説明

撮像装置および撮像プログラム

【課題】 撮影者が前方方向を見たまま、前方だけでなく他の方向をも撮像することが可能な撮像装置および撮像プログラムを提供すること。
【解決手段】 眼鏡に一体的に設けられ、画像を撮像する撮像手段と、上記撮像手段が撮像するための撮影方向を指定する撮像方向指定手段と、上記撮像手段が撮像するための撮像方向を、上記撮像方向指定手段によって指定された撮像方向に切替える撮像方向切替手段とを備え、上記撮像手段が、上記撮像方向切替手段によって切替えられた撮像方向の画像を撮像することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡に設けられた撮像装置および該撮像装置に実行させるための撮像プログラムに関し、特に、前方だけでなく他の方向をも撮像することが可能な撮像装置および撮像プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小型の撮像部を眼鏡に取り付けた撮像装置が開示されている。この撮像装置は、撮像部と、該撮像部を撮像者の頭部に固定する眼鏡とからなる頭部固定型撮像装置であって、上記撮像者の視線方向を検出する視線検出部と、該視線検出部より検出された視線方向に基づいて上記撮像部の撮像方向を移動させる撮像移動部とを設けることにより、上記撮影者の前方の画像を撮像することができるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平8−84208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の撮像装置は、撮影者の前方方向の撮影しか行なうことができず、撮影者が前方方向を見たまま、横方向や後方方向等の他の方向の撮影を行ないたい場合には、撮像装置が取り付けられている眼鏡を外して、後方方向に向ける必要があり現実的ではないという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、撮影者が前方方向を見たまま、前方だけでなく他の方向をも撮像することが可能な撮像装置および撮像プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、下記のような構成を採用した。
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明の撮像装置は、眼鏡に一体的に設けられ、画像を撮像する撮像手段と、上記撮像手段が撮像するための撮影方向を指定する撮像方向指定手段と、上記撮像手段が撮像するための撮像方向を、上記撮像方向指定手段によって指定された撮像方向に切替える撮像方向切替手段とを備え、上記撮像手段が、上記撮像方向切替手段によって切替えられた撮像方向の画像を撮像することを特徴とする。
【0006】
また、本発明の撮像装置は、さらに、上記撮像手段によって撮像した画像を出力する画像出力手段を備えることが望ましい。
また、本発明の撮像装置は、さらに、上記眼鏡のレンズ部に設けられ、上記画像出力手段によって出力された画像を表示する画像表示部を備え、上記撮像方向指定手段によって指定された撮像方向が前方方向でない場合、上記画像表示部が、上記画像出力手段によって出力された上記前方方向でない撮影方向の画像を表示することが望ましい。
【0007】
また、本発明の撮像装置は、さらに、上記画像出力手段によって出力された画像を録画する画像録画部を備えることが望ましい。
また、本発明の撮像装置は、上記撮像方向指定手段によって指定された撮像方向が、後方方向であることが望ましい。
【0008】
また、本発明の撮像装置は、上記撮像手段が複数の光学系を備え、上記撮像方向切替手段によって切替えられた撮像方向と一致する光学系を使用して画像を撮影することが望ましい。
【0009】
また、本発明の撮像装置は、上記撮像手段が、上記撮像方向切替手段によって切替えられた撮像方向と一致する方向に光学系の向きを変えることにより画像を撮影することが望ましい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、本発明の撮像装置は、眼鏡に一体的に設けられ、前方方向でない方向の画像を撮像する撮像手段と、上記撮像手段によって撮像した画像を出力する画像出力手段と、上記眼鏡のレンズ部に設けられ、上記画像出力手段によって出力された画像を表示する画像表示部とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の撮像装置は、さらに、上記画像出力手段によって出力された画像を録画する画像録画部を備えることが望ましい。
