説明

携帯用メモリ装置

【課題】 安価であって記憶容量が大きい携帯用メモリ装置を提供する。
【解決手段】 コンピュータCの端子部と接続可能のUSB端子部11と、データを圧縮伸長するためのデータ圧縮伸長部12と、上記圧縮データを保存することができるメモリ部13と、データ圧縮伸長部12及びメモリ部13を制御可能である制御部14とで構成され、制御部14は圧縮データをメモリ部13に書き込みかつ上記メモリ部に保存されている圧縮データを読み出し制御することができ、コンピュータCから入力されたデータはデータ圧縮伸長部12を通じて圧縮されてメモリ部13に圧縮データとして保存され、圧縮データはメモリ部からデータ圧縮伸長部を通じて伸長されてUSB端子部11を経てコンピュータCへ出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ(電子計算機)に設けられているUSB端子などのインターフェースに外部より接続して使用する携帯用メモリ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、フロッピー(登録商標)ディスクに代わってデータの記憶容量の大きなMO(Magneto Optical Disk)やCD−RW(Compact Disk−Rewritable)、DVD−RAM(Digital Versatile Disk−RAM)などの記録媒体が提案されている。この種の記録媒体はコンピュータとの間でデータの交換を行うには、コンピュータ側に上記記録媒体を駆動させるための専用のドライブ装置を内蔵させるか又は外付けの専用ドライブ装置を接続させる必要があるために設備コストがかかる他に、MOなどの記録媒体自体に高価なものが多い。
そのために、データ容量がフロッピー(登録商標)ディスクより大きく、その取扱いが簡易な記録媒体として、例えば特開2002−41247号公報に記載のUSBメモリ装置が提案されている。このUSB(Universal Serial Bus)メモリ装置は、上記公報の図1及び図2に示すように、USB端子、USBインタフェース制御部、メモリ制御部及びメモリを備えているものである。上記USB端子はコンピュータのインタフェースに接続され、上記USBインタフェース制御部はUSBインタフェースを制御し、上記メモリ制御部で、上記USB端子及びUSBインタフェース制御部を介して上記コンピュータから入力されたデータをメモリに格納し、反対に格納されたデータを読み出して上記USBインタフェース制御部及びUSB端子を介して上記コンピュータへ出力するものである。
【特許文献1】特開2002−41247号公報
【特許文献2】特開2004−86584号公報
【特許文献3】特開2004−5407号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したUSBメモリ装置は記憶されるデータ容量が大きくかつ最近の多くのコンピュータに備えられているUSBポートを通じてデータの出力が可能であるからその扱いが簡易であるために広く利用されている。
このようなUSBメモリ装置においても、記憶容量が大きくなると価格が高くなる課題があり、より広く活用されるためには更なる改良が期待されている。
本発明の目的は、安価であって記憶容量が大きい携帯用メモリ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の特徴は、コンピュータの端子部と接続可能の端子部と、入力されたデータを圧縮符号化する圧縮機能と、圧縮データを伸長復号化する伸長機能を有しているデータ圧縮伸長部と、上記圧縮データを保存することができるメモリ部と、上記データ圧縮伸長部及びメモリ部を制御可能である制御部とを具備していることにある。上記制御部は、圧縮データを上記メモリ部に書き込みかつ上記メモリ部に保存されている圧縮データを読み出し制御することができるものであり、上記コンピュータから入力されたデータはデータ圧縮伸長部を通じて圧縮符号化されて上記メモリ部に圧縮データとして保存され、この圧縮データは上記メモリ部から上記データ圧縮伸長部を通じて伸長復号化されて上記端子部を経て上記コンピュータへ出力されるものである。
本発明の第2の特徴は、上記第1の特徴を前提として、端子部、データ圧縮伸長部、メモリ部及び制御部はケース内に組み込まれていることにある。
本発明の第3の特徴は、上記第1の特徴を前提として、端子部、データ圧縮伸長部、メモリ部及び制御部はケース内に組み込まれており、上記端子部の先端部側が上記ケースより外部に突出されていることにある。
本発明の第4の特徴は、上記第1の特徴、第2の特徴又は第3の特徴を前提として、端子部がUSB端子部であることにある。
本発明の第5の特徴は、上記第1又は第4の特徴を前提として、端子部、データ圧縮伸長部及び制御部と、メモリ部とは二分割されて前者をアダプタに後者をメモリカードに構成されており、上記アダプタは上記端子部、データ圧縮伸長部及び制御部をいずれもケース内に組み込むと共にこのケース内に上記端子部とは別の接続用端子部を設けてあり、上記メモリカードはメモリ端子部、メモリ制御部及びメモリを備えており、上記メモリ端子部は上記接続用端子部と接続可能であり、上記制御部はメモリを制御可能であることにある。
本発明の第6の特徴は、上記第5の特徴を前提として、アダプタの端子部の先端部側がケースより外部に突出されており、上記アダプタのケースにはメモリカードが着脱可能な接続口を設けていることにある。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、コンピュータに接続するだけでデータを自動的に圧縮伸長することができるので、装置の使い勝手が良く、そして圧縮データとして保存できるので低価格で保存容量を大きくすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1及び図2を参照して本発明の携帯用メモリ装置であるUSBメモリ装置M1について説明する。
図1に示すUSBメモリ装置M1は、USB端子部11、データ圧縮伸長部12、メモリ部13及び制御部14を備えている。USB端子部11、データ圧縮伸長部12、メモリ部13及び制御部14はケース15(図2)に組み込まれている。
【0007】
USB端子部11は、USBメモリ装置M1におけるデータの入出力のインターフェースであり、ケース15の一端(図2左端)からその先端部側が突出されている。USB端子部11は、コンピュータCにおけるデータの入出力のUSBインターフェースであるUSB端子部C1に接続可能である。USB端子部11は、図2によれば、ケース15より突出された先端部がコンピュータCのUSB端子部C1のスロットに着脱可能であり、一方のUSB端子部11が凸型端子であり、他方のUSB端子部C1が凹型端子である。
データ圧縮伸長部12はUSB端子部11と接続されており、入力されたデータに対してこれを圧縮符号化する圧縮機能と、そして入力された圧縮データに対してこれを伸長復号化する伸長機能を有している。
メモリ部13はデータ圧縮伸長部12から送信される圧縮データを保存することができる。メモリ部13にはフラッシュメモリなどが使用されている。
制御部14はUSBメモリ装置M1全体の動作を制御するものである。データを圧縮してメモリ部13に書き込みかつメモリ部に保存されている圧縮データを読み出し伸長する一連の動作は、制御部14によって制御される。
【0008】
次に、USBメモリ装置M1の使用方法について説明する。
予め、USBメモリ装置M1をコンピュータCに接続しておく。すなわち、
USBメモリ装置M1のUSB端子部11の先端部がコンピュータCのUSB端子部C1のスロット内に差し込まれ、双方のUSB端子部が互いに接続されると、コンピュータCのメモリ(図示せず。)に保存されている制御プログラムにより、上記コンピュータがUSBメモリ装置M1を認識する。そしてUSBメモリ装置M1はコンピュータCの記憶装置として機能可能となる。
そこで、まず、コンピュータCのメモリに保存されているデータをUSBメモリ装置M1へ送信し保存する(書き込む)場合について説明する。
作業者(ユーザー)がキーボードなどの入出力装置(図示せず。)を介して所定の操作をすることにより、コンピュータCに保存されているデータはUSB端子部C1,11を通じてUSBメモリ装置M1へ送信される。
USBメモリ装置M1へ送信された送信データはデータ圧縮伸長部12に入力されると、予め定められた圧縮方式によって圧縮符号化され、圧縮データとなってメモリ部13に書き込まれ保存される。
次に、USBメモリ装置M1のメモリ部13に保存されている圧縮データをコンピュータCへ送信する(読み込む)場合について説明する。
作業者が入出力装置を利用して所定の操作をすると、USBメモリ装置M1に保存されている圧縮データはUSB端子部11,C1を通じてコンピュータCへ送信される。
送信時には、USBメモリ装置M1のメモリ部13に保存されている圧縮データは読み出されて、データ圧縮伸長部12に送信され、データ圧縮伸長部において予め定められた伸長方式によって伸長復号化され、伸長処理されたデータはコンピュータCへ送信されそのメモリに格納される。
【0009】
