説明

搬送設備

【課題】本発明は、物品の間隔を縮めることができ、仕分け効率を向上できる搬送設備を提供することを目的とする。
【解決手段】分岐経路H,J位置に、物品横押し体52により作用された物品Dを分岐経路H,J側へ引き込む駆動ローラ63を設け、物品Dを物品支持体50上へ分岐経路H,J側へ寄せて供給し、物品横押し体52の一つを、物品Dの側方で、かつ搬送方向の前部に作用させて分岐経路H,J側へ斜め姿勢とし、この斜め姿勢とした物品Dを駆動ローラ63により引き込むことにより分岐経路H,Jへ分岐する構成とする。このように物品Dの前部に作用して分岐されることにより、物品Dと物品D同士の間隔が、物品横押し体52に押されて斜め姿勢となったときに後方へ膨らむ寸法だけ空いていれば、物品D同士が接触することを避けることができ、物品Dの間隔を狭くでき、仕分け効率を改善できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を載置して主搬送経路に沿って搬送する複数の物品支持体を備え、各物品支持体にそれぞれ、物品支持体に外嵌して案内されて物品支持体上の物品の側方に作用し、物品を左右方向へ移動させる物品横押し体を設けた搬送設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記搬送設備の一例が、特許文献1に開示されている。
この特許文献1に開示されている搬送設備では、物品を載置して主搬送経路に沿って搬送する複数のスラットを備え、各スラットにそれぞれ、スラットに外嵌して案内されてスラット上の物品の側方に作用し、物品を左右方向へ移動させる押圧シュー(物品横押し体)を設け、物品をスラットに支持して搬送するとともに、複数の押圧シューをスラット上の物品の側方に作用させて、設備左右方向で外方に配置された複数の分岐搬送コンベヤの一つへ搬出(分岐)している。このように複数の押圧シューにより物品を押し切って分岐搬送コンベヤへ搬出させるために、分岐させるための複数の押圧シューとして、物品の長さ(搬送方向の長さ)を計測して物品に少しでも掛かる押圧シューを選択している。
【0003】
また分岐搬送コンベヤには、複数の駆動ローラを設け、搬送設備より搬出された物品を搬送している。
【特許文献1】特開平11−157640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の搬送設備では、一つのスラット上に搬送方向前方の物品の後部と後方の物品の前部がともに載ると、このスラットの押圧シューが前後の物品にともに作用してしまうという不具合が発生することにより、前後を搬送される物品の間隔は、一つの押圧シューの物品搬送方向の長さが必要とされる。物品の間隔は、さらに物品横押し体に押されて斜め姿勢となったときに物品が後方へ膨らむ寸法と、後方の物品に作用する先頭の押圧シューが物品から飛び出し寸法と、クリアランスを加えて、充分に広げて設定する必要があった。
【0005】
このように物品の間隔が広がると、物品を搬送しながら分岐(仕分け)できる時間当たりの物品の個数(仕分け効率)が低下してしまう。
そこで、本発明は、物品の間隔を縮めることができ、仕分け効率を向上できる搬送設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、物品を載置して主搬送経路に沿って搬送する複数の物品支持体を備え、これら各物品支持体にそれぞれ、物品支持体に外嵌して案内されて物品支持体上の物品の側方に作用し、物品を物品搬送方向とは直角な左右方向へ移動させる物品横押し体を設け、前記物品を前記物品支持体に支持して搬送するとともに、前記物品横押し体を物品支持体上の物品の側方に作用させて、設備左右方向で外方に配置された複数の分岐経路の一つへ搬出する搬送設備であって、
前記各分岐経路位置にそれぞれ、前記物品横押し体により作用された物品を前記分岐経路側へ引き込む引き込み手段を設け、前記物品を前記物品支持体上に前記分岐経路側へ寄せて供給し、前記物品横押し体の一つを、前記物品の側方で、かつ搬送方向の前部に作用させて前記分岐経路側へ斜め姿勢とし、この斜め姿勢とした物品を前記引き込み手段により引き込むことにより前記分岐経路へ分岐する構成としたことを特徴とするものである。
【0007】
