説明

携帯端末装置、表示制御方法および表示制御プログラム

【課題】標準表示画面上にユーザの操作性を確保した上でアプリケーションの実行対象となるアイコンを貼り付けることを可能とする携帯端末装置、表示制御方法および表示制御プログラムを提供することにある。
【解決手段】ユーザ所望の画像が標準画面として表示される際に、当該標準画面に重畳して、それぞれアプリケーションに対応付けられた第1種アイコンを表示させるよう表示手段を制御する。標準画面上に複数の第1種アイコンが表示される状態で、操作手段が操作されたとき、当該操作がいずれかのアイコンを選択する第1の操作である場合には選択されたアイコンに対応するアプリケーションに関する表示を行い、第1の操作とは異なる第2の操作である場合には標準画面は同じ画像の表示を維持したまま複数の第1種アイコンを表示しない状態に切替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば携帯電話機のように、標準画面にユーザがお気に入りの画像を指定可能な携帯電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話機の高機能化に伴い、携帯電話機を使った電子メール送受信やWebページの閲覧等を通して、多くのデータを携帯電話機が記憶し、管理を行っている。そして、そのような処理を通して、携帯電話機は大量のデータを扱っている。
【0003】
たとえば、携帯電話機から無線で基地局(BS:Base Station)に接続し、基地局からパケット制御装置およびIPアドレスと携帯電話番号に変換を行うパケット用ゲートウェイ等を経て、インターネット上のWWW(World Wide Web)サーバへのアクセス、電子メール利用等のデータ通信により、大量のデータ(テキストデータ、画像データ、音声データ等)が携帯電話機の中に取り込まれる。
【0004】
また、上述した無線通信を行わない場合でも、ユーザから携帯電話機へのテキスト入力や携帯電話機に付属するカメラ撮影等のアプリケーション機能の実行により様々な種類のデータが携帯電話機の中に取り込まれる。
【0005】
このように、日々携帯電話機の中に取り込まれる大量のデータの中から、ユーザが必要な情報だけを抽出し、その抽出した必要な情報をユーザが忘れないようにする機能は、多機能化され大量の情報を扱う近年の携帯電話機にとって、非常に重要になっている。
【0006】
このような機能を有する携帯電話機については種々の提案がなされている(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−101098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来の携帯電話機において、ユーザに情報を忘れさせないようにテキストが記載されたメモを標準画面(携帯電話機の電源を立ち上げたときの非通話時画面、いわゆる待受画面)に貼り付けることは可能であったが、携帯電話機の標準画面上にユーザがお気に入りの画像を貼り付けている場合等は、標準画面上のメモの存在によって画像の視認性が損なわれるという問題があった。
【0009】
上記課題に鑑みて、本発明の目的は、標準表示画面上にユーザの操作性を確保した上でアプリケーションの実行対象となるアイコンを貼り付けることを可能とする携帯端末装置、表示制御方法および表示制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点によれば、操作手段と、ユーザ所望の画像を標準画面として表示する表示手段と、前記標準画面が前記表示手段に表示される際に、当該標準画面に重畳して、それぞれアプリケーションに対応付けられた第1種アイコンを表示させるよう前記表示手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記標準画面上に前記複数の第1種アイコンが表示される状態で、前記操作手段が操作されたとき、当該操作がいずれかのアイコンを選択する第1の操作である場合には選択されたアイコンに対応するアプリケーションに関する表示を行い、前記第1の操作とは異なる第2の操作である場合には前記標準画面は同じ画像の表示を維持したまま前記複数の第1種アイコンを表示しない状態に切替えることを特徴とする。
【0011】
好適には、前記制御手段は、前記第2の操作がなされた際には、前記複数の第1種アイコンに換えて前記複数の第1種アイコンとは異なる第2種アイコンを前記標準画面上に表示することを特徴とする。
【0012】
また、好適には、前記制御手段は、前記標準画面上に表示する対象として、所望のアプリケーションに対応付けて新たなアイコンを登録する際に、当該アイコンを、前記第1種アイコンまたは前記第2種アイコンのいずれか前記操作手段で指定された側に属させることを特徴とする。
【0013】
