説明

携帯端末

【課題】消費電力を削減することが可能な携帯端末を提供することを目的とする。
【解決手段】携帯端末1では、ディスプレイ制御回路400が、行単位で送られてきた画素データ列を一時保持するバッファ420と、2本のソース線[i],[i−3]毎にバッファ420内の1つの格納領域から送出される画素データが分岐して供給されるよう配線された分岐配線(第1の分岐配線)と、切替フラグ設定部430が、バッファ420に保持された画素データ列の画素数がディスプレイ画面の行方向の画素数と等しいと判定したときは、分岐線路を非アクティブに切り替え、ディスプレイ画面の行方向の画素数の2分の1であると判定したときは、分岐配線をアクティブに切り替える切替フラグ保持部210bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイを有した携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末においては、高解像度のディスプレイに適合した画像データとしてVGAデータが、低解像度のディスプレイに適合した画像データとしてQVGAデータがある。画素数で表現すれば、後者は前者の1/4に相当する。
そして、VGA解像度を有するディスプレイは、VGAデータを受け取ると、VGAデータを構成する各画素データをディスプレイの対応する画素で発光させて画像を表示する。
【0003】
ここで、VGAなどのデータ量の多い画像を表示する際の省電力技術として、クロック周波数を可変にして消費電力を削除する技術が開示されている(特許文献1参照)。
また、生成する画像に合わせて動作系統を選択して動作させ、消費電力を削減する技術が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−237930号公報
【特許文献2】特開2008−60815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、クロック周波数を速くすることによる電力増加が発生するという問題や、転送するデータを削減できないことにより省電力を図ることが困難であるという問題がある。
また、特許文献2に記載の技術では、転送するデータ量はディスプレイの解像度に合わせたものであるため、電力の削減が困難であるという問題がある。
【0006】
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、消費電力を削減することが可能な携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯端末は、複数の画素が2次元配列されたディスプレイ画面を有し且つ各画素を発光制御するための行方向の信号線と列方向の信号線が接続されたディスプレイと、各信号線への画素データの供給を制御するディスプレイ制御部と、ディスプレイ制御部は、画素データを保持するバッファと、バッファに保持された画素データの画素数がディスプレイ画面の行方向の画素数と等しいか、ディスプレイ画面の行方向の画素数のM(Mは2以上の整数)分の1であるかを判定する判定部と、ディスプレイの行方向に並列したM本の信号線毎にバッファ内から送出される画素データが分岐して供給されるよう配線された第1の分岐配線と、ディスプレイの行方向に並列した各信号線に、バッファ内から送出される画素データが1対1に対応して供給されるよう配線された非分岐配線と、判定部が、バッファに保持された画素データ列の画素数がディスプレイ画面の行方向の画素数と等しいと判定したときは、第1の非分岐配線をアクティブに、第1の分岐配線を非アクティブに切り替え、判定部がディスプレイ画面の行方向の画素数のM分の1であると判定したときは、第1の分岐配線をアクティブに、第1の非分岐配線を非アクティブに切り替える切替部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る携帯端末によれば、消費電力を削減することが可能な携帯端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係る携帯端末の構成図である。
【図2】液晶ディスプレイの概略構成図である。
【図3】ソースドライバの構成図である。
【図4】ゲートドライバの構成図である。
【図5】データ処理部およびディスプレイ制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図6】ディスプレイ制御回路のソースドライバとゲートドライバの出力に関するタイミングチャートである。
【図7】高解像度の画像データを構成する画素データ列が入力された場合における液晶ディスプレイの発光画素の時間変化を説明する図である。
【図8】低解像度の画像データを構成する画素データ列が入力された場合における液晶ディスプレイの発光画素の時間変化を説明する図である。
【図9】画像データの処理を説明するための概念図である。
【図10】実施の形態2に係るソースドライバの構成図である。
【図11】ゲートドライバの構成図である。
【図12】データ処理部およびディスプレイ制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図13】ディスプレイ制御回路のソースドライバとゲートドライバの出力に関するタイミングチャートである。
【図14】低解像度の画像データを構成する画素データ列が入力された場合における液晶ディスプレイの発光画素の時間変化を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態1>
<1>構成
本実施の形態に係る携帯端末1の構成を図1に示す。図1に示す携帯端末1は、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)等といった移動体通信用に用いられる。
【0011】
携帯端末1は、図1に示すように、通信処理部10、音声処理部20、操作部30、データ処理部100、記憶部50、液晶ディスプレイ(Lyquid Crystal Display)300およびディスプレイ制御回路400を含んで構成される。また、データ処理部100とディスプレイ制御回路400とは、送信路500を介して接続されている。
【0012】
通信処理部10は、アンテナ11を介して無線基地局と無線通信を行う。
音声処理部20は、データ処理部100から入力される音声データをアナログ信号に変換してスピーカ21から出力したり、マイクロフォン22から入力された送話音声をデジタルデータに変換してデータ処理部100に出力したりする。
操作部30は、液晶ディスプレイ300の前面側に配設され、タッチパネル(図示せず)を含んで構成されている。操作部30は、ユーザがタッチパネルにタッチすると入力信号をデータ処理部100に送信する。
<1−1>記憶部
記憶部50は、NANDフラッシュメモリ等のEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read−Only Memory)から構成され、データ処理部100で実行されるプログラムや液晶ディスプレイ300に表示される画像を示す画像データが格納されている。この画像データは、複数の画素データから構成されている。また、1つの画素データは、8ビットのデータ(256階調に相当)からなる3つのサブ画素の画素データから構成され、3バイト(24ビット)の大きさを有する。
