説明

撮像装置、及びその制御方法とそのプログラム

【課題】 画像ファイルの記録が、位置情報をログファイルとして記録する処理によって妨げられる場合があった。
【解決手段】 画像を記録媒体に記録する画像記録処理を行う画像記録手段と、外部装置から位置情報を取得する測位手段と、前記位置情報をログファイルとして前記記録媒体に記録する位置記録手段とを有し、前記位置記録手段は、前記画像記録処理が実行される場合は、位置情報をログファイルとして前記記録媒体に記録しないことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報を取り扱い可能な撮像装置、及びその制御方法とそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPSロガーのような、位置情報を定期的に取得し、ユーザの移動軌跡をログデータとして記録する装置が知られている。例えば、特許文献1には位置情報を定期的に記録し、移動経路を表すログデータを生成するロギング処理を実行する機能を備えたGPSロガーが記載されている。GPSロガーにより生成されたログデータは、GPSロガーの記録媒体に記録される。
【0003】
一方、近年ではデジタルカメラとGPSとを連携させる例も知られてきており、例えば画像データに位置情報を付加する機能を持つデジタルカメラなど、様々な応用例が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001‐143040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようなデジタルカメラの例の一つとして、上述のGPSロガーの機能を、デジタルカメラに搭載することが考えられる。このようなデジタルカメラでは、自機に搭載されたGPSの機能により取得された位置情報をログデータとしてデジタルカメラに接続された記録媒体に記録すると考えられる。
【0006】
しかしながら、この記録媒体には、デジタルカメラの主要な機能である撮影処理によって取得された画像データも記録される。つまり、撮影した画像データを記録媒体に記録する処理と、位置情報をログデータとして記録媒体に記録する処理とが並行して実行されてしまう可能性があった。そのため、位置情報を記録するために記録媒体にアクセスしている間に撮影処理を行った場合、撮影した画像データを記録媒体に記録する処理が滞ってしまうことが考えられる。
【0007】
本発明は、上記の点を鑑み、記録媒体へのアクセスを適切に制御することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の撮像装置は、被写体を撮像して得られた画像を画像ファイルとして記録媒体に記録する画像記録処理を行う画像記録手段と、外部装置から信号を受信し、該信号から位置情報を取得する測位手段と、前記測位手段により取得された位置情報を前記画像ファイルとは異なるファイルであるログファイルとして前記記録媒体に記録する位置記録処理を行う位置記録手段とを有し、前記位置記録手段は、前記画像記録手段により画像記録処理が実行される場合は、位置情報をログファイルとして前記記録媒体に記録しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
撮影処理による画像データの記録の処理が、ロギング処理による位置情報の記録の処理によって妨げられることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】デジタルカメラのブロック図である。
【図2】デジタルカメラの外観図である。
【図3】第1および第2の実施形態における電源がオンの状態におけるデジタルカメラの動作を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態における撮影処理を示すフローチャートである。
【図5】第1および第2の実施形態における再生処理を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態におけるロギング処理を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態における終了準備処理を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態における測位処理に係る処理を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態における撮影処理を示すフローチャートである。
【図10】(a)は第1および第2の実施形態における画像データの一覧表示の例である。(b)は第1および第2の実施形態における画像データの表示の例である。
【図11】ログファイルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態について、添付の図面を用いて詳細に説明する。
【0012】
尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されてもよい。また、各実施の形態は適宜組み合わされることも可能である。
【0013】
[第1の実施形態]
はじめに、本実施形態の、測位装置を備えた撮像装置の一例である、GPSを備えたデジタルカメラについて説明する。該デジタルカメラの構成を図1に示す。
【0014】
デジタルカメラ100において、中央演算装置(CPU)101は、入力された信号や、後述のプログラムに従ってデジタルカメラ100の各部を制御する。例えば、撮影処理や再生処理、ロギング処理などの制御を担う。それぞれの処理については後述する。なお、CPU101の行う制御は一つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0015】
撮像部102は撮影動作を行う。撮影動作とは、撮像部102に含まれるレンズで結像された被写体光を電気信号に変換し、ノイズ低減処理などを行い、デジタルデータを画像データとして出力する処理である。出力された画像データは、記録媒体107に記録される。
【0016】
不揮発性メモリ103は、デジタルカメラ100の各部を制御するためのプログラム(ファームウェア)や各種の設定情報を記憶している。後述する各フローチャートに示す処理をCPU101が制御するためのプログラムも、この不揮発性メモリ103に記録されている。
【0017】
作業用メモリ104は、不揮発性メモリ103に保存されているプログラムを、展開・実行するためのメモリである。作業用メモリ104はCPU101のワークエリアとして使用される。
【0018】
表示部105は、撮影の際のビューファインダー画像データの表示、撮影した画像データの表示、対話的な操作のための文字表示などを行う。なお、表示部105はデジタルカメラ100が備える必要はなく、デジタルカメラ100は表示部105と接続することができ、表示部105の表示を制御する表示制御機能を少なくとも有していればよい。
【0019】
操作部106はユーザがデジタルカメラの動作を指示するために用いられる。操作部106は、例えば、デジタルカメラの電源のオン/オフを指示するための電源ボタンや、撮影処理を行うためのレリーズスイッチ、画像データを閲覧するための再生ボタンなどの操作部材を含むよう構成される。
【0020】
記録媒体107には、撮像部102から出力された画像データや、後述のGPS108にて取得した位置情報や日時情報を記録することができる。記録媒体107は、デジタルカメラ100に着脱可能なよう構成してもよいし、デジタルカメラ100に内蔵されていてもよい。すなわち、デジタルカメラ100は少なくとも記録媒体107にアクセスする手段を有していればよい。
【0021】
GPS108は、測位処理を行う。測位処理とは、GPS衛星から信号を受信し、受信した信号からGPS108の位置情報を取得する処理である。本実施形態では併せて日時情報も取得する。なお、本実施形態ではGPSを用いたが、必ずしもGPSには限定されず、例えば携帯電話の基地局といった外部装置や加速度センサなどから位置情報を取得する装置であってもよい。また、GPS108はデジタルカメラ100に着脱可能でも、内蔵されていてもよい。つまり、デジタルカメラ100は、少なくとも位置情報を取得する機能を備えていればよい。このGPS108を用いてCPU101はロギング処理を行う。ロギング処理では、CPU101は、定期的にGPS108により測位処理を行うよう制御する。そしてCPU101は、取得された位置情報と日時情報とを対応づけてログデータを生成し、ログファイルとして記録媒体107に保存する。保存されたログファイルには、そのログファイルが作成された日が終了するまで、定期的に取得された位置情報と日時情報とが追記される。その際、CPU101は、位置情報と日時情報とが取得される度に記録媒体107にアクセスし、位置情報と日時情報とを記録媒体107に記録されているログファイルに追記するよう制御する。CPU101が日付の変更を検知するとともに、新たなログファイルが生成され、日付の変更後に取得された位置情報と日時情報とは、新たなログファイルに追記される。図11にログファイルの一例を示す。一つのログファイルに含まれる複数の位置情報に対応する位置を、対応する日時順につないだものがデジタルカメラ100の移動軌跡を示すことになる。このロギング処理を行う機能のオン/オフは操作部106を介してユーザが任意に切り替えることができる。なお、オン/オフを判断するための判断情報として不揮発性メモリ103内にフラグが保持され、オンの場合はフラグに1が、オフの場合はフラグに0が記録される。
【0022】
計時部110は、前述したロギング処理において測位処理を行う間隔を計時する。なお、計時部110はCPU101とは異なるCPUを含み、計時部110以外の、CPU101を含むデジタルカメラ100の各部への電力供給を停止した状態で計時を行うことができるよう構成される。また、計時部110は、CPU101やGPS108を含むデジタルカメラ100の各部への電力供給を制御する機能も備える。