さらに好適には、前記制御手段は、前記標準画面上に前記第1種アイコンまたは前記第2種アイコンが表示され、いずれかのアイコンが選択された状態で、前記操作手段に対して第3の操作がなされた場合には、選択されたアイコンに関し、並び位置の変更あるいは削除に関するメニューを前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の第2の観点によれば、操作手段と、表示手段とを備える携帯電子機器における表示制御方法であって、前記表示手段にユーザ所望の画像を標準画面として表示するステップと、前記標準画面が前記表示手段に表示される際に、当該標準画面に重畳して、それぞれアプリケーションに対応付けられた第1種アイコンを表示するよう前記表示手段を制御するステップと、前記標準画面上に前記複数の第1種アイコンが表示される状態で、前記操作手段が操作されたとき、当該操作がいずれかのアイコンを選択する第1の操作である場合には選択されたアイコンに対応するアプリケーションに関する表示を行い、前記第1の操作とは異なる第2の操作である場合には前記標準画面は同じ画像の表示を維持したまま前記複数の第1種アイコンを表示しない状態に切替えるステップと、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の第3の観点によれば、操作手段と、表示手段とを備える携帯電子機器の制御手段に対して表示制御を行わせる表示制御プログラムであって、前記表示手段にユーザ所望の画像を標準画面として表示するステップと、前記標準画面が前記表示手段に表示される際に、当該標準画面に重畳して、それぞれアプリケーションに対応付けられた第1種アイコンを表示するよう前記表示手段を制御させるステップと、前記標準画面上に前記複数の第1種アイコンが表示される状態で、前記操作手段が操作されたとき、当該操作がいずれかのアイコンを選択する第1の操作である場合には選択されたアイコンに対応するアプリケーションに関する表示を行い、前記第1の操作とは異なる第2の操作である場合には前記標準画面は同じ画像の表示を維持したまま前記複数の第1種アイコンを表示しない状態に切替えるよう前記表示手段を制御させるステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザの操作性を確保した上でアプリケーションの実行対象となるアイコンを画面上に貼り付けることができるため、極力標準画面の視認性に影響を及ぼさないようにできる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態に係る携帯電話機の外観の一例を図解した図である。
【図2】実施形態に係る携帯電話機のシステム構成の一例を図解した図である。
【図3】実施形態に係る携帯電話機の貼り付けメモの登録動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】実施形態に係る携帯電話機の貼り付けメモの登録における表示部の動作の一例を示す図である。
【図5】実施形態に係る携帯電話機の貼り付けメモの起動における表示部の動作の一例を示す図である。
【図6】実施形態に係る携帯電話機の貼り付けメモの実行態様を例示する図である。
【図7】実施形態に係る携帯電話機の貼り付けメモに表示するテキストの優先順位を示す図である。
【図8】実施形態に係る携帯電話機の貼り付けメモを2つの画面に表示する際の動作を示すフローチャートである。
【図9】実施形態に係る携帯電話機の表示部の動作の状態遷移図である。
【図10】実施形態に係る携帯電話機の表示部に対する貼り付けメモの表示/非表示の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
第1の実施形態
以下、本発明の第1の実施形態を添付図面に関連付けて説明する。
【0019】
図1は、本実施形態に係る携帯電話機本体の外観図であって、(a)は閉じられた状態の外観図を、(b)は開けられた状態の外観図をそれぞれ示す。図2は、本実施形態に係る携帯電話機の主要回路の構成例を示すブロック図である。
【0020】
なお、標準画面とは、前述したとおり、携帯電話機の電源を立ち上げたときの非通話時の画面、いわゆる待受画面を意味する。
【0021】
また、本発明に係る第1の画面は、本実施形態において、標準画面上に後述するウィンドウを配置させた状態の画面に相当する。
【0022】
携帯電話機1は、図1および図2に示すように、本体ケース11、無線通信手段としての通信部12、音声部13、表示部14、入力手段としての操作部15、記憶手段としてのメモリ16、制御手段としての制御回路17、および可動機構部18を有している。
【0023】
通信部12は、送受信アンテナ121、および無線回路122により構成されている。
【0024】
送受信アンテナ121は、本体ケース11の表示部14のある側に内蔵されている。
【0025】
