説明

撮像装置およびその制御方法及びプログラム

【課題】クリーニング装置を用いてクリーニングを行い、その結果を表示器に出力して確認する際に、ユーザの操作の煩雑さを軽減する。
【解決手段】固体撮像素子と、固体撮像素子の前面に配置された光学部材と、固体撮像素子で撮像された画像を表示する表示部と、光源を内蔵し光学部材の表面に付着した異物を除去するためのクリーニング装置を、固体撮像素子をクリーニングするべく固体撮像素子に近づけた場合の、固体撮像素子の光源からの受光量を検出する検出部と、検出部により検出された受光量に応じて、表示部に表示する画像の拡大倍率を変更する変更部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ等において、固体撮像素子の前面に配置された光学部材の表面に付着した異物を除去するためのクリーニングを行う際に、カメラ内蔵の表示器またはカメラに接続される外部表示器を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
レンズ交換式デジタル一眼レフカメラでは、レンズマウント開口部から侵入した塵埃やカメラ内の機械動作部の磨耗によって発生した塵埃等の異物が、固体撮像素子の前面に配置された光学ローパスフィルタ等の光学部材の表面に付着することがある。このように固体撮像素子の前方の光学部材に異物が付着すると、その異物の影が画像に写り込み、撮影した画像の品位を低下させる。そのため、画像の品位低下を防止する様々な対策が提案されている。
【0003】
画像品位の低下を防止する対策の一つとして、カメラのレンズマウント開口部から挿入するタイプのクリーニング装置が提案されている。例えば、特許文献1に開示されているように、棒状部材の一端に粘着性の部材を配置したクリーニング装置を用いて、固体撮像素子の前面に配置された光学部材の表面から異物を取り除く技術が知られている。
【0004】
この様なクリーニング装置を使用する場合、清掃した結果を確認できると非常に便利であるが、清掃した結果を確認する際、問題となる異物が数十μm程度の大きさであるため、目視で見つけるのが困難であるといった問題がある。
【0005】
一方、特許文献2では、クリーニング装置の使用時の作業性向上を目的として、光源を内蔵することで清掃中や清掃直後に固体撮像素子の表面の状態を確認しやすくしたクリーニング装置が提案されている。
【0006】
また、特許文献3には、カメラの表示器またはカメラに接続された外部表示器に、事前に取得した異物の位置情報に基づいて、異物を拡大して表示したり、異物の位置を強調表示したりする技術が提案されている。
【特許文献1】特開2007−52075号公報
【特許文献2】特開2007−52074号公報
【特許文献3】特開2006−217294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献3の構成では、拡大領域の選択や拡大・縮小の作業が必要となる度に、ユーザが操作部材を操作しなければならず、クリーニング作業と並行して実施する場合、ユーザの操作が煩雑になるという問題がある。
【0008】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、クリーニング装置を用いてクリーニングを行い、その結果を表示器に出力して確認する際に、ユーザの操作の煩雑さを軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる撮像装置は、固体撮像素子と、前記固体撮像素子の前面に配置された光学部材と、前記固体撮像素子で撮像された画像を表示する表示手段と、光源を内蔵し前記光学部材の表面に付着した異物を除去するためのクリーニング装置を、前記固体撮像素子をクリーニングするべく前記固体撮像素子に近づけた場合の、前記固体撮像素子の前記光源からの受光量を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された受光量に応じて、前記表示手段に表示する前記画像の拡大倍率を変更する変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係わる撮像装置の制御方法は、固体撮像素子と、前記固体撮像素子の前面に配置された光学部材とを備える撮像装置を制御する方法であって、前記固体撮像素子で撮像された画像を表示する表示工程と、光源を内蔵し前記光学部材の表面に付着した異物を除去するためのクリーニング装置を、前記固体撮像素子をクリーニングするべく前記固体撮像素子に近づけた場合の、前記固体撮像素子の前記光源からの受光量を検出する検出工程と、前記検出工程において検出された受光量に応じて、前記表示工程において表示する前記画像の拡大倍率を変更する変更工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、クリーニング装置を用いてクリーニングを行い、その結果を表示器に出力して確認する際に、ユーザの操作の煩雑さを軽減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる一眼レフデジタルカメラの断面図である。
【0014】
図1において、101はカメラ本体、102はマウント機構であり、不図示の撮影レンズ(内部に絞りと結像光学系を有して取り外し可能)は、このマウント機構102を介してカメラ本体101に電気的及び機械的に接続される。
【0015】
固体撮像素子131は、パッケージ132に収納されており、このパッケージ132はカバーガラス134にて固体撮像素子131を密閉状態で保持している。そして、不図示の撮影レンズ内の結像光学系から固体撮像素子131に至る光路L1上には、光学ローパスフィルタ135(以下、LPF135と略す)が設けられている。このLPF135は、固体撮像素子131上に物体像の必要以上に高い空間周波数成分が伝達されないように結像光学系のカットオフ周波数を制限する。また、この結像光学系には赤外線カットフィルタも配置されている。更に、カバーガラス134とLPF135との間は、両面テープ等の密封部材133にて密封構造となっている。これによりカメラ本体101の外部あるいはカメラ本体101の内部で発生した塵埃が、これらLPF135とカバーガラス134との間に入り込むことが防止される。
