携帯無線機
【課題】ケーブルブッシュ自体に防水機能を持たせることで、別部材による防水処理が不要である携帯無線機を提供すると共に、ブッシュ部とケーブル部の被覆を同材質で一体化することにより、引張り強度の強い構造を提供する。
【解決手段】携帯無線機本体とケーブルブッシュ13とを有する携帯無線機であって、前記ケーブルブッシュはブッシュ部16とケーブル部17とは同材質で一体化されると共に、前記ケーブルブッシュの前記携帯無線機本体との当接面16dには突条23が設けられ、前記ケーブルブッシュを前記携帯無線機本体に取付ける際に、前記突条が前記携帯無線機本体に接触して該携帯無線機本体とケーブルブッシュ間を液密に封止する。
【解決手段】携帯無線機本体とケーブルブッシュ13とを有する携帯無線機であって、前記ケーブルブッシュはブッシュ部16とケーブル部17とは同材質で一体化されると共に、前記ケーブルブッシュの前記携帯無線機本体との当接面16dには突条23が設けられ、前記ケーブルブッシュを前記携帯無線機本体に取付ける際に、前記突条が前記携帯無線機本体に接触して該携帯無線機本体とケーブルブッシュ間を液密に封止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を行う携帯無線機、特にケーブルブッシュを有する携帯無線機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載無線機等の携帯無線機では、不使用時には携帯用無線機を所要の保持器に装着し、携帯無線機の固定と保護を図っている。
【0003】
図12は、従来のケーブルブッシュ1を示している。
【0004】
該ケーブルブッシュ1は、図示しない携帯無線機本体と接続可能なブッシュ部2と、該ブッシュ部2に挿通された別部材のケーブル部3とで構成されている。前記ブッシュ部2は、ブッシュ部本体2aと前記ケーブル部3を補強する補強部2bからなり、前記ケーブル部3は前記ブッシュ部2を貫通し、突出した部分は接続部4となっており、該接続部4は図示しない携帯無線機本体に形成された開口部より携帯無線機本体内部に挿入可能となっている。又、前記ブッシュ部2の両端部には貫通孔5が穿設され、該貫通孔5に挿通された螺子(図示せず)によって前記ケーブルブッシュ1が携帯無線機本体に固着される様になっている。
【0005】
前記ケーブルブッシュ1を携帯無線機本体に取付ける際には、前記接続部4を前記携帯無線機本体の開口部に嵌合させ、前記貫通孔5に挿通した螺子により前記ブッシュ部2と前記携帯無線機本体を螺子止めすることで、該携帯無線機本体と前記ケーブルブッシュ1が接続される。
【0006】
然し乍ら、従来の携帯無線機本体と前記ケーブルブッシュ1との間は防水構造となっておらず、前記携帯無線機本体と前記ケーブルブッシュ1の接続部への水の浸入を防止する為には、接続部にパッキンを設ける、或は防水テープを貼付ける等、別部材による防水処理が必要だった。
【0007】
又、前記ケーブルブッシュ1は前記ブッシュ部2と前記ケーブル部3とが別部材である為、引張り強度が弱く、該ケーブル部3を引張った際に前記ブッシュ部2からケーブル部3が抜ける虞れがあり、更に引張り強度を強くするには別部材による補強が必要だった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−245228号公報
【特許文献2】特開平7−307973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は斯かる実情に鑑み、ケーブルブッシュ自体に防水機能を持たせることで、別部材による防水処理が不要である携帯無線機を提供すると共に、ブッシュ部とケーブル部の被覆を同材質で一体化することにより、引張り強度の強い構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、携帯無線機本体とケーブルブッシュとを有する携帯無線機であって、前記ケーブルブッシュはブッシュ部とケーブル部とは同材質で一体化されると共に、前記ケーブルブッシュの前記携帯無線機本体との当接面には突条が設けられ、前記ケーブルブッシュを前記携帯無線機本体に取付ける際に、前記突条が前記携帯無線機本体に接触して該携帯無線機本体とケーブルブッシュ間を液密に封止する携帯無線機に係るものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、携帯無線機本体とケーブルブッシュとを有する携帯無線機であって、前記ケーブルブッシュはブッシュ部とケーブル部とは同材質で一体化されると共に、前記ケーブルブッシュの前記携帯無線機本体との当接面には突条が設けられ、前記ケーブルブッシュを前記携帯無線機本体に取付ける際に、前記突条が前記携帯無線機本体に接触して該携帯無線機本体とケーブルブッシュ間を液密に封止するので、前記携帯無線機本体と前記ケーブルブッシュの間から前記携帯無線機本体の内部に水が浸入するのを防止することができ、別途防水処理を施す必要がないという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施例に於ける携帯無線機の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例に於ける携帯無線機の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例に於けるケーブルブッシュの斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施例に於ける携帯無線機の要部拡大断面図である。
【図5】本発明の第1の実施例に於ける携帯無線機の要部拡大断面図である。
【図6】本発明の第1の実施例に於ける防水部の変形例を示す携帯無線機の要部拡大断面図である。
【図7】本発明の第1の実施例に於ける防水部の変形例を示すケーブルブッシュの斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施例に於ける防水部の変形例を示すケーブルブッシュの斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施例に於けるケーブルブッシュの斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施例に於ける携帯無線機の要部拡大断面図である。
【図11】本発明の第1の実施例と第2の実施例を組合わせた携帯無線機の要部拡大断面図である。
【図12】従来のケーブルブッシュの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0014】
先ず、図1〜図5に於いて、本発明の第1の実施例について説明する。
【0015】
本実施例に於ける携帯無線機11は、携帯無線機本体12とケーブルブッシュ13から構成されている。
【0016】
前記携帯無線機本体12の下端(図示では右端)には前記ケーブルブッシュ13と接続される被当接面12aが形成され、該被当接面12aには開口形状が長方形の開口部14が形成され、該開口部14の縁の両端に隣接して螺子孔15が穿設されている。
【0017】
前記ケーブルブッシュ13はブッシュ部16とケーブル部17から構成され、該ケーブル部17は前記ブッシュ部本体16aの中央を貫通し、貫通箇所は該ブッシュ部本体16aと一体成型された補強部16bによって補強されている。又、前記ケーブル部17はケーブルを被覆しており、前記ブッシュ部16と前記ケーブル部17はそれぞれ同一材質、例えばポリウレタン、塩化ビニル等の弾性のある材質で形成され、一体化されている。
【0018】
前記ブッシュ部本体16aの両端部には、前記螺子孔15と対応した位置にそれぞれ貫通孔18が穿設され、該貫通孔18を通して前記螺子孔15に螺子19を螺合させることで前記ケーブルブッシュ13を前記携帯無線機本体12に固着可能である。前記ブッシュ部本体16aの前記被当接面12aの反対面には凹部16cが形成され、螺子止めした際に螺子19の頭が突出しない様になっている。
【0019】
又、前記ケーブル部17の貫通方向とは反対側の面、即ち前記被当接面12aに当接する当接面16dには前記ブッシュ部本体16aを貫通したケーブル及び図示しないコネクタ等からなる接続部21が形成され、該接続部21の外形寸法は前記開口部14の外形寸法よりも小さくなっている。
【0020】
又、前記当接面16dには、直方体形状の防水部22が前記ブッシュ部本体16aと一体成型により突設されており、前記ケーブル部17は前記防水部22の中心部を貫通している。
【0021】
前記防水部22は適宜な弾性を有する材質により形成され、外形寸法は前記開口部14の開口寸法よりも僅かに小さくなっている。又、前記防水部22の周面には、ひだ状の突条23が複数(図示では2つ)形成され、該突条23の外形形状は前記開口部14の開口寸法と相似の長方形であり、外形寸法は前記開口部14の開口寸法よりも大きくなっている。又、前記突条23の断面形状は、三角形、半円形等弾性変形し易い形状となっている。