【0013】
また、記憶部50は、図1に示すように、高解像度画像格納領域51、低解像度画像格納領域52、プログラム格納領域53等の格納領域が設定されている。
高解像度画像格納領域51は、液晶ディスプレイ300に表示させる画像データのうち、高解像度に適合する画像データ(例えば、VGA(640画素×480画素)データ、以下、高解像度の画像データと称す。)が格納される。なお、本実施の形態では、高解像度の画像データが写真画像やグラフィック画像などを示す画像データとして説明する。
【0014】
低解像度画像格納領域52は、液晶ディスプレイ300に表示させる画像データのうち、低解像度に適合する画像データ(例えば、QVGA(320画素×240画素)データ、以下、低解像度の画像データと称す。)を格納する。なお、本実施の形態では、低解像度の画像データがメニュー画像や待ち受け画像を示す画像データとして説明する。
プログラム格納領域53は、データ処理部100で実行されるプログラムが格納されている。
<1−2>データ処理部(データ送出部)
データ処理部100は、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)120と、RAM(Random Access Memory)等からなる主記憶部130を含んで構成されている。そして、CPU120が、記憶部50のプログラム格納領域53に格納されている各種プログラムを主記憶部130に読み込んで実行することにより、携帯端末1の各種機能が実現される。
【0015】
CPU120が、プログラム格納領域53に格納されている画像表示プログラムを実行すると、記憶部50の高解像度画像格納領域51あるいは低解像度格納領域52に格納された画像データを取得して、画像データの一部を構成する画素データ列をディスプレイ制御回路400に送出する機能が実現される。ここにおいて、データ処理部100は、例えば、液晶ディスプレイ300に待ち受け画像を表示させる場合、低解像度画像格納領域52に格納された待ち受け画像を示す画像データを取得し、一方、液晶ディスプレイ300に写真画像を表示させる場合、高解像度画像格納領域51に格納された写真画像を示す画像データを取得する。また、データ処理部100は、クロック発生器(図示せず)から入力される動作クロックに同期して、所定の周期で液晶ディスプレイ300のディスプレイ画面における1行分(縦1画素×横480画素分)の画素データ列をディスプレイ制御回路400に送出するとともに、後述のタイミングジェネレータ440に1行分の画素データ列を送出する毎にタイミング制御信号を送出する。そして、主記憶部130の一部の領域は、携帯端末1の液晶ディスプレイ300の画面表示をオフする処理がなされたか否かを示す表示終了フラグF2として使用されている。この表示終了フラグF2は、例えば、省電力のために液晶ディスプレイ300の画面表示をOFFする処理がなされると「1」に設定される。
【0016】
また、データ処理部100が送出する各画素データ列には、1行分の画素データ列のサイズを示すサイズ情報を含むヘッダ情報が付与されている。そして、後述のライト部410が、このヘッダ情報からサイズ情報を抽出して後述の切替フラグ設定部430に通知することになる。
<1−3>液晶ディスプレイ
液晶ディスプレイ300は、アクティブマトリクス駆動方式の液晶ディスプレイであり、ディスプレイ画面を構成する各画素に対応する部分に配設された薄膜トランジスタ(制御用素子:Thin Film Transistor:TFT)(図示せず)と、各TFTのソースに接続される1440本のソース線(第1の信号線)S[i](i=0,1,2,・・・,1439)(図2参照)と、各TFTのゲートに接続される640本のゲート線(第2の信号線)G[j](j=0,1,2,・・・,639)(図2参照)と、液晶パネルの背面側に配設された導光板(図示せず)と、導光板の端面に対向する形で配設されたバックライト(図示せず)とを備えている。また、液晶ディスプレイ300は、VGA解像度を有する。以下、複数のソース線S[i]の並び方向を横方向(第1の方向)とし、複数のゲート線G[j]の並び方向を縦方向(第2の方向)として説明する。ここで、ゲート線G[j]の電圧レベルが「High」レベルの場合、当該ゲート線G[j]に接続されたTFTがオン状態になる。そして、TFTがオン状態にあれば、対応する画素がソース線の電圧レベルに応じた強度で発光することになる。
【0017】
また、液晶ディスプレイ300では、縦2画素×横2画素の複数の画素から1つの画素ブロックが構成され、横240個×縦320個の画素ブロックが格子状に配列されている。そして、各画素には、3原色に対応した3つのサブ画素が横方向に配列されている。
<1−4>ディスプレイ制御回路
ディスプレイ制御回路400は、LSI等からなり、図1に示すように、ライト部410、バッファ420、切替フラグ設定部430、タイミングジェネレータ440、クロック周期を変換する変換部460、タイミングジェネレータ330から出力される動作クロック信号を分周する分周器450、ソースドライバ210およびゲートドライバ220を含んで構成され、データ処理部100から送出された画素データ列に基づいて対応する液晶ディスプレイ300の画素を発光させる。
【0018】
ライト部410は、データ処理部100から取得した画素データ列をバッファ420に書き込む。このとき、ライト部410は、画素データ列に付与されたヘッダ情報の中からサイズ情報を抽出して切替フラグ設定部430に通知する。
バッファ420は、FIFO方式バッファからなり、データ処理部100から送出される画素データ列を構成する各画素データを格納する複数の格納領域から構成される。ここで、1つの画素データは、前述のように、8ビットのデータ(256階調に相当)からなる3つのサブ画素の画素データから構成され、3バイト(24ビット)の大きさのデータである。そして、データ処理部300が高解像度の画像データ(VGAデータ)を構成する画素データ列を送出すれば、バッファ420は、縦1画素×横480画素分の複数の画素データ(480×3個のサブ画素の画素データ)より構成される1.44キロバイトの画素データ列を格納することになる。一方、データ処理部300が低解像度が画像データ(QVGAデータ)を構成する画素データ列を送出すれば、バッファ420は、縦1画素×横240画素分の複数の画素データ(240×3個のサブ画素の画素データ)より構成される720バイトの画素データ列を格納することになる。また、バッファ420は、1440本の配線からなるデータバス(BUS)(図1参照)を介してソースドライバ210に接続されており、ディスプレイ制御回路400内で1フレーム分の画像データを記憶する必要がない。これにより、ディスプレイ制御回路400に必要とされるメモリ容量の低減を図ることができる。
【0019】
切替フラグ設定部(判定回路)430は、データ処理部100から送出される画素データ列が高解像度の画像データに対応するものか否かを判定し、判定した結果に基づいて、ソースドライバ210が分岐配線および非分岐配線を、アクティブまたは非アクティブに切り替える際の指標となる切替フラグF1の内容を設定する。ここにおいて、切替フラグ設定部430は、ライト部410から通知されるサイズ情報から、画素データ列のサイズと予め保持する所定のサイズ閾値(例えば、1キロバイト)とを比較して、画素データ列のサイズが所定のサイズ閾値以上(高解像度の画像データ)であれば、切替フラグ保持部210aが保持する切替フラグF1を「0」に設定する。一方、画素データ列のサイズが所定のサイズ閾値未満(低解像度の画像データ)であれば、切替フラグF1を「1」に設定する。
【0020】
分周器450は、タイミングジェネレータ440から入力される動作クロック信号の周波数を1/2に分周して出力する。
<1−4−1>タイミングジェネレータ
タイミングジェネレータ440は、データ処理部100から入力されるタイミング制御信号を動作クロックとして動作する。そして、タイミングジェネレータ440は、当該動作クロックをソースドライバ210、ゲートドライバ220および切替フラグ設定部440に分配している。
<1−4−2>ソースドライバ
ソースドライバ210は、図3に示すように、バッファ420の複数の出力端子OUT1[i]から入力される画素データを複数のソース線[i]に供給する複数の分配回路210hと、複数の分配回路210hに表示モードライン210cを介して接続され切替フラグF1の内容に基づいて表示モードライン210cの電圧レベルを設定する切替フラグ保持部210bとを備える。
【0021】
ここで、複数の分配回路210hおよび表示モードライン210cとから構成される回路は、表示モードライン210cが「Low」レベルであれば、非分岐配線(第1の非分岐配線)を構成し(つまり、非分岐配線がアクティブ、且つ、分岐配線が非アクティブ)、表示モードライン210cが「High」レベルであれば、分岐配線(第1の分岐配線)を構成する(つまり、非分岐配線が非アクティブ、且つ、分岐配線がアクティブ)ことになる。
【0022】
分配回路210hは、バッファ320の出力端子OUT1[i]と同数の出力端子OUT12[i](i=0,1,2,・・・,1439)を備えており、表示モードライン210cの電圧レベルが「Low」レベルであれば、バッファ420の出力端子OUT[i]からの出力をそのままOUT12[i]に出力し、一方、表示モードライン210cの電圧レベルが「High」レベルであれば、バッファ420の出力端子OUT1[i]から出力される画素データを出力端子OUT12[i]および出力端子OUT12[i+3]に同時に出力する。
【0023】
更に、分配回路210hは、表示モードライン210cの電圧レベルが「Low」レベルであれば、タイミングジェネレータ440から入力される動作クロック1周期ごとにディスプレイ画面1行分の画素データを出力し、表示モードライン210cの電圧レベルが「High」レベルであれば、動作クロック2周期ごとにディスプレイ画面1行分の画素データを出力する。
【0024】
なお、分配回路210hは、入力端子の一方が表示モードライン210cに接続され他方がバッファ420の出力端子OUT1[i]に接続された複数の第1のAND回路210dと、入力端子の一方が表示モードライン210cにインバータ接続され他方がバッファ420の出力端子OUT1[i]に接続された複数の第2のAND回路210eと、入力端子の一方が第1のAND回路210dの出力端子に接続され他方が第2のAND回路210eの出力端子に接続された複数の第1のOR回路210fとから構成される。そして、各分配回路210hには、バッファ420の出力端子OUT1[j]や第1のOR回路210fから出力される画素データ信号を駆動電圧出力回路210aに出力する周期を変換する変換部210gが接続されている。
【0025】
上述のように、図3に示される例では、それぞれ3つの、第1のAND回路210d、第2のAND回路210e、第1のOR回路210fからなる分配回路210hを1つ点線で囲って例示しているのみであるが、同様の分配回路210hは、3つのソース線[i]毎に、複数設けられている。
変換部210gは、入力端子の一方が分周器450に接続され他方が表示モードライン210bを介して後述の切替フラグ保持部210bに接続された第3のAND回路210g1と、入力端子の一方がタイミングジェネレータ440に接続され他方が表示モードライン210bを介して切替フラグ保持部210bにインバータ接続された第4のAND回路210g2と、入力端子の一方が第1のAND回路210aに接続され他方が第2のAND回路460bに接続された第2のOR回路210g3と、バッファ420の出力端子OUT1[j]から出力される画素データを駆動電圧出力回路210aに出力する周期を第2のOR回路210gから出力される信号周期と同じに設定する論理集積回路210g4とから構成されている。
【0026】
切替フラグ保持部210bは、切替フラグF1を保持しており、切替フラグF1が「0」に設定されると、表示モードライン210cの電圧レベルを「Low」レベルに設定し、切替フラグF1が「1」に設定されると、表示モードライン210cの電圧レベルを「High」レベルに設定する。ここにおいて、「Low」レベルとは、表示モードライン210cに接続されたAND回路の入力が「0」と認識される電圧以下の電圧であり、「High」レベルとは、表示モードライン210cに接続されたAND回路の入力が「1」と認識される電圧以上の電圧であることを表す。
【0027】
駆動電圧出力回路210aは、DAコンバータ等により構成され、バッファ420から入力される画素データを256段階の所定の電圧(ソース電圧)に変換して出力する。
ここにおいて、図3から明らかなように、分配回路210hは、表示モードライン210cの電圧レベルが「High」レベルであれば、第1のAND回路210dがバッファ420からの入力をそのまま駆動電圧出力回路210aに出力し且つ第2のAND回路210eがバッファ420からの入力に関わらず電圧を出力しなくなるので、出力端子OUT1[k]からの出力が、駆動電圧出力回路210aにより昇圧されてソース線S[k]およびS[k−3]に同時に出力されることになる。一方、表示モードライン210cの電圧レベルが「Low」レベルであれば、第1のAND回路210dがバッファ420からの入力に関わらず出力が「Low」レベルに維持されるので、バッファ420の出力端子OUT1[k]から第2のAND回路210eに入力された信号が、駆動電圧出力回路210aにより昇圧されてソース線S[k]のみに出力されることになる。
<1−4−3>ゲートドライバ
ゲートドライバ220は、図4に示すように、ゲート線G[j]と同数の複数の出力端子OUT2[j](j=0,1,2,・・・,639)を有する駆動電圧出力回路220aを備える。
【0028】
駆動電圧出力回路220aは、レベルシフタ(図示せず)等を備え、タイミングジェネレータ440から入力される動作クロック信号に同期して、複数の出力端子OUT2[j](j=0,1,2,・・・,639)の中から選択した1の出力端子OUT2[j]から対応するゲート線G[j]に対して所定の電圧(ゲート電圧)の行指定信号線を出力する。
<2>動作
本実施の携帯に係る携帯端末に係るデータ処理部100およびディスプレイ制御回路400の動作のフローチャートを図5に示す。
【0029】
まず、ユーザが液晶ディスプレイ300の電源をONにすると(ステップS1)、データ処理部100が、切替フラグF1および表示終了フラグF2をいずれも「0」に初期化する(ステップS2)。この切替フラグF1および表示終了フラグF2の内容は、更新処理がなされない限り初期化時の値で維持される。
次に、データ処理部100は、記憶部50に記憶されている1フレーム分の画像データを取得する(ステップS3)。
【0030】
そして、データ処理部100は、取得した画像データの中からディスプレイ画面1行分を構成する画素データ列を選出し、当該画素データ列のサイズを示すサイズ情報(サイズ情報を含むヘッダ情報)を付与する(ステップS4)。ここにおいて、データ処理部100は、記憶部50内の各格納領域のアドレスを管理しており、ディスプレイ画面1行分のデータ先頭のアドレスと最後尾のアドレスとの差からデータの大きさを算出する。
【0031】
その後、データ処理部100は、ヘッダ情報が付与された画素データ列を通信路500を介してディスプレイ制御回路400へ送出する(ステップS5)。
一方、ディスプレイ制御回路400では、ライト部410が、データ処理部100から画素データ列を取得すると、画素データ列に付与されたヘッダ情報の中からサイズ情報を抽出する(ステップS6)。そして、ライト部410は、抽出したサイズ情報を切替フラグ設定部430に通知する。
【0032】
次に、切替フラグ設定部430は、ライト部410からサイズ情報が通知されると、当該サイズ情報が示す画素データ列のサイズが所定のサイズ閾値(例えば、1キロバイト)よりも大きいか否かを判定する(ステップS7)。
ステップS7において、切替フラグ設定部430は、取得した画素データ列のサイズが所定のサイズ閾値以上と判定すると(ステップS7:YES)、切替フラグ保持部210bが保持する切替フラグF1を「0」に設定する(ステップS8)。この切替フラグ保持部210bは、切替フラグF1の内容を電圧に変換して出力するものであり、切替フラグF1が「0」に設定されると表示モードラインの電圧が「High」となる。表示モードラインの電圧が「High」となると、非分岐配線がアクティブ、且つ、分岐配線が非アクティブに設定される(ステップS9)。
【0033】
一方、ステップS7において、切替フラグ設定部430は、取得した画素データ列のサイズが所定のサイズ閾値未満低解像度画像を示すと判断すると(ステップS7:NO)、切替フラグ保持部210bが保持する切替フラグF1を「1」に設定する(ステップS10)。切替フラグF1が「1」に設定されると表示モードラインの電圧が「High」となり、非分岐配線が非アクティブ、且つ、分岐配線がアクティブに設定される(ステップS11)。
【0034】
次に、ライト部410は、データ処理部100から取得した画素データ列をバッファ420に書き込んでいく(ステップS12)。このとき、ライト部410は、ヘッダ情報に含まれるサイズ情報に基づいてデータ処理部100から送出されるディスプレイ画面1行分の画素データ列がバッファ420に書き込まれたことを判断する。
そして、ソースドライバ210が、バッファ420に格納された画素データを液晶ディスプレイ300のソース線に出力することで、液晶ディスプレイ300に画像を表示する(ステップS13)。
【0035】
その後、液晶ディスプレイ300に画像データを表示した状態でタイミングジェネレータ440から切替フラグ設定部430に入力される動作クロックの1周期に相当する時間が経過すると、切替フラグ設定部430が、切替フラグF1を”0”に設定する(ステップS14)。
また、データ処理部100では、タイミングジェネレータ440からソースドライバ210に入力される動作クロックの1周期毎に、1フレーム分の画像データを構成する画素データの全てのディスプレイ制御回路400への送出が完了したか否かを判断する(ステップS15)。
【0036】
ステップS15において、データ処理部100は、1フレーム分の画像データを構成する画素データの全てのディスプレイ制御回路400への送出が完了していないと判断すると(ステップS15:NO)、再び、記憶部50から他の1行分の画像データを取得する(ステップS4)。
一方、ステップS15において、データ処理部100は、1フレーム分の画像データを構成する画素データの全てのディスプレイ制御回路400への送出が完了したと判断すると(ステップS15:YES)、データ処理部100自身が保持する表示終了フラグF2が「1」に設定されているか否かを判断する(ステップS16)。この表示終了フラグF2は、データ処理部100が、携帯端末1の省電力化のために液晶ディスプレイ300の画像表示を終了させる処理を行うときに「1」に設定される。ここで、データ処理部100は、操作部30に対して入力がない状態が所定期間だけ継続すると、表示終了フラグF2を「1」に設定する。
【0037】
ステップS16において、データ処理部100は、表示終了フラグF2が「1」に設定されていないと判断すると(ステップS16:NO)、ステップS3に移行する。
一方、ステップS16において、データ処理部100は、表示終了フラグF2が「1」に設定されていると判断すると(ステップS16:YES)、液晶ディスプレイ300の電源をOFFにする(ステップS17)。
<2−1>画像表示動作
以下、図5の「画像表示」処理(ステップS13参照)におけるディスプレイ制御回路400の動作について、図6から図8を用いながら説明する。
<2−1−1>データ処理部100が、高解像度の画像データ(VGAデータ)を構成する画素データ列を取得した場合
ソースドライバ210は、非分岐配線がアクティブ、且つ、分岐配線が非アクティブに設定され、図6(a)に示すように、動作クロック信号Clkに同期して、1周期毎に全てのソース線S[i](i=0,1,2,・・・,1439)から電圧Dk[i](i=0,1,2,・・・,1439,k=0,1,2,・・・,639)を同時に出力する。そして、動作クロック信号1周期毎に、出力する電圧をDk[i]からDk+1[i]に変更していく。
【0038】
一方、ゲートドライバ220は、動作クロック信号Clkに同期して、1周期毎に電圧を出力するゲート線G[j](j=0,1,2,・・・,639)を変更していく。
これにより、図7(a)乃至(c)に示すように、バックライトの光を透過させる画素(図7(a)乃至(c)のハッチ部分)が、1画素分ずつずれていく。
<2−1−2>データ処理部100が、低解像度の画像データ(QVGAデータ)を構成する画素データ列を取得した場合
ソースドライバ210は、非分岐配線が非アクティブ、且つ、分岐配線がアクティブに設定され、図6(b)に示すように、動作クロック信号Clkに同期して、1周期毎に全てのソース線S[i](i=0,1,2,・・・,1439)から電圧Dk[i](i=0,1,2,・・・,1439,k=0,1,2,・・・,639)を同時に出力する。そして、動作クロック信号2周期毎に、出力する電圧をDk[i]からDk+1[i]に変更していく。