無線回路122は、電波を利用した無線通信で行うために、制御回路17で処理された音声情報、ID、Webページデータの閲覧要求情報等を変調してアンテナ121により図示しない基地局に送信する。
【0026】
また、無線回路122は、基地局から無線により送信され、アンテナ121で受信したページデータや音声情報等の各種情報を復調して制御回路17に出力する。
【0027】
音声処理部13は、音声処理回路131を有し、通話機能のために音声入力を行うマイクロフォン132と音声出力を行うスピーカ133が接続されている。
【0028】
音声処理回路131は、マイクロフォン132により入力した音声に対して所定の処理を行って制御回路17に供給する。
【0029】
また、音声処理回路131は、制御回路17により供給された音声情報に対して所定の処理を行ってスピーカ133から出力させる。
【0030】
図1に示すように、マイクロフォン132は、ケース本体11の操作部15の下部に配置され、スピーカ133は表示部14の上部に配置されている。
【0031】
表示部14は、図1に示すように、ケース本体11の上部側に配置された液晶表示装置(LCD)等の表示デバイスを有し、通話機能のために入力した電話番号や各種メッセージ、テキストデータ等を含むメモなどを表示する。
【0032】
また、表示部14は、たとえば最上段の1行分は、モードの種類、電波の強さ、電池残量等を表示するガイド表示行として用いられる。
【0033】
表示部14には、通常モードと節電モードの2種類のモードがある。通常モードは、標準画面を表示するモードであり、節電モードは、標準画面の状態で一定時間操作部15の操作がなされない場合に、表示部14のバックライトが消灯されるモードである。
【0034】
特に、本実施形態における表示部14は、制御回路17の制御に基づいて、標準画面上に貼り付けメモと呼ぶ所定の大きさのウィンドウ(データ表示領域)を複数個、第1の画面として標準画面の背景表示に重ねて表示させることが可能である。本実施形態においては、標準画面上に第1の画面だけでなく、第2の画面にもウィンドウを第1の画面同様に貼り付けることが可能である。そして、操作部15の所定のキーの押下(操作)により、2つの画面を交互に表示させることが可能である。
【0035】
また、本実施形態においては、ウィンドウは2種類設定しており、記号のみを表示する小さなウィンドウと、記号とテキストデータ若しくはその一部を表示する大きなウィンドウが設定される。
【0036】
これらのウィンドウは標準画面上に表示部14に表示されるため、メモの存在をユーザに効果的に認識させることができる。
【0037】
操作部15は、図1に示すように、ケース本体11の下部側に配置され、終了(終話)/電源キー15a、開始(発呼)キー15b、数字等に対応した複数のテンキー15c、上下左右キー15d、センターキー15e等を有する。
【0038】
記憶手段としてのメモリ16は、たとえばEEPROMを含んで構成され、通話やメールの送受信のための制御プログラム、インターネットブラウザ、メッセージデータ、名前および電話番号が登録されたアドレス帳等が記憶される。
【0039】
メモリ16には、さらに各貼り付けメモに対応したデータ(貼り付けメモデータ)が格納される。貼り付けメモデータは、貼り付けメモとして登録されたデータ毎に、そのデータに対するリンクデータの他、ウィンドウ内に表示される表示テキストデータ,記号データ,表示フラグおよびウィンドウ表示位置データがセットとなって構成される。
【0040】
ここで、表示テキストデータは、メモリ16内に格納した様々なデータ、またはその一部をユーザが操作部15を通して選択し、その選択されたデータに含まれるテキストデータの中から所定の優先順位に従って決定したテキストデータである。ただし、表示部14に表示される各ウィンドウ内に表示されるテキストデータの量には上限を設け、本実施形態ではその上限値が8文字なので、決定されたテキストデータの上位8文字が表示テキストデータとなる。
【0041】
記号データは、貼り付けメモが表示部14に表示されるときにユーザにメモの属性を識別が容易となるように設定される識別記号であり、記号データと別に格納される画像データやアイコン(ICON)等の記号が関連付けられている。
【0042】
また、表示フラグとは、貼り付けメモの表示部14への表示モードを示している。
【0043】
この表示フラグにより、たとえば表示フラグ1のときは、記号のみを表示部14に表示し、表示フラグが0のときは、記号とテキストデータ(またはその一部)を表示部14に表示するように、制御回路17が表示部14を制御することができる。
【0044】
さらに、ウィンドウ表示位置データにより、表示部14のどこにテキストデータ(またはその一部)や記号をウィンドウとして表示させるのかを特定することができる。表示部14には、標準画面上にウィンドウを例えば縦並びに複数表示させることが可能に構成されており、標準画面の背景表示部(時計表示など)に重複しない位置などを優先して選択するといった用い方ができる。
