説明

携帯型プリンタ及び携帯型プリンタによる印字媒体貼付方法

【課題】所望する貼り付け位置に対して容易にラベルを貼り付けることが可能となる携帯型プリンタを提供する
【解決手段】物品情報を入力する入力部と、
前記入力部によって入力された物品情報に基づいて印字媒体に対して印字する印字部と、
前記印字部による印字後、排出された前記印字媒体を保持する保持部と、可視光を照射する照射部からなり、前記印字媒体が貼り付けられるべき位置に前記可視光を当てることによって、前記保持部に保持された印字媒体を貼り付けられるべき位置に案内可能なガイド部と、を備えることにより操作者が所望する貼り付け位置に対して容易にラベルを貼り付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品に付されたタグや荷札などに印刷されたバーコードや二次元コード等のシンボルから物品を表す物品コード等の情報を読み取るスキャナと、このスキャナにより読み取った物品コードを元にラベル等の印字媒体に印字する印字部とが一体となった携帯型プリンタが知られている。(例えば、特許文献1)
【0003】
操作者は、この携帯型プリンタを使用して、スキャナで読み取ったバーコード等の情報を元に印字されたラベルを物品等の貼り付け対象物に対してラベルを貼り付ける。操作者がスキャナ付プリンタを使用する際は、当該スキャナ付プリンタからラベルを排出する排出部は、ラベル貼り付け対象の物品と対面する位置に位置付けられる。このため、操作者が物品に対してラベルを貼り付ける場合、操作者はラベルが排出される排出部を目視により確認することが難しく、排出部とラベルを貼り付けるべき位置との関係を容易に把握することができないという問題がある。
【0004】
また、スキャナをプリンタに搭載したことにより、操作者がラベル貼り付け動作を行う際にスキャナ付プリンタ本体が妨げとなって、操作者の視界が遮られ、上記と同様に排出部とラベルを貼り付けるべき位置との関係を把握することが難しくなるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、所望する貼り付け位置に対して容易にラベルを貼り付けることが可能となる携帯型プリンタ及び印字媒体貼付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
物品情報を入力する入力部と、前記入力部によって入力された物品情報に基づいて印字媒体に対して印字する印字部と、前記印字部による印字後、排出された前記印字媒体を保持する保持部と、可視光を照射する照射部からなり、前記印字媒体が貼り付けられるべき位置に前記可視光を当てるガイド部と、を備える。
【0007】
物品情報を入力する入力部と、この入力部によって入力された物品情報に基づいて印字媒体に対して印字する印字部と、を備えた携帯型プリンタによる印字媒体の貼付方法であって、印字された印字媒体を携帯型プリンタから露出した状態で保持し、前記携帯型プリンタに設けられた照射部から照射される可視光を、前記印字媒体が貼り付けられるべき位置に当て、前記印字媒体が貼り付けられるべき位置に前記印字媒体を貼り付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる携帯型プリンタによれば、操作者が所望する貼り付け位置に対して容易にラベルを貼り付けることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本実施の形態にかかるスキャナ付プリンタの外観図である。
【図2】図2は、本実施の形態にかかるスキャナ付プリンタの内部構造図である。
【図3】図3は、本実施の形態にかかるスキャナ付プリンタの構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、本実施の形態にかかるスキャナ付プリンタの情報読取の模式図である。
【図5】図5は、本実施の形態にかかるスキャナ付プリンタの機能ブロック図である。
【図6】図6は、本実施の形態にかかるスキャナ付プリンタの光制御部による可視光の照射制御の流れを示すフローチャートである。
【図7】図7は、本実施の形態にかかるスキャナ付プリンタのガイド部による可視光の照射の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる携帯型プリンタの最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、物品に付されるタグや荷札等に印刷されたバーコード等に対して光を当てて、その反射光から画像を読み取るスキャナ付プリンタに適用した例について説明する。
【0011】