上記構成によれば、物品は物品支持体上へ分岐経路側へ寄せて供給され、物品支持体に支持されて搬送されており、物品横押し体のひとつが、物品の側方で、かつ搬送方向の前部に作用すると、物品は分岐経路側へ斜め姿勢とされ、引き込み手段により引き込まれて分岐経路へ分岐される。このように、物品横押し体の一つのみが物品の前部に作用することにより、物品と物品同士の間隔が、物品横押し体に押されて斜め姿勢となったときに後方へ膨らむ寸法だけ空いていれば、物品同士が接触することが避けられる。よって、物品の間隔が狭くなり、仕分け効率が改善される。
【0008】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記物品横押し体を前記物品支持体に案内させて前記分岐経路側へ移動させる移動案内部を設け、この移動案内部の前記分岐経路側の端部を、前記分岐経路の搬送方向下流側の側部位置に合わせて配置したことを特徴とするものである。
【0009】
上記構成によれば、移動案内部に案内された物品横押し体は、移動案内部の終端では、分岐経路の搬送方向下流側の側部に位置する。すなわち、物品は、分岐経路の搬送方向下流側で完全に斜め姿勢とされ、分岐経路に搬出される。したがって、分岐経路の間口は、仕分けられる物品の横幅(搬送方向とは直角な方向の長さで、通常は物品の短軸方向の長さ)の最大値でよく、分岐経路に通常の物品搬送用コンベヤ装置が適用される。
【0010】
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記引き込み手段を駆動ローラにより構成したことを特徴とするものである。
上記構成によれば、物品横押し体により物品が斜め姿勢とされ、駆動ローラに掛かると、物品は駆動ローラにより確実に分岐経路側に引き込まれる。なお、駆動ローラは、搬送設備側に設けられており、分岐経路側に設備の要求はされない。
【発明の効果】
【0011】
本発明の搬送設備は、1つの物品横押し体のみを物品の前部に作用させて物品を分岐できることにより、物品と物品同士の間隔が、物品横押し体に押されて斜め姿勢となったときに後方へ膨らむ寸法だけ空いていれば、仕分け対象の物品と、後方の物品の先頭の物品横押し体が接触することを避けることができ、よって物品の間隔を狭くでき、仕分け効率を改善できる、という効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、搬送設備の一例として、転換設備を説明する。
図2に示すように、転換設備Aの上流に幅寄せ用ローラコンベヤ装置Bが設けられ、さらに上流に切り出しコンベヤ装置Cが設けられている。
【0013】
切り出しコンベヤ装置Cは、搬送されてきた物品Dを、所定の間隔(後述する)またはそれ以上で幅寄せ用ローラコンベヤ装置Bへ搬出するコンベヤであり、物品Dを搬出すると、所定時間経過を許可条件として次の物品Dを搬出するアキュムレーションコンベヤにより構成されている。すなわち、切り出しコンベヤ装置Cには、その下流端(搬出口)に、物品Dの通過を検出する光電センサKが設けられ(通過中は光電センサはオフ)、この光電センサKがオンとなり物品Dの搬出が確認されると、前記所定時間をカウントとし、次の物品Dを搬出している。所定時間の経過により、上記所定の間隔以上を実現している。
【0014】
前記幅寄せ用ローラコンベヤ装置Bは、切り出しコンベヤ装置Cの下流端に接続され、切り出しコンベヤ装置Cから搬入した物品Dを搬送しながら、搬送方向に向って一方向(図では右方向)の端部に寄せる(移動させる)コンベヤ装置であり、搬送方向に対して幅寄せ側(図では右方向)に所定の傾斜角度で、所定の間隔で支持された複数の駆動ローラRを備えている。
【0015】
上記転換設備Aについて説明する。
物品Dの搬送方向を長手方向としてこの長手方向と平行に対向して本体フレーム1が配置されており、本体フレーム1は、主搬送経路Gに沿って左右に配置された左右一対の上位フレーム材10と、上位フレーム材10と対向してその下方に配置された左右一対の下位フレーム材20と、下位フレーム材20から下方に連設した脚体3群と、上位フレーム材10と下位フレーム材20との間を上下で連結する複数の縦連結部材4と、左右の上位フレーム材10間を左右で連結し、左右の下位フレーム材20間を左右で連結する複数の横連結部材5などにより構成される。