【0045】
制御回路17は、マイクロコンピュータを主体して構成されて携帯電話機1の全体の制御を行う。たとえば、制御回路17は、通信部12における各種情報の無線による送受信の制御、音声処理部13に対する音声情報の処理、表示部14への情報の表示制御、操作部15の入力情報に応じた処理、およびメモリ16への処理に応じたアクセス制御等を行う。
【0046】
また、メモリ16に格納された上述した貼り付けメモデータの貼り付けメモデータに基づいて、表示部14を制御して、貼り付けメモを標準画面上に並列的に表示(貼り付け)する。
【0047】
可動機構部18は、本体ケース11の一部分(表示部14を含む側)と本体ケース11のもう一方の部分(操作部15を含む側)とを水平回転可能に支持する。これにより、たとえば図1(a)のように閉じられた状態から本体ケース11の表示部側を一方向に水平回転させることにより、図1(b)のとおり開けられた状態とすることが可能となる。
【0048】
次に、図3および図4に関連付けて、本実施形態における携帯電話機1の動作について説明する。図3は、携帯電話機1が有する貼り付けメモの登録処理のフローチャートであり、図4は、携帯電話機1の貼り付けメモ登録処理における表示部14の表示内容を示す図である。
【0049】
図3において、まずユーザによりメモリ16内のデータの選択が行われる(ST10)。選択されるデータは、たとえば電子メールのテキストデータ(またはその一部)やカメラ撮影機能(図1には図示しない)による画像データ、スケジュールデータなど、アプリケーションの実行により生じたデータであれば何でも構わない。
【0050】
このような様々なデータを、ユーザは操作部15を通して選択し、選択されたデータが図示しないバッファに取り込まれる。さらに、貼り付けメモデータが、メモリ16上に作成され、選択されたデータに含まれるテキストデータ「今日は温泉に…行きたいな。」の先頭8文字(「今日は温泉に出か」)が貼り付けメモデータの表示テキストデータとして設定される(ST11)。
【0051】
図4に示す例では、画面SC10で選択された絵日記データ(画像データおよび/またはテキストデータ)を貼り付けメモデータとして登録されるときの表示部14の画面の変
化を示している。
【0052】
データが貼り付けメモの登録のために選択されると、アイコン選択画面が表示されるので(ST12および画面SC12)、ユーザが所望のアイコン(記号)を選択すると(ST13)、対応するアイコンを特定する記号データが、貼り付けメモデータの記号データとして設定される(ST14)。
【0053】
次に、ウィンドウ選択画面が表示される(ST15および画面SC13)。
【0054】
ウィンドウ選択は2種類からなり、記号(アイコン)のみを表示する小さなウィンドウと、記号(アイコン)とテキストデータ若しくはその一部を表示する大きなウィンドウから選択できる。
【0055】
ユーザがウィンドウを選択し、画面SC14aに示すように、ウィンドウ表示領域を縦並びにいずれかの位置を指定した後、所定キーを押下(操作)すると(ST16)、選択したウィンドウに応じた表示フラグおよびウィンドウ表示位置データが、貼り付けメモデータとして設定される(ST17)。
【0056】
以後、選択されたウィンドウ表示に従って、貼り付けメモが貼り付けられた標準画面を表示部14は表示する(ST18)。
【0057】
図4においては、画面SC14a〜SC16aが大きなウィンドウ表示を選択した場合の表示部14の動作を、画面SC14b〜SC16bが小さなウィンドウ表示を選択した場合の表示部14の動作を、それぞれ示す。
【0058】
図4から明らかなように、大きなウィンドウ表示には、テキストデータの一部が視認できるので、メモの内容が容易に想起できるという利点があり、また、小さなウィンドウ表示には、メモの存在を標準画面上に確保しつつ、背景画面の視認性が大きなウィンドウと比較して向上するので、たとえば背景画面にユーザが気に入っている画像等を貼り付けている場合には、その画像を極力隠さないようにメモを表示させることができるという利点がある。
【0059】
以上のようにして、順次貼り付けメモの登録を行うことにより、制御回路17は、複数のウィンドウを順次並列的に表示部14に配置させる(画面SC16aおよびSC16b)。
【0060】
次に、図5は、このようにして登録された貼り付けメモを起動する際の動作について例示した図である。
【0061】
図5において、標準画面(待受画面)の状態(画面SC20)から、操作部15の上下左右キー15d等の所定のキーを操作すると、貼り付けメモが登録されている場合は貼り付けメモの一覧が表示され(画面SC21a)、貼り付けメモが登録されていない場合は貼り付けメモの登録がされていない旨が表示される(画面SC21b)。