【0022】
尚、図中では前記突条23の先端部が前記開口部14の内周面を突抜けているが、実際には前記突条23の先端部は圧縮され、前記開口部14の内周面に密着している。
【0023】
前記ケーブルブッシュ13を前記携帯無線機本体12に取付ける際には、前記接続部21を前記開口部14に挿入し、前記接続部21根本部分の前記防水部22を前記開口部14に嵌合させた後、螺子19を前記貫通孔18に挿通させ、前記螺子孔15に螺合させる。
【0024】
この時、前記突条23の外形寸法は、前記開口部14の開口寸法よりも大きいことから、前記突条23が前記開口部14の内周面によって圧縮されるので、該開口部14が液密に封止され、前記携帯無線機本体12の被当接面12aと前記ケーブルブッシュ13の当接面16dの間から前記携帯無線機本体12の内部に水が浸入するのを防止することができる。
【0025】
尚、前記防水部22による防水構造は、前記開口部14内周面で圧縮された前記突条23が、反発力により前記開口部14内周面に密着することで機能するものであるので、該突条23の前記開口部14内周面との密着部位は、断面が三角形形状や半円形状、或はその他の形状であってもよく、又、図6に示される様に前記突条23は各突条毎にそれぞれ異なった形状、異なった大きさであってもよい。
【0026】
又、前記開口部14の開口形状が円形であれば、図7に示される様に、前記防水部22の外形形状を円形とすることで、前記防水部22の形状が直方体であった場合と同様に実施可能である。尚、前記開口部14の開口形状が長方形や円形以外の形状、例えば楕円形状や三角形形状であった場合でも、前記防水部22の外形形状を楕円形状或は三角形形状とすることで本実施例に適用可能であることは言う迄もない。
【0027】
又、図8に示される様に、前記防水部22の周面に形成する前記突条23の数を増加させることで、該突条23と前記開口部14内周面の密着部位が増加し、前記防水部22の防水効果をより向上させることができる。
【0028】
更に、第1の実施例に於いて、該突条23の外形寸法を前記開口部14の開口寸法に比較して大きくする程、前記突条23の前記開口部14内周面に対する反発力が大きくなるので、前記突条23と前記開口部14内周面との接触圧力が増加し、より防水効果を高めることができる。
【0029】
又、前記ブッシュ部16に穿設された前記貫通孔18に金属製で円筒形状のブッシュを圧入し、更に前記携帯無線機本体12の前記螺子孔15に金属製のナット等を埋設することで、螺子部の強度が増大され、前記ブッシュ部16の樹脂が熱により変形した場合であっても前記貫通孔18から水が浸入することがない。
【0030】
更に、前記ブッシュ部16と前記ケーブル部17を同材質とし、前記ブッシュ部16と前記ケーブル部17を一体化したので、該ケーブル部17の引張り強度が増加し、該ケーブル部17を引張った場合であっても、該ケーブル部17が前記ブッシュ部16から引抜かれることがない。
【0031】
次に、図9、図10に於いて、本発明の第2の実施例について説明する。尚、図9、図10中、図1〜図5中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0032】
第2の実施例は、第1の実施例に於ける防水部22の代りに、当接面16dに設けられた気密部である防水リング24を用いて防水を行うものである。
【0033】
該防水リング24は適宜な弾性を有する材質でブッシュ部本体16aに固着された環状の突条であり、或は前記ブッシュ部16と一体成型された環状の部材であり、接続部21が前記防水リング24の中心に位置する様になっている。
【0034】
又、開口部14の開口寸法は、前記防水リング24の内周円よりも小さくなっている。尚、前記開口部14の開口寸法は、前記防水リング24断面の内周円よりも小さければよく、円形や楕円形等であってもよい。
【0035】
ケーブルブッシュ13を前記携帯無線機本体12に取付ける際には、前記接続部21を前記開口部14内に挿入し、前記防水リング24を前記携帯無線機本体12の被当接面12aに押付けた状態で、螺子19を前記貫通孔18に挿通させ、前記螺子孔15(図1参照)に螺合させ、前記ブッシュ部本体16aを前記携帯無線機本体12に固着する。
【0036】
この時前記防水リング24は前記携帯無線機本体12の前記被当接面12aと、前記ケーブルブッシュ13の当接面16dとで押圧されて変形し、前記開口部14を液密に封止するので、前記被当接面12aと前記当接面16dの間から前記開口部14内に水が浸入することがない。
