説明

携帯情報端末、携帯ゲームプログラム及び携帯ゲーム方法

【課題】携帯電話等の携帯情報端末でブルートゥース等の近距離通信技術を用いて、複数人でゲームを行う際に、容易に他の人とゲームを始めることができるようにした携帯情報端末を提供する。
【解決手段】複数種の通信を行うことができ、該通信の一種として近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことができる携帯情報端末であって、ゲーム手段は他の携帯情報端末と前記近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことによってゲームを行い、相手検知手段は前記ゲームの相手に関する情報を検知し、相手記憶手段は前記相手検知手段によって検知された相手に関する情報を記憶し、アドレス記憶手段は前記近距離データ通信規格に準拠した通信以外の通信に用いられるアドレスと前記相手記憶手段に記憶されている相手に関する情報を関連づける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種の通信を行うことができ、該通信の一種として近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことができる携帯情報端末、携帯ゲームプログラム及び携帯ゲーム方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話をより楽しく、生活をより快適に進化させることを目的として、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))といわれる無線通信方式を搭載した携帯電話が普及している。ブルートゥースは、携帯電話等の機器を、無線で簡単に接続することを目的としており、この無線通信は2.45GHz(ギガヘルツ)の帯域を利用し、10m前後の近距離間の無線データ通信技術である。
このブルートゥースを搭載した携帯電話の用いられ方としては、例えば、特許文献1にあるように、車室内の人と車室外の人とが、車窓を閉めたまま、専用の車両用のインターホンを用いることなく、会話を行うことを可能とすることを課題とし、携帯電話機とハンズフリー装置との間でブルートゥース無線通信を行い、ハンズフリー装置のマイクロホンが入力した送話音声が他の携帯電話機に送信されると共に、他の携帯電話機から受信した受話音声がハンズフリー装置のスピーカから出力されるハンズフリー通話による通話処理と、ハンズフリー装置のマイクロホンが入力した送話音声が携帯電話機のスピーカから受話音声として出力されると共に、携帯電話機のマイクロホンが入力した送話音声がハンズフリー装置のスピーカから受話音声として出力されるインターホン通話による通話処理とを切替える携帯電話機及びハンズフリー装置を利用した通話システムがある。
しかしながら、ブルートゥースを搭載した携帯電話としては、ハンズフリー・ヘッドセットの域を超えておらず、必ずしもブルートゥースが有効に活用されているとは限らないのが現状である。
【特許文献1】特開2002−171336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、通話機能以外の携帯電話による付加機能の1つとして利用者が、その携帯電話を用いてゲームを楽しむゲーム機能がある。このゲーム機能は、他の携帯電話との接続無しに利用するもの、つまり、内蔵されたゲームプログラムを用いて、一人で行うものが主流であるが、対戦型ゲームに代表されるようにブルートゥースを用いて複数人でゲームを楽しめるものがある。
一方、携帯電話は、本来の機能である通話や電子メール等のコミュニケーションを図るために、相手先の電話番号、電子メールアドレス等を記憶しておくアドレス帳という機能があるのが一般的である。
【0004】
しかしながら、前述のアドレス帳は、ゲームの相手先等を登録可能なものではない。つまり、複数人でゲームを行う場合とは、他の人とのコミュニケーションを図るものであるが、そのためのツールが完備されているとはいい難い状況である。また、ゲーム用のアドレス帳というものも考えられるが、その場合は、それぞれのアドレス帳(通話等用のアドレス帳、ゲーム毎のアドレス帳)が独立して存在しており、利用者にとっては必ずしも使いやすいものではなかった。
【0005】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、携帯電話等の携帯情報端末でブルートゥース等の近距離通信技術を用いて、複数人でゲームを行う際に、容易に他の人とゲームを始めることができるようにした携帯情報端末、携帯ゲームプログラム及び携帯ゲーム方法を提供することを目的としている。特に、ゲームを行うために近距離通信技術を用いて、他の携帯情報端末と接続した際に、相手先を自動的に検知して、通話等用のアドレス帳に登録できるようにし、また、そのアドレス帳を用いてゲームの相手を検索でき、ゲーム可能であることを表示することができる携帯情報端末、携帯ゲームプログラム及び携帯ゲーム方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1] 複数種の通信を行うことができ、該通信の一種として近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことができる携帯情報端末であって、