【0016】
なお、以降の説明においては、固体撮像素子131、パッケージ132と、これらの光路上前面に密封構造を保ったまま配される光学部材(134、135等)とを固体撮像素子ユニットと称する。また、塵埃等の異物の説明の際の「固体撮像素子ユニットに付着する塵埃」とは、固体撮像素子ユニットの内で光路上最も被写体に近い側に配置される光学部材の表面に付着した塵埃を意味することとする。
【0017】
固体撮像素子131で捉えられた物体像は、プリント基板141に実装される演算処理回路203(図2参照)によって画像データに変換され、表示器142に表示される。この表示器142は、カメラ本体101の背面に取り付けられており、撮影時等において、ユーザは、その撮影対象の画像をこの表示器142により直接観察できる。また固体撮像素子131と演算処理回路203により、表示器142の表示用に画素を間引いた読み出しを行うことができ、高い表示レートでリアルタイムで画像を表示できる。
【0018】
ハーフミラー121は、結像光学系からの光路L1を分割して光学ファインダに供給するための可動型のミラーである。フォーカシングスクリーン111は、物体像の予定結像面に配置されている。112はペンタプリズムである。レンズ113は、撮影時、ユーザが光学ファインダ像を観察するためのレンズであり、実際には複数のレンズで構成されている。フォーカシングスクリーン111、ペンタプリズム112、レンズ113、ファインダ114はファインダ光学系を構成している。ハーフミラー121の背後には可動型のサブミラー122が設けられており、ハーフミラー121を透過した光束の内、光路L1の光軸に近い光束を焦点検出部123に偏向している。サブミラー122は、ハーフミラー121の保持部材(不図示)に設けられた回転軸を中心に回転し、ハーフミラー121の動きに連動して移動する。なお、この焦点検出部123は、位相差検出方式により焦点検出を行う。
【0019】
ハーフミラー121とサブミラー122からなる光路分割系は、上述のファインダ光学系に光を導くための第1の光路分割状態、不図示の結像レンズからの光束をダイレクトに固体撮像素子131に導くために光路L1から退避した第2の光路分割状態(図1の破線で示した位置:121a及び122a)を取ることができる。
【0020】
124はフォーカルプレンシャッタ、151はレリーズボタンである。モード切替えスイッチ152は、固体撮像素子131の前面に配置された光学部材の表面等に付着した異物を後述するクリーニング装置を使用して除去するために、カメラ101をクリーニングモードに設定するためのスイッチである。
【0021】
なお、モード切り換えスイッチ152が操作されてクリーニングモードが設定されると、ハーフミラー121とサブミラー122が第2の光路分割状態である位置121a及び122aに移動するとともに、フォーカルプレンシャッタ124が開放状態となる。この状態をクリーニングモードと呼ぶ。これによりユーザは、マウント機構102の開口を通して、直接LPF135の表面を目視できる状態となる。従って、この状態で、ユーザは後述するクリーニング装置を使用してLPF135の表面に付着した異物を除去することができる。
【0022】
図2は、本実施形態のカメラの電気的な構成を示すブロック図である。
【0023】
図2において、201はプリント基板で、カメラの動作を主として制御する制御回路202が搭載されている。また、プリント基板201には、固体撮像素子131に蓄積された電気信号から画像データを生成したり、撮影した画像を表示器142に表示するための信号処理をしたりする演算処理回路203も搭載されている。また、生成された画像データを一時的に保存する記憶回路204も搭載されている。
【0024】
211はフォーカルプレンシャッタ124及びハーフミラー121の駆動回路で、固体撮像素子131を適正に露光させるためにフォーカルプレンシャッタ124の開閉制御や、ハーフミラー121およびサブミラー122のアップ/ダウンの駆動制御を行う。
【0025】
212はスイッチ回路で、カメラを撮影準備状態とするスイッチ、撮影動作を開始させるスイッチ、撮影条件を選択するためのスイッチ等が含まれる。213は操作検出回路で、カメラ本体101内に設けられたメイン電子ダイヤルやサブ電子ダイヤルを含む多数のスイッチ類の信号を制御回路202に伝達する。
【0026】
221は電池222の電圧をカメラを構成する各回路ユニットが必要とする電圧に変換して供給する電源回路である。
【0027】
図3Aは、本実施形態の固体撮像素子のクリーニング装置の断面図である。
【0028】
図3Aにおいて、クリーニング装置301は、主に塵埃等の異物を除去する際にクリーニング装置301をユーザが支持する棒状の支持部材302と、この支持部材302の先端に設けられた清掃部材303とを備えている。
【0029】
棒状の支持部材302は、金属又は樹脂等の比較的硬い材料で形成されている。清掃部材303は、シリコンやEPDM等のゴムを素材とし、略矩形状で粘着性の高い特性を有する。この粘着性を利用してカメラ内の固体撮像素子131のカバーガラス134の表面やLPF135の表面の塵埃を除去することができる。また、比較的柔軟なゴム硬度のゴム素材で形成されているため緩衝材として機能し、支持部材302からの圧力がそのまま清掃対象部の表面に印加されない構造となっている。これにより、清掃操作中も光学機器の内部や光学部材の表面を傷付けずにカバーガラス134やLPF135等に付着した塵埃を除去できる。この清掃部材303は支持部材302とは着脱可能とされている。