以上が、本実施形態におけるデジタルカメラの構成である。
【0023】
次に、デジタルカメラの外観の例を図2に示す。デジタルカメラ本体100、GUIや撮影した画像データなどの表示を行うディスプレイ201、電源ボタン202、レリーズスイッチ203、再生モード起動を行う再生ボタン204、LED205からなる。
【0024】
このうち、デジタルカメラ本体の番号は、図1と同様の番号を付してある。また、ディスプレイ201は、図1の表示部105に対応する。さらに、電源ボタン202、レリーズスイッチ203、および再生ボタン204は図1の操作部106に含まれる。
【0025】
次に、本実施形態のデジタルカメラ100の動作について説明する。
【0026】
図3は、デジタルカメラ100の動作を示すフローチャートである。このフローチャートの各ステップに示す処理は、CPU101が、不揮発性メモリ103に保存されているプログラムをロードし、作業用メモリ104に展開してプログラムに従いデジタルカメラ100の各部を制御することで実現される。以降のフローチャートに示す各処理についても同様である。
【0027】
また、このフローチャートに示す処理は、デジタルカメラ100の電源がオフの状態にて、電源ボタン202または再生ボタン204が押下されたことにより、電源がオンの状態になった際に開始される。
【0028】
まず、ステップS301にて、CPU101は、電源ボタン202が押下されたことにより本処理が開始されたのか、再生ボタン204が押下されたことにより本処理が開始されたのかを判断する。
【0029】
ステップS301にてCPU101が、電源ボタン202が押下されたことにより本処理が開始されたと判断した場合、処理はステップS302に進む。
【0030】
ステップS302ではデジタルカメラ100は撮影モードとなり、撮影処理を行う。撮影モードでは、デジタルカメラ100は撮像部102などの撮影処理に必要な装置への電力供給を行う。撮影処理については、図4に示すフローチャートにて説明する。
【0031】
ステップS301にてCPU101が、電源ボタン202が押下されたことにより本処理が開始されたと判断した場合、処理はステップS303に進む。
【0032】
ステップS303ではデジタルカメラ100は再生モードとなり、再生処理を行う。再生モードでは、デジタルカメラ100は表示部105などの再生処理に必要な装置への電力供給を行う。再生処理については、図5に示すフローチャートにて説明する。
【0033】
撮影処理または再生処理が終了すると、処理はステップS304に進む。ステップS304では、CPU101はデジタルカメラ100の電源をオフにするための終了準備処理を行う。終了準備処理については、後述する。ステップS304の処理が終了すると、本処理は終了し、デジタルカメラ100は電源がオフの状態となる。
【0034】
次に、図4を用いて撮影処理について説明する。図4は撮影処理におけるデジタルカメラ100の動作を示すフローチャートである。この撮影処理は、画像記録処理の一例である。
【0035】
まず、ステップS401にて、CPU101は、電源ボタン202が押下されたか否か、あるいは一定時間操作部106が操作を受け付けなかったか否かを判断する。ステップS401にて、CPU101が、電源ボタン202が押下された、あるいは一定時間操作部106が操作を受け付けなかったと判断した場合、本処理を終了し、図3の処理に戻る。それ以外の場合は、ステップS402に進む。
【0036】
ステップS402では、CPU101は再生ボタン204が押下されたか否かを判断する。ステップS402にて、CPU101が再生ボタン204が押下されたと判断した場合、処理は後述する再生処理に移る。一方、ステップS402にて、CPU101が再生ボタン204が押下されていないと判断した場合、ステップS403に進む。
【0037】
ステップS403にて、CPU101はレリーズスイッチ203が押下されたか否かを判断する。ステップS403にて、CPU101がレリーズスイッチ203が押下されていないと判断した場合、ステップS401に戻る。ステップS403にて、CPU101がレリーズスイッチ203が押下されたと判断した場合、ステップS404に進む。
【0038】
ステップS404にて、CPU101は、撮像部102により撮影動作を行い、画像データを取得するよう制御する。
【0039】
次に、ステップS405にて、CPU101は、ステップS404にて取得した画像データのレビュー表示を、表示部105に表示するよう制御する。
【0040】
次に、ステップS406にて、CPU101は、記録媒体107の空き容量が、ステップS404にて取得した画像データを保存できるだけの量であるか否かを判断する。ステップS406にてCPU101が、ステップS404にて取得した画像データを記録媒体107に保存できると判断した場合、ステップS407に進む。
【0041】