また、本発明の一態様によれば、本発明の撮像プログラムは、眼鏡に一体的に設けられ、画像を撮像する撮像手段を備える撮像装置に実行させるためのコンピュータ実行可能な撮像プログラムであって、外部からの指示に基づいて、上記撮像手段が撮像するための撮影方向を指定する手順と、上記指定に基づいて、上記撮像手段が撮像するための撮像方向を、上記指定された撮像方向に切替える手順と、上記撮像手段が、上記切替えられた撮像方向の画像を撮像する手順とを実行させるための撮像プログラムである。
【0012】
また、本発明の一態様によれば、本発明の撮像プログラムは、眼鏡に一体的に設けられ、画像を撮像する撮像手段を備える撮像装置に実行させるためのコンピュータ実行可能な撮像プログラムであって、上記撮像手段が、前方方向でない方向の画像を撮像する手順と、上記撮像した画像を出力する手順と、上記出力された画像を上記眼鏡のレンズ部に設けられた画像表示部に表示する手順とを実行させるための撮像プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、撮影者が前方方向を見たまま、前方だけでなく他の方向をも撮像することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明を適用した実施の形態を説明する。
本発明の最も大きな特徴の1つは、眼鏡にビデオカメラ等(撮像部)が一体的に設けられたものであって、眼鏡をかけた使用者の前方方向のみならず、後方方向等の前方方向以外の方向の撮影や観察を任意に行なえるようにしたことである。
【0015】
図1は、本発明を適用した撮像装置のハードウェア構成を示す図である。
図1において、撮像装置10は、CPU11、振動センサ20が検出した振動信号を始め、各種のデータや信号等を入力するための入力部12、後述する撮影処理を実行する撮影プログラムの他、撮像装置10の各機能を制御し実行するための制御プログラムが収納されたROMやRAM等のメモリ13、伝送制御部14、撮像部16が撮像した画像やその他の情報を表示するための表示部15、画像を撮像するための撮像部16、撮像部16が撮像した画像を格納する領域である撮影画像記録領域17aを含み、様々な情報を記録するための記録部17、外部の記録媒体18aを駆動するための記録媒体駆動部18が、バス19に接続されて構成され、CPU11がこれらの各部を制御している。
【0016】
記録媒体18aとしては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、DVD−RAM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMカード等を用いることができる。
【0017】
図2は、本発明を適用した撮像部16のハードウェア構成の概略を示す図である。
図2において、撮像部16は、例えばディジタルビデオカメラ等であって、レンズ21、絞り22、レンズ21および絞り22を駆動するための光学系駆動部24、撮像素子であるCCD(電荷結合素子)23、CCD23から出力された電気信号をサンプリングするCDS(相関2重サンプリング)回路やCDS回路が出力する電気信号を増幅する可変利得増幅器(AGCアンプ:VG(可変)アンプ)等のアナログ処理部27、CCD23およびアナログ処理部27を制御するための取込制御部26、アナログ処理部27が出力する電気信号をA/D(アナログ/デジタル)変換してデジタルの画像データを出力するA/D変換部28、A/D変換部28から出力された画像データを一時的格納するバッファ29、信号処理回路30、および画像データを圧縮したり伸長したりする圧縮伸長回路31がバス19を介して接続されている。
【0018】
図3は、前後撮影の撮影原理を説明するための図である。
図3において、撮像部16は、図2を用いて説明したレンズ21、絞り22、CCD23の他に、第1のLCDシャッタ32、ハーフミラー33、第2のLCDシャッタ34、第1のミラー35、第2のミラー36および第3のミラー37を備えている。
【0019】
そして、撮像部16が前方方向の画像(前画像)を撮像する場合は、第1のLCDシャッタ32がオフされて透過状態となることにより、前画像が第1のLCDシャッタ32およびハーフミラー33を介してレンズ21に入力される一方、第2のLCDシャッタ34がオンされて非透過状態(全面が黒くなり光を透過しない状態)となることにより、前方方向以外の方向(例えば、後方方向)からの画像(後画像)を第2のLCDシャッタ34で遮断する。
【0020】
他方、撮像部16が後画像を撮像する場合は、第1のLCDシャッタ32がオンされて非透過状態となることにより、前画像を第1のLCDシャッタ32で遮断する一方、第2のLCDシャッタ34がオフされて透過状態となることにより、後画像が第1のミラー35、第2のミラー36、第3のミラー37およびハーフミラー33で反射されてレンズ21に入力される。
