説明

携帯情報端末、画像形成システムおよびプログラム

【課題】複写が許可されている複写許可部分と複写が禁止されている複写禁止部分とが混在する電子文書を適切に複写することが可能な技術を提供する。
【解決手段】携帯情報端末10は、電子文書取得部と表示制御部とを備える。電子文書取得部は、複写が許可されている複写許可部分AP1,AP2と複写が禁止されている複写禁止部分TP1,TP2を有する電子文書EDを取得する。表示制御部は、複写許可部分AP1,AP2を視認可能な状態である可視状態で操作パネル16に表示する。また、表示制御部は、複写禁止部分TP1,TP2を視認不可能な状態である不可視状態で操作パネル16に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報端末およびそれに関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複写装置においては、表示媒体に表示される情報(電子文書等)の不正複写を防止する技術が存在する。例えば、特許文献1には、電子ペーパーに設けられた非接触式ICに記憶される複写可否情報(複写の可否を示す情報)を読み取り、当該電子ペーパーに表示される電子文書の複写を制御する複写装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−12701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、上記複写可否情報に基づいて電子文書全体を複写するか否かが二者択一的に決定されるため、複写が許可されている複写許可部分と複写が禁止されている複写禁止部分とが混在する電子文書を適切に複写することが困難であった。具体的には、当該電子文書全体の複写が許可されると複写禁止部分の複写が可能となる。一方、当該電子文書全体の複写が禁止されると複写許可部分の複写までもが禁止されることとなる。
【0005】
そこで、この発明の課題は、複写が許可されている複写許可部分と複写が禁止されている複写禁止部分とが混在する電子文書を適切に複写することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、携帯情報端末であって、複写が許可されている少なくとも1つの複写許可部分と複写が禁止されている少なくとも1つの複写禁止部分とを有する電子文書のデータを取得する電子文書取得手段と、前記少なくとも1つの複写許可部分を視認可能な状態である可視状態で表示部に表示するとともに、前記少なくとも1つの複写禁止部分を視認不可能な状態である不可視状態で前記表示部に表示する表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る携帯情報端末において、前記少なくとも1つの複写禁止部分を一時的に前記可視状態で表示する可視化指示入力を受け付ける入力制御手段、をさらに備え、前記表示制御手段は、前記可視化指示入力に応答して、前記少なくとも1つの複写禁止部分を一時的に前記可視状態で表示することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2の発明に係る携帯情報端末において、前記入力制御手段は、前記少なくとも1つの複写禁止部分のうちの一の複写禁止部分に対するユーザからの操作入力を前記可視化指示入力として受け付け、前記表示制御手段は、前記一の複写禁止部分を介して受け付けられる前記可視化指示入力に応答して、前記一の複写禁止部分を一時的に前記可視状態で表示することを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2の発明に係る携帯情報端末において、前記可視化指示入力を受け付ける可視化指示入力キー、をさらに備え、前記入力制御手段は、前記可視化指示入力キーに対するユーザからの操作入力を前記可視化指示入力として受け付け、前記表示制御手段は、前記可視化指示入力キーを介して受け付けられる前記可視化指示入力に応答して、前記少なくとも1つの複写禁止部分をいずれも一時的に前記可視状態で表示することを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1の発明に係る携帯情報端末において、前記携帯情報端末との間で通信が可能な画像形成装置にログイン中のユーザであるログインユーザに関するログインユーザ情報を前記画像形成装置から受信する通信制御手段と、前記複写禁止部分の複写の権限を有するユーザである権限ユーザに関する権限ユーザ情報を取得する権限ユーザ情報取得手段と、前記ログインユーザ情報と前記権限ユーザ情報とに基づいて、前記ログインユーザが前記権限ユーザであるか否かを判定する判定手段と、をさらに備え、前記表示制御手段は、前記ログインユーザが前記権限ユーザであると判定されることを条件として、前記少なくとも1つの複写禁止部分を一時的に前記可視状態で表示することを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5の発明に係る携帯情報端末において、前記通信制御手段は、前記画像形成装置が原稿を読み取り中であることを示す読取中信号を前記画像形成装置から受信し、前記表示制御手段は、前記ログインユーザが前記権限ユーザであると判定され且つ前記通信制御手段が前記読取中信号を受信中であることを条件として、前記少なくとも1つの複写禁止部分を一時的に前記可視状態で表示することを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1の発明に係る携帯情報端末において、前記表示部の表示面の向きを検出する検出手段、をさらに備え、前記表示制御手段は、前記表示面の向きが鉛直下向きであることを条件として、前記少なくとも1つの複写禁止部分を前記不可視状態で表示し、前記表示面の向きが前記鉛直下向き以外の向きであることを条件として、前記少なくとも1つの複写禁止部分を前記可視状態で表示することを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明は、画像形成システムであって、画像形成装置と、前記画像形成装置との間で通信を行うことが可能な携帯情報端末と、を備え、前記画像形成装置は、前