他の携帯情報端末と前記近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことによってゲームを行うゲーム手段と、
前記ゲームの相手に関する情報を検知する相手検知手段と、
前記相手検知手段によって検知された相手に関する情報を記憶する相手記憶手段と、
前記近距離データ通信規格に準拠した通信以外の通信に用いられるアドレスと前記相手記憶手段に記憶されている相手に関する情報を関連づけるアドレス記憶手段
を具備することを特徴とする携帯情報端末。
【0007】
[2] 前記アドレス記憶手段によって記憶されているアドレスを検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索されたアドレスにゲームの相手に関する情報が関連づけられている場合は、ゲームが開始可能であることを表示するゲーム開始可能表示手段
を具備することを特徴とする[1]に記載の携帯情報端末。
【0008】
[3] 複数種の通信を行うことができ、該通信の一種として近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことができる携帯情報端末に、ゲームを行わせることができる携帯ゲームプログラムであって、
前記携帯情報端末を、
他の携帯情報端末と前記近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことによってゲームを行うゲーム手段と、
前記ゲームの相手に関する情報を検知する相手検知手段と、
前記相手検知手段によって検知された相手に関する情報を記憶する相手記憶手段と、
前記近距離データ通信規格に準拠した通信以外の通信に用いられるアドレスと前記相手記憶手段に記憶されている相手に関する情報を関連づけるアドレス記憶手段
として機能させることを特徴とする携帯ゲームプログラム。
【0009】
[4] 前記アドレス記憶手段によって記憶されているアドレスを検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索されたアドレスにゲームの相手に関する情報が関連づけられている場合は、ゲームが開始可能であることを表示するゲーム開始可能表示手段
として機能させることを特徴とする[3]に記載の携帯ゲームプログラム。
【0010】
[5] 複数種の通信を行うことができ、該通信の一種として近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことができる携帯情報端末によって、ゲームを行う携帯ゲーム方法であって、
前記携帯情報端末は、
他の携帯情報端末と前記近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことによってゲームを行い、
前記ゲームの相手に関する情報を検知し、
前記検知された相手に関する情報を記憶し、
前記近距離データ通信規格に準拠した通信以外の通信に用いられるアドレスと前記記憶されている相手に関する情報を関連づける
ことを特徴とする携帯ゲーム方法。
【0011】
[6] 前記記憶されているアドレスを検索し、
前記検索されたアドレスにゲームの相手に関する情報が関連づけられている場合は、ゲームが開始可能であることを表示する
ことを特徴とする[5]に記載の携帯ゲーム方法。
【0012】
前記本発明は次のように作用する。
本発明における携帯情報端末、携帯ゲームプログラム及び携帯ゲーム方法は、複数種の通信を行うことができ、該通信の一種として近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことができる携帯情報端末によって、ゲームを行うものである。
前記携帯情報端末は、他の携帯情報端末と前記近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことによってゲームを行い、前記ゲームの相手に関する情報を検知し、前記検知された相手に関する情報を記憶し、前記近距離データ通信規格に準拠した通信以外の通信に用いられるアドレスと前記記憶されている相手に関する情報を関連づける。
これによって、ゲームの相手先を自動的に検知して、通話等用のアドレス帳に登録できる。つまり、通話等又はゲームを行う等の本来的にコミュニケーションを図るための複数種の互いに関係がないアプリケーションにおいて、1つのアドレス帳を用いてそのコミュニケーションを行うことができるようになる。
