携帯端末装置
【課題】外部から入力される外部情報よりユーザの感情を読み取って、その場に合った待受画像を自動的に設定することが可能な携帯端末装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の携帯端末装置100は、複数の待受画像が所定の感情と関連付けられて記憶された記憶部104と、複数の待受画像のいずれかを表示する表示部126と、外部から入力される外部情報を取得する外部情報取得部110と、外部情報と照合可能な参照情報と、これに対応する感情とを関連付けて記憶する感情データテーブル108と、外部情報が参照情報に該当するか否かの照合を行い、該照合の結果に基づいてユーザの感情値を判定する感情判定部128と、表示部126に表示される待受画像を感情値に基づいて選択する画像選択部130とを備えることを特徴とする。
【解決手段】 本発明の携帯端末装置100は、複数の待受画像が所定の感情と関連付けられて記憶された記憶部104と、複数の待受画像のいずれかを表示する表示部126と、外部から入力される外部情報を取得する外部情報取得部110と、外部情報と照合可能な参照情報と、これに対応する感情とを関連付けて記憶する感情データテーブル108と、外部情報が参照情報に該当するか否かの照合を行い、該照合の結果に基づいてユーザの感情値を判定する感情判定部128と、表示部126に表示される待受画像を感情値に基づいて選択する画像選択部130とを備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話やPHSなどの携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やPHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置は、一般に、ユーザ自身によって各種設定をカスタマイズできるように構成されている。例えば、非操作時に表示される待受画像(壁紙)や着信音、付属や別売りのパネル等で外装もアレンジ可能となっている。
【0003】
上記待受画像は、従来、ユーザ自身の手動操作によって設定されるか、特定のフォルダに保存された画像よりランダムに設定されていた。その一方で、昨今、メールなどの文書中に含まれる単語の感情表現からユーザの感情を自動的に判定し、その感情をアイコン等で表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−230011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記待受画像を手動操作によって設定させる場合には、ユーザが煩わしさを感じてしまうおそれがある。一方、端末がランダムに待受画像を設定する場合には、ユーザの好みに合った画像が表示されないおそれがある。
【0006】
特許文献1に記載の技術では文字情報からしかユーザの感情を判定できず、文書以外にもユーザが入力する多様な情報に対応しきれていない。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、ユーザに対し好適な待受画像を自動的に設定することが可能な携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明にかかる携帯端末装置の代表的な構成は、複数の待受画像が所定の感情と関連付けられて記憶された記憶部と、複数の待受画像のいずれかを表示する表示部と、外部から入力される外部情報を取得する外部情報取得部と、外部情報と照合可能な参照情報と、これに対応する感情とを関連付けて記憶する感情データテーブルと、外部情報が参照情報に該当するか否かの照合を行い、この照合の結果に基づいてユーザの感情値を判定する感情判定部と、表示部に表示される待受画像を感情値に基づいて選択する画像選択部とを備えることを特徴とする。
【0009】
かかる構成によれば、外部から入力される外部情報よりユーザの感情値を判定して、ユーザの感情にふさわしいと考えられる待受画像を自動的に設定することができる。これより、違和感を与えることなく、ユーザに楽しさや新鮮さを味わわせることができる。
【0010】
上記感情データテーブルは参照情報として特定の事物を記憶し、外部情報取得部は、被写体を撮像した撮像画像を外部情報として取得する撮像部を含み、感情判定部が、撮像画像の画像解析により特定の事物との照合を行い、感情値を判定するとよい。
【0011】
かかる構成では、撮像画像に含まれる事物に基づき、ユーザの感情値を判定して待受画像を設定することができる。これにより、適宜、ユーザに対し好適な待受画像を表示することが可能となる。
【0012】
上記感情データテーブルは参照情報として特定のキーワードを記憶し、外部情報取得部は、音声を外部情報として取得する音声入力部を含み、感情判定部が、音声の音声認識により特定のキーワードとの照合を行い、感情値を判定するとよい。
【0013】
かかる構成では、音声に含まれるキーワードに基づき、ユーザの感情値を判定して待受画像を設定することができる。これにより、適宜、ユーザに対し好適な待受画像を表示することが可能となる。
【0014】
上記感情データテーブルは参照情報として特定の加速度範囲を記憶し、外部情報取得部は、当該携帯端末装置の加速度を外部情報として取得する加速度センサを含むとよい。
【0015】
かかる構成によれば、加速度センサが検知する加速度に基づき、ユーザの感情値を判定して待受画像を設定することができる。これにより、適宜、ユーザに対し好適な待受画像を表示することが可能となる。
【0016】
上記感情データテーブルは参照情報として特定の位置情報を記憶し、外部情報取得部は、当該携帯端末装置の位置情報を外部情報として取得する位置情報取得部を含むとよい。
【0017】
かかる構成によれば、位置情報取得部が取得する位置情報に基づき、ユーザの感情値を判定して待受画像を設定することができる。これにより、適宜、ユーザに対し好適な待受画像を表示することが可能となる。
【0018】
上記感情データテーブルには、参照情報ごとに感情パラメータが記憶されていて、感情判定部は、照合の結果、外部情報に含まれる参照情報との一致要素すべての感情パラメータを抽出し、この感情パラメータを演算することにより感情値を判定するとよい。
【0019】
かかる構成によれば、感情値を高精度で判定することが可能である。これより、ユーザに対し表示する待受画像のミスマッチを低減することができる。
【0020】
当該携帯端末装置は、所定の時間ごとに上記画像選択部に待受画像を切り替えさせるタイマ部をさらに備えるとよい。
【0021】
かかる構成によれば、所定の時間ごとに待受画像を切り替えることができるため、ユーザの飽きを防ぐことができる。
【0022】
当該携帯端末装置は、上記待受画像を消去または他の待受画像に切替可能なリセットスイッチをさらに備えるとよい。
【0023】
かかる構成によれば、ユーザの好みに合わなかったり、他人に見られたくなかったりする待受画像が表示されたとしても、この画像を消去または他の画像に切り替えることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、外部から入力される外部情報よりユーザの感情を読み取って、その場に合った待受画像を自動的に設定することが可能な携帯端末装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態にかかる携帯端末装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1の携帯端末装置の外観図である。