記画像形成装置にログイン中のユーザであるログインユーザに関するログインユーザ情報を前記携帯情報端末に向けて送信する第1の通信制御手段、を有し、前記携帯情報端末は、複写が許可されている少なくとも1つの複写許可部分と複写が禁止されている少なくとも1つの複写禁止部分とを有する電子文書のデータを取得する電子文書取得手段と、前記少なくとも1つの複写許可部分を視認可能な状態である可視状態で表示部に表示するとともに、前記少なくとも1つの複写禁止部分を視認不可能な状態である不可視状態で前記表示部に表示する表示制御手段と、前記ログインユーザ情報を前記画像形成装置から受信する第2の通信制御手段と、前記複写禁止部分の複写の権限を有するユーザである権限ユーザに関する権限ユーザ情報を取得する権限ユーザ情報取得手段と、前記ログインユーザ情報と前記権限ユーザ情報とに基づいて、前記ログインユーザが前記権限ユーザであるか否かを判定する判定手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記ログインユーザが前記権限ユーザであると判定されることを条件として、前記少なくとも1つの複写禁止部分を一時的に前記可視状態で表示することを特徴とする。
【0014】
請求項9の発明は、携帯情報端末に内蔵されたコンピュータに、a)複写が許可されている少なくとも1つの複写許可部分と複写が禁止されている少なくとも1つの複写禁止部分とを有する電子文書のデータを取得するステップと、b)前記少なくとも1つの複写許可部分を視認可能な状態である可視状態で前記携帯情報端末の表示部に表示するとともに、前記少なくとも1つの複写禁止部分を視認不可能な状態である不可視状態で前記表示部に表示するステップと、を実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1ないし請求項9に記載の発明によれば、少なくとも1つの複写許可部分が視認可能な状態である可視状態で表示部に表示されるとともに、少なくとも1つの複写禁止部分が視認不可能な状態である不可視状態で表示部に表示される。そのため、少なくとも1つの複写禁止部分の複写を防止しつつ少なくとも1つの複写許可部分の複写を行うことが可能である。すなわち、複写が許可されている複写許可部分と複写が禁止されている複写禁止部分とが混在する電子文書を適切に複写することが可能である。
【0016】
特に、請求項2に記載の発明によれば、一の複写禁止部分を介して受け付けられる可視化指示入力に応答して、当該一の複写禁止部分が一時的に可視状態で表示される。そのため、ユーザは、当該一の複写禁止部分を携帯情報端末の表示部において一時的に閲覧することが可能である。
【0017】
また特に、請求項4に記載の発明によれば、可視化指示入力キーを介して受け付けられる可視化指示入力に応答して、少なくとも1つの複写禁止部分がいずれも一時的に可視状態で表示される。そのため、ユーザは、当該少なくとも1つの複写禁止部分の全てを同時に閲覧することが可能である。
【0018】
また特に、請求項5に記載の発明によれば、ログインユーザが権限ユーザであると判定されることを条件として、少なくとも1つの複写禁止部分が一時的に可視状態で表示される。そのため、権限ユーザは、画像形成装置を用いて少なくとも1つの複写禁止部分を複写することが可能である。
【0019】
また特に、請求項6に記載の発明によれば、通信手段が読取中信号を受信中であることを条件として、少なくとも1つの複写禁止部分が一時的に可視状態で表示される。そのため、画像形成装置における原稿の読み取り動作と少なくとも1つの複写禁止部分を一時的に可視状態で表示する動作とを適切に同期させることが可能である。
【0020】
また特に、請求項7に記載の発明によれば、表示部の表示面の向きが鉛直下向きであることを条件として少なくとも1つの複写禁止部分が不可視状態で表示される。そのため、仮に、複写機能を有する装置の原稿台に携帯情報端末がその表面が鉛直下向きになるように置かれたとしても、複写禁止部分は不可視状態で表示される。したがって、少なくとも1つの複写禁止部分の複写を禁止することが可能である。また、表示部の表示面の向きが鉛直下向き以外の向きであることを条件として少なくとも1つの複写禁止部分が可視状態で表示される。そのため、ユーザは、当該表示面の向きを鉛直下向き以外の向きに保つことにより、何ら操作入力を要さずに複写禁止部分を可視状態で閲覧することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係る携帯情報端末の外観を示す概略図である。
【図2】携帯情報端末のハードウェア構成を示す図である。
【図3】電子文書を示す概念図である。
【図4】携帯情報端末の構成を示す機能ブロック図である。
【図5】携帯情報端末の動作を示すフローチャートである。
【図6】操作パネルに表示される画面を示す図である。
【図7】操作パネルに表示される画面を示す図である。
【図8】操作パネルに表示される画面を示す図である。
【図9】第2実施形態に係る携帯情報端末の動作を示すフローチャートである。
【図10】操作パネルに表示される画面を示す図である。
【図11】操作パネルに表示される画面を示す図である。
【図12】第3実施形態に係る画像形成システムを示す概略図である。
【図13】携帯情報端末の構成を示す機能ブロック図である。
【図14】画像形成装置の構成を示す図である。
【図15】画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】携帯情報端末の動作を示すフローチャートである。
【図17】変形例に係る操作パネルに表示される画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
<1.第1実施形態>
<1−1.構成>
図1は、携帯情報端末10の外観を示す概略図である。
【0024】
携帯情報端末10は、各種の携帯型の情報端末である。携帯情報端末10は、たとえば、携帯型のパーソナルコンピュータ、パーソナルデータアシスタント端末(PDA装置)、あるいは携帯電話等の各種の装置として構成される。
【0025】
図2は、携帯情報端末10のハードウェア構成を示す図である。
【0026】
