説明

撮像装置および顕微鏡システム

【課題】焦点位置の異なる複数の画像を1つの撮像素子で同時に撮像する。
【解決手段】観察対象からの観察光束を複数に分割する光束分割手段2a,2bと、観察光束を受光する撮像素子5と、光束分割手段2a,2bにより分割された各分割光束を撮像素子5に導光する光路長の異なる複数の光路L0,L1,L2と、分割光束を、撮像素子5の互いに異なる画素からなる画素群に受光させる光束選択手段3a,3b,4と、撮像素子5の各画素群から複数の画像を生成する画像生成部6とを備える撮像装置1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置および顕微鏡システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数台の撮像素子を備えることにより、試料の画像を深さ方向に異なる焦点位置で同時に撮像することができる装置が知られている(例えば、特許文献1および2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−295826号公報
【特許文献2】特開2009−188697号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1および2の装置を用いて、例えば、細胞などの生体試料を観察しようとすると、高画素・高感度な撮像素子が複数必要となるため、装置のコストが高騰してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、焦点位置の異なる複数の画像を1つの撮像素子で同時に撮像することができる撮像装置および顕微鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、観察対象からの観察光束を複数に分割する光束分割手段と、前記観察光束を受光する撮像素子と、前記光束分割手段により分割された各分割光束を前記撮像素子に導光する光路長の異なる複数の光路と、前記分割光束を、前記撮像素子の互いに異なる画素からなる画素群に受光させる光束選択手段と、前記撮像素子の前記各画素群から複数の画像を生成する画像生成部とを備える撮像装置を提供する。
【0007】
本発明によれば、観察対象からの観察光束が、光束分割手段によって分割された後に各光路を介して再び同一の撮像素子に導光させられることにより、観察対象を撮像することができる。
この場合に、各分割光束によって光路長が異なるので、光束選択手段によって分割光束毎に撮像素子の異なる画素群に受光させ、画像生成部により各画素群から画像を生成することにより、焦点位置の異なる複数の画像を1つ撮像素子で同時に撮像することができる。
【0008】
上記発明においては、前記光束選択手段が、前記各光路の途中位置に配置され、前記分割光束から互いに偏光方向の異なる直線偏光光束を生成する偏光光束生成部と、前記撮像素子の前段に設けられ、偏光方向の異なる前記直線偏光光束を透過させる偏光子が交互に繰り返し配列されてなり、各偏光方向の直線偏光光束を前記画素群に受光させる偏光子アレイとを備えることとしてもよい。
このようにすることで、焦点位置によって偏光方向の異なる直線偏光光束を、アレイ状に配列された画素からなる各画素群によって受光させることができる。
【0009】
また、上記発明においては、前記光束選択手段が、各光路に配置され各分割光束から互いに波長の異なる単色光束を生成する単色光束生成部と、前記撮像素子の前段に設けられ、波長の異なる前記単色光束を透過させる色フィルタが交互に繰り返し配列されてなり、各波長の単色光束を前記画素群に受光させる色フィルタアレイとを備えることとしてもよい。
このようにすることで、焦点位置によって波長の異なる単色光束を、アレイ状に配列された画素からなる各画素群によって受光させることができる。
【0010】
また、上記発明においては、前記光束選択手段は、前記各光路が、前記分割光束を前記撮像素子の互いに区切られた撮像領域の前記画素群に導光してなることとしてもよい。
このようにすることで、焦点位置によって撮像素子の異なる撮像領域において分割光束を受光させることができる。
【0011】
また、上記発明においては、前記光路の光路長を変更する光路長変更手段を備えることとしてもよい。
このようにすることで、焦点位置を変更することができる。
【0012】
また、上記発明においては、前記光路長変更手段が、前記複数の光路のうち少なくとも2の光路の光路長を同一に変更可能であることとしてもよい。
このようにすることで、焦点位置の基準合わせが必要な場合に、2つの光路の光路長を同一に調整した状態で焦点位置の基準合わせをし、その後で各光路の光路長を所望の焦点位置に応じて長くまたは短くする。これにより、基準合わせ用の光路が不要となり、構成を簡略にすることができる。