【0030】
本実施形態においては、上述した塵埃の除去に直接関連する特徴とは別に下記の特徴を有し、これによりクリーニング作業中のゴミの目視確認が容易になるという効果がある。
【0031】
清掃部材303は光透過性の部材である。棒状の支持部材302には、光源(発光素子)304が内蔵されている。光源304からの光は清掃部材303を透過して塵埃除去に使用する面から外部に向かって照射される。
【0032】
本実施形態では光源304には電流を流すことで発光する発光素子を使用する。光源304は電源307とプリント基板306およびスイッチ308によって点灯/消灯が制御される。光源304とプリント基板306は被膜配線305によって接続されている。
【0033】
図3Bは、本実施形態のクリーニング装置301に内蔵される光源304の点灯回路を示す図である。ここで、図3Aにて説明した構成要素については同じ番号を付してある。
【0034】
電源307から供給される電力は、スイッチ回路311、定電流回路312を介して光源304に供給される。スイッチ回路311は図3Aに示すスイッチ308によって制御され、ユーザはスイッチ308によって光源304の点灯/消灯を切換えることがきる。また、定電流回路312により、光源304には一定の電流が供給されるため、電源307の性能の影響を受けずに所定の明るさで点灯し続けることができる。
【0035】
図4は、本実施形態のクリーニング装置301でのクリーニング中の状態を示すカメラ本体の側方視断面図である。
【0036】
図4の構成要素の内、前述の図1〜図3と共通のものは同じ番号を付している。
【0037】
図1の説明で述べた様に、クリーニングモードが設定されると、ハーフミラー121とサブミラー122が第2の光路分割状態である位置121a及び122aに移動するとともに、フォーカルプレンシャッタ124が開放状態となる。
【0038】
続いて、ユーザはカメラのマウント機構102の開口部から、クリーニング装置301を挿入し、清掃部材303により固体撮像素子ユニット表面の塵埃を除去する。
【0039】
以上が、第1の実施形態のカメラおよびクリーニング装置の構成の説明である。
【0040】
次に、本実施形態におけるカメラの制御について説明する。
【0041】
本実施形態では、固体撮像素子131の撮像面上で輝度最大となる画素の位置及び輝度を抽出し、その輝度を複数のしきい値と比較して拡大倍率を決定し、位置情報から表示領域を決定する。
【0042】
図5Aは、本実施形態の固体撮像素子131のクリーニング操作中における、固体撮像素子131とクリーニング装置301の位置関係を示す図である。
【0043】
図5Aでは、図1及び図3に示した固体撮像素子131の前面のLPF135とクリーニング装置301に内蔵される光源304が示されている。
【0044】
ここで、図5Aに示した光源の位置a,b,cは、第1の実施形態の説明のために便宜上例示した位置である。図5A中の縦軸は固体撮像素子ユニット表面からの距離を示し、501、502、503はそれぞれ、光源304が位置a,b,cにある時の光源から固体撮像素子ユニット表面までの距離を示す。
【0045】
図5Bは、本実施形態の固体撮像素子131のクリーニング操作中における、固体撮像素子表面上の輝度分布(固体撮像素子が受光する受光量と言うこともできる)を示す図である。
【0046】
図5Bの横軸は、固体撮像素子131の表面で輝度が最大となる点を基準として、固体撮像素子131に平行な方向の距離を示し、縦軸は輝度を示す。グラフ510、511、512は固体撮像素子131上の輝度分布を示し、それぞれクリーニング装置が図5Aに示す位置a,b,cにあるときの輝度分布を示している。
【0047】
図5Bの504、505、506は、本実施形態の制御において、表示の拡大倍率を決定するための判定に使用するしきい値を示す。制御の詳細については、後述する図9のシーケンスとあわせて説明する。
【0048】
なお、第1の実施形態では、図5Aに示すように指向性の弱い光源を想定しており、この光源の特性に合わせた制御を行っている。
【0049】
図6A、図6B、図6Cは、本実施形態の固体撮像素子131のクリーニング操作中における、固体撮像素子表面上の輝度の分布図である。図6A、図6B、図6Cはそれぞれ、クリーニング装置301が固体撮像素子ユニットの表面から図5Aに示す距離501、502、503だけ離れた位置a,b,cにあるときの固体撮像素子131の表面上の輝度分布を示している。X軸、Y軸はそれぞれ固体撮像素子131の長辺方向、短辺方向を示し、X−Y平面は固体撮像素子131の表面を示す。Z軸は輝度値を示す。
【0050】
図7Aは本実施形態の、図3A、図3Bに示した光源304を内蔵したクリーニング装置を使用してクリーニング操作をする際の、固体撮像素子131とクリーニング装置301の距離に対する固体撮像素子面上の任意の点における輝度の変化を示す。横軸は固体撮像素子131とクリーニング装置301との距離を示し、縦軸は輝度を示す。図7A中の実線で示したグラフ701は、固体撮像素子131の表面上で輝度最大となる点における、固体撮像素子131とクリーニング装置301の距離に対する輝度の変化を示すグラフである。
【0051】
図7Aの横軸に示した位置a,b,cはそれぞれ、固体撮像素子ユニットの表面から図5Aに示す距離501、502、503だけ離れたクリーニング装置の位置a,b,cを意味する。図7Aの縦軸に示した504、505、506はそれぞれ、図5Bに示した輝度の判定に使用するしきい値を示す。しきい値と制御方法の詳細については図9のシーケンスの説明において後述する。
【0052】
図7Bは本実施形態の、図9の制御を行なった際の、固体撮像素子131とクリーニング装置301との距離と、表示器への出力の拡大倍率との関係を示すグラフである。横軸は固体撮像素子131とクリーニング装置301との距離を示し、縦軸は拡大倍率を示す。
【0053】