図2に示すように、携帯情報端末10は、CPU41、記憶部(半導体メモリ(RAM等)およびハードディスクドライブ等)42、通信部43、表示部45、および入力部46を備えて構成される。
【0027】
携帯情報端末10は、表示部45としての機能(表示出力機能)と入力部46としての機能(操作入力機能)とを兼ね備えた操作パネル(液晶タッチスクリーン等)16(図1参照)を有している。携帯情報端末10は、各種の情報を操作パネル16に表示してユーザに提供するとともに、操作パネル16を用いてユーザからの操作入力を受け付けることができる。
【0028】
また、携帯情報端末10は、記憶部42に電子文書EDを記憶する。ここでは、簡略化のため、この電子文書EDは、全1ページで構成されているものとする。図3は、電子文書EDを示す概念図である。図3に示すように、電子文書EDは、4つの部分(AP1,AP2,TP1,TP2)を備えて構成される。部分AP1,AP2は、その複写が許可されている部分であり、複写許可部分AP1,AP2とも称される。一方、部分TP1,TP2は、その複写が禁止されている部分であり、複写禁止部分TP1,TP2とも称される。
【0029】
また、携帯情報端末10は、CPU41等を用いて各種のプログラムPGを実行することによって様々な機能を実現する。ここでは、プログラムPGは、各種可搬性の記録媒体(USBメモリ等)に記録されており、当該記憶媒体を介して携帯情報端末10にインストールされる。なお、携帯情報端末10は、各種可搬性の記録媒体(USBメモリ等)を読み取る機能を有している。
【0030】
図4は、プログラムPGの実行により携帯情報端末10において実現される処理部を示す機能ブロック図である。
【0031】
具体的には、携帯情報端末10は、電子文書取得部21と入力制御部22と表示制御部23とを備える。電子文書取得部21は、電子文書EDを記憶部42から取得する処理部である。入力制御部22は、ユーザからの各種の操作入力を受け付ける処理部である。表示制御部23は、操作パネル16における表示内容を制御する処理部である。
【0032】
<1−2.動作>
はじめに、携帯情報端末10による電子文書EDの表示動作について説明する。
【0033】
ユーザからの所定の操作入力に応じて電子文書EDの表示指示入力が受け付けられると、携帯情報端末10は、電子文書取得部21を用いて、電子文書ED(詳細にはそのデータ)を記憶部42から取得する。
【0034】
この後、携帯情報端末10は、表示制御部23を用いて、操作パネル16に電子文書EDを表示する(図6参照)。図6に示すように、表示制御部23は、表示対象ページの複写許可部分AP1,AP2を視認可能(読み取り可能)な状態(以下、可視状態ASとも称する)で表示する。また、表示制御部23は、表示対象ページの複写禁止部分TP1,TP2を視認不可能(読み取り不可能)な状態(以下、不可視状態TSとも称する)で表示する。詳細には、表示制御部23は、複写禁止部分TP1,TP2と略同一のサイズを有する黒塗り画像BG1,BG2を、それぞれ、当該複写禁止部分TP1,TP2に重畳して表示する。なお、図6は、操作パネル16に表示される画面を示す図である。
【0035】
つぎに、図5のフローチャートを参照しながら、複写禁止部分TP1,TP2に対するユーザからの操作入力(タッチ操作)が受け付けられた場合の携帯情報端末10の動作について説明する。なお、図5は携帯情報端末10の動作を示すフローチャートである。
【0036】
まず、操作パネル16に対するタッチ操作(手指による接触操作)が検知されると、図5のステップS11において、携帯情報端末10は、操作パネル16におけるタッチ位置を検出し、各複写禁止部分TP(TP1,TP2)がタッチされたか否かを判定する。なお、入力制御部22は、複写禁止部分TP1,TP2に対するタッチ操作を、それぞれ、当該複写禁止部分TP1,TP2を一時的に可視状態ASで表示する指示入力(以下、可視化指示入力IN1,IN2とも称する)として受け付ける。このように、ステップS11においては、複写禁止部分TP1,TP2がタッチされたか否かによって、それぞれ、可視化指示入力IN1,IN2が受け付けられたか否かが判定される。ここにおいて、可視化指示入力IN1,IN2が受け付けられたと判定されると、処理はステップS12に進む。
【0037】
ステップS12においては、入力制御部22により受け付けられた可視化指示入力IN(IN1またはIN2)に応答して、携帯情報端末10は、タッチされた複写禁止部分TP(TP1またはTP2)を表示制御部23を用いて一時的に可視状態ASで表示する。
【0038】
具体的には、図7に示すように、表示制御部23は、可視化指示入力IN1に応答して複写禁止部分TP1を一時的に可視状態ASで表示する。また、図8に示すように、表示制御部23は、可視化指示入力IN2に応答して複写禁止部分TP2を一時的に可視状態ASで表示する。このように、表示制御部23は、可視化指示入力IN1,IN2に応答して、複写禁止部分TP1,TP2を個別に可視状態ASで表示する。
【0039】
ステップS13においては、携帯情報端末10は、操作パネル16に対するタッチ操作(手指による接触操作)が終了したか否かを判定する。具体的には、携帯情報端末10は、ユーザの手指が操作パネル16から離れた否かを判定する。ユーザの手指が操作パネル16から離れたと判定されると、ステップS14に進む。
【0040】
ステップS14においては、携帯情報端末10は、表示制御部23を用いて、複数の複写禁止部分TPの全て(ここでは、複写禁止部分TP1,TP2の双方)を再び不可視状態TSで表示する(図6参照)。
【0041】
以上のように、複写禁止部分TP1,TP2がタッチされていないときには、当該複写禁止部分TP1,TP2は不可視状態TSで表示される。たとえば、複写機能を有する画像形成装置等の原稿台に携帯情報端末10が置かれて操作パネル16が当該原稿台に接触しているときには、複写禁止部分TP1,TP2はタッチされておらず、当該複写禁止部分TP1,TP2は不可視状態TSで表示される。このような動作によれば、電子文書EDが画像形成装置等によりコピー(複写)されたとしても、複写禁止部分TP1,TP2は不可視状態TSで表示されるので、複写禁止部分TP1,TP2のコピー(複写)を防止することが可能である。一方、複写許可部分AP1,AP2は可視状態ASで表示されるので、複写禁止部分TP1,TP2を除く複写許可部分AP1,AP2をコピー(複写)することが可能である。したがって、複写許可部分AP1,AP2と複写禁止部分TP1,TP2とが混在する電子文書EDを適切に複写することが可能である。
