携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置、システム及びプログラム
【課題】 キャディのお助けマンとして、プレーヤーに正確な距離のアドバイスを与えられる携帯型装置を提供する。
【解決手段】キャディからピンまでの距離とティーグランドまでの距離71は表示ホール図59の左上に常に表示される。また、キャディが表示ホール図59上のプレーヤーのティーアップした位置をペンタッチし、続いてプレーヤーがドライバーショットをした後にキャディが表示ホール図67上のプレーヤーAのボールの実際到達位置をペンタッチすると、ボールの飛距離および残りのピン位置までの距離71を示すアドバイス画面65を作成・表示する。従って、キャディはその画面65を見てプレーヤーAに「235ヤード飛んでいます。ピンまでは159ヤードあります。」と距離を正確にアドバイスできる。
【解決手段】キャディからピンまでの距離とティーグランドまでの距離71は表示ホール図59の左上に常に表示される。また、キャディが表示ホール図59上のプレーヤーのティーアップした位置をペンタッチし、続いてプレーヤーがドライバーショットをした後にキャディが表示ホール図67上のプレーヤーAのボールの実際到達位置をペンタッチすると、ボールの飛距離および残りのピン位置までの距離71を示すアドバイス画面65を作成・表示する。従って、キャディはその画面65を見てプレーヤーAに「235ヤード飛んでいます。ピンまでは159ヤードあります。」と距離を正確にアドバイスできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にキャディが携帯して、ゴルフのプレーヤーにボールの距離をアドバイスする場合に有用な、携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置と、該携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置を有効に実現するためのゴルフプレー用距離アドバイスシステムおよびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴルフのプレー中には、キャディにはプレーヤーから距離のアドバイスを求められる場合が多いが、キャディは過去の経験とカンに頼って大体の距離を告げることによりアドバイスしているのが現状であり、そのアドバイスは必ずしも正確なものでなく、キャディの経験によってもかなりの差がある。従って、プレーヤーから距離が間違っているのではないかとクレームをつけられることもある。
また、距離のアドバイスを求められた場合、キャディのいる位置とボールの位置が離れている場合には、多くのキャディはボールの位置まで行って見当をつけており、手間がかかる上に時間もかかる。
さらに、キャディから正確な距離のアドバイスをもらえないと、プレーヤーはボールの位置に行ってそこで使用するクラブを決めることになり、そうなるとプレーヤーがキャディに対してそこまでクラブを持ってくることを要求する場合が多い。従って、この場合も、キャディはボールの位置までクラブを持っていくことになり、手間がかかる上に時間もかかる。
【0003】
上記のようなやりとりが続くと、プレーヤーが欲求不満になるだけでなく、キャディにも肉体的且つ心理的な負担がかかり、さらに、プレー時間も長くなりゴルフ場の稼動率が悪くなる悪循環に陥る可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それ故、本発明は、上記課題を解決するために、キャディがプレーヤーに正確な距離のアドバイスを与えることを可能とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置を有効に実現するためのゴルフプレー用距離アドバイスシステムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、コース毎にピン位置およびティーグランド位置データが格納される基本情報データファイルと、キャディ等の所持者の現在位置を取得して出力する所持者位置情報取得手段と、前記所持者位置情報取得手段で出力された所持者の位置から前記基本情報データファイルに格納されたピン位置までの距離(P(所持者)距離)およびティーグランド位置までの距離(T距離)をそれぞれ算出する所持者用距離算出手段と、ホール図画像と位置情報を含むホール図データベースと、前記所持者位置情報取得手段で出力された所持者の位置情報に基づいて前記ホール図データベースから表示すべきホール図画像及びその表示範囲を決定する表示ホール図作成手段と、表示位置と関連付けた所持者の位置マークと、前記所持者用距離算出手段で算出されたP(所持者)距離とT距離の表示データを作成する付加情報作成手段と、前記表示ホール図作成手段で作成されたホール図と前記付加情報作成手段で作成された付加データを所定の合成手順に従って合成してアドバイス画面を作成するアドバイス画面作成手段と、前記アドバイス画面作成手段で作成されたアドバイス画面を表示するディスプレイと、を備えることを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、さらに、前記ディスプレイに併設されたタッチパネルと、前記タッチパネルのタッチ位置を表示ホール図における位置に換算すると共に、第1タッチ位置をボールのショット前位置として出力し、第2タッチ位置をショット後のボールの予想到達位置または実際到達位置として出力するボール位置情報作成手段と、前記ボール位置情報作成手段で第1タッチ位置のみ検出された場合にはボールのショット前位置としての第1タッチ位置から基本情報データファイルに格納されたピン位置までの距離(P(ボール)距離)を算出し、第2タッチ位置も検出された場合にはボールのショット前位置としての第1タッチ位置からショット後のボールの予想到達位置または実際到達位置としての第2タッチ位置までの距離(D距離)と、第2タッチ位置から前記ピン位置までの距離(P(ボール)距離)を算出するボール用距離算出手段とを含み、付加情報作成手段では、さらに、前記タッチ位置を示すマークと前記ボール用距離算出手段で算出されたP(ボール)距離とD距離の表示データを作成することを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置である。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、ボール位置情報作成手段では、第2タッチ位置が検出された後に第3タッチ位置が検出されると、前記第3タッチ位置を前記第2タッチ位置に差替えることを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置である。
【0008】
請求項4の発明は、請求項2または3に記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、さらに、所持者によるボール位置情報の削除操作が検出されると、第1タッチ位置および有る場合には第2タッチ位置、並びに前記タッチ位置に基づく距離のデータを削除する付加情報削除手段を備えることを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置である。
【0009】
請求項5の発明は、請求項2から4のいずれかに記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、付加情報作成手段では、さらに、ボール用距離算出手段で算出されたP(ボール)距離間のラインと、有る場合にはD距離間のラインの描画データを作成することを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置である。
【0010】
請求項6の発明は、請求項2から5のいずれかに記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、付加情報作成手段では、さらに、ボール用距離算出手段で算出されたP(ボール)距離とD距離を示す拡大画像を作成し、アドバイス画像作成手段では、さらに、前記付加情報作成手段で作成された拡大文字を所定時間だけ合成することを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置である。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかに記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、さらに、ピン位置およびティーグランド位置を設定する基本情報設定手段を備えることを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置である。
【0012】
請求項8の発明は、請求項7に記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、基本情報設定手段と所持者位置情報取得手段では、GPS、ビーコン等の側位電波を受信して位置情報を取得することを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置である。
【0013】
請求項9の発明は、コンピュータを請求項1から8のいずれかに記載したゴルフプレー用距離アドバイス装置として機能させるプログラムである。
【0014】
請求項10の発明は、請求項1から8のいずれかに記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置と、前記装置と物理的に分離可能な管理手段とを有するゴルフプレー用距離アドバイスシステムにおいて、前記携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置がピン位置を設定する基本情報設定手段を備え、前記管理手段が、前記携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置で設定されたピン位置データを収集するデータ収集手段と、必要なピン位置データが全て収集されたか否かを判断するデータ判断手段と、データが不足の場合にはその旨を通知して補充計測を促す通知画面を作成する通知画面作成手段と、前記通知画面作成手段で作成された通知画面を表示するディスプレイと、要求に応じて前記データ収集手段で収集されたピン位置データを前記携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置に提供するデータ提供手段と、を有していることを特徴とするゴルフプレー用距離アドバイスシステムである。