【0039】
一方、ゲートドライバ220は、前述<2−3−1>と同様に、動作クロック信号Clkに同期して、1周期毎に行指定信号を出力するゲート線G[j](j=0,1,2,・・・,639)を変更していく。
これにより、図8(a)乃至(c)に示すように、バックライトの光を透過させる画素(図8(a)乃至(c)のハッチ部分)が、1画素分ずつずれていくとともに、2周期ことにソース線S[i]に出力される画素データが変わっていくことになる。
【0040】
結局、本実施の形態に係るディスプレイ制御回路400では、図9に示すように、データ処理部100からバッファ420に1行分の画素データを送出し、バッファ420に格納された1行分の画像データがソースドライバ210を介して、液晶ディスプレイ300の各ソース線S[i](i=0,1,2,・・・,1439)に出力されることになる。従って、1行分の画素データ列を格納できるだけのバッファ420があればよいので、従来に比べて必要なメモリ容量の低減を図ることができ、コスト低減が図れる。
【0041】
また、バッファ420は、1行分の画素データ列を格納できるだけのメモリ容量(例えば、VGAデータであれば、1440バイト)を備えたものであればよく、1フレーム分の画素データを格納できるメモリ容量(例えば、VGAデータであれば、1440×640バイト)を備えた表示メモリに比べて面積を小さくすることができる。従って、従来例の携帯端末に比べてディスプレイ制御回路400の小型化を図りやすいという利点がある。
【0042】
更に、本実施の形態に係る携帯端末は、1フレーム分の画像データの中から1行分の画素データ列を読み出す処理および画素データ列を加工してバッファ400に格納する処理が不要となるので、1行分の画素データをディスプレイに表示させるまでの処理の簡素化を図ることができる。また、処理を簡素化することにより、ディスプレイ制御回路400に最低限求められる性能を低く抑えることで、コスト低減を図ることができる。
【0043】
また、本実施の形態は、画素データ列を読み出す処理と画素データ列を加工してバッファに格納する処理が不要になるため、電力削減にも効果がある。
<実施の形態2>
<1>構成
本実施の形態に係る携帯端末1は実施の形態1と略同様の構成(図1参照)であり、ディスプレイ制御回路400のライト部410、切替フラグ設定部430、ソースドライバ210およびゲートドライバ220の構成のみが相違する。なお、実施の形態1と同様の構成については、適宜説明を省略する。
<1−1>ライト部
ライト部410は、実施の形態1と同様の機能に加えて、データ処理部100から通信路500を介してディスプレイ制御回路400に送出される画素データ列の大きさを算出する機能を有する。そして、ライト部410は、算出した画素データ列のサイズを切替フラグ設定部430に通知する。
<1−2>切替フラグ設定部
切替フラグ設定部430は、ライト部410から通知される画素データ列のサイズに基づいて、切替フラグ保持部210b,220bが保持する切替フラグF1の内容を設定する。切替フラグ設定部430は、画像データの大きさが、VGAに対応する480画素分の大きさであれば切替フラグF1を「0」に設定し、QVGAに対応する240画素分の大きさであれば切替フラグF1を「1」に設定する。
<1−3>ソースドライバ
ソースドライバ210は、図10に示すように、バッファ420の複数の出力端子OUT1[i]から入力される画素データ信号を各ソース線[i]に供給する複数の第1の分配回路210hと、第1の分配回路210hに表示モードライン210cを介して接続され切替フラグF1の内容に基づいて表示モードライン210cの電圧レベルを設定する切替フラグ保持部210bとを備える。なお、切替フラグ保持部210bおよび駆動電圧出力回路210aは、実施の形態1と同様の構成なので説明を省略する。
【0044】
ここで、複数の第1の分配回路210hおよび表示モードライン210cとから構成される回路は、表示モードライン210cが「Low」レベルであれば、非分岐配線(第1の非分岐配線)を構成し(つまり、非分岐配線がアクティブ、且つ、分岐配線が非アクティブ)、表示モードライン210cが「High」レベルであれば、分岐配線(第1の分岐配線)を構成する(つまり、非分岐配線が非アクティブ、且つ、分岐配線がアクティブ)ことになる。
【0045】
第1の分配回路210hは、バッファ320の出力端子OUT1[i]と同数の出力端子OUT12[i](i=0,1,2,・・・,1439)を備えており、表示モードライン210cの電圧レベルが「Low」レベルであれば、バッファ420の出力端子OUT[i]からの出力をそのままOUT12[i]に出力し、一方、表示モードライン210cの電圧レベルが「High」レベルであれば、バッファ420の出力端子OUT1[i]から出力される画素データを出力端子OUT12[i]および出力端子OUT12[i−3]に同時に出力する。
【0046】
なお、第1の分配回路210hは、入力端子の一方が表示モードライン210cに接続され他方がバッファ420の出力端子OUT1[i]に接続された複数の第1のAND回路210dと、入力端子の一方が表示モードライン210cにインバータ接続され他方がバッファ420の出力端子OUT1[i]に接続された複数の第2のAND回路210eと、入力端子の一方が第1のAND回路210dの出力端子に接続され他方が第2のAND回路210eの出力端子に接続された複数の第1のOR回路210fとから構成される。
【0047】
なお、図9に示される例では、それぞれ3つの、第1のAND回路210d、第2のAND回路210e、第1のOR回路210fからなる分配回路210hを1つの点線で囲って例示しているのみであるが、同様の分配回路210hは、3つのソース線[i]毎に、複数設けられている。
<1−4>ゲートドライバ
ゲートドライバ220は、図11に示すように、ゲート線G[j]と同数の複数の出力端子OUT2[j](j=0,1,2,・・・,639)を有する駆動電圧出力回路220aと、駆動電圧出力回路220aの出力端子OUT2[i]から入力される行指定信号を各ゲート線G[i]に供給する第2の分配回路220hと、切替フラグF1の内容に基づいて表示モードライン220cの電圧レベルを設定する切替フラグ保持部220bとを備える。
【0048】
ここで、複数の第2の分配回路220hおよび表示モードライン220cとから構成される回路は、表示モードライン220cが「Low」レベルであれば、非分岐配線(第2の非分岐配線)を構成し(つまり、非分岐配線がアクティブ、且つ、分岐配線が非アクティブ)、表示モードライン220cが「High」レベルであれば、分岐配線(第2の分岐配線)を構成する(つまり、非分岐配線が非アクティブ、且つ、分岐配線がアクティブ)ことになる。
【0049】