【0016】
上位フレーム材10には、図6に示すように、長さ方向の全長に亘って内側に、後述する物品支持体50を支持案内する往路側案内レール部18が形成され、また下位フレーム材20には、長さ方向の全長に亘って中間内側に、物品支持体50を支持案内する復路側案内レール部21が形成され、この復路側案内レール部21の上方に位置して、物品支持体50の横向き案内面となる上端延長部22が形成されている。
【0017】
また上位フレーム材10と下位フレーム材20との間には、図3および図5に示すように、側部外方を覆う、障子落とし込み形式の側カバー(側部カバー)8が設けられ、側カバー8の外面には操作用の把手9が設けられている。
【0018】
また図2に示すように、上述の如く構成された本体フレーム1の搬送方向上流端(始端部)には左右方向に従動軸30が回転自在に配設され、また本体フレーム1の搬送方向下流端(終端部)には左右方向に駆動軸31が回転自在に配設され、駆動軸31に駆動装置34が連動連結されている。駆動装置34は、電動機35と、これに一体化した減速機36とからなり、この減速機36の出力部が前記駆動軸31に連動連結されている。
【0019】
前記従動軸30の両端には相対向して、左右一対の従動用スプロケット(輪体)38が連結され、また前記駆動軸31の両端には相対向して、左右一対の駆動用スプロケット(輪体)39が連結されており、駆動用スプロケット39は、駆動軸(回転軸)31に連結された駆動装置34により駆動される。
【0020】
そして、これら搬送方向上流端に回転自在に設けた左右の従動用スプロケット38と搬送方向下流端に回転自在に設けた左右の駆動用スプロケット39との間にそれぞれ、左右一対の無端チェーン(無端回動体の一例)40が張設されている。これら左右一対の無端チェーン40の長さはそれぞれ、上流端の従動用スプロケット38と下流端の駆動用スプロケット39との間を往復する長さに一定の長さを加えた長さとしており、無端チェーン40に一定の弛み(ゆとり)を持たせている。
【0021】
この無端チェーン40の弛みは、無端チェーン40の往路側には、構造上表れないが、下流端の駆動用スプロケット39から戻るときに表れ、復路側の無端チェーン40に予め弛みを持たせた構成となり、この弛みを原因として下流端の駆動用スプロケット39の下方に位置する復路側の無端チェーン40は下垂しようとする。この復路側の無端チェーン40の下垂を防止する下垂防止手段が、図4に示すように、下位フレーム材20の搬送方向下流側に設けられている。下垂防止手段は、例えば案内用スプロケット42、支持板43、ベルト体45、バランスウエイト46などから構成されている。下垂防止手段の詳細な説明は省略する。
【0022】
上記駆動装置34は起動スイッチ(図示せず)の操作による起動指令を入力すると、所定の加速度で電動機35の速度を増加し、無端チェーン40の速度を所定の加速度で所定の速度まで立上げ、また停止スイッチ(図示せず)の操作による停止指令を入力すると、所定の減速度で電動機35の速度を落とし、無端チェーン40を停止する。
【0023】
また図3〜図6に示すように、上記左右の無端チェーン40間に渡って物品Dを支持する物品支持体(スラット)50が等間隔で複数取り付けられている。
前記物品支持体50は、両無端チェーン40の移動方向となる主搬送経路Gに対して直交した左右方向を長さ方向51として配設されており、金属製、たとえばアルミニウム合金製で、長さ方向51に長い長尺状であり、かつ同一の断面形状の型材状に形成されている。
【0024】
また各物品支持体50にはそれぞれ、この物品支持体50に外嵌して案内されることで前記長さ方向(左右方向)51に移動自在で、物品支持体50上の物品Dの側方に作用する物品横押し体(押圧シュー)52が設けられ、各物品横押し体52にはその下端部にローラ軸(支持軸の一例)53が垂直に設けられている。このローラ軸53は、案内ローラ(被案内体の一例)54を回転自在に支持する軸であり、案内ローラ54に対して所定長さ下方に突出するように構成されている。また物品支持体50の長さ方向51の両端には、それぞれ外方へ突出する筒状体56が取り付けられている。この筒状体56に無端チェーン40をピン等を使用して結合することで、物品支持体50の両端が、それぞれ無端チェーン40に連結されている。また前記各筒状体56には、外周部がウレタンからなる回転体57が外嵌され、これら回転体57は、前記上位フレーム材10の往路側案内レール部18と下位フレーム材20の復路側案内レール部21の上向き支持面に支持案内される。また物品支持体50の両端部には外周部がウレタンからなるサイドローラ58が遊転自在に設けられ、これらサイドローラ58は、上位フレーム材10の往路側案内レール部18の横向き案内面と下位フレーム材20の上端延長部22の横向き案内面に案内される。