図7B中の実線で示したグラフ702は、固体撮像素子131とクリーニング装置301との距離に対する拡大倍率の変化を示すグラフである。本実施形態では、最大輝度としきい値との比較結果から拡大倍率を変更する制御を行なうが、表示倍率は図7Bに示す通り段階的に変更するものとする。縦軸に示した711、712、713はそれぞれ、クリーニング装置301が固体撮像素子ユニットの表面から図5Aに示す距離501、502、503だけ離れた位置a,b,cにあるときの表示器への表示内容の拡大倍率を例示したものである。
【0054】
図8Aは、図9のシーケンス制御を行なう際に使用する拡大倍率、表示サイズ、しきい値を示す表である。同じ行に示した拡大倍率、表示サイズ、しきい値は、最左列に示した各設定番号において設定される組合せを示す。本実施形態での制御においては、拡大表示の設定の数だけ事前に拡大倍率、表示サイズ、しきい値の組合せを設定する。ここで、拡大倍率は(全画面長辺方向画素数/被表示画素領域長辺方向画素数)で定義する比率である。表示サイズW,Lは被表示画素領域の長辺方向、短辺方向の画素数である。しきい値は演算処理回路によって数値化された固体撮像素子131の出力に対するしきい値である。図8Aの表では、設定の番号が大きくなるほど拡大倍率が大きくなる様に設定してある(Pow_1<Pow_2<…<Pow_k<…<Pow_m)。拡大表示の設定は図8Aに示す通りm段階までとした。ここで、Pow_1は設定の内で最も拡大倍率が小さくかつ等倍表示を意味する。Pow_mは設定の内で最も大きい拡大倍率である。しきい値については、Vth_1<Vth_2<…<Vth_k<…<Vth_mとなる。
【0055】
図9のシーケンスでは、ある時点のリアルタイム表示にて設定されている表示拡大倍率を元に2つのしきい値(VthU、VthL)を決定し、そのしきい値による判定結果から次のリアルタイム表示の表示拡大倍率を決定する。
【0056】
なお、図5Bに示したしきい値504、505、506は、しきい値Vthを例示したものである。
【0057】
図8Bは本実施形態において、図9のシーケンス制御を行なった際に表示器に出力する領域(被表示画素領域)を、固体撮像素子全体と比較して例示したものである。
【0058】
図8Bの801は固体撮像素子131の全画素領域を示す。811、812、813はそれぞれ、図7Bに例示した拡大倍率(711、712、713)での被表示画素範囲を示す。ここで、801、811〜813は拡大の対象となる画素領域の、行、列方向の画素幅を示すものであり、比較のために原点を基準とした配置としているのであって、実際の制御においては、図9のシーケンス中で説明する通り別途算出される表示の中心画素を基準とした領域を拡大した画像が表示器に出力されることとなる。
【0059】
図9は本実施形態の、カメラの制御動作を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、制御回路202により制御される。
【0060】
ステップS901において、固体撮像素子131のクリーニングモードが選択されると、カメラは図1にて説明したクリーニングモードとなる。その状態で、ユーザは、固体撮像素子ユニット表面を清掃するために、クリーニング装置301を固体撮像素子ユニットに近づけていく。このとき、クリーニング装置301の光源304を点灯させておく。
【0061】
ステップS902〜S905では、固体撮像素子131、演算処理回路203を動作させ、固体撮像素子131にて電荷の蓄積動作をした後(ステップS902)、データを転送する(ステップS903)。転送されたデータを演算処理回路203においてA/D変換して輝度を数値化した後、画像データを形成し、その情報を記憶回路204に保存する(ステップS904)。ステップS905では、生成された画像データを表示器142にリアルタイム表示させる動作を開始する。この時、結像用光学系の一部であるレンズを使用していないため、形成される画像データは、明暗はわかるものの明確な像を形成しない。しかし、固体撮像素子ユニット表面に付着した塵埃(異物)については、画素との距離が近いために塵埃の光路上背面にある画素への光の入射が遮られ、この画素は画像において暗部となるので、撮影した画像から塵埃の位置の推定が可能である。
【0062】
ステップS906〜S918では、1フレーム分の数値化された固体撮像素子表面の輝度情報を元に、輝度が最大となる画素の輝度と位置情報を取得し、表示器142へ出力する表示領域を決定する制御を行う。
【0063】
ステップS906〜S908では、リアルタイム表示での次のフレームの画像データを生成するために、ステップS902〜S905と同様に固体撮像素子131、演算処理回路203を動作させ、固体撮像素子131にて蓄積動作した後(S902)、データを転送する(ステップS903)。転送されたデータを演算処理回路203においてA/D変換して輝度を数値化した後、画像データを形成し、その情報を記憶回路204に保存する(ステップS904)。
【0064】
ステップS909では、記憶回路204に保存された画像データから、輝度最大となる画素を抽出し、その輝度値をVmax、位置情報を(Rc、Cc)とする。
【0065】
ステップS910では、現在表示器142に出力している表示の拡大倍率から、図8Aの表をもとにしきい値VthU、VthLを選出する。
【0066】
ステップS911では、ステップS909にて抽出したVmaxに対し、ステップS910で選出したVthU、VthLにより判定を行い、その結果から表示器に出力する表示の拡大倍率を変更する。
【0067】
ステップS911にて、Vmax<VthLの場合、ステップS912に示す様に現状の拡大倍率が最も倍率の小さい設定(例えば図8AのPow_1)でない限り、ステップS914に示す通り拡大倍率を1段下げた後、ステップS910に戻って値VthU、VthLを再度選出する。
【0068】