第2の分配回路220hは、駆動電圧出力回路220aの出力端子OUT2[j]と同数の出力端子OUT22[j](j=0,1,2,・・・,639)を備えており、表示モードライン210cの電圧レベルが「Low」レベルであれば、バッファ420の出力端子OUT2[j]からの出力をそのままOUT22[j]に出力し、一方、表示モードライン210cの電圧レベルが「High」レベルであれば、バッファ420の出力端子OUT2[j]から出力される画素データを出力端子OUT22[j]および出力端子OUT12[j−1]に同時に出力する。
【0050】
なお、第2の分配回路220hは、ソースドライバ210の第1の分配回路210hと同様に、第3のAND回路220d、第4のAND回路220e、およびOR回路220fから構成されている。
なお、図11に示される例では、それぞれ、第2のAND回路220d、第4のAND回路220e、OR回路220fからなる第2の分配回路220hを1つの点線で囲って例示しているのみであるが、同様の第2の分配回路220hは、各ゲート線[i]毎に、複数設けられている。
【0051】
切替フラグ保持部210bは、切替フラグF1が「0」に設定されると表示モードライン220cの電圧レベルを「Low」レベルに設定し、切替フラグF1が「1」に設定されると、表示モードライン220cの電圧レベルを「High」レベルに設定する。
駆動電圧出力回路220aは、タイミングジェネレータ440から入力される動作クロック信号に同期して、各出力端子OUT2[j]から時分割で所定の駆動電圧を出力する。
【0052】
ここにおいて、図11から明らかなように、表示モードライン220cの電圧レベルが「High」レベルであれば、第3のAND回路220dが駆動電圧出力回路220aからの入力電圧をそのまま出力し且つ第4のAND回路220eが駆動電圧出力回路220aからの入力に関わらず電圧を出力しなくなるので、出力端子OUT2[k]からの出力が、ゲート線G[m],G[m−1]に同時に出力されることになる。一方、表示モードライン220cの電圧レベルが「Low」レベルであれば、第3のAND回路220dが駆動電圧出力回路220aからの入力電圧に関わらず出力電圧が「Low」レベルに維持され且つ第4のAND回路が駆動電圧出力回路220aからの入力電圧をそのまま出力するので、出力端子OUT2[m]からの出力が、ゲート線G[m]のみに出力されることになる。
<2>動作
本実施の携帯に係る携帯端末に係るデータ処理部100およびディスプレイ制御回路400の動作のフローチャートを図12に示す。ここにおいて、ステップS51乃至S53と、ステップS62乃至S66は、図5におけるステップS1乃至S3と、ステップS14乃至S18と同じなので説明を省略する。
【0053】
ステップS53の後、データ処理部100は、記憶部50から取得したディスプレイ1行分に相当する複数の画素データからなる画素データ列をディスプレイ制御回路400に送出する(ステップS54)。ここで、データ処理部100は、画素データ列の最後に画素データ列と区別可能な識別情報を付与する。この識別情報は、データ処理部100から送られてくる画素データ列の最後尾を識別するために用いられる。
【0054】
そして、ディスプレイ制御回路400では、ライト部410が、データ処理部100から入力された画素データ列をバッファ420に書き込んでいく(ステップS55)。ここで、ライト部410は、画素データ列を構成する画素データ数をカウントするカウンタ(図示せず)を備えており、画素データ列がバッファ420に書き込まれる際に画素データ数をカウントする。
【0055】
その後、ライト部410は、画素データ列の最後尾に付与された識別情報を取得すると、画素データ列のサイズを算出し(ステップS56)、算出した画素データ列のサイズを示す情報を切替フラグ設定部430に通知する。
次に、切替フラグ設定部430は、ライト部410から画素データ列のサイズが通知されると、通知された画素データ列のサイズが所定のサイズ閾値(例えば、1キロバイト)よりも大きいか否かを判定する(ステップS57)。
【0056】
ステップS7において、切替フラグ設定部430は、取得した画素データ列のサイズが所定のサイズ閾値以上と判定すると(ステップS57:YES)、切替フラグ保持部210bが保持する切替フラグF1を「0」に設定する(ステップS58)。切替フラグF1が「0」に設定されると、表示モードラインの電圧を「Low」レベルとなり、非分岐配線がアクティブ、且つ、分岐配線が非アクティブに設定される(ステップS59)。
【0057】
一方、ステップS57において、切替フラグ設定部430は、取得した画素データ列のサイズが所定のサイズ閾値未満と判断すると(ステップS57:NO)、切替フラグF1を「1」に設定する(ステップS60)。切替フラグF1が「1」に設定されると、表示モードラインの電圧が「High」となり、非分岐配線が非アクティブ、且つ、分岐配線がアクティブに設定される(ステップS61)。
【0058】
その後、ステップS62に移行する。
<2−1>画像表示動作
以下、本実施の形態のソースドライバ210、ゲートドライバ220および液晶ディスプレイ300の動作について図13および図14を用いながら説明する。ここで、バッファ420に高解像度の画像データ(VGAデータ)が書き込まれる場合の動作は、実施の形態1と同様なので説明を省略する。以下、バッファ420に低解像度の画像データ(QVGAデータ)が書き込まれる場合の画像表示動作について説明する。
【0059】
ソースドライバ210は、図13に示すように、動作クロック信号Clkに同期して、1周期毎に全てのソース線S[i](i=0,1,2,・・・,1439)から電圧Dk[i](i=0,1,2,・・・,1439,k=0,1,2,・・・,639)を同時に出力する。そして、動作クロック信号1周期毎に、出力する電圧をDk[i]からDk+1[i]に変更していく。
【0060】
一方、ゲートドライバ220は、まず、動作クロック信号Clkの1周期において、ゲート線G[639]とゲート線G[638]に電圧レベル「High」の電圧を同時に出力する。続いて、クロックClkに同期して、ゲート線G[637],G[636]に電圧レベル「High」の電圧を同時に出力する。
つまり、ゲートドライバ220は、ゲート線G[639−2n]およびG[639−(2n+1)]に電圧レベル「High」の電圧を出力した後、ゲート線G[639−2(n+1)]およびG[639−(6(n+1)+1)]に電圧レベル「High」の電圧を出力することになる。
【0061】
これにより、図14(a)および(b)に示すように、バックライトの光を透過させる画素(図14(a)および(b)のハッチ部分)が、1周期で2画素分ずつずれていくとともに、1周期ことにソース線に出力されるデータ信号が変わっていくことになる。
結局、本実施の形態に係るディスプレイ制御回路400は、動作クロック1周期でゲート線2本分の画素を同時に光らせることができるので、実施の形態1に係るディスプレイ制御回路400に比べて、1フレーム分の画像を表示するのに要する時間を短縮することができる。従って、実施の形態1に係るディスプレイ制御回路400に比べて、表示画面を切り替える際の応答性に優れた携帯端末1を提供することができる。
【0062】
