搬送モードで印画紙2を搬送する場合には、挟持機構Cに印画紙2を挟持した状態で搬送フレーム32を単純に上昇させる制御が行われる。
【0059】
また、このように搬送フレーム32を単純に上昇させる場合でも、挟持機構Cで挟持された印画紙2が前記ガイド部材72の近傍を通過するように、ガイド板37とガイド部材72との相対的な位置関係を設定してあり、印画紙2を受け入れユニットDに受け渡す際には、ガイド部材72の案内面72aに印画紙2を接触させることにより、印画紙2が多少湾曲していても平滑となる姿勢で受け入れローラ80に送り込めるようにしている。
【0060】
この後、挟持機構Cが図9(b)に示す受け渡し位置Tに達することにより、印画紙2の上端部分を前記受け入れユニットDの受け入れローラ80が圧着して、挟持機構Cから印画紙2を抜き出す形態での受け渡しが実行される。このように印画紙2の受け渡しが完了した後には、搬送フレーム32を下降させることにより、操作ロッド51からの接当力によって待避位置にあったガイドローラ65をトーションバネ69の付勢力で前記ガイド部材72の側に揺動させ、印画紙2の垂れ下がり部分を湾曲させる形態でガイド部材72の方向に押し出すことになる。
【0061】
この単列搬送モードでは搬送フレーム32が上下方向に往復作動することにより、比較的大きいサイズの印画紙2であっても、連続的に現像処理部DEに送り込めるものとなっている。
【0062】
特に本発明では、露光ユニットEmの露光搬送経路ELから送り出される印画紙2がリバース機構Rにおいて詰まり状態に陥った場合に、その詰まり状態の印画紙2を容易に除去ける構成を採用し、また、印画紙2の取り除きを容易にするよう搬送系の制御形態を設定している。
【0063】
つまり、前記露光搬送経路ELに配置された非接触型のセンサとしての受光素子PSからの信号に基いて、露光搬送経路ELに対して印画紙2の搬送を開始して印画紙2の先端を検出した後、印画紙2のサイズと搬送速度から印画紙2の後端を検出しない場合に、詰まり状態に陥ったと判断するよう前記制御ユニット90での処理形態が設定され、この制御ユニット90において詰まり状態に陥ったことが判別された場合には、図15のフローチャートに示す処理が実行される。
【0064】
具体的な処理として、詰まり発生と判断した場合には、露光搬送経路ELでの印画紙2の搬送を停止し、リバース機構Rでの印画紙2の搬送を停止すると共に(#01、#02ステップ)、図14(a)に示すように挟持機構Cの上昇により設定されたレベルまで移動させ、リバース機構Rを排出姿勢にセットし、詰まり発生を示すアラームを出力する(#03〜#05ステップ)。このフローチャートに表された制御は前記排出補助手段によって実行される。
【0065】
この詰まり発生時の一連の作動のうち、印画紙2の詰まりが発生した直後には、露光搬送経路ELの端部とリバース機構Rの受け入れ部位(排出部位も兼ねている)との間に印画紙2が掛け渡される状態で存在、挟持機構Cがリバース機構Rに対して比較的近い位置に存在する。
【0066】
次に、図14(b)に示すように、挟持機構Cを上昇させてリバース機構Rから大きく離間した所定の位置にセットし、かつ、リバース機構Rを排出姿勢にセットする。この状態ではリバース機構Rの受け入れ部位が上方に向かうため露光搬送経路ELの端部とリバース機構Rとの間に湾曲する形態で印画紙2が存在し、このリバース機構Rから上方に大きく離れた位置に挟持機構Cが存在する。更に、リバース機構Rの22に形成した傾斜面22Tを露光搬送経路ELの端部側に向かわせるため、この傾斜面22Tの部位と露光搬送経路ELの端部側との距離を拡大すると同時に、上方に開く空間が形成され、印画紙2の除去を行い易くしている。
【0067】
そして、図14(b)に示す状態において、前記ノブ45を人為的に操作することにより、リバース機構Rの内部に導入されている印画紙2の先端側を送り出し、また、印画紙2の先端を自由な状態にする。この後、露光搬送経路ELの印画紙2を強制的に送るノブ48を人為的に回転操作することにより、印画紙2の除去が完了するのである。
【0068】
このように本発明では、単一のリバース機構Rと単一の挟持機構Cとを備えることにより露光後の印画紙2の反転を行いながら、振り分け搬送を実現するものであり、露光搬送経路ELからリバース機構Rに印画紙2を受け渡す際に、詰まりが発生した場合には、この詰まりを自動的に判別し、挟持機構Cをリバース機構Rから強制的に離間させ、かつ、リバース機構Rの姿勢を強制的に切り換える作動を自動的に行うことにより、印画紙2が詰まった部位の周囲の空間を拡大させ、詰まり状態の印画紙2の除去を容易に行わせるものにしている。また、リバース機構Rを構成する回転フレーム22の端部に傾斜面22Tを形成したことにより、リバース機構Rを排出姿勢に設定した場合に、このリバース機構Rと露光ユニットEmとの空間を拡大してリバース機構Rからの印画紙2の除去を行い易くすると共に、露光搬送経路ELにおいて印画紙2の詰まりが発生した場合にも、印画紙2の送り出しを容易にするものとなっており、更に、露光搬送経路ELの印画紙2を強制的に排出するノブ48と、リバース機構Rの印画紙2を強制的に排出するノブ45とを備えることにより、印画紙2の除去を一層容易にしている。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】写真プリント装置の構成図