このように、USBメモリ装置M1によれば、データをデータ圧縮伸長部12によって圧縮処理してファイルのサイズを小さくすることができるので、未圧縮データを加工することなくそのまま保存する場合と比較してより多くのデータを保存することができる。特に、USBメモリ装置M1にあっては、自動的に圧縮伸長処理が行われるので、処理に手間と時間がかからず、使い勝手が良い。換言すれば、USBメモリ装置M1にあっては、作業者にとってデータをコンピュータから外部の記録媒体へ保存する毎に、コンピュータ側で圧縮処理のための作業と特別な知識を必要としないので、面倒なデータの圧縮伸長処理という問題が解消される。
USBメモリ装置M1が、元のデータの例えば10倍の容量を保存できるものと仮定した場合、本来128Mbyteの記憶容量であっても、1Gbyteに相当するデータを保存することができることになるので、コストダウンを可能にする。
【0010】
図3及び図4を参照して本発明の携帯用メモリ装置であるUSBメモリ装置M2について説明する。
USBメモリ装置M2はUSBメモリ装置M1と基本的構成において実質的に同一であるが、その特徴は本体からメモリ部を分離し、必要に応じて結合可能にしている点に相違があり、相違している構成部分について説明する。
USBメモリ装置M2において、本体21はUSB端子部211、データ圧縮伸長部212、制御部214及び接続用端子部216を備えているアダプタである。USB端子部211、データ圧縮伸長部212、制御部214及び接続用端子部216はケース215(図4)に組み込まれている。USB端子部211はその先端部がケース215から突出されている凸型接続端子であって、コンピュータCと接続可能である。データ圧縮伸長部212はデータを圧縮又は伸長処理可能である。制御部214はアダプタ21全体の動作を制御するものである。接続用端子部216は、後述するメモリ部22のメモリ端子部221に接続可能であるUSB端子部である。
またメモリ部22はメモリ端子部221、メモリ制御部222及びメモリ223を備えているメモリカードである。メモリ端子部221、メモリ制御部222及びメモリ223は薄いケース225内に納められている。メモリ端子部221はケース225の先端部(図4左端部)に配置されており、複数の長方形状の端子ピンを並べて構成されているものである。メモリカード22はアダプタ21の接続用端子部216のスロット(接続口)217内に着脱可能である。スロット217内には複数の位置保持用ばね片(図示せず。)が設けられており、これらの位置保持用ばね片を通じてメモリカード22とスロット217との結合が確実なものとなる。メモリ制御部222はメモリカード22の動作を制御している。メモリ制御部222はコンピュータCから送信されてくる又はコンピュータへ送り出すそれぞれのデータをメモリ223へ書き込み又はメモリから読み出しを制御する。
【0011】
次に、USBメモリ装置M2の使用方法について説明する。
予め、メモリカード22の先端部をアダプタ21のスロット217内に差し入れ、アダプタとメモリカードを一体化し、この状態でアダプタをコンピュータCに接続しておく。
アダプタ21のUSB端子部211の先端部がコンピュータCのUSB端子部のスロット内に差し込まれると、双方のUSB端子部が互いに接続されるので、コンピュータCのメモリ(図示せず。)に保存されている制御プログラムにより、上記コンピュータがUSBメモリ装置M2を認識する。そしてUSBメモリ装置M2はコンピュータCの記憶装置として機能することになる。
まず、コンピュータCに保存されているデータをUSBメモリ装置M2のメモリカード22へ送信し保存する(書き込む)場合には、作業者がコンピュータの入出力装置を介して所定の操作をすることにより、コンピュータCに保存されているデータはUSB端子部211を通じてアダプタ21へ送信される。送信データはデータ圧縮伸長部212に入力されると、圧縮符号化され、圧縮データとなって接続用端子部216及びメモリ端子部221を介してメモリカード22のメモリ223に書き込まれる。
次に、メモリカード22のメモリ223に保存されている圧縮データをコンピュータCへ送信する(読み込む)場合には、作業者が入出力装置を利用して所定の操作をすると、メモリ223に保存されている圧縮データは読み出されて、メモリ端子部221、接続用端子部216を通じてデータ圧縮伸長部212に送信され、データ圧縮伸長部において伸長復号化され、伸長処理されたデータはUSB端子部211を介してコンピュータCへ送信されそのメモリに格納される。
なお、予備作業の手順として、アダプタ21をコンピュータCに接続した後に、このアダプタのスロット217内にメモリカード22を差し込むようにしも良い。
【0012】
USBメモリ装置M2においても、USBメモリ装置M1と同様の効果がある。USBメモリ装置M2において、メモリカード22に既存のもの、例えばコンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、メモリスティック(いずれも商品名)などのカード型記録媒体を使用すれば、アダプタ21の構成を単純化することができる。