【図3】図1の感情データテーブルを例示する図である。
【図4】図1の感情データテーブルを例示する図である。
【図5】図1の携帯端末装置の画像解析モードの一例を示す図である。
【図6】図1の携帯端末装置の画像解析モードの自他識別態様を例示する図である。
【図7】図1の携帯端末装置の音声認識モードの一例を示す図である。
【図8】図1の携帯端末装置の音声認識モードの一例を示す図である。
【図9】図1の携帯端末装置の音声認識モードの補正態様を例示する図である。
【図10】図1の携帯端末装置のお出掛けモードの一例を示す図である。
【図11】図1の携帯端末装置の現在地モードの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。係る実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また、本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0027】
[概略構成]
図1は、本実施形態にかかる携帯端末装置100の概略構成を示す機能ブロック図である。また、図2は、図1の携帯端末装置100の外観図である。図2(a)は携帯端末装置100の正面図であり、図2(b)は携帯端末装置100の背面図である。まず、図1および図2を参照しながら、携帯端末装置100の各部構成について説明する。
【0028】
制御部102は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路により端末全体を管理および制御する。具体的には、記憶部104に記憶されたプログラム(アプリケーション)を動作させて、所定の機能を実施する。
【0029】
本実施形態において、制御部102は、画像解析モード(自他認識態様)、音声認識モード(補正態様)、お出掛けモード、現在地モードを遂行する。これらモードの詳細については、後ほど説明する。
【0030】
記憶部104は、ROM、RAM、EEPROM、不揮発性RAM、フラッシュメモリなどで構成され、端末に搭載される各種プログラム(アプリケーション)等を記憶する。
【0031】
記憶部104には、待受画像格納部106および感情データテーブル108が設けられる。待受画像格納部106には、複数の待受画像(壁紙)が格納される。また、待受画像格納部106は、待受画像フォルダ106aを有する。
【0032】
本実施形態において、待受画像フォルダ106aには、待受画像格納部106に格納されている待受画像の一部が、ユーザによって、少なくとも「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「一般」に分類されて格納されている。特に、以下では、「喜」としてスマイル待受126b(図5)、「哀」として泣き待受126e(図8)および応援待受126f(図9)、「楽」としてサッカー待受126d(図7)、「一般」として猫待受126g(図10)および金閣寺待受126h(図11)を例に挙げて説明する。
【0033】
図3および図4は、図1の感情データテーブル108を例示する図である。図3(a)は、感情データテーブル108に記憶された特定の事物を例示する図であり、図3(b)は、感情データテーブル108に記憶された特定のキーワードを例示する図であり、図3(c)は、感情データテーブル108に記憶された特定の加速度範囲を例示する図であり、図3(d)は、感情データテーブル108に記憶された特定の位置情報を例示する図である。
【0034】
図3(a)〜(d)に例示するように、感情データテーブル108には、特定の事物、特定のキーワード、特定の加速度範囲、特定の位置情報等の参照情報が、それぞれ、所定の感情に関連付けられて記憶されている。例えば「ライオン」という事物は「怒」という感情に分類されている。これは、事物「ライオン」には喜怒哀楽の感情が含まれているが、感情「怒」がその他の感情「喜」「哀」「楽」「一般」に比較して最も多い割合で含まれていることを意味している。これら感情の含まれる割合を感情パラメータと呼ぶ。ここでは、理解を容易にするために、参照情報を「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「一般」の5つの感情に分類して説明するが、実際にはさらに多数の感情に分類してよい。
【0035】
図4は図3の分類をさらに詳細に示す図である。図4(a)は、感情データテーブル108に記憶された特定の事物ごとの感情パラメータを例示する図であり、図4(b)は、感情データテーブル108に記憶された特定のキーワードごとの感情パラメータを例示する図である。
【0036】
図4(a)および(b)に例示するように、感情データテーブル108に記憶された参照情報にはそれぞれ感情パラメータが設定される。例えば、ここでは、犬を「喜:1」、「怒:0」、「哀:0」、「楽:0」、「一般:0」とし、ライオンを「喜:0」、「怒:0.7」、「哀:0」、「楽:0.1」、「一般:0.2」とし、うれしいを「喜:1」、「怒:0」、「哀:0」、「楽:0」、「一般:0」とする。
【0037】
再び図1および図2を参照する。外部情報取得部110は、外部から入力される外部情報を取得する。ここでは、外部情報とは、テキスト情報、被写体を撮像した撮像画像、音声、携帯端末装置100の加速度、携帯端末装置100の位置情報を言う。外部情報取得部110は、テキスト情報を取得する操作部112、撮像画像を取得する撮像部114、加速度を取得する加速度センサ116、位置情報を取得する無線通信部118、位置情報取得部120および音声を取得する音声入力部122を含んで構成される。
【0038】
操作部112は、キーボード、十字キー、ジョイスティック、タッチパネル等で構成され、ユーザの操作入力を受け付ける。操作部112の操作により、感情データテーブル108を追加、更新可能としてもよい。
【0039】
撮像部114は、ハードウェアとしてのインカメラユニット(以下インカメラ114aと称する)およびアウトカメラユニット(以下アウトカメラ114bと称する)であって、レンズや受光素子(CCDやCMOSなど)を備えている。
【0040】
使用者は、操作部112を操作して、撮像部114により被写体を撮像することができる。撮像部114は制御部102の制御の下で撮像を行うことも可能である。例えば、制御部102は、撮像部114のシャッター速度やオートフォーカス、自動露出や自動ホワイトバランスなどの動作制御を行うことができる。
【0041】
加速度センサ116は、3軸加速度センサであって、XYZ軸の3方向の加速度を検知する。これにより、地球の重力加速度を計測して端末の傾き(姿勢)を検出することも可能である。
【0042】
無線通信部118は、アンテナ118aを介して、CDMAやWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の無線通信方式にて基地局118bとの無線通信を確立し、通信相手との音声通信やWebサーバとのデータ通信を遂行する。
【0043】
位置情報取得部120は、3〜5個のGPS衛星120aからの信号を受信して、端末の経緯度(位置情報)を取得する。なお、位置情報取得部120は、基地局118bに対して現在の位置情報を要求し、位置情報を取得するようにしてもよい。
