搬送装置
【課題】垂直方向に流れてきたワークを、電気制御無しでワークの向きを変えることなく水平方向に払い出すことができる搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送物Wを搬送する水平コンベヤ10と、水平コンベヤ10の頭部プーリ折り返し部13側に配置され、ベルト面21より横桟22を略直角に突き出し水平コンベヤ10により移送される搬送物Wを搬送する垂直コンベヤ20と、垂直コンベヤ20の上部プーリ25側に配置され、垂直コンベヤ20の上部プーリ折り返し部での横桟先端速度より速い速度で運転される払出用水平コンベヤ50とを備える。
【解決手段】搬送物Wを搬送する水平コンベヤ10と、水平コンベヤ10の頭部プーリ折り返し部13側に配置され、ベルト面21より横桟22を略直角に突き出し水平コンベヤ10により移送される搬送物Wを搬送する垂直コンベヤ20と、垂直コンベヤ20の上部プーリ25側に配置され、垂直コンベヤ20の上部プーリ折り返し部での横桟先端速度より速い速度で運転される払出用水平コンベヤ50とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直方向に流れてきたワークを、向きを変えることなく水平方向に払い出す搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、垂直方向に流れてきたワークを、向きを変えることなく水平方向に払い出す搬送装置として、例えば、垂直スラットコンベヤやアーム付チェーンエレベータなどが開示されている(例えば、特許文献1、非特許文献1,2参照)。
【0003】
垂直スラットコンベヤは、二条二系列のチェーンにスラットを接合し、スラット上に移載されたワークを水平搬送からそのまま水平状態を保って垂直搬送に移り、再び水平方向へ輸送排出するように構成されている(特許文献1、非特許文献1,2参照)。
【0004】
また、アーム付チェーンエレベータは、ワークに適合するC形(弧型)アームを二条のチェーンに、定間隔に取り付けるように構成されている。このアーム付チェーンエレベータは、樽や丸太材など円筒物の搬送に用いられる(非特許文献1,2参照)。
【0005】
また、ワークを基板など薄板状のものを対象とし、アーム付きチェーンコンベヤを垂直搬送装置とした薄板状材料の姿勢起伏変更機が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この薄板状材料の姿勢起伏変更機は、小さなアームで薄板状ワークの底辺を支えて上昇させ、垂直搬送部上端にはチェーンの頭尾部プーリと同軸に支持される旋回アームを通常立てておき、ワーク底辺が近づいたらチェーンのアーム位置と連動して頭尾部プーリ同軸の旋回アーム支持部を回動して徐々に倒すことで、上部の取り出し機構にワークに優しく姿勢を変えて受け渡すものである。
【0006】
また、桟を2条のチェーンに取り付けたエレベータを垂直搬送部とし、下部に供給コンベヤとしてベルトコンベヤを、上部にも整列コンベヤとしてベルトコンベヤを配した容器供給装置が開示されている(例えば、特許文献3参照)。そして、乗り込み部分には、下部が分離装置として一列の段積容器を切出すチャッキングアームがあり、上部には分離用プッシャを備えている。
【特許文献1】特開平5−270650号公報
【特許文献2】特開2002−335096号公報
【特許文献3】特開2002−104658号公報
【非特許文献1】「物流システム・総合シリーズ(第II巻)物流機器・選択と活用」「2・7・6自動送り込み装置、2・8・5アーム・コンベヤ,またはアーム・エレベータ(図・110)」(第218頁〜第225頁)株式会社現代工学社(昭和50年5月25日発行)
【非特許文献2】「機械工学便覧エンジニアリング編日本機械学会編1989」「iii.アーム付チェーンエレベータ、iv.垂直スラットコンベヤ」(C3−60)(社団法人日本機械学会1989年10月15日発行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1、非特許文献1,2に記載のバーチレータ式コンベヤは、特殊な構造であり、高価なユニットが必要となる。しかも、バーチレータ式コンベヤでは、間欠的に受入体勢となるので、送り込みもこれに合わせ、載せるべきスラッドが目前に来たとき、ワークを送り込めるように自動送り込み装置が付属している。この装置は、2台のシリースに接続したベルトコンベヤ、スラットコンベヤ、またはローラコンベヤからなり、各コンベヤは、光電管、リミットスイッチによって制御され、電動機により運転されている。
【0008】
また、非特許文献1,2に記載のアーム付チェーンエレベータでは、樽や丸太材など円筒物以外の搬送には不向きである。
【0009】
また、特許文献2に記載の薄板状材料の姿勢起伏変更機では、基板送りフックで支持できるワークに限られる。
【0010】
また、特許文献3に記載の容器供給装置では、垂直搬送部に容器スタックを載置するに当たり、分離装置によって容器スタック群を縦一列の容器スタック列毎に分離する操作が必要となり、さらに、垂直搬送部の上部での分離に際して、分離プッシャにより縦一列の容器スタック列を容器スタック毎に分離するという操作が必要となるなどの複雑な操作に対応する複雑な構造となっている。
【0011】
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、垂直方向に流れてきたワークを、電気制御無しでワークの向きを変えることなく水平方向に払い出すことができる搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明は、搬送物を搬送する水平コンベヤと、前記水平コンベヤの頭部プーリ折返し部側に配置され、ベルト面より横桟を略直角に突き出し前記水平コンベヤにより移送される前記搬送物を搬送する垂直コンベヤと、前記垂直コンベヤの上部プーリ側に配置され、前記垂直コンベヤの上部プーリ折返し部での横桟先端速度より速い速度で運転される払出用水平コンベヤとを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の搬送装置において、前記垂直コンベヤの上部プーリ中心軸から前記横桟先端までの距離L2と、前記垂直コンベヤの上部プーリの半径に前記垂直コンベヤベルトの厚みを加えた寸法Llと、前記垂直コンベヤのベルト面移動速度Vlと、前記払出用水平コンベヤの搬送面運転速度V2とが、V2=安全率×L2/Ll×Vlの関係にあり、安全率は1.0から1.5の間であることを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の搬送装置において、前記払出用水平コンベヤの搬送面は、前記垂直コンベヤの上部プーリ折返し部の最上部の搬送面より高く設定されており、前記垂直コンベヤの上部プーリ折返し部往き側のベルト面と接点を有することを特徴とする。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項3記載の搬送装置において、前記払出用水平コンベヤの折返し部の折返し点上の搬送面は、前記垂直コンベヤの上部プーリ折返し部往き側のベルト面より前記水平コンベヤ側へ突出するように設定されていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に係る発明は、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の搬送装置において、前記垂直コンベヤの上部プーリ径Dlと、前記払出用水平コンベヤの尾部プーリ径D2とは、2/3≦(D2/Dl)≦1.5、かつ(L2/2)>D2の関係にあることを特徴とする。
【0017】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の搬送装置において、前記垂直コンベヤおよび前記払出用水平コンベヤは、ベルトで構成され、前記垂直コンベヤのベルトと前記横桟とは、摩擦抵抗0.1〜0.15程度の滑りやすい低摩擦の材質で構成され、前記払出用水平コンベヤは、摩擦抵抗0.9程度の滑りにくい高摩擦抵抗の材質で構成され、前記払出用水平コンベヤのベルトと前記搬送物との間の摩擦力で前記搬送物を引き込むように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、制御無しでワークの向きを変えることなく、垂直方向から水平方向に搬送方向を転換することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る垂直搬送装置1を示す。