図1は、本実施の形態にかかるスキャナ付プリンタの外観図である。図2は、本実施の形態にかかるスキャナ付プリンタの内部構造図である。本実施の形態にかかるスキャナ付プリンタ1は、スキャナ101、表示器102、キー入力部103、トリガスイッチ104、握り部105、サーマルヘッド106、プラテンローラ107、ロール紙108などを備えている。
【0012】
スキャナ101は、物品に付されるタグ等に印刷されたバーコードや二次元コードなどに対して光を当てて、その反射光から物品を表す物品情報を読み取ることによって物品情報を入力する入力部である。なお、本実施の形態では、バーコードや二次元コードなどのシンボルに対して光を当てて、その反射光から物品を表す物品情報を読み取ることで物品情報を入力する入力部としたが、例えば、バーコードや二次元コードなどに赤外線を当てて、その反射波から物品を表す物品情報を読み取り入力する入力部やCCD(Charge Coupled Device)スキャナを用いて画像データを読み取り解析して、物品情報を読み取り入力する形態やRFID(Radio Frequency Identification)タグなどの無線タグから、当該無線タグに記憶された物品情報を読み取を読み取り入力する無線通信部を用いても良い。また、キーボード等を用いて物品情報を入力する入力部等であってもよい。
【0013】
また、スキャナ101は、物品等に対して可視光を照射することにより、物品上にラベル貼り付け位置を示すガイド部として機能する。この場合、操作者は当該可視光を確認しながらスキャナ付プリンタの保持部110(ラベル排出部)を物品の光が照射されている箇所に近づける。本実施の形態は、1つのスキャナ101にて物品情報を入力する入力部と上述したガイド部とが一体として形成されている例を用いて示す。なお、本発明が本実施の形態に限られることはなく、入力部とガイド部とが各々別体として形成されていてもよい。
【0014】
表示器102は、液晶ディスプレイなど、物品情報や操作情報(例えば、手動入力された値引き額)などを表示するものである。キー入力部103は、ユーザにより操作情報等が入力されるものである。
【0015】
握り部105は、ユーザがスキャナ付プリンタ1を握る部分であり、符号105aで示す部分が導電性ポリマー材料で形成されている。なお、符号105aで示す部分は、導電性ポリマー材料の特性である導電性により、スキャナ付プリンタ1に生じた静電気を当該部分に接触した人体を介して放電させる。
【0016】
トリガスイッチ104は、握り部105に設けられ、スキャナ1による物品情報の読み取りを要求するスイッチである。
【0017】
なお、トリガスイッチ104は、当該トリガスイッチ104を操作したユーザの指紋情報を検知する検知部104aを備えていてもよい。
【0018】
プラテンローラ107は、後述するサーマルヘッド106に対向して配置されて台紙付きラベルが巻き回されたロール紙108から台紙付きラベルを引き出し、引き出した台紙付きラベルをサーマルヘッド112の印刷位置に搬送する搬送ローラであり、導電性ポリマー材料で構成されて導電性を確保したものである。
【0019】
サーマルヘッド106は、プラテンローラ107により印刷位置に搬送されてきた台紙付きラベルを加熱して、値引き額や値札を印刷するものである。
【0020】
保持部110は、スキャナ付プリンタ1から排出されたラベルが物品等の貼り付け対象に対して張り付けられる前に、当該ラベルを保持する箇所である。すなわち、スキャナ付プリンタにて印刷されたラベルは、スキャナ付プリンタ1の内部から外部へと排出される。このとき、排出されたラベルは、剥離機構(図示しない)により台紙が剥離されており、裏面に粘着層を有したラベルのみがスキャナ付プリンタ1から排出されることとなる。この排出されたラベルは保持部110にて保持される。
【0021】
図3は、本実施の形態にかかるスキャナ付プリンタの構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかるスキャナ付プリンタ1は、各種の演算処理を実行して各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)201を有している。このCPU201には、RAM(Random Access Memory)203、および電源を切っても記憶内容を保持することができる不揮発性記憶部であるFROM(Flash Read Only Memory)202がシステムバス(図示しない)を介して接続されている。
【0022】
FROM202は、スキャナ付プリンタ1の動作プログラムや各種設定情報を記憶する。CPU201は、FROM202に記憶された動作プログラム(値引き額や値札の印刷、値引き額の手動入力など物品に関する関連処理を実行するプログラムを含む)をRAM203にコピーして実行することにより各部を制御する。さらに、FROM202は後述する光制御部505により実行される動作プログラムを記憶している。
【0023】
RAM203は、各種の可変情報を一時的に記憶するものであり、スキャナ付プリンタ1により印刷を行ったユーザと当該ユーザが実際に印刷した印刷枚数や印刷内容を示す印刷情報とを対応付けた印刷情報テーブル、スキャナ付プリンタ1により印刷を行ったユーザと当該ユーザがスキャナ付プリンタ1により印刷した時間を示す時間情報とを対応付けた時間情報テーブルなどを記憶している。なお、スキャナ付プリンタ1が時計機能を実装している場合には、RAM203は、スキャナ付プリンタ1により印刷を行ったユーザと当該ユーザが実際に行った印刷日時を記憶するものとする。
【0024】
また、RAM203は、台紙付きラベルに印刷する値引き額や値札等の印刷データ(画像データ)が展開される印刷バッファとして利用される。印刷データは、ホストコンピュータ2から受信した印刷対象となるデータであっても良いし、FROM202に記憶されているデータであっても良いし、キー入力部103から入力された値引き額等であっても良い。
【0025】
また、CPU201には、表示制御回路204、通信I/F205、モータ制御回路206、ヘッド制御回路208、電源回路209、スキャナ制御回路211、キー入力部103、トリガスイッチ104がシステムバス(図示しない)を介して接続されている。
【0026】
表示制御回路204は、CPU201の制御のもとで、表示器102における表示(関連処理を選択するための操作画像を含むメニュー画面など)を制御する。通信I/F205は、ホストコンピュータ2などの外部の機器と通信を行うためのインタフェースである。通信I/F205は、例えばIrDA等の赤外線通信、USB(Universal Serial Bus)、無線LAN(Local Area Network)、RS−232C、Bluetooth(登録商標)等により構成され、ホストコンピュータ2に設けられた通信I/Fとの通信が可能である。
【0027】
モータ制御回路206は、CPU201の制御のもとで、プラテンローラ107の駆動源であるステッピングモータ207を制御する。ヘッド制御回路208は、CPU201の制御のもとで、サーマルヘッド106に印刷制御信号を出力する。スキャナ制御回路211は、CPU201の制御のもとで、スキャナ101による物品情報の読み取りを制御する。
【0028】
電源回路209は、キー入力部103によるスキャナ付プリンタ1の電源のON/OFFに従って、バッテリ210からスキャナ付プリンタ1の各部への電力の供給/遮断を制御する。
【0029】
次に、図4を用いてスキャナ付プリンタによるラベル貼付処理の概要を説明する。操作者はスキャナ付プリンタ1を把持し、物品41に付されたバーコードや二次元コードなどのシンボル43を読み取るスキャナ101から光を照射し、その反射光から物品41を表す物品情報を読み取る。なお、図4に示す矢印44はスキャナ101が物品情報を入力する入力部として機能する場合の物品に対して照射する光の仮想線である。また、ガイド部がガイド光として照射する光(ガイド光)の経路を示す仮想線でもある。なお、本実施の形態では入力部とガイド部とはスキャナ101にて一体として形成されている状態を想定して説明する。なお、ガイド部が照射する可視光(ガイド光)の照射のタイミングは必ずしも入力部としてのスキャナ101による光照射を行った後に照射する必要はなく、入力部としてのスキャナ101による光照射の前からガイド光が照射されていてもよい。
【0030】
スキャナ101により、物品情報を読み取ると当該物品情報に基づいてスキャナ付プリンタ1が内蔵する印字部はラベルに印字を行う。印字後、スキャナ付プリンタ1はこの印字を行ったラベルをプリンタ本体1から排出するとともに、ガイド部にて、ラベルを貼り付けるべき位置にガイド光が照射される。操作者は、このガイド部により物品41に照射されている光を目印としてスキャナ付プリンタ1の保持部をラベルを貼り付けるべき位置に近づける。なお、ラベルを貼り付ける位置とは、操作者が所望するラベル貼り付け位置を意味する。例えば、タグ42に印字されているバーコード43の上にラベル貼り付けを行いたい場合は、当該箇所がラベルを貼り付ける位置となる。
【0031】
次に、FROM202に記憶された動作プログラムをCPU201が実行することにより実現する機能について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。図6は、本実施の形態にかかる後述するスキャナ付プリンタ1の光制御部505による可視光44の照射制御の流れを示すフローチャートである。
【0032】
本実施の形態のスキャナ付プリンタ1で実行されるプログラムは、図5に示す各部(切替部501、読出部502、印刷部503、検知部504、光制御部505)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU201が上記FROM202からプログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM203上にロードされ、上述した各部(切替部501、読出部502、印刷部503、検知部504、光制御部505)がRAM203上に生成されるようになっている。