【0042】
これに対して、複写禁止部分TP1,TP2がタッチされているときには、当該複写禁止部分TP1,TP2が一時的に可視状態ASで表示される。たとえば、各複写禁止部分TP1,TP2が当該ユーザの手指によりタッチされているときには、各複写禁止部分TP1,TP2は一時的に不可視状態TSで表示される。このような動作によれば、複写禁止部分TP1,TP2の操作パネル16上での閲覧を目的として、複写禁止部分TP1,TP2がユーザの手指によりタッチ操作されているときには、当該複写禁止部分TP1,TP2が一時的に可視状態ASで表示される。そのため、ユーザは、複写禁止部分TP1,TP2を携帯情報端末10の操作パネル16において一時的に閲覧することが可能である。
【0043】
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0044】
上記第1実施形態では、複写禁止部分TP1に対するタッチ操作に応答して当該複写禁止部分TP1が可視状態ASで表示され、複写禁止部分TP2に対するタッチ操作に応答して当該複写禁止部分TP2が可視状態ASで表示される場合を例示した。
【0045】
一方、この第2実施形態では、後述する可視化指示入力キーKY(図10参照)に対するタッチ操作に応答して、複数の複写禁止部分TP1,TP2をいずれも(ここでは、複写禁止部分TP1,TP2の双方を)可視状態ASで表示する場合を例示する(図11参照)。
【0046】
図10に示すように、表示制御部23は、電子文書EDを表示するとともに、当該電子文書EDの右上に可視化指示入力キーKYを表示する。この可視化指示入力キーKYは、複写禁止部分TP1,TP2の双方を一時的に可視状態ASで表示する指示入力(以下、可視化指示入力IN3とも称する)を入力するためのキーである。
【0047】
以下では、図9のフローチャートを参照しながら、可視化指示入力キーKYに対するユーザからの操作入力(タッチ操作)が受け付けられた場合の携帯情報端末10の動作について説明する。なお、図9は、この第2実施形態に係る携帯情報端末10の動作を示すフローチャートである。
【0048】
まず、操作パネル16に対するタッチ操作(手指による接触操作)が検知されると、図9のステップS31において、携帯情報端末10は、可視化指示入力キーKYがタッチされたか否かを判定する。なお、入力制御部22は、可視化指示入力キーKYに対するタッチ操作を可視化指示入力IN3として受け付ける。このように、ステップS31においては、可視化指示入力キーKYがタッチされたか否かによって、可視化指示入力IN3が受け付けられたか否かが判定される。ここにおいて、可視化指示入力IN3が受け付けられたと判定されると、処理はステップS32に進む。
【0049】
ステップS32においては、可視化指示入力IN3に応答して、表示制御部23は、タッチされた複写禁止部分TP1,TP2の双方を一時的に可視状態ASで表示する(図11参照)。
【0050】
ステップS33においては、携帯情報端末10は、可視化指示入力キーKYに対するタッチ操作が終了したか否かを判定する。当該タッチ操作が終了したと判定されると、ステップS34に進む。
【0051】
ステップS34においては、表示制御部23は、一時的に可視状態ASで表示していた複写禁止部分TP1,TP2の双方を再び不可視状態TSで表示する(図10参照)。
【0052】
以上の動作によれば、可視化指示入力IN3に応答して、複数の複写禁止部分TP1,TP2がいずれも(詳細には、複写禁止部分TP1,TP2の双方が)一時的に可視状態ASで表示される。そのため、ユーザは、複写禁止部分TP1,TP2の双方を同時に閲覧することが可能である。
【0053】
<3.第3実施形態>
第3実施形態は、上記各実施形態の変形例である。以下では、上記各実施形態との相違点を中心に説明する。
【0054】
上記各実施形態では、複写禁止部分TP1,TP2に対するタッチ操作(第1実施形態)あるいは可視化指示入力キーKYに対するタッチ操作(第2実施形態)に応答して、複写禁止部分TP1,TP2が一時的に可視状態ASで表示される場合を例示した。
【0055】
この第3実施形態では、後述の画像形成装置30へのログインユーザが複写禁止部分TP1,TP2の複写の権限を有する権限ユーザであり、且つ、画像形成装置30が原稿を読み取り中であることを条件として、複写禁止部分TP1,TP2の双方が一時的に可視状態ASで表示される場合を例示する。
【0056】
<3−1.概要>
図12は、第3実施形態に係る画像形成システム1を示す概略図である。
【0057】
図12に示すように、画像形成システム1は、携帯情報端末10(10B)と画像形成装置30とを備える。
【0058】
携帯情報端末10Bと画像形成装置30とは、短距離通信を用いて各種データを互いに授受することが可能である。なお、短距離通信としては、ブルートゥース接続による通信および赤外線通信等が例示される。
【0059】
<3−2.携帯情報端末10B>
図13は、携帯情報端末10Bの構成を示す機能ブロック図である。図13に示すように、携帯情報端末10Bは、上述の電子文書取得部21と入力制御部22と表示制御部23とに加え、権限ユーザ情報取得部24とログインユーザ判定部25と通信制御部26とをさらに備える。
【0060】
権限ユーザ情報取得部24は、電子文書EDに埋め込まれている権限ユーザ情報KIを当該電子文書EDから取得する処理部である。権限ユーザ情報KIは、複写禁止部分TP1,TP2の複写(コピー等)の権限を有するユーザ(以下、権限ユーザAUとも称する)に関する情報である。詳細には、権限ユーザ情報KIには、権限ユーザAUのユーザ名称(例えば、ユーザUA,UB,UC,...)が列挙されて記録されている。なお、ここでは、この権限ユーザ情報KIは、電子文書EDの作成者によって予め当該電子文書ED内に埋め込まれているものとする。
【0061】