【0015】
請求項11の発明は、コンピュータを請求項10に記載したゴルフプレー用距離アドバイスシステムにおける管理手段として機能させるプログラムである。
【0016】
請求項12の発明は、コンピュータを請求項10に記載したゴルフプレー用距離アドバイスシステムにおける携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置をキャディが用いれば、キャディの位置を基準とする距離データが常に得られるので、キャディの経験に関係なく、常に正確な距離をプレーヤーにアドバイスできる。さらに、表示ホール図上にペンタッチによりボール位置等を指定するとペンタッチ位置を基準とすることにより正確な距離データが得られるので、より正確な距離をプレーヤーにアドバイスできる。
また、いずれの距離データも視認可能に表示されているので、即座にプレーヤーにアドバイスできる。
さらに、ピン位置等のデータは管理手段が一括して管理できるので、入力作業も分担でき、しかも入力漏れも回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態に係る携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置1を図面に従って説明する。
図1は距離アドバイス装置1を示し、この距離アドバイス装置1はコンピュータで構成されており、中央処理装置3と、位置を計測するための測位電波(ここでは、GPS+ビーコン)を受信して位置を計測するための電波処理部5と、入力部としてのボタン部7およびタッチパネル9と、タッチパネル9をタッチするためのタッチペン10と、表示部としてのディスプレイ11と、外部記憶装置としてのSDカード13とを備えており、中央処理装置にはプログラムを読み出してデータ処理や制御を行う処理部(CPU)15と、プログラムやデータが格納されたROMやプログラム実行のためのワークエリアや一時記憶エリアとして機能するRAMとを有する記憶部17と、画像の表示時間を監視する時計19と、画像メモリが併設された画像処理部21と、電波処理部5やSDカード13等との間でデータの送受信を行うための入出力インターフェース23とが含まれる。タッチパネル9はディスプレイ11の表示部上に配設されている。
SDカード13に距離アドバイス装置1を機能として実現するための距離アドバイスプログラム(専用プログラム)およびOS並びに各種データファイルやデータベースが格納されており、CPU15が距離アドバイスプログラムおよびOSに従って処理を進めると、各手段が動作して距離アドバイス装置1が機能として実現される。
【0019】
図2、図3は距離アドバイス装置1の論理構成図を示す。以下、手段毎に説明する。
基本情報ファイル25にはコース毎にピン位置およびティーグランド位置(緯度、経度)のデータが格納されており、ホール図データベース27にはゴルフ場のホール図画像と位置情報(緯度、経度)のデータが格納されており、付加情報ファイル29には、マーク、文字、数字、線図描画データなどが格納されている。
【0020】
所持者位置情報取得手段31は電波処理部5から受取った所持者の位置データを逐次出力する。
所持者用距離算出手段33は、所持者位置情報取得手段31から位置データを受取ると基準情報ファイル25を読み出し、キャディの立っている位置からピン位置までの距離(P(キャディ)距離)と、キャディの立っている位置からティーグランド位置までの距離(T距離)をそれぞれ逐次算出して出力する。
表示ホール図作成手段35は、所持者位置情報取得手段31からキャディの立っている位置データを受取るとホール図データベース27を読み出し、そのデータの位置を原点のY(縦)座標とする表示ホール図を作成する。ホール図の縦方向はディスプレイ11上に全表示できないので、原点のY(縦)座標をディスプレイ11に対応した縦長四角形のホール図の表示領域の下から約1cmの位置に設定されている。
【0021】
ボール位置情報作成手段37は、キャディがタッチパネル9をペンタッチすると、表示ホール図作成手段35で作成された表示ホール図を読み出し、タッチ位置が表示ホール図上のどの位置(緯度、経度)に対応するかを換算しボール位置データを作成して出力する。その際、第1タッチ位置をボールのショット前位置として出力し、第2タッチ位置が有る場合にはその位置をショット後のボールの予想到達位置または実際到達位置として出力する。また、第3タッチ位置が出力されると、その位置を第2タッチ位置として差替える。
ボール用距離算出手段39は、ボール位置情報作成手段37で第1タッチ位置のみ検出された場合にはボールのショット前位置としての第1タッチ位置から基本情報ファイル25に格納されたピン位置までの距離(P(ボール)距離)を算出し、第2タッチ位置も検出された場合にはボールのショット前位置としての第1タッチ位置からショット後のボールの予想到達位置または実際到達位置としての第2タッチ位置までの距離(D距離)と、第2タッチ位置から前記ピン位置までの距離(P(ボール)距離)を算出して出力する。
【0022】
付加情報作成手段41は、所持者位置情報取得手段31や所持者用距離算出手段33やボール位置情報作成手段37やボール用距離算出手段39からデータを受取ると付加情報ファイル29を読み出す。そして、キャディの立っている位置データを受取ると表示位置と関連付けた所持者の+マークを作成し、所持者用距離のデータを受取ると表示位置と関連付けたP(所持者)距離とT距離の文字・数字で構成される表示データを作成し、ボールの位置データを受取ると表示位置と関連付けたボールの位置のタッチマークを作成し、ボール用距離のデータを受取ると表示位置と関連付けたP(ボール)距離とD距離の文字・数字で構成される表示データを作成する。また、ボール用距離算出手段39で算出されたP(ボール)距離間のラインと、有る場合にはD距離間のラインの描画データを作成する。
【0023】
キャディが動くと、所持者位置情報取得手段31から出力される位置情報が変わるのでそれに伴い、表示ホール図は切り替わり、P(所持者)距離とT距離の表示データも変更されるが、P(ボール)距離とD距離の文字・数字で構成される表示データはそのまま表示される。
なお、キャディがボタン部7を操作してボール位置情報の削除を要求すると、付加情報削除手段43が第1タッチ位置および有る場合には第2タッチ位置、並びに前記タッチ位置に基づく距離のデータを削除する。
【0024】
アドバイス画面作成手段45は、表示ホール図作成手段35から表示ホール図データを受取り、付加情報作成手段41から各種表示データを受取ると、画面を所定の合成手順(合成領域、表示時間など)に従って合成してアドバイス画面を作成して出力する。ディスプレイ11はアドバイス画面を受取ると表示する。
【0025】
基本情報設定手段47は基準情報の設定画面を作成し、ディスプレイ11に設定画面を表示させる。
距離アドバイス装置1の所持者であるカップ切りの作業者がカップを切った位置で設定画面上の所定の表示ボタンをペンタッチすると、基本情報設定手段47はタッチ位置を所持者位置情報取得手段31で出力された所持者の位置データと関連付けてティーグランド位置として基本情報ファイル25に格納する。また、距離アドバイス装置1の所持者であるキャディがティーグランド位置に立って設定画面上の設定ボタンS,L,F,R,B,FB,C,Pをペンタッチすると、基本情報設定手段47はタッチ位置を所持者位置情報取得手段31で出力された所持者の位置データと関連付けてピン位置として基本情報ファイル25に格納する。
【0026】
図4は距離アドバイスシステム101の説明図を示す。
この距離アドバイスシステム101は、複数の距離アドバイス装置1と、管理手段としてのコンピュータ103により構成されている。コンピュータ103にも、中央処理装置と、入力部としてのキーボードと、表示部としてのディスプレイとを備えている。中央処理装置にはプログラムを読み出してデータ処理や制御を行う処理部(CPU)と、プログラムやデータが格納されたROMやプログラム実行のためのワークエリアや一時記憶エリアとして機能するRAMとを有する記憶部と、SDカード13等との間でデータの送受信を行うための入出力インターフェースとが含まれており、CPUがOS及び専用プログラムである管理プログラムに従って処理を進めると、各手段が動作して管理手段が機能として実現される。
【0027】
図5は、管理手段103の論理的構成図を示す。以下、手段毎に説明する。
データ収集手段105は装着されたSDカード13の基本情報ファイルに格納されたコース毎のピン位置データを収集し、データ判断手段107は必要なピン位置データが全て収集されたか否かを判断して結果を出力し、通知画面作成手段109はデータが不足の場合にはその旨を表示して補充計測を促す通知画面を作成してディスプレイ11に表示させる。データ保存手段111は装着されたSDカード13にコース毎のピン位置データをコピーする。
この管理手段103を利用すると、複数の距離アドバイス装置1を使用してピン位置データを収集でき、しかもそのデータの収集漏れを監視できる。
【0028】
以下、フローチャートに従って説明する。
図6、図7は、カップを切る作業者によるピン位置の設定処理のフローチャートである。フローチャートの右側には、設定処理に従って距離アドバイス装置1のディスプレイ11に表示される画面が示されている。
作業者により距離アドバイス装置1の電源ONボタンが押されると、図示しない初期画面画面作成手段が動作して「設定」と「プレー」のメニューボタンが表示された初期画面51を作成・表示する(ステップS1)。作業者が「設定」ボタンをペンタッチすると基本情報設定手段47が動作して設定モードに入る(ステップS2)。先ず、グリーンの設定画面53を作成・表示する(ステップS3)。作業者がいずれかの「グリーン」をペンタッチすると(ステップS4)、プレーコースの設定画面55を作成・表示する。(ステップS5)。続いて、作業者がいずれかの「プレーコース」をペンタッチすると(ステップS6)、計測画面を作成・表示する(ステップS7)。
【0029】
作業者がカップを切り、その場所で「計測」ボタンをペンタッチした後「OK」ボタンをペンタッチすると(ステップS8)、ペンタッチされたときに電波処理部5から出力された位置をピン位置と設定して基本情報ファイル25に格納する(ステップS9)。
また、作業者がカップを切り直した場合には、その場所で「再測」ボタンをペンタッチした後「OK」ボタンをペンタッチすると、ペンタッチされたときに電波処理部5から出力された位置をピン位置と再設定して基本情報ファイル25の情報を上書きする。
作業者が「次のホール」ボタンをペンタッチすると、次のホールの設定画面を作成・表示する。ホールはプルダウンメニューからも選択できる。
なお、「コース移動」ボタンをペンタッチすると、プレーコースの設定画面55を作成・表示する。
【0030】
NO.9ホールまでの計測が終了した後、作業者が「終了」ボタンをペンタッチすると(ステップS10)、全てのホールのピン位置のデータが入力されているか否かを判断する(ステップS11)。全て入力済みの場合は、プレーコースの設定画面55を作成・表示する。作業者がこの画面55の「終了」ボタンをペンタッチすると、初期画面に戻して終了する。
一方、未入力の場合は、どのホールが未入力かを通知する通知画面61を作成・表示する(ステップS12)。作業者が「OK」ボタンをペンタッチすると(ステップS13)、未入力ホールの計測画面57を作成・表示して入力を促す。作業者が「終了」ボタンをペンタッチすると未入力でも強制終了する。
基本情報ファイル25はSDカード13に格納されている。
【0031】
データの管理者は、ピン位置データの設定処理を終えた作業者から距離アドバイス装置1を回収し、SDカード13に格納されたデータをデータ収集手段105等により処理する。その際、データが不足している場合には、例えば、「No.6,No.7が未入力の為、処理できません。」の通知画面を作成・表示する。
そして、プレー前に必要な全てのデータをSDカード13に格納した上で、そのSDカード13を距離アドバイス装置1に装着する。
これで、キャディが使用できる状態となる。カップを切る作業者が切った位置をピン位置として簡単に且つ正確に計測できるとともに、未入力チェックも距離アドバイス装置1側だけでなく管理手段103側でもできるので、キャディには全て必要なデータが入力済みのものを確実に提供できる。
【0032】
距離アドバイス装置1の使用方法をフローチャートに従って説明する。
図8はスタート前のキャディによるティーグランド設定処理のフローチャートである。フローチャートの右側には、キャディの設定処理に従って距離アドバイス装置1のディスプレイ11に表示される画面が示されている。
キャディにより距離アドバイス装置1の電源ONボタンが押されると、図示しない初期画面画面作成手段が動作して「設定」と「プレー」のボタンが表示された初期画面51を作成・表示する(ステップS1)。キャディが「設定」ボタンをペンタッチすると(ステップS2)、基本情報設定手段47が動作して、先ず、プレーコースの設定画面55を作成・表示する(ステップS3)。キャディがいずれの「コース」のタッチボタンをペンタッチすると(ステップS4)、ティーグランドの設定画面63を作成・表示する(ステップS5)。キャディがいずれの「ティーグランド」のタッチボタンをペンタッチすると(ステップS6)、電波処理部5から受取った位置情報と関連付けて基本情報ファイル25に格納して(ステップS7)、初期画面に戻して作業を終了する。
【0033】
図9はプレー開始後のキャディのアドバイス時のフローチャートである。
距離アドバイス装置1のディスプレイ11に初期画面51が表示されているので(ステップS1)、キャディが「プレー」ボタンをペンタッチすると表示ホール図作成手段35等が動作してホール表示図と付加情報を合成したアドバイス画面を作成・表示する(ステップS2)。
図10はプレースタート前のアドバイス画面65を示す。所持者位置情報取得手段31は逐次キャディの位置情報を出力しており、キャディがホール表示図(基本図)表示領域に入ると、表示ホール図作成手段35はキャディのいるホールのホール表示図(基本図)67を作成し、付加情報作成手段41は所持者用距離算出手段33が算出したP(所持者)距離およびT距離70と、キャディの立っている位置のマーク、即ち「+」マーク69を作成し、それらを合成してアドバイス画面65を作成・表示している。
【0034】
プレーヤーがキャディにドライバーショットの飛距離のアドバイスを求めるシーンにおける使用方法を説明する。
キャディの位置を基準としたピン位置までの距離やティーグランドまでの距離はディスプレイの左上に常に表示されているので、ドライバーショット付近にキャディが移動すれば、このデータを基にアドバイスをすることができる。
更に正確なデータを得たい場合には、キャディが表示ホール図67上のプレーヤーAのティーアップした位置をペンタッチする。ティーアップする位置はその日によって若干変わるが、その正確な位置をペンタッチにより検出するので正確な飛距離が算出できる。キャディがペンタッチすると、ボール位置情報作成手段37からボールのショット前位置が出力され、付加情報作成手段41はボール用距離算出手段37が算出したP(ボール)距離71とその位置を示すタッチマーク73と距離間のライン75を作成しそれらを合成して、図11に示すように上記した付加情報付き画面を作成・表示する。
なお、中央に表示されたP(ボール)距離を示す拡大画像77は数秒間だけ合成表示する(以下、同様である)。
【0035】
そしてショット後のボールを確認した後に表示ホール図67上におけるプレーヤーAのボールの実際到達位置をペンタッチする。ペンタッチにより位置を指定しているのでキャディはカートから降りてボールの位置までは行く必要はない。
ペンタッチを検出すると、ボール位置情報作成手段37がボールの実際到達位置を出力し、付加情報作成手段41はボール用距離算出手段39が算出したP(ボール)距離およびD距離71とその位置を示すタッチマーク73と距離間のライン75を作成し、それらを合成して図12に示すようにプレーヤーA用のアドバイス画面65を作成・表示する。なお、中央に表示されたP(ボール)距離とD距離を示す拡大画像77は数秒間だけ合成表示する(以下、同様である)。
キャディはアドバイス画面65を見てプレーヤーAに「235ヤード飛んでいます。ピンまでは154ヤードあります。」とアドバイスする。
【0036】
続いてプレーヤーBがキャディにドライバーショットの飛距離のアドバイスを求めた場合には、キャディがプレーヤーBのボールの実際到達位置をペンタッチする。
ペンタッチを検出すると、ボール位置情報作成手段37が新たなボールの実際到達位置を出力し、付加情報作成手段41はボール用距離算出手段39が算出したP(ボール)距離およびD距離71とその位置を示すタッチマーク73と距離間のライン75を作成し、それらを合成してプレーヤーB用のアドバイス画面を作成する。
【0037】
上記したように、二人目以降のプレーヤー用のアドバイス画面を作成するには、ボールの実際到達位置をキャディが順にペンタッチしていくだけで良い。
プレーヤーが全てドライバーショットをし終えると、キャディがボタン部の削除ボタンを押す。押下を検出すると、付加情報削除手段43がペンタッチした位置(第1タッチ位置及び第2タッチ位置)のデータを削除し、タッチマーク69も画面から消去する。
このように、第1タッチ位置(ここではティーグランド)はキャディによる削除操作が検出された場合にのみ削除される構成にすることで誤削除を防止している。
【0038】
ピンを狙う2打目付近でプレーヤーAがキャディにピンやピンの手前にある池までの距離のアドバイスを求めるシーンにおける使用方法を説明する。
表示ホール図67上におけるプレーヤーAのボールのショット前位置をペンタッチする。
ペンタッチを検出すると、ボール位置情報作成手段37がボールのショット前位置を出力し、付加情報作成手段41はボール用距離算出手段39が算出したP(ボール)距離71とその位置を示すタッチマーク73と距離間のライン75を作成し、それらを合成して図13に示すようにプレーヤーA用のアドバイス画面を作成・表示する。
キャディはアドバイス画面を見てプレーヤーAに「Aさんのボールからピンまで154ヤードあります。」とアドバイスする。
【0039】
次に、池の奥の地点をペンタッチする。
ペンタッチを検出すると、ボール位置情報作成手段37がボールのショット前位置を出力し、付加情報作成手段41はボール用距離算出手段39が算出したP(ボール)距離およびD距離71とその位置を示すタッチマーク73と距離間のライン75を作成し、それらを合成して図14に示すようにプレーヤーA用のアドバイス画面を作成・表示する。
キャディはアドバイス画面を見てプレーヤーAに「Aさんのボールから池を越えるのに142ヤード、そこからピンまで14ヤードあります。」とアドバイスする。
【0040】
プレーヤーAはカート付近でこれらのアドバイスを受取ると、適切なクラブを持ってボール位置まで歩いていく。従って、キャディはボール位置までクラブを運ばなくて済む。
なお、プレーヤーAが池の前までの距離も尋ねた場合には、池の前をペンタッチすればボール位置情報作成手段37がそのペンタッチ位置を新たなボールの予想到達距離として出力するので、それを基に付加情報作成手段41が新たにP(ボール)距離およびD距離71とそれらの位置を示すタッチマーク73と距離間のライン75を作成する。
【0041】
プレーヤーAが実際にショットした後は、キャディがカートに乗ってボール付近まで行き、ボールの実際到達位置をペンタッチする。
ペンタッチを検出すると、ボール位置情報作成手段37がボールの実際到達位置を出力し、付加情報作成手段41はボール用距離算出手段39が算出したP(ボール)距離およびD距離71とそれらの位置を示すタッチマーク73と距離間のライン75を作成する。
なお、ボール位置情報作成手段37はボールの予想到達距離と実際到達距離とを区別して作成しているわけではなく、ここでは説明の便宜のために使い分けている。
【0042】
上記のプレーヤーAのデータについては、キャディがボタン部の削除ボタンを押すと、上記と同様に付加情報削除手段43がペンタッチした位置(第1タッチ位置及び第2タッチ位置)のデータを削除し、タッチマーク73もアドバイス画面65から消去する。
プレーヤーBについてのアドバイスも、キャディが同様に距離アドバイス装置1を操作することにより行う。