【図2】プリント処理部で露光部への印画紙の供給経路を示す側面図
【図3】露光ユニットと縦搬送装置とを示す縦断正面図
【図4】縦搬送装置の側面図
【図5】縦搬送装置の斜視図
【図6】露光ユニットでの印画紙の搬送構造を示す分解斜視図
【図7】リバース機構を受け入れ姿勢に設定した状態の縦搬送装置の縦断正面図
【図8】リバース機構を排出姿勢に設定した状態の縦搬送装置の縦断正面図
【図9】縦搬送経路での印画紙の搬送形態を示す図
【図10】振り分け経路での印画紙の搬送形態を示す図
【図11】リバース機構の構造を示す模式図
【図12】リバース機構の作動形態を連続的に示す図
【図13】リバース機構から挟持機構へ動力を伝えるギヤ構造を示す正面図
【図14】リバース機構で印画紙の詰まりが発生した際の作動形態を示す図
【図15】詰まり処理ルーチンのフローチャート
【符号の説明】
【0070】
2 感光材料
22T 傾斜面
23、24 ローラ対
45 ノブ
C 中継搬送機構・挟持機構
R リバース機構
EX 露光部
LS 振り分け経路
M1 回転駆動機構
M2 搬送駆動機構
PS 詰まりセンサ
X1 軸芯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光部で露光された感光材料の表裏の反転を行うリバース機構と、このリバース機構で反転した感光材料を受け取り現像処理部に送る中継搬送機構とを備えている搬送装置であって、
前記リバース機構が、前記感光材料の幅方向と平行する姿勢の軸芯周りでの揺動によって受け入れ姿勢と排出姿勢とに切り換え自在な圧着搬送型のローラ対を備え、このローラ対を前記受け入れ姿勢に設定して正転駆動することにより前記感光材料を先端側から受け入れ、この受け入れの後には、前記ローラ対を排出姿勢に設定して逆転駆動することにより前記感光材料を後端側から排出すると共に、前記圧着搬送型のローラ対を駆動する搬送駆動機構と、該リバース機構を前記軸芯周りで回転させる回転駆動機構とを備えて構成され、
前記中継搬送機構が、前記リバース機構から排出される前記感光材料を受け取る待機位置と、受け取った感光材料を現像処理部の受け入れ部に受け渡す受け渡し位置との間で移動自在に構成された挟持機構を備えて構成され、
前記リバース機構での前記感光材料の受け入れ時に詰まりセンサで前記感光材料の詰まり状態を検出した際には、前記搬送駆動機構による前記ローラ対の駆動を停止し、前記回転駆動機構の制御により前記リバース機構を前記排出姿勢に切り換える排出補助手段を備えている搬送装置。
【請求項2】
前記詰まりセンサによって該感光材料の詰まり状態を検出した際には、前記挟持機構を前記待機位置を基準にして前記リバース機構から離間する位置にセットするよう前記排出補助手段の制御形態を設定している請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
前記リバース機構は、前記露光部から水平方向に送られる感光材料を受け入れ、この感光材料を上方に排出するように水平姿勢となる前記軸芯周りで90度揺動することによって前記受け入れ姿勢と前記排出姿勢とに切り換え自在に構成され、前記リバース機構を前記排出姿勢に設定した状態で、このリバース機構において前記露光部からの感光材料が送られる搬送経路に向かう面が、この搬送経路による感光材料の搬送方向に対して傾斜する傾斜姿勢に成形されている請求項2記載の搬送装置。
【請求項4】
前記リバース機構のローラ対の少なくとも一方の駆動軸の端部に人為的な回転操作が可能なノブを備えている請求項1〜3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記挟持機構が、前記現像処理部の受け入れ部に向かって直線的に移動するフィード作動と、このフィード作動方向と直交する方向に移動するシフト作動とを行えるよう構成されると共に、前記リバース機構から前記感光材料を受け取った後には、前記フィード作動と前記シフト作動とを行うことにより、複数の振り分け経路に前記感光材料を振り分けて送り出すよう構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−3423(P2006−3423A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177162(P2004−177162)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】