【0021】
図4は、本発明を適用した撮像装置の外観図を示す図である。
図4において、画像を撮影する撮像部16としての右カメラ42および左カメラ43は、基板・電子部品収納筐体41としての眼鏡のつる41aに一体的に設けられている。このつる41a内部には、各種基板や電子部品等が収納されている。
【0022】
右のメガネレンズ44にはLCD表示装置右45が設けられ、右のメガネレンズ44の一部である後方モニタ部右47に、右カメラ42で撮像した画像が表示される。また、左のメガネレンズ44にはLCD表示装置左46が設けられ、左のメガネレンズ44の一部である後方モニタ部左48に、左カメラ43で撮像した画像が表示される。そして、LCD表示装置右45およびLCD表示装置左46のそれぞれには、撮像した画像を格納するためのメモリカード49が挿入可能になっており、右カメラ42および左カメラ43で撮像した画像を格納する。
【0023】
また、右の基板・電子部品収納筐体41には、シャッター54が設けられ、画像を撮影するための指示、撮影し格納している画像を表示(再生)するための指示、撮影した画像をメモリカード49に格納するための指示、メモリカード49に格納されている画像を消去するための指示等の各種指示を行なう。
【0024】
さらに、基板・電子部品収納筐体41(つる41a)の一部には、撮像装置を駆動するための電源としての燃料電池50が設けられている。燃料電池50には、燃料を挿入するための燃料挿入口51がある。
【0025】
なお、メガネレンズ44にLCD表示装置右45またはLCD表示装置左48を設ける替わりに、眼鏡のフレーム41bに投影表示装置45aを設け、投影表示装置45aが撮像した画像をメガネレンズ44に投影するように表示してもよい。
【0026】
また、右カメラ42および左カメラ43を基板・電子部品収納筐体41としての眼鏡のつる41aに一体的に設ける替わりに、つる41aの内部にカメラ部52を備え、つる41aの端に設けたレンズ53から画像を撮像してもよい。
【0027】
上述のように構成された撮像装置10には、眼鏡のつる41aの折曲がる部分に不図示のマイクロスイッチが設けられており、2つのつる41aの折曲がる部分がともに広げられた状態で撮像装置10の電源がオンするようになっている(1つだけ開いていたり、完全に2つとも開いていない場合には電源はオンしない)。
【0028】
そして、撮像装置10には、後方モニタモード、後方撮影モード、前方撮影モード、再生モード、記録画像カード転送モード、記録画像消去モードの各動作モードおよび非動作モードが備えられ、電源オン直後は非動作モードが選択されており、後方方向の画像の表示等もなされずに通常の眼鏡と何も変らない状態となっているが、前回電源オフ時に選択されていた動作モードが記憶されておりその動作モードで動作するようにしてもよいし、デフォルトとして任意の動作モードが記憶されておりその動作モードで動作するようにしてもよい。
【0029】
電源オン後に右カメラ42を指で強めに叩くと、その振動が右カメラ42内部に設けられた振動センサ20(振動センサ20の変わりにスイッチを設けたものでも良い)で検出され、初期の動作モードとして後方方向の画像を表示する後方モニタモードが動作する。
【0030】
図5は、後方モニタモードが動作している撮像装置の使用者の視認状態を示す図である。
図5において、使用者の視角右方には、LCD表示装置右45によって後方モニタ部右47に表示されている画像が視認でき、使用者の視角左方には、LCD表示装置左46によって後方モニタ部左48に表示されている画像が視認できる。そして、使用者の視角中央には、メガネレンズ44を通した画像がこれらの左右2つの画像とともに同時に直接視認できる。
【0031】
動作モードの切り替えは、右カメラ42を叩く度に右カメラ42内部に設けられた振動センサ20がその振動を検出し、後方モニタモードから後方撮影モード、前方撮影モード、再生モード、記録画像カード転送モード、記録画像消去モードへと進むように行なわれる(以下、この方向を順方向という。)。そして、左カメラ43を叩くと左カメラ43内部に設けられた振動センサ20がその振動を検出し、後方モニタモードから記録画像消去モード、記録画像カード転送モード、再生モード、前方撮影モード、後方撮影モードへと、右カメラ42を叩く場合と逆に進む(以下、この方向を逆方向という。)。
【0032】