【0020】
本実施形態に係る搬送装置1は、ワークWを搬送する下部側の水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ10と、水平ベルトコンベヤ10の折返し部側(頭部プーリ13側)に配置され、所定の間隔でベルト21面より横桟22を略直角に突き出し水平ベルトコンベヤ10により移送されるワークWを垂直搬送する垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20と、横桟付きリフトベルトコンベヤ20の折返し部側(頭部プーリ側)に配置され、ワークWを払い出す上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50とを備える。ここで、ワークWとして、65mm×91mm×160mm、重量150gの菓子箱を使用した。
【0021】
下部側の水平ベルトコンベヤ10は、図1、図2に示すように、低摩擦ベルト(μ≒0.1〜0.15)から成る2本のベルト11a,11bを巻回可能とした駆動プーリ(尾部プーリ)12と、2つのプーリ13a,13bを同芯上に回転自在に連結した2連の頭部プーリ13とを備え、駆動プーリ12に取り付けた駆動用モータ14によって2本のベルト11a,11bを駆動プーリ12と頭部プーリ13との間を回動し、2本のベルト11a,11bの上面に形成される搬送面11a1,11b1上にワークWを載置して搬送する。水平ベルトコンベヤ10は、コンベヤ取付ベース40に取付ブラケット15を介して固定されている。
【0022】
ワークWを垂直搬送する横桟付きリフトベルトコンベヤ20は、図1〜図9に示すように、駆動プーリ24と、頭部プーリ25と、ワークWを載置して搬送するための横桟22と、駆動プーリ24と頭部プーリ25との間に巻き回しされる低摩擦ベルト(μ≒0.1〜0.15)から成るベルト21とを備え、駆動プーリ24に取り付けた駆動用モータ26によってベルト21を駆動プーリ24と頭部プーリ25との間を回動する。横桟22は、ベルト21面に熱溶着によって設けられている。横桟22は、図6のBで示すように、ワークWの重みによって倒れるのを防止するために下面に2本のリブ23が熱溶着によって設けられている。2本のリブ23は、ベルト21の下面には固着されているが、頭尾部プーリ24,25それぞれの折返し部でベルト21が回動可能とするため、図4に示すように、ベルト21との下部接触部は、横桟22やリブ23自体の重量で当接するようになっている。横桟22とリブ23とは、ベルト21と同材質としてある。横桟22の横幅は、図2に示すように、頭部プーリ13の2つのプーリ13a,13bの間、すなわち、水平ベルトコンベヤ10の2本のベルト11a,11bの間を通過することができ、ワークWを載置して搬送できる大きさにしてある。また、横桟22の先端部22aは、横桟22が水平ベルトコンベヤ10の下部から掬い取り乗り移るワークWに掛かっていた水平ベルトコンベヤ10の搬送力を利用するべくワークWの底部接触面積を減ずるため、ベルト21側へ滑るようにして移動し、横桟22上にワークWが確実に載置されるように、上方に折り曲げられている。よって、ワークWが直方体の場合は、その底面は、横桟22の先端部22aと搬送方向にある角部との2線接触し、多くの場合ワークW上方の搬送方向にある角部がベルト21に線で当接している。なお、横桟22の先端部22aを滑りやすくするために、低摩擦材を塗布又は貼付しても良い。横桟付きリフトベルトコンベヤ20は、コンベヤ取付ベース40に垂直に取り付けられたコンベヤ取付ベース60に取付ブラケット27を介して固定されている。
【0023】
上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50は、図1、図7〜図9に示すように、高摩擦ベルト(μ≒0.9)から成る2本のベルト51a,51bを巻回可能とした2つのプーリ52a,52bを同芯上に回転自在に連結した2連の尾部プーリ52と、一本の駆動プーリ(頭部プーリ)53とを備え、駆動プーリ53に取り付けた駆動用モータ54によって2本のベルト51a,51bを尾部プーリ52と駆動プーリ53との間を回動し、2本のベルト51a,51bの上面に形成される搬送面51a1,51b1上にワークWを載置して搬送する。上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50は、コンベヤ取付ベース60に取付ブラケット55を介して固定されている。
【0024】
本実施形態では、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21の頭部プーリ折返し部頂部での上面が、払出用ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50のベルト51a、51bの上面より高いと、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の帰り側へワークWが引き込まれ始めることとなり、払出用ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50が引き込むことによる払い出しが確実に行えないこととなる。そのため、図9に示すように、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21の頭部プーリ折返し部頂部での上面を、払出用水平ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52のベルト51a、51bの上面からH=3mm下げている。
【0025】
また、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20のワークWを載置した横桟22が頭部プーリ25部分で回動を開始した後頭部プーリ25頂部に到達するまでの間に、払出用ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50が引き込むことによる払い出しが開始されないと、ワークWの姿勢が横桟22の回転によって90度変更されることとなり、本発明の目指すワークWの姿勢を保ったままの搬送が不能となることとなる。これを防ぐため、ワークWの、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20から払出用ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50への乗り継ぎを、ワークWを載置した横桟22が頭部プーリ25部分で回動を開始した後頭部プーリ25頂部に到達するまでの間のタイミングで行うように、図9に示すように、上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52の位置は、横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25の位置より下側の水平ベルトコンベヤ10方向へG=1〜1.5mmずらして組み立てられている。
【0026】
本実施形態において、横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25の直径Dlと、上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52の直径D2とは、それぞれφ60mmとした。
【0027】