【0044】
音声入力部122は、マイク等の音声認識手段で構成され、入力されたユーザの音声を端末内で処理可能な電気信号に変換する。
【0045】
音声出力部124は、スピーカ等で構成され、受信した通話相手の音声信号を音声に変えて出力する。また、音声出力部124は、着信音や、操作部112の操作音、アラーム音等も出力可能である。
【0046】
表示部126は、液晶ディスプレイ、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等とそのコントローラで構成され、アプリケーションの動作画面や、通信相手の電話番号、アドレス帳などを表示することができる。また、表示部126には、操作部112の非操作時等に、待受画像格納部106に格納されたいずれかの待受画像が表示される。
【0047】
図2では、待受画像としてバブル待受126aを表示している。以下理解を容易にするために、携帯端末装置100では、当初待受画像としてバブル待受126aが表示部126に表示されているものとする。
【0048】
感情判定部128は、外部情報取得部110が取得した外部情報が、感情データテーブル108に記憶された参照情報に該当するか否かの照合を行う。そして、照合の結果、外部情報に含まれる参照情報との一致要素全ての感情パラメータを抽出し、この感情パラメータを演算することにより感情値を判定する。
【0049】
画像選択部130は、感情判定部128が判定した感情値に基づいて、表示部126に表示される待受画像を待受画像フォルダ106aの中から選択する。格納された待受画像のうち自動で設定されるものは、ユーザが待受画像フォルダ106aに保存したものだけであるため、プライバシーの確保が図られる。
【0050】
タイマ部132は、所定の時間ごとに画像選択部130に待受画像を切り替えさせる。これにより、ユーザの待受画像の飽きを防止する。
【0051】
リセットスイッチ134は、ユーザによる押圧を検知して、制御部102へと信号を発し現在の待受画像を消去または他の待受画像へと切り替えさせる。これにより、ユーザの好みに合わなかったり、他人に見られたくなかったりする待受画像が表示されたとしても、この画像を消去または他の画像に切り替えることができる。
【0052】
[画像解析モード]
図5は、携帯端末装置100の画像解析モードの一例を示す図である。図5(a)は被写体として犬140aと朝日140cを撮像する状態を例示する図であり、図5(b)は図5(a)の携帯端末装置100を例示する図であり、図5(c)は図5(a)の撮像後の表示部126に表示される待受画像を例示する図である。
【0053】
画像解析モードでは、撮像部114が撮像した撮像画像に基づき、画像選択部130が自動で待受画像を設定する。
【0054】
図5(a)および(b)に例示するように、犬140aと朝日140cをアウトカメラ114bで撮像すると、感情判定部128は、撮像画像に感情データテーブル108に記憶された特定の事物が含まれているかどうか画像解析する。
【0055】
感情判定部128は、画像解析(照合)の結果、一致要素である犬140aと朝日140cの感情パラメータを抽出し、この感情パラメータをスカラー量またはベクトル量として演算して感情値を判定する。ここで、犬140aの感情パラメータは「喜:1」、「怒:0」、「哀:0」、「楽:0」、「一般:0」であり、朝日140cの感情パラメータは「喜:0.8」、「怒:0」、「哀:0」、「楽:0.2」、「一般:0」である(図4(a)参照)。
【0056】
スカラー量として演算する場合には、「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「一般」のそれぞれの数値を、「喜:1+0.8」、「怒:0+0」、「哀:0+0」、「楽:0+0.2」、「一般:0+0」のように積算する。ベクトル量として演算する場合には、犬140aのベクトル(1,0,0,0,0)と朝日140cのベクトル(0.8,0,0,0.2,0)を合成し、合成ベクトル(1.8,0,0,0.2,0)を求める。
【0057】
画像選択部130は、上記の感情値に基づき、待受画像フォルダ106aに格納されている複数の待受画像の中から、表示部126に表示される新たな待受画像を選択する。
【0058】
感情判定部128がスカラー量で演算を行った場合には、画像選択部130は「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「一般」のうち、最も数値が高い感情の待受画像を選択する。感情判定部128がベクトル量で演算を行った場合には、画像選択部130は予めベクトル空間上に割り当てられた「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「一般」の分布域のいずれに合成ベクトルが該当するかを判断して、その該当する感情の待受画像を選択する。
【0059】
上記では、犬140aと朝日140cがともに「喜」の感情を表す特定の事物であるため、「喜」の待受画像が選択される。すなわち、図5(c)に例示するように、ユーザが撮像部114の動作画面を終了させると、待受画像として以前に設定されていたバブル待受126aではなく、「喜」の待受画像としてスマイル待受126bが表示される。これより、違和感を与えることなく、ユーザに楽しさや新鮮さを味わわせることができる。
【0060】
(自他識別態様)
図6は、携帯端末装置100の画像解析モードの自他識別態様を例示する図である。図6(a)はインカメラ114aによって被写体としてユーザ140b自身を撮像する状態を例示する図であり、図6(b)は図6(a)の撮像後の表示部126に表示される待受画像を例示する図である。
【0061】
インカメラ114aを用いて、撮像を実施する場合には、ユーザ140b自身を撮像することがほとんどであると想定される。そこで、インカメラ114aによって撮像が実施された場合には、画像選択部130が特定の待受画像(撮像確認画像126c)を表示部126に表示させるように構成してもよい。
【0062】
[音声認識モード]
図7および図8は、携帯端末装置100の音声認識モードの一例を示す図である。図7(a)は音声認識モード起動時にユーザ140bの音声が音声入力部122に入力された状態を例示する図であり、図7(b)は図7(a)の入力後に表示部126に表示される待受画像を例示する図である。
【0063】
音声認識モードでは、音声入力部122に入力された音声に基づき、画像選択部130が自動で待受画像を設定する。
【0064】
音声認識モード起動時にユーザ140bが音声入力部122に音声を入力すると、感情判定部128は、入力された音声に感情データテーブル108に記憶された特定のキーワードが含まれているかどうか音声解析する。ここでは、ユーザ140bが発した「楽しい」という音声に基づき、「楽」の感情値が判定される。
【0065】
画像選択部130は、上記「楽」の感情値に基づき、待受画像フォルダ106aに格納されている複数の待受画像の中から「楽」の画像を選択し、表示部126に表示される新たな待受画像として設定する。すなわち、「楽」の待受画像としてサッカー待受126dが表示される。
【0066】