【0033】
本実施の形態では、入力部とガイド部とがスキャナ101にて一体で形成され、かつ、入力部が光学機構にて形成されている。切替部501は、スキャナ101が物品に対して照射した光の反射光を当該スキャナ101が読み取るか否かを切り替えるものである。かかる場合、スキャナ101を物品情報を入力する入力部として使用する際は、反射光を読み取るモードに設定する。そして、スキャナ101をガイド部として使用する際は、切替部501によりスキャナ101が照射した光である反射光を読み取らないモードに切り替える。これにより、入力部とガイド部とをスキャナ101にて一体として形成することが可能となる。
【0034】
なお、切替部501は上記実施の形態に限られるものではない。すなわち、入力部とガイド部とが別体で形成されている場合は、スキャナ101から照射した光の反射光を読み取るか否かを切り替える構成ではなく、入力部とガイド部のどちら一方から照射する光を切り替える構成であってもよい。なお、入力部とガイド部とが別体で形成されている場合は、入力部から照射する光の反射光は読み取られるが、ガイド部が照射する光の反射光は読み取られない構成となっている。
【0035】
読出部502は、スキャナ101によりタグ42に印字等されているバーコード43から読み取られた物品情報である物品コードが示す物品の関連情報を読み出せたか、あるいは読み出せなかったか否かを判断する
【0036】
印刷部503は、読出部により読み出された物品情報を印刷データに変換する。そして、印刷部503は、ヘッド制御回路208を介してサーマルヘッド106を制御して、関連情報の印刷データを台紙付きラベルに印刷する。そして、スキャナ付プリンタ1を操作する操作者は、物品情報が印刷されたラベルを物品に貼り付ける。
【0037】
検知部504は、ガイド部が照射する可視光(ガイド光)が物品に照射され、物品から反射される反射光の光量の変化を判断して、スキャナ付プリンタ1とラベル貼り付け位置との距離が近づいているか、若しくは離れているか否かを判断する。なお、検知部はかかる形態に限られるものではなく、スキャナが無線タグを読み取る無線リーダライタであった場合は、予め、電波を送出しておき、送出した電波が物品にあたりはねかえってきた電波の反射量の変化を見てスキャナ付プリンタ1と貼り付け位置との距離の変化を検知するものであってもよい。
【0038】
光制御部505は、検知部504による検知結果に基づいて、ガイド部が照射する可視光(ガイド光)を変化させる制御を行う。例えば、ラベル等の印字媒体が貼り付けられるべき位置とスキャナ付プリンタの保持部との距離が近づくにつれて、ガイド部が照射する可視光の幅を広げる若しくは可視光の強度を強めるように制御するものであってもよい。特に、本実施の形態では、スキャナ付プリンタ1が貼り付け対象位置に近接した場合は、スキャナ付プリンタ本体により物品に照射する可視光が隠れてしまうおそれがあり、ラベル貼り付け対象位置と保持部との位置関係を把握することが難しくなる。このため、スキャナ付プリンタ1が近接するにしたがって光制御部は、可視光(ガイド光)の幅を、ラベルの幅方向に広げる制御を行うものであることが望ましい。
【0039】
図6は、スキャナ付プリンタ1によるラベル貼付処理の流れを示すフローチャートである。まず、読出部502は、スキャナ101により物品41に付されているタグや荷札42などに記載されているバーコード43から物品情報が読み取られたか否かを判断する(Act601)。バーコード43から物品情報が読み取られたと判断した場合は(Act601のYes)、物品情報を印刷部に渡してラベルに対して印字を開始する(Act602)。
【0040】
ラベルへの印字が完了すると(Act603)、切替部501はスキャナ101が照射する光の反射光を読み取るか否かを切り替える指令があったか否かを判断する。切り替える指令があった場合、スキャナ101を反射光を読み取らない状態となるように切り替える(Act504)。切替部501にてスキャナ101が反射光を読み取らない構成に切り替わったことにより、次にスキャナ101が光を照射する場合はガイド部として機能する。すなわち、切替部501によりスキャナ101が照射する光はバーコードなどのシンボルを読み取るための光からスキャナ付プリンタ1を貼り付け位置にガイドするためのガイド光に切り替わる。
【0041】
ガイド光に切り替えるように切替部501により、命令があった場合(Act604のYes)、光制御部505はガイド部から一定の幅の可視光を照射するように制御する(Act605)。かかる場合、例えば、図7(a)に示すとおり、ガイド部から照射するガイド光はバーコード43の幅に合わせた光照射であればよい。