また、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25の径D1をφ60mm、垂直コンベヤのベルト厚みを2mm(頭部プーリ25の半径D1に垂直コンベヤのベルト厚みを加えた寸法Ll=(60mm/2)+2mm)、払出用ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52の径D2をφ60mm、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25の中心軸から横桟22の先端部22aまでの距離L2を128mmとした場合、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト面移動速度Vlを6m/minであるとすると、払出用ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50の搬送面運転速度V2は、横桟22先端の頭部プーリ25における回転移動速度と同じであれば、ワークWは水平ベルトコンベヤ50へ乗り継ぎ後姿勢を変えずに移動することができる、V2=L2/Ll×Vlの関係、つまりV2=(128mm/{(60mm/2)+2mm}×6m/min)=24m/min(速度比1:4)で良いこととなる。しかし、実際は、横桟22の先端部22aからのワークWのはみ出しや、乗り継ぎの際のベルト51a、51bとワークWとの滑り等を想定し、安全率を考慮して、V2=安全率×L2/Ll×Vlの関係にあり、安全率は1.0〜1.5の間であるように構成することが望ましい。安全率1.5を上限としたのは、あまり速度差があるとワークWをはじいたりして移動が不安定となるためである。つまり、本実施形態では、安全率を1.25とすると、Vl:V2の速度比1:5、つまり水平ベルトコンベヤ50の速度V2は30m/minに設定することが望ましい。これにより、引き込み側つまり水平ベルトコンベヤ50の速度が速いので、ワークWが横桟22の先端部22aの頭部プーリ25における回転移動による姿勢変化を水平ベルトコンベヤ50上で戻して水平コンベヤ10と同じ姿勢で搬送が可能となる。
【0028】
次に、本実施形態に係る搬送装置1の作用を説明する。
【0029】
先ず、ワークWは、図1に示すように、水平ベルトコンベヤ10によって例えば搬送速度30m/minで連続的に搬送される。
【0030】
次に、ワークWは、図1に示すように、水平ベルトコンベヤ10によって横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21に当接するまで搬送される。
【0031】
そして、ワークWは、横桟付きリフトベルトコンベヤ20の横桟22上に移動させられ、横桟付きリフトベルトコンベヤ20によって上部まで搬送される。
【0032】
この際、図9、図10(a)に示すように、横桟22は横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25に沿って回転する前まで(横桟22の回転角度0°)は、横桟22がベルト21に対してほぼ垂直で、横桟22の2本のリブ23がベルト21に当接して横桟22上のワークWの荷重をベルト21に伝達している。
【0033】
次に、図10(b)に示すように、横桟22が横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25によって回転され始めると、横桟22の回転角度16度の位置で、ワークWが横桟22と接する部分の静摩擦に打ち勝って横桟22上を滑り始め、ワークWの先端下部の角部が払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50の搬送面上に当接する。
【0034】
そして、図10(C)〜(h)に示すように、横桟22の回転角度20度〜70度の間で、ワークWの先端下部の角部が上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50上に当接しながら、横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21の回転に伴って回動する横桟22上をワークWが横桟表面を角部で当接しながら滑りつつ移動する。この際、水平ベルトコンベヤ50が横桟付きリフトベルトコンベヤ20の回転速度の「安全率×L2/Ll」倍の回転速度(本実施形態では5倍)で回転移動されているため、ワークWがその先端下部の角部から水平ベルトコンベヤ50によって移動させられる。
【0035】
ここで、本実施形態では、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25の径Dlをφ60mm、払出用ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52の径D2をφ60mmとして、横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21の頭部プーリ折返し部頂部での上面を、払出用水平ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52のベルト51a、51bの上面からH=3mm下げ、水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52の位置は、横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25の位置より上側の水平ベルトコンベヤ10方向(G=1〜1.5mmずらしている構成の場合に、図10(b)のような横桟回転角度16度でワークWが水平ベルトコンベヤ50のベルト上に当接することとなる。
【0036】
これが、例えば垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25の直径Dlと、上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52の径D2とは、2/3=(D2/Dl)である場合に、Hをほぼゼロ、Gもほぼゼロとすると、横桟22の回転角度20度で、(sin20度=0.34なので2/3=(D2/Dl)の関係となる)ワークWの先端下部の角部が上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50上に当接し始めることとなる。このワークWの角部が水平ベルトコンベヤ50上に接触し始める横桟22の回転角度が、20度以上となると回転しすぎており、そのワークWの回転慣性でワークWの姿勢が下部の水平コンベヤ10上の姿勢から90度変更された姿勢になる危険性が大きくなる。よって、この横桟22の回転角度20度で、ワークWの先端下部の角部が上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50上に当接し始めるよう、2/3≦(D2/Dl)の関係を確保するものである。
【0037】
また、(D2/Dl)>1.5のようにあまり径D2を大径にしてしまうと、径D2の曲率が小さくなり、H寸法やG寸法をいくら調整しても、一端ワークWの先端下部の角部が上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50上に当接し始めた後、再び垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25上のベルト21面に当接が戻る場合がある。この場合は、払出用ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50のワークWの引き込みが不安定になる。よって、径D2は、(D2/Dl)≦1.5とするのが望ましい。
【0038】
しかも、水平ベルトコンベヤ50のベルト51a,51bは、高摩擦ベルトで構成されているため、ワークWがベルト51a,51b上を滑ることなく、ベルト51a,51b上に当接した状態で搬送される。
【0039】
ここで、払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52の径D2と、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25の中心軸から横桟22の先端部22aまでの距離L2との関係で、あまりL2が小さいと、ワークWを払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50へ押し出しつつ、ベルト5la、51bにワークWの後端を持ち上げて押し付ける力が発生しなくなるので、(L2/2)>D2の関係に収まるようにL2の距離を確保する。
【0040】
次に、図10(i)に示すように、横桟22の回転角度80°の位置で、ワークWは横桟22から離れ、水平ベルトコンベヤ50上に乗り移り、水平ベルトコンベヤ50によって搬送される。
【0041】
以上によって、ワークWは、横桟付きリフトベルトコンベヤ20から水平ベルトコンベヤ50上に向きを変えることなく乗り移ることができる。
【0042】