ステップS911にて、Vmax>VthUの場合、ステップS912に示す様に現状の拡大倍率が最も倍率の大きい設定(例えば図8AのPow_m)でない限り、ステップS915に示す通り拡大倍率を1段上げた後、ステップS910に戻って値VthU、VthLを再度選出する。
【0069】
ステップS911にて、VthU>Vmax>VthLの場合、ステップS916に示す通り現在設定されている拡大倍率を維持し、次のステップS917にて具体的な表示領域を決定する。
【0070】
ステップS917では、ステップS909にて抽出された輝度最大となる画素の位置(Rc、Cc)を中心に、ステップS910〜S916にて決定した表示サイズの領域を選出し、表示器に出力する。例えば、ステップS910〜S916にて決定した表示サイズがWk×Lkである場合、表示領域は(Rc−1/2Wk,Cc−1/2Lk)、(Rc+1/2Wk,Cc+1/2Lk)を対角上の2点とする長方形で囲まれる領域となる。
【0071】
クリーニング装置301を上下に動かしていない場合の様に、ステップS910〜916にてしきい値が変わらずステップS911の判定結果でVthU>Vmax>VthLである間は拡大倍率が維持される。この様子を示したのが図7Aおよび図7Bのグラフである。例えば、最大輝度強度がしきい値505以下506以上の間で変化している間は、拡大倍率は711に維持される。
【0072】
クリーニング装置を左右に動かした時は、輝度最大となる画素の位置情報も同じ方向に移動するため、表示領域も同じ方向に移動することとなる。これにより、クリーニングの対象となる領域を常に表示することができる。
【0073】
ステップS910〜S917の制御により、クリーニング作業のために固体撮像素子ユニット表面にクリーニング装置301を近づけていく際は、クリーニング装置301が固体撮像素子ユニット表面に近づくに従ってVmaxが大きくなり、Vmax>VthUという判定が繰り返され、拡大倍率が大きくなっていく。
【0074】
例えばクリーニング装置301が図5Aに示す位置a→b→cと変化するに従い、最大輝度も大きくなっていくので、拡大倍率も図7Bに示す711→712→713というように大きくなっていく。
【0075】
クリーニング装置301を固体撮像素子ユニット表面に密着させて、異物を除去する間は、拡大倍率はPow_mのまま維持される。この間、前述の様に拡大表示画像において、塵埃の光路上背面にある画素は、出力が低いため暗くなっているので、塵埃の除去状況をリアルタイムで確認することができる。
【0076】
固体撮像素子ユニット表面のクリーニング作業を終え、クリーニング装置301をカメラ内部から取り出す際は、クリーニング装置301が固体撮像素子ユニット表面から離れるに従ってVmaxが小さり、Vmax<VthLという判定が繰り返され、拡大倍率が小さくなっていく。
【0077】
例えばクリーニング装置が図5Aに示す位置c→b→aと変化するに従い、最大輝度も小さくなっていくので、拡大倍率も図7Bに示す713→712→711というように小さくなっていき最終的には、全画面表示となる。
【0078】
ステップS918ではクリーニングモードの終了が選択されたかを判定し、クリーニングモードが維持されている場合はステップS906に戻ってステップS906〜S918の制御をくり返す。
【0079】
ステップS918にてクリーニングモードの終了が選択された場合は、ステップS919にて、リアルタイム表示と、固体撮像素子131、演算処理回路203の動作を終了させた後、ミラー、シャッターの開放状態維持を終了する。
【0080】
以上の様に、輝度から固体撮像素子表面に対するクリーニング装置の遠近を判定し、表示の拡大倍率、拡大領域を変更することで、クリーニング作業中にクリーニングの対象となる固体撮像素子ユニット表面上の領域を自動で選択、拡大表示することが可能となる。 図10A〜図10Fは、本実施形態の、図9のシーケンス制御を実施した際の、固体撮像素子上の輝度分布と表示器に出力する表示領域との関係を示す図である。
【0081】
ここで、図10Aと図10D、図10Bと図10E、図10Cと図10Fは、それぞれクリーニング装置301が図5Aに示す位置a,b,cにあるときの輝度分布と表示領域を示す。
【0082】
図10A、図10B、図10Cは、固体撮像素子131を簡略化した図であり、区切られた各領域は固体撮像素子の画素を示し、各画素における輝度を色の濃淡で示す。太枠1011、1021、1031は図9に示すシーケンス制御を行なった際の表示器への被表示画素領域を示す。
【0083】
図10D、図10E、図10Fは、固体撮像素子131上の輝度分布を立体的に示した図である。グラフのX−Y領域は固体撮像素子面を示し、Z軸方向は輝度を示す。
【0084】
ここで図10Bを例として、図9での表示領域選択制御を説明する。
【0085】
図10B、図10Eにおいて、輝度最大となる画素は1022である。この点での輝度値から決定される被表示画素領域は図10Bの1021が示す幅となる。よって、点1022を中心に1021で囲われた範囲が被表示画素領域となり、この領域を表示器142の画素縦横比にあわせて拡大した画像を表示することとなる。
【0086】
本実施形態において、図8Aに示した拡大倍率、表示サイズ、しきい値の組合せは、クリーニング装置301に内蔵される光源304の出力特性(強度、指向性等)や、撮像素子の諸特性(感度、蓄積時間等)から最適な値をあらかじめ決定する。
【0087】
本実施形態では、クリーニング装置301は、粘着性の清掃部を有することを特徴としたが、繊維、布等の清掃部を有し、塵埃をふき取るタイプのクリーニング装置においても同様の制御が可能である。
【0088】
(第2の実施形態)
以下では、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、固体撮像素子面上での輝度分布から表示領域を変更する点については第1の実施形態と同じであるが、しきい値が単一である点、表示倍率をリニアに変化させる点で異なっている。
