説明

撮像機器

【課題】 本体のスピーカー穴をふさぐことなく本体を把持することができ、スピーカーの音を遮蔽することを防止する構造を提供する。
【解決手段】 本体の上部外装カバーにスピーカー穴を配置する撮像機器において、スピーカー穴の近傍に突起を設けた。また突起に指をかける状態で撮像機器を把持すると、自然と指と上部外装カバーの間に隙間ができ指でスピーカー穴をふさぐことを防止している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスピーカーを内蔵する撮像機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ビデオカメラなどの撮像機器は記録媒体がテープや光ディスクからメモリーカードへと変更になってきている。メモリーカードを記録媒体に使用する撮像機器は従来のカセットテープなどを記録媒体に使用してる機種に比べ、本体の筺体を大幅に小さくすることができた。
【0003】
また本体に対して回動する表示部を持つ小型の撮像機器において、表示部を閉じた状態でも音が聞こえるようにスピーカー穴を撮像機器を把持するカバー部を避けてで本体上面カバーに配置する場合があった。(たとえば非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「キヤノン株式会社 DVDビデオカメラ iVIS DC200使用説明書」、キヤノン株式会社、2007年、p.14
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら撮像機器を手で把持したときに、撮像機器本体自身の大きさが小さいことから本体に内蔵するスピーカーの音を出すためのスピーカー穴部に指がかかってしまい、音を遮蔽してしまう問題があった。またスピーカー部に指をかけないように指を少し浮かせたりして把持して撮影することもできるが、このような誤った把持方法では撮像機器を安定させることができず、そのまま撮影すると手ぶれや長時間撮影時の疲労につながっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の撮像機器は、
本体の上部外装カバーにスピーカー穴を配置する撮像機器において、
スピーカー穴の近傍に突起を設けた
ことを特徴としている。
【0007】
請求項2の撮像機器は、請求項1に記載の撮像機器において、
突起は本体を把持するときの指かけ部である
ことを特徴としている。
【0008】
請求項3の撮像機器は、請求項1および2に記載の撮像機器において、
本体の上部外装カバーにスピーカー穴を配置しており、
前記本体上部に複数の指かけ部を備える撮像機器において、
前記複数の指かけ部の間に少なくとも1つ以上のスピーカー穴を配置する
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の構成によれば、撮像機器のスピーカー穴をふさぐことなく本体を把持することができ、スピーカーの音を遮蔽することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】表示ユニット15が開かれた状態のビデオカメラの斜視図
【図2】図1におけるA−A断面図
【図3】撮影者がカメラ本体11を把持した状態の図
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
以下、本発明の実施例について図を参照しながら説明する。
【0012】
図1には、本発明の実施例である撮像機器としてのビデオカメラの外観を示す。カメラ本体11には、レンズの光学ズームを変更するズームレバー12、ビデオカメラの電源ボタン13、動画の撮影を行うためのトリガーボタン14、画像を表示する表示ユニット15が設けられている。またカメラ本体11の内部には、画像や音声を記録したり再生したりする記録再生部が設けられている。また本体後面にはバッテリーを取り付けるためのバッテリー収納部16が配置されている。
【0013】
カメラ本体11の上面部は上面カバー17と中央部の上面化粧カバー18の2つのカバーで構成されている。上面化粧カバー18にスピーカー穴19が設けられており、上面カバー17にはカメラ本体11を把持したときに指をかけるための指かけ部20がある。
【0014】
図1におけるスピーカー穴19の中心をとおるA−A断面図を図2に示す。図2において上面化粧カバー18に設けられたスピーカー穴19は上面カバー17に設けられた指かけ部20の近傍に配置している。またスピーカー21は上面カバー17にビス22で止められるスピーカー押さえ板金23によって上面カバー17に押しつけられ、カメラ本体11の内部での音の漏れを防止している。
【0015】
撮影者がカメラ本体11を把持した状態を図3に示す。指かけ部20に撮影者の指24をかける状態で把持すると、自然と指24と上面カバー17の間に隙間ができ指24でスピーカー穴19をふさぐことを防止している。また指かけ部20の先端は指24をかけやすいように凸形状になっており、正しい持ち方を促すのに効果的な形状である。そのためカメラ本体11を安定して把持することがで、手ぶれの防止や長時間撮影時の疲労を軽減することができる。
【0016】
以上、ビデオカメラのスピーカー穴部周辺の構造について詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。部品の形状は任意に変更は可能である。また上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。なお直接明細書および図面に記載がないいずれかの形状や構造や材質であっても、本発明の作用・効果を奏する以上、本発明の技術的思想の範囲内である。指かけ部は上面カバー以外のカバーで構成されてもよいし、ゴムなどの材料で作成しているもよい。
【符号の説明】
【0017】
11‥‥カメラ本体
12‥‥ズームノブ
13‥‥電源ボタン
14‥‥トリガーボタン
15‥‥表示ユニット
16‥‥バッテリー取り付け部
17‥‥上面カバー
18‥‥上面化粧カバー
19‥‥スピーカー穴
20‥‥指かけ部
21‥‥スピーカー
22‥‥ビス
23‥‥スピーカー押さえ板金
24‥‥指


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の上部外装カバーにスピーカー穴を配置する撮像機器において、
スピーカー穴の近傍に突起を設けた
ことを特徴とする撮像機器。
【請求項2】
突起は本体を把持するときの指かけ部である
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像機器。
【請求項3】
本体の上部外装カバーにスピーカー穴を配置しており、
前記本体上部に複数の指かけ部を備える撮像機器において、
前記複数の指かけ部の間に少なくとも1つ以上のスピーカー穴を配置する
ことを特徴とする撮像機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−105017(P2013−105017A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248637(P2011−248637)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】