本実施形態によれば、下部の水平ベルトコンベヤ10により運ばれる箱状のワークWを垂直搬送するために、水平ベルトコンベヤ10部分で従来技術を用いて1個出しを行い、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20で頭尾部プーリ24,25に巻回し垂直に設置したベルト21面に略直角に突き出した横桟22によりワークWを1個ずつ下部水平搬送時と同じ姿勢で持ち上げることができる。垂直コンベヤである横桟付きリフトコンベヤ20の頭部プーリ25での横桟回転時の先端速度を考慮して、垂直搬送部上部では、払出用水平コンベヤである上部の水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52を大径にし、その払い出しベルト速度を速くすることで、荷の姿勢を変更せずに払い出しが可能となった。
【0043】
また、ワークWが横桟22によって回転するのを防止するために、大径プーリの払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50でワークWの先端部を引き込むことが可能となった。
【0044】
しかも、構造が簡易かつ無制御のため、従来よりコスト削減となった。
【0045】
また、本実施形態では、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の搬送速度を6m/minにて設定し、払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50との速度比によりワークWの方向を変えることなく搬送できることを確認できた。なお、本実施形態では、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の速度を速くするとワークWに掛かる遠心力が大きくなり、払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50に乗り継ぐタイミングが遅くなったり、ワークWが横桟22から飛ばされたりするので、図示しない垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の上部プーリである頭部プーリ25の上部空間に傘上のガイド等を設け、このガイドなどでワークWを押さえ付ける必要がある。
【0046】
本実施形態では、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20にベルト21と同材質(μ≒0.1〜0.15)の横桟22を使用し、払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50への送り出しをスムーズに、また払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50に高摩擦ベルトを使用することにより引き込みやすくしている。
【0047】
本実施形態では、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の上部プーリである頭部プーリ25の径は大きければ大きいほど、横桟22の先端速が遅くなるため、ワークWの動きがスムーズになる。また、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の上部プーリである頭部プーリ25の径を大きくすれば、それに伴い払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50側の尾部プーリ52の径は垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の上部プーリである頭部プーリ25の径と同じか若干大きくする必要がある。
【0048】
また、水平コンベヤとして水平ベルトコンベヤを用いたが、本発明はこれに限らず、スラットコンベヤやチェンコンベヤを用いても良い。
【0049】
また、垂直コンベヤとして横桟付きリフトベルトコンベヤを用いたが、本発明はこれに限らず、横桟付きリフトスラットコンベヤや横桟付きリフトチェンコンベヤを用いても良い。
【0050】
また、払出用水平コンベヤとして払出用水平ベルトコンベヤを用いたが、本発明はこれに限らず、払出用水平スラットコンベヤや払出用水平チェンコンベヤを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態に係る搬送装置を示す側面図である。
【図2】図1の下部の水平ベルトコンベヤ10と垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤとを示す平面図である。
【図3】図1の垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤを示す正面図である。
【図4】図1の垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤの概要を示す側面図である。
【図5】図1の垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤの概要を示す正面図である。
【図6】図1のA部拡大図である。
【図7】図1の垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤと払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤとを示す平面図である。
【図8】図1の垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤと払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤとを示す拡大図である。
【図9】図9の側面図である。
【図10】図1の搬送装置の作用を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1 垂直搬送装置
10 水平ベルトコンベヤ
11a,11b、21、51a,51b ベルト
12、24、53 駆動プーリ
13、25 頭部プーリ
14、26,54 駆動用モータ
20 横桟付きリフトベルトコンベヤ
22 横桟
23 リブ
50 水平ベルトコンベヤ
52 尾部プーリ
W ワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直方向に流れてきたワークを、向きを変えることなく水平方向に払い出す搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、垂直方向に流れてきたワークを、向きを変えることなく水平方向に払い出す搬送装置として、例えば、垂直スラットコンベヤやアーム付チェーンエレベータなどが開示されている(例えば、特許文献1、非特許文献1,2参照)。
【0003】
垂直スラットコンベヤは、二条二系列のチェーンにスラットを接合し、スラット上に移載されたワークを水平搬送からそのまま水平状態を保って垂直搬送に移り、再び水平方向へ輸送排出するように構成されている(特許文献1、非特許文献1,2参照)。
【0004】
また、アーム付チェーンエレベータは、ワークに適合するC形(弧型)アームを二条のチェーンに、定間隔に取り付けるように構成されている。このアーム付チェーンエレベータは、樽や丸太材など円筒物の搬送に用いられる(非特許文献1,2参照)。
【0005】
また、ワークを基板など薄板状のものを対象とし、アーム付きチェーンコンベヤを垂直搬送装置とした薄板状材料の姿勢起伏変更機が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この薄板状材料の姿勢起伏変更機は、小さなアームで薄板状ワークの底辺を支えて上昇させ、垂直搬送部上端にはチェーンの頭尾部プーリと同軸に支持される旋回アームを通常立てておき、ワーク底辺が近づいたらチェーンのアーム位置と連動して頭尾部プーリ同軸の旋回アーム支持部を回動して徐々に倒すことで、上部の取り出し機構にワークに優しく姿勢を変えて受け渡すものである。
【0006】
また、桟を2条のチェーンに取り付けたエレベータを垂直搬送部とし、下部に供給コンベヤとしてベルトコンベヤを、上部にも整列コンベヤとしてベルトコンベヤを配した容器供給装置が開示されている(例えば、特許文献3参照)。そして、乗り込み部分には、下部が分離装置として一列の段積容器を切出すチャッキングアームがあり、上部には分離用プッシャを備えている。
【特許文献1】特開平5−270650号公報