【0025】
また図2に示すように、転換設備Aへの物品Dの搬入口には(分岐経路H,Jより上流位置には)、搬入された物品Dの通過を検出するとともに物品Dの長さ(搬送方向の長さ)を検出するための光電センサ59が設けられている。すなわち、光電センサ59により物品Dの先端が確認されると、物品Dを検出している時間をカウントとし、物品Dの長さを確認している。
【0026】
また図1〜図3に示すように、本体フレーム1の片側外方には、主搬送経路Gに対して外方かつ下手側へと傾斜した複数の分岐経路H,Jを形成するローラコンベヤからなる分岐コンベヤ60が設けられる。これら分岐コンベヤ60は、コンベヤフレームに多数の駆動ローラを支持させることで構成され、コンベヤフレームの両側部には物品Dを案内するガイド61が連続して設けられている。
【0027】
そして、複数の分岐経路H,J毎の分岐経路位置にはそれぞれ、図1〜図3、図5、図6に示すように、本体フレーム1の分岐コンベヤ60側上方フレーム材10に、物品横押し体52により作用された物品Dを分岐経路H,J側へ引き込む2本の駆動ローラ(引き込み手段の一例)63が並設されている。なお、駆動ローラ63を2本のローラとすることにより、ローラの直径を抑え、上方フレーム材10内に上下方向に広いスペースを必要とすることを避けている。
【0028】
これら各駆動ローラ63はそれぞれ、その回転軸64が、分岐コンベヤ60の搬送方向上流端と下流端にそれぞれ配置された軸受け65により回転自在に支持されており、物品Dに作用するローラ面は、物品支持体50の面の高さに合わせて配置されている。また駆動ローラ63の下方に駆動手段として駆動モータ66が配置されており、駆動モータ66の回転軸は各回転軸64とそれぞれ無端ベルト(無端回動体)67により連結され、駆動モータ66の回転により無端ベルト67を介して駆動ローラ63は内側より外方(分岐コンベヤ60側)へ回転されている。
【0029】
また、複数の分岐経路H,J毎にそれぞれ、図7に示すように、物品支持体50が物品Dの搬送方向へ移動する往路で、かつ上位フレーム材10に連結される横連結部材5上に、各物品横押し体52を、案内ローラ54に作用して物品支持体50に案内することにより、物品支持体50上の物品Dの側方に物品横押し体52を作用させて物品Dを左右方向へ移動させる往路案内装置70が配設されている。
【0030】
各往路案内装置70は、始端部の片側(分岐経路H,Jとは反対の側)に設けられ、物品横押し体52の案内ローラ54を案内する始端案内部(ガイドレール)71と、この始端案内部71の終端に配置され、物品横押し体52を直進または内側方向へ振り分ける振り分け手段72と、振り分け手段72により振り分けられた物品横押し体52の案内ローラ54を案内する、下手側ほど内側へと傾斜し、他方の側(分岐経路H,J側)へ到る移動案内部(ガイドレール;ガイド体の一例)73と、この移動案内部73の終端に配設され、物品横押し体52の案内ローラ54を直進案内する終端案内部(ガイドレール)74と、前記振り分け手段72より振り分けされず直進する物品横押し体52の案内ローラ54を案内する直線状の中間案内部(ガイドレール)75とから構成されている。
【0031】
また物品横押し体52(案内ローラ54)を物品支持体50に案内させて分岐経路H,J側へ移動(案内)させる前記移動案内部73は、図1および図2に示すように、その分岐経路H,J側端部(終端)を、分岐コンベヤ60の搬送方向下流側側部位置に合わせて配置している。また物品横押し体52が物品Dに作用する面を、移動案内部73の搬送方向からの取り付け角度θに合わせて傾斜させた面としている。
【0032】
