説明

携帯機器ホルダ

【課題】底面にスピーカーを備えたスマートフォンやデジタル音楽プレイヤーの音を拡声して聴きやすくするとともに、確実に保持することができる携帯機器ホルダを提供する。
【解決手段】アッパーケースとロアーケースとでインナーブロックを上下から挟み込むように内装して構成した本体と、該アッパーケースの上面には携帯機器の保持部を開口して備えるとともに、該本体の前面には該アッパーケースとロアーケースとで前面開口部を備え、該インナーブロックには、該保持部に携帯機器を差し込んで保持したときに、該携帯機器の底面に備えられたスピーカーに相対する位置に音響用開口部を備えるとともに、該音響用開口部と連続した凹部を底面に備えることで、該凹部と該ロアーケースとの間にホーン部を形成して該携帯機器のスピーカーの音を該前面開口部から拡声して発するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン、デジタル音楽プレイヤーなどの携帯機器のホルダで、特に携帯機器のスピーカーから出る音を拡声する機能を有するホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機、スマートフォン、デジタル音楽プレイヤーなどの携帯機器を自動車内に載置するためのホルダがある。これらのホルダは、携帯機器の両側面を挟むように保持するものが多く、例えば、特開2008−202771号公報(特許文献1)に開示された「物品ホルダ」は、本体の背面部左右両端から前方へ延設する左右一対のアーム部によって、携帯機器の両側面を挟持して自動車の車室内において携帯機器を保持することが出来るものである。
【0003】
また昨今、スマートフォンなる携帯情報端末の人気が高まり、携帯キャリア各社から多くの機種のスマートフォンが発売されている。これらスマートフォンは、デジタル音楽プレイヤーの機能も備えており、イヤフォンやヘッドフォンを使用しなくても便宜的に音楽が聴けるように底面にスピーカーを備えたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開2008−202771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかして、前記したスマートフォンのスピーカーは、便宜的なものであるためにそれほど大きな音量や良い音質を出すことを想定していない。また、底面に備えられているために下方向への音の指向性を有し聴きづらいものとなっている。
【0006】
そこで発明は、これらの課題を解決するとともに、底面にスピーカーを備えたスマートフォンやデジタル音楽プレイヤーの音を拡声して聴きやすくするとともに、確実に保持することができる携帯機器ホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1においては、アッパーケースとロアーケースとでインナーブロックを上下から挟み込むように内装して構成した本体と、該アッパーケースの上面には携帯機器の保持部を開口して備えるとともに、該本体の前面には該アッパーケースとロアーケースとで前面開口部を備え、該インナーブロックには、該保持部に携帯機器を差し込んで保持したときに、該携帯機器の底面に備えられたスピーカーに相対する位置に音響用開口部を備えるとともに該音響用開口部と連続した凹部を底面に備えることで該凹部と該ロアーケースとの間にホーン部を形成して該携帯機器のスピーカーの音を該前面開口部から拡声して発するように構成したことで解決される。
【0008】
請求項2においては、本体の背面に備えた溝部に、薄板状の取付プレートを差し込んで備えたことで解決される。
【発明の効果】
【0009】
請求項1においては、アッパーケースとロアーケースとでインナーブロックを上下から挟み込むように内装して構成した本体と、該アッパーケースの上面には携帯機器の保持部を開口して備えるとともに、該本体の前面には該アッパーケースとロアーケースとで前面開口部を備え、該インナーブロックには、該保持部に携帯機器を差し込んで保持したときに、該携帯機器の底面に備えられたスピーカーに相対する位置に音響用開口部を備えるとともに該音響用開口部と連続した凹部を底面に備えることで該凹部と該ロアーケースとの間にホーン部を形成して該携帯機器のスピーカーの音を該前面開口部から拡声して発するように構成したので、本体の保持部に携帯機器を保持させることで、携帯機器のスピーカーから発せられた音が小音量、低音質であってもホーン部によって効率よく拡声、かつ音質も向上されて前面開口部から発せられるので、実用上極めて明確に聴取することが可能となる。
【0010】
請求項2においては、本体の背面に備えた溝部に、薄板状の取付プレートを差し込んで備えたので、自動車のダッシュボードに確実に固定するとともに、携帯機器を所望の角度に容易に設定することも容易で、使い勝手に優れた携帯機器ホルダを提供することを実現した。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の携帯機器ホルダ本体の斜視図である。
【図2】本発明の携帯機器ホルダ本体の正面図である。
【図3】正面図におけるA−A線断面図である。
【図4】インナーブロックの斜視図である。
【図5】インナーブロックの底面図である。
【図6】本発明の携帯機器ホルダ本体の分解斜視図である。
【図7】インナーブロックの他の例を示す参考図である。
【図8】使用状態を示す参考図である。
【図9】第2の実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0012】
次に、本発明の携帯機器ホルダの第1の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。図1は携帯機器ホルダの本体の斜視図、図2は本体の正面図、図3は図2の正面図におけるA−A線断面図である。