【特許文献2】特開2002−335096号公報
【特許文献3】特開2002−104658号公報
【非特許文献1】「物流システム・総合シリーズ(第II巻)物流機器・選択と活用」「2・7・6自動送り込み装置、2・8・5アーム・コンベヤ,またはアーム・エレベータ(図・110)」(第218頁〜第225頁)株式会社現代工学社(昭和50年5月25日発行)
【非特許文献2】「機械工学便覧エンジニアリング編日本機械学会編1989」「iii.アーム付チェーンエレベータ、iv.垂直スラットコンベヤ」(C3−60)(社団法人日本機械学会1989年10月15日発行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1、非特許文献1,2に記載のバーチレータ式コンベヤは、特殊な構造であり、高価なユニットが必要となる。しかも、バーチレータ式コンベヤでは、間欠的に受入体勢となるので、送り込みもこれに合わせ、載せるべきスラッドが目前に来たとき、ワークを送り込めるように自動送り込み装置が付属している。この装置は、2台のシリースに接続したベルトコンベヤ、スラットコンベヤ、またはローラコンベヤからなり、各コンベヤは、光電管、リミットスイッチによって制御され、電動機により運転されている。
【0008】
また、非特許文献1,2に記載のアーム付チェーンエレベータでは、樽や丸太材など円筒物以外の搬送には不向きである。
【0009】
また、特許文献2に記載の薄板状材料の姿勢起伏変更機では、基板送りフックで支持できるワークに限られる。
【0010】
また、特許文献3に記載の容器供給装置では、垂直搬送部に容器スタックを載置するに当たり、分離装置によって容器スタック群を縦一列の容器スタック列毎に分離する操作が必要となり、さらに、垂直搬送部の上部での分離に際して、分離プッシャにより縦一列の容器スタック列を容器スタック毎に分離するという操作が必要となるなどの複雑な操作に対応する複雑な構造となっている。
【0011】
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、垂直方向に流れてきたワークを、電気制御無しでワークの向きを変えることなく水平方向に払い出すことができる搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明は、搬送物を搬送する水平コンベヤと、前記水平コンベヤの頭部プーリ折返し部側に配置され、ベルト面より横桟を略直角に突き出し前記水平コンベヤにより移送される前記搬送物を搬送する垂直コンベヤと、前記垂直コンベヤの上部プーリ側に配置され、前記垂直コンベヤの上部プーリ折返し部での横桟先端速度より速い速度で運転される払出用水平コンベヤとを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の搬送装置において、前記垂直コンベヤの上部プーリ中心軸から前記横桟先端までの距離L2と、前記垂直コンベヤの上部プーリの半径に前記垂直コンベヤベルトの厚みを加えた寸法Llと、前記垂直コンベヤのベルト面移動速度Vlと、前記払出用水平コンベヤの搬送面運転速度V2とが、V2=安全率×L2/Ll×Vlの関係にあり、安全率は1.0から1.5の間であることを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の搬送装置において、前記払出用水平コンベヤの搬送面は、前記垂直コンベヤの上部プーリ折返し部の最上部の搬送面より高く設定されており、前記垂直コンベヤの上部プーリ折返し部往き側のベルト面と接点を有することを特徴とする。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項3記載の搬送装置において、前記払出用水平コンベヤの折返し部の折返し点上の搬送面は、前記垂直コンベヤの上部プーリ折返し部往き側のベルト面より前記水平コンベヤ側へ突出するように設定されていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に係る発明は、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の搬送装置において、前記垂直コンベヤの上部プーリ径Dlと、前記払出用水平コンベヤの尾部プーリ径D2とは、2/3≦(D2/Dl)≦1.5、かつ(L2/2)>D2の関係にあることを特徴とする。
【0017】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の搬送装置において、前記垂直コンベヤおよび前記払出用水平コンベヤは、ベルトで構成され、前記垂直コンベヤのベルトと前記横桟とは、摩擦抵抗0.1〜0.15程度の滑りやすい低摩擦の材質で構成され、前記払出用水平コンベヤは、摩擦抵抗0.9程度の滑りにくい高摩擦抵抗の材質で構成され、前記払出用水平コンベヤのベルトと前記搬送物との間の摩擦力で前記搬送物を引き込むように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、制御無しでワークの向きを変えることなく、垂直方向から水平方向に搬送方向を転換することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る垂直搬送装置1を示す。
【0020】
本実施形態に係る搬送装置1は、ワークWを搬送する下部側の水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ10と、水平ベルトコンベヤ10の折返し部側(頭部プーリ13側)に配置され、所定の間隔でベルト21面より横桟22を略直角に突き出し水平ベルトコンベヤ10により移送されるワークWを垂直搬送する垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20と、横桟付きリフトベルトコンベヤ20の折返し部側(頭部プーリ側)に配置され、ワークWを払い出す上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50とを備える。ここで、ワークWとして、65mm×91mm×160mm、重量150gの菓子箱を使用した。
【0021】
下部側の水平ベルトコンベヤ10は、図1、図2に示すように、低摩擦ベルト(μ≒0.1〜0.15)から成る2本のベルト11a,11bを巻回可能とした駆動プーリ(尾部プーリ)12と、2つのプーリ13a,13bを同芯上に回転自在に連結した2連の頭部プーリ13とを備え、駆動プーリ12に取り付けた駆動用モータ14によって2本のベルト11a,11bを駆動プーリ12と頭部プーリ13との間を回動し、2本のベルト11a,11bの上面に形成される搬送面11a1,11b1上にワークWを載置して搬送する。水平ベルトコンベヤ10は、コンベヤ取付ベース40に取付ブラケット15を介して固定されている。
【0022】
ワークWを垂直搬送する横桟付きリフトベルトコンベヤ20は、図1〜図9に示すように、駆動プーリ24と、頭部プーリ25と、ワークWを載置して搬送するための横桟22と、駆動プーリ24と頭部プーリ25との間に巻き回しされる低摩擦ベルト(μ≒0.1〜0.15)から成るベルト21とを備え、駆動プーリ24に取り付けた駆動用モータ26によってベルト21を駆動プーリ24と頭部プーリ25との間を回動する。横桟22は、ベルト21面に熱溶着によって設けられている。横桟22は、図6のBで示すように、ワークWの重みによって倒れるのを防止するために下面に2本のリブ23が熱溶着によって設けられている。2本のリブ23は、ベルト21の下面には固着されているが、頭尾部プーリ24,25それぞれの折返し部でベルト21が回動可能とするため、図4に示すように、ベルト21との下部接触部は、横桟22やリブ23自体の重量で当接するようになっている。横桟22とリブ23とは、ベルト21と同材質としてある。横桟22の横幅は、図2に示すように、頭部プーリ13の2つのプーリ13a,13bの間、すなわち、水平ベルトコンベヤ10の2本のベルト11a,11bの間を通過することができ、ワークWを載置して搬送できる大きさにしてある。また、横桟22の先端部22aは、横桟22が水平ベルトコンベヤ10の下部から掬い取り乗り移るワークWに掛かっていた水平ベルトコンベヤ10の搬送力を利用するべくワークWの底部接触面積を減ずるため、ベルト21側へ滑るようにして移動し、横桟22上にワークWが確実に載置されるように、上方に折り曲げられている。よって、ワークWが直方体の場合は、その底面は、横桟22の先端部22aと搬送方向にある角部との2線接触し、多くの場合ワークW上方の搬送方向にある角部がベルト21に線で当接している。なお、横桟22の先端部22aを滑りやすくするために、低摩擦材を塗布又は貼付しても良い。横桟付きリフトベルトコンベヤ20は、コンベヤ取付ベース40に垂直に取り付けられたコンベヤ取付ベース60に取付ブラケット27を介して固定されている。