【0013】
前記アドレス記憶手段によって記憶されているアドレスを検索し、前記検索されたアドレスにゲームの相手に関する情報が関連づけられている場合は、ゲームの開始可能であることを表示する。
これによって、通話等用のアドレス帳を用いてゲームの相手を検索でき、ゲーム可能であることを表示することができる。つまり、通話等用のアドレス帳を用いて、ゲームの相手先を検索でき、その相手先とゲームを開始することができるようになる。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかる携帯情報端末、携帯ゲームプログラム及び携帯ゲーム方法によれば、ゲームの相手に関する情報を検知し、その検知した相手に関する情報を通話等用のアドレス帳に登録するので、ゲームの相手先を自動的に検知して、ゲーム用のアドレス帳ではなく、通話等用のアドレス帳に登録できる。つまり、通話等又はゲームを行う等の本来的にコミュニケーションを図るための複数種の互いに関係がないアプリケーションにおいて、1つのアドレス帳を用いてそのコミュニケーションを行うことができ、操作性、利便性が向上する。
【0015】
また、本発明にかかる携帯情報端末、携帯ゲームプログラム及び携帯ゲーム方法によれば、上記効果に加えて、通話等用のアドレス帳を用いてゲームの相手を検索でき、ゲーム可能であることを表示することができる。つまり、通話等用のアドレス帳を用いて、ゲームの相手先を検索でき、その相手先とゲームを開始することができ、操作性、利便性がより一層向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面に基づき本発明の好適な一実施の形態を説明する。
各図は本発明の一実施の形態を示している。図1は、本発明の一実施の形態の概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはプログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、プログラム、システム及び方法の説明をも兼ねている。また、モジュールは機能にほぼ一対一に対応しているが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続を含む。
また、システムとは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク等で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。
以下、携帯情報端末として携帯電話を、近距離データ通信規格に準拠した通信としてブルートゥース通信を、複数人で行うゲームとして対戦型ゲームをそれぞれ例示して説明する。
【0017】
携帯電話200は、複数種の通信(例えば、携帯電話200による通話(又はデータ通信等)と携帯電話200内に装備されたブルートゥース通信モジュール302によるブルートゥース通信)を行うことができ、該通信の一種としてブルートゥースによる通信を行うことができるものであって、図1に示すように、ゲームモジュール110、対戦相手検知モジュール120、デバイスアドレス記憶モジュール130、メール用アドレス記憶モジュール140、アドレス帳検索モジュール150を備えている。
【0018】
ゲームモジュール110は、図1に示すように、対戦相手検知モジュール120と接続されており、ブルートゥース通信モジュール302を用いて、他の携帯電話200とブルートゥース通信を行い、複数人で例えば対戦型等のゲームを行う。ゲームの内容は、携帯電話200のディスプレイに表示する。また、そのゲームを開始する際に行われる通信の内容等を対戦相手検知モジュール120へ渡す。
対戦相手検知モジュール120は、図1に示すように、ゲームモジュール110、デバイスアドレス記憶モジュール130と接続されており、ゲームモジュール110によるゲームの相手に関する情報を検知する。その検知したゲーム相手に関する情報をデバイスアドレス記憶モジュール130へ渡す。
デバイスアドレス記憶モジュール130は、図1に示すように、対戦相手検知モジュール120、メール用アドレス記憶モジュール140と接続されており、対戦相手検知モジュール120によって検知された相手に関する情報を記憶する。より具体的には、携帯電話200に内蔵されているメモリ、携帯電話200に接続可能なメモリカード等を含んだメモリ管理モジュールである。データベースとしての機能を有していてもよい。また、メール用アドレス記憶モジュール140からアクセスされ得る。
【0019】