ステップS407では、CPU101は、ステップS404にて取得された画像データを記録媒体107に保存できない旨を表示部105に表示する(例えば、「空き容量が足りません」などのメッセージを表示する)。その後、処理はステップS401に戻る。
【0042】
一方、ステップS406にてCPU101が、ステップS404にて取得した画像データを記録媒体107に保存できると判断した場合、ステップS408に進む。
【0043】
ステップS408では、CPU101は、ステップS404にて取得した画像データを画像ファイルとして記録媒体107に記録する。その後、処理はステップS401に戻る。
【0044】
以上が撮影処理におけるデジタルカメラ100の動作の説明である。
【0045】
次に、図5を用いて再生処理について説明する。図5は再生処理におけるデジタルカメラ100の動作を示すフローチャートである。
【0046】
まず、ステップS501にて、CPU101は、記録媒体107に画像データが記録されているか否かを判断する。ステップS501にて、CPU101が、記録媒体107に画像データが記録されていると判断した場合、処理はステップS502に進む。
【0047】
ステップS502では、CPU101は、記録媒体107に記録されている画像データのうち、最も新しく記録された画像データのサムネイルを表示部105に一覧表示する。例えば、図10(a)のように表示する。その後、処理はステップS504に進む。
【0048】
一方、ステップS501にて、CPU101が、記録媒体107に画像データが記録されていないと判断した場合、処理はステップS503に進む。
【0049】
ステップS503では、CPU101は画像データが記録媒体107に記録されていない旨を表示部105に表示するよう制御する。その後、処理はステップS504に進む。
【0050】
ステップS504では、CPU101は、電源ボタン202が押下されたか否か、あるいは一定時間操作部106が操作を受け付けなかったか否かを判断する。ステップS504にて、CPU101が、電源ボタン202が押下された、あるいは一定時間操作部106が操作を受け付けなかったと判断した場合、本処理を終了し、図3の処理に戻る。それ以外の場合は、ステップS505に進む。
【0051】
ステップS505では、CPU101は、レリーズスイッチが押下されたか否かを判断する。ステップS505にて、CPU101がレリーズスイッチ203が押下されたと判断した場合、処理は上述した撮影処理に移る。一方、ステップS505にて、CPU101がレリーズスイッチ203が押下されていないと判断した場合、ステップS506に進む。
【0052】
ステップS506では、CPU101は、操作部106を介して画像データの表示指示を受け付けたか否かを判断する。ステップS506にて画像データの表示指示を受け付けていないと判断した場合、ステップS510に進む。ステップS510については後述する。一方、ステップS506にて、CPU101が、撮影した画像データの一覧表示の指示を受け付けたと判断した場合、ステップS507に進む。
【0053】
ステップS507では、CPU101は、記録媒体107に記録されている画像データのサムネイルを表示部105に一覧表示するよう制御する。例えば図10(a)のように表示する。その後、処理はステップS504に戻る。
【0054】
また、ステップS506にて、CPU101が、撮影した画像データの一面表示の指示を受け付けたと判断した場合、ステップS508に進む。
【0055】
ステップS508では、CPU101は、ステップS506にて受け付けた指示によって特定される画像データを記録媒体107にアクセスして読みだす。
【0056】
次いで、ステップS509では、CPU101は、ステップS508にて読みだした画像データを表示部105に表示するよう制御する。例えば図10(b)のように表示する。
【0057】
次に、ステップS510では、CPU101は、操作部106を介して、現在表示されている画像データを削除する指示を受け付ける。
【0058】
ステップS510にて、CPU101が、表示されている画像データの削除指示を受け付けていないと判断した場合、処理はステップS504に戻る。一方、ステップS510にて、CPU101が、表示されている画像データの削除指示を受け付けたと判断した場合、ステップS511に進む。
【0059】
ステップS511では、CPU101は、表示されている画像データを削除する。その後、処理はステップS501に戻る。
以上が、再生処理におけるデジタルカメラ100の動作の説明である。
【0060】
次に、終了準備処理について、図7を用いて説明する。図7は、終了準備処理におけるデジタルカメラ100の動作を示すフローチャートである。
【0061】
まず、ステップS701にて、CPU101はロギング機能がオンに設定されているか否かを判断する。具体的には、CPU101は、不揮発性メモリ103に記録されているロギング機能のオン/オフの情報を参照し、判断する。ステップS701にてCPU101が、ロギング機能がオンに設定されていないと判断した場合、処理はステップS702に進む。一方、ステップS701にてCPU101が、ロギング機能がオンに設定されていると判断した場合、ステップS703に進む。