【0023】
上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50は、図1、図7〜図9に示すように、高摩擦ベルト(μ≒0.9)から成る2本のベルト51a,51bを巻回可能とした2つのプーリ52a,52bを同芯上に回転自在に連結した2連の尾部プーリ52と、一本の駆動プーリ(頭部プーリ)53とを備え、駆動プーリ53に取り付けた駆動用モータ54によって2本のベルト51a,51bを尾部プーリ52と駆動プーリ53との間を回動し、2本のベルト51a,51bの上面に形成される搬送面51a1,51b1上にワークWを載置して搬送する。上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50は、コンベヤ取付ベース60に取付ブラケット55を介して固定されている。
【0024】
本実施形態では、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21の頭部プーリ折返し部頂部での上面が、払出用ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50のベルト51a、51bの上面より高いと、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の帰り側へワークWが引き込まれ始めることとなり、払出用ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50が引き込むことによる払い出しが確実に行えないこととなる。そのため、図9に示すように、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21の頭部プーリ折返し部頂部での上面を、払出用水平ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52のベルト51a、51bの上面からH=3mm下げている。
【0025】
また、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20のワークWを載置した横桟22が頭部プーリ25部分で回動を開始した後頭部プーリ25頂部に到達するまでの間に、払出用ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50が引き込むことによる払い出しが開始されないと、ワークWの姿勢が横桟22の回転によって90度変更されることとなり、本発明の目指すワークWの姿勢を保ったままの搬送が不能となることとなる。これを防ぐため、ワークWの、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20から払出用ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50への乗り継ぎを、ワークWを載置した横桟22が頭部プーリ25部分で回動を開始した後頭部プーリ25頂部に到達するまでの間のタイミングで行うように、図9に示すように、上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52の位置は、横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25の位置より下側の水平ベルトコンベヤ10方向へG=1〜1.5mmずらして組み立てられている。
【0026】
本実施形態において、横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25の直径Dlと、上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52の直径D2とは、それぞれφ60mmとした。
【0027】
また、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25の径D1をφ60mm、垂直コンベヤのベルト厚みを2mm(頭部プーリ25の半径D1に垂直コンベヤのベルト厚みを加えた寸法Ll=(60mm/2)+2mm)、払出用ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52の径D2をφ60mm、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25の中心軸から横桟22の先端部22aまでの距離L2を128mmとした場合、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト面移動速度Vlを6m/minであるとすると、払出用ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50の搬送面運転速度V2は、横桟22先端の頭部プーリ25における回転移動速度と同じであれば、ワークWは水平ベルトコンベヤ50へ乗り継ぎ後姿勢を変えずに移動することができる、V2=L2/Ll×Vlの関係、つまりV2=(128mm/{(60mm/2)+2mm}×6m/min)=24m/min(速度比1:4)で良いこととなる。しかし、実際は、横桟22の先端部22aからのワークWのはみ出しや、乗り継ぎの際のベルト51a、51bとワークWとの滑り等を想定し、安全率を考慮して、V2=安全率×L2/Ll×Vlの関係にあり、安全率は1.0〜1.5の間であるように構成することが望ましい。安全率1.5を上限としたのは、あまり速度差があるとワークWをはじいたりして移動が不安定となるためである。つまり、本実施形態では、安全率を1.25とすると、Vl:V2の速度比1:5、つまり水平ベルトコンベヤ50の速度V2は30m/minに設定することが望ましい。これにより、引き込み側つまり水平ベルトコンベヤ50の速度が速いので、ワークWが横桟22の先端部22aの頭部プーリ25における回転移動による姿勢変化を水平ベルトコンベヤ50上で戻して水平コンベヤ10と同じ姿勢で搬送が可能となる。
【0028】
次に、本実施形態に係る搬送装置1の作用を説明する。
【0029】
先ず、ワークWは、図1に示すように、水平ベルトコンベヤ10によって例えば搬送速度30m/minで連続的に搬送される。
【0030】
次に、ワークWは、図1に示すように、水平ベルトコンベヤ10によって横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21に当接するまで搬送される。
【0031】
そして、ワークWは、横桟付きリフトベルトコンベヤ20の横桟22上に移動させられ、横桟付きリフトベルトコンベヤ20によって上部まで搬送される。
【0032】
この際、図9、図10(a)に示すように、横桟22は横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25に沿って回転する前まで(横桟22の回転角度0°)は、横桟22がベルト21に対してほぼ垂直で、横桟22の2本のリブ23がベルト21に当接して横桟22上のワークWの荷重をベルト21に伝達している。
【0033】
次に、図10(b)に示すように、横桟22が横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25によって回転され始めると、横桟22の回転角度16度の位置で、ワークWが横桟22と接する部分の静摩擦に打ち勝って横桟22上を滑り始め、ワークWの先端下部の角部が払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50の搬送面上に当接する。
【0034】