メール用アドレス記憶モジュール140は、図1に示すように、デバイスアドレス記憶モジュール130、アドレス帳検索モジュール150と接続されており、ブルートゥース通信以外の通信、例えば携帯電話200による通話(又はデータ通信等)に用いられるアドレス(電話番号等を含む)を記憶している。一般的に、携帯電話200に装備されているアドレス帳であり、さらに、そのアドレス帳とデバイスアドレス記憶モジュール130に記憶されている相手に関する情報を関連づける。より具体的には、携帯電話200に内蔵されているメモリ、携帯電話200に接続可能なメモリカード等を含んだメモリ管理モジュールである。データベースとしての機能を有していてもよい。また、アドレス帳検索モジュール150からアクセスされ得る。
アドレス帳検索モジュール150は、図1に示すように、メール用アドレス記憶モジュール140と接続されており、メール用アドレス記憶モジュール140によって記憶されているアドレスを検索する。そして、検索されたアドレスにゲームの相手に関する情報が関連づけられている場合は、そのゲームが開始可能であることを表示する。
【0020】
なお、携帯電話200は、図2に示すように、電話としての機能を有するように音声入力できるマイク250と、音声出力できるスピーカ240と、電話番号又はゲーム用等に文字を入力するための文字入力装置であるキー220と、電波を送受信するアンテナ230と、キー220による文字入力の結果、受信した結果、ゲーム内容等の表示を行うディスプレイ210とを有している。また、このほかにカメラ等を有していてもよい。
ディスプレイ210への表示は、ゲームモジュール110、アドレス帳検索モジュール150等の制御によって行われる。
【0021】
図3は、携帯電話200の主にハードウェアに関する内部構成例を示すブロック図である。携帯電話200は、アンテナ230、電話通信モジュール306、ブルートゥース用アンテナ301、ブルートゥース通信モジュール302、キー入力検知モジュール303、CPU304、メモリ305を有している。CPU304は、メモリ305に記憶されているプログラム(ゲームモジュール110、対戦相手検知モジュール120等)に従って各種の処理を実行する。メモリ305は、プログラムやキー入力検知モジュール303、電話通信モジュール306、ブルートゥース通信モジュール302から入力されるデータ等を記憶する。キー入力検知モジュール303は、携帯電話200の操作者によるキー220の操作を検知し、メモリ305へ記憶させる。電話通信モジュール306は、アンテナ230に接続され、電話通信用の電波を送受信する。ブルートゥース通信モジュール302は、ブルートゥース用アンテナ301に接続され、他の携帯電話200とブルートゥースによる通信を行う。図3は、一対一のブルートゥース通信の場合の例であり、一方がマスターとなり、他方がスレーブとなる。また、スレーブは複数あってもよい。
【0022】
次に作用・動作を説明する。
ゲームモジュール110がブルートゥース通信モジュール302を制御して、ブルートゥース用アンテナ301を介して他の携帯電話200とブルートゥース通信を行い、ゲームを行うまでについて、図4を用いて説明する。つまり、2つの携帯電話200がブルートゥース通信を行う場合であって、一方の携帯電話200がマスターとなり、他方の携帯電話200がスレーブとなる。マスターとなる携帯電話200はゲーム開始を依頼する側であり、スレーブとなる携帯電話200はそのゲーム開始の依頼を受ける側である。
図4に示すように、マスターの携帯電話200は左側であり、スレーブの携帯電話200は右側に記載している。
【0023】
まず、マスターの携帯電話200において、利用者によるキー220等の操作によって、ゲームモジュール110が起動される。そして、そのゲームモジュール110内でブルートゥース通信用のプログラムが起動される。
ブルートゥース通信用のプログラムは、ブルートゥース通信のプロトコルに従って、デバイス検索(ステップS401M)を行う。スレーブ側となる携帯電話200は、マスター側の携帯電話200からのデバイス検索を受信し、応答の準備を行う(ステップS401S)。
スレーブ側の携帯電話200は、ブルートゥース通信可能であることを示すために、自分のデバイス名等をマスター側の携帯電話200に対して返信する(ステップS402S)。この返信をマスター側の携帯電話200は受信する(ステップS402M)。
【0024】
マスター側の携帯電話200は、デバイス検索の結果、取得したスレーブのデバイス名の中から利用者の選択によって、ゲームの対戦相手を選択する。そして、その対戦相手に対して、対戦要求(一緒にゲームをしないかという問い合わせ)の旨及び自分のハンドルネーム等を通知する(ステップS403M)。スレーブ側の携帯電話200はその対戦要求及びハンドルネーム等を受信する(ステップS403S)。
スレーブ側の携帯電話200は、ゲーム相手になってもよい場合は、対戦承諾である旨及び自分のハンドルネーム等を返信する(ステップS404S)。マスター側の携帯電話200はその対戦承諾及びハンドルネーム等を受信する(ステップS404M)。