【0089】
本実施形態で用いるカメラおよびクリーニング装置は、図1〜図4で説明したものと同じである。
【0090】
以下、本実施形態における制御について説明する。
【0091】
図11Aは、本実施形態の、固体撮像素子のクリーニング操作中における、固体撮像素子とクリーニング装置の位置関係を示す図である。
【0092】
図11Aの135、304はそれぞれ、図1及び図3に示した固体撮像素子前面の光学ローパスフィルタ135とクリーニング装置301に内蔵される光源304を示す。
【0093】
ここで、図11Aに示した光源の位置a,b,cは、第2の実施形態の解説のために便宜上例示した位置である。図11A中の縦軸は固体撮像素子ユニット表面から光源304までの距離を示し、1101、1102、1103はそれぞれ、光源304が位置a,b,cにある時の光源304から固体撮像素子ユニット表面までの距離を示す。
【0094】
図11Bは、本実施形態の、固体撮像素子のクリーニング操作中における、固体撮像素子表面上の輝度分布を示す。
【0095】
図11Bの横軸は、固体撮像素子表面で輝度が最大となる点を基準として、固体撮像素子131に平行な方向の距離を示し、縦軸は輝度を示す。グラフ1111、1112、1113は固体撮像素子131上の輝度分布を示し、それぞれ固体撮像素子ユニットの表面から図11Aに示す距離1101、1102、1103だけ離れた位置a,b,cに光源304があるときの輝度分布である。
【0096】
図11Bの1104は、本実施形態の制御において、表示の拡大倍率を決定するための判定に使用するしきい値を示す。制御の詳細については、後述する図13Aのシーケンスとあわせて説明する。
【0097】
なお、第2の実施形態では、図11Aに示すように指向性の強い光源を想定しており、この光源の特性に合わせた制御を行っている。
【0098】
図12Aおよび図12Bは、本実施形態の、固体撮像素子とクリーニング装置の距離に対する撮像面上の点における輝度の変化と、表示器の表示内容の制御を示す。
【0099】
図12Aは図3に示した光源を内蔵したクリーニング装置を使用してクリーニング操作をする際に、固体撮像素子面上の任意の点での輝度の変化を示す。横軸は固体撮像素子131とクリーニング装置301との距離を示し、縦軸は固体撮像素子表面上の任意の点の輝度を示す。グラフ1201は、固体撮像素子表面上での任意の点における、固体撮像素子131とクリーニング装置301の距離に対する輝度の変化を示すグラフである。
【0100】
図12Aの1104は、図11Bに示した輝度の判定に使用するしきい値を示す。しきい値と制御の詳細については図13Aのシーケンスの説明において後述する
図12Bは本実施形態において、図13Aの制御を行なった際の、クリーニング装置と固体撮像素子との距離と、表示器に出力する際の拡大倍率との関係を示すグラフである。横軸は固体撮像素子とクリーニング装置との距離を示し、縦軸は拡大倍率を示す。図12B中の実線で示したグラフ1211は、固体撮像素子とクリーニング装置の距離に対する拡大倍率の変化を示すグラフである。本実施形態では、輝度分布としきい値との比較結果から拡大倍率を変更する制御を行なうが、表示倍率は図12Bに示す通り線形的に変更するものとする。
【0101】
図13Aは、本実施形態の、カメラの制御シーケンスを示す図である。なお、以下の処理は、制御回路202により実施される。なお、第1の実施形態と同様の動作を実施する過程については、同じ番号を付してある。
【0102】
ステップS901〜S908では、第1の実施形態での制御と同様に、クリーニングモードに移行してリアルタイム表示を開始する。
【0103】
ステップS906〜S908では、固体撮像素子131、演算処理回路203を動作させ、固体撮像素子131の出力を順次読み込み、演算処理回路203においてA/D変換をして輝度を数値化する。その後、画像データを形成し、その情報を記憶回路204に保存する。
【0104】
ステップS1301〜S1305では、1フレーム分の数値化された固体撮像素子表面の輝度情報を元に、表示器へ出力する表示領域を決定する制御を行う。
【0105】
ステップS1301では、記憶回路204に保存された画像データから、輝度がしきい値1104以上となる画素をすべて抽出する。
【0106】
ステップS1302では、ステップS1301で抽出した画素の内で、行、列それぞれの方向で最も端にある画素計4点の位置情報を取得する。
【0107】
ステップS1303では、S1302にて抽出した画素4点の位置情報から、表示の中心となる画素の位置(Rc、Cc)を算出する。
【0108】
ステップS1304では、抽出した画素4点の位置情報から、表示器の縦横比率に合わせた被表示画素領域幅を算出する。
【0109】
表示の中心画素の決定方法、表示領域幅の決定方法については図13Bにて後述する。
【0110】
ステップS1305では、(Rc,Cc)を中心とする表示領域に表示器の表示内容を変更する。
【0111】
以降、ステップS916でクリーニングモードの終了が選択されるまで、ステップS906〜S908、ステップS1301〜S1305の制御を繰り返す。
【0112】
これにより、輝度値分布から固体撮像素子表面に対するクリーニング装置の遠近を判定し、表示の拡大倍率、拡大領域を変更することで、クリーニング作業中にクリーニングの対象となる固体撮像素子表面上の領域を自動で選択、拡大表示することが可能となる。
【0113】
図13Bは、図13AのステップS1301〜S1305における拡大表示領域決定の制御の詳細について示した図である。格子状の領域は固体撮像素子を簡略化した図であり、区切られた各領域は固体撮像素子の画素を示し、各画素における輝度を色の濃淡で示す。以下、図13AのステップS1301〜1305の順に従って例を挙げて説明する。
【0114】