そして、図10(C)〜(h)に示すように、横桟22の回転角度20度〜70度の間で、ワークWの先端下部の角部が上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50上に当接しながら、横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21の回転に伴って回動する横桟22上をワークWが横桟表面を角部で当接しながら滑りつつ移動する。この際、水平ベルトコンベヤ50が横桟付きリフトベルトコンベヤ20の回転速度の「安全率×L2/Ll」倍の回転速度(本実施形態では5倍)で回転移動されているため、ワークWがその先端下部の角部から水平ベルトコンベヤ50によって移動させられる。
【0035】
ここで、本実施形態では、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25の径Dlをφ60mm、払出用ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52の径D2をφ60mmとして、横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21の頭部プーリ折返し部頂部での上面を、払出用水平ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52のベルト51a、51bの上面からH=3mm下げ、水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52の位置は、横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25の位置より上側の水平ベルトコンベヤ10方向(G=1〜1.5mmずらしている構成の場合に、図10(b)のような横桟回転角度16度でワークWが水平ベルトコンベヤ50のベルト上に当接することとなる。
【0036】
これが、例えば垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25の直径Dlと、上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52の径D2とは、2/3=(D2/Dl)である場合に、Hをほぼゼロ、Gもほぼゼロとすると、横桟22の回転角度20度で、(sin20度=0.34なので2/3=(D2/Dl)の関係となる)ワークWの先端下部の角部が上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50上に当接し始めることとなる。このワークWの角部が水平ベルトコンベヤ50上に接触し始める横桟22の回転角度が、20度以上となると回転しすぎており、そのワークWの回転慣性でワークWの姿勢が下部の水平コンベヤ10上の姿勢から90度変更された姿勢になる危険性が大きくなる。よって、この横桟22の回転角度20度で、ワークWの先端下部の角部が上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50上に当接し始めるよう、2/3≦(D2/Dl)の関係を確保するものである。
【0037】
また、(D2/Dl)>1.5のようにあまり径D2を大径にしてしまうと、径D2の曲率が小さくなり、H寸法やG寸法をいくら調整しても、一端ワークWの先端下部の角部が上部側の払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50上に当接し始めた後、再び垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25上のベルト21面に当接が戻る場合がある。この場合は、払出用ベルトコンベヤである水平ベルトコンベヤ50のワークWの引き込みが不安定になる。よって、径D2は、(D2/Dl)≦1.5とするのが望ましい。
【0038】
しかも、水平ベルトコンベヤ50のベルト51a,51bは、高摩擦ベルトで構成されているため、ワークWがベルト51a,51b上を滑ることなく、ベルト51a,51b上に当接した状態で搬送される。
【0039】
ここで、払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52の径D2と、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の頭部プーリ25の中心軸から横桟22の先端部22aまでの距離L2との関係で、あまりL2が小さいと、ワークWを払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50へ押し出しつつ、ベルト5la、51bにワークWの後端を持ち上げて押し付ける力が発生しなくなるので、(L2/2)>D2の関係に収まるようにL2の距離を確保する。
【0040】
次に、図10(i)に示すように、横桟22の回転角度80°の位置で、ワークWは横桟22から離れ、水平ベルトコンベヤ50上に乗り移り、水平ベルトコンベヤ50によって搬送される。
【0041】
以上によって、ワークWは、横桟付きリフトベルトコンベヤ20から水平ベルトコンベヤ50上に向きを変えることなく乗り移ることができる。
【0042】
本実施形態によれば、下部の水平ベルトコンベヤ10により運ばれる箱状のワークWを垂直搬送するために、水平ベルトコンベヤ10部分で従来技術を用いて1個出しを行い、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20で頭尾部プーリ24,25に巻回し垂直に設置したベルト21面に略直角に突き出した横桟22によりワークWを1個ずつ下部水平搬送時と同じ姿勢で持ち上げることができる。垂直コンベヤである横桟付きリフトコンベヤ20の頭部プーリ25での横桟回転時の先端速度を考慮して、垂直搬送部上部では、払出用水平コンベヤである上部の水平ベルトコンベヤ50の尾部プーリ52を大径にし、その払い出しベルト速度を速くすることで、荷の姿勢を変更せずに払い出しが可能となった。
【0043】
また、ワークWが横桟22によって回転するのを防止するために、大径プーリの払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50でワークWの先端部を引き込むことが可能となった。
【0044】
しかも、構造が簡易かつ無制御のため、従来よりコスト削減となった。
【0045】
また、本実施形態では、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の搬送速度を6m/minにて設定し、払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50との速度比によりワークWの方向を変えることなく搬送できることを確認できた。なお、本実施形態では、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の速度を速くするとワークWに掛かる遠心力が大きくなり、払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50に乗り継ぐタイミングが遅くなったり、ワークWが横桟22から飛ばされたりするので、図示しない垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の上部プーリである頭部プーリ25の上部空間に傘上のガイド等を設け、このガイドなどでワークWを押さえ付ける必要がある。
【0046】
本実施形態では、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20にベルト21と同材質(μ≒0.1〜0.15)の横桟22を使用し、払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50への送り出しをスムーズに、また払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50に高摩擦ベルトを使用することにより引き込みやすくしている。
【0047】
本実施形態では、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の上部プーリである頭部プーリ25の径は大きければ大きいほど、横桟22の先端速が遅くなるため、ワークWの動きがスムーズになる。また、垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の上部プーリである頭部プーリ25の径を大きくすれば、それに伴い払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ50側の尾部プーリ52の径は垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤ20の上部プーリである頭部プーリ25の径と同じか若干大きくする必要がある。