前記振り分け手段72は、図7(b)に示すように、次のように構成されている。
前記始端案内部71により幅寄せられた案内ローラ54が案内される調心体78が設けられている。この調心体78は、案内ローラ54を案内して幅方向(左右方向)で自動的に調心(センタリング案内)する被案内体案内部分79と、ローラ軸53を案内して幅方向で自動的に調心(センタリング案内)する支持軸案内部分80とから構成されており、支持軸案内部分80は、被案内体案内部分79の中に位置される状態で、その下部に幅狭のガイド溝形状に形成されている。
【0033】
この調心体78により、被案内体案内部分79により案内ローラ54が調心案内されている途中から支持軸案内部分80によりローラ軸53は調心案内され、ローラ軸53は連続的に振り分け案内体82へ案内される。
【0034】
振り分け案内体82は、ローラ軸53を振り分け案内可能であって、後述するブロック体81に対して縦軸心83の回りに揺動自在に連結され、この振り分け案内体82に、シリンダ装置84のピストンロッド85が連動されている。またシリンダ装置84に対する給排油制御のためのソレノイドバルブ装置86が設けられている。また振り分け案内体82の揺動量を規制する揺動量規制手段87として、左右一対のゴム(緩衝材)製ストッパー体88が設けられている。
【0035】
この振り分け案内体82を、シリンダ装置84を動作させて縦軸心83の周りに揺動させることにより、ローラ軸53が振り分け案内され、ブロック体81へ導かれる。
ブロック体81は、案内ローラ54を移動案内部73または中間案内部75へ案内する被案内体振り分け部分91,92と、ローラ軸53を移動案内部73または中間案内部75へ案内する支持軸振り分け部分93とから構成されており、支持軸振り分け部分93は、被案内体振り分け部分91,92の中に位置される状態で、その下部に形成されている。
【0036】
振り分け案内体82により主搬送経路Gの方向へ直進するように案内されたローラ軸53は、支持軸振り分け部分93のローラ軸直進案内面93aに案内され、また案内ローラ54が被案内体振り分け部分91のローラ直進案内面91aおよび被案内体振り分け部分92のローラ直進案内面92aに案内され、ローラ軸53および案内ローラ54は直進案内される。これにより物品横押し体52は物品Dに作用せず、この物品Dは主搬送経路G上を直進状に搬送される。
【0037】
また、振り分け案内体82により分岐経路H,Jの方向へ傾斜するように案内されたローラ軸53は、支持軸振り分け部分93のローラ軸傾斜案内面93bに傾斜案内され、また案内ローラ54が被案内体振り分け部分92のローラ傾斜案内面92bに傾斜案内され、続いて移動案内部73に案内されて内側へ移動される。これにより物品横押し体52は、搬送方向に移動しながら主搬送経路Gを横切ることになり、物品Dに横押し作用して、この物品Dを、その向きを変えながら、主搬送経路Gに対して傾斜状で分岐移動させ、他方の分岐コンベヤ60に渡す。このように、往路案内装置70により、物品横押し体52は主搬送経路Gまたは分岐経路H,Jへ振り分けられる。
【0038】
また図8に示すように、物品支持体50が物品Dの搬送方向と逆の方向へ移動する復路で、かつ下位フレーム材20の横連結部材5上には、往路案内装置70により移動された物品横押し体52を左右方向の一方の側に移動させて揃える復路案内装置96が配設されている。この復路案内装置96は、物品横押し体52の案内ローラ54を前記片側(分岐経路H,Jとは反対の側)へ戻す(案内する)、他方の側(分岐経路H,J側)から下手側ほど内側へと傾斜し片側(分岐経路H,Jとは反対の側)へ到る移動案内部(ガイドレール)97と、この移動案内部97の終端に配設され、物品横押し体52の案内ローラ54を直進案内するリターン案内部(ガイドレール)98とから構成されている。
【0039】
上記転換設備Aの構成による作用を説明する。