【0013】
また、上記発明においては、前記各光路の光路長の差が一定であることとしてもよい。
このようにすることで、一定の幅で焦点位置のずれた画像を撮像することができる。
また、上記発明においては、前記光束分割手段が、前記観察光束を3以上に分割することとしてもよい。
このようにすることで、焦点位置の基準合わせが必要な場合に、撮像される複数の画像のうち1つを焦点位置の基準合わせに使用しても、焦点位置の異なる画像を2つ以上撮像することができる。
【0014】
また、本発明は、観察対象に照明光束を照射する光源と、前記照明光束が前記観察対象において反射させられた反射光または透過させられた透過光を集光して観察光束を形成する対物光学系と、上記いずれかに記載の撮像装置とを備える顕微鏡システムを提供する。
本発明によれば、1台の撮像装置のみで、観察対象の深さ方向に異なる焦点位置の画像を同時に複数撮像することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、焦点位置の異なる複数の画像を1つの撮像素子で同時に撮像することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の全体構成図である。
【図2】図1の撮像装置の画像処理を説明する図であり、(a)受光素子により受光された元画像、(b),(c)元画像から分割光束の偏光方向別に画素群を抽出した状態、(d),(e)空いた画素を補完した状態を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る撮像装置の全体構成図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る撮像装置の全体構成図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る撮像装置の全体構成図である。
【図6】図5の撮像装置の画像処理を説明する図であり、(a)撮像素子によって撮像された元画像、(b)〜(d)元画像から分割光束の色別に画素群を抽出した状態、(e)〜(g)空いた画素を補完した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置1および顕微鏡システムについて、図1および図2を参照して説明する。
本実施形態に係る顕微鏡システムは、本実施形態に係る撮像装置1と生体試料観察用の顕微鏡とを備え、撮像装置1により取得した生体試料、例えば、細胞の焦点位置の異なる少なくとも2枚の画像から、細胞の3次元形状を測定するものである。
【0018】
撮像装置1は、図1に示されるように、観察対象である細胞からの観察光束Lを3つの分割光束に分割するビームスプリッタ2a,2bと、各分割光束を導光する3つの光路L0,L1,L2と、該光路L1,L2の途中位置に配置された偏光フィルタ3a,3bと、受光面に偏光子アレイ4が設けられた撮像素子5と、該撮像素子5の所定の画素群毎に画像を生成する画像生成部6とを備えている。
【0019】
ビームスプリッタ2a,2bは、入射された観察光束の一部分を反射させ、観察光束の他の部分を透過させるキューブ型ビームスプリッタであり、直列に配列されている。なお、このビームスプリッタ2a,2bの構成は一例であり、ビームスプリッタとして、1つで観察光束を3つに分割するものや、プレート型を用いてもよい。
【0020】
光路L0,L1,L2は、各光路長d0,d1,d2がd1<d0<d2の大小関係を満たすように、かつ、d0−d1=d2−d0=Δzを満たすように、ミラーM1〜M4が配置されている。以下、L0を基準光路、L1を短光路、L2を長光路という。各光路L0,L1,L2を導光された分割光束は、合成プリズム7によって1つに合成されてから撮像素子5へ射出されるようになっている。
【0021】
偏光フィルタは3a,3bは短光路L1と長光路L2に配置され、互いに直交する偏光方向の直線偏光を選択的に透過させる。これにより、短光路L1および長光路L2において偏光方向が互いに直交する直線偏光光束が生成される。以下、説明を簡単にするため、短光路L1に配置された偏光フィルタ3aの偏光方向を0°、長光路L2に配置された偏光フィルタ3bの偏光方向を90°とする。
【0022】
撮像素子5は、例えば、CCDイメージセンサ(電荷結合素子)やCMOSイメージセンサなどの、受光素子がアレイ状に配列された受光面を有する撮像素子である。偏光子アレイ4は、微小な偏光子が受光素子と同一の間隔幅で配列されてなり、各偏光子が一の受光素子と一致するように配置されている。
【0023】