そして、マスター側の携帯電話200とスレーブ側の携帯電話200との間で、実際のゲームがブルートゥース通信を用いて行われる(ステップS405M、ステップS405S)。
【0025】
次に、図5に示すフローチャートを用いて、ゲームの対戦相手をアドレス帳に登録する処理例を示す。なお、この説明は、マスター側の携帯電話200によって行われる処理例を示している。
【0026】
ステップS502では、対戦相手検知モジュール120は、ゲームモジュール110から渡されたゲームを開始するまでの通信内容(特に、図4で示したステップS404M)を解析して、ゲームの対戦相手に関する情報を検知する。ここで検知する対戦相手に関する情報としては、対戦相手の識別情報等がある。具体的には、図7を用いて説明する。
【0027】
ステップS504では、デバイスアドレス記憶モジュール130は、ゲーム用に用意したデバイスアドレス帳700に、ステップS502で検知した対戦相手に関する情報を記憶する。図7に示したデバイスアドレス帳700は、No.欄701、対戦相手の識別情報欄702、対戦ゲーム欄703、対戦日時欄704、マスターorスレーブ欄705、ML欄706を有しているテーブルである。
No.欄701は、ゲームの対戦相手を時系列順に付番したものを記憶する欄である。
対戦相手の識別情報欄702は、ゲームの対戦相手を一意に識別可能なもの(例えば、ブルートゥースアドレス、デバイス名又はハンドルネーム等)を記憶する欄である。
対戦ゲーム欄703は、ゲーム名を記憶する欄である。後に、同じ対戦相手に対して同じ対戦ゲームを行う場合に便利にするためである。
対戦日時欄704は、ゲームを行った日時を記憶する欄である。
マスターorスレーブ欄705は、その対戦相手は、ゲームの際にマスター又はスレーブのいずれであったかを記憶する欄である。
ML欄706は、その対戦相手を通話用のアドレス帳に記録させた場合の、そのアドレス帳内のリストと対応させるものを記憶する欄である。記憶する内容として、具体的には、図8に示すようなアドレス帳800のNo.欄801内の番号等が該当する。
【0028】
ステップS506では、メール用アドレス記憶モジュール140は、通話用に用意したアドレス帳800に、ステップS504で記憶した対戦相手に関する情報を関連づける。図8に示したアドレス帳800は、No.欄801、姓欄802、名欄803、ヨミ欄804、電話番号欄805、メールアドレス欄806、住所欄807、ゲーム欄808、GL欄809を有しているテーブルである。通話等の相手として、ゲームの対戦相手を含む。
No.欄801は、通話等の相手に付番したものを記憶する欄である。
姓欄802は、通話等の相手の姓を記憶する欄であり、名欄803は、通話等の相手の名を記憶する欄であり、ヨミ欄804は、通話等の相手の姓名(又は姓、名のいずれか)の読みを記憶する欄である。ゲームの対戦相手である場合は、ステップS404Mで受信したハンドルネーム等であってもよい。
電話番号欄805は、通話等の相手の電話番号を記憶する欄である。
メールアドレス欄806は、通話等の相手のメールアドレスを記憶する欄である。
住所欄807は、通話等の相手の住所を記憶する欄である。
ゲーム欄808は、通話等の相手としてゲームの対戦相手である場合、そのゲーム名を記憶する欄である。
GL欄809は、通話等の相手としてゲームの対戦相手である場合、デバイスアドレス帳700内のリストと対応させるものを記憶する欄である。記憶する内容として、具体的には、図7に示すようなデバイスアドレス帳700のNo.欄701内の番号等が該当する。
【0029】
つまり、アドレス帳800のGL欄809によって、アドレス帳800側からデバイスアドレス帳700に記憶している対戦相手とリンクすることができ、逆に、デバイスアドレス帳700のML欄706によって、デバイスアドレス帳700側からアドレス帳800に記憶している通話等の相手とリンクすることができる。これによって、利用者は、通話用に用意したアドレス帳800を検索することによって、過去にブルートゥース通信を用いたゲームで対戦した相手を見つけることができるようになる。
【0030】
次に、図6に示すフローチャートを用いて、アドレス帳検索モジュール150が、通話用に用意したアドレス帳800に登録されている対戦相手を選択する処理例を示す。
【0031】
ステップS602では、アドレス帳検索モジュール150は、利用者の操作に応じて、メール用アドレス記憶モジュール140内のアドレス帳800を検索する。利用者は、過去のゲーム相手を検索しているものとする。例えば、過去にゲームをした者のリストを表示させる検索が可能である。アドレス帳800のゲーム欄808又はGL欄809内が空白(又はヌル)でないものをリストアップすることによって、この検索は可能である。これらのリストアップされている者は、既にデバイスアドレス帳700に登録されているので、ゲームを行うことが可能であることを示している。