その後、そのホールでのプレーが終了した後、キャディが次のホールに入ると、そのホールについてのホール表示図を作成・表示する。
【0043】
図16は表示ホール図の基本図(100%)とその拡大図を示す。ボタン部7の拡大・縮小ボタンを押すと、図16に示すように表示ホール図を拡大・縮小する。拡大・縮小表示における原点のY座標はキャディの位置を、X座標は基本図の中心位置をそれぞれ採用している。なお、キャディの位置は常に表示ホール図に表示する設定になっており、拡大したときにキャディの位置が表示ホール図から外れる場合には、キャディの位置が端に表示されるように原点の位置が補正される。
【0044】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の具体的構成が上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨から外れない範囲での設計変更があっても本発明に含まれる。
例えば、1個の距離アドバイス装置1で全ての基本情報を設定し、設定した基本情報が基本情報ファイル25に直接格納される態様にしてもよい。
また、データのやりとりは、SDカードに限らず、その他の外部記憶装置や通信回線を利用することも勿論可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の距離アドバイス装置は操作が簡単でしかも携帯に適しているので、キャディに携帯させれば、キャディがそのコースに不慣れでもプレーヤーに正確な距離のアドバイスを即座に提供でき、キャディのアドバイスを単に助けるだけでなく、プレーヤーが欲求不満にならず、プレー時間も必要以上に長くならなくなり、ゴルフ場の稼動率が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態に係る距離アドバイス装置を示す。
【図2】図1の距離アドバイス装置の論理構成図である。
【図3】図1の距離アドバイス装置の論理構成図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る距離アドバイスシステムの説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る距離アドバイスシステムの備える管理手段の論理的構成図である。
【図6】カップを切る作業者によるピン位置の設定処理のフローチャートである。
【図7】カップを切る作業者によるピン位置の設定処理のフローチャートである。
【図8】スタート前のキャディによるティーグランド設定処理のフローチャートである。
【図9】プレー開始後のキャディのアドバイス時のフローチャートである。
【図10】プレースタート前のアドバイス画面を示す。
【図11】プレー中のアドバイス画面を示す。
【図12】プレー中のアドバイス画面を示す。
【図13】プレー中のアドバイス画面を示す。
【図14】プレー中のアドバイス画面を示す。
【図15】プレー中のアドバイス画面を示す。
【図16】表示ホール図の基本図(100%)とその拡大図を示す。
【符号の説明】
【0047】
1‥‥携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置
5‥‥電波処理部(GPS+ビーコン) 9‥‥タッチパネル
11‥‥ディスプレイ 13‥‥SDカード
25‥‥基本情報ファイル 27‥‥ホール図データベース
29‥‥付加情報ファイル
31‥‥所持者位置情報取得手段 33‥‥所持者用距離算出手段
35‥‥表示ホール図作成手段 37‥‥ボール位置情報作成手段
39‥‥ボール用距離算出手段 41‥‥付加情報作成手段
43‥‥付加情報削除手段 45‥‥アドバイス画面作成手段
47‥‥基本情報設定手段
101‥‥携帯型ゴルフプレー用距離アドバイスシステム
103‥‥管理手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にキャディが携帯して、ゴルフのプレーヤーにボールの距離をアドバイスする場合に有用な、携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置と、該携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置を有効に実現するためのゴルフプレー用距離アドバイスシステムおよびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴルフのプレー中には、キャディにはプレーヤーから距離のアドバイスを求められる場合が多いが、キャディは過去の経験とカンに頼って大体の距離を告げることによりアドバイスしているのが現状であり、そのアドバイスは必ずしも正確なものでなく、キャディの経験によってもかなりの差がある。従って、プレーヤーから距離が間違っているのではないかとクレームをつけられることもある。
また、距離のアドバイスを求められた場合、キャディのいる位置とボールの位置が離れている場合には、多くのキャディはボールの位置まで行って見当をつけており、手間がかかる上に時間もかかる。
さらに、キャディから正確な距離のアドバイスをもらえないと、プレーヤーはボールの位置に行ってそこで使用するクラブを決めることになり、そうなるとプレーヤーがキャディに対してそこまでクラブを持ってくることを要求する場合が多い。従って、この場合も、キャディはボールの位置までクラブを持っていくことになり、手間がかかる上に時間もかかる。
【0003】
上記のようなやりとりが続くと、プレーヤーが欲求不満になるだけでなく、キャディにも肉体的且つ心理的な負担がかかり、さらに、プレー時間も長くなりゴルフ場の稼動率が悪くなる悪循環に陥る可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それ故、本発明は、上記課題を解決するために、キャディがプレーヤーに正確な距離のアドバイスを与えることを可能とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置を有効に実現するためのゴルフプレー用距離アドバイスシステムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、コース毎にピン位置およびティーグランド位置データが格納される基本情報データファイルと、キャディ等の所持者の現在位置を取得して出力する所持者位置情報取得手段と、前記所持者位置情報取得手段で出力された所持者の位置から前記基本情報データファイルに格納されたピン位置までの距離(P(所持者)距離)およびティーグランド位置までの距離(T距離)をそれぞれ算出する所持者用距離算出手段と、ホール図画像と位置情報を含むホール図データベースと、前記所持者位置情報取得手段で出力された所持者の位置情報に基づいて前記ホール図データベースから表示すべきホール図画像及びその表示範囲を決定する表示ホール図作成手段と、表示位置と関連付けた所持者の位置マークと、前記所持者用距離算出手段で算出されたP(所持者)距離とT距離の表示データを作成する付加情報作成手段と、前記表示ホール図作成手段で作成されたホール図と前記付加情報作成手段で作成された付加データを所定の合成手順に従って合成してアドバイス画面を作成するアドバイス画面作成手段と、前記アドバイス画面作成手段で作成されたアドバイス画面を表示するディスプレイと、を備えることを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、さらに、前記ディスプレイに併設されたタッチパネルと、前記タッチパネルのタッチ位置を表示ホール図における位置に換算すると共に、第1タッチ位置をボールのショット前位置として出力し、第2タッチ位置をショット後のボールの予想到達位置または実際到達位置として出力するボール位置情報作成手段と、前記ボール位置情報作成手段で第1タッチ位置のみ検出された場合にはボールのショット前位置としての第1タッチ位置から基本情報データファイルに格納されたピン位置までの距離(P(ボール)距離)を算出し、第2タッチ位置も検出された場合にはボールのショット前位置としての第1タッチ位置からショット後のボールの予想到達位置または実際到達位置としての第2タッチ位置までの距離(D距離)と、第2タッチ位置から前記ピン位置までの距離(P(ボール)距離)を算出するボール用距離算出手段とを含み、付加情報作成手段では、さらに、前記タッチ位置を示すマークと前記ボール用距離算出手段で算出されたP(ボール)距離とD距離の表示データを作成することを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置である。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、ボール位置情報作成手段では、第2タッチ位置が検出された後に第3タッチ位置が検出されると、前記第3タッチ位置を前記第2タッチ位置に差替えることを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置である。
【0008】
請求項4の発明は、請求項2または3に記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、さらに、所持者によるボール位置情報の削除操作が検出されると、第1タッチ位置および有る場合には第2タッチ位置、並びに前記タッチ位置に基づく距離のデータを削除する付加情報削除手段を備えることを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置である。
【0009】
請求項5の発明は、請求項2から4のいずれかに記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、付加情報作成手段では、さらに、ボール用距離算出手段で算出されたP(ボール)距離間のラインと、有る場合にはD距離間のラインの描画データを作成することを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置である。
【0010】