後方モニタモードあるいは後方撮影モードの場合は、第1のLCDシャッタ32がオンされて全面が黒くなり、第2のLCDシャッタ34がオフされて透過状態となるため、後方方向の画像が第1のミラー35、第2のミラー36、第3のミラー37およびハーフミラー33に反射してCCD23に投入される。他方、前方撮影モードの場合は、第2のLCDシャッタ34がオンされて全面が黒くなり、第1のLCDシャッタ32がオフされて透過状態となるため前方方向の画像が直接CCD23に投入される。投入された画像は2つの表示装置(LCD表示装置右45およびLCD表示装置左46)によってメガネレンズ44の一部である後方モニタ部右47および後方モニタ部左48に表示される。
【0033】
そして、このような前方撮影モードあるいは後方撮影モードにおいてシャッター54が押されると、その際に撮像している画像が内部メモリに格納される。
また、再生モードが選択されている場合は、右カメラ42および左カメラ43がともにパワーオフとなり、画像の表示がされずに眼鏡だけの使用ができるようになる。この状態(再生モードが選択されている状態)でシャッター54が操作されると内部メモリに記録されている一番古い画像が読み出されて2つの表示装置(LCD表示装置右45およびLCD表示装置左46)によって表示され、その後シャッター54が操作される毎に次に古い画像が読み出されて表示される。
【0034】
メモリカード49が装着されている場合に、記録画像カード転送モードにおいてシャッター54が押されると、内部メモリに記録された画像の全てがメモリカード49に転送される。また、記録画像消去モードにおいてシャッター54が押されると、内部メモリに記録された画像の全てが消去される。
【0035】
次に、図6乃至図11を用いて、本発明を適用した撮像装置において実行される撮像処理の流れについて説明する。
図6は、本発明を適用した撮像装置において実行される撮像処理のメインの流れを示すフローチャートである。
【0036】
まず、ステップS61において、眼鏡のつる41aの折曲がる部分に設けられたマイクロスイッチが2つともオンになっているか否かを判断する。
そして、2つともオンになっていると判断された場合(ステップS61:YES)は、ステップS62において、振動センサ20が振動を検出した(オン)か否かを判断し、検出したと判断した場合(ステップS62:YES)は、ステップS63において、振動を検出したのが右カメラ42内の振動センサ20であるのか左カメラ43内の振動センサ20であるのかを判断する。右カメラ42内の振動センサ20で振動を検出した場合(ステップS63:右)は、ステップS64において、設定されている動作モードを順方向へ1つ進めて記憶してステップS66(サブルーチン「記憶されているモードの処理」)へ進み、左カメラ43内の振動センサ20で振動を検出した場合(ステップS63:左)は、ステップS65において、設定されている動作モードを逆方向へ1つ進めて記憶してステップS66へ進む。
【0037】
他方、ステップS61で2つともオンになっていると判断されなかった(1つだけ開いていたり、完全に2つとも開いていない)場合(ステップS61:NO)は、本撮像処理が実行されず、ステップS62で振動センサ20が振動を検出したと判断しなかった場合(ステップS62:NO)は、ステップS66へ進む。
【0038】
そして、ステップS66のサブルーチン「記憶されているモードの処理」の実行後は、ステップS61に戻る。
図7は、サブルーチン「記憶されているモードの処理」の流れを示すフローチャートである。
【0039】
まず、ステップS71において、記憶されている動作モードの読み出しを行なう。そして、ステップS72において、読み出した動作モードが後方モニタモードであるか否かを判断し、後方モニタモードであると判断された場合(ステップS72:YES)は、ステップS73のサブルーチン「後方モニタモード処理」へ進む。サブルーチン「後方モニタモード処理」についての詳細は図8を用いて後述する。
【0040】
ステップS72で後方モニタモードであると判断されなかった場合(ステップS72:NO)は、ステップS74において、後方撮影モードであるか否かを判断し、後方撮影モードであると判断された場合(ステップS74:YES)は、ステップS75のサブルーチン「後方撮影モード処理」へ進む。サブルーチン「後方撮影モード処理」についての詳細は図9を用いて後述する。
【0041】
ステップS74で後方撮影モードであると判断されなかった場合(ステップS74:NO)は、ステップS76において、前方撮影モードであるか否かを判断し、前方撮影モードであると判断された場合(ステップS76:YES)は、ステップS77のサブルーチン「前方撮影モード処理」へ進む。サブルーチン「前方撮影モード処理」についての詳細は図10を用いて後述する。
【0042】