ログインユーザ判定部25は、権限ユーザ情報KIと次述するログインユーザ情報LI(次述)とに基づいて、画像形成装置30にログイン中のユーザであるログインユーザLUが権限ユーザAUであるか否かを判定する処理部である。なお、ログインユーザ情報LIは、ログインユーザLUのユーザ名(例えば、ユーザUA)等を含む当該ログインユーザLUに関する情報である。後述するように、携帯情報端末10は、ログインユーザ情報LIを画像形成装置30から(短距離通信により)受信する。
【0062】
通信制御部26は、携帯情報端末10におけるデータ通信に関する各種動作を制御する処理部である。
【0063】
<3−3.画像形成装置30>
画像形成装置30は、マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi Function Peripheral)(MFPとも略称する)として構成されているものとする。当該MFPは、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能およびデータ通信機能などを備える装置(複合機とも称する)である。
【0064】
図14は、画像形成装置30の構成を示す図である。図14に示すように、画像形成装置30は、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5およびコントローラ9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
【0065】
画像読取部2は、画像形成装置30の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って、当該原稿の画像データ(原稿画像とも称する)を生成する処理部である。
【0066】
印刷出力部3は、対象画像に関する画像データに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
【0067】
通信部4は、ネットワークNWを介したネットワーク通信が可能である。このネットワーク通信では、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)およびFTP(File Transfer Protocol)等の各種のプロトコルが利用され、当該ネットワーク通信を利用することによって、画像形成装置1は、所望の相手先との間で各種のデータを授受することが可能である。また、通信部4は、特定の帯域の電波を利用することにより、所望の相手先との間でブルートゥース通信を行うことができる。さらに、通信部4は、赤外線を利用することにより、所望の相手先との間で近距離通信を行うことも可能である。
【0068】
記憶部5は、ハードディスクドライブ(HDD)および不揮発性メモリ等の格納装置で構成される。この記憶部5には、各登録ユーザに関する登録ユーザ情報(各ユーザのログインユーザ名およびパスワード等を含む)がそれぞれ登録されている。
【0069】
コントローラ9は、画像形成装置30を統括的に制御する制御部であり、CPUと、各種の半導体メモリ(RAMおよびROM等)とを備えて構成される。コントローラ9の制御下において各種の処理部が動作することによって、画像形成装置30の各種の機能が実現される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM等)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)PGを実行することによって、各種の処理部を実現する。
【0070】
具体的には、コントローラ9は、ユーザ認証部61および通信制御部62等を含む各種の処理部を実現する。
【0071】
ユーザ認証部61は、記憶部5内の登録ユーザ情報に基づいて、ユーザ認証処理を行う処理部である。
【0072】
通信制御部62は、携帯情報端末10との通信動作を制御する処理部である。通信制御部62は、たとえば、ログインユーザを識別するためのログインユーザ情報LIを携帯情報端末10に向けて送信する。また、通信制御部62は、画像読取部2により原稿を読み取り中(スキャニング中)であることを示す信号(以下、読取中信号RCとも称する)を携帯情報端末10に向けて送信する。読取中信号RCに関する通信は、短距離通信(ブルートゥース通信等)によって行われる。
【0073】
<3−4.動作>
つぎに、画像形成システム1における各種動作について図15および図16等を参照しながら説明する。図15は、画像形成装置30における動作を示すフローチャートである。また、図16は、携帯情報端末10における動作を示すフローチャートである。
【0074】
この第3実施形態では、ユーザUAが、画像形成装置30を用いて携帯情報端末10の操作パネル16に表示されている電子文書ED(図6参照)をコピーする場合を例示する。ここでは、ユーザUAは、ユーザ認証部61によるユーザ認証処理を経て、既に画像形成装置30へログインしているものとする。なお、ユーザ認証処理は、次のような手順で行われる。まず、ユーザUAは、画像形成装置30の操作部においてユーザ名NMおよびパスワードPWを入力する。この後、ユーザ認証部61は、入力されたユーザ名NMおよびパスワードPWと記憶部5内の登録ユーザ情報とを照合してユーザUAのログイン可否を決定する。
【0075】
はじめに、図15のフローチャートを参照しながら、画像形成装置30の動作について説明する。
【0076】
携帯情報端末10Bが画像形成装置30の原稿台に置かれてスタートキーが押下されると、図15のステップS51において、画像形成装置30は、携帯情報端末10Bが複写禁止部分TPを一時的に可視状態ASで表示する可視表示動作KDに対応する機種(以下、対応機種HMとも称する)であるか否かを判定する。
【0077】
具体的には、画像形成装置30は、携帯情報端末10との間において所定のプロトコルで短距離通信を実行する。ここで、画像形成装置30と携帯情報端末10との間において通信が確立した場合には、画像形成装置30は、携帯情報端末10Bを対応機種HMであると判定する。そして、処理はステップS52に進む。一方、画像形成装置30と携帯情報端末10との間において通信が確立しない場合(例えば、通信がタイムアウトになった場合)には、画像形成装置30は、携帯情報端末10Bを対応機種HMではないと判定する。そして、処理はステップS54に進む。