【0062】
ステップS702では、CPU101は、デジタルカメラ100の各部への電力供給を停止する。その後、本処理は終了し、図3の処理に戻り、デジタルカメラ100は電源オフの状態となる。
【0063】
一方、ロギング機能がオンの場合は、撮影モードまたは再生モードの状態にて電源ボタンが押下されたことにより、デジタルカメラ100の電源がオンの状態からオフの状態になったことに応じてロギング処理が開始される。
【0064】
そこで、ステップS703では、CPU101は、電源をオフにした後に、ロギング処理が行われる旨をユーザに通知する。例えば、図2の表示206のようなメッセージを表示部105に表示するよう制御する。この表示により、ユーザは電源ボタンの押下後もロギング処理が行われることを知ることができ、ユーザの知らない間に電池が消耗していたなどの不測の事態を防ぐことができる。その後、処理はステップS704に進む。
【0065】
ステップS704では、CPU101は計時部110を除くデジタルカメラ100の各部への電力供給を停止し、デジタルカメラ100は電源がオンの状態から電源がオフの状態となる。なお、本実施形態でいう電源がオンの状態とは、CPU101に電力が供給されている状態をいうものとする。一方、本実施形態でいう電源がオフの状態とは、CPU101に電力が供給されていない状態をいうものとする。その後、処理は図6のフローチャートが示すロギング処理に移る。
以上、撮影モードおよび再生モードにおけるデジタルカメラ100の動作を中心に説明した。
【0066】
次に、ロギング処理について説明する。図6は、ロギング処理におけるデジタルカメラ100の動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理はCPU101および計時部110が協働してデジタルカメラ100の各部を制御することで実現される。
【0067】
このフローチャートに示す処理は、ロギング機能がオンに設定されていた場合、撮影モードまたは再生モードにて電源ボタン202が押下されたことによりデジタルカメラ100の電源がオフとなることに応じて、開始される。
【0068】
まず、ステップS601にて、計時部110は、一定時間をカウントする。その間デジタルカメラ100は電源がオフの状態で待機する。一定時間のカウントが完了すると、処理はステップS602に進む。
【0069】
次にステップS602にて、計時部110は、CPU101やGPS108を含む測位処理に必要な装置への電力供給を行うよう制御する。
【0070】
次いで、ステップS603にて、CPU101は、電池の残量が一定量以下になったか否かを判断する。ステップS603にてCPU101が、電池の残量が一定量以下になったと判断した場合、本処理を終了する。ステップS603にてCPU101が、電池の残量が一定量以下になっていないと判断した場合、ステップS605に進む。
【0071】
ステップS605にて、CPU101はGPS108により測位処理を行い、位置情報を取得するよう制御する。
【0072】
ステップS606にて、CPU101は、ステップS605にて位置情報が取得できたか否かを判断する。CPU101が、位置情報が取得できなかったと判断した場合、処理はステップS609に進む。CPU101が、位置情報が取得できたと判断した場合、処理はステップS607に進む。
【0073】
ステップS607では、CPU101は、記録媒体107の空き容量が、ステップS605にて取得した位置情報を記録するために必要な容量以上であるか否かを判断する。即ち位置情報を記録媒体107に記録できるか否かを判断する。ステップS607にて、CPU101が、位置情報を記録媒体107に記録できると判断した場合、ステップS608に進む。ステップS607にて、CPU101が、位置情報を記録媒体107に記録できないと判断した場合、本処理を終了する。
【0074】
ステップS608では、CPU101は、ステップS605にて取得した位置情報を、ログファイルとして記録媒体107に記録する位置記録処理を行う。この際、CPU101が位置情報を記録すべきログファイルが記録媒体107に記録されていないと判断した場合は、新たにログファイルを生成し、該ログファイルに位置情報を記録する。その後、ステップS609に進む。
【0075】
ステップS609では、CPU101は、デジタルカメラ100の各部への電力供給を停止し、処理はステップS601に戻る。
【0076】
なお、本フローにおいては、電源ボタン202または再生ボタン204の押下は割り込み処理として受け付けられる。CPU101が、電源ボタン202または再生ボタン204の押下を受け付けた場合、本処理を終了し、処理は図3に移る。
以上が、ロギング処理におけるデジタルカメラ100の動作の説明である。