請求項6の発明は、請求項2から5のいずれかに記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、付加情報作成手段では、さらに、ボール用距離算出手段で算出されたP(ボール)距離とD距離を示す拡大画像を作成し、アドバイス画像作成手段では、さらに、前記付加情報作成手段で作成された拡大文字を所定時間だけ合成することを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置である。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかに記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、さらに、ピン位置およびティーグランド位置を設定する基本情報設定手段を備えることを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置である。
【0012】
請求項8の発明は、請求項7に記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、基本情報設定手段と所持者位置情報取得手段では、GPS、ビーコン等の側位電波を受信して位置情報を取得することを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置である。
【0013】
請求項9の発明は、コンピュータを請求項1から8のいずれかに記載したゴルフプレー用距離アドバイス装置として機能させるプログラムである。
【0014】
請求項10の発明は、請求項1から8のいずれかに記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置と、前記装置と物理的に分離可能な管理手段とを有するゴルフプレー用距離アドバイスシステムにおいて、前記携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置がピン位置を設定する基本情報設定手段を備え、前記管理手段が、前記携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置で設定されたピン位置データを収集するデータ収集手段と、必要なピン位置データが全て収集されたか否かを判断するデータ判断手段と、データが不足の場合にはその旨を通知して補充計測を促す通知画面を作成する通知画面作成手段と、前記通知画面作成手段で作成された通知画面を表示するディスプレイと、要求に応じて前記データ収集手段で収集されたピン位置データを前記携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置に提供するデータ提供手段と、を有していることを特徴とするゴルフプレー用距離アドバイスシステムである。
【0015】
請求項11の発明は、コンピュータを請求項10に記載したゴルフプレー用距離アドバイスシステムにおける管理手段として機能させるプログラムである。
【0016】
請求項12の発明は、コンピュータを請求項10に記載したゴルフプレー用距離アドバイスシステムにおける携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置をキャディが用いれば、キャディの位置を基準とする距離データが常に得られるので、キャディの経験に関係なく、常に正確な距離をプレーヤーにアドバイスできる。さらに、表示ホール図上にペンタッチによりボール位置等を指定するとペンタッチ位置を基準とすることにより正確な距離データが得られるので、より正確な距離をプレーヤーにアドバイスできる。
また、いずれの距離データも視認可能に表示されているので、即座にプレーヤーにアドバイスできる。
さらに、ピン位置等のデータは管理手段が一括して管理できるので、入力作業も分担でき、しかも入力漏れも回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態に係る携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置1を図面に従って説明する。
図1は距離アドバイス装置1を示し、この距離アドバイス装置1はコンピュータで構成されており、中央処理装置3と、位置を計測するための測位電波(ここでは、GPS+ビーコン)を受信して位置を計測するための電波処理部5と、入力部としてのボタン部7およびタッチパネル9と、タッチパネル9をタッチするためのタッチペン10と、表示部としてのディスプレイ11と、外部記憶装置としてのSDカード13とを備えており、中央処理装置にはプログラムを読み出してデータ処理や制御を行う処理部(CPU)15と、プログラムやデータが格納されたROMやプログラム実行のためのワークエリアや一時記憶エリアとして機能するRAMとを有する記憶部17と、画像の表示時間を監視する時計19と、画像メモリが併設された画像処理部21と、電波処理部5やSDカード13等との間でデータの送受信を行うための入出力インターフェース23とが含まれる。タッチパネル9はディスプレイ11の表示部上に配設されている。
SDカード13に距離アドバイス装置1を機能として実現するための距離アドバイスプログラム(専用プログラム)およびOS並びに各種データファイルやデータベースが格納されており、CPU15が距離アドバイスプログラムおよびOSに従って処理を進めると、各手段が動作して距離アドバイス装置1が機能として実現される。
【0019】
図2、図3は距離アドバイス装置1の論理構成図を示す。以下、手段毎に説明する。
基本情報ファイル25にはコース毎にピン位置およびティーグランド位置(緯度、経度)のデータが格納されており、ホール図データベース27にはゴルフ場のホール図画像と位置情報(緯度、経度)のデータが格納されており、付加情報ファイル29には、マーク、文字、数字、線図描画データなどが格納されている。
【0020】
所持者位置情報取得手段31は電波処理部5から受取った所持者の位置データを逐次出力する。
所持者用距離算出手段33は、所持者位置情報取得手段31から位置データを受取ると基準情報ファイル25を読み出し、キャディの立っている位置からピン位置までの距離(P(キャディ)距離)と、キャディの立っている位置からティーグランド位置までの距離(T距離)をそれぞれ逐次算出して出力する。
表示ホール図作成手段35は、所持者位置情報取得手段31からキャディの立っている位置データを受取るとホール図データベース27を読み出し、そのデータの位置を原点のY(縦)座標とする表示ホール図を作成する。ホール図の縦方向はディスプレイ11上に全表示できないので、原点のY(縦)座標をディスプレイ11に対応した縦長四角形のホール図の表示領域の下から約1cmの位置に設定されている。
【0021】
ボール位置情報作成手段37は、キャディがタッチパネル9をペンタッチすると、表示ホール図作成手段35で作成された表示ホール図を読み出し、タッチ位置が表示ホール図上のどの位置(緯度、経度)に対応するかを換算しボール位置データを作成して出力する。その際、第1タッチ位置をボールのショット前位置として出力し、第2タッチ位置が有る場合にはその位置をショット後のボールの予想到達位置または実際到達位置として出力する。また、第3タッチ位置が出力されると、その位置を第2タッチ位置として差替える。
ボール用距離算出手段39は、ボール位置情報作成手段37で第1タッチ位置のみ検出された場合にはボールのショット前位置としての第1タッチ位置から基本情報ファイル25に格納されたピン位置までの距離(P(ボール)距離)を算出し、第2タッチ位置も検出された場合にはボールのショット前位置としての第1タッチ位置からショット後のボールの予想到達位置または実際到達位置としての第2タッチ位置までの距離(D距離)と、第2タッチ位置から前記ピン位置までの距離(P(ボール)距離)を算出して出力する。
【0022】
付加情報作成手段41は、所持者位置情報取得手段31や所持者用距離算出手段33やボール位置情報作成手段37やボール用距離算出手段39からデータを受取ると付加情報ファイル29を読み出す。そして、キャディの立っている位置データを受取ると表示位置と関連付けた所持者の+マークを作成し、所持者用距離のデータを受取ると表示位置と関連付けたP(所持者)距離とT距離の文字・数字で構成される表示データを作成し、ボールの位置データを受取ると表示位置と関連付けたボールの位置のタッチマークを作成し、ボール用距離のデータを受取ると表示位置と関連付けたP(ボール)距離とD距離の文字・数字で構成される表示データを作成する。また、ボール用距離算出手段39で算出されたP(ボール)距離間のラインと、有る場合にはD距離間のラインの描画データを作成する。
【0023】
キャディが動くと、所持者位置情報取得手段31から出力される位置情報が変わるのでそれに伴い、表示ホール図は切り替わり、P(所持者)距離とT距離の表示データも変更されるが、P(ボール)距離とD距離の文字・数字で構成される表示データはそのまま表示される。
なお、キャディがボタン部7を操作してボール位置情報の削除を要求すると、付加情報削除手段43が第1タッチ位置および有る場合には第2タッチ位置、並びに前記タッチ位置に基づく距離のデータを削除する。
【0024】
アドバイス画面作成手段45は、表示ホール図作成手段35から表示ホール図データを受取り、付加情報作成手段41から各種表示データを受取ると、画面を所定の合成手順(合成領域、表示時間など)に従って合成してアドバイス画面を作成して出力する。ディスプレイ11はアドバイス画面を受取ると表示する。
【0025】
基本情報設定手段47は基準情報の設定画面を作成し、ディスプレイ11に設定画面を表示させる。
距離アドバイス装置1の所持者であるカップ切りの作業者がカップを切った位置で設定画面上の所定の表示ボタンをペンタッチすると、基本情報設定手段47はタッチ位置を所持者位置情報取得手段31で出力された所持者の位置データと関連付けてティーグランド位置として基本情報ファイル25に格納する。また、距離アドバイス装置1の所持者であるキャディがティーグランド位置に立って設定画面上の設定ボタンS,L,F,R,B,FB,C,Pをペンタッチすると、基本情報設定手段47はタッチ位置を所持者位置情報取得手段31で出力された所持者の位置データと関連付けてピン位置として基本情報ファイル25に格納する。
【0026】
図4は距離アドバイスシステム101の説明図を示す。
