説明

携帯端末

【課題】複数の撮像手段を用いて同時に撮影した複数の画像を結合する携帯端末を提供する。
【解決手段】画像認識部5が、第1のカメラ4が撮影する画像と、第2のカメラ13が撮影する画像とのうち、所定の範囲の画像を認識する。所定の範囲の画像が合致した場合に、バイブレータ7等が、画像の結合が可能であることをユーザに通知する。制御部3は、第1のカメラ4が撮影した画像と、第2のカメラ13が撮影した画像とを結合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の撮像手段を備えた携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を撮影する撮像手段を備えた携帯電話機がある。従来、そのような携帯電話機の撮像手段は、画像を表示する表示部の反対側の面に設置されていた。表示部に表示された画像を見ながら撮影するためである。
【0003】
近年では、テレビ電話機能を搭載し、表示部に表示された画像を見るユーザの顔を撮影するための撮像手段を備える携帯電話機が多くなっている。
【0004】
そのような携帯電話機の多くは、画像を撮影する撮像手段を2つ備え、2つの筐体によって構成される。そして、一方の撮像手段が、表示部の表示方向を撮影するように設置される。テレビ電話機能を実行した場合に、表示部に表示された画像を見るユーザの顔を撮影するためである。
【0005】
また、他方の撮像手段は、表示部の表示方向の反対方向を撮影するように設置される。ユーザが、表示部に表示された画像を見ながら撮影できるようにするためである。
【0006】
なお、表示部の表示方向と、当該表示方向の反対方向との両方を撮影することができるように、回転する撮像手段を備えた携帯電話機もある。
【0007】
特許文献1には、一の撮像手段が撮影した複数の画像を結合する装置について記載されている。
【0008】
特許文献2には、筐体の一の面に設置された第1の撮像手段が撮影した画像と、筐体の一の面の反対側の面に設置された第2の撮像手段が撮影した画像とを重畳合成する装置について記載されている。
【0009】
【特許文献1】特開2004−7168号公報 (段落0006〜0028、図1)
【特許文献2】特開2004−147046号公報 (段落0040〜0050、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
表示部の表示方向と、当該表示方向の反対方向との両方を撮影することができるように撮像手段を回転させる機構の小型化は困難なため、携帯電話機が大きくなってしまうという問題がある。そのため、2つの撮像手段を備えた携帯電話機が多くなっている。
【0011】
特許文献1に記載されている装置で複数の画像を結合するためには、それらの画像の撮影方向の仰角等を同一にしなければならない。しかし、一の撮像手段を用いて、異なるタイミングで撮影方向の仰角等を同一にして撮影することは困難である。
【0012】
特許文献2に記載されている装置は、第1の撮像手段の撮影方向と、第2の撮像手段の撮影方向とが反対方向であるため、これらの撮像手段を用いて連続した画像を撮影することはできない。
【0013】
そこで、本発明は、複数の撮像手段を用いて同時に撮影した複数の画像を結合することができる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明による携帯端末は、撮像手段を複数備えた携帯端末であって、一の撮像手段が撮影した画像と、他の撮像手段が撮影した画像とを結合する画像認識手段を含み、画像認識手段は、一の撮像手段が撮影する画像と、他の撮像手段が撮影する画像とのうち、所定の範囲の画像を認識して、一の撮像手段が撮影する画像に含まれる所定の範囲の画像と、他の撮像手段が撮影する画像に含まれる所定の範囲の画像とが合致する場合に、一の撮像手段が撮影した画像と、他の撮像手段が撮影した画像とを結合することを特徴とする。
【0015】
指示を入力する操作手段を含み、画像認識手段は、操作手段に入力された指示に従って、画像を認識する範囲を変更してもよい。
【0016】
画像認識手段は、操作手段に入力された指示に従って、画像を認識する範囲の幅を変化させてもよい。
【0017】
画像認識手段は、操作手段に入力された指示に従って、一の撮像手段が撮影する画像における画像を認識する範囲の位置を移動させてもよい。
【0018】
一の撮像手段が撮影した画像における画像を認識する範囲の画像と、他の撮像手段が撮影した画像における画像を認識する範囲の画像とが合致した場合に、一の撮像手段が撮影する画像と、他の撮像手段が撮影する画像とを結合することができることをユーザに通知する通知手段を含んでもよい。
【0019】
一の撮像手段は一の筐体に設置され、他の撮像手段は他の筐体に設置され、一の筐体と他の筐体とを接続する接続手段を含み、接続手段は、一の撮像手段の撮影方向と、他の撮像手段の撮影方向とがなす角度が変化できるように一の筐体と他の筐体とを接続してもよい。
【0020】
接続手段は、一の撮像手段の撮影方向と他の撮像手段の撮影方向とがなす角度が変化する場合に、その角度が所定の角度変化する毎に、一の撮像手段の撮影方向と他の撮像手段の撮影方向とがなす角度を一旦維持してもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、一の撮像手段が撮影する画像に含まれる所定の範囲の画像と、他の撮像手段が撮影する画像に含まれる所定の範囲の画像とが合致する場合に、一の撮像手段と他の撮像手段とを用いて同時に撮影した複数の画像を結合することができる。
【0022】
操作手段に入力された指示に従って、画像を認識する範囲を変更するように構成されている場合には、結合した画像の大きさを変化させることができる。
【0023】
画像認識手段が、操作手段に入力された指示に従って、画像を認識する範囲の幅を変化させるように構成されている場合には、画像認識手段の画像認識能力に応じて、画像を認識する範囲の幅を変化させることができる。
【0024】
画像認識手段が、操作手段に入力された指示に従って、一の撮像手段が撮影する画像における画像を認識する範囲の位置を移動させるように構成されている場合には、操作手段に入力された指示に応じて、結合した画像の大きさを変化させることができる。
【0025】
一の撮像手段が撮影する画像における画像を認識する範囲の画像と、他の撮像手段が撮影する画像における画像を認識する範囲の画像とが合致した場合に、一の撮像手段が撮影した画像と、他の撮像手段が撮影した画像とを結合することができることをユーザに通知して、画像を結合するように構成されている場合には、一の撮像手段が撮影する画像と、他の撮像手段が撮影する画像とが結合可能であることをユーザに通知して、画像を結合することができる。
【0026】
接続手段が、一の撮像手段の撮影方向と他の撮像手段の撮影方向とがなす角度が所定の角度変化する毎に、一の撮像手段の撮影方向と他の撮像手段の撮影方向とがなす角度を一旦維持するするように構成されている場合には、撮影時に撮像手段の撮影方向が変化することを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
実施の形態1.
本発明の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の携帯端末の第1の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。ここでは、携帯端末が携帯電話機である場合を例にして説明する。
【0028】
本発明の携帯端末の一例である携帯電話機100は、ユーザからの指示を入力するキー部6を含む第1の筐体10、情報や画像を表示する表示手段であるメインLCD12とサブLCD14とを含む第2の筐体15、および第1の筐体10と第2の筐体15とを接続するユニバーサルヒンジ部11を含む。
【0029】
第1の筐体10は、電波を送受信するアンテナ(以下、ANTと記す。)であるANT1、ANT1が受信した電波を増幅して復調し、送信するデータを変調して増幅する無線部2、画像を撮影する第1のカメラ(撮像手段)4、第1のカメラ4が撮影した画像と、後述する第2のカメラ13が撮影した画像との画像認識を行う画像認識部5、指示を入力するキー部6、振動を発生するバイブレータ7、光を発生するLED8、音声を出力するスピーカ9、および各カメラが撮影した画像を結合し、携帯電話機100の各部を制御する制御部3を含む。
【0030】
第2の筐体15は、情報を表示するメインLCD12およびサブLCD14と、画像を撮影する第2のカメラ(撮像手段)13とを含む。
【0031】
なお、画像認識手段は、画像認識部5および制御部3で実現される。
【0032】
第2の筐体15は、例えば、直方体の形状であって、一の面(以下、背面という。)にメインLCD12と第2のカメラ13とが設置され、一の面の反対側の面(以下、表面という。)にサブLCD14が設置される。
【0033】
サブLCD14は、第1のカメラ4が撮影する画像と、第2のカメラ13が撮影する画像とを表示する。
【0034】
なお、メインLCD12とサブLCD14とを、それぞれ「メイン」および「サブ」として説明しているが、各LCDは、各カメラが撮影する画像等を表示する機能を有していればよく、どちらに設置されているLCDをメインLCDとしてもよい。本明細書では、説明の便宜上、第2の筐体15の背面に設置されている表示手段をメインLCD12と記し、第2の筐体15の表面に設置されている表示手段をサブLCD14と記す。
【0035】
ユニバーサルヒンジ部11は、第1の筐体10と第2の筐体15とが、各筐体が互いに接する辺(実際には直接接していなくてもよい。)を軸に回転するように、第1の筐体10と第2の筐体15とを接続する。すなわち、第2の筐体15は、第1の筐体10のキー部6を覆う閉状態から、第1の筐体10のキー部6を開放する開状態に遷移するように回転する。
【0036】
また、ユニバーサルヒンジ部11は、開状態で、第1の筐体10と第2の筐体15とが各筐体の長手方向を軸に回転するように、第1の筐体10と第2の筐体15とを接続する。すなわち、第2の筐体15は、開状態で、第1の筐体10のキー部6が開放されている方向に第2の筐体15の背面が向いている状態から、第1の筐体10のキー部6が開放されている方向に第2の筐体15の表面が向いている状態に遷移するように回転する。
【0037】
さらに、ユニバーサルヒンジ部11は、第1の筐体10と第2の筐体15との接続部分を軸にして第2の筐体15がスライドするように第1の筐体10と第2の筐体15とを接続する。すなわち、第2の筐体15は、第1の筐体10との接続部分を軸にして、開状態から閉状態に遷移するようにスライドする。
【0038】
図2は、携帯電話機100の状態を示す説明図である。図2において、状態Aは、第2の筐体15が第1の筐体10のキー部6を覆い、サブLCD14を開放した閉状態を示す。また、状態Bは、携帯電話機100が、状態Aで、ユニバーサルヒンジ部11が各筐体が互いに接する辺を軸に回転された状態を示す。
【0039】
状態Cは、携帯電話機100が、状態Bで、第2の筐体15がスライドするように反時計回りの方向に90°回転した状態を示す。状態Dは、携帯電話機100が、状態Cで、第2の筐体15がスライドするように反時計回りの方向に90°回転した状態を示す。すなわち、状態Dは、携帯電話機100が、状態Bで、第2の筐体15がスライドするように180°回転した状態を示している。つまり、状態Dは、第2の筐体15が第1の筐体10のキー部6を覆い、メインLCD12を開放した閉状態である。
【0040】
状態Eは、携帯電話機100が、状態Dで、ユニバーサルヒンジ部11が各筐体が互いに接する辺を軸に回転された状態を示す。状態Fは、携帯電話機100が、状態Eで、第2の筐体15がスライドするように時計回りの方向に90°回転した状態を示す。さらに、状態Fで、第2の筐体15がスライドするように時計回りの方向に90°回転すると、状態Aに遷移する。
【0041】
図3は、状態Eにおける携帯電話機100を示す説明図である。図3(A)は、状態Eにおける携帯電話機100の正面図である。図3(B)は、状態Bにおける携帯電話機100の背面図である。図3(C)は、状態Bにおける携帯電話機100の側面図である。
【0042】
図3(C)に示すように、ユニバーサルヒンジ部11は、状態Eで、各筐体が互いに接する辺を軸に第2の筐体15を回転させる。なお、ユニバーサルヒンジ部11は、各筐体が互いに接する辺を軸に第2の筐体15を回転させるときに、所定の角度毎に(例えば、10°の間隔毎に)、第2の筐体15の角度を一旦維持する。従って、ユニバーサルヒンジ部11は、第1の筐体10に設置されている第1のカメラ4の撮影方向と、第2の筐体15に設置されている第2のカメラ13の撮影方向とがなす角度を一旦維持することができる。なお、ユニバーサルヒンジ部11が一旦維持する第1の筐体10と第2の筐体15との角度は、10°に限定されるものではなく、5°や12°等であってもよい。
【0043】
すなわち、ユニバーサルヒンジ部11は、第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度が180°の状態(図3(C)において、実線で示す状態)や、第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度が180°未満の状態(図3(C)において、点線で示す状態)、および、第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度が180°を越えた状態(図示せず)を維持する。
【0044】
図4は、第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度を維持することができるユニバーサルヒンジ部11の一構成例を示す説明図である。
【0045】
ユニバーサルヒンジ部11は、第1の筐体10に設けられた複数の凹部に嵌合する複数の凸部を有する第1の嵌合部20、第2の筐体15に設けられた複数の凹部に嵌合する複数の凸部を有する第2の嵌合部21、第1の嵌合部20と第2の嵌合部21とを接続するばね部22とを含む。
【0046】
図4(A)に示す状態は、第1の嵌合部20と第2の嵌合部21とがばね部22に押され、第1の嵌合部20の凸部が第1の筐体10に設けられた凹部に嵌合し、第2の嵌合部21の凸部が第2の筐体15に設けられた凹部に嵌合している状態である。従って、第1の筐体10と第2の筐体15とが所定の角度で維持される。
【0047】
図4(A)に示す状態で、第1の筐体10と第2の筐体15とが異なる方向に回転されると、第1の嵌合部20の凸部と第1の筐体10に設けられた凹部との嵌合が外れ、第2の嵌合部21の凸部と第2の筐体15に設けられた凹部との嵌合が外れ、ばね部22が縮んだ状態(図4(B)に示す状態)になる。
【0048】
図4(B)に示す状態で、第1の筐体10と第2の筐体15とがさらに回転されると、第1の嵌合部20と第2の嵌合部21とがばね部22に押され、第1の嵌合部20の凸部が第1の筐体10に設けられた凹部に嵌合し、第2の嵌合部21の凸部が第2の筐体15に設けられた凹部に嵌合した状態(図4(C)に示す状態)になる。そして、第1の筐体10と第2の筐体15とが、回転後の角度で維持される。
【0049】
なお、第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度を維持する方法は、図4に示す例に限定されるものではなく、他の方法で第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度を維持してもよい。
【0050】
図5は、第1のカメラ4と、第2のカメラ13との撮影範囲を示す説明図である。第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度が180°の状態(図5において点線で示す状態。)で、携帯電話機100から距離Aの対象を撮影する場合に、第1のカメラ4の撮影範囲と第2のカメラ13の撮影範囲とが接する。従って、携帯電話機100から距離Aの対象を撮影する場合に、第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度が180°の状態で、第1のカメラ4が有する画素と、第2のカメラ13が有する画素とを最も有効に利用することができる。
【0051】
第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度が200°の状態(図5において実線で示す状態。)で、携帯電話機100から距離Aの対象を撮影する場合に、第1のカメラ4の撮影範囲と、第2のカメラ13の撮影範囲とは接しない。従って、第1のカメラ4と第2のカメラ13とを用いて連続した画像を撮影することはできない。
【0052】
また、第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度が200°の状態で、携帯電話機100から距離Bの対象を撮影する場合に、第1のカメラ4の撮影範囲と、第2のカメラ13の撮影範囲とが接する。従って、携帯電話機100から距離Bの対象を撮影する場合に、第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度が200°の状態で、第1のカメラ4が有する画素と、第2のカメラ13が有する画素とを最も有効に利用することができる。
【0053】
また、第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度が180°の状態で、携帯電話機100から距離A以遠の対象を撮影する場合に、第1のカメラ4が撮影する画像と、第2のカメラ13が撮影する画像とに重複する範囲(以下、オーバーラップエリアという。)が発生する。オーバーラップエリアでは、第1のカメラ4が有する画素と、第2のカメラ13が有する画素とを有効に利用することができない。
【0054】
図6は、オーバーラップエリアを利用して、画像を合成する方法を示す説明図である。画像認識部5は、第1のカメラ4が撮影する画像の所定の範囲と、第2のカメラ13が撮影する画像の所定の範囲との画像認識を行う。
【0055】
具体的には、画像認識部5は、例えば、第1のカメラ4が撮影する画像のうち、第2のカメラ13に近い1/4の領域の画像と、第2のカメラ13が撮影する画像のうち、第1のカメラ4に近い1/4の領域の画像とが合致するか否かを判断する。以下、画像認識部5が画像認識を行う範囲を、画像認識範囲(図6において、×印で示す。)という。
【0056】
図6(A)は、第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度が180°の状態の場合における第1のカメラ4の撮影範囲(図6において、点線で示す。)と、第2のカメラ13の撮影範囲(図6において、実線で示す。)とを示す説明図である。
【0057】
図6(A)に示す例では、第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度が小さいため、オーバーラップエリアが広すぎ、第1のカメラ4の画像認識範囲と、第2のカメラ13の画像認識範囲とが合致していない。そのため、画像認識部5は、第1のカメラ4の画像認識範囲と、第2のカメラ13の画像認識範囲とが合致していないと判断する。
【0058】
図6(B)は、第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度が220°の状態の場合における第1のカメラ4の撮影範囲と、第2のカメラ13の撮影範囲とを示す説明図である。
【0059】
図6(B)に示す例では、第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度が大きいため、オーバーラップエリアが存在せず、第1のカメラ4の画像認識範囲と、第2のカメラ13の画像認識範囲とが合致していない。そのため、画像認識部5は、第1のカメラ4の画像認識範囲と、第2のカメラ13の画像認識範囲とが合致していないと判断する。
【0060】
図6(C)は、第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度が200°の状態の場合における第1のカメラ4の撮影範囲と、第2のカメラ13の撮影範囲とを示す説明図である。
【0061】
図6(C)に示す例では、第1のカメラ4の画像認識範囲と、第2のカメラ13の画像認識範囲とが合致している。そのため、画像認識部5は、第1のカメラ4の画像認識範囲と、第2のカメラ13の画像認識範囲とが合致していると判断する。
【0062】
画像認識部5が、第1のカメラ4の画像認識範囲と、第2のカメラ13の画像認識範囲とが合致すると判断した場合に、制御部3は、バイブレータ7を動作させたり、スピーカ9に音声を出力させたり、LED8を発光させたりして、第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度が適切であることをユーザに通知する。
【0063】
キー部6に所定の操作が行われると、制御部3は、第1のカメラ4と第2のカメラ13とに撮像処理を行わせ、画像を撮影させる。
【0064】
制御部3は、第1のカメラ4が撮影した画像と、第2のカメラ13が撮影した画像とを結合した画像を生成する。すなわち、一のカメラが撮影する画像よりも横幅が大きい画像を生成する。
【0065】
具体的には、制御部3は、第1のカメラ4が撮影した画像、または第2のカメラ13が撮影した画像から画像認識範囲の画像を消去して、第1のカメラ4が撮影した画像と、第2のカメラ13が撮影した画像とを結合した画像を生成する。
【0066】
以上に述べたように、この実施の形態によれば、第1のカメラ4と第2のカメラ13とを用いて、横幅が大きい画像を生成することができる。
【0067】
また、この実施の形態によれば、ユニバーサルヒンジ部11が、第1の筐体10と第2の筐体15とのなす角度を維持するため、撮影時に各カメラの撮影方向が変化することを防ぐことができる。
【0068】
実施の形態2.
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図7は、画像の縦横比を示す説明図である。第1の実施の形態では、画像認識部5は、例えば、第1のカメラ4が撮影する画像のうち、第2のカメラ13に近い1/4の領域の画像と、第2のカメラ13が撮影する画像のうち、第1のカメラ4に近い1/4の領域の画像とが合致するか否かを判断する。
【0069】
ここで、一般に、携帯電話機に設置されている撮像手段が撮影した画像の縦横比は、4(横):3(縦)である。
【0070】
4(横):3(縦)の縦横比を第1の実施の形態の説明の例に適用すると、第1のカメラ4が撮影する画像から画像認識範囲を除いた画像の縦横比は、3(横):3(縦)であり、画像認識範囲の縦横比は、1(横):3(縦)である(図7(A)において、点線で示す。)。また、第2のカメラ13が撮影する画像から画像認識範囲を除いた画像の縦横比は、3(横):3(縦)であり、画像認識範囲の縦横比は、1(横):3(縦)である(図7(A)において、実線で示す。)。
【0071】
従って、第1の実施の形態の例では、第1のカメラ4が撮影する画像と、第2のカメラ13が撮影する画像とを結合した画像の縦横比は、図7(B)に示すように、7(横):3(縦)である。
【0072】
それに対して第2の実施の形態では、キー部6になされた操作に従って、画像認識部5が画像認識を行う領域を変化させる。
【0073】
まず、第1のカメラ4が撮影する画像と、第2のカメラ13が撮影する画像とを結合した画像の横幅を大きくする方法について説明する。
【0074】
画像認識部5が画像認識を行う領域を、キー部6になされた操作に従って、例えば、第1のカメラ4が撮影する画像のうち第2のカメラ13に近い1/8の領域の画像と、第2のカメラ13が撮影する画像のうち第1のカメラ4に近い1/8の領域の画像とが合致するか否かを判断する。
【0075】
そして、各カメラが撮影する画像の縦横比(4(横):3(縦))をこの例に適用すると、第1のカメラ4が撮影する画像から画像認識範囲を除いた画像の縦横比は、3.5(横):3(縦)であり、画像認識範囲の縦横比は、0.5(横):3(縦)である。また、第2のカメラ13が撮影する画像から画像認識範囲を除いた画像の縦横比は、3.5(横):3(縦)であり、画像認識範囲の縦横比は、0.5(横):3(縦)である。
【0076】
従って、画像認識部5が画像認識を行う領域を、第1のカメラ4が撮影する画像のうち第2のカメラ13に近い1/8の領域の画像と、第2のカメラ13が撮影する画像のうち第1のカメラ4に近い1/8の領域の画像とした場合に、第1のカメラ4が撮影する画像と、第2のカメラ13が撮影する画像とを結合した画像の縦横比は7.5(横):3(縦)である。
【0077】
つまり、キー部6になされた操作に従って、画像認識部5が画像認識を行う領域を変化させ、第1のカメラ4が撮影する画像と、第2のカメラ13が撮影する画像とを結合した画像の横幅を大きくすることができる。
【0078】
次に、第1のカメラ4が撮影する画像と、第2のカメラ13が撮影する画像とを結合した画像の横幅を小さくする方法について説明する。
【0079】
画像認識部5が画像認識を行う領域を、例えば、第1のカメラ4が撮影する画像のうち第2のカメラ13に近い1/4の領域の画像と、第2のカメラ13が撮影する画像のうち、キー部6になされた操作によって設定された1/4の領域の画像とが合致するか否かを判断する。
【0080】
具体的には、図7(C)に示すように、画像認識部5は、例えば、第1のカメラ4が撮影する画像のうち第2のカメラ13に近い1/4の領域の画像と、第2のカメラ13が撮影する画像の一部であって、第1のカメラ4に近い2/4の領域のうち、第1のカメラ4から遠い1/4の領域とが合致するか否かを判断する。
【0081】
そして、各カメラが撮影する画像の縦横比(4(横):3(縦))をこの例に適用すると、第1のカメラ4が撮影する画像から画像認識範囲を除いた画像の縦横比は、3(横):3(縦)であり、画像認識範囲の縦横比は、1(横):3(縦)である。また、第2のカメラ13が撮影する画像のうち、画像認識範囲よりも第1のカメラ4から遠い領域を除いた画像の縦横比は、2(横):3(縦)であり、画像認識範囲の縦横比は、1(横):3(縦)である。