【0078】
ステップS52においては、画像形成装置30は、通信制御部62を用いて、ログインユーザ(ここでは、ユーザUA)を識別するためのログインユーザ情報LIを携帯情報端末10Bに向けて送信する。
【0079】
ステップS53においては、画像形成装置30は、画像読取部2を用いて、原稿の読み取りを行う。なお、原稿の読み取り中においては、画像形成装置30は、通信制御部62を用いて、読取中信号RCを携帯情報端末10に向けて送信する。
【0080】
一方、ステップS54においては、画像形成装置30は、携帯情報端末10Bが対応機種HMでないため、読取中信号RCを送信せずに原稿の読み取りを行う。
【0081】
つぎに、図16のフローチャートを参照しながら、携帯情報端末10Bの動作について説明する。
【0082】
電子文書EDの表示指示入力が受け付けられると、携帯情報端末10は、図16のステップS70において、操作パネル16に電子文書EDを表示する。具体的には、図6に示すように、携帯情報端末10は、表示制御部23を用いて、複写許可部分AP1,AP2を可視状態ASで表示するとともに、複写禁止部分TP1,TP2を不可視状態TSで表示する。
【0083】
この後、携帯情報端末10Bは、画像形成装置30と通信し、画像形成装置30からログインユーザ情報LIを受信すると、ステップS71において、ログインユーザ(ユーザUA)が権限ユーザAUであるか否かを判定する。
【0084】
具体的には、まず、携帯情報端末10は、権限ユーザ情報取得部24を用いて、電子文書EDから権限ユーザ情報KIを取得する。この後、ログインユーザ判定部25は、ログインユーザ情報LIと権限ユーザ情報KIとに基づいて、ログインユーザ(ユーザUA)LUが権限ユーザAUであるか否かを判定する。具体的には、権限ユーザAUとして列挙されているユーザ名の中にログインユーザLUのユーザ名と一致するものが存在する場合には、当該ログインユーザLUが権限ユーザAUであると判定される。一方、権限ユーザAUとして列挙されているユーザ名の中にログインユーザLUのユーザ名と一致するものが存在しない場合には、当該ログインユーザLUは権限ユーザAUでないと判定される。
【0085】
ここで、ログインユーザが権限ユーザAUであると判定されると、ステップS72に進む。一方、ログインユーザが権限ユーザAUでないと判定されると、携帯情報端末10Bは、可視表示動作KDを実行せずに処理を終了する。すなわち、ログインユーザが権限ユーザAUでない場合には、原稿の読み取り中において、携帯情報端末10は、複写禁止部分TP1,TP2を可視状態ASで表示することなく、不可視状態TSで表示する。
【0086】
ステップS72においては、通信制御部26が読取中信号RCを受信中であるか否かが判定される。通信制御部26が読取中信号RCを受信中であると判定されると、ステップS73に進み、それ以外の場合には、携帯情報端末10Bは、可視表示動作KDを実行せずに処理を終了する。
【0087】
ステップS73においては、表示制御部23は、可視表示動作KDを実行する。具体的には、表示制御部23は、ユーザUAが権限ユーザAUであると判定され且つ通信制御部26が読取中信号RCを受信中であることを条件として、複数の複写禁止部分TP1,TP2の全て(TP1,TP2の双方)を一時的に可視状態で表示する。このように、ステップS73の可視表示動作KDは、画像形成装置30にログイン中のログインユーザLUが権限ユーザAUであると判定され且つ画像形成装置30におけるスキャン動作中(図15のステップS53)であることを条件として実行される。また、このような可視表示動作KDに同期して、画像形成装置30のスキャン動作が実行され(図15のステップS53)、可視状態ASに遷移した複写禁止部分TP1,TP2が画像形成装置30によって複写される。
【0088】
ステップS74においては、読取中信号RCの受信が終了したか否かが判定される。読取中信号RCの受信が終了したと判定されると、ステップS75に進む。
【0089】
ステップS75においては、表示制御部23は、一時的に可視状態で表示していた複写禁止部分TP1,TP2の双方を再び不可視状態で表示する。
【0090】
以上の動作によれば、ログインユーザが権限ユーザAUであると判定されることを条件として、複写禁止部分TP1,TP2の双方が一時的に可視状態ASで表示される。そのため、権限ユーザAUは、画像形成装置30を用いて複写禁止部分TP1,TP2を複写することが可能である。
【0091】
また、通信制御部26が読取中信号RCを受信中であることを条件として、複写禁止部分TP1,TP2の双方が一時的に可視状態ASで表示される。そのため、画像形成装置30におけるスキャン動作と可視表示動作KDとをより確実に同期させることが可能である。
【0092】
なお、複写禁止部分TP1,TP2を一時的に可視状態ASで表示するか否かが携帯情報端末10側で決定されるので、可視表示動作KDに対応していない画像形成装置等の近傍に携帯情報端末10が存在する場合には、当該携帯情報端末10の複写禁止部分TP1,TP2は常に不可視状態TSで表示される。したがって、複写禁止部分TP1,TP2が無断で複写されることを確実に防止することが可能である。
【0093】
<4.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0094】
具体的には、上記第1実施形態では、複写禁止部分TP1,TP2がタッチされていない場合には当該複写禁止部分TP1,TP2が不可視状態TSで表示され、当該複写禁止部分TP1,TP2がタッチされている場合には当該複写禁止部分TP1,TP2が可視状態ASで表示される場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、携帯情報端末10の操作パネル16の表示面の向きが鉛直下向きであることを条件として複写禁止部分TP1,TP2が不可視状態TSで表示され、当該表示面の向きが鉛直下向き以外の向きであることを条件として複写禁止部分TP1,TP2が可視状態ASで表示されるようにしてもよい。
【0095】