また、偏光子アレイ4は、偏光フィルタ3aと同一の0°の直線偏光を透過させる偏光子と、偏光フィルタ3bと同一の90°の直線偏光を透過させる偏光子とが、交互に配列されている。これにより、短光路L1からの0°の直線偏光光束と、長光路L2からの90°の直線偏光光束とが、撮像素子5の互いに異なる受光素子群によって受光されるようになっている。
【0024】
画像生成部6は、図2(a)に示されるように、撮像素子5によって撮像された元画像の全画素から、一つ置きに選択された画素からなる画素群を抽出する。これにより、図2(b),(c)に示されるように、0°の直線偏光光束によって結像された像と、90°の直線偏光光束によって結像された像とが別々に抽出される。次に、画像生成部6は、抽出した画素同士間の空いた画素を画像処理によって補完する。画像処理は、バイリニア法などの周知の方法を用いることができる。これにより、画像生成部6は、図2(d),(e)に示されるように、光路L1,L2毎に別々の画像を生成する。生成された2つの画像は、焦点位置が2Δzだけ異なる。
【0025】
このように構成された撮像装置1を備えた顕微鏡システムについて、以下に説明する。
本実施形態に係る顕微鏡システムは、顕微鏡の光源から観察対象である細胞に照明光束を照明し、細胞を透過した照明光束を顕微鏡の対物レンズ(対物光学系)によって集光することにより、観察光束を形成する。ここで、光源は、無偏光の照明光束を放射するものが用いられる。観察光束は、ビームスプリッタ2a,2bによって分割された後、顕微鏡内に設けられた光路L0,L1、L2を介して、顕微鏡のカメラ用ポートに接続された共通の撮像素子5に導光される。これにより、顕微鏡システムは、焦点位置が2Δzだけ異なる2つの画像を生成することができる。
【0026】
観察者は、例えば、光路L1,L2を遮断することにより、基準光路L0を導光してきた分割光束によって結像される画像の焦点位置を基準焦点位置として細胞に合わせる。その後、光路L1,L2を遮断から開放し、撮像素子5に各光路L1,L2からの光束を照射させる。このときに、画像生成部6により生成される2つの画像は、基準焦点位置よりも鉛直下方および鉛直下方にそれぞれΔzだけ焦点がずれたデフォーカス画像になる。顕微鏡システムは、得られた2つのデフォーカス画像中の各位置における輝度の差から位相を算出し、さらに算出した位相から各位置における細胞の厚みを算出し、細胞の3次元画像を構築する。顕微鏡システムは、2つのデフォーカス画像および構築した3次元画像を表示装置に表示させてもよい。
【0027】
この場合に、本実施形態によれば、各分割光束の光路長d1,d2を異ならせ、さらに、偏光によって各分割光束を区別して撮像素子5に受光させることにより、焦点位置の異なる2つの画像を1つの撮像素子5で同時に撮像することができるという利点がある。さらに、これにより、高価な撮像装置が1つで済むので、コストの低減を図ることができるという利点がある。
【0028】
また、対物レンズを上下に移動させることにより焦点位置をずらしながら複数のデフォーカス画像を撮像する従来の撮像方法の場合、2つのデフォーカス画像の撮像時刻に時間差が生じる。したがって、例えば、生細胞中の生体分子の動態など比較的高速で移動するものを観察しようとしたり、観察中に視野内に浮遊物などが移動してきたりしたときに、2つのデフォーカス画像から正しい位相の算出結果を得ることができないという問題がある。しかしながら、本実施形態によれば、焦点の異なる2つの画像を同時に撮像可能であるので、正確に3次元形状を測定することができるという利点がある。
【0029】
なお、上記実施形態においては、生体試料の3次元形状を構築するために少なくとも2つのデフォーカス画像が必要であるため、光路長の異なる光路L0,L1,L2を3つ設け、観察光束を3つに分割することとしたが、光路および分割光束の数は適宜変更することができる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施形態に係る撮像装置1について、図3を参照して以下に説明する。なお、本実施形態においては、第1の実施形態と異なる点について主に説明し、第1の実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る撮像装置1は、図3に示されるように、短光路L1および長光路L2の各光路長d1,d2が可変であり、基準光路L0が省略されている点において、第1の実施形態と異なる。
【0031】
ビームスプリッタ2aは、観察光束を2つに分割する。符号2cは、ビームスプリッタ2aを透過してきた分割光束を偏向するプリズムである。