ステップS604では、アドレス帳検索モジュール150は、利用者の操作に応じて、ステップS602でリストアップされた過去の対戦相手から特定の対戦相手を選択する。
【0032】
ステップS606では、アドレス帳検索モジュール150は、ステップS604で選択された対戦相手のゲーム欄808に記憶されているゲーム名を抽出して、そのゲームプログラムを選択する。又は、GL欄809に記憶されているデバイスアドレス帳700のNo.を基にして、デバイスアドレス帳700を検索し、デバイスアドレス帳700内の情報を取得する。特に対戦ゲーム欄703に記憶されているゲーム名を基にして、ゲームプログラムを選択する。
ステップS608では、アドレス帳検索モジュール150は、ステップS606で選択したゲームプログラムであるゲームモジュール110を起動する。その際、ゲームモジュール110には、対戦相手として、ステップS604で選択した対戦相手を指定して起動する。これによって、ゲーム開始時に行うデバイス検索(ステップS401M)等が省略可能となり、デバイスアドレス帳700に記憶されている情報を基にしてブルートゥース通信の接続を確立することができるようになる。
【0033】
前記実施の形態においては、携帯情報端末として携帯電話を示したが、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)等でも可能であり、携帯可能であり、ブルートゥース以外の通信も可能なものであればよい。送信側と受信側になる携帯情報端末は、携帯電話同士でなくてもよい。例えば、携帯電話とPDAとのブルートゥースを用いた通信であってもよい。また、通信としてブルートゥースを示したが、複数人で行うゲームに適用できる近距離データ通信規格に準拠したものであればよい。
対戦型ゲームを示したが、これに限られず、複数人で行うゲームであればよい。
図7に示したデバイスアドレス帳700又は図8に示したアドレス帳800は、テーブル型のデータ構造であるが、これに限られず、リンク型のデータ構造であってもよい。
また、マスター側の携帯電話200によって行われる登録処理を示したが、スレーブ側の携帯電話200によって登録処理を行ってもよい。その場合、ゲーム開始時に行うマスター側のハンドルネーム等の受信(ステップS403S)を用いることになる。
また、過去のゲーム相手を検索する例を示したが、通話相手を検索した際に、その検索した相手がゲームの開始可能であることを表示するようにしてもよい。つまり、前述の実施の形態と同様に、検索した相手のアドレス帳800のゲーム欄808又はGL欄809内が空白(又はヌル)でない場合は、ゲーム開始可能である旨を表示するようにしてもよい。
【0034】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納することも可能であり、その場合は、例えば以下の発明としても把握することができる。
複数種の通信を行うことができ、該通信の一種として近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことができる携帯情報端末に、ゲームを行わせることができる携帯ゲームプログラムを記録した携帯情報端末読み取り可能な記録媒体であって、
前記携帯情報端末を、
他の携帯情報端末と前記近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことによってゲームを行うゲーム手段と、
前記ゲームの相手に関する情報を検知する相手検知手段と、
前記相手検知手段によって検知された相手に関する情報を記憶する相手記憶手段と、
前記近距離データ通信規格に準拠した通信以外の通信に用いられるアドレスと前記相手記憶手段に記憶されている相手に関する情報を関連づけるアドレス記憶手段
として機能させることを特徴とする携帯ゲームプログラムを記録した携帯情報端末読み取り可能な記録媒体。
【0035】
「プログラムを記録した携帯情報端末読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録された携帯情報端末で読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等が含まれる。
そして、上記のプログラム又はその一部は、上記記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能である。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に乗せて搬送することも可能である。
さらに、上記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる全体のモジュール構成例を示すブロック図である。
【図2】携帯電話の構成例を示す説明図である。
【図3】携帯電話の内部構成例を示すブロック図である。