【0077】
以上、撮影処理が実行される際には、位置情報をログファイルとして記録媒体に記録しない撮像装置について述べた。
【0078】
上述のデジタルカメラ100におけるロギング処理は、撮影処理と並行して実行されない。このことにより、撮影処理の実行中は、位置情報をログファイルとして記録するために記録媒体107にアクセスする処理が実行されないよう制御される。これにより、撮影処理による画像データの記録が、ロギング処理による位置情報の記録によって妨げられることを防ぐことができる。
【0079】
[第2の実施形態]
第1の実施形態においては、撮影処理とロギング処理とを並行して実行しない撮像装置について述べた。第1の実施形態では、撮影処理の実行中は測位処理を行わない。つまり、撮影した画像データに撮影のタイミングで得た位置情報を付加することはできなかった。
【0080】
それに対し第2の実施形態では、撮影処理と並行して、ロギング処理とは異なる処理である撮影位置取得処理を実行する。撮影位置取得処理では、定期的に取得した位置情報を作業用メモリ104に記録しておき、撮影動作が行われることに応じて作業用メモリ104から位置情報を読みだして撮影した画像データに付加することとした。
【0081】
本実施形態は、第1の実施形態と共通する部分が多いため、本実施形態に特有の部分を中心に説明する。
【0082】
まず、撮影位置取得処理の説明を、図8を用いて説明する。
図8は撮影位置取得処理に関するデジタルカメラ100の動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、図3の処理が開始される際に、並行して開始される。
【0083】
なお、図8のフローチャートに示す処理は、前述の図3、図4、図5、及び図7に示す処理と並行して実行される。
【0084】
まず、ステップS801にて、CPU101は、デジタルカメラ100が電源がオフの状態であるか否かを判断する。ステップS801にてCPU101が、電源がオンの状態であると判断した場合、本処理を終了する。一方、ステップS801にてCPU101が、電源がオフの状態であると判断した場合、ステップS802に進む。
【0085】
ステップS802では、計時部110により一定の時間が計時される。この間、GPS108は測位処理を行わない。
【0086】
次に、ステップS803にて、CPU101はGPS108により測位処理を行い、位置情報を取得するよう制御する。
【0087】
ステップS804では、CPU101は、ステップS803にて位置情報が取得できたか否かを判断する。CPU101が、位置情報が取得できなかったと判断した場合、処理はステップS801に戻る。CPU101が、位置情報が取得できたと判断した場合、処理はステップS805に進む。
【0088】
ステップS805では、CPU101はステップS803にて取得された位置情報を、作業用メモリ104に記録する。本実施形態では、作業用メモリ104に記録する位置情報は一つとし、既に作業用メモリ104に位置情報が記録されている場合は、ステップS803にて取得された位置情報を上書きする。この処理は、後述する本実施形態における撮影処理にて画像データに、この処理によって作業用メモリ104に記録された位置情報を対応づけるために行うものである。
以上が、本実施形態の測位処理に関する処理におけるデジタルカメラ100の動作の説明である。
【0089】
次に、本実施形態における撮影処理について図9を用いて説明する。図9は本実施形態における撮影処理でのデジタルカメラ100の動作を示すフローチャートである。本実施形態では、図3のステップS302において、図4に示す処理を行う代わりに図9に示す処理を行う。
【0090】
ステップS901からステップS907までの処理は、図4のステップS401からステップS407までの処理と同様であるため説明は省略する。
【0091】
ステップS908では、CPU101は、作業用メモリ104に記録されている位置情報を読み出す。この位置情報は、上述の図8のステップS803にて記録された位置情報である。
【0092】
次いで、ステップS909にて、CPU101は、ステップS908にて読みだした位置情報を、ステップS904にて取得した画像データに対応づけて、記録媒体107に保存する。その後、処理はステップS901に戻る。
以上が、本実施形態における撮影処理におけるデジタルカメラ100の動作の説明である。
【0093】
以上、撮影処理の実行中は、位置情報は作業用メモリ104に記録され、記録媒体107にログファイルとして記録されない例について述べた。
【0094】
このように構成することにより、本実施形態におけるデジタルカメラ100は、撮影処理の実行中は、測位処理を行いつつも、記録媒体107にログファイルとして記録せず、作業用メモリ104に測位結果を記録する。これにより、画像データを記録媒体107に記録する処理との競合を防ぐことができる。その一方で、撮影が実行された場合は作業用メモリ104に記録された位置情報を用いて、画像データへの位置情報の対応付けをする。この処理により、不測の競合の発生を抑えつつ、撮影した画像データに位置情報を対応付けできる。