転換設備Aは、起動スイッチ(図示せず)の操作に基づいて、その起動指令により駆動装置34の電動機35を作動させ、減速機36に連動した駆動軸31を介して駆動用スプロケット39を強制回転させることで、両無端チェーン40を移動し得る。この両無端チェーン40の移動によって物品支持体50群を、回転体57を介して両案内レール部18,21の上向き支持面に支持案内させるとともに、サイドローラ58を介して往路側案内レール部18および上端延長部22の横向き案内面に案内させることで、安定した状態で移動し得る。これにより物品支持体50群が循環移動することから、始端部の物品支持体50群上に供給された物品Dは主搬送経路Gに沿って搬送される。続いて駆動モータ66を作動して駆動ローラ63を回転させる。
【0040】
このような搬送を行う際に、物品支持体50群と一体的に移動する物品横押し体52は、その案内ローラ54が案内装置70,96群に案内されることによって、物品支持体50の長さ方向51に往復移動したり、物品支持体50とともに主搬送経路Gに沿って直線状に移動したりする。その際に物品横押し体52の往復移動は、物品支持体50に案内される状態で、すなわち、好適な摺接摩擦が生じた状態で、ガタつきがなく、かつ姿勢(向き)を大きく変化させることなく、常に安定して行える。
【0041】
すなわち、始端案内部71に案内されている案内ローラ54は、振り分け手段72が動作していないとき(振り分け案内体82が直進方向に制御されているとき)、直進案内され、そして中間案内部75に案内される状態で直進する。これにより物品横押し体52は物品Dに作用せず、この物品Dは主搬送経路G上を直進状に搬送される。
【0042】
また、始端案内部71に案内されている案内ローラ54は、振り分け手段72が動作したとき(振り分け案内体82が分岐経路H,Jへ傾斜するように制御されているとき)、始端案内部71から移動案内部73へ案内され、この移動案内部73に案内されて内側へ移動されて終端案内部74に案内され、物品横押し体52は物品Dに作用する(詳細な分岐の作用は後述する)。
【0043】
このようにして終端案内部74の端部に達した案内ローラ54は主搬送経路Gの終端で反転する。そして復路案内装置96においては、移動案内部97に案内されて前記片側へと移動される。
【0044】
そして、物品Dの搬送および仕分けを終了するときには、停止スイッチ(図示せず)の停止指令により駆動装置34の電動機35を所定の減速度で停止させ、両無端チェーン40を所定の減速度で停止させる。
【0045】
さて図1に示すように、転換設備Aには幅寄せ用ローラコンベヤ装置Bより物品Dが分岐経路H,J側へ寄せて供給(搬入)され、転換設備Aでは、物品支持体50群上に搬入された物品Dを分岐経路H,J側へ寄せて搬送している。そして物品横押し体52の1個を、物品Dの側方で、かつ搬送方向の前部に作用させて分岐経路H,J側へ斜め姿勢とし、この斜め姿勢とした物品Dを駆動ローラ63により引き込むことにより分岐経路H,Jへ分岐する制御構成としている。
【0046】
すなわち、転換設備Aへ物品Dが分岐経路H,J側の側部に寄せては搬入され、分岐経路H,Jより上流位置に配置した光電センサ59により検出されると、光電センサ59位置を通過している物品横押し体52を求め、すなわち物品Dの先端に位置する物品横押し体52を求め、続いて光電センサ59により物品Dが検出されている時間により物品Dの長さ(搬送方向の長さ)Wを測定する。そして、前記先端に位置する物品横押し体52から上流方向に数えて、物品Dを分岐経路H,J側へ向けて斜め姿勢とさせることが可能な物品Dの前方の位置、すなわち物品Dの先端から少し中央寄りで、物品全長Wの4分の1〜3分の1の前方長さ位置付近に対向して中心(ローラ軸53)が位置する1個の物品横押し体52を求めて特定する。
「分岐の作用」
物品Dを分岐経路HまたはJへ分岐するとき、この特定した物品横押し体52が、分岐する分岐経路HまたはJの振り分け手段72の位置へ到達すると、振り分け案内体82を駆動して移動案内部73へ分岐する。
【0047】
すると、図1に示すように、この分岐により移動案内部73に案内された物品横押し体52は、物品Dの4分の1〜3分の1の長さ位置に接触して作用し(横押しし)、物品支持体50により連続搬送されている物品Dは前部が分岐経路H,J方向へ回転し斜め姿勢となる。すると、分岐経路HまたはJ側に位置する駆動ローラ63に、物品Dはその前端から引き込まれ、この引き込む力と、物品Dを搬送している力と、物品横押し体52により押される力が重なって、物品Dは分岐コンベヤ60へ移動し、よって分岐される。また移動案内部73の終端では、物品横押し体52は分岐コンベヤ60の搬送方向下流側側部に位置することから、物品Dは、分岐経路H,Jの搬送方向下流側で完全に斜め姿勢とされ、分岐コンベヤ60に確実に搬出される(分岐される)。