以下では、このような変形例について説明する。
【0096】
この変形例においては、携帯情報端末10は、上述の電子文書取得部21と入力制御部22と表示制御部23とに加え、検出部29をさらに備える。
【0097】
検出部29は、操作パネル16の表示面の向きを検出する処理部である。より詳細には、検出部29は、操作パネル16の表示面の外向き法線ベクトルの向きを検出する。ここでは、検出部29は、ジャイロセンサとして構成されているものとする。
【0098】
このような検出部29によって、操作パネル16の表示面の向きが鉛直下向きであると判定されると、表示制御部23は、複写禁止部分TP1,TP2を不可視状態TSで表示する。一方、操作パネル16の表示面の向きが鉛直下向き以外(例えば、鉛直上向き)であると判定されると、表示制御部23は、複写禁止部分TP1,TP2を可視状態ASで表示する。
【0099】
これによれば、携帯情報端末10が画像形成装置30の原稿台に置かれて操作パネル16の表示面の向きが鉛直下向きである場合には、複写禁止部分TP1,TP2が不可視状態TSで表示されるので、当該複写禁止部分TP1,TP2の複写が禁止され、電子文書EDのセキュリティを適切に確保することが可能である。
【0100】
また、携帯情報端末10が原稿台に置かれておらず操作パネル16の表示面の向きが鉛直下向き以外である場合には、複写禁止部分TP1,TP2が可視状態ASで表示される。そのため、ユーザは、操作パネル16を鉛直下向き以外の向きに保つことにより、何ら操作入力を要さずに複写禁止部分TP1,TP2を可視状態ASで閲覧することが可能である。
【0101】
また、上記第1実施形態においては、複写禁止部分TP1,TP2に対するユーザの手指によるタッチ操作を、それぞれ、可視化指示入力IN1,IN2として受け付ける場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、複写禁止部分TP1,TP2に対する専用のタッチペンを用いたタッチ操作を、それぞれ、可視化指示入力IN1,IN2として受け付けるようにしてもよい。同様に、上記第2実施形態においては、可視化指示入力キーKYに対するユーザの手指によるタッチ操作を可視化指示入力IN3として受け付ける場合を例示したが、これに限定さず、可視化指示入力キーKYに対する専用のタッチペンを用いたタッチ操作を可視化指示入力IN3として受け付けるようにしてもよい。
【0102】
また、上記第2実施形態においては、可視化指示入力キーKYを電子文書EDの右上に表示する場合を例示したが、これに限定されず、たとえば、当該電子文書EDの閲覧の妨げにならない他の場所(例えば、電子文書EDの左上)に表示するようにしてもよい。
【0103】
また、上記第3実施形態においては、ログインユーザが権限ユーザAUであると判定され且つ読取中信号RCの受信中であることを条件として、複写禁止部分TP1,TP2の双方が一時的に可視状態で表示される場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、ログインユーザが権限ユーザAUであると判定されてから一定期間(例えば、15秒間)において、複写禁止部分TP1,TP2の双方が可視状態ASで表示されるようにしてもよい。これによれば、権限ユーザAUは、複写禁止部分TP1,TP2の双方が可視状態ASで表示される一定期間において当該複写禁止部分TP1,TP2を複写することが可能である。ただし、上記第3実施形態のように、読取中信号RCの受信中において複写禁止部分TP1,TP2の双方を可視状態ASで表示することによれば、画像形成装置30におけるスキャン動作と可視表示動作KDとを同期させることができるので、複写禁止部分TP1,TP2をより確実に複写することが可能である。
【0104】
また、上記第3実施形態においては、各登録ユーザに関する情報が画像形成装置30内の記憶部5に登録されている場合を例示したが、これに限定されず、ネットワークNWを介して画像形成装置30に接続されるサーバ50(不図示)に各登録ユーザが登録されるようにしてもよい。
【0105】
また、上記各実施形態においては、複写禁止部分TP1,TP2と略同一のサイズを有する黒塗り画像BG1,BG2が、それぞれ、当該複写禁止部分TP1,TP2に重畳されて表示される場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、図17に示すように、複写禁止部分TP1,TP2と略同一のサイズを有し内部に複写禁止である旨のメッセージを表示するメッセージ画像MG1,MG2が、それぞれ、当該複写禁止部分TP1,TP2に重畳されて表示されるようにしてもよい。あるいは、各種の広告を表示する広告画像AG1,AG2(不図示)が、それぞれ、当該複写禁止部分TP1,TP2に重畳されて表示されるようにしてもよい。このように、複写禁止部分TP1,TP2の視認を妨げる各種の画像を用いることにより、当該複写禁止部分TP1,TP2を視認不可能(読み取り不可能)な不可視状態TSで表示することが可能である。
【0106】
また、上記各実施形態においては、2つの複写禁止部分TP1,TP2を有する電子文書EDに本発明の思想を適用する場合を例示したが、これに限定されず、単一の複写禁止部分TPを有する電子文書EDに当該思想を適用するようにしてもよく、あるいは、より多く(例えば、3つ)の複写禁止部分を有する電子文書EDに当該思想を適用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0107】
AP1,AP2 複写許可部分
AS 可視状態
AU 権限ユーザ
BG1,BG2 黒塗り画像
IN1〜IN3 可視化指示入力
ED 電子文書
KI 権限ユーザ情報
KY 可視化指示入力キー
LI ログインユーザ情報
MG メッセージ画像
RC 読取中信号
TP1,TP2 当該複写禁止部分
TS 不可視状態

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯情報端末であって、
複写が許可されている少なくとも1つの複写許可部分と複写が禁止されている少なくとも1つの複写禁止部分とを有する電子文書のデータを取得する電子文書取得手段と、