図8(a)は音声認識モードにおいて通話中の音声を識別する状態を例示する図であり、図8(b)は図8(a)の後に表示部126に表示される待受画像を例示する図である。図8(a)および(b)に例示するように、通話中にユーザが発した音声に基づき待受画像を切り替え、通話を終了したユーザに視認させてもよい。ここでは、ユーザ140bが「送別会」と発しているので、表示部126には「哀」の画像である泣き待受126eが表示される。
【0067】
(補正態様)
図9は、携帯端末装置100の音声認識モードの補正態様を例示する図である。図9(a)は音声認識モード(補正態様)において通話中の音声を識別する状態を例示する図であり、図9(b)は図9(a)の後に表示部126に表示される待受画像を例示する図である。
【0068】
音声認識モードの補正態様として、ユーザ140bが発した音声に複数の「哀」のキーワードが含まれる場合には、画像選択部130は新たな待受画像としてユーザ140bを励ます応援待受126fを表示させるとよい。
【0069】
具体的には、感情判定部128による感情パラメータの演算の結果、「哀」の感情値が所定の閾値を超えた場合に、上記のように応援待受126fを表示させるようにすることができる。
【0070】
[お出掛けモード]
図10は、携帯端末装置100のお出掛けモードの一例を示す図である。図10(a)はお出掛けモード起動時にユーザ140bが自動車に搭乗している状態を例示する図であり、図10(b)は図10(a)の携帯端末装置100の表示部126に表示される待受画像を例示する図である。
【0071】
お出掛けモードでは、加速度センサ116が検知する加速度に基づき、画像選択部130が自動で待受画像を設定する。
【0072】
お出掛けモード起動時にユーザ140bが自動車や新幹線、飛行機に搭乗したりすると、感情判定部128は、加速度センサ116によって検知される加速度が感情データテーブル108に記憶された特定の加速度範囲かどうかを判定する。ここでは、加速度センサ116が加速度0.2Gを検知して、感情判定部128は「一般」の感情値を判定するものとする。
【0073】
画像選択部130は、上記「一般」の感情値に基づき、待受画像フォルダ106aに格納されている複数の待受画像の中から「一般」の画像を選択し、表示部126に表示される新たな待受画像として設定する。ここでは、「一般」の待受画像として猫待受126gが表示される。
【0074】
[現在地モード]
図11は、携帯端末装置100の現在地モードの一例を示す図である。図11(a)は、現在地モード起動時にユーザ140bが京都駅に到着した状態を例示する図であり、図11(b)は図11(a)の携帯端末装置100の表示部126に表示される待受画像を例示する図である。
【0075】
現在地モードでは、位置情報取得部120が取得する位置情報に基づき、画像選択部130が自動で待受画像を設定する。
【0076】
現在地モード起動時には、感情判定部128は、位置情報取得部120が取得する位置情報に感情データテーブル108に記憶された特定の位置情報が含まれているかどうか適宜確認する。ここでは、ユーザ140bが京都駅にいるので、感情判定部128は「一般」の感情値を判定する。
【0077】
画像選択部130は、上記「一般」の感情値に基づき、待受画像フォルダ106aに格納されている複数の待受画像の中から「一般」の画像を選択する。ここで、本実施形態では、画像選択部130はさらに位置情報に基づき、待受画像フォルダ106aをファイル名検索し、その場所に合った一般の画像を表示させる。ここでは、「一般」の待受画像として金閣寺待受126hが表示される。
【0078】
以上、上述した構成によれば、外部から入力される外部情報よりユーザの感情を読み取って、その場に合った待受画像を自動的に設定することができる。これより、違和感を与えることなく、ユーザに楽しさや新鮮さを味わわせることができる。
【0079】
なお、感情判定部128は、メールに含まれる絵文字やキーワードに基づき、感情値を判定してもよい。そして、画像選択部130がこの感情値に基づき、待受画像を選択してもよい。
【0080】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、携帯電話やPHSなどの携帯端末装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0082】
100…携帯端末装置、102…制御部、104…記憶部、106…待受画像格納部、106a…待受画像フォルダ、108…感情データテーブル、110…外部情報取得部、112…操作部、114…撮像部、114a…インカメラ、114b…アウトカメラ、116…加速度センサ、118…無線通信部、118a…アンテナ、118b…基地局、120…位置情報取得部、120a…GPS衛星、122…音声入力部、124…音声出力部、126…表示部、126a…バブル待受、126b…スマイル待受、126c…撮像確認画像、126d…サッカー待受、126e…泣き待受、126f…応援待受、126g…猫待受、126h…金閣寺待受、128…感情判定部、130…画像選択部、132…タイマ部、140a…犬、140b…ユーザ、140c…朝日
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話やPHSなどの携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やPHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置は、一般に、ユーザ自身によって各種設定をカスタマイズできるように構成されている。例えば、非操作時に表示される待受画像(壁紙)や着信音、付属や別売りのパネル等で外装もアレンジ可能となっている。
【0003】
上記待受画像は、従来、ユーザ自身の手動操作によって設定されるか、特定のフォルダに保存された画像よりランダムに設定されていた。その一方で、昨今、メールなどの文書中に含まれる単語の感情表現からユーザの感情を自動的に判定し、その感情をアイコン等で表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−230011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記待受画像を手動操作によって設定させる場合には、ユーザが煩わしさを感じてしまうおそれがある。一方、端末がランダムに待受画像を設定する場合には、ユーザの好みに合った画像が表示されないおそれがある。
【0006】
特許文献1に記載の技術では文字情報からしかユーザの感情を判定できず、文書以外にもユーザが入力する多様な情報に対応しきれていない。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、ユーザに対し好適な待受画像を自動的に設定することが可能な携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明にかかる携帯端末装置の代表的な構成は、複数の待受画像が所定の感情と関連付けられて記憶された記憶部と、複数の待受画像のいずれかを表示する表示部と、外部から入力される外部情報を取得する外部情報取得部と、外部情報と照合可能な参照情報と、これに対応する感情とを関連付けて記憶する感情データテーブルと、外部情報が参照情報に該当するか否かの照合を行い、この照合の結果に基づいてユーザの感情値を判定する感情判定部と、表示部に表示される待受画像を感情値に基づいて選択する画像選択部とを備えることを特徴とする。
【0009】
かかる構成によれば、外部から入力される外部情報よりユーザの感情値を判定して、ユーザの感情にふさわしいと考えられる待受画像を自動的に設定することができる。これより、違和感を与えることなく、ユーザに楽しさや新鮮さを味わわせることができる。
【0010】
上記感情データテーブルは参照情報として特定の事物を記憶し、外部情報取得部は、被写体を撮像した撮像画像を外部情報として取得する撮像部を含み、感情判定部が、撮像画像の画像解析により特定の事物との照合を行い、感情値を判定するとよい。
【0011】
かかる構成では、撮像画像に含まれる事物に基づき、ユーザの感情値を判定して待受画像を設定することができる。これにより、適宜、ユーザに対し好適な待受画像を表示することが可能となる。
【0012】
上記感情データテーブルは参照情報として特定のキーワードを記憶し、外部情報取得部は、音声を外部情報として取得する音声入力部を含み、感情判定部が、音声の音声認識により特定のキーワードとの照合を行い、感情値を判定するとよい。
【0013】
かかる構成では、音声に含まれるキーワードに基づき、ユーザの感情値を判定して待受画像を設定することができる。これにより、適宜、ユーザに対し好適な待受画像を表示することが可能となる。
【0014】
上記感情データテーブルは参照情報として特定の加速度範囲を記憶し、外部情報取得部は、当該携帯端末装置の加速度を外部情報として取得する加速度センサを含むとよい。
【0015】
かかる構成によれば、加速度センサが検知する加速度に基づき、ユーザの感情値を判定して待受画像を設定することができる。これにより、適宜、ユーザに対し好適な待受画像を表示することが可能となる。
【0016】
上記感情データテーブルは参照情報として特定の位置情報を記憶し、外部情報取得部は、当該携帯端末装置の位置情報を外部情報として取得する位置情報取得部を含むとよい。
【0017】
かかる構成によれば、位置情報取得部が取得する位置情報に基づき、ユーザの感情値を判定して待受画像を設定することができる。これにより、適宜、ユーザに対し好適な待受画像を表示することが可能となる。
【0018】
上記感情データテーブルには、参照情報ごとに感情パラメータが記憶されていて、感情判定部は、照合の結果、外部情報に含まれる参照情報との一致要素すべての感情パラメータを抽出し、この感情パラメータを演算することにより感情値を判定するとよい。
【0019】
かかる構成によれば、感情値を高精度で判定することが可能である。これより、ユーザに対し表示する待受画像のミスマッチを低減することができる。
【0020】
当該携帯端末装置は、所定の時間ごとに上記画像選択部に待受画像を切り替えさせるタイマ部をさらに備えるとよい。
【0021】
かかる構成によれば、所定の時間ごとに待受画像を切り替えることができるため、ユーザの飽きを防ぐことができる。
【0022】
当該携帯端末装置は、上記待受画像を消去または他の待受画像に切替可能なリセットスイッチをさらに備えるとよい。
【0023】
かかる構成によれば、ユーザの好みに合わなかったり、他人に見られたくなかったりする待受画像が表示されたとしても、この画像を消去または他の画像に切り替えることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、外部から入力される外部情報よりユーザの感情を読み取って、その場に合った待受画像を自動的に設定することが可能な携帯端末装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態にかかる携帯端末装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1の携帯端末装置の外観図である。
【図3】図1の感情データテーブルを例示する図である。
【図4】図1の感情データテーブルを例示する図である。
【図5】図1の携帯端末装置の画像解析モードの一例を示す図である。
【図6】図1の携帯端末装置の画像解析モードの自他識別態様を例示する図である。
【図7】図1の携帯端末装置の音声認識モードの一例を示す図である。
【図8】図1の携帯端末装置の音声認識モードの一例を示す図である。
【図9】図1の携帯端末装置の音声認識モードの補正態様を例示する図である。
【図10】図1の携帯端末装置のお出掛けモードの一例を示す図である。
【図11】図1の携帯端末装置の現在地モードの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。係る実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また、本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0027】
[概略構成]
図1は、本実施形態にかかる携帯端末装置100の概略構成を示す機能ブロック図である。また、図2は、図1の携帯端末装置100の外観図である。図2(a)は携帯端末装置100の正面図であり、図2(b)は携帯端末装置100の背面図である。まず、図1および図2を参照しながら、携帯端末装置100の各部構成について説明する。
【0028】
制御部102は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路により端末全体を管理および制御する。具体的には、記憶部104に記憶されたプログラム(アプリケーション)を動作させて、所定の機能を実施する。
【0029】
本実施形態において、制御部102は、画像解析モード(自他認識態様)、音声認識モード(補正態様)、お出掛けモード、現在地モードを遂行する。これらモードの詳細については、後ほど説明する。
【0030】
記憶部104は、ROM、RAM、EEPROM、不揮発性RAM、フラッシュメモリなどで構成され、端末に搭載される各種プログラム(アプリケーション)等を記憶する。
【0031】
記憶部104には、待受画像格納部106および感情データテーブル108が設けられる。待受画像格納部106には、複数の待受画像(壁紙)が格納される。また、待受画像格納部106は、待受画像フォルダ106aを有する。
【0032】
本実施形態において、待受画像フォルダ106aには、待受画像格納部106に格納されている待受画像の一部が、ユーザによって、少なくとも「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「一般」に分類されて格納されている。特に、以下では、「喜」としてスマイル待受126b(図5)、「哀」として泣き待受126e(図8)および応援待受126f(図9)、「楽」としてサッカー待受126d(図7)、「一般」として猫待受126g(図10)および金閣寺待受126h(図11)を例に挙げて説明する。
【0033】
図3および図4は、図1の感情データテーブル108を例示する図である。図3(a)は、感情データテーブル108に記憶された特定の事物を例示する図であり、図3(b)は、感情データテーブル108に記憶された特定のキーワードを例示する図であり、図3(c)は、感情データテーブル108に記憶された特定の加速度範囲を例示する図であり、図3(d)は、感情データテーブル108に記憶された特定の位置情報を例示する図である。
【0034】