ステップS76で前方撮影モードであると判断されなかった場合(ステップS76:NO)は、ステップS78において、再生モードであるか否かを判断し、再生モードであると判断された場合(ステップS78:YES)は、ステップS79のサブルーチン「再生モード処理」へ進む。サブルーチン「再生モード処理」についての詳細は図11を用いて後述する。
【0043】
ステップS78で再生モードであると判断されなかった場合(ステップS78:NO)は、ステップS80において、記録画像カード転送モードであるか否かを判断し、記録画像カード転送モードであると判断された場合(ステップS80:YES)は、ステップS81において、メモリカード49が装着(接続)され、かつシャッター54が押されている(オン)か否かを判断し、メモリカード49が装着され、かつシャッター54が押されていると判断された場合(ステップS81:YES)は、ステップS82において、内部メモリに記録されている画像の全てをメモリカード49へ転送し、メモリカード49が装着され、かつシャッター54が押されていると判断されなかった場合(ステップS81:NO)は、ステップS83において、メモリカード49を装着するよう案内表示する。
【0044】
他方、ステップS80で記録画像カード転送モードであると判断されなかった場合(ステップS80:NO)は、ステップS84において、記録画像消去モードであり、かつシャッター54が押されているか否かを判断し、記録画像消去モードであり、かつシャッター54が押されていると判断された場合(ステップS84:YES)は、ステップS85において、内部メモリに記録された画像の全てを消去する。
【0045】
図8は、サブルーチン「後方モニタモード処理」の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS86において、右カメラ42および左カメラ43それぞれが備える第1のLCDシャッタ32をオンし、ステップS87において、右カメラ42および左カメラ43それぞれが備える第2のLCDシャッタ34をオフする。
【0046】
これにより、第1のLCDシャッタ32が非透過状態となり、前画像を第1のLCDシャッタ32で遮断する一方、第2のLCDシャッタ34が透過状態となり、後画像が第1のミラー35、第2のミラー36、第3のミラー37およびハーフミラー33で反射されてレンズ21に入力されるので、ステップS88において、右カメラ42および左カメラ43で後方方向の画像を取り込むことができる。
【0047】
そして、ステップS89において、右カメラ42で取り込んだ後方方向の画像を後方モニタ部右47に表示し、左カメラ43で取り込んだ後方方向の画像を後方モニタ部左48に表示する。
【0048】
最後に、ステップS90において、後方モニタモードであることを後方モニタ部右47(あるいは後方モニタ部左48)の一部に表示してサブルーチン「後方モニタモード処理」を終了する。
【0049】
図9は、サブルーチン「後方撮影モード処理」の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS92において、右カメラ42および左カメラ43それぞれが備える第1のLCDシャッタ32をオンし、ステップS93において、右カメラ42および左カメラ43それぞれが備える第2のLCDシャッタ34をオフする。
【0050】
これにより、ステップS94において、右カメラ42および左カメラ43で後方方向の画像を取り込むことができる。
次に、ステップS95において、右カメラ42で取り込んだ後方方向の画像を後方モニタ部右47に表示し、左カメラ43で取り込んだ後方方向の画像を後方モニタ部左48に表示する。
【0051】
そして、ステップS90において、後方撮影モードであることを後方モニタ部右47(あるいは後方モニタ部左48)の一部に表示する。
さらに、ステップS97において、シャッター54が押されたか否かを判断し、押されたと判断された場合(ステップS97:YES)は、ステップS98において、シャッター動作により撮像した後方方向の画像を内部メモリに記録してサブルーチン「後方撮影モード処理」を終了する。
【0052】
図10は、サブルーチン「前方撮影モード処理」の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS101において、右カメラ42および左カメラ43それぞれが備える第1のLCDシャッタ32をオフし、ステップS102において、右カメラ42および左カメラ43それぞれが備える第2のLCDシャッタ34をオンする。
【0053】