前記少なくとも1つの複写許可部分を視認可能な状態である可視状態で表示部に表示するとともに、前記少なくとも1つの複写禁止部分を視認不可能な状態である不可視状態で前記表示部に表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯情報端末において、
前記少なくとも1つの複写禁止部分を一時的に前記可視状態で表示する可視化指示入力を受け付ける入力制御手段、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記可視化指示入力に応答して、前記少なくとも1つの複写禁止部分を一時的に前記可視状態で表示することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯情報端末において、
前記入力制御手段は、前記少なくとも1つの複写禁止部分のうちの一の複写禁止部分に対するユーザからの操作入力を前記可視化指示入力として受け付け、
前記表示制御手段は、前記一の複写禁止部分を介して受け付けられる前記可視化指示入力に応答して、前記一の複写禁止部分を一時的に前記可視状態で表示することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項4】
請求項2に記載の携帯情報端末において、
前記可視化指示入力を受け付ける可視化指示入力キー、
をさらに備え、
前記入力制御手段は、前記可視化指示入力キーに対するユーザからの操作入力を前記可視化指示入力として受け付け、
前記表示制御手段は、前記可視化指示入力キーを介して受け付けられる前記可視化指示入力に応答して、前記少なくとも1つの複写禁止部分をいずれも一時的に前記可視状態で表示することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項5】
請求項1に記載の携帯情報端末において、
前記携帯情報端末との間で通信が可能な画像形成装置にログイン中のユーザであるログインユーザに関するログインユーザ情報を前記画像形成装置から受信する通信制御手段と、
前記複写禁止部分の複写の権限を有するユーザである権限ユーザに関する権限ユーザ情報を取得する権限ユーザ情報取得手段と、
前記ログインユーザ情報と前記権限ユーザ情報とに基づいて、前記ログインユーザが前記権限ユーザであるか否かを判定する判定手段と、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記ログインユーザが前記権限ユーザであると判定されることを条件として、前記少なくとも1つの複写禁止部分を一時的に前記可視状態で表示することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯情報端末において、
前記通信制御手段は、前記画像形成装置が原稿を読み取り中であることを示す読取中信号を前記画像形成装置から受信し、
前記表示制御手段は、前記ログインユーザが前記権限ユーザであると判定され且つ前記通信制御手段が前記読取中信号を受信中であることを条件として、前記少なくとも1つの複写禁止部分を一時的に前記可視状態で表示することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項7】
請求項1に記載の携帯情報端末において、
前記表示部の表示面の向きを検出する検出手段、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、
前記表示面の向きが鉛直下向きであることを条件として、前記少なくとも1つの複写禁止部分を前記不可視状態で表示し、
前記表示面の向きが前記鉛直下向き以外の向きであることを条件として、前記少なくとも1つの複写禁止部分を前記可視状態で表示することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項8】
画像形成システムであって、
画像形成装置と、
前記画像形成装置との間で通信を行うことが可能な携帯情報端末と、
を備え、
前記画像形成装置は、
前記画像形成装置にログイン中のユーザであるログインユーザに関するログインユーザ情報を前記携帯情報端末に向けて送信する第1の通信制御手段、
を有し、
前記携帯情報端末は、
複写が許可されている少なくとも1つの複写許可部分と複写が禁止されている少なくとも1つの複写禁止部分とを有する電子文書のデータを取得する電子文書取得手段と、
前記少なくとも1つの複写許可部分を視認可能な状態である可視状態で表示部に表示するとともに、前記少なくとも1つの複写禁止部分を視認不可能な状態である不可視状態で前記表示部に表示する表示制御手段と、
前記ログインユーザ情報を前記画像形成装置から受信する第2の通信制御手段と、
前記複写禁止部分の複写の権限を有するユーザである権限ユーザに関する権限ユーザ情報を取得する権限ユーザ情報取得手段と、
前記ログインユーザ情報と前記権限ユーザ情報とに基づいて、前記ログインユーザが前記権限ユーザであるか否かを判定する判定手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、前記ログインユーザが前記権限ユーザであると判定されることを条件として、前記少なくとも1つの複写禁止部分を一時的に前記可視状態で表示することを特徴とする画像形成システム。
【請求項9】
携帯情報端末に内蔵されたコンピュータに、
a)複写が許可されている少なくとも1つの複写許可部分と複写が禁止されている少なくとも1つの複写禁止部分とを有する電子文書のデータを取得するステップと、
b)前記少なくとも1つの複写許可部分を視認可能な状態である可視状態で前記携帯情報端末の表示部に表示するとともに、前記少なくとも1つの複写禁止部分を視認不可能な状態である不可視状態で前記表示部に表示するステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−242963(P2012−242963A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110696(P2011−110696)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】