各光路L1,L2は、ミラーM1〜M4が平行移動することによって光路長d1,d2が変更されるようになっている。ここで、各ミラーM1〜M4は、各光路L1,L2の光路長d1,d2がd1=d2=zを満たす基準位置(図3の2点鎖線参照。)と、各光路L1,L2の光路長d1,d2がそれぞれd1=z−Δz、d2=z+Δzを満たす撮像位置(図3の実線参照)との間で移動可能になっている。
【0032】
これにより、各ミラーM1〜M4が基準位置に配置されているときは、各光路L1,L2を導光してきた分割光束により、同一の基準焦点位置の画像が生成される。一方、各ミラーM1〜M4が観察位置に配置されているときは、各光路L1,L2を導光してきた分割光束によって、基準焦点位置よりも鉛直上方および鉛直下方にΔzだけ焦点位置がずれた画像が生成される。
【0033】
偏光フィルタ3a,3bは、ミラーM1〜M4が観察位置に配置されているときの各光路L1,L2の途中位置に固定されていてもよいし、ミラーM1〜M4と同期して平行移動してもよい。
【0034】
このように構成された撮像装置1および該撮像装置1を備えた顕微鏡システムによれば、ミラーM1〜M4を基準位置に配置させて基準焦点位置を細胞に合わせた後、ミラーM1〜M4を撮像位置に移動させてデフォーカス画像を撮像する。これにより、基準焦点位置を決めるための基準光路が不要にすることができる。また、ミラーM1〜M4の移動量を調節することにより、観察対象の厚みに応じてデフォーカス画像の基準焦点位置からの焦点位置のずれ量Δzを容易に変更し、より正確な3次元画形状を測定することができるという利点がある。
【0035】
次に、本発明の第3の実施形態に係る撮像装置1について、図4を参照して説明する。なお、本実施形態においては、第1および第2の実施形態と異なる点について主に説明し、第1および第2の実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
本実施形態に係る撮像装置1は、図4に示されるように、短光路L1および長光路L2を導光されてきた各分割光束が、撮像素子5上の互いに区切られた撮像領域A,Bに照射される点において、第1および第2の実施形態と異なる。本実施形態においては、第2の実施形態と同様に、ミラーM1〜M4が移動することにより、各光路L1,L2の光路長d1,d2が可変になっていてもよい。
【0037】
撮像素子5は、互いに区切られた2つの撮像領域A,Bを有している。
各光路L1,L2を導光されてきた分割光束はそれぞれ独立に偏向素子、例えば、ミラーM5,M6によって撮像素子5に向かって偏向され、短光路L1からの分割光束は撮像領域Aに、長光路L2からの分割光束は撮像領域Bに照射される。ここで、各光路L1,L2からの分割光束が意図しない撮像領域A,Bにも照射されるのを防ぐために、例えば、撮像領域A,Bの間に遮光板などが適宜設けられてもよい。
画像生成部6は、各撮像領域A,B内の画素群から別々に画像を生成する。
【0038】
このように構成された撮像装置1および該撮像装置1を備えた顕微鏡システムによれば、上述した第1の実施形態と同様に、1つの撮像素子5で焦点位置の異なる画像を同時に撮像することができる。また、偏光フィルタや偏光子アレイなどが不要であり、比較的安価な光学素子のみで構成されるので、コストをさらに低減することができるという利点がある。
【0039】
次に、本発明の第4の実施形態に係る撮像装置1について、図5および図6を参照して以下に説明する。本実施形態においても、第1の実施形態と異なる点について主に説明し、第1の実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る撮像装置1は、図5に示されるように、各光路L1,L2に偏光フィルタ3a,3bに代えて波長フィルタ(単色光束生成部)8a,8b,8cが配置されている点、および、撮像素子5の受光面に偏光子アレイ4に代えて色フィルタアレイ9が設けられている点において、第1の実施形態と異なる。
【0040】
波長フィルタ8a,8b,8cはそれぞれ、各分割光束に含まれる光のうち、緑色(G)、青色(B)または赤色(R)の領域の特定の波長の光を選択的に透過させる。これにより、各分割光束から、G、B、Rの単色光束が生成される。
色フィルタアレイ9は、各色の単色光束をそれぞれ選択的に透過させる微小な色フィルタが、交互にアレイ状に配列されてなる。各色フィルタは受光素子と同一の間隔幅で配列され、各色フィルタが一の受光素子と一致するように色フィルタアレイ9は配置されている。これにより、各光路L0,L1,L2からの単色光束は、その色によって撮像素子5の異なる受光素子に受光される。
【0041】
画像生成部6は、図6(a)に示されるように、撮像素子5によって撮像された元画像の全画素のうち、図6(b)〜(d)に示されるように、色フィルタの色別に画素群を抽出する。つぎに、画像生成部6は、図6(e)〜(g)に示されるように、空いた画素を画像処理によって補完する。これにより、光路L0,L1,L2別に3つの画像が生成される。
【0042】
ここで、一般的にCCDなどの撮像素子5の受光面に設けられている色フィルタアレイ9は、各色フィルタが透過させる光の波長に幅が存在する。すなわち、例えば、緑色の光であっても、波長によっては色フィルタアレイ9の青色または赤色の色フィルタを透過し、意図しない位置の受光素子に受光されてしまう。したがって、各色の波長フィルタ8a,8b,8cは、異なる色の色フィルタが透過させる光の波長領域と干渉しない波長領域の波長を透過させるものが選択される。
【0043】
このように構成された本実施形態に係る撮像装置1および該撮像装置1を備えた顕微鏡システムによれば、第1の実施形態と同様に、1つの撮像素子5で焦点位置の異なる画像を同時に撮像することができるという利点がある。また、基準光路L0を導光された分割光束の画像も生成されるので、デフォーカス画像と同時にフォーカス画像を表示装置に表示させることができるという利点がある。
【符号の説明】
【0044】
1 撮像装置
2a,2b ビームスプリッタ(光束分割手段)
2c プリズム
3a,3b 偏光フィルタ(偏光光束生成部、光束選択手段)
4 偏光子アレイ(光束選択手段)
5 撮像素子
6 画像生成部
7 合成プリズム
8a〜8c 波長フィルタ(単色光束生成部、光束選択手段)
9 色フィルタアレイ(光束選択手段)
L0,L1,L2 光路
M1〜M6 ミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察対象からの観察光束を複数に分割する光束分割手段と、
前記観察光束を受光する撮像素子と、
前記光束分割手段により分割された各分割光束を前記撮像素子に導光する光路長の異なる複数の光路と、
前記分割光束を、前記撮像素子の互いに異なる画素からなる画素群に受光させる光束選択手段と、
前記撮像素子の前記各画素群から複数の画像を生成する画像生成部とを備える撮像装置。
【請求項2】
前記光束選択手段が、
前記各光路の途中位置に配置され、前記分割光束から互いに偏光方向の異なる直線偏光光束を生成する偏光光束生成部と、
前記撮像素子の前段に設けられ、偏光方向の異なる前記直線偏光光束を透過させる偏光子が交互に繰り返し配列されてなり、各偏光方向の直線偏光光束を前記画素群に受光させる偏光子アレイとを備える請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記光束選択手段が、
各光路に配置され各分割光束から互いに波長の異なる単色光束を生成する単色光束生成部と、
前記撮像素子の前段に設けられ、波長の異なる前記単色光束を透過させる色フィルタが交互に繰り返し配列されてなり、各波長の単色光束を前記画素群に受光させる色フィルタアレイとを備える請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記光束選択手段は、前記各光路が、前記分割光束を前記撮像素子の互いに区切られた撮像領域の前記画素群に導光してなる請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記光路の光路長を変更する光路長変更手段を備える請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記光路長変更手段が、前記複数の光路のうち少なくとも2の光路の光路長を同一に変更可能である請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記各光路の光路長の差が一定である請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記光束分割手段が、前記観察光束を3以上に分割する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
観察対象に照明光束を照射する光源と、
前記照明光束が前記観察対象において反射させられた反射光または透過させられた透過光を集光して観察光束を形成する対物光学系と、
請求項1から請求項6のいずれかに記載の撮像装置とを備える顕微鏡システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−18264(P2012−18264A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154928(P2010−154928)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】