説明

撮像装置及びその制御方法

【課題】 撮像開始地点と撮像終了地点とを定めてその間を直線的に撮像するプリセット制御を好適に行うことができる撮像装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】 カメラ装置100は、パン角度及びチルト角度を変化させることにより撮像方向を水平及び垂直に傾けて被写体を撮像する。プリセットメモリ部18から撮像開始地点及び撮像終了地点を撮像するときのパン角度及びチルト角度を取得し、撮像を開始し、パン角度を検知する。ここで、マイクロコンピュータ17bは、撮像開始地点と撮像終了地点とを結ぶ直線上に位置する被写体を撮像する場合のカメラ装置100のチルト角度を、検知されたパン角度に基づいて演算する。そして、パン角度と演算されたチルト角度でカメラ装置100の撮像方向を変化させながら撮像終了地点に達するまで被写体を撮像する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラの撮像方向を左右及び上下に移動する旋回機構を備えた撮像装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラの撮像装置には、レンズと、CCD等の撮像素子からなる撮像素子部と、撮像された画像信号を出力する信号処理部を備えるカメラ装置と、当該カメラ装置を左右(水平)、上下(垂直)方向に旋回するための旋回装置が備わっている。
【0003】
ここで、当該カメラ装置には、焦点をあわせるためにレンズを移動させるためのフォーカス用レンズ移動モータや、ズーム時に(ズーム)レンズを移動させるためのズーム用レンズ移動モータが備わっている。また、旋回装置には、カメラ装置全体を水平(パン)方向に駆動させる(パンニング)ためのパン方向回転モータや、カメラ装置を垂直(チルト)方向に駆動させる(チルティング)ためのチルト方向回転モータが備わっている。
【0004】
さらに、カメラ装置や旋回装置には、各モータの移動及び回転位置をそれぞれ検出する位置センサや、各モータをそれぞれ駆動するモータ駆動回路が備わっている。さらにまた、カメラ装置や旋回装置には、内蔵している各モータの制御や、撮像開始地点や撮像終了地点を撮像するときのカメラのパン角度、チルト角度、フォーカス値、ズーム値等のプリセットデータの読み出し、操作キーの読み込み等の撮像装置全体を制御するマイクロコンピュータ、プリセットデータを格納するプリセットメモリ部、及びプリセット制御動作等を実行させるための操作部が備わっている。
【0005】
次に、上述したような構成の従来の撮像装置を用いて、撮像開始地点と撮像終了地点を撮像するときのパン角度やチルト角度等をプリセットデータとして与え、その間を撮影するプリセット制御動作について説明する。図8は、従来の撮像装置におけるプリセット制御動作の手順を説明するためのフローチャートである。従来の撮像装置では、まず、操作部を介して操作者による所定のプリセット(実行)キーの入力があったか否かを判別する(ステップS101)。その結果、入力があったと判定された場合(Yes)、プリセットメモリ部に記録されたプリセットデータを参照する(ステップS102)。そして、参照したプリセットデータに従って、ズーム用レンズ移動モータ、フォーカス用レンズ移動モータ、パン方向回転モータ、及びチルト方向回転モータの回転・移動を行う(ステップS103)。また、各位置センサからの現在の位置情報を検出(参照)する(ステップS104)。
【0006】
そして、撮像終了地点と位置センサから検出された現在の位置情報とが一致するか否かを判断し(ステップS105)、両データが一致した場合(Yes)、すなわちプリセット設定が完了したと判断された場合は、各種モータの駆動を停止させる(ステップS106)。これによって、プリセット動作は完了する。一方、プリセット設定が完了していない場合は、ステップS102に戻って、上記処理を繰り返すようにする。
【0007】