この距離アドバイスシステム101は、複数の距離アドバイス装置1と、管理手段としてのコンピュータ103により構成されている。コンピュータ103にも、中央処理装置と、入力部としてのキーボードと、表示部としてのディスプレイとを備えている。中央処理装置にはプログラムを読み出してデータ処理や制御を行う処理部(CPU)と、プログラムやデータが格納されたROMやプログラム実行のためのワークエリアや一時記憶エリアとして機能するRAMとを有する記憶部と、SDカード13等との間でデータの送受信を行うための入出力インターフェースとが含まれており、CPUがOS及び専用プログラムである管理プログラムに従って処理を進めると、各手段が動作して管理手段が機能として実現される。
【0027】
図5は、管理手段103の論理的構成図を示す。以下、手段毎に説明する。
データ収集手段105は装着されたSDカード13の基本情報ファイルに格納されたコース毎のピン位置データを収集し、データ判断手段107は必要なピン位置データが全て収集されたか否かを判断して結果を出力し、通知画面作成手段109はデータが不足の場合にはその旨を表示して補充計測を促す通知画面を作成してディスプレイ11に表示させる。データ保存手段111は装着されたSDカード13にコース毎のピン位置データをコピーする。
この管理手段103を利用すると、複数の距離アドバイス装置1を使用してピン位置データを収集でき、しかもそのデータの収集漏れを監視できる。
【0028】
以下、フローチャートに従って説明する。
図6、図7は、カップを切る作業者によるピン位置の設定処理のフローチャートである。フローチャートの右側には、設定処理に従って距離アドバイス装置1のディスプレイ11に表示される画面が示されている。
作業者により距離アドバイス装置1の電源ONボタンが押されると、図示しない初期画面画面作成手段が動作して「設定」と「プレー」のメニューボタンが表示された初期画面51を作成・表示する(ステップS1)。作業者が「設定」ボタンをペンタッチすると基本情報設定手段47が動作して設定モードに入る(ステップS2)。先ず、グリーンの設定画面53を作成・表示する(ステップS3)。作業者がいずれかの「グリーン」をペンタッチすると(ステップS4)、プレーコースの設定画面55を作成・表示する。(ステップS5)。続いて、作業者がいずれかの「プレーコース」をペンタッチすると(ステップS6)、計測画面を作成・表示する(ステップS7)。
【0029】
作業者がカップを切り、その場所で「計測」ボタンをペンタッチした後「OK」ボタンをペンタッチすると(ステップS8)、ペンタッチされたときに電波処理部5から出力された位置をピン位置と設定して基本情報ファイル25に格納する(ステップS9)。
また、作業者がカップを切り直した場合には、その場所で「再測」ボタンをペンタッチした後「OK」ボタンをペンタッチすると、ペンタッチされたときに電波処理部5から出力された位置をピン位置と再設定して基本情報ファイル25の情報を上書きする。
作業者が「次のホール」ボタンをペンタッチすると、次のホールの設定画面を作成・表示する。ホールはプルダウンメニューからも選択できる。
なお、「コース移動」ボタンをペンタッチすると、プレーコースの設定画面55を作成・表示する。
【0030】
NO.9ホールまでの計測が終了した後、作業者が「終了」ボタンをペンタッチすると(ステップS10)、全てのホールのピン位置のデータが入力されているか否かを判断する(ステップS11)。全て入力済みの場合は、プレーコースの設定画面55を作成・表示する。作業者がこの画面55の「終了」ボタンをペンタッチすると、初期画面に戻して終了する。
一方、未入力の場合は、どのホールが未入力かを通知する通知画面61を作成・表示する(ステップS12)。作業者が「OK」ボタンをペンタッチすると(ステップS13)、未入力ホールの計測画面57を作成・表示して入力を促す。作業者が「終了」ボタンをペンタッチすると未入力でも強制終了する。
基本情報ファイル25はSDカード13に格納されている。
【0031】
データの管理者は、ピン位置データの設定処理を終えた作業者から距離アドバイス装置1を回収し、SDカード13に格納されたデータをデータ収集手段105等により処理する。その際、データが不足している場合には、例えば、「No.6,No.7が未入力の為、処理できません。」の通知画面を作成・表示する。
そして、プレー前に必要な全てのデータをSDカード13に格納した上で、そのSDカード13を距離アドバイス装置1に装着する。
これで、キャディが使用できる状態となる。カップを切る作業者が切った位置をピン位置として簡単に且つ正確に計測できるとともに、未入力チェックも距離アドバイス装置1側だけでなく管理手段103側でもできるので、キャディには全て必要なデータが入力済みのものを確実に提供できる。
【0032】
距離アドバイス装置1の使用方法をフローチャートに従って説明する。
図8はスタート前のキャディによるティーグランド設定処理のフローチャートである。フローチャートの右側には、キャディの設定処理に従って距離アドバイス装置1のディスプレイ11に表示される画面が示されている。
キャディにより距離アドバイス装置1の電源ONボタンが押されると、図示しない初期画面画面作成手段が動作して「設定」と「プレー」のボタンが表示された初期画面51を作成・表示する(ステップS1)。キャディが「設定」ボタンをペンタッチすると(ステップS2)、基本情報設定手段47が動作して、先ず、プレーコースの設定画面55を作成・表示する(ステップS3)。キャディがいずれの「コース」のタッチボタンをペンタッチすると(ステップS4)、ティーグランドの設定画面63を作成・表示する(ステップS5)。キャディがいずれの「ティーグランド」のタッチボタンをペンタッチすると(ステップS6)、電波処理部5から受取った位置情報と関連付けて基本情報ファイル25に格納して(ステップS7)、初期画面に戻して作業を終了する。
【0033】
図9はプレー開始後のキャディのアドバイス時のフローチャートである。
距離アドバイス装置1のディスプレイ11に初期画面51が表示されているので(ステップS1)、キャディが「プレー」ボタンをペンタッチすると表示ホール図作成手段35等が動作してホール表示図と付加情報を合成したアドバイス画面を作成・表示する(ステップS2)。
図10はプレースタート前のアドバイス画面65を示す。所持者位置情報取得手段31は逐次キャディの位置情報を出力しており、キャディがホール表示図(基本図)表示領域に入ると、表示ホール図作成手段35はキャディのいるホールのホール表示図(基本図)67を作成し、付加情報作成手段41は所持者用距離算出手段33が算出したP(所持者)距離およびT距離70と、キャディの立っている位置のマーク、即ち「+」マーク69を作成し、それらを合成してアドバイス画面65を作成・表示している。
【0034】
プレーヤーがキャディにドライバーショットの飛距離のアドバイスを求めるシーンにおける使用方法を説明する。
キャディの位置を基準としたピン位置までの距離やティーグランドまでの距離はディスプレイの左上に常に表示されているので、ドライバーショット付近にキャディが移動すれば、このデータを基にアドバイスをすることができる。
更に正確なデータを得たい場合には、キャディが表示ホール図67上のプレーヤーAのティーアップした位置をペンタッチする。ティーアップする位置はその日によって若干変わるが、その正確な位置をペンタッチにより検出するので正確な飛距離が算出できる。キャディがペンタッチすると、ボール位置情報作成手段37からボールのショット前位置が出力され、付加情報作成手段41はボール用距離算出手段37が算出したP(ボール)距離71とその位置を示すタッチマーク73と距離間のライン75を作成しそれらを合成して、図11に示すように上記した付加情報付き画面を作成・表示する。
なお、中央に表示されたP(ボール)距離を示す拡大画像77は数秒間だけ合成表示する(以下、同様である)。
【0035】
そしてショット後のボールを確認した後に表示ホール図67上におけるプレーヤーAのボールの実際到達位置をペンタッチする。ペンタッチにより位置を指定しているのでキャディはカートから降りてボールの位置までは行く必要はない。
ペンタッチを検出すると、ボール位置情報作成手段37がボールの実際到達位置を出力し、付加情報作成手段41はボール用距離算出手段39が算出したP(ボール)距離およびD距離71とその位置を示すタッチマーク73と距離間のライン75を作成し、それらを合成して図12に示すようにプレーヤーA用のアドバイス画面65を作成・表示する。なお、中央に表示されたP(ボール)距離とD距離を示す拡大画像77は数秒間だけ合成表示する(以下、同様である)。
キャディはアドバイス画面65を見てプレーヤーAに「235ヤード飛んでいます。ピンまでは154ヤードあります。」とアドバイスする。
【0036】
続いてプレーヤーBがキャディにドライバーショットの飛距離のアドバイスを求めた場合には、キャディがプレーヤーBのボールの実際到達位置をペンタッチする。
ペンタッチを検出すると、ボール位置情報作成手段37が新たなボールの実際到達位置を出力し、付加情報作成手段41はボール用距離算出手段39が算出したP(ボール)距離およびD距離71とその位置を示すタッチマーク73と距離間のライン75を作成し、それらを合成してプレーヤーB用のアドバイス画面を作成する。
【0037】
上記したように、二人目以降のプレーヤー用のアドバイス画面を作成するには、ボールの実際到達位置をキャディが順にペンタッチしていくだけで良い。
プレーヤーが全てドライバーショットをし終えると、キャディがボタン部の削除ボタンを押す。押下を検出すると、付加情報削除手段43がペンタッチした位置(第1タッチ位置及び第2タッチ位置)のデータを削除し、タッチマーク69も画面から消去する。
このように、第1タッチ位置(ここではティーグランド)はキャディによる削除操作が検出された場合にのみ削除される構成にすることで誤削除を防止している。
【0038】
ピンを狙う2打目付近でプレーヤーAがキャディにピンやピンの手前にある池までの距離のアドバイスを求めるシーンにおける使用方法を説明する。
表示ホール図67上におけるプレーヤーAのボールのショット前位置をペンタッチする。
ペンタッチを検出すると、ボール位置情報作成手段37がボールのショット前位置を出力し、付加情報作成手段41はボール用距離算出手段39が算出したP(ボール)距離71とその位置を示すタッチマーク73と距離間のライン75を作成し、それらを合成して図13に示すようにプレーヤーA用のアドバイス画面を作成・表示する。