【0048】
また、水平コンベヤとして水平ベルトコンベヤを用いたが、本発明はこれに限らず、スラットコンベヤやチェンコンベヤを用いても良い。
【0049】
また、垂直コンベヤとして横桟付きリフトベルトコンベヤを用いたが、本発明はこれに限らず、横桟付きリフトスラットコンベヤや横桟付きリフトチェンコンベヤを用いても良い。
【0050】
また、払出用水平コンベヤとして払出用水平ベルトコンベヤを用いたが、本発明はこれに限らず、払出用水平スラットコンベヤや払出用水平チェンコンベヤを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態に係る搬送装置を示す側面図である。
【図2】図1の下部の水平ベルトコンベヤ10と垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤとを示す平面図である。
【図3】図1の垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤを示す正面図である。
【図4】図1の垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤの概要を示す側面図である。
【図5】図1の垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤの概要を示す正面図である。
【図6】図1のA部拡大図である。
【図7】図1の垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤと払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤとを示す平面図である。
【図8】図1の垂直コンベヤである横桟付きリフトベルトコンベヤと払出用水平コンベヤである水平ベルトコンベヤとを示す拡大図である。
【図9】図9の側面図である。
【図10】図1の搬送装置の作用を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1 垂直搬送装置
10 水平ベルトコンベヤ
11a,11b、21、51a,51b ベルト
12、24、53 駆動プーリ
13、25 頭部プーリ
14、26,54 駆動用モータ
20 横桟付きリフトベルトコンベヤ
22 横桟
23 リブ
50 水平ベルトコンベヤ
52 尾部プーリ
W ワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物を搬送する水平コンベヤと、
前記水平コンベヤの頭部プーリ折返し部側に配置され、ベルト面より横桟を略直角に突き出し前記水平コンベヤにより移送される前記搬送物を搬送する垂直コンベヤと、
前記垂直コンベヤの上部プーリ側に配置され、前記垂直コンベヤの上部プーリ折返し部での横桟先端速度より速い速度で運転される払出用水平コンベヤと
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
請求項1記載の搬送装置において、
前記垂直コンベヤの上部プーリ中心軸から前記横桟先端までの距離L2と、
前記垂直コンベヤの上部プーリの半径に前記垂直コンベヤベルトの厚みを加えた寸法Llと、
前記垂直コンベヤのベルト面移動速度Vlと、
前記払出用水平コンベヤの搬送面運転速度V2とが、
V2=安全率×L2/Ll×Vlの関係にあり、安全率は1.0から1.5の間である
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の搬送装置において、
前記払出用水平コンベヤの搬送面は、前記垂直コンベヤの上部プーリ折返し部の最上部の搬送面より高く設定されており、前記垂直コンベヤの上部プーリ折返し部往き側のベルト面と接点を有する
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項4】
請求項3記載の搬送装置において、
前記払出用水平コンベヤの折返し部の折返し点上の搬送面は、前記垂直コンベヤの上部プーリ折返し部往き側のベルト面より前記水平コンベヤ側へ突出するように設定されている
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の搬送装置において、
前記垂直コンベヤの上部プーリ径Dlと、
前記払出用水平コンベヤの尾部プーリ径D2とは、
2/3≦(D2/Dl)≦1.5、かつ(L2/2)>D2の関係にある
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の搬送装置において、
前記垂直コンベヤおよび前記払出用水平コンベヤは、ベルトで構成され、
前記垂直コンベヤのベルトと前記横桟とは、摩擦抵抗0.1〜0.15程度の滑りやすい低摩擦の材質で構成され、
前記払出用水平コンベヤは、摩擦抵抗0.9程度の滑りにくい高摩擦抵抗の材質で構成され、
前記払出用水平コンベヤのベルトと前記搬送物との間の摩擦力で前記搬送物を引き込むように構成されている
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項1】
搬送物を搬送する水平コンベヤと、
前記水平コンベヤの頭部プーリ折返し部側に配置され、ベルト面より横桟を略直角に突き出し前記水平コンベヤにより移送される前記搬送物を搬送する垂直コンベヤと、
前記垂直コンベヤの上部プーリ側に配置され、前記垂直コンベヤの上部プーリ折返し部での横桟先端速度より速い速度で運転される払出用水平コンベヤと
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
請求項1記載の搬送装置において、
前記垂直コンベヤの上部プーリ中心軸から前記横桟先端までの距離L2と、
前記垂直コンベヤの上部プーリの半径に前記垂直コンベヤベルトの厚みを加えた寸法Llと、
前記垂直コンベヤのベルト面移動速度Vlと、
前記払出用水平コンベヤの搬送面運転速度V2とが、
V2=安全率×L2/Ll×Vlの関係にあり、安全率は1.0から1.5の間である
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の搬送装置において、
前記払出用水平コンベヤの搬送面は、前記垂直コンベヤの上部プーリ折返し部の最上部の搬送面より高く設定されており、前記垂直コンベヤの上部プーリ折返し部往き側のベルト面と接点を有する
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項4】
請求項3記載の搬送装置において、
前記払出用水平コンベヤの折返し部の折返し点上の搬送面は、前記垂直コンベヤの上部プーリ折返し部往き側のベルト面より前記水平コンベヤ側へ突出するように設定されている
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の搬送装置において、
前記垂直コンベヤの上部プーリ径Dlと、
前記払出用水平コンベヤの尾部プーリ径D2とは、
2/3≦(D2/Dl)≦1.5、かつ(L2/2)>D2の関係にある
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の搬送装置において、
前記垂直コンベヤおよび前記払出用水平コンベヤは、ベルトで構成され、
前記垂直コンベヤのベルトと前記横桟とは、摩擦抵抗0.1〜0.15程度の滑りやすい低摩擦の材質で構成され、
前記払出用水平コンベヤは、摩擦抵抗0.9程度の滑りにくい高摩擦抵抗の材質で構成され、
前記払出用水平コンベヤのベルトと前記搬送物との間の摩擦力で前記搬送物を引き込むように構成されている
ことを特徴とする搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−42923(P2010−42923A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209871(P2008−209871)
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【Fターム(参考)】
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