【0062】
本実施形態に係る携帯電話機1においては、閉じられた状態(図1(a))と開かれた状態(図1(b))のいずれの状態においても、貼り付けメモの起動が可能となる。閉じられた状態(図1(a))においては、操作部15が図示されていないが、携帯電話機1の側面部に操作キーを設定することが可能である。
【0063】
また、図5の画面SC21aには、1つの貼り付けメモしか登録されていないが、複数の貼り付けメモが登録されている場合には、ユーザは上下左右キー15dを操作する等により、複数の貼り付けメモのウィンドウの中から1のウィンドウを選択できる。
【0064】
そして、このように貼り付けメモのウィンドウを選択し、所定のキーを押下(操作)することによりサブメニューを呼び出し、貼り付け位置を変更することができる。すなわち、ユーザの貼り付けメモのウィンドウ位置変更指令に基づいて、制御回路17は、貼り付けメモデータの中のウィンドウ表示位置データを更新し、表示部14に新しい貼り付け位置により表示させる。
【0065】
また、一度登録した貼り付けメモを所定のキーを押下(操作)することで、サブメニューを呼び出し、貼り付けメモの登録削除(メモリ16から消去)を行うことも可能である。
【0066】
以上のように、標準画面上に貼り付けメモが設定されると、標準画面上の貼り付けメモを選択して所定キーを押下(操作)することにより、その貼り付けメモデータのリンクデータに基づいて、制御回路17は、対応するアプリケーションを実行して、その実行結果を表示部14に表示させる。
【0067】
図6は、複数の貼り付けメモが標準画面上に貼り付けられた状態で、ユーザが各貼り付けメモを選択した場合に、各貼り付けメモの内容に応じたアプリケーションが実行される例を示す。
【0068】
図6においては、標準画面上の複数の貼り付けメモの中から、たとえば「湯けむり」というテキストが書かれた貼り付けメモをユーザが選択して、センタキー15e等の所定のキーを押下すると、制御回路17は、対応する貼り付けメモデータのリンクデータに基づいて、メモリ16内に格納された絵日記データを、所定のアプリケーションにより実行する。これにより、画面上に「湯けむり」の画像とテキストデータが表示される。
【0069】
以上説明したように、本実施形態に係る携帯電話機1によれば、標準画面を表示する表示部14と、複数のキーを含む操作部15と、任意にユーザがメモリから抽出したデータに対応した貼り付けメモを一定の表示領域を有するウィンドウにして並列的に表示させることができ、抽出したデータに対応するテキストデータの少なくとも一部をそのウィンドウ上に表示するように表示部14を制御する制御回路17を設け、ユーザが操作部15の所定キーの操作により1つの貼り付けメモが選択されると、その貼り付けメモデータのリンクデータに基づいて、対応するデータをアプリケーションにより実行して表示部14に表示するように構成した。
【0070】
さらに、ウィンドウのサイズを大小の2種類を設定され、ユーザ入力により格納された貼り付けメモのテーブルデータの表示フラグに基づいて、制御回路17は表示部14を制御するように構成した。
【0071】
したがって、
(1)ユーザは操作部15のキー操作によりデータを検索する必要がなく、常にメモ内容が標準画面上に表示されているので、抽出したデータを容易に想起することができる。
(2)大きなウィンドウ表示では、テキストデータの一部の視認により、メモの内容が容易に想起できるという利点があり、また、小さなウィンドウ表示では、メモの存在を標準画面上に確保しつつ、背景画面の視認性が大きなウィンドウと比較して向上するので、たとえば背景画面にユーザが気に入っている画像等を貼り付けている場合には、その画像を極力隠さないようにメモを表示させることができるという利点があり、ユーザは、嗜好に応じてウィンドウのサイズを選択することができる。また、ユーザは、プライバシーの観点から小さなウィンドウを選択することができる。
【0072】
しかも、アプリケーションデータ毎にその内容を考慮したアイコンを対応付けておけば、ユーザは小さなウィンドウ表示であってもアイコンを見るだけで、そのデータの内容を連想できる。
(3)標準画面上の貼り付けメモを選択することにより、ワンアクションで対応するデータの内容を実行させることが可能となる。
【0073】
また、上述した内容に拘泥せず、本発明の要旨を変更しない範囲で様々な変更が可能である。たとえば、ウィンドウに表示可能なテキストは最大8文字としたが、表示する文字サイズまたは表示部14の大きさに応じて可変とすることができる。
【0074】
第2の実施形態
以下に、第2の実施形態について説明する。
【0075】
上述した図4の例では、画面SC10で作成されたデータに基づいて、その作成されたデータに含まれるテキストデータの一部(「今日は温泉に出か」)を貼り付けメモデータの表示テキストデータとして設定したが、本実施形態においては、貼り付けメモのウィンドウに表示する表示テキストデータについては、登録したデータに含まれる複数のテキストデータの中から所定の優先順位に基づいて、制御回路17が選択するように構成することができる。