【0013】
携帯用メモリ装置は必ずしもUSB標準(規格)のものに限定されず、例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394標準(規格)などであっても良いが、図1及び図3に示すUSBメモリ装置M1,M2にあっては、既存のシステムをそのまま利用することができるので、その構成や取扱いが単純化される利点がある。そしてUSB端子部11,211を凸型端子としたが、凹型端子であっても良い。USB端子部11,211を凹型端子とした場合、USB接続ケーブルを用いてコンピュータCと接続するようにしても良い。さらに、USBメモリ装置M2において、アダプタ21の制御部214でメモリカード22のメモリ223を制御するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るUSBメモリ装置を示すブロック図である。
【図2】図1における携帯用メモリ装置とコンピュータの関係を示す外観図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るUSBメモリ装置を示すブロック図である。
【図4】図3における携帯用メモリ装置におけるアダプタ及びメモリカードを拡大して示す外観図である。
【符号の説明】
【0015】
C コンピュータ
C1 USB端子部(端子部)
M1,M2 USBメモリ装置(携帯用メモリ装置)
11 USB端子部(端子部)
12 データ圧縮伸長部
13 メモリ部
14 制御部
15 ケース
21 アダプタ(本体)
211 USB端子部(端子部)
212 データ圧縮伸長部
214 制御部
215 ケース
216 接続用端子部
217 スロット(接続口)
22 メモリカード(メモリ部)
221 メモリ端子部
222 メモリ制御部
223 メモリ
225 ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータの端子部と接続可能の端子部と、
入力されたデータを圧縮符号化する圧縮機能と、圧縮データを伸長復号化する伸長機能を有しているデータ圧縮伸長部と、
上記圧縮データを保存することができるメモリ部と、
上記データ圧縮伸長部及びメモリ部を制御可能である制御部とを具備しており、
上記制御部は、圧縮データを上記メモリ部に書き込みかつ上記メモリ部に保存されている圧縮データを読み出し制御することができるものであり、
上記コンピュータから入力されたデータはデータ圧縮伸長部を通じて圧縮符号化されて上記メモリ部に圧縮データとして保存され、この圧縮データは上記メモリ部から上記データ圧縮伸長部を通じて伸長復号化されて上記端子部を経て上記コンピュータへ出力されるものである
ことを特徴とする携帯用メモリ装置。
【請求項2】
端子部、データ圧縮伸長部、メモリ部及び制御部はケース内に組み込まれていることを特徴とする請求項1記載の携帯用メモリ装置。
【請求項3】
端子部、データ圧縮伸長部、メモリ部及び制御部はケース内に組み込まれており、上記端子部の先端部側が上記ケースより外部に突出されていることを特徴とする請求項1記載の携帯用メモリ装置。
【請求項4】
端子部は、USB端子部であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の携帯用メモリ装置。
【請求項5】
端子部、データ圧縮伸長部及び制御部と、メモリ部とは二分割されて前者がアダプタに、後者がメモリカードに構成されており、上記アダプタは上記端子部、データ圧縮伸長部及び制御部をいずれもケース内に組み込むと共にこのケース内に上記端子部とは別の接続用端子部を設けてあり、上記メモリカードはメモリ端子部、メモリ制御部及びメモリを備えており、上記メモリ端子部は上記接続用端子部と接続可能であり、上記制御部はメモリを制御可能である請求項1又は請求項4記載の携帯用メモリ装置。
【請求項6】
アダプタの端子部の先端部側がケースより外部に突出されており、上記アダプタのケースにはメモリカードが着脱可能な接続口を設けてあることを特徴とする請求項5記載の携帯用メモリ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−18352(P2006−18352A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192548(P2004−192548)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(504253614)アドバンスデザインテクノロジー株式会社 (2)
【Fターム(参考)】