説明

携帯機器、その制御方法及びその制御プログラム

【課題】非接触ICカード技術に対応した非接触通信によってタイマの設定及び電源制御を行う携帯機器を提供する。
【解決手段】携帯機器を制御する制御部11と、情報を表示する表示部12と、操作の用に供するキー13と、音声を出力するスピーカー14と、非接触通信を行う非接触ICカード対応ICチップ15とを備え、制御部11は、搭乗口の非接触ICカードリーダ・ライタと非接触ICカード対応ICチップ15とが非接触通信を行ったとき、一定時間経過後に携帯機器の電源をOFFにするタイマをセットして該一定時間経過後に携帯機器の電源をOFFとし、更に該電源OFFの状態で電源ONが要求された場合は表示部12に警告表示を行い、該警告表示に対する応答が入力された場合に電源をONにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触通信によってタイマの設定及び電源制御を行う携帯機器、その制御方法及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
非接触ICカード技術に対応したICチップを搭載した携帯電話が広く普及し、航空会社がチケットレスサービスに活用しており、空港のチェックインカウンタ、セキュリティゲート、搭乗口などにリーダ・ライタの設置が進んでいる。
【0003】
このチケットレスサービスを利用すると、空港の要所で携帯電話をリーダ・ライタにタッチするだけで、利用者に便利なサービスを提供することが可能になる。
【0004】
そのため、特許文献1では、チェックインカウンタ等に設置されたICカードリーダ・ライタと通信を行って情報を取得し、搭乗開始予定時刻になるとアラーム表示する携帯機器に関する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−005112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている発明は、空港内で使用されるにもかかわらず、チェックインカウンタやセキュリティゲートに設置されたICカードリーダ・ライタと通信して、搭乗口や搭乗開始予定時刻等の情報を取得、表示できるものの、非接触通信によって携帯機器のタイマの設定及びその電源制御ができないという問題があった。
【0007】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、非接触ICカード技術に対応した非接触通信によってタイマの設定及び電源制御を行う携帯機器、その制御方法及びその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の問題を解決するため、本発明に係る携帯機器は、空港のチェックインカウンタ、セキュリティゲート、搭乗口及び降機口にそれぞれ設けられた非接触ICカードリーダ・ライタと非接触通信が可能な携帯機器であって、該携帯機器を制御する制御部と、文字、記号及び画像を含む情報を表示する表示部と、操作の用に供するキーと、音声を出力するスピーカーと、非接触通信を行う非接触ICカード対応ICチップとを備え、前記制御部は、前記搭乗口の非接触ICカードリーダ・ライタと前記非接触ICカード対応ICチップとが非接触通信を行ったとき、一定時間経過後に前記携帯機器の電源をOFFにするタイマをセットして該一定時間経過後に前記携帯機器の電源をOFFとし、更に該電源OFFの状態で電源ONが要求された場合は前記表示部に警告表示を行い、該警告表示に対する応答が入力された場合に電源をONにすることを特徴とする。
【0009】
上述の問題を解決するため、本発明に係る携帯機器の制御方法は、空港のチェックインカウンタ、セキュリティゲート、搭乗口及び降機口にそれぞれ設けられた非接触ICカードリーダ・ライタと非接触通信が可能な、携帯機器の制御方法であって、前記搭乗口の非接触ICカードリーダ・ライタと非接触通信を行う手順と、前記非接触通信を行う手順から一定時間経過後に前記携帯機器の電源をOFFにするタイマをセットする手順と、該一定時間経過後に前記携帯機器の電源をOFFとする手順と、該電源OFFの状態で電源ONが要求された場合、文字、記号及び画像を含む情報を表示する表示部に警告表示を行う手順と、該警告表示に対する応答が入力された場合、電源をONにする手順と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上述の問題を解決するため、本発明に係る携帯機器の制御プログラムは、空港のチェックインカウンタ、セキュリティゲート、搭乗口及び降機口にそれぞれ設けられた非接触ICカードリーダ・ライタと非接触通信が可能な、携帯機器の制御プログラムであって、前記搭乗口の非接触ICカードリーダ・ライタと非接触通信を行う処理と、前記非接触通信を行う処理から一定時間経過後に前記携帯機器の電源をOFFにするタイマをセットする処理と、該一定時間経過後に前記携帯機器の電源をOFFとする処理と、該電源OFFの状態で電源ONが要求された場合、文字、記号及び画像を含む情報を表示する表示部に警告表示を行う処理と、該警告表示に対する応答が入力された場合、電源をONにする処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、非接触ICカード技術に対応した非接触通信によってタイマの設定及び電源制御を行う携帯機器、その制御方法及びその制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯機器の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。ここで、図1は、本発明の実施の形態に係る携帯機器の構成図である。