【0095】
[その他の実施形態]
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0096】
なお、上述の実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像して得られた画像を画像ファイルとして記録媒体に記録する画像記録処理を行う画像記録手段と、
外部装置から信号を受信し、該信号から位置情報を取得する測位手段と、
前記測位手段により取得された位置情報を、前記画像ファイルとは異なるファイルであるログファイルとして前記記録媒体に記録する位置記録処理を行う位置記録手段とを有し、
前記位置記録手段は、前記画像記録手段により画像記録処理が実行される場合は、位置情報をログファイルとして前記記録媒体に記録しないことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記位置記録手段は、前記撮像装置が撮影モードまたは再生モードの状態にて電源ボタンが押下されたことに応じて、前記位置記録処理を開始することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記位置記録手段は、前記電源ボタンの押下に応じて前記位置記録処理が開始された後、再度電源ボタンが押下されたことに応じて、前記位置記録処理を停止することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記電源ボタンの押下に応じて前記位置記録処理が開始された後、再度電源ボタンが押下されたことに応じて、撮影モードまたは再生モードの状態となることを特徴とする請求項2または3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記位置記録手段により位置記録処理を行うか否かを設定するための設定手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記位置記録手段は、前記設定手段により前記位置記録処理を行うと設定されている場合は前記撮像装置が撮影モードまたは再生モードの状態にて電源ボタンが押下されたことに応じて前記位置記録処理を開始し、
前記位置記録手段は、前記設定手段により前記位置記録処理を行わないと設定されている場合は前記撮像装置が撮影モードまたは再生モードの状態にて電源ボタンが押下されたことに応じて前記撮像装置の電源をオフの状態にし、前記位置記録処理を行わないことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記設定手段により前記位置記録処理を行うと設定されている場合、前記撮像装置が撮影モードまたは再生モードの状態にて電源ボタンが押下されたことに応じて、前記撮像装置の電源をオフの状態にしても前記位置記録処理を行う旨をユーザに通知する通知手段をさらに有することを特徴とする請求項5または6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記位置記録手段は、前記画像記録手段により前記画像記録処理が実行される場合は、位置情報を前記記録媒体とは異なる記録装置に記録し、前記記録媒体にログファイルとして記録しないことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記記録媒体に記録されている画像を、表示装置に表示する再生処理を行う再生手段をさらに有し、
前記位置記録手段は、前記再生処理が実行されている場合、位置情報をログファイルとして前記記録媒体に記録しないことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
被写体を撮像して得られた画像を画像ファイルとして記録媒体に記録する画像記録工程と、
外部装置から信号を受信し、該信号から位置情報を取得する測位工程と、
前記測位工程にて取得された位置情報を、前記画像ファイルとは異なるファイルであるログファイルとして前記記録媒体に記録する位置記録工程と、
前記画像記録工程が実行される場合は、前記位置記録工程にて位置情報をログファイルとして前記記録媒体に記録しないことを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の撮像装置として機能させるための、コンピュータが読み取り可能なプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−165121(P2012−165121A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22860(P2011−22860)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】