【0048】
したがって、分岐コンベヤ60の間口は、仕分けられる物品Dの横幅(搬送方向とは直角な方向の長さで、通常は物品Dの短軸方向の長さ)の最大値でよく、分岐コンベヤ60に通常の物品搬送用コンベヤ装置が適用される(使用できる)。なお、1個の物品横押し体52が物品Dの重心を押すようにすると、物品Dは姿勢を維持したまま、平行に移動して分岐経路H,Jに搬出されるため、仕分けられる物品Dの長さ(搬送方向の長さで、通常は長軸方向の長さ)Wの最大値を間口とした分岐経路が必要となり、分岐経路H,Jが大型化されてしまい、実際的ではない。
【0049】
このように物品Dは、分岐されるとき斜め姿勢とされるが、このとき後端部が後方へ膨らむ(飛び出す)最大の長さ(搬送方向の長さ)Xは、物品Dの幅(搬送方向とは直角な方向の長さ)Lにsinθ(θは、移動案内部73の搬送方向からの取り付け角度)を乗算したものとなる。また物品Dの幅Lの最大値は、予め特定されることから、物品Dの後端部が後方へ飛び出す長さXの最大値は特定される。また物品横押し体52は、物品Dの先端から少し中央寄りで、物品全長Wの4分の1〜3分の1の前方長さ位置に作用することため、物品横押し体52の先端が物品Dの前端(先端)から前方へ飛び出すことはない。したがって、物品Dと物品Dの間隔は、物品Dの後端部が後方へ飛び出す長さXの最大値以上であればよい。このことから、上記切り出しコンベヤ装置Cが、搬送されてきた物品Dを切り出す間隔(前記所定の間隔)は、物品Dの後端部が後方へ飛び出す長さXの最大値に設定している。
【0050】
上記構成による、物品Dの搬送および分岐の動作を説明する。
切り出しコンベヤ装置Cは、搬送されてきた物品Dを光電センサGを使用して前記所定の間隔以上で幅寄せ用ローラコンベヤ装置Bへ搬出しており、幅寄せ用ローラコンベヤ装置Bにより、物品Dは、その間隔が維持され搬送されながら分岐経路H,J側(図では搬送方向に向って右側)に寄せられて転換設備Aへ搬出される。
【0051】
転換設備Aでは、上述したように物品支持体50群が循環移動されており、分岐経路H,J側に寄せて始端部の物品支持体50群上に搬入された物品Dは主搬送経路Gに沿って搬送される。そして、光電センサ59を使用して物品Dの長さWが求められ、物品支持体50群により搬送されている物品Dの先端から少し中央寄りで、物品全長Wの4分の1〜3分の1の前方長さ位置付近に対向して中心(ローラ軸53)が位置する1個の物品横押し体52を特定して、この特定した物品横押し体52が、分岐する分岐経路H,Jの振り分け手段72の位置へ到達すると、振り分け案内体82を駆動して移動案内部73へ分岐する。
【0052】
振り分け案内体82は物品D(物品全長Wの4分の1〜3分の1の前方長さ位置)に作用して物品Dを分岐経路HまたはJ側に傾斜させ、分岐経路HまたはJ側に位置する駆動ローラ63に、物品Dはその前端から引き込まれ、この引き込む力と、物品Dを搬送している力と、物品横押し体52により押される力が重なって、物品Dは分岐コンベヤ60へ移動し、よって分岐される。
【0053】
このとき、物品Dの間隔は、上記所定の間隔以上、すなわち物品Dの後端部が後方へ飛び出す長さXの最大値以上とされていることにより、物品Dは接触することなく、また作用している物品横押し体52が、物品Dの先端から飛び出すことはなく、前方を移動している物品Dに作用することはない。
以上のように本実施の形態によれば、物品Dは予め物品支持体50の分岐経路H,J側へ寄せて搬送されており、1個の物品横押し体52が、物品Dの側方で、かつ搬送方向の前部に作用すると、物品Dは分岐経路H,J側へ斜め姿勢とされ、駆動ローラ63により引き込まれて分岐経路H,Jへ分岐される。このように1個の物品横押し体52のみが物品Dの前部に作用し、かつ物品横押し体52が物品Dの先端より前方で出ることがないことにより、物品Dと物品D同士の間隔が、物品横押し体52に押されて斜め姿勢となったときに後方へ膨らむ寸法だけ空いていれば、物品D同士が接触することを避けることができ、よって物品Dの間隔を狭くでき、仕分け効率を改善できる。