【0014】
この図1によれば、本発明の実施の形態に係る携帯機器は、携帯機器を制御する制御部11、文字、記号及び画像を含む情報を表示する表示部12、操作の用に供するキー13、音声を出力するスピーカー14及び非接触通信を行う非接触ICカード対応ICチップ15から構成される。
【0015】
なお、図1では、携帯電話などを構成するために必要な大部分の要素は省略している。
【0016】
[本発明の実施の形態の動作]
本発明の実施の形態は航空会社のチケットレスサービスで携帯電話を使用した場合を前提としている。ここで、図2は、本発明の実施の形態の動作例を示すフローチャートである。
【0017】
以下、図2を参照しながら、本発明の実施の形態の動作について、(ア)〜(ウ)の各事例別に詳細に説明する。
【0018】
(ア)チェックインカウンタ・セキュリティゲート通過時
本実施の形態に係る携帯機器は、非接触ICカードリーダ・ライタと非接触ICカード対応ICチップ15とが非接触通信を行い、搭乗口・搭乗開始予定時刻の最新の情報を得る(S101)。情報を得た携帯機器の制御部11はこれらの情報を表示部15に表示すると共に(S102)、搭乗開始予定時刻にアラームを設定する(S103)。
【0019】
(イ)搭乗口通過時
本実施の形態に係る携帯機器は、非接触ICカードリーダ・ライタと非接触ICカード対応ICチップ15とが非接触通信を行い、座席番号の他、到着地までの飛行時間・到着予定時刻・到着地の天候などの最新のフライト情報を得る(S201)。情報を得た携帯機器はこれらの情報を表示部12に表示すると共に(S202)、フライトシャットダウンプロセスに移行する。フライトシャットダウンプロセスでは、制御部11は、搭乗口の非接触ICカードリーダ・ライタと非接触ICカード対応ICチップ15とが非接触通信を行ったとき、一定時間経過後に前記携帯機器の電源をOFFにするタイマをセットし(S203)、一定時間経過後に電源をOFFする(S204、S205)。この電源OFFの状態で電源ONが要求された場合、すなわち、ユーザが電源をONした時はフライトパワーアッププロセスが起動し、電源をONにして良いか表示部12に警告表示を行う(S206)。一定時間以内にユーザが警告の確認操作を行わなければ、電源をOFFにする(S207〜S208、S205)。一方で、警告表示に対する応答が入力された場合、すなわち、ユーザが警告に対する確認操作を行うと(S209)、起動モード選択プロセスに進み(S210)、ユーザ操作により(S211)、オンラインモード(S212)又はオフラインモードで起動する(S213)。
【0020】
(ウ)降機口通過時
本実施の形態に係る携帯機器は、非接触ICカードリーダ・ライタと非接触ICカード対応ICチップ15とが非接触通信を行い、受託手荷物返却ターンテーブル番号の情報を得る(S301)。携帯機器が電源OFF状態であれば電源をONにして通常に起動した上で(S302、S303)、非接触ICカードリーダ・ライタとの通信で得た情報を表示部12に表示する(S304)。
【0021】
本実施の形態に係る効果を、(ア)〜(ウ)の各事例別に説明する。
【0022】
(ア)チェックインカウンタ・セキュリティゲート通過時では、ユーザは搭乗口と搭乗開始予定時刻の最新情報を容易に確認することができる。また、自動的にアラームが設定されて搭乗開始予定時刻になったことをユーザが容易に知ることができるので、搭乗遅れを防止することができる。
【0023】
(イ)搭乗口通過時では、ユーザは座席と最新のフライト情報を容易に確認することができる。また、自動的にシャットダウンすることで電源OFFの操作の煩わしさから開放され、電源OFF忘れを防止することができる。フライトシャットダウンプロセス及びフライトパワーアッププロセスが、航空機内での電子機器の使用制限を遵守するために有効である。
【0024】
(ウ)降機口通過時では、ユーザは受託手荷物返却ターンテーブル番号を容易に確認することができる。また、電源OFF状態であれば、電源ONの操作の煩わしさから開放される。
【0025】
[他の実施の形態]
フライトシャットダウンプロセスで電源をOFFにした後は降機口で非接触ICカードリーダ・ライタと通信を行わない限り電源をONにできないようにする。これにより、航空機内では常に電源OFFの状態を保て、より安全を重視することができる。
【0026】
本発明は、物である携帯機器の発明のみならず、携帯機器の制御方法の発明及び携帯機器の制御プログラムの発明としても実施できる。
【0027】
本発明の上記の実施の形態による携帯機器は、ハードウェアによっても実現することもできるが、コンピュータをその携帯機器として機能させるためのプログラムをコンピュータがコンピュータで読み取り可能な記録媒体から読み込んで実行することによっても実現することが出来る。
【0028】
また、本発明の上記の実施の形態による携帯機器の制御の方法は、ハードウェアによっても実現することもできるが、コンピュータにその方法を実行させるためのプログラムをコンピュータがコンピュータで読み取り可能な記録媒体から読み込んで実行することによっても実現することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、非接触式ICカード通信機能を備えた携帯機器に用いることができる。
【符号の説明】
【0030】
11 制御部
12 表示部
13 キー
14 スピーカー