図中に示した1321〜1324は図13AのシーケンスのステップS1302で選択される4つの画素である。行方向で両端として選択された画素の位置情報を1321(C1,R1)、1322(C2,R2)、列方向で両端として選択された位置情報を1323(C3,R3)、1324(C4,R4)とする。
【0115】
図13AのステップS1303に示す様に、当該4画素の位置情報から表示の中心を算出する。ここでの例としてそれぞれの方向で選出された画素の中点を算出するものとすると、表示の中心となる画素の位置は、図13Bに示す点1325((C2+C1)/2,(R3+R4)/2)となる。
【0116】
次に、図13AのステップS1304に示す様に、被表示画素領域幅を算出する。ここでは例として、抽出された画素領域の行方向の長さを算出した上で、当該行方向の長さと表示器の縦横画素比率から被表示画素領域幅を決定するものとする。前記の抽出された4画素1321〜1324の内、行方向について選択された画素1321、1322の行方向の距離は(C2−C1)となる。次に、表示器の画素縦横比が3:4とすると、行方向(C2−C1)、列方向3/4×(C2−C1)の幅の領域が表示画素領域幅となる。
【0117】
次に、図13AのステップS1305に示す様に、ステップS1303で算出した表示の中心1325((C2+C1)/2,(R3+R4)/2)と、ステップS1304で算出した被表示画素領域幅である行方向(C2−C1)、列方向3/4×(C2−C1)から決定される被表示画素領域1326に、表示器の出力内容を変更する。
【0118】
図14A〜図14Fは、本実施形態の、固体撮像素子面上の輝度分布と、固体撮像素子全画素に対する表示器への被表示画素領域とを平面的に示した図である。
【0119】
ここで、図14Aと図14D、図14Bと図14E、図14Cと図14Fは、それぞれクリーニング装置が図11Aに示す位置a,b,cにあるときの輝度分布と表示領域を示す。
【0120】
図14A、図14B、図14Cは、固体撮像素子を簡略化した図であり、区切られた各領域は固体撮像素子の画素を示し、各画素における輝度を色の濃淡で示す。太枠1411、1421、1431は図13Aに示すシーケンス制御を行なった際の表示器への被表示画素領域を示す。
【0121】
図14D、図14E、図14Fは、固体撮像素子上の輝度分布を立体的に示した図である。グラフのX−Y領域は固体撮像素子面を示し、Z軸方向は輝度を示す。
【0122】
以上が、本実施形態における制御の詳細である。
【0123】
なお、クリーニング装置301に内蔵する光源304については、単色光源を用いても良い。単色光源を用いることで、カメラのマウント部から入り込む外光の影響を除去して、クリーニング装置301の遠近の判定を行なうことができる。
【0124】
また、表示器142には、カメラに内蔵される表示器だけでなく、ケーブル等を介して接続される外部表示器を使用しても同様に制御することが可能である。
【0125】
(他の実施形態)
また、各実施形態の目的は、次のような方法によっても達成される。すなわち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、本発明には次のような場合も含まれる。すなわち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0126】
さらに、次のような場合も本発明に含まれる。すなわち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0127】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した手順に対応するプログラムコードが格納されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる一眼レフデジタルカメラの断面図である。
【図2】第1の実施形態のカメラの電気的な構成を示すブロック図である。
【図3A】第1の実施形態の固体撮像素子のクリーニング装置の断面図である。
【図3B】第1の実施形態のクリーニング装置に内蔵される光源の点灯回路を示す図である。
【図4】第1の実施形態のクリーニング装置でのクリーニング中の状態を示すカメラ本体の側方視断面図である。
【図5A】第1の実施形態の固体撮像素子のクリーニング操作中における、固体撮像素子とクリーニング装置の位置関係を示す図である。
【図5B】第1の実施形態の固体撮像素子のクリーニング操作中における、固体撮像素子表面上の輝度分布を示す図である。
【図6A】第1の実施形態の固体撮像素子のクリーニング操作中における、固体撮像素子表面上の輝度の分布図である。
【図6B】第1の実施形態の固体撮像素子のクリーニング操作中における、固体撮像素子表面上の輝度の分布図である。
【図6C】第1の実施形態の固体撮像素子のクリーニング操作中における、固体撮像素子表面上の輝度の分布図である。
【図7A】第1の実施形態の光源を内蔵したクリーニング装置を使用してクリーニング操作をする際の、固体撮像素子とクリーニング装置の距離に対する固体撮像素子面上の任意の点における輝度の変化を示す図である。
【図7B】第1の実施形態の、図9の制御を行なった際の、固体撮像素子とクリーニング装置との距離と、表示器への出力の拡大倍率との関係を示すグラフである。
【図8A】図9のシーケンス制御を行なう際に使用する拡大倍率、表示サイズ、しきい値を示す表である。
【図8B】第1の実施形態において、図9のシーケンス制御を行なった際に表示器に出力する領域(被表示画素領域)を、固体撮像素子全体と比較して例示した図である。
【図9】第1の実施形態の、カメラの制御動作を示すフローチャートである。
【図10A】第1の実施形態の、図9のシーケンス制御を実施した際の、固体撮像素子上の輝度分布と表示器に出力する表示領域との関係を示す図である。
【図10B】第1の実施形態の、図9のシーケンス制御を実施した際の、固体撮像素子上の輝度分布と表示器に出力する表示領域との関係を示す図である。