図3(a)〜(d)に例示するように、感情データテーブル108には、特定の事物、特定のキーワード、特定の加速度範囲、特定の位置情報等の参照情報が、それぞれ、所定の感情に関連付けられて記憶されている。例えば「ライオン」という事物は「怒」という感情に分類されている。これは、事物「ライオン」には喜怒哀楽の感情が含まれているが、感情「怒」がその他の感情「喜」「哀」「楽」「一般」に比較して最も多い割合で含まれていることを意味している。これら感情の含まれる割合を感情パラメータと呼ぶ。ここでは、理解を容易にするために、参照情報を「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「一般」の5つの感情に分類して説明するが、実際にはさらに多数の感情に分類してよい。
【0035】
図4は図3の分類をさらに詳細に示す図である。図4(a)は、感情データテーブル108に記憶された特定の事物ごとの感情パラメータを例示する図であり、図4(b)は、感情データテーブル108に記憶された特定のキーワードごとの感情パラメータを例示する図である。
【0036】
図4(a)および(b)に例示するように、感情データテーブル108に記憶された参照情報にはそれぞれ感情パラメータが設定される。例えば、ここでは、犬を「喜:1」、「怒:0」、「哀:0」、「楽:0」、「一般:0」とし、ライオンを「喜:0」、「怒:0.7」、「哀:0」、「楽:0.1」、「一般:0.2」とし、うれしいを「喜:1」、「怒:0」、「哀:0」、「楽:0」、「一般:0」とする。
【0037】
再び図1および図2を参照する。外部情報取得部110は、外部から入力される外部情報を取得する。ここでは、外部情報とは、テキスト情報、被写体を撮像した撮像画像、音声、携帯端末装置100の加速度、携帯端末装置100の位置情報を言う。外部情報取得部110は、テキスト情報を取得する操作部112、撮像画像を取得する撮像部114、加速度を取得する加速度センサ116、位置情報を取得する無線通信部118、位置情報取得部120および音声を取得する音声入力部122を含んで構成される。
【0038】
操作部112は、キーボード、十字キー、ジョイスティック、タッチパネル等で構成され、ユーザの操作入力を受け付ける。操作部112の操作により、感情データテーブル108を追加、更新可能としてもよい。
【0039】
撮像部114は、ハードウェアとしてのインカメラユニット(以下インカメラ114aと称する)およびアウトカメラユニット(以下アウトカメラ114bと称する)であって、レンズや受光素子(CCDやCMOSなど)を備えている。
【0040】
使用者は、操作部112を操作して、撮像部114により被写体を撮像することができる。撮像部114は制御部102の制御の下で撮像を行うことも可能である。例えば、制御部102は、撮像部114のシャッター速度やオートフォーカス、自動露出や自動ホワイトバランスなどの動作制御を行うことができる。
【0041】
加速度センサ116は、3軸加速度センサであって、XYZ軸の3方向の加速度を検知する。これにより、地球の重力加速度を計測して端末の傾き(姿勢)を検出することも可能である。
【0042】
無線通信部118は、アンテナ118aを介して、CDMAやWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の無線通信方式にて基地局118bとの無線通信を確立し、通信相手との音声通信やWebサーバとのデータ通信を遂行する。
【0043】
位置情報取得部120は、3〜5個のGPS衛星120aからの信号を受信して、端末の経緯度(位置情報)を取得する。なお、位置情報取得部120は、基地局118bに対して現在の位置情報を要求し、位置情報を取得するようにしてもよい。
【0044】
音声入力部122は、マイク等の音声認識手段で構成され、入力されたユーザの音声を端末内で処理可能な電気信号に変換する。
【0045】
音声出力部124は、スピーカ等で構成され、受信した通話相手の音声信号を音声に変えて出力する。また、音声出力部124は、着信音や、操作部112の操作音、アラーム音等も出力可能である。
【0046】
表示部126は、液晶ディスプレイ、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等とそのコントローラで構成され、アプリケーションの動作画面や、通信相手の電話番号、アドレス帳などを表示することができる。また、表示部126には、操作部112の非操作時等に、待受画像格納部106に格納されたいずれかの待受画像が表示される。
【0047】
図2では、待受画像としてバブル待受126aを表示している。以下理解を容易にするために、携帯端末装置100では、当初待受画像としてバブル待受126aが表示部126に表示されているものとする。
【0048】
感情判定部128は、外部情報取得部110が取得した外部情報が、感情データテーブル108に記憶された参照情報に該当するか否かの照合を行う。そして、照合の結果、外部情報に含まれる参照情報との一致要素全ての感情パラメータを抽出し、この感情パラメータを演算することにより感情値を判定する。
【0049】
画像選択部130は、感情判定部128が判定した感情値に基づいて、表示部126に表示される待受画像を待受画像フォルダ106aの中から選択する。格納された待受画像のうち自動で設定されるものは、ユーザが待受画像フォルダ106aに保存したものだけであるため、プライバシーの確保が図られる。
【0050】
タイマ部132は、所定の時間ごとに画像選択部130に待受画像を切り替えさせる。これにより、ユーザの待受画像の飽きを防止する。
【0051】
リセットスイッチ134は、ユーザによる押圧を検知して、制御部102へと信号を発し現在の待受画像を消去または他の待受画像へと切り替えさせる。これにより、ユーザの好みに合わなかったり、他人に見られたくなかったりする待受画像が表示されたとしても、この画像を消去または他の画像に切り替えることができる。
【0052】
[画像解析モード]
図5は、携帯端末装置100の画像解析モードの一例を示す図である。図5(a)は被写体として犬140aと朝日140cを撮像する状態を例示する図であり、図5(b)は図5(a)の携帯端末装置100を例示する図であり、図5(c)は図5(a)の撮像後の表示部126に表示される待受画像を例示する図である。
【0053】
画像解析モードでは、撮像部114が撮像した撮像画像に基づき、画像選択部130が自動で待受画像を設定する。
【0054】
図5(a)および(b)に例示するように、犬140aと朝日140cをアウトカメラ114bで撮像すると、感情判定部128は、撮像画像に感情データテーブル108に記憶された特定の事物が含まれているかどうか画像解析する。
【0055】
感情判定部128は、画像解析(照合)の結果、一致要素である犬140aと朝日140cの感情パラメータを抽出し、この感情パラメータをスカラー量またはベクトル量として演算して感情値を判定する。ここで、犬140aの感情パラメータは「喜:1」、「怒:0」、「哀:0」、「楽:0」、「一般:0」であり、朝日140cの感情パラメータは「喜:0.8」、「怒:0」、「哀:0」、「楽:0.2」、「一般:0」である(図4(a)参照)。
【0056】
スカラー量として演算する場合には、「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「一般」のそれぞれの数値を、「喜:1+0.8」、「怒:0+0」、「哀:0+0」、「楽:0+0.2」、「一般:0+0」のように積算する。ベクトル量として演算する場合には、犬140aのベクトル(1,0,0,0,0)と朝日140cのベクトル(0.8,0,0,0.2,0)を合成し、合成ベクトル(1.8,0,0,0.2,0)を求める。
