携帯端末、表示制御プログラムおよび表示制御方法
【構成】スライド型の携帯端末10は、開状態および閉状態を検出する磁気センサ38および磁石40を有し、第1筐体(C1)と第2筐体(C2)がスライドする。また、携帯端末10は、カメラ機能を有しており、撮影された画像データはフラッシュメモリ28に設けられるフォルダに保存される。また、画像切替機能が実行されると、2つ以上の画像データがフラッシュメモリ28から読み出され、表示データに展開された後に、2つ以上の表示データがキャッシュ30aに記憶される。そして、携帯端末10が開状態にされると、ディスプレイ26に表示される画像を変更するために、キャッシュ30aに記憶される表示データが切り替えられる。
【効果】複数の表示データがキャッシュ30aに展開されているため、使用者は携帯端末10を開状態にするだけで、画像を素早く変更することができる。
【効果】複数の表示データがキャッシュ30aに展開されているため、使用者は携帯端末10を開状態にするだけで、画像を素早く変更することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末に関し、特にたとえば複数の画像を表示可能な、携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特にたとえば複数の画像を表示可能な、携帯端末が知られており、この装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術の折畳型携帯通信端末は、折畳状態とオープン状態との状態変化を検出する開閉検出手段、画像データなどを表示するために用いられる表示部、複数の画像データを記憶する記憶部および携帯通信端末の全体を制御する制御部などを有する。そして、開閉検出手段によって状態変化が検出されると、記憶部に記憶される複数の画像データのうち一つが制御部により任意に選択され、表示部に表示される。
【特許文献1】特開2004−7488号公報[H04M 1/02, H04B 7/26, H04M 1/00]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、背景技術の携帯通信端末において、記憶部に含まれる待受画面情報記憶部からファイル名などを読み出し、記憶部から画像データを読み出して画像データを展開する処理を行うと、僅かではあるが時間がかかる。そのため、使用者は、画像が変更されるまでの時間を煩わしく感じる場合がある。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、携帯端末、表示制御プログラムおよび表示制御方法を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、表示される画像を素早く変更することができる、携帯端末、表示制御プログラムおよび表示制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、第1筐体と第2筐体との開閉状態を検出する検出部を有する携帯端末であって、複数の画像データを記憶する第1記憶部、第1記憶部から読み出した2つ以上の画像データを展開した2つ以上の表示データを記憶する第2記憶部、表示データに基づいて画像を表示する表示部、および検出部によって開閉状態の所定の変化が検出されたとき、表示部に表示される画像を、第2記憶部に記憶される他の表示データに切り替えて表示させる切替表示部を備える、携帯端末である。
【0008】
第1の発明では、携帯端末(10)は、たとえば第1筐体(C1)と第2筐体(C2)とがスライドするスライド型の携帯端末であり、検出部(38,40)は第1筐体と第2筐体とのスライドによる開状態および閉状態を検出する。フラッシュメモリなどの第1記憶部(28)は、たとえばカメラ機能などによって撮影された写真の画像データを記憶する。第2記憶部(30a)は、たとえばSDRAM(30)に含まれるキャッシュであり、展開された2つ以上の表示データを記憶可能なデータ容量を持つ。表示部(26)は、たとえば第1筐体に設けられるディスプレイであり、第2記憶部に記憶された表示データに基づいて画像を表示する。切替表示部(20,S45)は、たとえば携帯端末10が開状態または閉状態になると、表示中の画像に対応する表示データとは異なる表示データに切り替えることで、表示される画像を変更する。
【0009】
第1の発明によれば、画像を表示するための表示データが第2記憶部に複数展開されていて、開閉状態の検出に応じて切り替えるだけでよいため、表示される画像を素早く変更することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明に従属し、切替表示部は、検出部によって開状態が検出されたとき、表示部に表示される画像を、第2記憶部に記憶されている他の表示データに切り替えて表示させる。
【0011】
第2の発明では、携帯端末が開状態にされると、表示部に表示される画像が変更される。
【0012】
第3の発明は、第1発明または第2の発明に従属し、切替表示部は、検出部によって閉状態が検出されたとき、表示部に表示される画像を、第2記憶部に記憶されている他の表示データに切り替えて表示させる。
【0013】
第3の発明では、携帯端末が閉状態にされると、表示部に表示される画像が変更される。
【0014】
第2の発明および第3の発明によれば、使用者は、携帯端末を開状態または閉状態に切り替えるだけで、表示される画像を素早く変更することができる。
【0015】
第4の発明は、第1の発明ないし第3の発明のいずれかに従属し、2つ以上の表示データを切り替える順番を示すリスト情報を作成する作成部をさらに備え、2つ以上の表示データは、リスト情報に基づいて切り替えられる。
【0016】
第4の発明では、作成部(20,S85,S97)は、たとえば画像をランダムに変更するためのリスト情報(336)を作成する。そのため、変更される画像の順番は、作成されたリスト情報で示される順番と一致する。
【0017】
第4の発明によれば、画像を変更する順番を予め決めることができるため、画像を変更する処理をさらに高速化することができる。
【0018】
第5の発明は、第4の発明に従属し、切替表示部によって表示データが切り替えられた後に、表示されていた画像に対応する表示データを第2記憶部から削除する削除部をさらに備える。
【0019】
第5の発明では、削除部(20,S47)は、切り替えられることで表示されなくなった画像に対応する表示データを、第2記憶部から削除する。
【0020】
第6の発明は、第5の発明に従属し、削除部によって表示データが削除されたとき、第2記憶部に新たに表示データを展開する展開部をさらに備える。
【0021】
第6の発明では、展開部(20,S115)は、第2記憶部から表示データが削除された後に、まだ展開されていない画像データを新たに展開する。
【0022】
第5の発明および第6の発明によれば、データ容量の小さいキャッシュなどを利用して、複数の画像を変更することができる。
【0023】
第7の発明は、第1の発明ないし第6の発明のいずれかに従属し、複数の画像データに変更があるとき、第2記憶部に記憶される2つ以上の表示データを消去する消去部をさらに備える。
【0024】
第7の発明では、消去部(20,S19)は、表示を変更するための2つ以上の画像データが選択され直されたり、その2つ以上の画像データに画像データが追加されたり、削除されたりすると、第2記憶部に記憶される2つ以上の表示データを消去する。
【0025】
第7の発明によれば、変更される2つ以上の画像の変更に対応して、展開されている表示データは消去される。そのため、使用者は、画像の変更を行うことができる。
【0026】
第8の発明は、第1の発明ないし第7の発明のいずれかに従属し、表示部は、第1筐体と第2筐体との開閉状態のいずれにおいても外部に露出する表示部である。
【0027】
第8の発明では、表示部は、携帯端末の開閉状態に係わらず、常に外部に露出する。
【0028】
第8の発明によれば、表示部が常に露出しているため、携帯端末の開閉状態に係わらず、表示される画像を変更することができる。
【0029】
第9の発明は、第1筐体(C1)と第2筐体(C2)との開閉状態を検出する検出部(38,40)、複数の画像データを記憶する第1記憶部(28)、第1記憶部から読み出した2つ以上の画像データを展開した2つ以上の表示データを記憶する第2記憶部(30a)、表示データに基づいて画像を表示する表示部(26)を有する携帯端末(10)のプロセッサ(20)を、検出部によって開閉状態の所定の変化が検出されたとき、表示部に表示される画像を、第2記憶部に記憶される他の表示データに切り替えて表示させる切替表示部(S45)として機能させる、表示制御プログラムである。
【0030】
第9の発明でも、第1の発明と同様に、画像を表示するための表示データが第2記憶部に複数展開されていて、開閉状態の検出に応じて切り替えるだけでよいため、表示される画像を素早く変更することができる。
【0031】
第10の発明は、第1筐体(C1)と第2筐体(C2)との開閉状態を検出する検出部(38,40)、複数の画像データを記憶する第1記憶部(28)、第1記憶部から読み出した2つ以上の画像データを展開した2つ以上の表示データを記憶する第2記憶部(30a)、表示データに基づいて画像を表示する表示部(26)を有する携帯端末(10)の表示制御方法であって、検出部によって開閉状態の所定の変化が検出されたとき、表示部に表示される画像を、第2記憶部に記憶される他の表示データに切り替えて表示させる(S45)、表示制御方法である。
【0032】
第10の発明も、第1の発明と同様に、画像を表示するための表示データが第2記憶部に複数展開されていて、開閉状態の検出に応じて切り替えるだけでよいため、表示される画像を素早く変更することができる。
【発明の効果】
【0033】
この発明によれば、画像を表示するための表示データが複数展開されていて、開閉状態の検出に応じて切り替えるだけでよいため、表示される画像を素早く変更することができる。
【0034】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は本発明の一実施例の携帯端末の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】図2は図1に示す携帯端末の外観の一例を示す図解図である。
【図3】図3は図1に示すフラッシュメモリに記憶される複数の画像データの一例を示す図解図である。
【図4】図4は図1に示すSDRAMに記憶される設定リストの一例を示す図解図である。
【図5】図5は図4に示す設定リストに基づいて作成されるランダムリストの一例を示す図解図である。
【図6】図6は図1に示すキャッシュに展開される表示データの一例を示す図解図である。
【図7】図7は図1に示すディスプレイに表示される画像の一例を示す図解図である。
【図8】図8は図5に示すランダムリストが再作成される手順の一例を示す図解図である。
【図9】図9は図1に示すSDRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【図10】図10は図1に示すプロセッサの表示処理を示すフロー図である。
【図11】図11は図1に示すプロセッサの画像切替制御処理の一部を示すフロー図である。
【図12】図12は図1に示すプロセッサの画像切替制御処理の他の一部であって、図11に後続するフロー図である。
【図13】図13は図1に示すプロセッサの初回ランダムリスト作成処理を示すフロー図である。
【図14】図14は図1に示すプロセッサの次回ランダムリスト作成処理を示すフロー図である。
【図15】図15は図1に示すプロセッサの画像展開処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1を参照して、携帯端末10は、プロセッサ20およびキー入力装置22などを含む。CPUまたはコンピュータと呼ばれることもあるプロセッサ20は、CDMA方式に対応する無線通信回路14を制御して発呼信号を出力する。出力された発呼信号は、アンテナ12から送出され、基地局を含む移動通信網に送信される。通話相手が応答操作を行うと、通話可能状態が確立される。
【0037】
通話可能状態に移行した後にキー入力装置22によって通話終了操作が行われると、プロセッサ20は、無線通信回路14を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。そして、通話終了信号の送信後、プロセッサ20は、通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ20は、通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ20は通話処理を終了する。
【0038】
携帯端末10が起動している状態で通話相手からの発呼信号がアンテナ12によって捉えられると、無線通信回路14は、着呼をプロセッサ20に通知する。プロセッサ20は、図示しないモータを駆動させることで携帯端末10を振動させ、発呼信号を受信している着呼状態であることを使用者に通知する。なお、プロセッサ20は、携帯端末10を振動させると共に、図示しないスピーカから着呼音を出力させる。
【0039】
通話可能状態では、次のような処理が実行される。通話相手から送られてきた変調音声信号は、アンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号は、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。そして、得られた受話音声信号は、スピーカ18から出力される。一方、マイク16によって取り込まれた送話音声信号は、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施される。そして、生成された変調音声信号は、上述と同様、アンテナ12を利用して通話相手に送信される。
【0040】
なお、発呼信号および発信元情報を受信するアンテナ12および無線通信回路14は受信部として機能する。また、メインディスプレイ26は表示部または表示装置と呼ばれることもある。
【0041】
また、本実施例の携帯端末10はカメラ機能を実行することができる。たとえば、キー入力装置22に対してカメラ機能を実行する操作が行われると、カメラ制御回路32およびイメージセンサ34を撮影部として機能させ、カメラ機能を実行する。