【0082】
従って、画像認識部5が画像認識を行う領域を、第1のカメラ4が撮影する画像のうち第2のカメラ13に近い1/4の領域の画像と、第2のカメラ13が撮影する画像の一部であって、第1のカメラ4に近い2/4の領域のうち、第1のカメラ4から遠い1/4の領域とした場合に、第1のカメラ4が撮影する画像と、第2のカメラ13が撮影する画像とを結合した画像の縦横比は、図7(D)に示すように、6(横):3(縦)である。
【0083】
また、画像認識部5が、例えば、第1のカメラ4が撮影する画像のうち第2のカメラ13に近い1/4の領域の画像と、第2のカメラ13が撮影する画像の一部であって、第1のカメラ4に近い3/4の領域のうち、第1のカメラ4から遠い1/4の領域とが合致するか否かを判断してもよい。
【0084】
そして、各カメラが撮影する画像の縦横比(4(横):3(縦))をこの例に適用すると、第1のカメラ4が撮影する画像から画像認識範囲を除いた画像の縦横比は、3(横):3(縦)であり、画像認識範囲の縦横比は、1(横):3(縦)である。また、第2のカメラ13が撮影する画像のうち、画像認識範囲よりも第1のカメラ4から遠い領域を除いた画像の縦横比は、1(横):3(縦)であり、画像認識範囲の縦横比は、1(横):3(縦)である。
【0085】
従って、画像認識部5が画像認識を行う領域を、第1のカメラ4が撮影する画像のうち第2のカメラ13に近い1/4の領域の画像と、第2のカメラ13が撮影する画像の一部であって、第1のカメラ4に近い3/4の領域のうち、第1のカメラ4から遠い1/4の領域とした場合に、第1のカメラ4が撮影する画像と、第2のカメラ13が撮影する画像とを結合した画像の縦横比は、5(横):3(縦)である。
【0086】
以上に述べたように、この実施の形態によれば、第1のカメラ4が撮影する画像と、第2のカメラ13が撮影する画像とを結合した画像の縦横比を変化させることができる。
【0087】
具体的には、画像認識範囲の幅を狭めることで画像認識の処理負荷を軽くし、第1のカメラ4が撮影する画像と、第2のカメラ13が撮影する画像とを結合した画像の横幅を大きくすることができる。
【0088】
また、第2のカメラ13が撮影する画像の画像認識範囲の位置を変化させることで、画像認識範囲を広げることなく第1のカメラ4が撮影する画像と、第2のカメラ13が撮影する画像とを結合した画像の横幅を小さくすることができる。
【0089】
このとき、一方のカメラの画像認識範囲の位置を変化させ、他方のカメラの画像認識範囲の位置は変化させないため、両方のカメラの画像認識範囲の位置を変化させた場合に比べて、画像認識部5の処理負荷を重くすることなく第1のカメラ4が撮影する画像と、第2のカメラ13が撮影する画像とを結合した画像の横幅を小さくすることができる。
【0090】
また、画像認識範囲を大きくしないため、画像認識部5の処理負荷を重くすることなく第1のカメラ4が撮影する画像と、第2のカメラ13が撮影する画像とを結合した画像の横幅を小さくすることができる。
【0091】
なお、この実施の形態では、第2のカメラ13が撮影する画像の画像認識範囲の位置を変化させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1のカメラ4が撮影する画像の画像認識範囲の位置を変化させてもよい。
【0092】
また、以上に述べた各実施の形態では、携帯端末の一例として携帯電話機100を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、PHS(Personal Handy phone System)端末や、デジタルカメラ等に適用してもよい。
【0093】