【図4】マスター側とスレーブ側との間の通信手順例を示す説明図である。
【図5】対戦相手をアドレス帳に登録する処理例を示すフローチャートである。
【図6】アドレス帳に登録されている対戦相手を選択する処理例を示すフローチャートである。
【図7】デバイスアドレス帳のデータ構造例を示す説明図である。
【図8】アドレス帳のデータ構造例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0037】
110…ゲームモジュール
120…対戦相手検知モジュール
130…デバイスアドレス記憶モジュール
140…メール用アドレス記憶モジュール
150…アドレス帳検索モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の通信を行うことができ、該通信の一種として近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことができる携帯情報端末であって、
他の携帯情報端末と前記近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことによってゲームを行うゲーム手段と、
前記ゲームの相手に関する情報を検知する相手検知手段と、
前記相手検知手段によって検知された相手に関する情報を記憶する相手記憶手段と、
前記近距離データ通信規格に準拠した通信以外の通信に用いられるアドレスと前記相手記憶手段に記憶されている相手に関する情報を関連づけるアドレス記憶手段
を具備することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】
前記アドレス記憶手段によって記憶されているアドレスを検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索されたアドレスにゲームの相手に関する情報が関連づけられている場合は、ゲームが開始可能であることを表示するゲーム開始可能表示手段
を具備することを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項3】
複数種の通信を行うことができ、該通信の一種として近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことができる携帯情報端末に、ゲームを行わせることができる携帯ゲームプログラムであって、
前記携帯情報端末を、
他の携帯情報端末と前記近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことによってゲームを行うゲーム手段と、
前記ゲームの相手に関する情報を検知する相手検知手段と、
前記相手検知手段によって検知された相手に関する情報を記憶する相手記憶手段と、
前記近距離データ通信規格に準拠した通信以外の通信に用いられるアドレスと前記相手記憶手段に記憶されている相手に関する情報を関連づけるアドレス記憶手段
として機能させることを特徴とする携帯ゲームプログラム。
【請求項4】
前記アドレス記憶手段によって記憶されているアドレスを検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索されたアドレスにゲームの相手に関する情報が関連づけられている場合は、ゲームが開始可能であることを表示するゲーム開始可能表示手段
として機能させることを特徴とする請求項3に記載の携帯ゲームプログラム。
【請求項5】
複数種の通信を行うことができ、該通信の一種として近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことができる携帯情報端末によって、ゲームを行う携帯ゲーム方法であって、
前記携帯情報端末は、
他の携帯情報端末と前記近距離データ通信規格に準拠した通信を行うことによってゲームを行い、
前記ゲームの相手に関する情報を検知し、
前記検知された相手に関する情報を記憶し、
前記近距離データ通信規格に準拠した通信以外の通信に用いられるアドレスと前記記憶されている相手に関する情報を関連づける
ことを特徴とする携帯ゲーム方法。
【請求項6】
前記記憶されているアドレスを検索し、
前記検索されたアドレスにゲームの相手に関する情報が関連づけられている場合は、ゲームが開始可能であることを表示する
ことを特徴とする請求項5に記載の携帯ゲーム方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−284064(P2008−284064A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−130197(P2007−130197)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(501440684)ソフトバンクモバイル株式会社 (654)
【Fターム(参考)】