また、本発明に関する先行技術の一例として、テレビカメラのパン、チルト、フォーカスの一連の動作を記憶するトレースデータを作成・登録し、パンの位置を追尾すべき移動物体の重心座標に基づいて制御し、チルト、ズーム、フォーカスの位置をトレースデータに基づいて制御することにより、見やすい映像により移動物体を自動追尾する自動追尾装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−247440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したような従来の撮像装置やその制御方法では、以下に掲げる問題があり、その改善が要望されていた。すなわち、旋回装置のパンニング動作は円弧運動であるため、撮像開始地点と撮像終了地点とを撮像するためのパン角度とチルト角度がプリセットデータとして与えられ、当該撮像開始地点と撮像終了地点とを結ぶ直線上に位置する被写体をプリセット制御で撮像するような場合は、撮像対象である被写体を適切に撮像することができない。
【0009】
例えば、ドーム式野球場の天井に設置されたカメラ装置CAにおいて、プリセットデータとしてあらかじめ一塁ベースの撮像条件(ズーム、フォーカス、パン、チルト位置)をポジションAとして記憶させ、また、二塁ベースの撮像条件(ズーム、フォーカス、パン、チルト位置)をポジションBとして記憶させておく。図9は、従来のドーム式野球場の天井に設置されたカメラ装置のプリセット撮像制御動作を説明するための概要図である。ここで、野球中継の際に、カメラの撮像方向を一塁ベースから二塁ベースへ直線的に移動するような映像を撮像するには、ポジションAの撮像条件を呼び出した後、ポジションBの撮像条件を呼び出し、プリセット制御を行うこととなる。
【0010】
この場合、従来の方法によれば、カメラ装置で撮像される映像は塁間を直線制御したものでなく、円弧Mを描きながら撮像されたものになってしまう。従って、例えば、一塁走者が二塁へ盗塁するシーンや塁間撮像を実施する際に、走者や塁間に引かれたラインをトレースするような適切な撮像制御ができない。その結果、視聴者等が不快感を覚えることによって、このような撮像制御しかできないようなカメラの商品価値が低下してしまうおそれもある。
【0011】
また、特許文献1に開示されるような、塁間に引かれたラインや走者自身を画像処理によって抽出してカメラを追従させることで、プリセット制御による撮像を直線制御するような手法も考えられる。しかしながら、画像処理の実行のためには膨大なソフトウェア処理が必要となり、ソフトウェアの開発コストが膨大となるとともに、計算コストも増大するため、レスポンスの良い撮像が困難になるという問題がある。
【0012】
さらに、プリセット制御時における動作が直線になるように、撮像開始地点と撮像終了地点の間の途中に複数の経過点(例えば、図9に示すP1〜P3)をあらかじめ設定しておき、プリセット制御時に途中の経過点を通過するようにして擬似直線制御を実現するトレースプリセット方法も考えられる。しかし、一塁から二塁への直線撮像だけでなく様々な2点間における直線撮像を実施するに際して、そのすべてにおいて常に複数の経過点をあらかじめ設定しておくような行為は、大変手間がかかり面倒な作業である。また、より直線的に制御するためには、より多くの経過点の設定が必要となる。
【0013】
さらにまた、近年のカメラ装置はズームの高倍率化、高画素化が進むことによって、より高倍率、高画素での被写体を撮像が可能となり、臨場感をより高めることができる傾向にある。
【0014】
しかしながら、高倍率撮影により撮影範囲が狭くなり、直線で移動する被写体に対して被写体が撮影中に画面外に出てしまったり、高画素化に伴い被写界深度が浅くなることから、直線で移動する被写体は被写体距離が可変するためフォーカスボケ現象が発生してしまう。
【0015】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、撮像開始地点と撮像終了地点とを定めてその間を直線的に撮像するプリセット制御を好適に行うことができる撮像装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明に係る撮像装置は、
パン角度及びチルト角度を変化させることにより撮像方向を水平及び垂直に傾けて被写体を撮像する撮像手段と、
撮像開始地点及び撮像終了地点を撮像するときの前記撮像手段のパン角度及びチルト角度を記憶する記憶手段と、
撮像開始後の前記撮像手段のパン角度を検知する検知手段と、
前記撮像開始地点と前記撮像終了地点とを結ぶ直線上に位置する被写体を撮像する前記撮像手段のチルト角度を、前記検知手段により検知されるパン角度に基づいて演算する演算手段とを備え、