【0042】
次に、検知部504は、ガイド部が照射する可視光(ガイド光)から反射される反射光の照射量の変化を判断して、スキャナ付プリンタ1とラベル貼り付け位置との距離が近づいているか、若しくは離れているか否かを判断する(Act606、Act607)。
【0043】
検知部504が、スキャナ付プリンタ1とラベル貼り付け位置との距離が近づいていると判断した場合(Act607のYes)、光制御部505は、ガイド光の幅を一定のガイド光の幅から広げる制御を行う(Act608)。例えば、図7(b)に示す光制御部505は少なくともバーコードの幅よりも広くガイド光の幅を広げて照射する。かかる処理により、操作者はラベル貼り付け位置とスキャナ付プリンタ1の保持部110との位置関係を容易に把握することが出来、操作者は可視光を辿ってスキャナ付プリンタ1の保持部110をラベル貼り付け面に対して誘導することができる。
【0044】
スキャナ付プリンタ1はラベル貼り付け位置に対してラベル貼り付けが完了したことを検知するとラベル貼り付け処理が終了する(Act608)
【0045】
なお、ガイド部が照射するガイド光は本実施の形態に限られるものではなく、例えば、ガイド部は十字上に交差させた光を照射してもよい。
【0046】
本実施の形態では、スキャナ付プリンタ1の保持部をラベルが貼り付けられるべき位置に案内するガイド部を設けたことにより、操作者は物品のラベルが貼り付けられるべき位置に対して照射されたガイド部からの可視光を目印としてスキャナ付プリンタ1の保持部と当該ラベル貼り付け対象位置との関係を把握することが出来る。これにより、操作者は容易に所望する貼り付け対象位置からずれることなくラベルを貼り付けることが出来るという効果を奏する。
【0047】
また、入力部を光を照射する光学機構にて構成することによって、ラベルを貼り付けるべき位置に対して光を照射してその貼り付け位置を示すこととなり、そのラベル貼り付け対象位置を目視にて確認することができるため、容易に位置を把握することが出来る効果を奏する。
【0048】
また、本実施の形態では、入力部を光学機構にて構成し、入力部とガイド部とを兼用させることで新たな部材を設けることなく入力部とガイド部とを一体として構成することが出来、部材を少なくすることが出来る効果を奏する。
【0049】
また、この場合において、本実施の形態では、入力部であるスキャナ101からの反射光を読み取るか否かを切り替える切替部501を設けたことで、操作者が所望するタイミングにてバーコード等のシンボル読取のための光照射とスキャナ付プリンタ1を、ラベルを貼り付けるべき位置へと誘導するガイド光照射の切り替えを実現することが出来る効果を奏する。
【0050】
さらに、例えば、ラベル等の印字媒体が貼り付けられるべき位置とスキャナ付プリンタの保持部とが十分な距離を有した状態で可視光(ガイド光)を照射する場合は、操作者は、比較的幅の狭い可視光(ガイド光)が照射されていても、当該可視光を目視により確認することで貼り付け対象位置と保持部との位置関係を把握することが出来る。一方、保持部が貼り付け対象位置に近接した場合は一定の幅の可視光(ガイド光)であってはスキャナ付プリンタ本体により可視光(ガイド光)が隠れてしまうため、貼り付け対象位置と保持部との位置関係を把握することが難しくなる。予め、物品に照射する可視光をスキャナ付プリンタ本体により隠れない程度の一定幅の可視光を照射させることも可能であるが、かかる場合、必要以上の電力消費を要することにつながり、電力消費の面において無駄が生ずる。そこで、本実施の形態にかかるスキャナ付プリンタ1によれば、ラベルなどの印字媒体が貼り付けられるべき位置とスキャナ付プリンタの保持部との距離が変化したことを検知部が検知すると、光制御部による制御によりガイド部が照射する可視光を変化させるので、適切な可視光(ガイド光)の照射を実現することができる。すなわち、距離が離れている場合は、比較的幅の狭い可視光を物品に照射し、距離が近接する場合は、可視光の幅を広げて照射させる。これにより、無駄な電力消費を防止すると共に、スキャナ付プリンタを貼り付けるべき位置に容易に案内することが可能となる効果を奏する。
【0051】
本実施の形態にかかるスキャナ付プリンタ1によれば、ラベルなどの印字媒体が貼り付けられるべき位置とスキャナ付プリンタの保持部との距離が近づいたことを検知部が検知すると、保持部を貼り付けるべき位置にガイドする可視光(ガイド光)を、ラベルの幅方向に渡って広げて照射させるのでスキャナ付プリンタが貼り付けるべき位置に近接した場合であっても、操作者からは貼り付ける位置を把握することが容易に可能となる効果を奏する。なお、かかる場合において、ガイド部は縦若しくは横のいずれかの幅方向に可視光を広げるものであってもよい。