【0037】
尚、図11に示される様に、第1の実施例と第2の実施例を組合わせ、前記接続部21の根本部に防水部22を設け、更に該防水部22の周に前記防水リング(又は突条)24を設けることで、前記携帯無線機本体12と前記ケーブルブッシュ13間の防水効果が更に高まることは言う迄もない。
【0038】
上述した様に、本発明では、前記ケーブルブッシュ13の前記当接面16dに前記防水部22及び前記防水リング24を設け、前記突条23や前記防水リング24を前記携帯無線機本体12に接触させることで該携帯無線機本体12内への水の浸入を防止するので、別途前記被当接面12aと前記当接面16dの間を防水テープで封止する等の防水処理を施す必要がなく、組立て作業量を軽減させることができる。
【0039】
(付記)
又、本発明は以下の実施の態様を含む。
【0040】
(付記1)携帯無線機本体とケーブルブッシュとを有する携帯無線機であって、前記ケーブルブッシュはブッシュ部とケーブル部とは同材質で一体化されると共に、前記ケーブルブッシュの前記携帯無線機本体との当接面には突条が設けられ、前記ケーブルブッシュを前記携帯無線機本体に取付ける際に、前記突条が前記携帯無線機本体に接触して該携帯無線機本体とケーブルブッシュ間を液密に封止することを特徴とする携帯無線機。
【0041】
(付記2)前記ブッシュ部に貫通孔を穿設し、該貫通孔を介して前記ケーブルブッシュを前記携帯無線機本体に螺子止め可能とした付記1の携帯無線機。
【0042】
(付記3)前記突条の向きは前記当接面と平行である付記1の携帯無線機。
【0043】
(付記4)前記当接面に、該当接面と垂直方向に環状の突条が設けられ、該環状の突条が設けられる位置は前記突条よりも外側である付記3の携帯無線機。
【符号の説明】
【0044】
11 携帯無線機
12 携帯無線機本体
13 ケーブルブッシュ
16 ブッシュ部
17 ケーブル部
21 接続部
22 防水部
23 突条
24 防水リング
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を行う携帯無線機、特にケーブルブッシュを有する携帯無線機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載無線機等の携帯無線機では、不使用時には携帯用無線機を所要の保持器に装着し、携帯無線機の固定と保護を図っている。
【0003】
図12は、従来のケーブルブッシュ1を示している。
【0004】
該ケーブルブッシュ1は、図示しない携帯無線機本体と接続可能なブッシュ部2と、該ブッシュ部2に挿通された別部材のケーブル部3とで構成されている。前記ブッシュ部2は、ブッシュ部本体2aと前記ケーブル部3を補強する補強部2bからなり、前記ケーブル部3は前記ブッシュ部2を貫通し、突出した部分は接続部4となっており、該接続部4は図示しない携帯無線機本体に形成された開口部より携帯無線機本体内部に挿入可能となっている。又、前記ブッシュ部2の両端部には貫通孔5が穿設され、該貫通孔5に挿通された螺子(図示せず)によって前記ケーブルブッシュ1が携帯無線機本体に固着される様になっている。
【0005】
前記ケーブルブッシュ1を携帯無線機本体に取付ける際には、前記接続部4を前記携帯無線機本体の開口部に嵌合させ、前記貫通孔5に挿通した螺子により前記ブッシュ部2と前記携帯無線機本体を螺子止めすることで、該携帯無線機本体と前記ケーブルブッシュ1が接続される。
【0006】
然し乍ら、従来の携帯無線機本体と前記ケーブルブッシュ1との間は防水構造となっておらず、前記携帯無線機本体と前記ケーブルブッシュ1の接続部への水の浸入を防止する為には、接続部にパッキンを設ける、或は防水テープを貼付ける等、別部材による防水処理が必要だった。
【0007】
又、前記ケーブルブッシュ1は前記ブッシュ部2と前記ケーブル部3とが別部材である為、引張り強度が弱く、該ケーブル部3を引張った際に前記ブッシュ部2からケーブル部3が抜ける虞れがあり、更に引張り強度を強くするには別部材による補強が必要だった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−245228号公報