【0042】
たとえば、被写界の光学像はイメージセンサ34に照射され、イメージセンサ34の撮像エリアには、たとえばSXGA(1280×1024画素)に対応する受光素子が配置されており、撮像エリアでは、光電変換によって、被写界の光学像に対応する電荷つまりSXGAの生画像信号が生成される。なお、使用者は、画像データのサイズを、SXGAの他に、XGA(1024×768画素)およびFull-WVGA(854×480画素)などに変更することができる。
【0043】
そして、カメラ機能が実行されると、被写体のリアルタイム動画像つまりスルー画像をディスプレイ26に表示するべく、プロセッサ20は、カメラ制御回路32に内蔵されるイメージセンサドライバを起動させ、露光動作および指定された読み出し領域に対応する電荷読み出し動作をイメージセンサドライバに命令する。
【0044】
イメージセンサドライバは、イメージセンサ34の撮像面の露光と、当該露光によって生成された電荷の読み出しとを実行する。この結果、生画像信号が、イメージセンサ34から出力される。また、出力された生画像信号は、カメラ制御回路32に入力され、カメラ制御回路32は、入力された生画像信号に対して、色分離、白バランス調整、YUV変換などの処理を施し、YUV形式の画像データを生成する。そして、YUV形式の画像データはプロセッサ20に入力される。このとき、カメラ制御回路32は、フォーカスレンズ36を制御することで、被写界にピントを合わせる。
【0045】
また、プロセッサ20に入力されたYUV形式の画像データは、プロセッサ20によってSDRAM30に一旦格納される。さらに、格納されたYUV形式の画像データは、プロセッサ20を介して、SDRAM30から表示ドライバ24に与えられる。また同時に、プロセッサ20は、間引き読み出し命令を表示ドライバ24に発行する。そして、表示ドライバ24は、プロセッサ20から発行された間引き読み出し命令に従って、YUV形式の画像データを30fpsでディスプレイ26に出力する。これによって、被写界を表す低解像度(たとえば、320×240画素)のスルー画像がディスプレイ26に表示される。
【0046】
なお、YUV形式の画像データにおいて、Yは輝度を意味し、Uは青色から輝度を引いた色差を意味し、Vは赤色から輝度を引いた色差を意味する。つまり、YUV形式の画像データは、輝度信号(Y)データと青色の色差信号(U)データと赤色の色差信号(V)データとから構成される。
【0047】
ここで、キー入力装置22によって撮影操作が行われると、プロセッサ20は、本撮影処理を実行する。つまり、プロセッサ20は、イメージセンサ34から出力されるSXGAの生画像信号に所定のJPEG方式の圧縮を行い、SDRAM30に一旦格納する。また、プロセッサ20は、一旦格納されたJPEG形式の画像データを読出し、読み出された画像データを含む画像ファイルとしてNAND型のフラッシュメモリ28(第1記憶部)に記録する。そして、プロセッサ20は、図示しないスピーカから、本撮影処理が実行されていること通知する音を出力させる。なお、フラッシュメモリ28には、複数のフォルダが設けられており、撮影された画像データは所定のフォルダに保存される。
【0048】
また、保存された画像データがディスプレイ26に表示される際には、まず指定された画像データが保存されるフォルダのリストデータ(リストデータベース:RDBと呼ばれることもある)がプロセッサ20によって取得される。プロセッサ20は、取得したリストデータに基づいて、画像データをフラッシュメモリ28から読出し、SDRAM30に一旦格納する。また、プロセッサ20は、SDRAM30に格納した画像データを、RGB情報を持つ表示データにデコード(展開)する。そして、展開された表示データはSDRAM30に含まれるキャッシュ30a(第2記憶部)に記憶され、ディスプレイ26にはキャッシュ30aに記憶された表示データに対応する画像が表示される。
【0049】
なお、本実施例において、フラッシュメモリ28に記憶される画像データが表示されるまでの時間は、おおよそ、リストデータが取得されるまでの時間、画像データが読み出されるまでの時間およびデコードされるまでの時間から構成され、合計で約1〜3秒の時間となる。
【0050】
図2(A)は、スライド型の携帯端末の閉状態の外観を示す外観であり、図2(B)は、スライド型の携帯端末の開状態の外観を示す外観であり、図2(C)は、スライド型の携帯端末の閉状態の外観の裏面を示す外観である。図2(A)−(C)を参照して、携帯端末10は、各々が平面矩形の第1筐体C1および第2筐体C2を有し、第1筐体C1および第2筐体C2の厚みは略同じである。
【0051】
第1筐体C1は第2筐体C2の上に積層された状態で、図示しないスライド機構によって連結される。したがって、図2(B)に示すように、第1筐体C1は第2筐体C2の長さ方向にスライド可能である。
【0052】
図示しないマイク16は、第2筐体C2に内蔵され、内蔵されたマイク16に通じる開口OP2は第2筐体C2の長さ方向一方の上面に設けられる。同じく、図示しないスピーカ18は、第1筐体C1に内蔵され、内蔵されたスピーカ18に通じる開口OP1は、第1筐体C1の長さ方向一方の上面に設けられる。
【0053】
キー入力装置22は、複数のキーを含む第1キー群22aと第2キー群22bとを含む。第1キー群22aは、方向キー、通話キー、終話キー、メニューおよび確定キーから構成されており、第1筐体C1の上面に設けられる。また、第2キー群22bは、テンキーなどから構成されており、第2筐体C2の上面に設けられる。また、ディスプレイ26は、モニタ画面が第1筐体C1の上面に露出するように取り付けられる。
【0054】
たとえば、使用者は、ディスプレイ26を確認しながら、テンキーを操作して電話番号を入力し、通話キーによって発呼操作を行い、終話キーによって通話終了操作を行う。また、使用者は、メニューキーを操作することでメニュー画面を表示し、方向キーなどによって任意のメニューを選択することができる。さらに、使用者は、確定キーを操作することで、選択されたメニューを確定することができる。そして、使用者は、終話キーを長押しすることで携帯端末10の電源をオン/オフする。
【0055】
また、第2筐体C2の裏面には、イメージセンサ34およびフォーカスレンズ36に通じる開口OP3がさらに設けられる。たとえば、使用者は、第2筐体C2の裏面を任意の被写体に向けることで、その被写体を撮影することができる。
【0056】
磁気センサ38は第1筐体C1の長さ方向他方に内蔵され、磁石40は、図2(A)に示す閉状態で、磁気センサ38と最も近い状態となるように、第2筐体C2の長さ方向一方に内蔵される。そして、携帯端末10の開閉状態を検出する磁気センサ38は、図2(A)に示す状態では最大値を出力し、図2(B)に示す状態では最小値を出力する。
【0057】
なお、アンテナ12、無線通信回路14、プロセッサ20、表示ドライバ24、フラッシュメモリ28およびSDRAM30は、第1筐体C1または第2筐体C2に内蔵されており、図2(A)−(C)では、図示されない。また、磁気センサ38および磁石40は検出部と呼ばれることもある。さらに、検出部として、磁気センサ38および磁石40を用いた場合に限定されるものではなく、その他にも、たとえば、開閉の状態に応じて筐体の一方に設けられた押下部が、他方の筐体に設けられた筐体の被押下部を機械的に押下することにより、この押下状態による通電状態の変化などを検出して開閉を検出する機構であってもよい。
【0058】
図3(A)−(E)は、フラッシュメモリ28に記憶される画像データの一例を示す図解図である。図3(A)、図3(B)、図3(C)、図3(D)および図3(E)に示す画像データのそれぞれは、データ名として、「子ども」、「兄弟」、「山」、「風景」および「オフィス」が設定される。たとえば、図3(A)−(E)に示す画像データは、カメラ機能を利用して撮影されたものであり、各画像データはフラッシュメモリ28に設定されるフォルダに保存されている。
【0059】
なお、撮影された直後のデータ名は、撮影日時を示す数列「090902_1450(2009年9月2日14時50分を表す)」が自動的に設定される。そして、データ名における、ひらがな、カタカナおよび漢字など文字列は、使用者によって設定される。
【0060】
ここで、本実施例の携帯端末10は、携帯端末10が開状態にされる度に、ディスプレイ26に表示される画像を変更する画像切替機能を有する。たとえば、使用者によって任意のフォルダが選択されて、所定の操作が行われると、画像切替機能は実行される。画像切替機能が実行されている状態では、選択されたフォルダ(以下、設定フォルダと言う)に保存される複数の画像データのそれぞれを、複数の表示データとしてそれぞれ展開して、SDRAM30に設けられるキャッシュ30aに記憶させる。そして、プロセッサ20は、ディスプレイ26に表示データに対応する画像を表示させ、開状態が検出されると、他の表示データに切り替えることで、ディスプレイ26に表示される画像を変更する。なお、表示データを切り替えて、次の画像を表示させるまでの時間は約100m秒である。
【0061】
これにより、使用者は携帯端末10を開状態にするだけで、ディスプレイ26に表示される画像を素早く変更することができる。なお、画像データのデータサイズが大きいと、展開するまでの時間が長くなるため、データサイズの大きい画像データに基づく画像に変更する場合には、本願発明の効果が特に発揮される。
【0062】
図4は、図3(A)−(E)に示す画像データが保存されるフォルダのリストデータの図解図である。なお、本実施例では、図3(A)−(E)に示す各画像データに基づく画像が変更されるため、このリストを「設定リスト」と言う。
【0063】
図4を参照して、設定リストは、「番号」および「名前」の列から構成されており、番号には画像データに対応する数字が順番に記録される。また、「名前」の列には、画像データのデータ名が記録されており、たとえば図3(A)に示す画像データのデータ名「子ども」が記録される。なお、「番号」は、撮影された時間や、画像データの名前(データ名)などに基づいて決められる。
【0064】
図5は、画像を変更する順番を示すリストの図解図である。なお、本実施例では、画像はランダムに変更されるため、図5に示すリストを「ランダムリスト」と言う。
【0065】
図5を参照して、ランダムリストの構成は、設定リストと同様に「番号」および「名前」の列から構成される。また、「番号」の列に記録される番号に規則性はないが、フォルダ内の画像データが必ず1度表示されるような並びになっている。たとえば、ランダムリストが作成される際には、設定リストの最大値、つまり画像データの数が5であれば、1から5までの数を、1つの数が必ず1度は使われ、かつ同じ数が重複しないように並び替えた数列が作成される。そして、作成された数列に基づいて、ランダムリストにおける「番号」の列が設定される。
【0066】
そして、ディスプレイ26に表示される画像は、ランダムリストにおける「番号」の列に基づいて変更される。たとえば、「番号」の列において、上のセルから「3,2,5,1,4」の順に数字が記録されていれば、変更される画像の順番は「山、兄弟、オフィス、子ども、風景」となる。
【0067】
このように、画像を変更する順番を予め決めておくことで、画像を変更する処理をさらに高速化することができる。
【0068】
図6(A)−(E)は、キャッシュ30aに表示データが展開される様子を表す図解図である。なお、キャッシュ30aに展開される表示データの図と、図3(A)−(E)に示す画像データの図とは、説明を簡単にするために同じものを利用しているが、データとしては異なるものである。
【0069】
図6(A)を参照して、キャッシュ30aには、4つの表示データを記憶するために、4つのキャッシュ領域が設定される。また、ここでは各キャッシュ領域のそれぞれを、キャッシュ1、キャッシュ2、キャッシュ3、キャッシュ4と言う。そして、図6(A)に示すキャッシュ1−4は、何も記憶されていない状態である。なお、携帯端末10の電源がオンとなったときや、画像切替機能の設定が変更されたときに、キャッシュ30aはこのような状態にされる。
【0070】
次に、図6(B)を参照して、プロセッサ20は、フラッシュメモリ28から画像データを読出し、展開した表示データをキャッシュ1に記憶させる。たとえば、データ名が「山」の画像データがフラッシュメモリ28から読み出されて展開されると、展開された表示データがキャッシュ1に記憶される。また、プロセッサ20は、キャッシュ1に表示データが展開されると、ディスプレイ26に画像を表示させる。つまり、ディスプレイ26は、山の写真が表示された状態となる。なお、この時点では、他の表示データが展開されていないため、キャッシュ2−4には何も記憶されていない。
【0071】
次に、図6(C)を参照して、プロセッサ20は、フラッシュメモリ28からさらに画像データを読出し、キャッシュ2、キャッシュ3およびキャッシュ4に表示データを記憶させる。つまり、ランダムリストに基づいて、データ名に「兄弟」、「オフィス」および「子ども」が設定される画像データがフラッシュメモリ28から読み出され、それぞれ展開された表示データがキャッシュ2、キャッシュ3およびキャッシュ4に記憶される。
【0072】
次に、携帯端末10が開状態となると、ディスプレイ26に表示される画像は、キャッシュ1からキャッシュ2に記憶される表示データに切り替えられる。そして、図6(D)を参照して、プロセッサ20は、画像を変更すると、キャッシュ1に記憶される表示データを削除する。つまり、キャッシュ1は何も記憶されていない状態にされる。
【0073】
次に、プロセッサ20は、キャッシュ30aに記憶される画像データが削除されると、フラッシュメモリ28から新たに画像データを読出して画像データを展開する。そして、図6(E)を参照して、プロセッサ20は、キャッシュ1に新たに展開した表示データを記憶させる。
【0074】
このように、本実施例では、既に表示された画像に対応する表示データはキャッシュ30aから削除され、新たな表示データがキャッシュ30aに展開される。したがって、データ容量の小さいキャッシュ30aを利用して、複数の画像を変更することができる。
【0075】
図7は、ディスプレイ26に表示される画像が変更される様子を示す図解図である。図7を参照して、ディスプレイ26には、ランダムリスト(図5参照)に基づいて、まず「山」の画像が表示される。この状態で、携帯端末10が開状態にされると、ディスプレイ26は「兄弟」の画像に変更される。そして、携帯端末10が開状態にされる度に、「オフィス」、「子ども」および「風景」の順番で、画像が変更される。