【0076】
図7は、そのような優先順位の一例を示す図である。
【0077】
図7において、(a)は貼り付けメモに登録可能な項目(データ)を、(b)はその登録可能な項目に対応する表示テキストの優先順位を、それぞれ示す。
【0078】
たとえば、アドレス帳の電話番号の場合では、電話番号そのもののテキストデータよりも、発呼先の登録された名前を示すテキストデータの方を優先してウィンドウに表示することを示す。図4を用いて説明した絵日記データの場合は、優先順位がなく、絵日記データに含まれるコメントを表示させるので、そのコメントの先頭8文字(図4の例では、「今日は温泉に出か」)が表示される。
【0079】
図7に示す優先順位に限らず、ウィンドウに表示された場合にユーザがそのテキストデータの内容からデータの内容をどれだけ想起できるかという観点で、自由に設定することができる。
【0080】
そして、設定された優先順位に基づいて、制御回路17は、貼り付けメモとしてユーザに選択されたデータのテキストデータまたはその一部を、貼り付けメモデータの中の表示テキストデータとして登録する。
【0081】
以上説明したように、本実施形態に係る携帯電話機1によれば、登録対象のデータ毎に貼り付けメモのウィンドウ内に表示させる表示テキストデータを、登録対象データに含まれる複数のデータの中から所定の優先順位に従って選択可能としたので、ユーザに対してデータの内容をより想起させやすいテキストを表示させることができ、ユーザの操作快適性が向上する。
【0082】
第3の実施形態
以下に、本実施形態における携帯電話機1について説明する。
【0083】
第1および第2の実施形態においては、標準画面に重ねて表示する貼り付けメモを第1の画面に限定して説明したが、本実施形態においては、標準画面上に第1の画面と異なる別の画面(第2の画面)に貼り付けメモを表示させることを可能とする。
【0084】
本実施形態においては、貼り付けメモデータとして、表示画面データが追加される。表示画面データは、たとえば、0:第1の画面に表示,1:第2の画面に表示、とした2値のフラグデータで表現可能である。
【0085】
なお、本発明に係る第2の画面は、本実施形態における第2の画面に相当し、上述したとおり、標準画面上の第1の画面と異なる貼り付けメモのウィンドウを配置した画面である。
【0086】
表示画面をいずれの画面に設定するかについては、第1の実施形態において図3を用いて説明した貼り付けメモの登録動作において、たとえば、ステップST13のアイコン選択の次に追加のステップを設定し、表示する画面をユーザに選択させるように構成すればよい。そして、ユーザの選択に基づいて、制御回路17は、たとえば、第1の画面が選択された場合には「0」を、第2の画面が選択された場合には「1」を、上述した表示画面データとしてセットする。
【0087】
図8は、本実施形態の携帯電話機1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0088】
上述したように、貼り付けメモの登録動作において表示画面データがセットされた後に、貼り付けメモを起動したときの動作について、図8の各ステップに沿って説明する。
【0089】
図8において、標準画面(待受画面)の状態から、操作部15の上下左右キー15d等の所定のキーを操作すると(ST20)、貼り付けメモの登録があるか否かがチェックされ(ST21)、貼り付けメモが登録されていない場合は,貼り付けメモの登録がされていない旨が表示される(ST22)。
【0090】
貼り付けメモが登録されている場合には、第1の画面に登録されているか、すなわち、表示画面データが「0」にセットされているかについてチェックされ、「0」にセットされている場合には、標準画面上に第1の画面(1画面目)を表示させ(ST24)、「1」にセットされている場合には、標準画面上に第2の画面(2画面目)を表示させる(ST25)。
【0091】
基本的には、制御回路17は、起動時に、表示画面データをチェックして標準画面上に第1の画面を優先的に表示部14に表示させるが、所定のキーがユーザにより押下(操作)されると、再度表示画面データをチェックして標準画面上に第2の画面を表示させるように構成される。
【0092】
したがって、ステップST23の動作がすべての登録された貼り付けメモについて行われる結果、標準画面上の第1の画面においては、表示画面データが「0」にセットされている貼り付けメモデータがすべて表示され、ユーザが所定のキーによる操作を行って第2の画面を望む場合は、表示画面データが「1」にセットされている貼り付けメモデータがすべて表示されるので、たとえば第三者に見られたくない貼り付けメモを選択的に第2の画面に表示させることができ、ユーザの利便性が向上する。