【特許文献2】特開平7−307973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は斯かる実情に鑑み、ケーブルブッシュ自体に防水機能を持たせることで、別部材による防水処理が不要である携帯無線機を提供すると共に、ブッシュ部とケーブル部の被覆を同材質で一体化することにより、引張り強度の強い構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、携帯無線機本体とケーブルブッシュとを有する携帯無線機であって、前記ケーブルブッシュはブッシュ部とケーブル部とは同材質で一体化されると共に、前記ケーブルブッシュの前記携帯無線機本体との当接面には突条が設けられ、前記ケーブルブッシュを前記携帯無線機本体に取付ける際に、前記突条が前記携帯無線機本体に接触して該携帯無線機本体とケーブルブッシュ間を液密に封止する携帯無線機に係るものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、携帯無線機本体とケーブルブッシュとを有する携帯無線機であって、前記ケーブルブッシュはブッシュ部とケーブル部とは同材質で一体化されると共に、前記ケーブルブッシュの前記携帯無線機本体との当接面には突条が設けられ、前記ケーブルブッシュを前記携帯無線機本体に取付ける際に、前記突条が前記携帯無線機本体に接触して該携帯無線機本体とケーブルブッシュ間を液密に封止するので、前記携帯無線機本体と前記ケーブルブッシュの間から前記携帯無線機本体の内部に水が浸入するのを防止することができ、別途防水処理を施す必要がないという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施例に於ける携帯無線機の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例に於ける携帯無線機の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例に於けるケーブルブッシュの斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施例に於ける携帯無線機の要部拡大断面図である。
【図5】本発明の第1の実施例に於ける携帯無線機の要部拡大断面図である。
【図6】本発明の第1の実施例に於ける防水部の変形例を示す携帯無線機の要部拡大断面図である。
【図7】本発明の第1の実施例に於ける防水部の変形例を示すケーブルブッシュの斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施例に於ける防水部の変形例を示すケーブルブッシュの斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施例に於けるケーブルブッシュの斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施例に於ける携帯無線機の要部拡大断面図である。
【図11】本発明の第1の実施例と第2の実施例を組合わせた携帯無線機の要部拡大断面図である。
【図12】従来のケーブルブッシュの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0014】
先ず、図1〜図5に於いて、本発明の第1の実施例について説明する。
【0015】
本実施例に於ける携帯無線機11は、携帯無線機本体12とケーブルブッシュ13から構成されている。
【0016】
前記携帯無線機本体12の下端(図示では右端)には前記ケーブルブッシュ13と接続される被当接面12aが形成され、該被当接面12aには開口形状が長方形の開口部14が形成され、該開口部14の縁の両端に隣接して螺子孔15が穿設されている。
【0017】
前記ケーブルブッシュ13はブッシュ部16とケーブル部17から構成され、該ケーブル部17は前記ブッシュ部本体16aの中央を貫通し、貫通箇所は該ブッシュ部本体16aと一体成型された補強部16bによって補強されている。又、前記ケーブル部17はケーブルを被覆しており、前記ブッシュ部16と前記ケーブル部17はそれぞれ同一材質、例えばポリウレタン、塩化ビニル等の弾性のある材質で形成され、一体化されている。
【0018】
前記ブッシュ部本体16aの両端部には、前記螺子孔15と対応した位置にそれぞれ貫通孔18が穿設され、該貫通孔18を通して前記螺子孔15に螺子19を螺合させることで前記ケーブルブッシュ13を前記携帯無線機本体12に固着可能である。前記ブッシュ部本体16aの前記被当接面12aの反対面には凹部16cが形成され、螺子止めした際に螺子19の頭が突出しない様になっている。
【0019】