15 非接触ICカード対応ICチップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空港のチェックインカウンタ、セキュリティゲート、搭乗口及び降機口にそれぞれ設けられた非接触ICカードリーダ・ライタと非接触通信が可能な携帯機器であって、
該携帯機器を制御する制御部と、文字、記号及び画像を含む情報を表示する表示部と、操作の用に供するキーと、音声を出力するスピーカーと、非接触通信を行う非接触ICカード対応ICチップとを備え、
前記制御部は、前記搭乗口の非接触ICカードリーダ・ライタと前記非接触ICカード対応ICチップとが非接触通信を行ったとき、一定時間経過後に前記携帯機器の電源をOFFにするタイマをセットして該一定時間経過後に前記携帯機器の電源をOFFとし、更に該電源OFFの状態で電源ONが要求された場合は前記表示部に警告表示を行い、該警告表示に対する応答が入力された場合に電源をONにすることを特徴とする携帯機器。
【請求項2】
前記制御部は、
前記非接触ICカード対応ICチップが、前記チェックインカウンタ又はセキュリティゲートに設けられた非接触ICカードリーダ・ライタと非接触通信を行い、搭乗口・搭乗開始予定時刻の最新の情報を取得したとき、該最新の情報を前記表示部に表示して搭乗開始予定時刻にアラームを設定し、
前記非接触ICカード対応ICチップが、前記搭乗口の非接触ICカードリーダ・ライタと前記非接触ICカード対応ICチップとが非接触通信を行い、座席番号、到着地までの飛行時間、到着予定時刻及び到着地の天候を含む最新のフライト情報を取得したとき、該フライト情報を前記表示部に表示し、
前記非接触ICカード対応ICチップが、前記降機口の非接触ICカードリーダ・ライタと前記非接触ICカード対応ICチップとが非接触通信を行い、受託手荷物返却ターンテーブル番号の情報を取得し、前記携帯機器が電源OFF状態であれば電源をONにして、該情報を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯機器。
【請求項3】
空港のチェックインカウンタ、セキュリティゲート、搭乗口及び降機口にそれぞれ設けられた非接触ICカードリーダ・ライタと非接触通信が可能な、携帯機器の制御方法であって、
前記搭乗口の非接触ICカードリーダ・ライタと非接触通信を行う手順と、
前記非接触通信を行う手順から一定時間経過後に前記携帯機器の電源をOFFにするタイマをセットする手順と、
該一定時間経過後に前記携帯機器の電源をOFFとする手順と、
該電源OFFの状態で電源ONが要求された場合、文字、記号及び画像を含む情報を表示する表示部に警告表示を行う手順と、
該警告表示に対する応答が入力された場合、電源をONにする手順と、
を備えることを特徴とする携帯機器の制御方法。
【請求項4】
前記チェックインカウンタ又はセキュリティゲートに設けられた非接触ICカードリーダ・ライタと非接触通信を行い、搭乗口・搭乗開始予定時刻の最新の情報を取得する手順と、
該最新の情報を前記表示部に表示して搭乗開始予定時刻にアラームを設定する手順と、
前記搭乗口の非接触ICカードリーダ・ライタと非接触通信を行い、座席番号、到着地までの飛行時間、到着予定時刻及び到着地の天候を含む最新のフライト情報を取得する手順と、
該フライト情報を前記表示部に表示する手順と、
前記降機口の非接触ICカードリーダ・ライタと非接触通信を行い、受託手荷物返却ターンテーブル番号の情報を取得する手順と、
前記携帯機器が電源OFF状態であれば電源をONにする手順と、
該情報を前記表示部に表示する手順と、
を更にそなえることを特徴とする請求項3に記載の携帯機器の制御方法。
【請求項5】
空港のチェックインカウンタ、セキュリティゲート、搭乗口及び降機口にそれぞれ設けられた非接触ICカードリーダ・ライタと非接触通信が可能な、携帯機器の制御プログラムであって、
前記搭乗口の非接触ICカードリーダ・ライタと非接触通信を行う処理と、
前記非接触通信を行う処理から一定時間経過後に前記携帯機器の電源をOFFにするタイマをセットする処理と、
該一定時間経過後に前記携帯機器の電源をOFFとする処理と、
該電源OFFの状態で電源ONが要求された場合、文字、記号及び画像を含む情報を表示する表示部に警告表示を行う処理と、
該警告表示に対する応答が入力された場合、電源をONにする処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする携帯機器の制御プログラム。
【請求項6】
前記チェックインカウンタ又はセキュリティゲートに設けられた非接触ICカードリーダ・ライタと非接触通信を行い、搭乗口・搭乗開始予定時刻の最新の情報を取得する処理と、
該最新の情報を前記表示部に表示して搭乗開始予定時刻にアラームを設定する処理と、
前記搭乗口の非接触ICカードリーダ・ライタと非接触通信を行い、座席番号、到着地までの飛行時間、到着予定時刻及び到着地の天候を含む最新のフライト情報を取得する処理と、
該フライト情報を前記表示部に表示する処理と、
前記降機口の非接触ICカードリーダ・ライタと非接触通信を行い、受託手荷物返却ターンテーブル番号の情報を取得する処理と、
前記携帯機器が電源OFF状態であれば電源をONにする処理と、
該情報を前記表示部に表示する処理と、
を更にコンピュータに実行させることを特徴とする請求項5に記載の携帯機器の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−113189(P2011−113189A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267422(P2009−267422)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】