これにより、第1のLCDシャッタ32がオフされて透過状態となり、前画像が第1のLCDシャッタ32およびハーフミラー33を介してレンズ21に入力される一方、第2のLCDシャッタ34がオンされて非透過状態となり、後方方向からの画像を第2のLCDシャッタ34で遮断するので、ステップS103において、右カメラ42および左カメラ43で前方方向の画像を取り込むことができる。
【0054】
次に、ステップS104において、右カメラ42で取り込んだ前方方向の画像を後方モニタ部右47に表示し、左カメラ43で取り込んだ前方方向の画像を後方モニタ部左48に表示する。
【0055】
そして、ステップS105において、前方撮影モードであることを後方モニタ部右47(あるいは後方モニタ部左48)の一部に表示する。
さらに、ステップS106において、シャッター54が押されたか否かを判断し、押されたと判断された場合(ステップS106:YES)は、ステップS107において、シャッター動作により撮像した前方方向の画像を内部メモリに記録してサブルーチン「前方撮影モード処理」を終了する。
【0056】
図11は、サブルーチン「再生モード処理」の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS111において、内部メモリに記録する画像の順番を表す変数nに0を代入しておく。
【0057】
ステップS112において、右カメラ42および左カメラ43それぞれの電源をオフする。
そして、ステップS113において、シャッター54が押されたか否かを判断し、押されたと判断された場合(ステップS113:YES)は、ステップS114において、変数nを1インクリメントし、ステップS115において、n番目に古い画像を内部メモリから読み出し、ステップS116において、読み出した画像を後方モニタ部右47あるいは後方モニタ部左48に表示してステップS113に戻る。
【0058】
他方、ステップS113でシャッター54が押されたと判断されなかった場合(ステップS113:NO)は、サブルーチン「再生モード処理」を終了する。
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明が適用される撮像装置は、その機能が実行されるのであれば、上述の実施の形態に限定されることなく、単体の装置であっても、複数の装置からなるシステムあるいは統合装置であっても、LAN、WAN等のネットワークを介して処理が行なわれるシステムであってもよいことは言うまでもない。
【0059】
すなわち、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または形状を取ることができる。
例えば、図3を用いて説明したように、前方方向の画像と後方方向の画像の切り替えを、撮像部16自体が回転するようにしてもよい。また、その際、撮像部16が後方方向を向いている場合は、後方モニタモードに自動的に設定し、前方方向を向いている場合は、前方撮影モードに自動的に設定するようにしてもよい。
【0060】
また、後方方向だけでなく、前方方向以外の上下左右等のあらゆる方向の観察および撮影であってもよい。そして、このあらゆる方向の画像を直接見えている前方方向の画像と合成表示させれば、人間が1度に見ることができなかった全ての方向の状況が把握できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明を適用した撮像装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】本発明を適用した撮像部16のハードウェア構成の概略を示す図である。
【図3】前後撮影の撮影原理を説明するための図である。
【図4】本発明を適用した撮像装置の外観図を示す図である。
【図5】後方モニタモードが動作している撮像装置の使用者の視認状態を示す図である。
【図6】本発明を適用した撮像処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】サブルーチン「記憶されているモードの処理」の流れを示すフローチャートである。
【図8】サブルーチン「後方モニタモード処理」の流れを示すフローチャートである。
【図9】サブルーチン「後方撮影モード処理」の流れを示すフローチャートである。
【図10】サブルーチン「前方撮影モード処理」の流れを示すフローチャートである。
【図11】サブルーチン「再生モード処理」の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
10 撮像装置
11 CPU
12 入力部
13 RAM
14 伝送制御部
15 表示部
16 撮像部
17 記録部
17a 撮影画像記録領域
18 記録媒体駆動部
18a 記録媒体
19 バス
20 振動センサ
21 レンズ