又、前記ケーブル部17の貫通方向とは反対側の面、即ち前記被当接面12aに当接する当接面16dには前記ブッシュ部本体16aを貫通したケーブル及び図示しないコネクタ等からなる接続部21が形成され、該接続部21の外形寸法は前記開口部14の外形寸法よりも小さくなっている。
【0020】
又、前記当接面16dには、直方体形状の防水部22が前記ブッシュ部本体16aと一体成型により突設されており、前記ケーブル部17は前記防水部22の中心部を貫通している。
【0021】
前記防水部22は適宜な弾性を有する材質により形成され、外形寸法は前記開口部14の開口寸法よりも僅かに小さくなっている。又、前記防水部22の周面には、ひだ状の突条23が複数(図示では2つ)形成され、該突条23の外形形状は前記開口部14の開口寸法と相似の長方形であり、外形寸法は前記開口部14の開口寸法よりも大きくなっている。又、前記突条23の断面形状は、三角形、半円形等弾性変形し易い形状となっている。
【0022】
尚、図中では前記突条23の先端部が前記開口部14の内周面を突抜けているが、実際には前記突条23の先端部は圧縮され、前記開口部14の内周面に密着している。
【0023】
前記ケーブルブッシュ13を前記携帯無線機本体12に取付ける際には、前記接続部21を前記開口部14に挿入し、前記接続部21根本部分の前記防水部22を前記開口部14に嵌合させた後、螺子19を前記貫通孔18に挿通させ、前記螺子孔15に螺合させる。
【0024】
この時、前記突条23の外形寸法は、前記開口部14の開口寸法よりも大きいことから、前記突条23が前記開口部14の内周面によって圧縮されるので、該開口部14が液密に封止され、前記携帯無線機本体12の被当接面12aと前記ケーブルブッシュ13の当接面16dの間から前記携帯無線機本体12の内部に水が浸入するのを防止することができる。
【0025】
尚、前記防水部22による防水構造は、前記開口部14内周面で圧縮された前記突条23が、反発力により前記開口部14内周面に密着することで機能するものであるので、該突条23の前記開口部14内周面との密着部位は、断面が三角形形状や半円形状、或はその他の形状であってもよく、又、図6に示される様に前記突条23は各突条毎にそれぞれ異なった形状、異なった大きさであってもよい。
【0026】
又、前記開口部14の開口形状が円形であれば、図7に示される様に、前記防水部22の外形形状を円形とすることで、前記防水部22の形状が直方体であった場合と同様に実施可能である。尚、前記開口部14の開口形状が長方形や円形以外の形状、例えば楕円形状や三角形形状であった場合でも、前記防水部22の外形形状を楕円形状或は三角形形状とすることで本実施例に適用可能であることは言う迄もない。
【0027】
又、図8に示される様に、前記防水部22の周面に形成する前記突条23の数を増加させることで、該突条23と前記開口部14内周面の密着部位が増加し、前記防水部22の防水効果をより向上させることができる。
【0028】
更に、第1の実施例に於いて、該突条23の外形寸法を前記開口部14の開口寸法に比較して大きくする程、前記突条23の前記開口部14内周面に対する反発力が大きくなるので、前記突条23と前記開口部14内周面との接触圧力が増加し、より防水効果を高めることができる。
【0029】
又、前記ブッシュ部16に穿設された前記貫通孔18に金属製で円筒形状のブッシュを圧入し、更に前記携帯無線機本体12の前記螺子孔15に金属製のナット等を埋設することで、螺子部の強度が増大され、前記ブッシュ部16の樹脂が熱により変形した場合であっても前記貫通孔18から水が浸入することがない。
【0030】
更に、前記ブッシュ部16と前記ケーブル部17を同材質とし、前記ブッシュ部16と前記ケーブル部17を一体化したので、該ケーブル部17の引張り強度が増加し、該ケーブル部17を引張った場合であっても、該ケーブル部17が前記ブッシュ部16から引抜かれることがない。
【0031】
次に、図9、図10に於いて、本発明の第2の実施例について説明する。尚、図9、図10中、図1〜図5中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0032】
第2の実施例は、第1の実施例に於ける防水部22の代りに、当接面16dに設けられた気密部である防水リング24を用いて防水を行うものである。
【0033】
該防水リング24は適宜な弾性を有する材質でブッシュ部本体16aに固着された環状の突条であり、或は前記ブッシュ部16と一体成型された環状の部材であり、接続部21が前記防水リング24の中心に位置する様になっている。