また、本実施の形態は、画素データ列を読み出す処理と画素データ列を加工してバッファに格納する処理が不要になるため、電力削減にも効果がある。
<変形例>
(1)前述の実施の形態1および2では、液晶ディスプレイ300がVGA解像度であるのに対して、画像データがQVGA解像度である例について説明したが、これに限定されるものではなく、液晶ディスプレイの解像度がVGAよりも高解像度(例えば、SVGA(800画素×600画素)やXGA(1024画素×768画素))であってもよいし、また画像データがQVGA解像度よりも低解像度(例えば、QQVGA)の画像を示すものであってもよい。
【0063】
ここで、前述の各実施の形態において、ソース線[i]の本数を600×3本とし、ゲート線G[j]の本数を800本とすれば、SVGAデータとSVGAよりも低解像度の400画素×300画素の画像データとを切り替えて表示できるようになる。また、ソース線[i]の本数を768×3本とし、ゲート線G[j]の本数を1024本とすれば、XGAデータとXGAよりも低解像度の384画素×512画素の画像データとを表示できる。更に、ソース線[i]の本数を240×3本とし、ゲート線G[j]の本数を320本とすれば、SVGAデータとSVGAよりも低解像度の400画素×300画素の画像データとを切り替えて表示できるようになる。
【0064】
(2)前述の実施の形態では、CPU120が記憶部50のプログラム格納領域53に格納されている表示プログラムを実行することにより記憶部50から画素データ列を取得してディスプレイ制御回路400へ送信する機能が実現される例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)から構成され、記憶部50から画素データ列を取得してディスプレイ制御回路400へ送信するハードウェアを備えるものであってもよい。
【0065】
(3)前述の実施の形態では、アクティブマトリクス方式の液晶ディスプレイ300を備える携帯端末の例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、単純マトリクス方式の液晶ディスプレイを備える携帯端末であってもよい。更に、有機ELディスプレイを備える携帯端末であってもよい。
(4)前述の実施の形態では、本発明を携帯端末1に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、種々の携帯型電子機器(例えば、PDA(Personal Digital Assistants:携帯情報端末)や、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータなどに適用してもよい。
【0066】
(5)前述の実施の形態1および2では、データ処理部100が画像データにサイズ情報を含むヘッダ情報を付与して送出するとともに、切替フラグ設定部430が、ライト部410がヘッダ情報の中から抽出したサイズ情報に基づいて切替フラグF1の内容を設定する例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、画像データの最後尾に全ての画像データと区別でき且つ送出される画像データのサイズを識別するサイズ識別情報を別途付与し、切替フラグ設定部430が、ライト部410により抽出されるこのサイズ識別情報に基づいて切替フラグF1の内容を設定するものであってもよい。
<補足>
(1)実施の形態1および2に係る携帯端末1は、240×320個の画素(240×320×3個のサブ画素)が2次元配列されたディスプレイ画面を有し且つ各画素を発光制御するための1440本のソース線S[i](i=0,1,2,・・・,1439)および640本のゲート線G[j](j=0,1,2,・・・,639)が接続された液晶ディスプレイ300と、ソース線S[i]への画素データの供給を制御するディスプレイ制御回路400とを備えている。そして、ディスプレイ制御回路400は、行単位で送られてきた画素データ列を一時保持するバッファ420と、バッファ420に保持された画素データ列の画素数がディスプレイ画面の行方向の画素数と等しいか、ディスプレイ画面の行方向の画素数のM(Mは2以上の整数)分の1であるかを判定する機能を有する切替フラグ設定部430と、2本のソース線S[i],S[i−3]毎にバッファ420内の1つの格納領域から送出される画素データが分岐して供給されるよう配線された分岐配線(第1の分岐配線)と、各ソース線S[i]に、バッファ420内の1つの格納領域から送出される画素データが1対1に対応して供給されるよう配線された非分岐配線(第1の非分岐配線)と、切替フラグ設定部430が、バッファ420に保持された画素データ列の画素数がディスプレイ画面の行方向の画素数と等しいと判定したときは、非分岐配線をアクティブに、分岐線路を非アクティブに切り替え、切替フラグ設定部430がディスプレイ画面の行方向の画素数の2分の1であると判定したときは、分岐配線をアクティブに、非分岐配線を非アクティブに切り替える切替フラグ保持部210bとを備える。
【0067】
本構成によれば、画素データ列を読み出す処理と画素データ列を加工してバッファに格納する処理が不要になるため、電力削減にも効果がある。
また、本構成によれば、表示メモリや表示メモリからデータを読み出すリード部、読み出したデータを加工する加工部が不要となり、更に、1行分の画素データ列を格納できるだけのバッファ420があればよいので、必要なメモリサイズの低減によるコスト低減を図ることができる。
【0068】
(2)実施の形態1に係る携帯端末1では、ディスプレイ制御回路400が、保持された画素データ列に対応する画素数がディスプレイ画面の行方向の画素数と等しいときは、ディスプレイ画面内における発光させる行を指定する行指定信号を所定の周期(例えば、10ms)でゲート線G[j]に出力し、保持された画素データ列の画素数がディスプレイ画面の行方向の画素数の2分の1のときは、行指定信号を所定の周期の2倍の周期(例えば、20ms)でゲート線G[j]に出力する。
【0069】
本構成によれば、ゲートドライバ220として従来と同様の構成を採用することができる。
(3)前述の実施の形態2に係る携帯端末1は、ディスプレイ制御回路400が、更に、2本のゲート線G[j],G[j−3]毎にディスプレイ画面内において発光させる行を指定する行指定信号が分岐して供給されるよう配線された分岐配線と、各ゲート線G[j]に、行指定信号が1対1に対応して供給されるよう配線された非分岐配線とを備える。
【0070】
本構成によれば、ゲートドライバ220が、ソースドライバ210が出力する画素データに対応する列を指定する行指定信号を2本のゲート線G[j],G[j−3]に一度に出力するので、1フレームを表示するのに要する時間を低減することができるから、ユーザ入力に応じて表示画面を切り替える際の応答性を向上させることができる。