以上に述べた各実施の形態では、携帯電話機100は2つのカメラを備えているが、本発明はこれに限定されるものではなく、3つ以上のカメラを備えていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、複数の撮像手段を備えた携帯端末に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】携帯電話機の第1の実施の形態の一構成例を示すブロック図である。
【図2】携帯電話機の状態を示す説明図である。
【図3】状態Eにおける携帯電話機を示す説明図である。
【図4】第1の筐体と第2の筐体とのなす角度を維持することができるユニバーサルヒンジ部の一構成例を示す説明図である。
【図5】第1のカメラと、第2のカメラとの撮影範囲を示す説明図である。
【図6】オーバーラップエリアを利用して、画像を合成する方法を示す説明図である。
【図7】画像の縦横比を示す説明図である。
【符号の説明】
【0096】
1 ANT
2 無線部
3 制御部
4 第1のカメラ
5 画像認識部
6 キー部
7 バイブレータ
8 LED
9 スピーカ
10 第1の筐体
11 ユニバーサルヒンジ部
12 メインLCD
13 第2のカメラ
14 サブLCD
15 第2の筐体
20 第1の嵌合部
21 第2の嵌合部
22 ばね部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段を複数備えた携帯端末において、
一の撮像手段が撮影した画像と、他の撮像手段が撮影した画像とを結合する画像認識手段を含み、
前記画像認識手段は、前記一の撮像手段が撮影する画像と、前記他の撮像手段が撮影する画像とのうち、所定の範囲の画像を認識して、前記一の撮像手段が撮影する画像に含まれる所定の範囲の画像と、前記他の撮像手段が撮影する画像に含まれる所定の範囲の画像とが合致する場合に、前記一の撮像手段が撮影した画像と、前記他の撮像手段が撮影した画像とを結合する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
指示を入力する操作手段を含み、
画像認識手段は、前記操作手段に入力された指示に従って、画像を認識する範囲を変更する
請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
画像認識手段は、操作手段に入力された指示に従って、画像を認識する範囲の幅を変化させる
請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
画像認識手段は、操作手段に入力された指示に従って、一の撮像手段が撮影する画像における画像を認識する範囲の位置を移動させる
請求項2または請求項3記載の携帯端末。
【請求項5】
一の撮像手段が撮影する画像における画像を認識する範囲の画像と、他の撮像手段が撮影する画像における画像を認識する範囲の画像とが合致した場合に、前記一の撮像手段が撮影する画像と、前記他の撮像手段が撮影する画像とを結合することができることをユーザに通知する通知手段を含む
請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載の携帯端末。
【請求項6】
一の撮像手段は一の筐体に設置され、
他の撮像手段は他の筐体に設置され、
前記一の筐体と前記他の筐体とを接続する接続手段を含み、
前記接続手段は、前記一の撮像手段の撮影方向と、前記他の撮像手段の撮影方向とがなす角度が変化できるように前記一の筐体と前記他の筐体とを接続する
請求項1から請求項5のうちいずれか1項記載の携帯端末。
【請求項7】
接続手段は、一の撮像手段の撮影方向と他の撮像手段の撮影方向とがなす角度が変化する場合に、前記角度が所定の角度変化する毎に、前記一の撮像手段の撮影方向と前記他の撮像手段の撮影方向とがなす角度を一旦維持する
請求項6記載の携帯端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−189547(P2007−189547A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−6569(P2006−6569)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】