【0013】
図1乃至図3に表されるように、本体(1)は、アッパーケース(1a)とロアーケース(1b)とでインナーブロック(2)を挟み込むように内装して構成される。アッパーケース(1a)にはスマートフォンやデジタル音楽プレイヤーなどの携帯機器(6)を上から差し込んで載置する保持部(3)を備えるとともに、アッパーケース(1a)とロアーケース(1b)とで前面開口部(1c)を備える。
【0014】
図4及び図5はインナーブロック(2)を表したもので、図4に表されるように音響用開口部(2a)とケーブル用開口部(2b)を上下方向に貫通して備える。図5はインナーブロック(2)の底面図であり、音響用開口部(2a)から連続して凹部(2c)を備える。音響用開口部(2a)は、本体(1)に携帯機器(6)を保持したときに、携帯機器(6)の底面に備えられたスピーカーと相対する位置に開口して備えている。ケーブル用開口部(2b)は、携帯機器(6)の底部に備えられたケーブルコネクタ差し込み口にケーブルコネクタを差し込むために開口して備えている。
【0015】
図6は本体(1)の分解斜視図である。前記の如く構成したインナーブロック(2)をアッパーケース(1a)とロアーケース(1b)とで上下から挟み込むように内装したとき、保持部(3)の底に音響用開口部(2a)とケーブル用開口部(2b)が構成されるとともに、インナーブロック(2)の凹部(2c)とロアーケース(1b)との間にホーン状の空間であるホーン部(4)が構成される。ホーン部(4)は、図5に表されるように音響用開口部(2a)から本体(1)の前面開口部(1c)に至るまでを屈曲させて構成したことでその距離が長くなり、携帯機器(6)のスピーカーの音を効率よく拡声させるとともに音質を向上させて前面開口部(1c)から発することを実現した。
【0016】
図7はインナーブロックの他の例を示す参考図である。携帯機器(6)の底面に備えられたスピーカーは、機種によって位置が異なる。図4に表されたインナーブロック(2)は、携帯機器(6)の底面の右側にスピーカーが備えられたものに対応するように音響用開口部(2a)を備えた。他方図7のインナーブロック(21)は、携帯機器(6)の底面の左側にスピーカーが備えられたものに対応するように音響用開口部(21a)を備えた。このようにインナーブロックの音響用開口部(2a)の位置を、携帯機器(6)の機種に応じて対応したものを別途用意することで、低コストで容易に多くの機種に適用する携帯機器ホルダを提供することが可能となる。
【0017】
図8は使用状態を示す参考図である。以上のように構成された携帯機器ホルダの本体(1)は、保持部(3)の上部から携帯機器(6)を差し込んで保持する。この状態において保持部(3)の底部に備えられた音響用開口部(2a)に携帯機器(6)の底面のスピーカーが相対することによって、スピーカーから発せられた音は、屈曲したホーン部(4)を通って効率よく拡声され、かつ音質も向上されて前面開口部(1c)からユーザーに向けて発せられるので、極めて明確に聴取することが可能となった。
【実施例2】
【0018】
本発明の第2の実施例について、図9を参照して詳細に説明する。本実施例においては、本体(1)の背面に溝部(1c)を備えるとともに、該溝部(1c)に薄板状の取付プレート(5)を差し込んで備えて構成した。
【0019】
取付プレート(5)は、特に自動車のダッシュボートに本体(1)を固定するために用いるもので、薄板鋼板からなり折り曲げ部(5a)と止着部(5b)とから構成される。止着部(5b)に両面粘着テープなどの止着手段を用いて自動車のダッシュボードに取り付けた際に、折り曲げ部(5a)がダッシュボードの曲面に馴染み確実な固定を実現した。また、本体(1)に近い位置の折り曲げ部(5a)を所望の角度に曲げることで、携帯機器(6)を適宜角度に設定することも容易で、使い勝手に優れた携帯機器ホルダを提供することを実現した。
【符号の説明】
【0020】
1 本体
1a アッパーケース
1b ロアーケース
1c 溝部
2、21 インナーブロック
2a、21a 音響用開口部
2b、21b ケーブル用開口部
2c 凹部
3 保持部
4 ホーン部
5 取付プレート
5a 折り曲げ部
5b 止着部
6 携帯機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパーケースとロアーケースとでインナーブロックを上下から挟み込むように内装して構成した本体と、該アッパーケースの上面には携帯機器の保持部を開口して備えるとともに、該本体の前面には該アッパーケースとロアーケースとで前面開口部を備え、該インナーブロックには、該保持部に携帯機器を差し込んで保持したときに、該携帯機器の底向に備えられたスピーカーに相対する位置に音響用開口部を備えるとともに該音響用開口部と連続した凹部を底面に備えることで該凹部と該ロアーケースとの間にホーン部を形成して該携帯機器のスピーカーの音を該前面開口部から拡声して発するように構成したことを特徴とする携帯機器ホルダ。
【請求項2】
該本体の背面に備えた溝部に、薄板状の取付プレートを差し込んで備えたことを特徴とする請求項1に記載の携帯機器ホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−175696(P2012−175696A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53538(P2011−53538)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000150970)株式会社ナポレックス (14)
【Fターム(参考)】