【0057】
画像選択部130は、上記の感情値に基づき、待受画像フォルダ106aに格納されている複数の待受画像の中から、表示部126に表示される新たな待受画像を選択する。
【0058】
感情判定部128がスカラー量で演算を行った場合には、画像選択部130は「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「一般」のうち、最も数値が高い感情の待受画像を選択する。感情判定部128がベクトル量で演算を行った場合には、画像選択部130は予めベクトル空間上に割り当てられた「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「一般」の分布域のいずれに合成ベクトルが該当するかを判断して、その該当する感情の待受画像を選択する。
【0059】
上記では、犬140aと朝日140cがともに「喜」の感情を表す特定の事物であるため、「喜」の待受画像が選択される。すなわち、図5(c)に例示するように、ユーザが撮像部114の動作画面を終了させると、待受画像として以前に設定されていたバブル待受126aではなく、「喜」の待受画像としてスマイル待受126bが表示される。これより、違和感を与えることなく、ユーザに楽しさや新鮮さを味わわせることができる。
【0060】
(自他識別態様)
図6は、携帯端末装置100の画像解析モードの自他識別態様を例示する図である。図6(a)はインカメラ114aによって被写体としてユーザ140b自身を撮像する状態を例示する図であり、図6(b)は図6(a)の撮像後の表示部126に表示される待受画像を例示する図である。
【0061】
インカメラ114aを用いて、撮像を実施する場合には、ユーザ140b自身を撮像することがほとんどであると想定される。そこで、インカメラ114aによって撮像が実施された場合には、画像選択部130が特定の待受画像(撮像確認画像126c)を表示部126に表示させるように構成してもよい。
【0062】
[音声認識モード]
図7および図8は、携帯端末装置100の音声認識モードの一例を示す図である。図7(a)は音声認識モード起動時にユーザ140bの音声が音声入力部122に入力された状態を例示する図であり、図7(b)は図7(a)の入力後に表示部126に表示される待受画像を例示する図である。
【0063】
音声認識モードでは、音声入力部122に入力された音声に基づき、画像選択部130が自動で待受画像を設定する。
【0064】
音声認識モード起動時にユーザ140bが音声入力部122に音声を入力すると、感情判定部128は、入力された音声に感情データテーブル108に記憶された特定のキーワードが含まれているかどうか音声解析する。ここでは、ユーザ140bが発した「楽しい」という音声に基づき、「楽」の感情値が判定される。
【0065】
画像選択部130は、上記「楽」の感情値に基づき、待受画像フォルダ106aに格納されている複数の待受画像の中から「楽」の画像を選択し、表示部126に表示される新たな待受画像として設定する。すなわち、「楽」の待受画像としてサッカー待受126dが表示される。
【0066】
図8(a)は音声認識モードにおいて通話中の音声を識別する状態を例示する図であり、図8(b)は図8(a)の後に表示部126に表示される待受画像を例示する図である。図8(a)および(b)に例示するように、通話中にユーザが発した音声に基づき待受画像を切り替え、通話を終了したユーザに視認させてもよい。ここでは、ユーザ140bが「送別会」と発しているので、表示部126には「哀」の画像である泣き待受126eが表示される。
【0067】
(補正態様)
図9は、携帯端末装置100の音声認識モードの補正態様を例示する図である。図9(a)は音声認識モード(補正態様)において通話中の音声を識別する状態を例示する図であり、図9(b)は図9(a)の後に表示部126に表示される待受画像を例示する図である。
【0068】
音声認識モードの補正態様として、ユーザ140bが発した音声に複数の「哀」のキーワードが含まれる場合には、画像選択部130は新たな待受画像としてユーザ140bを励ます応援待受126fを表示させるとよい。
【0069】
具体的には、感情判定部128による感情パラメータの演算の結果、「哀」の感情値が所定の閾値を超えた場合に、上記のように応援待受126fを表示させるようにすることができる。
【0070】
[お出掛けモード]
図10は、携帯端末装置100のお出掛けモードの一例を示す図である。図10(a)はお出掛けモード起動時にユーザ140bが自動車に搭乗している状態を例示する図であり、図10(b)は図10(a)の携帯端末装置100の表示部126に表示される待受画像を例示する図である。
【0071】
お出掛けモードでは、加速度センサ116が検知する加速度に基づき、画像選択部130が自動で待受画像を設定する。
【0072】
お出掛けモード起動時にユーザ140bが自動車や新幹線、飛行機に搭乗したりすると、感情判定部128は、加速度センサ116によって検知される加速度が感情データテーブル108に記憶された特定の加速度範囲かどうかを判定する。ここでは、加速度センサ116が加速度0.2Gを検知して、感情判定部128は「一般」の感情値を判定するものとする。
【0073】
画像選択部130は、上記「一般」の感情値に基づき、待受画像フォルダ106aに格納されている複数の待受画像の中から「一般」の画像を選択し、表示部126に表示される新たな待受画像として設定する。ここでは、「一般」の待受画像として猫待受126gが表示される。
【0074】
[現在地モード]
図11は、携帯端末装置100の現在地モードの一例を示す図である。図11(a)は、現在地モード起動時にユーザ140bが京都駅に到着した状態を例示する図であり、図11(b)は図11(a)の携帯端末装置100の表示部126に表示される待受画像を例示する図である。
【0075】
現在地モードでは、位置情報取得部120が取得する位置情報に基づき、画像選択部130が自動で待受画像を設定する。
【0076】
現在地モード起動時には、感情判定部128は、位置情報取得部120が取得する位置情報に感情データテーブル108に記憶された特定の位置情報が含まれているかどうか適宜確認する。ここでは、ユーザ140bが京都駅にいるので、感情判定部128は「一般」の感情値を判定する。
【0077】
画像選択部130は、上記「一般」の感情値に基づき、待受画像フォルダ106aに格納されている複数の待受画像の中から「一般」の画像を選択する。ここで、本実施形態では、画像選択部130はさらに位置情報に基づき、待受画像フォルダ106aをファイル名検索し、その場所に合った一般の画像を表示させる。ここでは、「一般」の待受画像として金閣寺待受126hが表示される。
【0078】
以上、上述した構成によれば、外部から入力される外部情報よりユーザの感情を読み取って、その場に合った待受画像を自動的に設定することができる。これより、違和感を与えることなく、ユーザに楽しさや新鮮さを味わわせることができる。
【0079】
なお、感情判定部128は、メールに含まれる絵文字やキーワードに基づき、感情値を判定してもよい。そして、画像選択部130がこの感情値に基づき、待受画像を選択してもよい。