【0034】
又、開口部14の開口寸法は、前記防水リング24の内周円よりも小さくなっている。尚、前記開口部14の開口寸法は、前記防水リング24断面の内周円よりも小さければよく、円形や楕円形等であってもよい。
【0035】
ケーブルブッシュ13を前記携帯無線機本体12に取付ける際には、前記接続部21を前記開口部14内に挿入し、前記防水リング24を前記携帯無線機本体12の被当接面12aに押付けた状態で、螺子19を前記貫通孔18に挿通させ、前記螺子孔15(図1参照)に螺合させ、前記ブッシュ部本体16aを前記携帯無線機本体12に固着する。
【0036】
この時前記防水リング24は前記携帯無線機本体12の前記被当接面12aと、前記ケーブルブッシュ13の当接面16dとで押圧されて変形し、前記開口部14を液密に封止するので、前記被当接面12aと前記当接面16dの間から前記開口部14内に水が浸入することがない。
【0037】
尚、図11に示される様に、第1の実施例と第2の実施例を組合わせ、前記接続部21の根本部に防水部22を設け、更に該防水部22の周に前記防水リング(又は突条)24を設けることで、前記携帯無線機本体12と前記ケーブルブッシュ13間の防水効果が更に高まることは言う迄もない。
【0038】
上述した様に、本発明では、前記ケーブルブッシュ13の前記当接面16dに前記防水部22及び前記防水リング24を設け、前記突条23や前記防水リング24を前記携帯無線機本体12に接触させることで該携帯無線機本体12内への水の浸入を防止するので、別途前記被当接面12aと前記当接面16dの間を防水テープで封止する等の防水処理を施す必要がなく、組立て作業量を軽減させることができる。
【0039】
(付記)
又、本発明は以下の実施の態様を含む。
【0040】
(付記1)携帯無線機本体とケーブルブッシュとを有する携帯無線機であって、前記ケーブルブッシュはブッシュ部とケーブル部とは同材質で一体化されると共に、前記ケーブルブッシュの前記携帯無線機本体との当接面には突条が設けられ、前記ケーブルブッシュを前記携帯無線機本体に取付ける際に、前記突条が前記携帯無線機本体に接触して該携帯無線機本体とケーブルブッシュ間を液密に封止することを特徴とする携帯無線機。
【0041】
(付記2)前記ブッシュ部に貫通孔を穿設し、該貫通孔を介して前記ケーブルブッシュを前記携帯無線機本体に螺子止め可能とした付記1の携帯無線機。
【0042】
(付記3)前記突条の向きは前記当接面と平行である付記1の携帯無線機。
【0043】
(付記4)前記当接面に、該当接面と垂直方向に環状の突条が設けられ、該環状の突条が設けられる位置は前記突条よりも外側である付記3の携帯無線機。
【符号の説明】
【0044】
11 携帯無線機
12 携帯無線機本体
13 ケーブルブッシュ
16 ブッシュ部
17 ケーブル部
21 接続部
22 防水部
23 突条
24 防水リング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯無線機本体とケーブルブッシュとを有する携帯無線機であって、前記ケーブルブッシュはブッシュ部とケーブル部とは同材質で一体化されると共に、前記ケーブルブッシュの前記携帯無線機本体との当接面には突条が設けられ、前記ケーブルブッシュを前記携帯無線機本体に取付ける際に、前記突条が前記携帯無線機本体に接触して該携帯無線機本体とケーブルブッシュ間を液密に封止することを特徴とする携帯無線機。
【請求項1】
携帯無線機本体とケーブルブッシュとを有する携帯無線機であって、前記ケーブルブッシュはブッシュ部とケーブル部とは同材質で一体化されると共に、前記ケーブルブッシュの前記携帯無線機本体との当接面には突条が設けられ、前記ケーブルブッシュを前記携帯無線機本体に取付ける際に、前記突条が前記携帯無線機本体に接触して該携帯無線機本体とケーブルブッシュ間を液密に封止することを特徴とする携帯無線機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−120054(P2011−120054A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276332(P2009−276332)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
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