【0093】
また、上述した内容に拘泥せず、本実施形態の様々な変更が可能である。
【0094】
たとえば、第1の実施形態において図3および図4を用いて説明した貼り付けメモの登録処理において、ステップST13(図4の画面SC13)でユーザがアイコンのみを選択した場合は、表示画面データを「0」とし、また、ユーザがアイコンおよびテキストデータを選択した場合には、表示画面データを「1」とするように制御回路17を構成すれば、標準画面では常にアイコン(記号)のみの表示となり、テキストの内容を見られたくないユーザのプライバシーが確保される。
【0095】
また、逆に、ステップST13(図4の画面SC13)でユーザがアイコンのみを選択した場合は、表示画面データを「1」とし、また、ユーザがアイコンおよびテキストデータを選択した場合には、表示画面データを「0」とするように制御回路17を構成すれば、標準画面では常にテキストデータを含んだ表示となり、ユーザがデータの内容を容易に想起することが可能となる。
【0096】
また、本実施形態では、貼り付けメモのウィンドウを設定するための追加の画面として1画面のみを設定したが、さらに追加の画面を設定することも可能である。その場合は、表示画面データはフラグデータではなく2ビット以上のデータとして、0:標準画面に表示,1:第2の画面に表示,2:第3の画面に表示,…というように登録時に表示画面データを設定していけばよい。
【0097】
第4の実施形態
以下に、第4の実施形態について説明する。
【0098】
本実施形態においては、貼り付けメモの標準画面上(または第2の画面上)の表示/非表示を所定のキーの操作により、切り替えることを可能とする。
【0099】
図9は、貼り付けメモの標準画面上での表示/非表示についての状態遷移図である。
【0100】
図9において、状態1は、通常モードであって、貼り付けメモを表示する表示部14の状態である。通常モードは、節電モードと異なり、バックライトが動作しているモードである。状態2は、通常モードであって、貼り付けメモを表示しない表示部14の状態である。また、状態3は、節電モードであって、貼り付けメモを表示する表示部14の状態である。
【0101】
貼り付けメモは、ユーザにメモの存在を認識させることに重要な機能価値があるため、極力標準画面に貼り付けて、容易に視認可能な状態に設定しておくことが望ましい。
【0102】
しかし、複数の貼り付けメモがすでに登録され、標準画面上に複数のウィンドウが表示されている場合であっても、標準画面上に表示されている内容を確認したい場合がある。たとえば標準画面上に日時が表示されており、その一部が貼り付けメモのウィンドウにより隠れているときに、ユーザがその隠れている一部を確認したい場合や、ユーザがお気に入りの画像を標準画面に貼り付けているときにその画像を見たい場合等である。
【0103】
そこで、所定のキーを押下する等により、貼り付けメモのウィンドウの表示/非表示を切り替えることができれば、上述したユーザの希望に対処することが可能である。
【0104】
図9においては、例えば「終話キー」15aをユーザが押下することにより、貼り付けメモのウィンドウの表示/非表示を切り替えるように、制御回路17が表示部14を制御している。すなわち、状態1と状態2を順次切り替える制御を行っている。
【0105】
また、図9においては、状態1から状態2へ移行した後、所定時間、たとえば30秒間経過した場合は状態1に表示が戻るように、制御回路17は表示部14を制御している。すなわち、上述したように、貼り付けメモは、ユーザにメモの存在を認識させることに重要な機能価値があり、極力標準画面に貼り付けた状態にしておくことが望ましいため、ユーザが戻し忘れることがないように、所定時間後は再度貼り付けメモを表示させるようにしている。
【0106】
また、所定時間の後、通常モードから節電モードに自動的に移行することに伴い、状態1から状態3へ移行する。状態1と状態3の間においても、上述した観点から、貼り付けメモは表示されたままである。
【0107】
図10は、図9の状態遷移図を用いて説明した制御回路17による表示部14の制御を、具体的な表示画面により例示した図である。
【0108】
図10において、背景画面のうち貼り付けメモのウィンドウにより隠れた日付部分(画面SC40)を、ユーザが確認したい場合に、「終話キー」15aを押下することにより、貼り付けメモのウィンドウが非表示となり、日付が確認できる(画面SC41)。
【0109】
以上説明したように、制御回路17において、貼り付けメモのウィンドウの表示部14への表示/非表示選択機能を付加したので、ユーザの要望に応じて、貼り付けメモのウィンドウを非表示として、標準画面を確認することができ、さらにユーザの利便性が向上する。
【0110】