【0076】
ここで、初回に作成したランダムリストに基づいて、全ての画像が表示されると、ランダムリストが再作成される。図8(A),(B)を参照して、ランダムリストが再作成される際には、初回に作成されるランダムリストの作成条件に加えて、前回のランダムリストの最後の値が、今回のランダムリストの最初の値と同じにならないようにする。つまり、同じ画像が連続して表示されないようにする。
【0077】
たとえば、前回のランダムリストの最後の値が「4」であれば、今回のランダムリストの初めの値は、1,2,3,5の中から、ランダムに選択された値にする。次に、最初の値が「5」となれば、「5」以外の数、つまり1から4の数が、初回に作成されたランダムリストと同様に、並び変えられる。たとえば、図8(A),(C)を参照して、前回のランダムリストの「番号」の列が「3,2,5,1,4」であれば、今回のランダムリストの「番号」の列は「5,4,2,1,3」となる。
【0078】
これにより、順番がランダムであり、かつ同じ画像が連続して表示されないように、画像を変更することができる。
【0079】
なお、画像更新機能によってランダムに画像データを更新する場合は、画像更新機能ではなく、「オープンシャッフル」と呼ばれることもある。また、画像が変更される順番は、設定リストの番号に従ってもよいし、使用者によって決められた順番であってもよい。
【0080】
図9は、SDRAM30のメモリマップ300を示す図解図である。図9を参照して、SDRAM30のメモリマップには、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ28から一度に全部または必要に応じて部分的にかつ順次的に読み出され、SDRAM30に記憶されてからプロセッサ20によって処理される。
【0081】
プログラム記憶領域302には、携帯端末10を動作させるためのプログラムが記憶される。携帯端末10を動作させるためのプログラムは、表示プログラム310、画像切替制御プログラム312、初回ランダムリスト作成プログラム314、次回ランダムリスト作成プログラム316および画像展開プログラム318などから構成される。
【0082】
表示プログラム310は、ディスプレイ26に画像を表示させるための全体的な処理が実行されるプログラムである。画像切替制御プログラム312は、ディスプレイ26に表示される画像を、ランダムな順番で変更するためのプログラムである。初回ランダムリスト作成処プログラム314は、ランダムリストを作成するためのプログラムであり、携帯端末10が電源オンされた直後や、画像切替機能が実行された直後に実行される。次回ランダムリスト作成プログラム316は、初回ランダムリスト作成処プログラム314と同様に、ランダムリストを作成するためのプログラムであるが、次回(2回目)以降に利用されるランダムリストを作成するために実行される。
【0083】
画像展開プログラム318は、画像データを展開して、表示データをキャッシュ30aに記憶させるためのプログラムであり、ランダムリストが作成された状態で、かつキャッシュ30aに表示データがさらに記憶可能であれば随時実行される。
【0084】
なお、図示は省略するが、携帯端末10を動作させるためのプログラムは、通話を行うためのプログラムなどが含まれる。
【0085】
データ記憶領域304には、画像バッファ330などが設けられ、リストデータ332、設定リストデータ334およびランダムリストデータ336などが記憶される。また、データ記憶領域304には、開閉フラグ338、画像切替フラグ340および画像展開フラグ342なども設けられる。
【0086】
画像バッファ330は、フラッシュメモリ28から読み出された画像データを一旦格納するためのバッファである。リストデータ332は、フラッシュメモリ28に設けられるフォルダに対応するリストのデータである。また、リストデータ332は、複数のフォルダが設定されている場合には、複数のリストのデータから構成される。
【0087】
設定リストデータ334は、たとえば図4に示す設定リストのデータであり、使用者によって選択されたフォルダに対応するリストのデータである。ランダムリストデータ336は、たとえば図5に示すランダムリストのデータであり、画像が変更される順番を示す。
【0088】
開閉フラグ338は、携帯端末10の開状態および閉状態を検出するためのフラグである。たとえば、開閉フラグ338は、1ビットのレジスタで構成される。開閉フラグ338がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、開閉フラグ338がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。また、開閉フラグ338がオンであれば開状態であり、オフであれば閉状態である。そして、開閉フラグ338は、磁気センサ32が出力する値によってオン/オフの状態が変化する。
【0089】
画像切替フラグ340は、画像切替機能が実行されるように設定されているか否かを判断するためのフラグである。また、画像展開フラグ342は、表示データの展開が終了したか否かを判断するためのフラグである。
【0090】
なお、画像切替フラグ340および画像展開フラグ342の構成は、開閉フラグ338と同じであるため、詳細な説明は省略する。また、図9に示すメモリマップ300では、キャッシュ30aの図示を省略する。さらに、図示は省略するが、データ記憶領域304には、着呼音データなどが記憶されると共に、携帯端末10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
【0091】
プロセッサ20は、「Linux(登録商標)」および「REX」などのRTOS(Real-time Operating System)の制御下で、図10に示す表示処理、図11および図12に示す画像切替制御処理、図13に示す初回ランダムリスト作成処理、図14に示す次回ランダムリスト作成処理および図15に示す画像展開処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
【0092】
図10は、表示処理のフロー図である。携帯端末10の電源がオンにされると、プロセッサ20は、ステップS1で、画像データを、フラッシュメモリ28からSDRAM30にコピーする。つまり、フラッシュメモリ28に記憶される画像データを読み出し、その画像データを画像バッファ330に格納する。
【0093】
なお、ここで読み出される画像データは、待機状態で表示される画像データである。また、画像切替機能が実行された状態での電源オン、つまり再起動であれば、最後に表示されていた画像に対応する画像データがフラッシュメモリ28から読み出されてもよい。
【0094】
続いて、ステップS3では、SDRAM30にコピーされた画像データをキャッシュ30aに展開する。つまり、プロセッサ20は、画像バッファ330に格納された画像データを表示データに展開し、その表示データをキャッシュ30aに記憶させる。続いて、ステップS5では、キャッシュ30aに展開された表示データに対応する画像をディスプレイ26に表示させる。たとえば、待機状態を示す画像データがフラッシュメモリ28から読み出された場合には、ディスプレイ26には待機状態を示す画像が表示される。
【0095】
続いて、ステップS7では、画像切替が設定されているか否かを判断する。つまり、画像切替表示フラグ340がオンであるか否かを判断する。ステップS7で“YES”であれば、つまり画像切替機能が実行されるように設定されていれば、ステップS11に進む。一方、ステップS7で“NO”であれば、つまり画像切替機能が実行されないようにされていれば、ステップS9で画像切替が設定されたか否かを判断する。たとえば、使用者によって画像切替機能が実行されるように設定されたか否かを判断する。ステップS9で“NO”であれば、つまり画像切替機能が実行されるように設定されなければ、ステップS5に戻る。一方、ステップS9で“YES”であれば、つまり画像切替機能が実行されるように設定されると、ステップS11で画像切替制御処理を実行する。なお、画像切替制御処理については、図11および図12に示すフロー図を用いて後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0096】
画像切替制御処理が終了すると、ステップS13では、フォルダが再選択されたか否かを判断する。たとえば、設定フォルダが、使用者によって選択され直されたか否かを判断する。ステップS13で“YES”であれば、つまりフォルダが再選択されれば、ステップS17に進む。一方、ステップS15で“NO”であれば、つまりフォルダが再選択されなければ、ステップS15で画像データが更新されたか否かを判断する。たとえば、設定されるフォルダに保存される画像データが削除されたり、そのフォルダに画像データが追加されたりしたかを判断する。ステップS15で“NO”であれば、つまり画像データが更新されなければ、ステップS13に戻る。一方、ステップS15で“YES”であれば、つまり画像データが更新されれば、ステップS17に進む。
【0097】
ステップS17では、設定リストデータ334を更新する。つまり、フォルダが再選択された場合には、再選択されたフォルダのリストデータを取得し、設定リストデータ334を更新する。また、画像データが更新された場合には、現在設定されているフォルダのリストデータを再取得し、設定リストデータ334を更新する。続いて、ステップS19では、キャッシュ30aに記憶される表示データを消去し、ステップS11に戻る。つまり、フォルダまたは画像データが変更されると、キャッシュ30aに記憶される表示データが消去される。そして、キャッシュ32aに記憶される表示データが消去されると、ステップS11に戻り、画像切替制御処理が再度実行される。
【0098】
このように、フォルダの再選択や、画像データの変更に対応して、キャッシュ30aに記憶される表示データが消去されるため、設定フォルダに対する変更を行うことができる。なお、ステップS19の処理を実行するプロセッサ20は消去部として機能する。
【0099】
図11は、ステップS5(図10参照)で実行される画像切替制御処理のフロー図である。プロセッサ20は、ステップS31で、設定されたフォルダのリストを取得する。つまり、プロセッサ20は、SDRAM30から設定リストデータ334を読み出す。続いて、ステップS33では、変数Mにリストの最大値を設定する。つまり、設定リストにおける「番号」の列に記憶される最大の値が、変数Mに設定される。たとえば、図4に示す設定リストが読み出された場合には、変数Mには「5」が設定される。
【0100】
続いて、ステップS35では、変数nを初期化する。この変数nは画像が変更された回数をカウントするための変数である。なお、変数nは、初期化されると「1」が設定される。続いて、ステップS37では、初回ランダムリスト作成処理を実行し、図12に示すステップS39に進む。なお、初回ランダムリスト作成処理については、図13に示すフロー図を用いて後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0101】
続いて、ステップS39では、閉状態から開状態にされたか否かを判断する。つまり開閉フラグ338がオンになったか否かを判断する。ステップS39で“YES”であれば、つまり開閉フラグ338がオンになれば、ステップS43に進む。一方、ステップS39で“NO”であれば、つまり開閉フラグ338がオンにならなければ、ステップS41で終了操作か否かを判断する。たとえば、設定されたフォルダを再選択する操作や、画像データを更新するような操作がされたか否かを判断する。ステップS41で“NO”であれば、つまり終了操作がされなければ、ステップS39に戻る。一方、ステップS41で“YES”であれば、つまり終了操作がされれば、画像切替制御処理を終了して、表示処理(図10参照)に戻る。
【0102】
また、携帯端末10が開状態にされると、ステップS43で、展開済みの表示データが1つだけか否かを判断する。つまり現在表示されている画像に対応する表示データだけがキャッシュ30aに記憶されている状態か否かを判断する。ステップS43で“YES”であれば、つまり展開済みの表示データが1つだけであれば、ステップS57に進む。一方、ステップS43で“NO”であれば、つまり複数の表示データが展開されていれば、ステップS45で表示される画像を変更する。たとえば、キャッシュ1に記憶される表示データに対応する画像が表示されていれば、プロセッサ20は、キャッシュ2に記憶されている表示データに切り替えることで、画像を変更する。なお、ステップS45の処理を実行するプロセッサ20は切替表示部として機能する。
【0103】
続いて、ステップS47では、表示されていた画像に対応する表示データをキャッシュ30aから削除する。たとえば、キャッシュ1に記憶されている表示データに基づいて画像が表示されていた場合には、キャッシュ1に記憶される表示データが削除される。なお、ステップS47の処理を実行するプロセッサ20は、削除部として機能する。続いて、ステップS49では、変数nがインクリメントされる。つまり、表示される画像が変更されたため、変数nに設定される値がインクリメントされる。
【0104】
続いて、ステップS51では、変数nが変数Mと一致するか否かを判断する。つまり、ランダムリストにおける最後の画像に変更されたか否かを判断する。ステップS51で“NO”であれば、つまり最後の画像に変更されていなければ、ステップS39に戻る。一方、ステップS51で“YES”であれば、つまり最後の画像に変更されていれば、ステップS53で変数nを初期化する。つまり、ランダムリストを再作成するため、変数nが初期化される。続いて、ステップS55では、次回ランダムリスト作成処理を実行し、ステップS39に戻る。なお、次回ランダムリスト作成処理については、図14に示すフロー図を用いて後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0105】
なお、ステップS55における次回ランダムリスト作成処理は、図12に示されるように、ランダムリストにおける最後の画像に変更されたときに行われるものに限定されるものではない。たとえば、ランダムリスト作成処理は、最初に表示される画像が変更された場合や、変数nが変数Mから所定値分少ない場合(たとえば、「M−3」など)など、適宜なタイミングで行われてもよい。
【0106】
ここで、現在表示されている画像に対応する表示データだけが記憶されている状態で、携帯端末10が開状態にされると、ステップS57で画像展開フラグ342をオフにする。つまり、画像データを展開する処理が終了するのを待つために、画像展開フラグ342がオフにされる。続いて、ステップS59では、画像展開フラグ342がオンであるか否かを判断する。つまり、キャッシュ30aに新たな画像データを展開する処理が終了したか否かを判断する。ステップS59で“NO”であれば、つまり画像データを展開する処理が終了していなければ、ステップS59の処理を繰り返し実行する。一方、ステップS59で“YES”であれば、つまり画像データを展開する処理が終了すれば、ステップS45に進む。つまり、ディスプレイ26に表示される画像が変更される。
【0107】
なお、画像切替制御処理において、ステップS43,S57,S59の処理が実行されることで、以下の問題を未然に防ぐことができる。本実施例では、画像データがキャッシュ30aに展開される処理よりも、キャッシュ30aに記憶される表示データが削除される処理の方が早い。そのため、使用者が携帯端末10の開閉を連続して何度も行うと、携帯端末10が開状態になっても表示を切り替えるための表示データが記憶されていない状況に陥る。このとき、画像を変更する命令を全て記憶してしまうと、表示データが展開される度に何度も画像が変更されてしまう。つまり、使用者が意図しないタイミングで、画像が何度も変更されるため、使用者は携帯端末10の動作に不安を感じてしまう。ところが、本実施例では、画像データが次々と展開されたとしても、1度しか画像が変更されないので、上記のような問題が起きることはない。
【0108】
また、フォルダに保存される画像データが変更された場合には、ステップS37では初回ランダムリスト作成処理の代わりに、次回ランダムリスト作成処理が実行される。これにより、設定フォルダに保存される画像データが変更されたときも、同じ画像が連続して表示されないようにランダムリストが作成される。
【0109】
図13は、ステップS37(図11参照)で実行される初回ランダムリスト作成処置のフロー図である。プロセッサ20は、ステップS81で、配列の数が変数Mとなる配列Rを作成する。つまり、ステップS81では、設定リストに対応させて、配列Rを作成する。たとえば、変数Mが5であれば、配列R[0]から配列R[4(=5−1)]までが作成される。
【0110】
続いて、ステップS83では、1からMまでの値を、ランダムに配列[0]から配列[R−1]に設定する。つまり、ステップS83では、1からMまでの値だけで乱数を生成し、1からMの値が必ず1度使われるような数列を作成する。そして、作成した数列の各値を配列R[0]から配列R[M−1]に設定する。たとえば、変数Mが5であれば、配列R[0]には3、配列R[1]には2、配列R[2]には5、配列R[3]には1、配列R[4]には4が設定される。
【0111】
続いて、ステップS85では、配列Rに設定された各値に基づいて、ランダムリストを作成し、画像切替制御処理に戻る。たとえば、ステップS85では、図5に示すランダムリストのように、「番号」の列に配列R[0]から配列R[4]の値が設定される。そして、「名前」の列には、図4に示す設定リストに基づいて、「番号」の列に対応するデータ名が記録される。
【0112】
図14は、ステップS55(図14参照)で実行される次回ランダムリスト作成処理のフロー図である。なお、ステップS91およびステップS97の処理は、ステップS81およびステップS85と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0113】
プロセッサ20は、ステップS91では、配列の数が変数Mとなる配列Rを作成する。続いて、ステップS93では、ランダムリストの最後に記録される値を除いて、1からMまでの値をランダムに選択し、配列R[0]に設定する。たとえば、図8(A)を参照して、前回のランダムリストの最後に記録される値が「4」であり、変数Mが5であれば、まず時間乱数処理に基づいて1から5の値から1つの値を選択する。次に、選択された値が「4」でなければ、その選択された値を配列R[0]に設定する。
【0114】
続いて、ステップS95では、選択された値を除いて1からMまでの値を、ランダムに配列R[1]から配列R[R−1]に設定する。つまり、ステップS95の処理では、ステップS83の処理と同様に、選択された値が除かれた、1からMの値が必ず1度使われるような数列を作成し、数列の各値を配列R[1]から配列R[M−1]に設定する。たとえば、図8(C)を参照して、選択された値が「5」であり、変数Mが5であれば、配列R[1]には4、配列R[2]には2、配列R[3]には1、配列R[4]には3が設定される。
【0115】
続いて、ステップS97では、配列Rに設定された各値に基づいて、ランダムリストを作成し、画像切替制御処理に戻る。つまり、ステップS97では、2回目以降に利用されるランダムリストが作成される。
【0116】
なお、本実施例で生成される「乱数」には、同じ数字が連続するように生成される「乱数」は含まれない。また、ステップS83,S93,S95の処理を実行するプロセッサ20は設定部として機能し、ステップS85,S97の処理を実行するプロセッサ20は作成部として機能する。また、ステップS93,S95の処理を実行するプロセッサ20は再設定部として機能すると共に、ステップS93の処理を実行するプロセッサ20は第1設定部として機能し、ステップS95の処理を実行するプロセッサ20は第2設定部として機能する。
【0117】
図15は、画像展開処理のフロー図である。たとえば、キャッシュ30aに表示データが記憶可能であり、ランダムリストが作成されると、プロセッサ20は、ステップS111でランダムリストから画像データを選択する。つまり、ランダムリストに基づいて、フラッシュメモリ28に記憶される画像データを1つ選択する。
【0118】
続いて、ステップS113では、選択された画像データをフラッシュメモリ28からSDRAM30にコピーする。つまり、ランダムリストに基づいて選択された画像データを、フラッシュメモリ28から読み出し、その画像データを画像バッファ330に格納する。続いて、ステップS115では、SDRAM30にコピーされた画像データを空きキャッシュに展開する。たとえば、図6(A)などに示すキャッシュ1−4において、表示データが記憶されていないキャッシュ、つまり空きキャッシュに対して、展開した表示データを記憶させる。なお、ステップS115の処理を実行するプロセッサ20は展開部として機能する。
【0119】
続いて、ステップS117では、画像展開フラグ342をオンにし、画像展開処理を終了する。つまり、画像データの展開が終了したので、画像展開フラグ342をオンにする。
【0120】
以上の説明から分かるように、スライド型の携帯端末10は、第1筐体C1と第2筐体C2がスライドし、磁気センサ38および磁石40によって開状態および閉状態が検出される。携帯端末10は、カメラ機能を有しており、撮影された画像データはフラッシュメモリ28に設けられるフォルダに保存される。
【0121】
また、画像切替機能が実行されると、2つ以上の画像データがフラッシュメモリ28から読み出され、表示データに展開された後に、2つ以上の表示データがキャッシュ30aに記憶される。
【0122】
そして、携帯端末10が開状態にされると、ディスプレイ26に表示される画像を変更するために、キャッシュ30aに記憶される表示データが切り替えられる。
【0123】
このように、複数の表示データがキャッシュ30aに展開されているため、使用者は携帯端末10を開状態にするだけで、画像を素早く変更することができる。
【0124】
なお、上記実施例では、携帯端末10が開状態になった際にディスプレイ26に表示される画像を切り替えているが、本発明はこのような場合に限定されるものではなく、たとえば、携帯端末10が閉状態になった際にディスプレイ26に表示される画像を切り替える場合や、携帯端末10が開状態または閉状態が所定回数変更された場合にディスプレイ26に表示される画像を切り替える場合などであってもよい。さらに、携帯端末10が開状態または閉状態になる度に、ディスプレイ26に表示される画像が切り替えられてもよい。つまり、使用者は、携帯端末10を開状態または閉状態に切り替えるだけで、ディスプレイ26に表示される画像を素早く変更することができる。
【0125】
また、この実施例における携帯端末10はスライド型の形状であり、常にディスプレイ26が露出しているため、使用者は、携帯端末10の開閉状態に係わらず、表示される画像を変更することができる。
【0126】
また、本実施例のキャッシュ30aのデータ容量は、約4MBであるが、データ容量は4MBに限られるものではなく、2つ以上の表示データが記憶できるものであれば、どのようなデータ容量であってもよい。そのため、記憶される表示データの数も4つに限定されるものではない。また、設定フォルダに保存される画像データの数も、5つに限定されるものではない。
【0127】
また、フラッシュメモリ28に記憶される画像データはJPEG形式データのみに限らず、Windows(登録商標) bitmap形式、GIF形式およびPING形式などであってもよい。
【0128】
また、画像データの展開は、プロセッサ20によるソフトウェアデコードであってもよいし、LSIなどによるハードウェアデコードであってもよい。
【0129】
また、キャッシュ30aに記憶されるデータとしては、フラッシュ形式のデータや、複数のGIF形式のデータなども記憶される。たとえば、フラッシュアニメーション動画が待機状態で表示されるように設定されている場合には、キャッシュ30aにはフラッシュ形式のデータが記憶される。
【0130】
また、本実施例の携帯端末10は、スライド型であったが、折り畳み型であってもよいし、リボルバー型などであってもよい。また、スライド型においては、2つの筐体のスライドだけに限らず3つ以上の筐体がスライドしてもよい。
【0131】
さらに、携帯端末10の通信方式には、CDMA方式に限らず、W-CDMA方式、GSM方式、TDMA方式、FDMA方式およびPHS方式などを採用してもよい。さらに、ディスプレイ26にはLCDモニタが利用されるが、有機ELパネルなどの他の表示装置が利用されてもよい。そして、本願発明は、携帯端末10のみに限らず、携帯型の音楽プレイヤ、PDA(Personal Digital Assistant)およびノート型PC(ネットブックなども含む)などの電子機器などに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0132】
10 … 携帯端末
20 … プロセッサ
26 … ディスプレイ
28 … フラッシュメモリ
30 … SDRAM
30a … キャッシュ
32 … カメラ制御回路
34 … イメージセンサ
38 … 磁気センサ
40 … 磁石
C1 … 第1筐体
C2 … 第2筐体
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末に関し、特にたとえば複数の画像を表示可能な、携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特にたとえば複数の画像を表示可能な、携帯端末が知られており、この装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術の折畳型携帯通信端末は、折畳状態とオープン状態との状態変化を検出する開閉検出手段、画像データなどを表示するために用いられる表示部、複数の画像データを記憶する記憶部および携帯通信端末の全体を制御する制御部などを有する。そして、開閉検出手段によって状態変化が検出されると、記憶部に記憶される複数の画像データのうち一つが制御部により任意に選択され、表示部に表示される。
【特許文献1】特開2004−7488号公報[H04M 1/02, H04B 7/26, H04M 1/00]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、背景技術の携帯通信端末において、記憶部に含まれる待受画面情報記憶部からファイル名などを読み出し、記憶部から画像データを読み出して画像データを展開する処理を行うと、僅かではあるが時間がかかる。そのため、使用者は、画像が変更されるまでの時間を煩わしく感じる場合がある。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、携帯端末、表示制御プログラムおよび表示制御方法を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、表示される画像を素早く変更することができる、携帯端末、表示制御プログラムおよび表示制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、第1筐体と第2筐体との開閉状態を検出する検出部を有する携帯端末であって、複数の画像データを記憶する第1記憶部、第1記憶部から読み出した2つ以上の画像データを展開した2つ以上の表示データを記憶する第2記憶部、表示データに基づいて画像を表示する表示部、および検出部によって開閉状態の所定の変化が検出されたとき、表示部に表示される画像を、第2記憶部に記憶される他の表示データに切り替えて表示させる切替表示部を備える、携帯端末である。
【0008】
第1の発明では、携帯端末(10)は、たとえば第1筐体(C1)と第2筐体(C2)とがスライドするスライド型の携帯端末であり、検出部(38,40)は第1筐体と第2筐体とのスライドによる開状態および閉状態を検出する。フラッシュメモリなどの第1記憶部(28)は、たとえばカメラ機能などによって撮影された写真の画像データを記憶する。第2記憶部(30a)は、たとえばSDRAM(30)に含まれるキャッシュであり、展開された2つ以上の表示データを記憶可能なデータ容量を持つ。表示部(26)は、たとえば第1筐体に設けられるディスプレイであり、第2記憶部に記憶された表示データに基づいて画像を表示する。切替表示部(20,S45)は、たとえば携帯端末10が開状態または閉状態になると、表示中の画像に対応する表示データとは異なる表示データに切り替えることで、表示される画像を変更する。
【0009】
第1の発明によれば、画像を表示するための表示データが第2記憶部に複数展開されていて、開閉状態の検出に応じて切り替えるだけでよいため、表示される画像を素早く変更することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明に従属し、切替表示部は、検出部によって開状態が検出されたとき、表示部に表示される画像を、第2記憶部に記憶されている他の表示データに切り替えて表示させる。
【0011】
第2の発明では、携帯端末が開状態にされると、表示部に表示される画像が変更される。
【0012】
第3の発明は、第1発明または第2の発明に従属し、切替表示部は、検出部によって閉状態が検出されたとき、表示部に表示される画像を、第2記憶部に記憶されている他の表示データに切り替えて表示させる。
【0013】
第3の発明では、携帯端末が閉状態にされると、表示部に表示される画像が変更される。
【0014】
第2の発明および第3の発明によれば、使用者は、携帯端末を開状態または閉状態に切り替えるだけで、表示される画像を素早く変更することができる。
【0015】
第4の発明は、第1の発明ないし第3の発明のいずれかに従属し、2つ以上の表示データを切り替える順番を示すリスト情報を作成する作成部をさらに備え、2つ以上の表示データは、リスト情報に基づいて切り替えられる。
【0016】
第4の発明では、作成部(20,S85,S97)は、たとえば画像をランダムに変更するためのリスト情報(336)を作成する。そのため、変更される画像の順番は、作成されたリスト情報で示される順番と一致する。
【0017】
第4の発明によれば、画像を変更する順番を予め決めることができるため、画像を変更する処理をさらに高速化することができる。
【0018】
第5の発明は、第4の発明に従属し、切替表示部によって表示データが切り替えられた後に、表示されていた画像に対応する表示データを第2記憶部から削除する削除部をさらに備える。
【0019】
第5の発明では、削除部(20,S47)は、切り替えられることで表示されなくなった画像に対応する表示データを、第2記憶部から削除する。
【0020】
第6の発明は、第5の発明に従属し、削除部によって表示データが削除されたとき、第2記憶部に新たに表示データを展開する展開部をさらに備える。
【0021】
第6の発明では、展開部(20,S115)は、第2記憶部から表示データが削除された後に、まだ展開されていない画像データを新たに展開する。
【0022】
第5の発明および第6の発明によれば、データ容量の小さいキャッシュなどを利用して、複数の画像を変更することができる。
【0023】
第7の発明は、第1の発明ないし第6の発明のいずれかに従属し、複数の画像データに変更があるとき、第2記憶部に記憶される2つ以上の表示データを消去する消去部をさらに備える。
【0024】
第7の発明では、消去部(20,S19)は、表示を変更するための2つ以上の画像データが選択され直されたり、その2つ以上の画像データに画像データが追加されたり、削除されたりすると、第2記憶部に記憶される2つ以上の表示データを消去する。
【0025】
第7の発明によれば、変更される2つ以上の画像の変更に対応して、展開されている表示データは消去される。そのため、使用者は、画像の変更を行うことができる。
【0026】
第8の発明は、第1の発明ないし第7の発明のいずれかに従属し、表示部は、第1筐体と第2筐体との開閉状態のいずれにおいても外部に露出する表示部である。
【0027】
第8の発明では、表示部は、携帯端末の開閉状態に係わらず、常に外部に露出する。
【0028】
第8の発明によれば、表示部が常に露出しているため、携帯端末の開閉状態に係わらず、表示される画像を変更することができる。
【0029】
第9の発明は、第1筐体(C1)と第2筐体(C2)との開閉状態を検出する検出部(38,40)、複数の画像データを記憶する第1記憶部(28)、第1記憶部から読み出した2つ以上の画像データを展開した2つ以上の表示データを記憶する第2記憶部(30a)、表示データに基づいて画像を表示する表示部(26)を有する携帯端末(10)のプロセッサ(20)を、検出部によって開閉状態の所定の変化が検出されたとき、表示部に表示される画像を、第2記憶部に記憶される他の表示データに切り替えて表示させる切替表示部(S45)として機能させる、表示制御プログラムである。
【0030】
第9の発明でも、第1の発明と同様に、画像を表示するための表示データが第2記憶部に複数展開されていて、開閉状態の検出に応じて切り替えるだけでよいため、表示される画像を素早く変更することができる。
【0031】
第10の発明は、第1筐体(C1)と第2筐体(C2)との開閉状態を検出する検出部(38,40)、複数の画像データを記憶する第1記憶部(28)、第1記憶部から読み出した2つ以上の画像データを展開した2つ以上の表示データを記憶する第2記憶部(30a)、表示データに基づいて画像を表示する表示部(26)を有する携帯端末(10)の表示制御方法であって、検出部によって開閉状態の所定の変化が検出されたとき、表示部に表示される画像を、第2記憶部に記憶される他の表示データに切り替えて表示させる(S45)、表示制御方法である。
【0032】
第10の発明も、第1の発明と同様に、画像を表示するための表示データが第2記憶部に複数展開されていて、開閉状態の検出に応じて切り替えるだけでよいため、表示される画像を素早く変更することができる。
【発明の効果】
【0033】
この発明によれば、画像を表示するための表示データが複数展開されていて、開閉状態の検出に応じて切り替えるだけでよいため、表示される画像を素早く変更することができる。
【0034】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は本発明の一実施例の携帯端末の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】図2は図1に示す携帯端末の外観の一例を示す図解図である。
【図3】図3は図1に示すフラッシュメモリに記憶される複数の画像データの一例を示す図解図である。
【図4】図4は図1に示すSDRAMに記憶される設定リストの一例を示す図解図である。
【図5】図5は図4に示す設定リストに基づいて作成されるランダムリストの一例を示す図解図である。
【図6】図6は図1に示すキャッシュに展開される表示データの一例を示す図解図である。
【図7】図7は図1に示すディスプレイに表示される画像の一例を示す図解図である。
【図8】図8は図5に示すランダムリストが再作成される手順の一例を示す図解図である。
【図9】図9は図1に示すSDRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【図10】図10は図1に示すプロセッサの表示処理を示すフロー図である。
【図11】図11は図1に示すプロセッサの画像切替制御処理の一部を示すフロー図である。
【図12】図12は図1に示すプロセッサの画像切替制御処理の他の一部であって、図11に後続するフロー図である。
【図13】図13は図1に示すプロセッサの初回ランダムリスト作成処理を示すフロー図である。
【図14】図14は図1に示すプロセッサの次回ランダムリスト作成処理を示すフロー図である。
【図15】図15は図1に示すプロセッサの画像展開処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1を参照して、携帯端末10は、プロセッサ20およびキー入力装置22などを含む。CPUまたはコンピュータと呼ばれることもあるプロセッサ20は、CDMA方式に対応する無線通信回路14を制御して発呼信号を出力する。出力された発呼信号は、アンテナ12から送出され、基地局を含む移動通信網に送信される。通話相手が応答操作を行うと、通話可能状態が確立される。
【0037】
通話可能状態に移行した後にキー入力装置22によって通話終了操作が行われると、プロセッサ20は、無線通信回路14を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。そして、通話終了信号の送信後、プロセッサ20は、通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ20は、通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ20は通話処理を終了する。
【0038】
携帯端末10が起動している状態で通話相手からの発呼信号がアンテナ12によって捉えられると、無線通信回路14は、着呼をプロセッサ20に通知する。プロセッサ20は、図示しないモータを駆動させることで携帯端末10を振動させ、発呼信号を受信している着呼状態であることを使用者に通知する。なお、プロセッサ20は、携帯端末10を振動させると共に、図示しないスピーカから着呼音を出力させる。
【0039】
通話可能状態では、次のような処理が実行される。通話相手から送られてきた変調音声信号は、アンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号は、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。そして、得られた受話音声信号は、スピーカ18から出力される。一方、マイク16によって取り込まれた送話音声信号は、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施される。そして、生成された変調音声信号は、上述と同様、アンテナ12を利用して通話相手に送信される。
【0040】
なお、発呼信号および発信元情報を受信するアンテナ12および無線通信回路14は受信部として機能する。また、メインディスプレイ26は表示部または表示装置と呼ばれることもある。
【0041】
また、本実施例の携帯端末10はカメラ機能を実行することができる。たとえば、キー入力装置22に対してカメラ機能を実行する操作が行われると、カメラ制御回路32およびイメージセンサ34を撮影部として機能させ、カメラ機能を実行する。
【0042】
たとえば、被写界の光学像はイメージセンサ34に照射され、イメージセンサ34の撮像エリアには、たとえばSXGA(1280×1024画素)に対応する受光素子が配置されており、撮像エリアでは、光電変換によって、被写界の光学像に対応する電荷つまりSXGAの生画像信号が生成される。なお、使用者は、画像データのサイズを、SXGAの他に、XGA(1024×768画素)およびFull-WVGA(854×480画素)などに変更することができる。
【0043】
そして、カメラ機能が実行されると、被写体のリアルタイム動画像つまりスルー画像をディスプレイ26に表示するべく、プロセッサ20は、カメラ制御回路32に内蔵されるイメージセンサドライバを起動させ、露光動作および指定された読み出し領域に対応する電荷読み出し動作をイメージセンサドライバに命令する。
【0044】
イメージセンサドライバは、イメージセンサ34の撮像面の露光と、当該露光によって生成された電荷の読み出しとを実行する。この結果、生画像信号が、イメージセンサ34から出力される。また、出力された生画像信号は、カメラ制御回路32に入力され、カメラ制御回路32は、入力された生画像信号に対して、色分離、白バランス調整、YUV変換などの処理を施し、YUV形式の画像データを生成する。そして、YUV形式の画像データはプロセッサ20に入力される。このとき、カメラ制御回路32は、フォーカスレンズ36を制御することで、被写界にピントを合わせる。
【0045】
また、プロセッサ20に入力されたYUV形式の画像データは、プロセッサ20によってSDRAM30に一旦格納される。さらに、格納されたYUV形式の画像データは、プロセッサ20を介して、SDRAM30から表示ドライバ24に与えられる。また同時に、プロセッサ20は、間引き読み出し命令を表示ドライバ24に発行する。そして、表示ドライバ24は、プロセッサ20から発行された間引き読み出し命令に従って、YUV形式の画像データを30fpsでディスプレイ26に出力する。これによって、被写界を表す低解像度(たとえば、320×240画素)のスルー画像がディスプレイ26に表示される。
【0046】
なお、YUV形式の画像データにおいて、Yは輝度を意味し、Uは青色から輝度を引いた色差を意味し、Vは赤色から輝度を引いた色差を意味する。つまり、YUV形式の画像データは、輝度信号(Y)データと青色の色差信号(U)データと赤色の色差信号(V)データとから構成される。
【0047】
ここで、キー入力装置22によって撮影操作が行われると、プロセッサ20は、本撮影処理を実行する。つまり、プロセッサ20は、イメージセンサ34から出力されるSXGAの生画像信号に所定のJPEG方式の圧縮を行い、SDRAM30に一旦格納する。また、プロセッサ20は、一旦格納されたJPEG形式の画像データを読出し、読み出された画像データを含む画像ファイルとしてNAND型のフラッシュメモリ28(第1記憶部)に記録する。そして、プロセッサ20は、図示しないスピーカから、本撮影処理が実行されていること通知する音を出力させる。なお、フラッシュメモリ28には、複数のフォルダが設けられており、撮影された画像データは所定のフォルダに保存される。
【0048】
また、保存された画像データがディスプレイ26に表示される際には、まず指定された画像データが保存されるフォルダのリストデータ(リストデータベース:RDBと呼ばれることもある)がプロセッサ20によって取得される。プロセッサ20は、取得したリストデータに基づいて、画像データをフラッシュメモリ28から読出し、SDRAM30に一旦格納する。また、プロセッサ20は、SDRAM30に格納した画像データを、RGB情報を持つ表示データにデコード(展開)する。そして、展開された表示データはSDRAM30に含まれるキャッシュ30a(第2記憶部)に記憶され、ディスプレイ26にはキャッシュ30aに記憶された表示データに対応する画像が表示される。
【0049】
なお、本実施例において、フラッシュメモリ28に記憶される画像データが表示されるまでの時間は、おおよそ、リストデータが取得されるまでの時間、画像データが読み出されるまでの時間およびデコードされるまでの時間から構成され、合計で約1〜3秒の時間となる。
【0050】
図2(A)は、スライド型の携帯端末の閉状態の外観を示す外観であり、図2(B)は、スライド型の携帯端末の開状態の外観を示す外観であり、図2(C)は、スライド型の携帯端末の閉状態の外観の裏面を示す外観である。図2(A)−(C)を参照して、携帯端末10は、各々が平面矩形の第1筐体C1および第2筐体C2を有し、第1筐体C1および第2筐体C2の厚みは略同じである。
【0051】
第1筐体C1は第2筐体C2の上に積層された状態で、図示しないスライド機構によって連結される。したがって、図2(B)に示すように、第1筐体C1は第2筐体C2の長さ方向にスライド可能である。
【0052】
図示しないマイク16は、第2筐体C2に内蔵され、内蔵されたマイク16に通じる開口OP2は第2筐体C2の長さ方向一方の上面に設けられる。同じく、図示しないスピーカ18は、第1筐体C1に内蔵され、内蔵されたスピーカ18に通じる開口OP1は、第1筐体C1の長さ方向一方の上面に設けられる。
【0053】
キー入力装置22は、複数のキーを含む第1キー群22aと第2キー群22bとを含む。第1キー群22aは、方向キー、通話キー、終話キー、メニューおよび確定キーから構成されており、第1筐体C1の上面に設けられる。また、第2キー群22bは、テンキーなどから構成されており、第2筐体C2の上面に設けられる。また、ディスプレイ26は、モニタ画面が第1筐体C1の上面に露出するように取り付けられる。
【0054】
たとえば、使用者は、ディスプレイ26を確認しながら、テンキーを操作して電話番号を入力し、通話キーによって発呼操作を行い、終話キーによって通話終了操作を行う。また、使用者は、メニューキーを操作することでメニュー画面を表示し、方向キーなどによって任意のメニューを選択することができる。さらに、使用者は、確定キーを操作することで、選択されたメニューを確定することができる。そして、使用者は、終話キーを長押しすることで携帯端末10の電源をオン/オフする。
【0055】
また、第2筐体C2の裏面には、イメージセンサ34およびフォーカスレンズ36に通じる開口OP3がさらに設けられる。たとえば、使用者は、第2筐体C2の裏面を任意の被写体に向けることで、その被写体を撮影することができる。
【0056】
磁気センサ38は第1筐体C1の長さ方向他方に内蔵され、磁石40は、図2(A)に示す閉状態で、磁気センサ38と最も近い状態となるように、第2筐体C2の長さ方向一方に内蔵される。そして、携帯端末10の開閉状態を検出する磁気センサ38は、図2(A)に示す状態では最大値を出力し、図2(B)に示す状態では最小値を出力する。
【0057】
なお、アンテナ12、無線通信回路14、プロセッサ20、表示ドライバ24、フラッシュメモリ28およびSDRAM30は、第1筐体C1または第2筐体C2に内蔵されており、図2(A)−(C)では、図示されない。また、磁気センサ38および磁石40は検出部と呼ばれることもある。さらに、検出部として、磁気センサ38および磁石40を用いた場合に限定されるものではなく、その他にも、たとえば、開閉の状態に応じて筐体の一方に設けられた押下部が、他方の筐体に設けられた筐体の被押下部を機械的に押下することにより、この押下状態による通電状態の変化などを検出して開閉を検出する機構であってもよい。
【0058】
図3(A)−(E)は、フラッシュメモリ28に記憶される画像データの一例を示す図解図である。図3(A)、図3(B)、図3(C)、図3(D)および図3(E)に示す画像データのそれぞれは、データ名として、「子ども」、「兄弟」、「山」、「風景」および「オフィス」が設定される。たとえば、図3(A)−(E)に示す画像データは、カメラ機能を利用して撮影されたものであり、各画像データはフラッシュメモリ28に設定されるフォルダに保存されている。
【0059】
なお、撮影された直後のデータ名は、撮影日時を示す数列「090902_1450(2009年9月2日14時50分を表す)」が自動的に設定される。そして、データ名における、ひらがな、カタカナおよび漢字など文字列は、使用者によって設定される。
【0060】
ここで、本実施例の携帯端末10は、携帯端末10が開状態にされる度に、ディスプレイ26に表示される画像を変更する画像切替機能を有する。たとえば、使用者によって任意のフォルダが選択されて、所定の操作が行われると、画像切替機能は実行される。画像切替機能が実行されている状態では、選択されたフォルダ(以下、設定フォルダと言う)に保存される複数の画像データのそれぞれを、複数の表示データとしてそれぞれ展開して、SDRAM30に設けられるキャッシュ30aに記憶させる。そして、プロセッサ20は、ディスプレイ26に表示データに対応する画像を表示させ、開状態が検出されると、他の表示データに切り替えることで、ディスプレイ26に表示される画像を変更する。なお、表示データを切り替えて、次の画像を表示させるまでの時間は約100m秒である。
【0061】
これにより、使用者は携帯端末10を開状態にするだけで、ディスプレイ26に表示される画像を素早く変更することができる。なお、画像データのデータサイズが大きいと、展開するまでの時間が長くなるため、データサイズの大きい画像データに基づく画像に変更する場合には、本願発明の効果が特に発揮される。
【0062】
図4は、図3(A)−(E)に示す画像データが保存されるフォルダのリストデータの図解図である。なお、本実施例では、図3(A)−(E)に示す各画像データに基づく画像が変更されるため、このリストを「設定リスト」と言う。
【0063】
図4を参照して、設定リストは、「番号」および「名前」の列から構成されており、番号には画像データに対応する数字が順番に記録される。また、「名前」の列には、画像データのデータ名が記録されており、たとえば図3(A)に示す画像データのデータ名「子ども」が記録される。なお、「番号」は、撮影された時間や、画像データの名前(データ名)などに基づいて決められる。
【0064】
図5は、画像を変更する順番を示すリストの図解図である。なお、本実施例では、画像はランダムに変更されるため、図5に示すリストを「ランダムリスト」と言う。
【0065】
図5を参照して、ランダムリストの構成は、設定リストと同様に「番号」および「名前」の列から構成される。また、「番号」の列に記録される番号に規則性はないが、フォルダ内の画像データが必ず1度表示されるような並びになっている。たとえば、ランダムリストが作成される際には、設定リストの最大値、つまり画像データの数が5であれば、1から5までの数を、1つの数が必ず1度は使われ、かつ同じ数が重複しないように並び替えた数列が作成される。そして、作成された数列に基づいて、ランダムリストにおける「番号」の列が設定される。
【0066】
そして、ディスプレイ26に表示される画像は、ランダムリストにおける「番号」の列に基づいて変更される。たとえば、「番号」の列において、上のセルから「3,2,5,1,4」の順に数字が記録されていれば、変更される画像の順番は「山、兄弟、オフィス、子ども、風景」となる。
【0067】
このように、画像を変更する順番を予め決めておくことで、画像を変更する処理をさらに高速化することができる。
【0068】
図6(A)−(E)は、キャッシュ30aに表示データが展開される様子を表す図解図である。なお、キャッシュ30aに展開される表示データの図と、図3(A)−(E)に示す画像データの図とは、説明を簡単にするために同じものを利用しているが、データとしては異なるものである。
【0069】
図6(A)を参照して、キャッシュ30aには、4つの表示データを記憶するために、4つのキャッシュ領域が設定される。また、ここでは各キャッシュ領域のそれぞれを、キャッシュ1、キャッシュ2、キャッシュ3、キャッシュ4と言う。そして、図6(A)に示すキャッシュ1−4は、何も記憶されていない状態である。なお、携帯端末10の電源がオンとなったときや、画像切替機能の設定が変更されたときに、キャッシュ30aはこのような状態にされる。
【0070】
次に、図6(B)を参照して、プロセッサ20は、フラッシュメモリ28から画像データを読出し、展開した表示データをキャッシュ1に記憶させる。たとえば、データ名が「山」の画像データがフラッシュメモリ28から読み出されて展開されると、展開された表示データがキャッシュ1に記憶される。また、プロセッサ20は、キャッシュ1に表示データが展開されると、ディスプレイ26に画像を表示させる。つまり、ディスプレイ26は、山の写真が表示された状態となる。なお、この時点では、他の表示データが展開されていないため、キャッシュ2−4には何も記憶されていない。
【0071】
次に、図6(C)を参照して、プロセッサ20は、フラッシュメモリ28からさらに画像データを読出し、キャッシュ2、キャッシュ3およびキャッシュ4に表示データを記憶させる。つまり、ランダムリストに基づいて、データ名に「兄弟」、「オフィス」および「子ども」が設定される画像データがフラッシュメモリ28から読み出され、それぞれ展開された表示データがキャッシュ2、キャッシュ3およびキャッシュ4に記憶される。
【0072】
次に、携帯端末10が開状態となると、ディスプレイ26に表示される画像は、キャッシュ1からキャッシュ2に記憶される表示データに切り替えられる。そして、図6(D)を参照して、プロセッサ20は、画像を変更すると、キャッシュ1に記憶される表示データを削除する。つまり、キャッシュ1は何も記憶されていない状態にされる。
【0073】
次に、プロセッサ20は、キャッシュ30aに記憶される画像データが削除されると、フラッシュメモリ28から新たに画像データを読出して画像データを展開する。そして、図6(E)を参照して、プロセッサ20は、キャッシュ1に新たに展開した表示データを記憶させる。
【0074】
このように、本実施例では、既に表示された画像に対応する表示データはキャッシュ30aから削除され、新たな表示データがキャッシュ30aに展開される。したがって、データ容量の小さいキャッシュ30aを利用して、複数の画像を変更することができる。
【0075】
図7は、ディスプレイ26に表示される画像が変更される様子を示す図解図である。図7を参照して、ディスプレイ26には、ランダムリスト(図5参照)に基づいて、まず「山」の画像が表示される。この状態で、携帯端末10が開状態にされると、ディスプレイ26は「兄弟」の画像に変更される。そして、携帯端末10が開状態にされる度に、「オフィス」、「子ども」および「風景」の順番で、画像が変更される。
【0076】
ここで、初回に作成したランダムリストに基づいて、全ての画像が表示されると、ランダムリストが再作成される。図8(A),(B)を参照して、ランダムリストが再作成される際には、初回に作成されるランダムリストの作成条件に加えて、前回のランダムリストの最後の値が、今回のランダムリストの最初の値と同じにならないようにする。つまり、同じ画像が連続して表示されないようにする。
【0077】
たとえば、前回のランダムリストの最後の値が「4」であれば、今回のランダムリストの初めの値は、1,2,3,5の中から、ランダムに選択された値にする。次に、最初の値が「5」となれば、「5」以外の数、つまり1から4の数が、初回に作成されたランダムリストと同様に、並び変えられる。たとえば、図8(A),(C)を参照して、前回のランダムリストの「番号」の列が「3,2,5,1,4」であれば、今回のランダムリストの「番号」の列は「5,4,2,1,3」となる。
【0078】
これにより、順番がランダムであり、かつ同じ画像が連続して表示されないように、画像を変更することができる。
【0079】
なお、画像更新機能によってランダムに画像データを更新する場合は、画像更新機能ではなく、「オープンシャッフル」と呼ばれることもある。また、画像が変更される順番は、設定リストの番号に従ってもよいし、使用者によって決められた順番であってもよい。
【0080】
図9は、SDRAM30のメモリマップ300を示す図解図である。図9を参照して、SDRAM30のメモリマップには、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ28から一度に全部または必要に応じて部分的にかつ順次的に読み出され、SDRAM30に記憶されてからプロセッサ20によって処理される。
【0081】
プログラム記憶領域302には、携帯端末10を動作させるためのプログラムが記憶される。携帯端末10を動作させるためのプログラムは、表示プログラム310、画像切替制御プログラム312、初回ランダムリスト作成プログラム314、次回ランダムリスト作成プログラム316および画像展開プログラム318などから構成される。
【0082】
表示プログラム310は、ディスプレイ26に画像を表示させるための全体的な処理が実行されるプログラムである。画像切替制御プログラム312は、ディスプレイ26に表示される画像を、ランダムな順番で変更するためのプログラムである。初回ランダムリスト作成処プログラム314は、ランダムリストを作成するためのプログラムであり、携帯端末10が電源オンされた直後や、画像切替機能が実行された直後に実行される。次回ランダムリスト作成プログラム316は、初回ランダムリスト作成処プログラム314と同様に、ランダムリストを作成するためのプログラムであるが、次回(2回目)以降に利用されるランダムリストを作成するために実行される。
【0083】
画像展開プログラム318は、画像データを展開して、表示データをキャッシュ30aに記憶させるためのプログラムであり、ランダムリストが作成された状態で、かつキャッシュ30aに表示データがさらに記憶可能であれば随時実行される。
【0084】
なお、図示は省略するが、携帯端末10を動作させるためのプログラムは、通話を行うためのプログラムなどが含まれる。
【0085】
データ記憶領域304には、画像バッファ330などが設けられ、リストデータ332、設定リストデータ334およびランダムリストデータ336などが記憶される。また、データ記憶領域304には、開閉フラグ338、画像切替フラグ340および画像展開フラグ342なども設けられる。
【0086】
画像バッファ330は、フラッシュメモリ28から読み出された画像データを一旦格納するためのバッファである。リストデータ332は、フラッシュメモリ28に設けられるフォルダに対応するリストのデータである。また、リストデータ332は、複数のフォルダが設定されている場合には、複数のリストのデータから構成される。
【0087】
設定リストデータ334は、たとえば図4に示す設定リストのデータであり、使用者によって選択されたフォルダに対応するリストのデータである。ランダムリストデータ336は、たとえば図5に示すランダムリストのデータであり、画像が変更される順番を示す。
【0088】
開閉フラグ338は、携帯端末10の開状態および閉状態を検出するためのフラグである。たとえば、開閉フラグ338は、1ビットのレジスタで構成される。開閉フラグ338がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、開閉フラグ338がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。また、開閉フラグ338がオンであれば開状態であり、オフであれば閉状態である。そして、開閉フラグ338は、磁気センサ32が出力する値によってオン/オフの状態が変化する。
【0089】
画像切替フラグ340は、画像切替機能が実行されるように設定されているか否かを判断するためのフラグである。また、画像展開フラグ342は、表示データの展開が終了したか否かを判断するためのフラグである。
【0090】
なお、画像切替フラグ340および画像展開フラグ342の構成は、開閉フラグ338と同じであるため、詳細な説明は省略する。また、図9に示すメモリマップ300では、キャッシュ30aの図示を省略する。さらに、図示は省略するが、データ記憶領域304には、着呼音データなどが記憶されると共に、携帯端末10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
【0091】
プロセッサ20は、「Linux(登録商標)」および「REX」などのRTOS(Real-time Operating System)の制御下で、図10に示す表示処理、図11および図12に示す画像切替制御処理、図13に示す初回ランダムリスト作成処理、図14に示す次回ランダムリスト作成処理および図15に示す画像展開処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
【0092】
図10は、表示処理のフロー図である。携帯端末10の電源がオンにされると、プロセッサ20は、ステップS1で、画像データを、フラッシュメモリ28からSDRAM30にコピーする。つまり、フラッシュメモリ28に記憶される画像データを読み出し、その画像データを画像バッファ330に格納する。
【0093】
なお、ここで読み出される画像データは、待機状態で表示される画像データである。また、画像切替機能が実行された状態での電源オン、つまり再起動であれば、最後に表示されていた画像に対応する画像データがフラッシュメモリ28から読み出されてもよい。
【0094】
続いて、ステップS3では、SDRAM30にコピーされた画像データをキャッシュ30aに展開する。つまり、プロセッサ20は、画像バッファ330に格納された画像データを表示データに展開し、その表示データをキャッシュ30aに記憶させる。続いて、ステップS5では、キャッシュ30aに展開された表示データに対応する画像をディスプレイ26に表示させる。たとえば、待機状態を示す画像データがフラッシュメモリ28から読み出された場合には、ディスプレイ26には待機状態を示す画像が表示される。
【0095】
続いて、ステップS7では、画像切替が設定されているか否かを判断する。つまり、画像切替表示フラグ340がオンであるか否かを判断する。ステップS7で“YES”であれば、つまり画像切替機能が実行されるように設定されていれば、ステップS11に進む。一方、ステップS7で“NO”であれば、つまり画像切替機能が実行されないようにされていれば、ステップS9で画像切替が設定されたか否かを判断する。たとえば、使用者によって画像切替機能が実行されるように設定されたか否かを判断する。ステップS9で“NO”であれば、つまり画像切替機能が実行されるように設定されなければ、ステップS5に戻る。一方、ステップS9で“YES”であれば、つまり画像切替機能が実行されるように設定されると、ステップS11で画像切替制御処理を実行する。なお、画像切替制御処理については、図11および図12に示すフロー図を用いて後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0096】
画像切替制御処理が終了すると、ステップS13では、フォルダが再選択されたか否かを判断する。たとえば、設定フォルダが、使用者によって選択され直されたか否かを判断する。ステップS13で“YES”であれば、つまりフォルダが再選択されれば、ステップS17に進む。一方、ステップS15で“NO”であれば、つまりフォルダが再選択されなければ、ステップS15で画像データが更新されたか否かを判断する。たとえば、設定されるフォルダに保存される画像データが削除されたり、そのフォルダに画像データが追加されたりしたかを判断する。ステップS15で“NO”であれば、つまり画像データが更新されなければ、ステップS13に戻る。一方、ステップS15で“YES”であれば、つまり画像データが更新されれば、ステップS17に進む。
【0097】
ステップS17では、設定リストデータ334を更新する。つまり、フォルダが再選択された場合には、再選択されたフォルダのリストデータを取得し、設定リストデータ334を更新する。また、画像データが更新された場合には、現在設定されているフォルダのリストデータを再取得し、設定リストデータ334を更新する。続いて、ステップS19では、キャッシュ30aに記憶される表示データを消去し、ステップS11に戻る。つまり、フォルダまたは画像データが変更されると、キャッシュ30aに記憶される表示データが消去される。そして、キャッシュ32aに記憶される表示データが消去されると、ステップS11に戻り、画像切替制御処理が再度実行される。
【0098】
このように、フォルダの再選択や、画像データの変更に対応して、キャッシュ30aに記憶される表示データが消去されるため、設定フォルダに対する変更を行うことができる。なお、ステップS19の処理を実行するプロセッサ20は消去部として機能する。
【0099】
図11は、ステップS5(図10参照)で実行される画像切替制御処理のフロー図である。プロセッサ20は、ステップS31で、設定されたフォルダのリストを取得する。つまり、プロセッサ20は、SDRAM30から設定リストデータ334を読み出す。続いて、ステップS33では、変数Mにリストの最大値を設定する。つまり、設定リストにおける「番号」の列に記憶される最大の値が、変数Mに設定される。たとえば、図4に示す設定リストが読み出された場合には、変数Mには「5」が設定される。
【0100】
続いて、ステップS35では、変数nを初期化する。この変数nは画像が変更された回数をカウントするための変数である。なお、変数nは、初期化されると「1」が設定される。続いて、ステップS37では、初回ランダムリスト作成処理を実行し、図12に示すステップS39に進む。なお、初回ランダムリスト作成処理については、図13に示すフロー図を用いて後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0101】
続いて、ステップS39では、閉状態から開状態にされたか否かを判断する。つまり開閉フラグ338がオンになったか否かを判断する。ステップS39で“YES”であれば、つまり開閉フラグ338がオンになれば、ステップS43に進む。一方、ステップS39で“NO”であれば、つまり開閉フラグ338がオンにならなければ、ステップS41で終了操作か否かを判断する。たとえば、設定されたフォルダを再選択する操作や、画像データを更新するような操作がされたか否かを判断する。ステップS41で“NO”であれば、つまり終了操作がされなければ、ステップS39に戻る。一方、ステップS41で“YES”であれば、つまり終了操作がされれば、画像切替制御処理を終了して、表示処理(図10参照)に戻る。
【0102】
また、携帯端末10が開状態にされると、ステップS43で、展開済みの表示データが1つだけか否かを判断する。つまり現在表示されている画像に対応する表示データだけがキャッシュ30aに記憶されている状態か否かを判断する。ステップS43で“YES”であれば、つまり展開済みの表示データが1つだけであれば、ステップS57に進む。一方、ステップS43で“NO”であれば、つまり複数の表示データが展開されていれば、ステップS45で表示される画像を変更する。たとえば、キャッシュ1に記憶される表示データに対応する画像が表示されていれば、プロセッサ20は、キャッシュ2に記憶されている表示データに切り替えることで、画像を変更する。なお、ステップS45の処理を実行するプロセッサ20は切替表示部として機能する。
【0103】
続いて、ステップS47では、表示されていた画像に対応する表示データをキャッシュ30aから削除する。たとえば、キャッシュ1に記憶されている表示データに基づいて画像が表示されていた場合には、キャッシュ1に記憶される表示データが削除される。なお、ステップS47の処理を実行するプロセッサ20は、削除部として機能する。続いて、ステップS49では、変数nがインクリメントされる。つまり、表示される画像が変更されたため、変数nに設定される値がインクリメントされる。
【0104】
続いて、ステップS51では、変数nが変数Mと一致するか否かを判断する。つまり、ランダムリストにおける最後の画像に変更されたか否かを判断する。ステップS51で“NO”であれば、つまり最後の画像に変更されていなければ、ステップS39に戻る。一方、ステップS51で“YES”であれば、つまり最後の画像に変更されていれば、ステップS53で変数nを初期化する。つまり、ランダムリストを再作成するため、変数nが初期化される。続いて、ステップS55では、次回ランダムリスト作成処理を実行し、ステップS39に戻る。なお、次回ランダムリスト作成処理については、図14に示すフロー図を用いて後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0105】
なお、ステップS55における次回ランダムリスト作成処理は、図12に示されるように、ランダムリストにおける最後の画像に変更されたときに行われるものに限定されるものではない。たとえば、ランダムリスト作成処理は、最初に表示される画像が変更された場合や、変数nが変数Mから所定値分少ない場合(たとえば、「M−3」など)など、適宜なタイミングで行われてもよい。
【0106】
ここで、現在表示されている画像に対応する表示データだけが記憶されている状態で、携帯端末10が開状態にされると、ステップS57で画像展開フラグ342をオフにする。つまり、画像データを展開する処理が終了するのを待つために、画像展開フラグ342がオフにされる。続いて、ステップS59では、画像展開フラグ342がオンであるか否かを判断する。つまり、キャッシュ30aに新たな画像データを展開する処理が終了したか否かを判断する。ステップS59で“NO”であれば、つまり画像データを展開する処理が終了していなければ、ステップS59の処理を繰り返し実行する。一方、ステップS59で“YES”であれば、つまり画像データを展開する処理が終了すれば、ステップS45に進む。つまり、ディスプレイ26に表示される画像が変更される。
【0107】
なお、画像切替制御処理において、ステップS43,S57,S59の処理が実行されることで、以下の問題を未然に防ぐことができる。本実施例では、画像データがキャッシュ30aに展開される処理よりも、キャッシュ30aに記憶される表示データが削除される処理の方が早い。そのため、使用者が携帯端末10の開閉を連続して何度も行うと、携帯端末10が開状態になっても表示を切り替えるための表示データが記憶されていない状況に陥る。このとき、画像を変更する命令を全て記憶してしまうと、表示データが展開される度に何度も画像が変更されてしまう。つまり、使用者が意図しないタイミングで、画像が何度も変更されるため、使用者は携帯端末10の動作に不安を感じてしまう。ところが、本実施例では、画像データが次々と展開されたとしても、1度しか画像が変更されないので、上記のような問題が起きることはない。
【0108】
また、フォルダに保存される画像データが変更された場合には、ステップS37では初回ランダムリスト作成処理の代わりに、次回ランダムリスト作成処理が実行される。これにより、設定フォルダに保存される画像データが変更されたときも、同じ画像が連続して表示されないようにランダムリストが作成される。
【0109】
図13は、ステップS37(図11参照)で実行される初回ランダムリスト作成処置のフロー図である。プロセッサ20は、ステップS81で、配列の数が変数Mとなる配列Rを作成する。つまり、ステップS81では、設定リストに対応させて、配列Rを作成する。たとえば、変数Mが5であれば、配列R[0]から配列R[4(=5−1)]までが作成される。
【0110】
続いて、ステップS83では、1からMまでの値を、ランダムに配列[0]から配列[R−1]に設定する。つまり、ステップS83では、1からMまでの値だけで乱数を生成し、1からMの値が必ず1度使われるような数列を作成する。そして、作成した数列の各値を配列R[0]から配列R[M−1]に設定する。たとえば、変数Mが5であれば、配列R[0]には3、配列R[1]には2、配列R[2]には5、配列R[3]には1、配列R[4]には4が設定される。
【0111】
続いて、ステップS85では、配列Rに設定された各値に基づいて、ランダムリストを作成し、画像切替制御処理に戻る。たとえば、ステップS85では、図5に示すランダムリストのように、「番号」の列に配列R[0]から配列R[4]の値が設定される。そして、「名前」の列には、図4に示す設定リストに基づいて、「番号」の列に対応するデータ名が記録される。
【0112】
図14は、ステップS55(図14参照)で実行される次回ランダムリスト作成処理のフロー図である。なお、ステップS91およびステップS97の処理は、ステップS81およびステップS85と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0113】
プロセッサ20は、ステップS91では、配列の数が変数Mとなる配列Rを作成する。続いて、ステップS93では、ランダムリストの最後に記録される値を除いて、1からMまでの値をランダムに選択し、配列R[0]に設定する。たとえば、図8(A)を参照して、前回のランダムリストの最後に記録される値が「4」であり、変数Mが5であれば、まず時間乱数処理に基づいて1から5の値から1つの値を選択する。次に、選択された値が「4」でなければ、その選択された値を配列R[0]に設定する。
【0114】
続いて、ステップS95では、選択された値を除いて1からMまでの値を、ランダムに配列R[1]から配列R[R−1]に設定する。つまり、ステップS95の処理では、ステップS83の処理と同様に、選択された値が除かれた、1からMの値が必ず1度使われるような数列を作成し、数列の各値を配列R[1]から配列R[M−1]に設定する。たとえば、図8(C)を参照して、選択された値が「5」であり、変数Mが5であれば、配列R[1]には4、配列R[2]には2、配列R[3]には1、配列R[4]には3が設定される。
【0115】
続いて、ステップS97では、配列Rに設定された各値に基づいて、ランダムリストを作成し、画像切替制御処理に戻る。つまり、ステップS97では、2回目以降に利用されるランダムリストが作成される。
【0116】
なお、本実施例で生成される「乱数」には、同じ数字が連続するように生成される「乱数」は含まれない。また、ステップS83,S93,S95の処理を実行するプロセッサ20は設定部として機能し、ステップS85,S97の処理を実行するプロセッサ20は作成部として機能する。また、ステップS93,S95の処理を実行するプロセッサ20は再設定部として機能すると共に、ステップS93の処理を実行するプロセッサ20は第1設定部として機能し、ステップS95の処理を実行するプロセッサ20は第2設定部として機能する。
【0117】
図15は、画像展開処理のフロー図である。たとえば、キャッシュ30aに表示データが記憶可能であり、ランダムリストが作成されると、プロセッサ20は、ステップS111でランダムリストから画像データを選択する。つまり、ランダムリストに基づいて、フラッシュメモリ28に記憶される画像データを1つ選択する。
【0118】
続いて、ステップS113では、選択された画像データをフラッシュメモリ28からSDRAM30にコピーする。つまり、ランダムリストに基づいて選択された画像データを、フラッシュメモリ28から読み出し、その画像データを画像バッファ330に格納する。続いて、ステップS115では、SDRAM30にコピーされた画像データを空きキャッシュに展開する。たとえば、図6(A)などに示すキャッシュ1−4において、表示データが記憶されていないキャッシュ、つまり空きキャッシュに対して、展開した表示データを記憶させる。なお、ステップS115の処理を実行するプロセッサ20は展開部として機能する。
【0119】
続いて、ステップS117では、画像展開フラグ342をオンにし、画像展開処理を終了する。つまり、画像データの展開が終了したので、画像展開フラグ342をオンにする。
【0120】
以上の説明から分かるように、スライド型の携帯端末10は、第1筐体C1と第2筐体C2がスライドし、磁気センサ38および磁石40によって開状態および閉状態が検出される。携帯端末10は、カメラ機能を有しており、撮影された画像データはフラッシュメモリ28に設けられるフォルダに保存される。
【0121】
また、画像切替機能が実行されると、2つ以上の画像データがフラッシュメモリ28から読み出され、表示データに展開された後に、2つ以上の表示データがキャッシュ30aに記憶される。
【0122】
そして、携帯端末10が開状態にされると、ディスプレイ26に表示される画像を変更するために、キャッシュ30aに記憶される表示データが切り替えられる。
【0123】
このように、複数の表示データがキャッシュ30aに展開されているため、使用者は携帯端末10を開状態にするだけで、画像を素早く変更することができる。
【0124】
なお、上記実施例では、携帯端末10が開状態になった際にディスプレイ26に表示される画像を切り替えているが、本発明はこのような場合に限定されるものではなく、たとえば、携帯端末10が閉状態になった際にディスプレイ26に表示される画像を切り替える場合や、携帯端末10が開状態または閉状態が所定回数変更された場合にディスプレイ26に表示される画像を切り替える場合などであってもよい。さらに、携帯端末10が開状態または閉状態になる度に、ディスプレイ26に表示される画像が切り替えられてもよい。つまり、使用者は、携帯端末10を開状態または閉状態に切り替えるだけで、ディスプレイ26に表示される画像を素早く変更することができる。
【0125】
また、この実施例における携帯端末10はスライド型の形状であり、常にディスプレイ26が露出しているため、使用者は、携帯端末10の開閉状態に係わらず、表示される画像を変更することができる。
【0126】
また、本実施例のキャッシュ30aのデータ容量は、約4MBであるが、データ容量は4MBに限られるものではなく、2つ以上の表示データが記憶できるものであれば、どのようなデータ容量であってもよい。そのため、記憶される表示データの数も4つに限定されるものではない。また、設定フォルダに保存される画像データの数も、5つに限定されるものではない。
【0127】
また、フラッシュメモリ28に記憶される画像データはJPEG形式データのみに限らず、Windows(登録商標) bitmap形式、GIF形式およびPING形式などであってもよい。
【0128】
また、画像データの展開は、プロセッサ20によるソフトウェアデコードであってもよいし、LSIなどによるハードウェアデコードであってもよい。
【0129】
また、キャッシュ30aに記憶されるデータとしては、フラッシュ形式のデータや、複数のGIF形式のデータなども記憶される。たとえば、フラッシュアニメーション動画が待機状態で表示されるように設定されている場合には、キャッシュ30aにはフラッシュ形式のデータが記憶される。
【0130】
また、本実施例の携帯端末10は、スライド型であったが、折り畳み型であってもよいし、リボルバー型などであってもよい。また、スライド型においては、2つの筐体のスライドだけに限らず3つ以上の筐体がスライドしてもよい。
【0131】
さらに、携帯端末10の通信方式には、CDMA方式に限らず、W-CDMA方式、GSM方式、TDMA方式、FDMA方式およびPHS方式などを採用してもよい。さらに、ディスプレイ26にはLCDモニタが利用されるが、有機ELパネルなどの他の表示装置が利用されてもよい。そして、本願発明は、携帯端末10のみに限らず、携帯型の音楽プレイヤ、PDA(Personal Digital Assistant)およびノート型PC(ネットブックなども含む)などの電子機器などに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0132】
10 … 携帯端末
20 … プロセッサ
26 … ディスプレイ
28 … フラッシュメモリ
30 … SDRAM
30a … キャッシュ
32 … カメラ制御回路
34 … イメージセンサ
38 … 磁気センサ
40 … 磁石
C1 … 第1筐体
C2 … 第2筐体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体と第2筐体との開閉状態を検出する検出部を有する携帯端末であって、
複数の画像データを記憶する第1記憶部、
前記第1記憶部から読み出した2つ以上の画像データを展開した2つ以上の表示データを記憶する第2記憶部、
前記表示データに基づいて画像を表示する表示部、および
前記検出部によって開閉状態の所定の変化が検出されたとき、前記表示部に表示される画像を、前記第2記憶部に記憶される他の表示データに切り替えて表示させる切替表示部を備える、携帯端末。
【請求項2】
前記切替表示部は、前記検出部によって開状態が検出されたとき、前記表示部に表示される画像を、前記第2記憶部に記憶されている他の表示データに切り替えて表示させる、請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記切替表示部は、前記検出部によって閉状態が検出されたとき、前記表示部に表示される画像を、前記第2記憶部に記憶されている他の表示データに切り替えて表示させる、請求項1または2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記2つ以上の表示データを切り替える順番を示すリスト情報を作成する作成部をさらに備え、
前記2つ以上の表示データは、前記リスト情報に基づいて切り替えられる、請求項1ないし3のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項5】
前記切替表示部によって表示データが切り替えられた後に、表示されていた画像に対応する表示データを前記第2記憶部から削除する削除部をさらに備える、請求項4記載の携帯端末。
【請求項6】
前記削除部によって表示データが削除されたとき、前記第2記憶部に新たに表示データを展開する展開部をさらに備える、請求項5記載の携帯端末。
【請求項7】
前記複数の画像データに変更があるとき、前記第2記憶部に記憶される前記2つ以上の表示データを消去する消去部をさらに備える、請求項1ないし6のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項8】
前記表示部は、前記第1筐体と前記第2筐体との開閉状態のいずれにおいても外部に露出する表示部である、請求項1ないし7のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項9】
第1筐体と第2筐体との開閉状態を検出する検出部、複数の画像データを記憶する第1記憶部、前記第1記憶部から読み出した2つ以上の画像データを展開した2つ以上の表示データを記憶する第2記憶部、前記表示データに基づいて画像を表示する表示部を有する携帯端末のプロセッサを、
前記検出部によって開閉状態の所定の変化が検出されたとき、前記表示部に表示される画像を、前記第2記憶部に記憶される他の表示データに切り替えて表示させる切替表示部として機能させる、表示制御プログラム。
【請求項10】
第1筐体と第2筐体との開閉状態を検出する検出部、複数の画像データを記憶する第1記憶部、前記第1記憶部から読み出した2つ以上の画像データを展開した2つ以上の表示データを記憶する第2記憶部、前記表示データに基づいて画像を表示する表示部を有する携帯端末の表示制御方法であって、
前記検出部によって開閉状態の所定の変化が検出されたとき、前記表示部に表示される画像を、前記第2記憶部に記憶される他の表示データに切り替えて表示させる、表示制御方法。
【請求項1】
第1筐体と第2筐体との開閉状態を検出する検出部を有する携帯端末であって、
複数の画像データを記憶する第1記憶部、
前記第1記憶部から読み出した2つ以上の画像データを展開した2つ以上の表示データを記憶する第2記憶部、
前記表示データに基づいて画像を表示する表示部、および
前記検出部によって開閉状態の所定の変化が検出されたとき、前記表示部に表示される画像を、前記第2記憶部に記憶される他の表示データに切り替えて表示させる切替表示部を備える、携帯端末。
【請求項2】
前記切替表示部は、前記検出部によって開状態が検出されたとき、前記表示部に表示される画像を、前記第2記憶部に記憶されている他の表示データに切り替えて表示させる、請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記切替表示部は、前記検出部によって閉状態が検出されたとき、前記表示部に表示される画像を、前記第2記憶部に記憶されている他の表示データに切り替えて表示させる、請求項1または2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記2つ以上の表示データを切り替える順番を示すリスト情報を作成する作成部をさらに備え、
前記2つ以上の表示データは、前記リスト情報に基づいて切り替えられる、請求項1ないし3のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項5】
前記切替表示部によって表示データが切り替えられた後に、表示されていた画像に対応する表示データを前記第2記憶部から削除する削除部をさらに備える、請求項4記載の携帯端末。
【請求項6】
前記削除部によって表示データが削除されたとき、前記第2記憶部に新たに表示データを展開する展開部をさらに備える、請求項5記載の携帯端末。
【請求項7】
前記複数の画像データに変更があるとき、前記第2記憶部に記憶される前記2つ以上の表示データを消去する消去部をさらに備える、請求項1ないし6のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項8】
前記表示部は、前記第1筐体と前記第2筐体との開閉状態のいずれにおいても外部に露出する表示部である、請求項1ないし7のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項9】
第1筐体と第2筐体との開閉状態を検出する検出部、複数の画像データを記憶する第1記憶部、前記第1記憶部から読み出した2つ以上の画像データを展開した2つ以上の表示データを記憶する第2記憶部、前記表示データに基づいて画像を表示する表示部を有する携帯端末のプロセッサを、
前記検出部によって開閉状態の所定の変化が検出されたとき、前記表示部に表示される画像を、前記第2記憶部に記憶される他の表示データに切り替えて表示させる切替表示部として機能させる、表示制御プログラム。
【請求項10】
第1筐体と第2筐体との開閉状態を検出する検出部、複数の画像データを記憶する第1記憶部、前記第1記憶部から読み出した2つ以上の画像データを展開した2つ以上の表示データを記憶する第2記憶部、前記表示データに基づいて画像を表示する表示部を有する携帯端末の表示制御方法であって、
前記検出部によって開閉状態の所定の変化が検出されたとき、前記表示部に表示される画像を、前記第2記憶部に記憶される他の表示データに切り替えて表示させる、表示制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−71788(P2011−71788A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221854(P2009−221854)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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