【0054】
また本実施の形態によれば、移動案内部73に案内された物品横押し体52は、移動案内部73の終端では、分岐経路H,Jの搬送方向下流側の側部に位置し、物品Dは、分岐経路H,Jの搬送方向下流側で完全に斜め姿勢とされ、分岐経路H,Jに搬出(分岐)されることにより、分岐経路H,Jの間口は、仕分けられる物品Dの横幅Lの最大値であればよく、分岐経路H,Jに通常の物品搬送用コンベヤ装置を適用でき、コストを低減できる。
【0055】
また本実施の形態によれば、物品横押し体52により物品Dが斜め姿勢とされ、駆動ローラ63に掛かると、物品Dは駆動ローラ63により確実に分岐経路H,J側に引き込まれることにより、分岐を確実に行うことができる。なお、駆動ローラ63は、転換設備Aに設けられており、分岐経路H,J側に設備の要求はされない。
【0056】
なお、本実施の形態では、駆動ローラ63を2本のローラとして直径を抑えて上下方向にスペースをとることを避けているが、1本とすることも可能である。
また本実施の形態では、物品横押し体52が物品Dに作用する面を、移動案内部73の搬送方向からの取り付け角度θに合わせて傾斜させた面としているが、このような作用する面を、平たい面とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態における搬送設備の動作を説明する構成図である。
【図2】同搬送設備の概略平面図である。
【図3】同搬送設備における一部斜視図である。
【図4】同搬送設備の概略側面図である。
【図5】同搬送設備の一部切り欠き正面図である。
【図6】同搬送設備の要部一部切り欠き正面図である。
【図7】同搬送設備の往路案内装置を示す図であり、(a)は平面図、(b)は要部拡大平面図である。
【図8】同搬送設備の復路案内装置の平面図である。
【符号の説明】
【0058】
A 転換設備
B 幅寄せ用ローラコンベヤ装置
C 切り出しコンベヤ装置
D 物品
G 主搬送経路
H,J 分岐経路
L 物品の幅
W 物品の長さ
X 物品の後端部が後方へ飛び出す長さ
1 本体フレーム
34 駆動装置
40 無端チェーン(無端回動体)
50 物品支持体
51 長さ方向
52 物品横押し体
53 ローラ軸(支持軸)
54 案内ローラ(被案内体)
59 光電センサ
60 分岐コンベヤ
63 駆動ローラ
64 回転軸
65 軸受け
66 駆動モータ
67 無端ベルト(無端回動体)
70 往路案内装置(案内装置)
72 振り分け手段
96 復路案内装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を載置して主搬送経路に沿って搬送する複数の物品支持体を備え、これら各物品支持体にそれぞれ、物品支持体に外嵌して案内されて物品支持体上の物品の側方に作用し、物品を物品搬送方向とは直角な左右方向へ移動させる物品横押し体を設け、
前記物品を前記物品支持体に支持して搬送するとともに、前記物品横押し体を物品支持体上の物品の側方に作用させて、設備左右方向で外方に配置された複数の分岐経路の一つへ搬出する搬送設備であって、
前記各分岐経路位置にそれぞれ、前記物品横押し体により作用された物品を前記分岐経路側へ引き込む引き込み手段を設け、
前記物品を前記物品支持体上に前記分岐経路側へ寄せて供給し、前記物品横押し体の一つを、前記物品の側方で、かつ搬送方向の前部に作用させて前記分岐経路側へ斜め姿勢とし、この斜め姿勢とした物品を前記引き込み手段により引き込むことにより前記分岐経路へ分岐する構成としたこと
を特徴とする搬送設備。
【請求項2】
前記物品横押し体を前記物品支持体に案内させて前記分岐経路側へ移動させる移動案内部を設け、この移動案内部の前記分岐経路側の端部を、前記分岐経路の搬送方向下流側の側部位置に合わせて配置したこと
を特徴とする請求項1に記載の搬送設備。
【請求項3】
前記引き込み手段を駆動ローラにより構成したこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の搬送設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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