【0052】
なお、特に、アパレル商品等の商品値札に貼り付ける値引き用ラベルは、値引き前の商品に付された商品値札に表示されているバーコードを読み取り不可能とするために、当該バーコードの上に新たに発行した値引きラベルを重ねて貼り付ける必要がある。この場合において、値札に付されているバーコード表示は小さいものであり、従来のスキャナ付プリンタを用いた場合にあっては、スキャナ付プリンタ1の保持部110とラベルを貼り付けるべき位置との関係が操作者側から把握することが難しいため、ラベルを操作者が所望する貼り付け位置からずれた位置にラベルの貼り付けを行ってしまうおそれがある。本実施の形態にかかるスキャナ付プリンタによれば、スキャナ付プリンタ1の保持部110を、可視光にてラベルを貼り付けるべき位置に案内することが可能となる効果を奏する。また、所望する貼り付け位置に貼り付けを試みると操作者に対して高度の注意を要求することなく、ラベル貼り付け作業を行うことが出来る効果を奏する。
【0053】
なお、本実施の形態の形態に限られるものではなく、例えば工場等での部品管理の際に本発明にかかる携帯型プリンタを使用するものであってもよい。また、印字媒体としてはラベル以外にも用紙など印字が可能な媒体であればよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0054】
1 スキャナ付プリンタ
101 スキャナ
104 トリガスイッチ
110 保持部
501 切替部
502 読出部
503 印刷部
504 検知部
505 光制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特開2006‐335443公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品情報を入力する入力部と、
前記入力部によって入力された物品情報に基づいて印字媒体に対して印字する印字部と、
前記印字部による印字後、排出された前記印字媒体を保持する保持部と、
可視光を照射する照射部からなり、前記印字媒体が貼り付けられるべき位置に前記可視光を当てるガイド部と、
を備えたことを特徴とする携帯型プリンタ。
【請求項2】
前記入力部は光を照射することにより前記物品情報を読み取る光学機構からなることを特徴とする請求項1記載の携帯型プリンタ。
【請求項3】
前記入力部が照射した光の反射光を読み取るか否かを切り替える切替部とをさらに備えることを特徴とする請求項2記載の携帯型プリンタ。
【請求項4】
前記入力部と前記ガイド部とが一体で形成されていることを特徴とする請求項3記載の携帯型プリンタ。
【請求項5】
前記印字媒体が貼り付けられるべき位置と前記保持部との距離を検知する検知部と、
前記検知部の結果に基づいて前記ガイド部が照射する可視光を変化させる光制御部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の携帯型プリンタ。
【請求項6】
前記光制御部は、
前記印字媒体が貼り付けられるべき位置と前記保持部との距離が近づいたことを前記検知部が検知した場合、ガイド光の幅を拡大することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の携帯型プリンタ。
【請求項7】
物品情報を入力する入力部と、前記入力部によって入力された物品情報に基づいて印字媒体に対して印字する印字部と、前記印字部による印字後、排出された前記印字媒体を保持する保持部と、を有する携帯型プリンタ本体と、
このプリンタ本体に設けられた握り部と、
使用者が前記握り部を持って前記プリンタ本体を、前記印字媒体を貼り付ける対象物に向けて移動させた場合に、その移動によって前記保持部に保持された印字媒体が位置する前記対象物品上の位置に可視光を照射する照射部と、
を備えたことを特徴とする携帯型プリンタ。
【請求項8】
物品情報を入力する入力部と、この入力部によって入力された物品情報に基づいて印字媒体に対して印字する印字部と、を備えた携帯型プリンタによる印字媒体の貼付方法であって、
印字された印字媒体を携帯型プリンタから露出した状態で保持し、
前記携帯型プリンタに設けられた照射部から照射される可視光を、前記印字媒体が貼り付けられるべき位置に当て、
前記印字媒体が貼り付けられるべき位置に前記印字媒体を貼り付けることを特徴とする携帯型プリンタによる印字媒体貼付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−201091(P2011−201091A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69019(P2010−69019)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】