【図10C】第1の実施形態の、図9のシーケンス制御を実施した際の、固体撮像素子上の輝度分布と表示器に出力する表示領域との関係を示す図である。
【図10D】第1の実施形態の、図9のシーケンス制御を実施した際の、固体撮像素子上の輝度分布と表示器に出力する表示領域との関係を示す図である。
【図10E】第1の実施形態の、図9のシーケンス制御を実施した際の、固体撮像素子上の輝度分布と表示器に出力する表示領域との関係を示す図である。
【図10F】第1の実施形態の、図9のシーケンス制御を実施した際の、固体撮像素子上の輝度分布と表示器に出力する表示領域との関係を示す図である。
【図11A】第2の実施形態の、固体撮像素子のクリーニング操作中における、固体撮像素子とクリーニング装置の位置関係を示す図である。
【図11B】第2の実施形態の、固体撮像素子のクリーニング操作中における、固体撮像素子表面上の輝度分布を示す図である。
【図12A】第2の実施形態の、撮像素子とクリーニング装置の距離に対する撮像面上の点における輝度の変化と、表示器の表示内容の制御を示す図である。
【図12B】第2の実施形態の、撮像素子とクリーニング装置の距離に対する撮像面上の点における輝度の変化と、表示器の表示内容の制御を示す図である。
【図13A】第2の実施形態の、カメラの制御シーケンスを示す図である。
【図13B】図13AのステップS1301〜S1305における拡大表示領域決定の制御の詳細について示した図である。
【図14A】第2の実施形態の、固体撮像素子面上の輝度分布と、固体撮像素子全画素に対する表示器への被表示画素領域とを平面的に示した図である。
【図14B】第2の実施形態の、固体撮像素子面上の輝度分布と、固体撮像素子全画素に対する表示器への被表示画素領域とを平面的に示した図である。
【図14C】第2の実施形態の、固体撮像素子面上の輝度分布と、固体撮像素子全画素に対する表示器への被表示画素領域とを平面的に示した図である。
【図14D】第2の実施形態の、固体撮像素子面上の輝度分布と、固体撮像素子全画素に対する表示器への被表示画素領域とを平面的に示した図である。
【図14E】第2の実施形態の、固体撮像素子面上の輝度分布と、固体撮像素子全画素に対する表示器への被表示画素領域とを平面的に示した図である。
【図14F】第2の実施形態の、固体撮像素子面上の輝度分布と、固体撮像素子全画素に対する表示器への被表示画素領域とを平面的に示した図である。
【符号の説明】
【0129】
101 カメラ本体
102 マウント機構
111 フォーカシングスクリーン
112 ペンタプリズム
113 レンズ
114 ファインダ
121 ハーフミラー
121a 撮影光路から退避したハーフミラーの位置
122 サブミラー
122a 撮影光路から退避したハーフミラーの位置
123 焦点検出部
124 フォーカルプレーンシャッター
131 固体撮像素子
132 固体撮像素子パッケージ
133 密封部材
134 カバーガラス
135 光学ローパスフィルタ
141 プリント基板
142 表示部
151 レリーズボタン
152 モード切替スイッチ
201 プリント基板
202 制御回路
203 演算処理回路
204 記憶回路
211 シャッター・ミラー駆動回路
212 スイッチ回路
213 操作検出回路
221 電源回路
222 電源
301 クリーニング装置
302 支持部材
303 清掃部材
304 光源
305 被膜配線
306 プリント基板
307 電源
308 スイッチ
311 スイッチ回路
312 定電流回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体撮像素子と、
前記固体撮像素子の前面に配置された光学部材と、
前記固体撮像素子で撮像された画像を表示する表示手段と、
光源を内蔵し前記光学部材の表面に付着した異物を除去するためのクリーニング装置を、前記固体撮像素子をクリーニングするべく前記固体撮像素子に近づけた場合の、前記固体撮像素子の前記光源からの受光量を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された受光量に応じて、前記表示手段に表示する前記画像の拡大倍率を変更する変更手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記変更手段は、前記検出手段により検出された前記受光量を予め定められたしきい値と比較することにより、前記拡大倍率を決定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
固体撮像素子と、前記固体撮像素子の前面に配置された光学部材とを備える撮像装置を制御する方法であって、
前記固体撮像素子で撮像された画像を表示する表示工程と、
光源を内蔵し前記光学部材の表面に付着した異物を除去するためのクリーニング装置を、前記固体撮像素子をクリーニングするべく前記固体撮像素子に近づけた場合の、前記固体撮像素子の前記光源からの受光量を検出する検出工程と、
前記検出工程において検出された受光量に応じて、前記表示工程において表示する前記画像の拡大倍率を変更する変更工程と、
を備えることを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項4】
請求項3に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図14F】
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【公開番号】特開2010−118869(P2010−118869A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−290326(P2008−290326)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】