説明

携帯用紫外線殺菌装置

【課題】 簡易な紫外線殺菌装置を提供する。
【解決手段】 掌大の紫外線照射部(1)と、紫外線照射部(1)に取り付けられた握り部(2)とを備える。握り部(2)を一方の掌で持って他方の掌を紫外線照射部(1)にかざし、握り部(2)を持ち替えて反対側の掌を紫外線照射部(1)にかざすようにすることで紫外線により手等を簡易かつ迅速に殺菌することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用紫外線殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、殺菌用紫外線ランプは室内等の定位置に設置された状態で殺菌に使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
外出、旅行等に携帯し、手等を簡易に殺菌することができる紫外線殺菌装置が望まれている。
【0004】
本発明は携帯可能な紫外線殺菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、掌大の紫外線照射部(1)と、紫外線照射部(1)に取り付けられた握り部(2)とを備えた携帯用紫外線殺菌装置を採用する。
【0006】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の携帯用紫外線殺菌装置において、握り部(2)に接触帯電部が形成された携帯用紫外線殺菌装置を採用する。
【0007】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の携帯用紫外線殺菌装置において、紫外線照射部(1)の紫外線ランプ(5)のチューブが反射鏡(4)の前方を遮るように複数条になって伸び、このチューブの複数条が反射鏡(4)の前方へと屈曲している携帯用紫外線殺菌装置を採用する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、握り部(2)を一方の掌で持って他方の掌を紫外線照射部(1)にかざし、握り部(2)を持ち替えて反対側の掌を紫外線照射部(1)にかざすようにすることで紫外線により手等を簡易かつ迅速に殺菌することができる。
【0009】
請求項2に係る発明によれば、握り部(2)を一方の掌で持ち他方の掌を紫外線照射部(1)にかざすようにして掌を紫外線で殺菌する際、握り部(2)を持つ掌が接触帯電部による接触帯電により殺菌されるので、掌を効率良く殺菌することができる。
【0010】
請求項3に係る発明によれば、紫外線照射部(1)の紫外線ランプ(5)のチューブが反射鏡(4)の前方を遮るように複数条になって伸び、このチューブの複数条が反射鏡(4)の前方へと屈曲しているので、紫外線の照射エネルギが増大し、殺菌効果が高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0012】
図1に示すように、この携帯用紫外線殺菌装置は、この装置の外殻を成すハウジングを備え、ハウジングの上部に掌大の紫外線照射部1が設けられ、ハウジングの下部が握り部2として形成される。ハウジングは合成樹脂の射出成形等により全体として携帯可能な大きさに形成される。握り部2には紫外線照射のON/OFFスイッチ3が設けられている。
【0013】
紫外線照射部1は、この装置の外殻を成すハウジング内に嵌めこまれる全反射拡散鏡である反射鏡4と、反射鏡の中央部に配置される紫外線ランプ5とを備える。
【0014】
反射鏡4は、掌等の被照射体に至近距離で均等な光エネルギを照射することができるように形成される。
【0015】
紫外線ランプ5のチューブは直管状でも良いが、望ましくは図1に示すように、反射鏡4の前方を遮るように複数条になって伸び、この複数条が反射鏡4の前方へと屈曲するように形成される。これにより、直管状の場合よりも紫外線の照射エネルギが増大し、殺菌効果が高まる。
【0016】
反射鏡4の前方は図示しないフィルタで遮蔽される。フィルタは例えば短波長透過石英ガラスで形成され、殺菌に必要な波長域の紫外線を透過するが不必要な波長域の紫外線は除去するようになっている。また、このフィルタにより紫外線ランプが外部から保護される。
【0017】
紫外線ランプ5で発光し、フィルタを透過する紫外線は例えば254nm程度の波長域であり、471KJ/mol-1のエネルギを有する。この波長域の紫外線を数秒間照射することにより、掌等に付着したインフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、赤痢菌等の細菌性ウイルスを殺菌し、病理予防することが可能である。
【0018】
紫外線ランプ5の発光は図2に例示する制御回路により制御することができる。この制御回路は例えばハウジングの握り部2内に電源となる小型の乾電池6と共に収納される。
【0019】
図2に示すように、この制御回路は、乾電池6の電圧を発振器7により所定の電圧まで昇圧して紫外線ランプ5を発光させるようになっている。すなわち、ON/OFFスイッチ3をONにすると、コイル7とコンデンサ8とによって電荷の遣り取りが始まり、1/2πLCで共振し、トランジスタ9,10がスイッチングを交互に開始し、コイル11に交流電流が流れる。そして、コイル12に交流電圧が誘導され、紫外線ランプ5がコイル12の巻数/コイル11の巻数の比で昇圧し発光する。
【0020】
その他、符号13は紫外線ランプ5を保護するためのコンデンサであり、ON/OFFスイッチ3をON又はOFFにした時に紫外線ランプ5に過電流が流れないようするため設けられる。また、符号14は乾電池6を+−間で逆に取り付けた場合に回路が破損しないようにするため設けられるダイオードである。
【0021】
なお、図示しないが、制御回路にタイマーを組み込んでおき、紫外線ランプ5が一定時間点灯した後、自動的に消灯するようにしてもよい。
【0022】
握り部2は、ハウジングの一部として形成され、掌が接触する表面部分に接触帯電部が形成される。接触帯電部は、リチウム、ボロン等のアマルガムである接触帯電材を混入した合成樹脂でハウジングを成形することにより形成される。握り部2を紫外線照射部1とは別体で成形し、この握り部2にのみ接触帯電材を混入するようにしてもよい。掌で握り部2を握ることによる接触帯電によって、負電荷を持つ負イオンが発生し、局部的に弱い電荷が微生物に与えられ、微生物細胞の核酸内部の染色体の複製が抑制される。これにより、微生物の体細胞分裂による増殖が抑制される。
【0023】
次に、上記構成の携帯用紫外線殺菌装置の作用について説明する。
【0024】
握り部2を一方の掌で持って他方の掌を紫外線照射部1にかざし、ON/OFFスイッチ3をONにすると、紫外線ランプ5が発光し他方の掌に紫外線が照射される。
【0025】
握り部2を持ち替えて反対側の掌を紫外線照射部1にかざすようにすると、反対側の掌に紫外線が照射される。
【0026】
これにより、両方の掌が紫外線により殺菌される。
【0027】
また、握り部2を一方の掌で持ち他方の掌を紫外線照射部1にかざすようにして掌を紫外線で殺菌する際、握り部2を持つ掌が接触帯電部による接触帯電により殺菌される。従って、握り部2を持ち替えても紫外線で殺菌した掌が握り部2により再び汚染されることがなく、掌を効率良く殺菌することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る携帯用殺菌装置の斜視図である。
【図2】図1に示す携帯用殺菌装置の紫外線ランプ発光用電気回路図である。
【符号の説明】
【0029】
1 紫外線照射部
2 握り部
4 反射鏡
5 紫外線ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掌大の紫外線照射部と、紫外線照射部に取り付けられた握り部とを備えたことを特徴とする携帯用紫外線殺菌装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯用紫外線殺菌装置において、握り部に接触帯電部が形成されたことを特徴とする携帯用紫外線殺菌装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の携帯用紫外線殺菌装置において、紫外線照射部の紫外線ランプのチューブが反射鏡の前方を遮るように複数条になって伸び、このチューブの複数条が反射鏡の前方へと屈曲していることを特徴とする携帯用紫外線殺菌装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate