説明

携帯端末、閲覧情報受信方法及びプログラム

【課題】携帯端末から基地局へ電波が届かない場合であっても、ユーザが所望する閲覧情報を収集する。
【解決手段】携帯端末1−1は、携帯端末1−1から移動体通信網3に設けられた基地局へ電波が届く場合、移動体通信網3及びインターネット4を介してサーバ2へアクセスし、サーバ2から所望の閲覧情報を取得し、キャッシュメモリ6に登録して画面表示する。一方、携帯端末1−1は、基地局へ電波が届かない場合、近距離無線通信によって他の携帯端末1−2,1−3等から閲覧情報を収集し、キャッシュメモリ6に登録して画面表示する。これにより、携帯端末1−1が基地局へ電波を届けることができない場所に位置しており、サーバ2から閲覧情報を取得することができない場合であっても、他の携帯端末1−2,1−3等から閲覧情報を収集することができ、ユーザは、所望の閲覧情報を見ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等の通信網に、電波による無線通信により接続可能な携帯端末、閲覧情報を受信する方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末に対するユーザの操作によって、所望の閲覧情報を取得するサービスが知られている。携帯端末に対するユーザの操作によりURL(Uniform Resource Locator)が指定されると、携帯端末は、電波による無線通信を行い、インターネット等の通信網に接続されたサーバ(URLが示すサーバ)へアクセスし、そのURLに格納されている閲覧情報をサーバから受信し、画面表示する。これにより、ユーザは、所望の閲覧情報を見ることができる。
【0003】
具体的には、携帯端末は、インターネットに接続されたサーバから閲覧情報を取得するために、URLが指定された要求を、無線通信にて所定の搬送波の電波により基地局(携帯端末との間でデータの送受信を行う基地局のアンテナ)へ送信する。基地局がその電波を受信することで、URLが指定された要求は、最終的にインターネットに接続されたサーバへ送信され、閲覧情報が、サーバからインターネットを介して基地局からの電波によって携帯端末へ送信される。このように、携帯端末は、基地局へ電波が届く場合に、サーバから閲覧情報を取得することができる。しかしながら、携帯端末から基地局へ電波が届かない場合には、携帯端末は、サーバへアクセスすることができず、閲覧情報を取得することができない。
【0004】
そこで、携帯端末がサーバから取得した閲覧情報を自らのキャッシュメモリに登録しておき、その後、基地局へ電波が届かない場所に位置するためサーバへアクセスすることができない場合に、キャッシュメモリに登録された閲覧情報を読み出し、画面表示する技術が知られている(特許文献1を参照)。これにより、ユーザは、携帯端末から基地局へ電波が届かない場合であっても、サーバから取得した過去の閲覧情報を見ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−300654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述の特許文献1に記載された携帯端末では、携帯端末のキャッシュメモリに閲覧情報が登録されていない場合には、ユーザは閲覧情報を見ることができない。つまり、携帯端末が基地局へ電波を届けることができない場所に位置しており、キャッシュメモリに過去に取得した閲覧情報が登録されていない場合には、携帯端末は、サーバから所望の閲覧情報を取得することができないだけでなく、キャッシュメモリから所望の閲覧情報を読み出すこともできない。この場合、ユーザは、現在の閲覧情報だけでなく過去の閲覧情報も見ることができず、不便である。
【0007】
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、携帯端末から基地局へ電波が届かない場合であっても、閲覧情報を収集することが可能な携帯端末、閲覧情報受信方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明による携帯端末は、移動体通信網に設けられた基地局との間で電波による通信を行い、前記移動体通信網及びインターネットを介して、閲覧情報が格納されたサーバへアクセスし、前記閲覧情報を受信する携帯端末において、前記基地局との間で電波による通信が可能な場合、前記サーバへアクセスして閲覧情報を受信し、前記基地局との間で電波による通信が不可能な場合、他の携帯端末との間の近距離無線通信により、前記他の携帯端末にて前記サーバから既に受信済みの閲覧情報を、前記他の端末装置から受信する閲覧情報処理部を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明による携帯端末は、ユーザの操作により所望の閲覧情報を取得するための要求を入力し、前記閲覧情報処理部により受信された閲覧情報を画面表示する操作/表示部を備え、前記閲覧情報処理部が、前記基地局との間で電波による通信が可能な場合、前記サーバへアクセスして閲覧情報を受信し、前記閲覧情報をキャッシュメモリに登録し、前記基地局との間で電波による通信が不可能な場合、他の携帯端末との間の近距離無線通信により、前記他の携帯端末にて前記サーバから既に取得済みの閲覧情報を、前記他の端末装置から受信し、前記閲覧情報を前記キャッシュメモリに登録し、前記近距離無線通信が可能な他の携帯端末から、所望の閲覧情報を収集するための送信要求を、近距離無線通信により受信した場合、前記送信要求に対する閲覧情報を前記キャッシュメモリから読み出し、前記閲覧情報を、前記送信要求を送信してきた携帯端末へ、近距離無線通信により送信する、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明による携帯端末は、前記閲覧情報処理部が、前記基地局との間で電波による通信が可能であるか否かを判定する電波受信可能判定部と、前記電波受信可能判定部により前記基地局との間で電波による通信が可能であると判定された場合、前記所望の閲覧情報を取得するための送信要求を前記サーバへ送信し、前記送信要求に対する閲覧情報を、前記サーバから受信し、キャッシュメモリに登録する情報処理部と、前記近距離無線通信により前記他の端末装置との間でデータの送受信を行う近距離通信部と、前記電波受信可能判定部により前記基地局との間で電波による通信が不可能であると判定された場合、前記所望の閲覧情報を収集するための送信要求を、前記近距離通信部を介して前記他の携帯端末へ送信し、前記他の携帯端末にて前記サーバから既に取得済みの、前記送信要求に対する閲覧情報を、前記他の携帯端末から前記近距離通信部を介して受信し、前記キャッシュメモリに登録する近距離通信情報受信処理部と、前記近距離無線通信可能な他の携帯端末により送信された送信要求を、前記近距離通信部を介して受信し、前記送信要求に対する閲覧情報を前記キャッシュメモリから読み出し、前記閲覧情報を、前記近距離通信部を介して、前記送信要求を送信してきた他の携帯端末へ送信する近距離通信情報送信処理部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明による携帯端末は、前記閲覧情報処理部が、前記基地局との間で電波による通信が可能な場合、前記サーバへアクセスして閲覧情報を受信し、前記閲覧情報を前記キャッシュメモリに登録して前記操作/表示部に画面表示させ、前記基地局との間で電波による通信が不可能な場合、前記所望の閲覧情報が前記キャッシュメモリに登録されているか否かを判定し、前記所望の閲覧情報が登録されていると判定したとき、前記所望の閲覧情報を前記キャッシュメモリから読み出して前記操作/表示部に画面表示させ、前記基地局との間で電波による通信が不可能な場合、さらに、前記他の携帯端末との間の近距離無線通信により、前記他の携帯端末にて前記サーバから既に取得済みの閲覧情報を、前記他の端末装置から受信し、前記閲覧情報を前記キャッシュメモリに登録して前記操作/表示部に画面表示させ、その後、前記基地局との間で電波による通信が可能になった際に、前記サーバへアクセスして閲覧情報を取得し、前記閲覧情報を前記キャッシュメモリに登録して前記操作/表示部に画面表示させる、ことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明による閲覧情報受信方法は、移動体通信網に設けられた基地局との間で電波による通信を行い、前記移動体通信網及びインターネットを介して、閲覧情報が格納されたサーバへアクセスし、前記閲覧情報を受信する携帯端末による閲覧情報受信方法において、前記基地局との間で電波による通信が可能であるか否かを判定するステップと、前記基地局との間で電波による通信が可能であると判定した場合、前記サーバへアクセスして閲覧情報を受信するステップと、前記基地局との間で電波による通信が不可能であると判定した場合、他の携帯端末との間の近距離無線通信により、前記他の携帯端末にて前記サーバから既に受信済みの閲覧情報を、前記他の携帯端末から受信するステップと、を有することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明による閲覧情報受信プログラムは、コンピュータを、前記携帯端末として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、携帯端末から基地局へ電波が届かない場合、近距離無線通信によって他の携帯端末から閲覧情報を収集するようにした。これにより、携帯端末が基地局へ電波を届けることができない場所に位置しており、サーバから閲覧情報を取得することができない場合であっても、閲覧情報を収集することが可能となり、ユーザは、閲覧情報を見ることができる。したがって、携帯端末の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態による携帯端末を含むネットワークの全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態による携帯端末がサーバから閲覧情報を取得するシーケンス、及び他の携帯端末から閲覧情報を収集するシーケンスの概要を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態による携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図4】キャッシュメモリに登録された閲覧情報の例を示す図である。
【図5】閲覧情報処理部の構成を示すブロック図である。
【図6】実施例1の閲覧情報収集処理を示すフローチャートである。
【図7】実施例2の閲覧情報収集処理を示すフローチャートである。
【図8】近距離通信情報送信処理部による閲覧情報送信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明は、インターネット等の通信網へ無線通信により接続可能な携帯端末において、インターネット等の通信網に接続されたサーバから所望の閲覧情報を受信できない場合、例えば、携帯端末を所持しているユーザが地下鉄に乗車しているため、電波が基地局に届かない場合、近距離無線通信が可能な他の携帯端末から所望の閲覧情報を収集することを特徴とする。
【0017】
〔ネットワークの全体構成〕
まず、本発明の実施形態による携帯端末を含むネットワークの全体構成について説明する。図1は、ネットワークの全体構成を示す概略図である。このネットワークは、携帯端末1−1,1−2,1−3等、サーバ2、移動体通信網3及びインターネット4により構成され、携帯端末1−1,1−2,1−3等の間で近距離無線通信が行われる。携帯端末1−1,1−2,1−3等は、移動体通信網3に接続され、携帯端末1−1,1−2,1−3等とサーバ2とは、移動体通信網3及びインターネット4を介して接続される。移動体通信網3は電話網等のネットワークであり、移動体通信網3には、携帯端末1−1,1−2,1−3等との間で電波の送受信を行う基地局(図示せず)が設けられている。また、携帯端末1−1,1−2,1−3等は、携帯端末1−1,1−2,1−3等間で互いに近距離無線通信を行う機能を有しており、携帯端末1−1,1−2,1−3等の間でデータの送受信が直接行われる。
【0018】
携帯端末1−1,1−2,1−3等は、ユーザにより操作され、ユーザの所望する閲覧情報を、移動体通信網3及びインターネット4を介してサーバ2から取得する。サーバ2には、種々の閲覧情報が格納されている。また、携帯端末1−1,1−2,1−3等は、キャッシュメモリ6を備えており、サーバ2から取得した閲覧情報を登録すると共に、近距離無線通信により他の携帯端末1−1,1−2,1−3等から閲覧情報を収集し、収集した閲覧情報もキャッシュメモリ6に登録する。
【0019】
〔閲覧情報の取得及び収集シーケンス〕
次に、図1に示した携帯端末1−1,1−2,1−3及びサーバ2による閲覧情報の取得シーケンス及び収集シーケンスについて説明する。図2は、本発明の実施形態による携帯端末1−1がサーバ2から閲覧情報を取得するシーケンス、及び他の携帯端末1−2,1−3から閲覧情報を収集するシーケンスの概要を説明する図である。図2において、ユーザが携帯端末1−1を所持しており、所望の閲覧情報を見るための操作を行うものとする。また、そのユーザの近傍(携帯端末1−1,1−2,1−3間で近距離無線通信が可能な領域内)には、携帯端末1−2を所持した他のユーザ及び携帯端末1−3を所持した他のユーザが位置しているものとする。
【0020】
携帯端末1−1は、ユーザにより所望の閲覧情報を見るための操作が行われ、URLが指定されると、携帯端末1−1から基地局へ電波が届き、電波の受信が可能な場合には、所望の閲覧情報を取得するための送信要求を、移動体通信網3及びインターネット4を介して、そのURLに従ってサーバ2へ送信する。そして、サーバ2は、携帯端末1−1からの送信要求に対する閲覧情報を、インターネット4及び移動体通信網3を介して携帯端末1−1へ送信する。携帯端末1−1は、閲覧情報を受信すると、キャッシュメモリ6に登録して画面表示する。
【0021】
一方、携帯端末1−1は、ユーザにより所望の閲覧情報を見るための操作が行われ、URLが指定されたにもかかわらず、携帯端末1−1から基地局へ電波が届かず、電波の受信が不可能な場合には、すなわち、サーバ2から閲覧情報を取得することができない場合には、近距離無線通信の機能を用いて、近距離無線通信が可能な領域内に存在する他の携帯端末1−2,1−3から、閲覧情報を収集する。具体的には、携帯端末1−1は、近距離無線通信の機能を用いて、所望の閲覧情報を収集するための送信要求を携帯端末1−2へ送信する。そして、携帯端末1−2は、近距離無線通信の機能を用いて、携帯端末1−1から送信要求を受信し、送信要求に対する閲覧情報をキャッシュメモリ6から読み出して携帯端末1−1へ送信する。携帯端末1−1は、閲覧情報を受信すると、キャッシュメモリ6に登録して画面表示する。携帯端末1−3についても同様である。
【0022】
〔携帯端末の構成〕
次に、本発明の実施形態による携帯端末1−1の構成について説明する。図3は、図1に示した携帯端末1−1の構成を示すブロック図である。図3に示す携帯端末1−1の構成は、携帯端末1−2,1−3等についても同様である。後述する図4及び図5に示す構成、並びに図6〜図8に示すフローチャートについても同様である。図3において、携帯端末1−1は、閲覧情報処理部5、キャッシュメモリ6及び操作/表示部7を備えている。
【0023】
閲覧情報処理部5は、操作/表示部7から、閲覧情報を取得するための要求を入力し、携帯端末1−1から基地局へ電波が届き、電波の受信が可能であるか否かを判定し、電波受信が可能な場合、送信要求を移動体通信網3及びインターネット4を介してサーバ2へ送信し、サーバ2から閲覧情報を受信する。一方、閲覧情報処理部5は、電波受信が不可能な場合、近距離無線通信の機能を用いて、送信要求を、近傍に存在する近距離無線通信が可能な他の携帯端末1−2,1−3等へ送信し、携帯端末1−2,1−3等から閲覧情報を受信する。そして、閲覧情報処理部5は、受信した閲覧情報をキャッシュメモリ6に登録し、閲覧情報を画面表示するための表示指示を操作/表示部7に出力する。
【0024】
キャッシュメモリ6は、閲覧情報処理部5により登録される閲覧情報を格納する。図4は、キャッシュメモリ6に登録された閲覧情報の例を示す図である。図4に示すように、キャッシュメモリ6に登録された閲覧情報は、その閲覧情報が格納されていた場所を示すURL、その閲覧情報の内容(閲覧情報のタイトルを含む)、URLが示す場所のサーバ2に格納された閲覧情報の時刻情報(その閲覧情報がサーバ2に格納され、インターネット4を介して取得されるようになった時刻)を含んで構成される。例えば、閲覧情報がニュースの場合、各行の閲覧情報がそれぞれのニュースを示しており、図4では、2011年3月12日15時19分にサーバ2に掲載されたニュースの情報(URL及び閲覧情報の内容)、2011年3月12日15時00分にサーバ2に掲載されたニュースの情報等を示している。最上段の行の閲覧情報が最新の情報であり、最下段の行の閲覧情報が最も過去の情報である。また、キャッシュメモリ6には、携帯端末1−1がサーバ2から取得した閲覧情報、及び、携帯端末1−2,1−3等から近距離無線通信により収集した閲覧情報が登録される。
【0025】
操作/表示部7は、ユーザインターフェースの処理部であり、ユーザの操作により所望の閲覧情報を取得するための要求を入力し、所望の閲覧情報が格納されたURLが指定されると、タッチパネルまたは/及びキーからの操作情報に基づいて、所望の閲覧情報を取得するための要求を閲覧情報処理部5に出力する。また、操作/表示部7は、閲覧情報処理部5から表示指示を入力し、キャッシュメモリ6に登録された閲覧情報を読み出し、画面表示する。
【0026】
尚、操作/表示部7は、キャッシュメモリ6から最新の時刻情報についての閲覧情報のみを読み出し、画面表示するようにしてもよいし、キャッシュメモリ6から、閲覧情報の内容に含まれるタイトル及び時刻情報を読み出して画面表示し、ユーザによりタイトルを選択する操作に従って、選択された閲覧情報をキャッシュメモリ6から読み出して画面表示するようにしてもよい。
【0027】
〔閲覧情報処理部の構成〕
図5は、図3に示した携帯端末1−1の閲覧情報処理部5の構成を示すブロック図である。この閲覧情報処理部5は、サーバ通信部51、情報処理部52、近距離通信部53、近距離通信情報受信処理部54及び近距離通信情報送信処理部55を備えている。
【0028】
サーバ通信部51は、電波受信可能判定部を備えており、電波受信可能判定部は、基地局へ電波が届いて基地局から電波を受信することが可能であるか否かを所定時間間隔で定期的に判定し、電波の受信可否を示す電波受信可否情報を生成し、情報処理部52に出力する。また、サーバ通信部51は、移動体通信網3に設けられた基地局との間で電波の送受信を行い移動体通信網3及びインターネット4を介してサーバ2と接続し、閲覧情報を取得するための送信要求をサーバ2へ送信し、サーバ2からその送信要求に対する閲覧情報を受信する。ユーザの操作に従った所望の閲覧情報を取得するための送信要求は、情報処理部52から入力され、サーバ2から取得した閲覧情報は、情報処理部52に出力される。尚、インターネット4におけるデータの送受信に必要なプロトコルとして、例えばTCP/IP及びHTTPが用いられ、TCP/IPにより携帯端末1−1とサーバ2との間の通信路が確立し、HTTPによりデータの送受信が行われる。
【0029】
情報処理部52は、サーバ通信部51から電波受信可否情報を入力すると共に、操作/表示部7から、ユーザの操作に従った所望の閲覧情報(ユーザにより指定されたURLに格納された閲覧情報)を取得するための要求を入力する。また、情報処理部52は、近距離通信情報受信処理部54から同様の要求(サーバ通信要求)を入力する。情報処理部52は、電波受信可否情報が電波受信可能を示している場合、操作/表示部7からの要求及び近距離通信情報受信処理部54からのサーバ通信要求に従って、閲覧情報を取得するための送信要求をサーバ通信部51に出力する。そして、情報処理部52は、サーバ通信部51により取得されたサーバ2からの閲覧情報を入力し、図4に示した閲覧情報(URL、閲覧情報の内容及び時刻情報等)をキャッシュメモリ6に登録する。これにより、サーバ2から取得した閲覧情報が、キャッシュメモリ6に登録される。一方、情報処理部52は、電波受信可否情報が電波受信不可能を示している場合、近距離通信要求を近距離通信情報受信処理部54に出力する。
【0030】
近距離通信部53は、例えばWi−Fi(登録商標/ワイファイ:Wireless Fidelity)を用いたすれちがい通信により、閲覧情報を収集するための送信要求を他の携帯端末1−2,1−3等へ送信し、送信要求に対する閲覧情報を、送信要求を送信した宛先である他の携帯端末1−2,1−3等から受信する。また、近距離通信部53は、他の携帯端末1−2,1−3等から閲覧情報を収集するための送信要求を受信し、その送信要求に対する閲覧情報を、送信要求を送信してきた送信元である他の携帯端末1−2,1−3等へ送信する。他の携帯端末1−2,1−3等への送信要求は、近距離通信情報受信処理部54から入力され、他の携帯端末1−2,1−3等から収集した閲覧情報は、近距離通信情報受信処理部54に出力される。また、他の携帯端末1−2,1−3等から受信した送信要求は、近距離通信情報送信処理部55に出力され、その送信要求に対する閲覧情報は、近距離通信情報送信処理部55から入力される。送信要求には、ユーザにより指定されたURLが含まれる。
【0031】
近距離通信情報受信処理部54は、情報処理部52から近距離通信要求を入力し、閲覧情報を収集するための送信要求を近距離通信部53に出力し、他の携帯端末1−2,1−3等から収集した閲覧情報を近距離通信部53から入力し、図4に示した閲覧情報(URL、閲覧情報の内容及び時刻情報等)をキャッシュメモリ6に登録する。これにより、近距離無線通信により他の携帯端末1−2,1−3等から収集した閲覧情報が、キャッシュメモリ6に登録される。つまり、携帯端末1−1は、他の携帯端末1−2,1−3等から閲覧情報を収集することができる。また、近距離通信情報受信処理部54は、サーバ2から閲覧情報を取得するためのサーバ通信要求を情報処理部52に出力する。
【0032】
近距離通信情報送信処理部55は、近距離通信部53から、他の携帯端末1−2,1−3等からの送信要求を入力し、その送信要求に対する閲覧情報をキャッシュメモリ6から読み出し、その閲覧情報を近距離通信部53に出力する。具体的には、近距離通信情報送信処理部55は、送信要求に含まれるURLをキーにしてキャッシュメモリ6を検索し、その送信要求URLに関連するURL、閲覧情報の内容及び時刻情報を読み出し、これらの閲覧情報を近距離通信部53に出力する。これにより、他の携帯端末1−2,1−3等からの送信要求に対する閲覧情報がキャッシュメモリ6から読み出され、他の携帯端末1−2,1−3等へ送信される。つまり、他の携帯端末1−2,1−3等は、携帯端末1−1から閲覧情報を収集することができる。
【0033】
尚、近距離通信情報送信処理部55は、送信要求に含まれるURLをキーにしてキャッシュメモリ6を検索した際に、その送信要求URLに関連するURLが存在しない場合、すなわち所望の閲覧情報が存在しない場合、送信要求に対する閲覧情報が無い旨の情報を近距離通信部53に出力し、近距離通信部53は、その情報を携帯端末1−2,1−3等へ送信する。尚、携帯端末1−1を用いるユーザにより、閲覧情報を他の携帯端末1−2,1−3等へ送信しないように予め設定されている場合、近距離通信情報送信処理部55は、閲覧情報を送信しない旨の情報を近距離通信部53に出力し、近距離通信部53は、その情報を携帯端末1−2,1−3等へ送信する。
【0034】
〔携帯端末の処理〕
次に、図3〜図5に示した携帯端末1−1の処理について詳細に説明する。以下に説明する実施例1は、携帯端末1−1による基本的な処理の例であり、携帯端末1−1から基地局へ電波が届き、電波の受信が可能な場合には、移動体通信網3及びインターネット4を介してサーバ2から閲覧情報を取得してキャッシュメモリ6に登録し、携帯端末1−1から基地局へ電波が届かず、電波の受信が不可能な場合には、近距離無線通信により他の携帯端末1−2,1−3等のキャッシュメモリ6に登録されている閲覧情報を収集する。実施例2は、実施例1に比べ実用的な処理の例であり、実施例1の処理に加えて、基地局へ電波が届かず、電波の受信が不可能な場合には、近距離無線通信可能な他の携帯端末1−2,1−3等から閲覧情報を収集しながら、基地局へ電波が届き、電波の受信が可能な状態になったか否かを判定し、電波の受信が可能になったと判定した場合には、サーバ2から閲覧情報を取得する。
【0035】
〔実施例1〕
まず、実施例1について説明する。図6は、実施例1の閲覧情報収集処理を示すフローチャートである。まず、携帯端末1−1の操作/表示部7は、ユーザによる所望の閲覧情報を見るための操作(URLの指定)に従った閲覧要求があるか否かを判定し(ステップS601)、閲覧要求があると判定した場合(ステップS601:Y)、その閲覧情報を取得するための要求を閲覧情報処理部5の情報処理部52に出力する。一方、操作/表示部7は、閲覧要求がないと判定した場合(ステップS601:N)、閲覧要求があるまで待つ。
【0036】
閲覧情報処理部5の情報処理部52は、閲覧情報を取得するための要求を操作/表示部7から入力すると、サーバ通信部51から電波受信可否情報を入力し、携帯端末1−1から基地局へ電波が届き、電波の受信が可能であるか、または携帯端末1−1から基地局へ電波が届かず、電波の受信が不可能であるかの判定を行う(ステップS602)。この場合、サーバ通信部51の電波受信可能判定部は、基地局へ電波が届いて基地局から電波を受信することが可能であるか否かを示す電波受信可否情報を、所定時間間隔で定期的に情報処理部52に出力している。
【0037】
情報処理部52は、ステップS602において、電波受信可能であると判定した場合(ステップS602:Y)、送信要求をサーバ通信部51に出力し、サーバ通信部51は、サーバ2へアクセスし、所望の閲覧情報を取得するための送信要求を、移動体通信網3及びインターネット4を介してサーバ2へ送信する(ステップS603)。サーバ2は、送信要求を受信すると、送信要求に対する閲覧情報(URLに格納されている閲覧情報)を、インターネット4及び移動体通信網3を介して携帯端末1−1へ送信する。そして、サーバ通信部51は、送信要求に対する閲覧情報をサーバ2から受信して情報処理部52に出力する(ステップS604)。そして、情報処理部52は、サーバ通信部51から閲覧情報を入力し、キャッシュメモリ6に登録し(ステップS605)、表示指示(URLを含む表示指示)を操作/表示部7に出力し、操作/表示部7は、情報処理部52から表示指示を入力すると、表示指示に対する閲覧情報を、URLをキーにしてキャッシュメモリ6から読み出し、画面表示する(ステップS606)。
【0038】
これにより、携帯端末1−1のキャッシュメモリ6には、サーバ2から取得した最新の閲覧情報が登録される。また、携帯端末1−1,1−2,1−3等が電波受信不可能な場所に存在する場合であっても、他の携帯端末1−2,1−3等は、携帯端末1−1との間で近距離無線通信が可能な場合には、携帯端末1−1のキャッシュメモリ6に登録された閲覧情報を、近距離無線通信により収集することができる。
【0039】
情報処理部52は、ステップS602において、電波受信不可能であると判定した場合(ステップS602:N)、近距離通信要求を近距離通信情報受信処理部54に出力し、近距離通信情報受信処理部54は、情報処理部52から近距離通信要求を入力すると、送信要求を近距離通信部53に出力する。そして、近距離通信部53は、近距離通信情報受信処理部54から送信要求を入力すると、近距離無線通信により他の携帯端末1−2,1−3等へアクセスし(ステップS607)、所望の閲覧情報を収集するための送信要求(所望の閲覧情報が格納されたサーバ2の所在場所のURLを含む送信要求)を送信する(ステップS608)。他の携帯端末1−2,1−3等は、近距離無線通信により送信要求を受信すると、送信要求に対する閲覧情報(URLに対応する閲覧情報)をキャッシュメモリ6から読み出し、携帯端末1−1へ近距離無線通信により送信する。そして、近距離通信部53は、閲覧情報を他の携帯端末1−2,1−3等から受信して近距離通信情報受信処理部54に出力する(ステップS609)。そして、近距離通信情報受信処理部54は、近距離通信部53から閲覧情報を入力し、キャッシュメモリ6に登録する(ステップS610)。この場合、近距離通信部53は、近距離無線通信が可能な他の携帯端末1−2,1−3等のそれぞれに対し、送信要求を順番に送信し、携帯端末1−2,1−3等から閲覧情報を受信する。
【0040】
これにより、携帯端末1−1のキャッシュメモリ6には、近距離無線通信が可能な他の携帯端末1−2,1−3等から収集した閲覧情報が登録される。つまり、携帯端末1−1,1−2,1−3等が電波受信不可能な場所に存在する場合であっても、携帯端末1−1は、他の携帯端末1−2,1−3等により既に取得された閲覧情報を収集することができる。したがって、携帯端末1−1は、ユーザの操作により、キャッシュメモリ6から、他の携帯端末1−2,1−3等から収集した閲覧情報を読み出し、画面表示することができる。この場合の閲覧情報は、サーバ2に格納されている現在の閲覧情報の場合もあり得るし、サーバ2に格納されていた過去の閲覧情報の場合もあり得る。ユーザは、携帯端末1−1が電波受信の不可能な場所に位置しており、サーバ2へアクセスできない場合であっても、少なくともサーバ2に格納されていた過去の閲覧情報を見ることができる。
【0041】
〔実施例2〕
次に、実施例2について説明する。図7は、実施例2の閲覧情報収集処理を示すフローチャートである。図7において、実施例2のステップS701〜ステップS706は、図6に示した実施例1のステップS601〜ステップS606と同様であるから、説明を省略する。
【0042】
携帯端末1−1における閲覧情報処理部5の情報処理部52は、ステップS702において、電波受信不可能であると判定した場合(ステップS702:N)、閲覧情報がキャッシュメモリ6に登録されているか否かを判定し(ステップS707)、閲覧情報がキャッシュメモリ6に登録されていると判定した場合(ステップS707:Y)、表示指示を操作/表示部7に出力する。そして、操作/表示部7は、情報処理部52から表示指示(URLを含む表示指示)を入力すると、表示指示に対する閲覧情報を、URLをキーにしてキャッシュメモリ6から読み出し、(ステップS708)、画面表示する(ステップS709)。
【0043】
これにより、ユーザは、携帯端末1−1が電波受信の不可能な場所に位置しており、サーバ2へアクセスできない場合であっても、携帯端末1−1のキャッシュメモリ6に登録されている閲覧情報を見ることができる。つまり、携帯端末1−1のキャッシュメモリ6に、サーバ2から取得した閲覧情報及び/または他の携帯端末1−2,1−3等から収集した閲覧情報が登録されている場合には、ユーザは、少なくともサーバ2に格納されていた過去の閲覧情報を見ることができる。
【0044】
情報処理部52は、ステップS707において、閲覧情報がキャッシュメモリ6に登録されていないと判定した場合(ステップS707:N)、近距離通信要求を近距離通信情報受信処理部54に出力し、近距離通信情報受信処理部54は、送信要求を近距離通信部53に出力する。そして、近距離通信部53は、近距離通信情報受信処理部54から送信要求を入力すると、近距離無線通信により他の携帯端末1−2,1−3等のうちのいずれかへアクセスし(ステップS710)、近距離無線通信が可能な他の携帯端末1−2,1−3等が存在するか否かを判定し(ステップS711)、近距離無線通信が可能な他の携帯端末1−2,1−3等が存在しない(または、近距離無線通信可能な全ての携帯端末1−2,1−3等との通信が完了した)と判定した場合(ステップS711:N)、処理を終了する。
【0045】
近距離通信部53は、ステップS711において、近距離無線通信が可能な他の携帯端末1−2,1−3等が存在すると判定した場合(ステップS711:Y)、所望の閲覧情報を収集するための送信要求(所望の閲覧情報が格納されたサーバ2の所在場所のURLを含む送信要求)を、近距離無線通信が可能な他の携帯端末1−2,1−3等のうちの未だ通信が行われていない端末へ送信する(ステップS712)。他の携帯端末1−2,1−3等は、送信要求を受信すると、送信要求に対する閲覧情報(URLに対応する閲覧情報)をキャッシュメモリ6から読み出し、携帯端末1−1へ送信する。そして、近距離通信部53は、閲覧情報を他の携帯端末1−2,1−3等から受信して近距離通信情報受信処理部54に出力する(ステップS713)。そして、近距離通信情報受信処理部54は、近距離通信部53から閲覧情報を入力し、キャッシュメモリ6に登録し(ステップS714)、表示指示(URLを含む表示指示)を操作/表示部7に出力する。そして、操作/表示部7は、情報処理部52から表示指示を入力すると、表示指示に対する閲覧情報を、URLをキーにしてキャッシュメモリ6から読み出し、画面表示する(ステップS715)。
【0046】
これにより、携帯端末1−1のキャッシュメモリ6には、近距離無線通信が可能な他の携帯端末1−2,1−3等から収集した閲覧情報が登録される。つまり、携帯端末1−1,1−2,1−3等が電波受信不可能な場所に存在する場合であっても、携帯端末1−1は、他の携帯端末1−2,1−3等により既に取得された閲覧情報を収集することができる。また、ユーザは、携帯端末1−1が電波受信の不可能な場所に位置しており、サーバ2へアクセスできない場合であっても、少なくともサーバ2に格納されていた過去の閲覧情報を見ることができる。
【0047】
近距離通信情報受信処理部54は、近距離無線通信により収集した閲覧情報をキャッシュメモリ6に格納した後、サーバ通信要求を情報処理部52に出力し、情報処理部52は、サーバ通信要求を近距離通信情報受信処理部54から入力すると、サーバ通信部51から電波受信可否情報を入力し、携帯端末1−1から基地局へ電波が届き、電波の受信が可能であるか、または携帯端末1−1から基地局へ電波が届かず、電波の受信が不可能であるかの判定、すなわち電波受信可能であるか否かの判定を行う(ステップS716)。
【0048】
情報処理部52は、ステップS716において、電波受信可能であると判定した場合(ステップS716:Y)、ステップS703へ移行し、ステップS703〜ステップS706により、サーバ2から閲覧情報を取得し、キャッシュメモリ6に登録すると共に、操作/表示部7は、閲覧情報を画面表示する。一方、情報処理部52は、ステップS716において、電波受信不可能であると判定した場合(ステップS716:N)、ステップS710へ移行する。
【0049】
つまり、携帯端末1−1は、ステップS710〜ステップS716において、電波受信が不可能であり、サーバ2から閲覧情報を取得することができない場合、近距離無線通信可能な他の携帯端末1−2,1−3等のそれぞれから閲覧情報を収集し、近距離無線通信が可能な全ての携帯端末1−2,1−3等から閲覧情報を収集したときに、処理を終了する。また、電波受信が可能になった時点で近距離無線通信を止め、サーバ2から閲覧情報を取得する。
【0050】
これにより、ユーザは、携帯端末1−1が電波受信の不可能な場所に位置しており、サーバ2へアクセスできない場合であっても、少なくともサーバ2に格納されていた過去の閲覧情報を見ることができ、電波受信が可能になった時点で、サーバ2から取得した最新の閲覧情報を見ることができる。
【0051】
次に、携帯端末1−1のキャッシュメモリ6に登録された閲覧情報を、他の携帯端末1−2,1−3等からの送信要求に従って送信する処理について説明する。図8は、図5に示した閲覧情報処理部5における近距離通信情報送信処理部55の閲覧情報送信処理を示すフローチャートである。
【0052】
まず、携帯端末1−1の閲覧情報処理部5における近距離通信部53は、近距離無線通信により他の携帯端末1−2,1−3等からアクセスがあり(ステップS801)、他の携帯端末1−2,1−3等から送信要求(所望の閲覧情報が格納されたサーバ2の所在場所のURLを含む送信要求)を受信したか否かを判定し(ステップS802)、送信要求を受信したと判定した場合(ステップS802:Y)、送信要求を近距離通信情報送信処理部55に出力する。そして、近距離通信情報送信処理部55は、近距離通信部53から送信要求を入力すると、キャッシュメモリ6からその送信要求に対する閲覧情報(URLに対応する閲覧情報)を読み出し(ステップS803)、読み出した閲覧情報を近距離通信部53に出力する。そして、近距離通信部53は、近距離通信情報送信処理部55から閲覧情報を入力し、その送信要求を送信してきた他の携帯端末1−2,1−3等へ送信し(ステップS804)、処理を終了する。
【0053】
近距離通信部53は、ステップS802において、送信要求を受信していないと判定した場合(ステップS802:N)、処理を終了してステップS801へ移行する。
【0054】
これにより、携帯端末1−1は、近距離無線通信により、キャッシュメモリ6に登録された閲覧情報を他の携帯端末1−2,1−3等へ送信することができ、他の携帯端末1−2,1−3等は、近距離無線通信により、携帯端末1−1から閲覧情報を収集することができる。
【0055】
以上のように、本発明の実施形態による携帯端末1−1によれば、携帯端末1−1から移動体通信網3の基地局へ電波が届かない場合、近距離無線通信によって他の携帯端末1−2,1−3等から閲覧情報を収集するようにした。これにより、携帯端末1−1が基地局へ電波を届けることができない場所に位置しており、サーバ2から閲覧情報を取得することができない場合であっても、所望の閲覧情報を収集することが可能となり、ユーザは、閲覧情報を見ることができる。したがって、携帯端末の利便性を向上させることができる。
【0056】
尚、本発明の実施形態による携帯端末1−1,1−2,1−3等のハードウェア構成としては、通常のコンピュータを使用することができる。携帯端末1−1,1−2,1−3等は、CPU、RAM等の揮発性の記憶媒体、ROM等の不揮発性の記憶媒体、及びインターフェース等を備えたコンピュータによって構成される。携帯端末1−1,1−2,1−3等に備えた閲覧情報処理部5(サーバ通信部51、情報処理部52、近距離通信部53、近距離通信情報受信処理部54及び近距離通信情報送信処理部55)及び操作/表示部7の各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、これらのプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもできる。
【0057】
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、前記実施形態の携帯端末1−1は、ユーザにより持ち運びが可能な携帯型の端末装置をいい、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話であり、移動体通信網3を介してインターネット4へ接続する機能を有すると共に、他の携帯端末1−2,1−3等と近距離無線通信により接続可能な端末装置であればよい。
【0058】
また、携帯端末1−1,1−2,1−3等による近距離無線通信は、Wi−Fiを用いたすれちがい通信により行うようにしてもよいし、Bluetooth(ブルーツース)等の他の手段により行うようにしてもよい。要するに、近距離無線通信は、近距離無線通信が可能な領域内に存在する携帯端末1−1,1−2,1−3等との間で、データを直接的に送受信できればよい。
【0059】
また、前記実施形態の前記携帯端末1−1は、図7のステップS715に示したように、他の携帯端末1−2,1−3等のそれぞれから近距離無線通信により閲覧情報を収集すると、収集した閲覧情報毎に画面表示するようにしたが、近距離無線通信が可能な全ての携帯端末1−2,1−3等から閲覧情報を収集した後に、収集した全ての閲覧情報を同じタイミングで画面表示するようにしてもよいし、全ての閲覧情報のうちの最新の時刻情報についての閲覧情報のみを画面表示するようにしてもよい。
【0060】
また、前記実施形態の携帯端末1−1は、図7のステップS708に示したように、キャッシュメモリ6から要求に対する全ての閲覧情報(要求に含まれるURLに対応する閲覧情報)を読み出して画面表示し、図8のステップS803に示したように、キャッシュメモリ6から送信要求に対する全ての閲覧情報(送信要求に含まれるURLに対応する閲覧情報)を読み出して送信するようにしたが、全ての閲覧情報のうちの最新の時刻情報についての閲覧情報のみをキャッシュメモリ6から読み出し、画面表示または送信するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 携帯端末
2 サーバ
3 移動体通信網
4 インターネット
5 閲覧情報処理部
6 キャッシュメモリ
7 操作/表示部
51 サーバ通信部
52 情報処理部
53 近距離通信部
54 近距離通信情報受信処理部
55 近距離通信情報送信処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体通信網に設けられた基地局との間で電波による通信を行い、前記移動体通信網及びインターネットを介して、閲覧情報が格納されたサーバへアクセスし、前記閲覧情報を受信する携帯端末において、
前記基地局との間で電波による通信が可能な場合、前記サーバへアクセスして閲覧情報を受信し、
前記基地局との間で電波による通信が不可能な場合、他の携帯端末との間の近距離無線通信により、前記他の携帯端末にて前記サーバから既に受信済みの閲覧情報を、前記他の端末装置から受信する閲覧情報処理部を備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末において、
ユーザの操作により所望の閲覧情報を取得するための要求を入力し、前記閲覧情報処理部により受信された閲覧情報を画面表示する操作/表示部を備え、
前記閲覧情報処理部は、
前記基地局との間で電波による通信が可能な場合、前記サーバへアクセスして閲覧情報を受信し、前記閲覧情報をキャッシュメモリに登録し、
前記基地局との間で電波による通信が不可能な場合、他の携帯端末との間の近距離無線通信により、前記他の携帯端末にて前記サーバから既に取得済みの閲覧情報を、前記他の端末装置から受信し、前記閲覧情報を前記キャッシュメモリに登録し、
前記近距離無線通信が可能な他の携帯端末から、所望の閲覧情報を収集するための送信要求を、近距離無線通信により受信した場合、前記送信要求に対する閲覧情報を前記キャッシュメモリから読み出し、前記閲覧情報を、前記送信要求を送信してきた携帯端末へ、近距離無線通信により送信する、ことを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯端末において、
前記閲覧情報処理部は、
前記基地局との間で電波による通信が可能であるか否かを判定する電波受信可能判定部と、
前記電波受信可能判定部により前記基地局との間で電波による通信が可能であると判定された場合、前記所望の閲覧情報を取得するための送信要求を前記サーバへ送信し、前記送信要求に対する閲覧情報を、前記サーバから受信し、キャッシュメモリに登録する情報処理部と、
前記近距離無線通信により前記他の端末装置との間でデータの送受信を行う近距離通信部と、
前記電波受信可能判定部により前記基地局との間で電波による通信が不可能であると判定された場合、前記所望の閲覧情報を収集するための送信要求を、前記近距離通信部を介して前記他の携帯端末へ送信し、前記他の携帯端末にて前記サーバから既に取得済みの、前記送信要求に対する閲覧情報を、前記他の携帯端末から前記近距離通信部を介して受信し、前記キャッシュメモリに登録する近距離通信情報受信処理部と、
前記近距離無線通信可能な他の携帯端末により送信された送信要求を、前記近距離通信部を介して受信し、前記送信要求に対する閲覧情報を前記キャッシュメモリから読み出し、前記閲覧情報を、前記近距離通信部を介して、前記送信要求を送信してきた他の携帯端末へ送信する近距離通信情報送信処理部と、
を備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項4】
請求項2に記載の携帯端末において、
前記閲覧情報処理部は、
前記基地局との間で電波による通信が可能な場合、前記サーバへアクセスして閲覧情報を受信し、前記閲覧情報を前記キャッシュメモリに登録して前記操作/表示部に画面表示させ、
前記基地局との間で電波による通信が不可能な場合、前記所望の閲覧情報が前記キャッシュメモリに登録されているか否かを判定し、前記所望の閲覧情報が登録されていると判定したとき、前記所望の閲覧情報を前記キャッシュメモリから読み出して前記操作/表示部に画面表示させ、
前記基地局との間で電波による通信が不可能な場合、さらに、前記他の携帯端末との間の近距離無線通信により、前記他の携帯端末にて前記サーバから既に取得済みの閲覧情報を、前記他の端末装置から受信し、前記閲覧情報を前記キャッシュメモリに登録して前記操作/表示部に画面表示させ、その後、前記基地局との間で電波による通信が可能になった際に、前記サーバへアクセスして閲覧情報を取得し、前記閲覧情報を前記キャッシュメモリに登録して前記操作/表示部に画面表示させる、ことを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
移動体通信網に設けられた基地局との間で電波による通信を行い、前記移動体通信網及びインターネットを介して、閲覧情報が格納されたサーバへアクセスし、前記閲覧情報を受信する携帯端末による閲覧情報受信方法において、
前記基地局との間で電波による通信が可能であるか否かを判定するステップと、
前記基地局との間で電波による通信が可能であると判定した場合、前記サーバへアクセスして閲覧情報を受信するステップと、
前記基地局との間で電波による通信が不可能であると判定した場合、他の携帯端末との間の近距離無線通信により、前記他の携帯端末にて前記サーバから既に受信済みの閲覧情報を、前記他の携帯端末から受信するステップと、
を有する閲覧情報受信方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1から4までのいずれか一項に記載の携帯端末として機能させるための閲覧情報受信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−216980(P2012−216980A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80403(P2011−80403)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】