さらに、貼り付けメモのウィンドウを非表示とした場合であっても、所定時間経過後に自動的に表示させるため、ユーザの貼り付けメモ表示画面への戻し忘れを防止することができる。
【符号の説明】
【0111】
1…携帯電話機
11…本体ケース
12…通信部
121…送受信アンテナ
122…無線回路
13…音声処理部
131…音声処理回路
132…マイクロフォン
133…スピーカ
14…表示部
15…操作部
16…メモリ
17…制御回路
18…可動機構部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作手段と、
ユーザ所望の画像を標準画面として表示する表示手段と、
前記標準画面が前記表示手段に表示される際に、当該標準画面に重畳して、それぞれアプリケーションに対応付けられた第1種アイコンを表示させるよう前記表示手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記標準画面上に前記複数の第1種アイコンが表示される状態で、前記操作手段が操作されたとき、当該操作がいずれかのアイコンを選択する第1の操作である場合には選択されたアイコンに対応するアプリケーションに関する表示を行い、前記第1の操作とは異なる第2の操作である場合には前記標準画面は同じ画像の表示を維持したまま前記複数の第1種アイコンを表示しない状態に切替える
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第2の操作がなされた際には、前記複数の第1種アイコンに換えて前記複数の第1種アイコンとは異なる第2種アイコンを前記標準画面上に表示する
【請求項3】
前記制御手段は、
前記標準画面上に表示する対象として、所望のアプリケーションに対応付けて新たなアイコンを登録する際に、当該アイコンを、前記第1種アイコンまたは前記第2種アイコンのいずれか前記操作手段で指定された側に属させる
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記標準画面上に前記第1種アイコンまたは前記第2種アイコンが表示され、いずれかのアイコンが選択された状態で、前記操作手段に対して第3の操作がなされた場合には、選択されたアイコンに関し、並び位置の変更あるいは削除に関するメニューを前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
操作手段と、表示手段とを備える携帯電子機器における表示制御方法であって、
前記表示手段にユーザ所望の画像を標準画面として表示するステップと、
前記標準画面が前記表示手段に表示される際に、当該標準画面に重畳して、それぞれアプリケーションに対応付けられた第1種アイコンを表示するよう前記表示手段を制御するステップと、
前記標準画面上に前記複数の第1種アイコンが表示される状態で、前記操作手段が操作されたとき、当該操作がいずれかのアイコンを選択する第1の操作である場合には選択されたアイコンに対応するアプリケーションに関する表示を行い、前記第1の操作とは異なる第2の操作である場合には前記標準画面は同じ画像の表示を維持したまま前記複数の第1種アイコンを表示しない状態に切替えるステップと、を備える
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項6】
操作手段と、表示手段とを備える携帯電子機器の制御手段に対して表示制御を行わせる表示制御プログラムであって、
前記表示手段にユーザ所望の画像を標準画面として表示するステップと、
前記標準画面が前記表示手段に表示される際に、当該標準画面に重畳して、それぞれアプリケーションに対応付けられた第1種アイコンを表示するよう前記表示手段を制御させるステップと、
前記標準画面上に前記複数の第1種アイコンが表示される状態で、前記操作手段が操作されたとき、当該操作がいずれかのアイコンを選択する第1の操作である場合には選択されたアイコンに対応するアプリケーションに関する表示を行い、前記第1の操作とは異なる第2の操作である場合には前記標準画面は同じ画像の表示を維持したまま前記複数の第1種アイコンを表示しない状態に切替えるよう前記表示手段を制御させるステップと、を備える
ことを特徴とする携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−44157(P2011−44157A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209911(P2010−209911)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【分割の表示】特願2008−77474(P2008−77474)の分割
【原出願日】平成15年9月30日(2003.9.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】