【0080】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、携帯電話やPHSなどの携帯端末装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0082】
100…携帯端末装置、102…制御部、104…記憶部、106…待受画像格納部、106a…待受画像フォルダ、108…感情データテーブル、110…外部情報取得部、112…操作部、114…撮像部、114a…インカメラ、114b…アウトカメラ、116…加速度センサ、118…無線通信部、118a…アンテナ、118b…基地局、120…位置情報取得部、120a…GPS衛星、122…音声入力部、124…音声出力部、126…表示部、126a…バブル待受、126b…スマイル待受、126c…撮像確認画像、126d…サッカー待受、126e…泣き待受、126f…応援待受、126g…猫待受、126h…金閣寺待受、128…感情判定部、130…画像選択部、132…タイマ部、140a…犬、140b…ユーザ、140c…朝日
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の待受画像が所定の感情と関連付けられて記憶された記憶部と、
前記複数の待受画像のいずれかを表示する表示部と、
外部から入力される外部情報を取得する外部情報取得部と、
前記外部情報と照合可能な参照情報と、これに対応する感情とを関連付けて記憶する感情データテーブルと、
前記外部情報が前記参照情報に該当するか否かの照合を行い、該照合の結果に基づいてユーザの感情値を判定する感情判定部と、
前記表示部に表示される待受画像を前記感情値に基づいて選択する画像選択部と、
を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記感情データテーブルは前記参照情報として特定の事物を記憶し、
前記外部情報取得部は、被写体を撮像した撮像画像を前記外部情報として取得する撮像部を含み、
前記感情判定部が、前記撮像画像の画像解析により前記特定の事物との照合を行い、前記感情値を判定することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記感情データテーブルは前記参照情報として特定のキーワードを記憶し、
前記外部情報取得部は、音声を前記外部情報として取得する音声入力部を含み、
前記感情判定部が、前記音声の音声認識により前記特定のキーワードとの照合を行い、前記感情値を判定することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記感情データテーブルは前記参照情報として特定の加速度範囲を記憶し、
前記外部情報取得部は、当該携帯端末装置の加速度を前記外部情報として取得する加速度センサを含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記感情データテーブルは前記参照情報として特定の位置情報を記憶し、
前記外部情報取得部は、当該携帯端末装置の位置情報を前記外部情報として取得する位置情報取得部を含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記感情データテーブルには、前記参照情報ごとに感情パラメータが記憶されていて、
前記感情判定部は、前記照合の結果、前記外部情報に含まれる前記参照情報との一致要素すべての前記感情パラメータを抽出し、該感情パラメータを演算することにより前記感情値を判定することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
所定の時間ごとに前記画像選択部に前記待受画像を切り替えさせるタイマ部をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記待受画像を消去または他の待受画像に切替可能なリセットスイッチをさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項1】
複数の待受画像が所定の感情と関連付けられて記憶された記憶部と、
前記複数の待受画像のいずれかを表示する表示部と、
外部から入力される外部情報を取得する外部情報取得部と、
前記外部情報と照合可能な参照情報と、これに対応する感情とを関連付けて記憶する感情データテーブルと、
前記外部情報が前記参照情報に該当するか否かの照合を行い、該照合の結果に基づいてユーザの感情値を判定する感情判定部と、
前記表示部に表示される待受画像を前記感情値に基づいて選択する画像選択部と、
を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記感情データテーブルは前記参照情報として特定の事物を記憶し、
前記外部情報取得部は、被写体を撮像した撮像画像を前記外部情報として取得する撮像部を含み、
前記感情判定部が、前記撮像画像の画像解析により前記特定の事物との照合を行い、前記感情値を判定することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記感情データテーブルは前記参照情報として特定のキーワードを記憶し、
前記外部情報取得部は、音声を前記外部情報として取得する音声入力部を含み、
前記感情判定部が、前記音声の音声認識により前記特定のキーワードとの照合を行い、前記感情値を判定することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記感情データテーブルは前記参照情報として特定の加速度範囲を記憶し、
前記外部情報取得部は、当該携帯端末装置の加速度を前記外部情報として取得する加速度センサを含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記感情データテーブルは前記参照情報として特定の位置情報を記憶し、
前記外部情報取得部は、当該携帯端末装置の位置情報を前記外部情報として取得する位置情報取得部を含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記感情データテーブルには、前記参照情報ごとに感情パラメータが記憶されていて、
前記感情判定部は、前記照合の結果、前記外部情報に含まれる前記参照情報との一致要素すべての前記感情パラメータを抽出し、該感情パラメータを演算することにより前記感情値を判定することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
所定の時間ごとに前記画像選択部に前記待受画像を切り替えさせるタイマ部をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記待受画像を消去または他の待受画像に切替可能なリセットスイッチをさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−176564(P2011−176564A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38618(P2010−38618)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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