キャディはアドバイス画面を見てプレーヤーAに「Aさんのボールからピンまで154ヤードあります。」とアドバイスする。
【0039】
次に、池の奥の地点をペンタッチする。
ペンタッチを検出すると、ボール位置情報作成手段37がボールのショット前位置を出力し、付加情報作成手段41はボール用距離算出手段39が算出したP(ボール)距離およびD距離71とその位置を示すタッチマーク73と距離間のライン75を作成し、それらを合成して図14に示すようにプレーヤーA用のアドバイス画面を作成・表示する。
キャディはアドバイス画面を見てプレーヤーAに「Aさんのボールから池を越えるのに142ヤード、そこからピンまで14ヤードあります。」とアドバイスする。
【0040】
プレーヤーAはカート付近でこれらのアドバイスを受取ると、適切なクラブを持ってボール位置まで歩いていく。従って、キャディはボール位置までクラブを運ばなくて済む。
なお、プレーヤーAが池の前までの距離も尋ねた場合には、池の前をペンタッチすればボール位置情報作成手段37がそのペンタッチ位置を新たなボールの予想到達距離として出力するので、それを基に付加情報作成手段41が新たにP(ボール)距離およびD距離71とそれらの位置を示すタッチマーク73と距離間のライン75を作成する。
【0041】
プレーヤーAが実際にショットした後は、キャディがカートに乗ってボール付近まで行き、ボールの実際到達位置をペンタッチする。
ペンタッチを検出すると、ボール位置情報作成手段37がボールの実際到達位置を出力し、付加情報作成手段41はボール用距離算出手段39が算出したP(ボール)距離およびD距離71とそれらの位置を示すタッチマーク73と距離間のライン75を作成する。
なお、ボール位置情報作成手段37はボールの予想到達距離と実際到達距離とを区別して作成しているわけではなく、ここでは説明の便宜のために使い分けている。
【0042】
上記のプレーヤーAのデータについては、キャディがボタン部の削除ボタンを押すと、上記と同様に付加情報削除手段43がペンタッチした位置(第1タッチ位置及び第2タッチ位置)のデータを削除し、タッチマーク73もアドバイス画面65から消去する。
プレーヤーBについてのアドバイスも、キャディが同様に距離アドバイス装置1を操作することにより行う。
その後、そのホールでのプレーが終了した後、キャディが次のホールに入ると、そのホールについてのホール表示図を作成・表示する。
【0043】
図16は表示ホール図の基本図(100%)とその拡大図を示す。ボタン部7の拡大・縮小ボタンを押すと、図16に示すように表示ホール図を拡大・縮小する。拡大・縮小表示における原点のY座標はキャディの位置を、X座標は基本図の中心位置をそれぞれ採用している。なお、キャディの位置は常に表示ホール図に表示する設定になっており、拡大したときにキャディの位置が表示ホール図から外れる場合には、キャディの位置が端に表示されるように原点の位置が補正される。
【0044】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の具体的構成が上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨から外れない範囲での設計変更があっても本発明に含まれる。
例えば、1個の距離アドバイス装置1で全ての基本情報を設定し、設定した基本情報が基本情報ファイル25に直接格納される態様にしてもよい。
また、データのやりとりは、SDカードに限らず、その他の外部記憶装置や通信回線を利用することも勿論可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の距離アドバイス装置は操作が簡単でしかも携帯に適しているので、キャディに携帯させれば、キャディがそのコースに不慣れでもプレーヤーに正確な距離のアドバイスを即座に提供でき、キャディのアドバイスを単に助けるだけでなく、プレーヤーが欲求不満にならず、プレー時間も必要以上に長くならなくなり、ゴルフ場の稼動率が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態に係る距離アドバイス装置を示す。
【図2】図1の距離アドバイス装置の論理構成図である。
【図3】図1の距離アドバイス装置の論理構成図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る距離アドバイスシステムの説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る距離アドバイスシステムの備える管理手段の論理的構成図である。
【図6】カップを切る作業者によるピン位置の設定処理のフローチャートである。
【図7】カップを切る作業者によるピン位置の設定処理のフローチャートである。
【図8】スタート前のキャディによるティーグランド設定処理のフローチャートである。
【図9】プレー開始後のキャディのアドバイス時のフローチャートである。
【図10】プレースタート前のアドバイス画面を示す。
【図11】プレー中のアドバイス画面を示す。
【図12】プレー中のアドバイス画面を示す。
【図13】プレー中のアドバイス画面を示す。
【図14】プレー中のアドバイス画面を示す。
【図15】プレー中のアドバイス画面を示す。
【図16】表示ホール図の基本図(100%)とその拡大図を示す。
【符号の説明】
【0047】
1‥‥携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置
5‥‥電波処理部(GPS+ビーコン) 9‥‥タッチパネル
11‥‥ディスプレイ 13‥‥SDカード
25‥‥基本情報ファイル 27‥‥ホール図データベース
29‥‥付加情報ファイル
31‥‥所持者位置情報取得手段 33‥‥所持者用距離算出手段
35‥‥表示ホール図作成手段 37‥‥ボール位置情報作成手段
39‥‥ボール用距離算出手段 41‥‥付加情報作成手段
43‥‥付加情報削除手段 45‥‥アドバイス画面作成手段
47‥‥基本情報設定手段
101‥‥携帯型ゴルフプレー用距離アドバイスシステム
103‥‥管理手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コース毎にピン位置およびティーグランド位置データが格納される基本情報データファイルと、
キャディ等の所持者の現在位置を取得して出力する所持者位置情報取得手段と、
前記所持者位置情報取得手段で出力された所持者の位置から前記基本情報データファイルに格納されたピン位置までの距離(P(所持者)距離)およびティーグランド位置までの距離(T距離)をそれぞれ算出する所持者用距離算出手段と、
ホール図画像と位置情報を含むホール図データベースと、
前記所持者位置情報取得手段で出力された所持者の位置情報に基づいて前記ホール図データベースから表示すべきホール図画像及びその表示範囲を決定する表示ホール図作成手段と、
表示位置と関連付けた所持者の位置マークと、前記所持者用距離算出手段で算出されたP(所持者)距離とT距離の表示データを作成する付加情報作成手段と、
前記表示ホール図作成手段で作成されたホール図と前記付加情報作成手段で作成された付加データを所定の合成手順に従って合成してアドバイス画面を作成するアドバイス画面作成手段と、
前記アドバイス画面作成手段で作成されたアドバイス画面を表示するディスプレイと、
を備えることを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置。
【請求項2】
請求項1に記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、さらに、
前記ディスプレイに併設されたタッチパネルと、
前記タッチパネルのタッチ位置を表示ホール図における位置に換算すると共に、第1タッチ位置をボールのショット前位置として出力し、第2タッチ位置をショット後のボールの予想到達位置または実際到達位置として出力するボール位置情報作成手段と、
前記ボール位置情報作成手段で第1タッチ位置のみ検出された場合にはボールのショット前位置としての第1タッチ位置から基本情報データファイルに格納されたピン位置までの距離(P(ボール)距離)を算出し、第2タッチ位置も検出された場合にはボールのショット前位置としての第1タッチ位置からショット後のボールの予想到達位置または実際到達位置としての第2タッチ位置までの距離(D距離)と、第2タッチ位置から前記ピン位置までの距離(P(ボール)距離)を算出するボール用距離算出手段とを含み、
付加情報作成手段では、さらに、前記タッチ位置を示すマークと前記ボール用距離算出手段で算出されたP(ボール)距離とD距離の表示データを作成する
ことを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置。
【請求項3】
請求項2に記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、
ボール位置情報作成手段では、第2タッチ位置が検出された後に第3タッチ位置が検出されると、前記第3タッチ位置を前記第2タッチ位置に差替えることを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、さらに、
所持者によるボール位置情報の削除操作が検出されると、第1タッチ位置および有る場合には第2タッチ位置、並びに前記タッチ位置に基づく距離のデータを削除する付加情報削除手段を備えることを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置。
【請求項5】
請求項2から4のいずれかに記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、
付加情報作成手段では、さらに、ボール用距離算出手段で算出されたP(ボール)距離間のラインと、有る場合にはD距離間のラインの描画データを作成することを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置。
【請求項6】
請求項2から5のいずれかに記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、
付加情報作成手段では、さらに、ボール用距離算出手段で算出されたP(ボール)距離とD距離を示す拡大画像を作成し、
アドバイス画像作成手段では、さらに、前記付加情報作成手段で作成された拡大文字を所定時間だけ合成することを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、さらに、
ピン位置およびティーグランド位置を設定する基本情報設定手段を備えることを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置。
【請求項8】
請求項7に記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、
基本情報設定手段と所持者位置情報取得手段では、GPS、ビーコン等の側位電波を受信して位置情報を取得することを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置。
【請求項9】
コンピュータを請求項1から8のいずれかに記載したゴルフプレー用距離アドバイス装置として機能させるプログラム。
【請求項10】
請求項1から8のいずれかに記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置と、前記装置と物理的に分離可能な管理手段とを有するゴルフプレー用距離アドバイスシステムにおいて、
前記携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置がピン位置を設定する基本情報設定手段を備え、
前記管理手段が、前記携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置で設定されたピン位置データを収集するデータ収集手段と、
必要なピン位置データが全て収集されたか否かを判断するデータ判断手段と、
データが不足の場合にはその旨を通知して補充計測を促す通知画面を作成する通知画面作成手段と、
前記通知画面作成手段で作成された通知画面を表示するディスプレイと、
要求に応じて前記データ収集手段で収集されたピン位置データを前記携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置に提供するデータ提供手段と、
を有していることを特徴とするゴルフプレー用距離アドバイスシステム。
【請求項11】
コンピュータを請求項10に記載したゴルフプレー用距離アドバイスシステムにおける管理手段として機能させるプログラム。
【請求項12】
コンピュータを請求項10に記載したゴルフプレー用距離アドバイスシステムにおける携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置として機能させるプログラム。
【請求項1】
コース毎にピン位置およびティーグランド位置データが格納される基本情報データファイルと、
キャディ等の所持者の現在位置を取得して出力する所持者位置情報取得手段と、
前記所持者位置情報取得手段で出力された所持者の位置から前記基本情報データファイルに格納されたピン位置までの距離(P(所持者)距離)およびティーグランド位置までの距離(T距離)をそれぞれ算出する所持者用距離算出手段と、
ホール図画像と位置情報を含むホール図データベースと、
前記所持者位置情報取得手段で出力された所持者の位置情報に基づいて前記ホール図データベースから表示すべきホール図画像及びその表示範囲を決定する表示ホール図作成手段と、
表示位置と関連付けた所持者の位置マークと、前記所持者用距離算出手段で算出されたP(所持者)距離とT距離の表示データを作成する付加情報作成手段と、
前記表示ホール図作成手段で作成されたホール図と前記付加情報作成手段で作成された付加データを所定の合成手順に従って合成してアドバイス画面を作成するアドバイス画面作成手段と、
前記アドバイス画面作成手段で作成されたアドバイス画面を表示するディスプレイと、
を備えることを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置。
【請求項2】
請求項1に記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、さらに、
前記ディスプレイに併設されたタッチパネルと、
前記タッチパネルのタッチ位置を表示ホール図における位置に換算すると共に、第1タッチ位置をボールのショット前位置として出力し、第2タッチ位置をショット後のボールの予想到達位置または実際到達位置として出力するボール位置情報作成手段と、
前記ボール位置情報作成手段で第1タッチ位置のみ検出された場合にはボールのショット前位置としての第1タッチ位置から基本情報データファイルに格納されたピン位置までの距離(P(ボール)距離)を算出し、第2タッチ位置も検出された場合にはボールのショット前位置としての第1タッチ位置からショット後のボールの予想到達位置または実際到達位置としての第2タッチ位置までの距離(D距離)と、第2タッチ位置から前記ピン位置までの距離(P(ボール)距離)を算出するボール用距離算出手段とを含み、
付加情報作成手段では、さらに、前記タッチ位置を示すマークと前記ボール用距離算出手段で算出されたP(ボール)距離とD距離の表示データを作成する
ことを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置。
【請求項3】
請求項2に記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、
ボール位置情報作成手段では、第2タッチ位置が検出された後に第3タッチ位置が検出されると、前記第3タッチ位置を前記第2タッチ位置に差替えることを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、さらに、
所持者によるボール位置情報の削除操作が検出されると、第1タッチ位置および有る場合には第2タッチ位置、並びに前記タッチ位置に基づく距離のデータを削除する付加情報削除手段を備えることを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置。
【請求項5】
請求項2から4のいずれかに記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、
付加情報作成手段では、さらに、ボール用距離算出手段で算出されたP(ボール)距離間のラインと、有る場合にはD距離間のラインの描画データを作成することを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置。
【請求項6】
請求項2から5のいずれかに記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、
付加情報作成手段では、さらに、ボール用距離算出手段で算出されたP(ボール)距離とD距離を示す拡大画像を作成し、
アドバイス画像作成手段では、さらに、前記付加情報作成手段で作成された拡大文字を所定時間だけ合成することを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、さらに、
ピン位置およびティーグランド位置を設定する基本情報設定手段を備えることを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置。
【請求項8】
請求項7に記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置において、
基本情報設定手段と所持者位置情報取得手段では、GPS、ビーコン等の側位電波を受信して位置情報を取得することを特徴とする携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置。
【請求項9】
コンピュータを請求項1から8のいずれかに記載したゴルフプレー用距離アドバイス装置として機能させるプログラム。
【請求項10】
請求項1から8のいずれかに記載した携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置と、前記装置と物理的に分離可能な管理手段とを有するゴルフプレー用距離アドバイスシステムにおいて、
前記携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置がピン位置を設定する基本情報設定手段を備え、
前記管理手段が、前記携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置で設定されたピン位置データを収集するデータ収集手段と、
必要なピン位置データが全て収集されたか否かを判断するデータ判断手段と、
データが不足の場合にはその旨を通知して補充計測を促す通知画面を作成する通知画面作成手段と、
前記通知画面作成手段で作成された通知画面を表示するディスプレイと、
要求に応じて前記データ収集手段で収集されたピン位置データを前記携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置に提供するデータ提供手段と、
を有していることを特徴とするゴルフプレー用距離アドバイスシステム。
【請求項11】
コンピュータを請求項10に記載したゴルフプレー用距離アドバイスシステムにおける管理手段として機能させるプログラム。
【請求項12】
コンピュータを請求項10に記載したゴルフプレー用距離アドバイスシステムにおける携帯型ゴルフプレー用距離アドバイス装置として機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−136641(P2006−136641A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−330785(P2004−330785)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【出願人】(503305264)株式会社スコアプランニング (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【出願人】(503305264)株式会社スコアプランニング (1)
【Fターム(参考)】
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