22 絞り
23 CCD
24 光学系駆動部
26 取込制御部
27 アナログ処理部
28 A/D変換部28
29 バッファ
30 信号処理部回路
31 圧縮伸長回路
32 第1のLCDシャッタ
33 ハーフミラー
34 第2のLCDシャッタ
35 第1のミラー
36 第2のミラー
37 第3のミラー
41 基板・電子部品収納筐体
41a つる
41b フレーム
42 右カメラ
43 左カメラ
44 メガネレンズ
45 LCD表示装置右
45a 投影表示装置
46 LCD表示装置左
47 後方モニタ部右
48 後方モニタ部左
49 メモリカード
50 燃料電池
51 燃料挿入口
52 カメラ部
53 レンズ
54 シャッター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡に一体的に設けられ、画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像するための撮影方向を指定する撮像方向指定手段と、
前記撮像手段が撮像するための撮像方向を、前記撮像方向指定手段によって指定された撮像方向に切替える撮像方向切替手段と、を備え、
前記撮像手段は、前記撮像方向切替手段によって切替えられた撮像方向の画像を撮像することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
さらに、前記撮像手段によって撮像した画像を出力する画像出力手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
さらに、前記眼鏡のレンズ部に設けられ、前記画像出力手段によって出力された画像を表示する画像表示部を備え、
前記撮像方向指定手段によって指定された撮像方向が前方方向でない場合、前記画像表示部は、前記画像出力手段によって出力された前記前方方向でない撮影方向の画像を表示することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
さらに、前記画像出力手段によって出力された画像を録画する画像録画部を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像方向指定手段によって指定された撮像方向は、後方方向であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮像手段は、複数の光学系を備え、前記撮像方向切替手段によって切替えられた撮像方向と一致する光学系を使用して画像を撮影することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮像手段は、前記撮像方向切替手段によって切替えられた撮像方向と一致する方向に光学系の向きを変えることにより画像を撮影することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
眼鏡に一体的に設けられ、前方方向でない方向の画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像した画像を出力する画像出力手段と、
前記眼鏡のレンズ部に設けられ、前記画像出力手段によって出力された画像を表示する画像表示部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
さらに、前記画像出力手段によって出力された画像を録画する画像録画部を備えることを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
眼鏡に一体的に設けられ、画像を撮像する撮像手段を備える撮像装置に実行させるためのコンピュータ実行可能な撮像プログラムであって、
外部からの指示に基づいて、前記撮像手段が撮像するための撮影方向を指定する手順と、
前記指定に基づいて、前記撮像手段が撮像するための撮像方向を、前記指定された撮像方向に切替える手順と、
前記撮像手段が、前記切替えられた撮像方向の画像を撮像する手順と、
を実行させるための撮像プログラム。
【請求項11】
眼鏡に一体的に設けられ、画像を撮像する撮像手段を備える撮像装置に実行させるためのコンピュータ実行可能な撮像プログラムであって、
前記撮像手段が、前方方向でない方向の画像を撮像する手順と、
前記撮像した画像を出力する手順と、
前記出力された画像を前記眼鏡のレンズ部に設けられた画像表示部に表示する手順と、
を実行させるための撮像プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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