(4)前述の実施の形態1および2に係る携帯端末1は、ディスプレイ画面に表示される1つの画像を示す画像データの中から行単位で画素データ列を通信路500を介してディスプレイ制御回路400へ送出するデータ処理部100を備えており、切替フラグ保持部(切替部)210bが、分岐配線(第1の分岐配線と第2の分岐配線)および非分岐配線(第1の非分岐配線と第2の非分岐配線)についてアクティブ、非アクティブを切り替える指標となる切替フラグF1を保持し、切替フラグF1の内容に応じて分岐配線および非分岐配線とを切り替える。そして、切替フラグ設定部430が、データ処理部100から通信路500を介して入力されるヘッダ情報やその他識別情報を用いて判定を行うとともに、判定結果に基づいて切替フラグF1の内容を設定する。
【0071】
本構成によれば、切替フラグ設定部430がデータ処理部100から入力されるヘッダ情報に基づいて切替フラグF1の内容を設定するので、切替フラグF1を入力される画素データ列に適した内容により確実に設定することができる。
(5)前述の実施の形態1に係る携帯端末1は、ヘッダ情報(データ)が、画素データ列の大きさを示すサイズ情報を含み、切替フラグ設定部430が、サイズ情報を用いて判定を行う。
【0072】
本構成によれば、データ処理部100から送出される解像度識別情報に基づいて切替フラグF1の内容を設定するので、切替フラグ設定部430自身が画素データ列に対応する解像度の判別を行う必要がないから、切替フラグ設定部430に画素データ列のサイズを算出するためのカウンタ等を設ける必要がなくなるので、切替フラグ設定部430の構成を簡素化することができる。
【0073】
(6)前述の実施の形態2に係る携帯端末1は、ライト部410および切替フラグ設定部430(判定回路)を備えており、ライト部410が、データ処理部100から入力される画素データ列の大きさを算出し、切替フラグ設定部430が、算出した画素データ列の大きさに基づいて判定を行う。
本構成によれば、データ処理部100において、サイズ情報をヘッダ情報に付加する処理を行う必要がなくなるので、データ処理部100における処理負担を軽減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係る携帯端末は、必要なメモリの大きさの低減を図る技術に適用される。
【符号の説明】
【0075】
1 携帯端末
10 通信処理部
20 音声処理部
30 操作部
50 記憶部
51 高解像度画像格納領域
52 低解像度画像格納領域
53 プログラム格納領域
100 データ処理部(データ送出部)
120 CPU
130 主記憶部
210 ソースドライバ(第1のドライバ)
210b 切替フラグ保持部(切替部)
210g 変換部
210h,220h 分配回路
220 ゲートドライバ(第2のドライバ)
300 液晶ディスプレイ
400 ディスプレイ制御回路
410 ライト部
420 バッファ
430 切替フラグ設定部(判定部)
440 タイミングジェネレータ
450 分周器
500 通信路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素が2次元配列されたディスプレイ画面を有し且つ各画素を発光制御するための行方向の信号線と列方向の信号線が接続されたディスプレイと、
前記各信号線への画素データの供給を制御するディスプレイ制御部とを備え、
前記ディスプレイ制御部は、
画素データを保持するバッファと、
前記バッファに保持された前記画素データの画素数が前記ディスプレイ画面の行方向の画素数と等しいか、前記ディスプレイ画面の行方向の画素数のM(Mは2以上の整数)分の1であるかを判定する判定部と、
前記ディスプレイの行方向に並列したM(Mは2以上の整数)本の信号線毎に前記バッファ内から送出される画素データが分岐して供給されるよう配線された第1の分岐配線と、
前記ディスプレイの行方向に並列した各信号線に、前記バッファ内から送出される画素データが1対1に対応して供給されるよう配線された非分岐配線と、
前記判定部が、前記バッファに保持された画素データ列の画素数が前記ディスプレイ画面の行方向の画素数と等しいと判定したときは、前記第1の非分岐配線をアクティブに、前記第1の分岐配線を非アクティブに切り替え、前記判定部が前記ディスプレイ画面の行方向の画素数のM分の1であると判定したときは、前記第1の分岐配線をアクティブに、前記第1の非分岐配線を非アクティブに切り替える切替部とを備える
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記ディスプレイ制御部は、
前記判定部が、前記バッファに保持された画素データの画素数が前記ディスプレイ画面の行方向の画素数と等しいと判定したときは、前記ディスプレイ画面内において発光させる行を指定する行指定信号を所定の周期で前記列方向信号線に出力し、
前記判定部が、前記バッファに保持された画素データの画素数が前記画面の行方向の画素数のM(Mは2以上の整数)分の1であると判定したときは、前記行指定信号を所定の周期のM倍の周期で前記列方向の信号線に出力する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記ディスプレイ制御部は、更に、
前記ディスプレイの列方向に並列したN(Nは2以上の整数)本の信号線毎に前記画面内において発光させる行を指定する行指定信号が分岐して供給されるよう配線された第2の分岐配線と、
ディスプレイの列方向に並列した各信号線に、前記行指定信号が1対1に対応して供給されるよう配線された第2の非分岐配線とを備える
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項4】
前記ディスプレイ画面に表示される1つの画像を示す画像データの中から行単位で画素データ列を通信路を介して前記ディスプレイ制御部へ送出するデータ送出部とを備え、
前記切替部は、
前記第1の分岐配線、前記第2の分岐配線、前記第1の非分岐配線および前記第2の非分岐配線についてアクティブ、非アクティブを切り替える指標となる切替フラグを保持し、切替フラグの内容に応じて、前記第1の分岐配線、前記第2の分岐配線、前記第1の非分岐配線および前記第2の非分岐配線を切り替え、
前記判定部は、
前記データ送出部から前記通信路を介して入力されるデータを用いて判定を行うとともに、当該判定結果に基づいて前記切替フラグの内容を設定する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記判定部は、前記画素データの大きさを示すサイズ情報を用いて前記判定を行う
ことを特徴とする請求項4に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記判定部は、前記画素データの大きさを算出し、算出した前記画素データの大きさに基づいて前記判定を行う
ことを特徴とする請求項4に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−83444(P2012−83444A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228051(P2010−228051)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】