前記撮像手段は、パン角度と前記演算手段によって演算された該パン角度に対応するチルト角度で撮像方向を変化させながら前記撮像開始地点から前記撮像終了地点に達するまで被写体を撮像することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る上記撮像装置は、前記撮像手段がパン角度のみを変化させて被写体を撮像するときの撮像距離と、パン角度とチルト角度とを変化させて被写体を撮像するときの撮像距離との差分距離を検出する検出手段と、
前記差分距離に基づいて前記撮像手段のフォーカスを補正するフォーカス補正手段と
をさらに備えることを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明に係る上記撮像装置は、
前記撮像手段が被写体を拡大縮小して撮像するズーム機構を有しており、
前記撮像手段が前記被写体を撮像するときの画角を検出する画角検出手段と、
被写体距離の変化に伴う画角の変化を、前記撮像手段のズーム機構を用いて画角を略一定に補正するズーム補正手段と
をさらに備えることを特徴とする。
【0019】
さらにまた、本発明に係る上記撮像装置は、前記撮像手段が前記撮像開始地点から前記撮像終了地点までパン角度を変化させながら被写体を撮像する際に、前記ズーム補正手段が、前記画角を略一定の割合で減少又は増加させることを特徴とする。
【0020】
さらにまた、本発明は、パン角度及びチルト角度を変化させることにより撮像方向を水平及び垂直に傾けて被写体を撮像する撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置に接続する記憶装置から、撮像開始地点及び撮像終了地点を撮像するときの前記撮像手段のパン角度及びチルト角度を取得する取得工程と、
撮像開始後の前記撮像装置のパン角度を検知する検知工程と、
前記撮像開始地点と前記撮像終了地点とを結ぶ直線上に位置する被写体を撮像する場合の前記撮像装置のチルト角度を、前記検知工程により検知されたパン角度に基づいて演算する演算工程と、
前記パン角度及び前記演算工程によって演算されたチルト角度で前記撮像装置の撮像方向を変化させながら前記撮像開始地点から前記撮像終了地点に達するまで被写体を撮像する撮像工程と
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、撮像開始地点と撮像終了地点とを定めてその間を直線的に撮像するプリセット制御を好適に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る撮像装置を用いた2点間を結ぶ直線上を移動する被写体を好適に撮像するプリセット制御方法について詳細に説明する。
【0023】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の細部構成を示すブロック図である。図1に示すように、撮像装置は、大きく分けて、被写体を撮像するためのカメラ装置100と、カメラ装置100を水平(パン)方向及び垂直(チルト)方向に旋回するための旋回装置200と、カメラ装置100を用いて撮像動作を行わせる撮像開始地点と撮像終了地点とを結ぶ直線上を移動する被写体を撮像させる操作を行うためのコントローラ300とから構成される。
【0024】
カメラ装置100において、1はレンズ、2はCCD等の撮像素子からなる撮像素子部、3はカメラ装置の映像信号を出力する信号処理部である。また、5はフォーカス時にレンズ1を移動して焦点をあわせるためのフォーカス用レンズ移動モータ、6はズーム時にレンズ1を移動してズーミングを行うためのズーム用レンズ移動モータである。尚、4はオートフォーカス(AF)演算部であり、撮像装置(具体的には、レンズ1)と被写体までの距離を測定することができる。
【0025】
一方、旋回装置200において、7は上記各部を具備するカメラ装置100を水平(パン)方向に回転させるための水平方向回転モータ、8はカメラ装置100を垂直(チルト)方向に回転させるための垂直方向回転モータである。
【0026】
また、9、10、11及び12は、各モータの移動及び回転位置をそれぞれ検出するための位置センサである。さらにまた、13、14、15及び16は、各モータをそれぞれ駆動するための駆動回路である。
【0027】
さらにまた、カメラ装置100が具備するマイクロコンピュータ(カメラマイコン)17aは、ズーム用及びフォーカス用レンズ移動モータ5、6の制御や、撮像素子部2から入力された信号の信号処理部3における信号処理等のカメラ装置100における各種制御を行う。一方、旋回装置200が具備するマイクロコンピュータ(旋回装置マイコン)17bは、水平(パン)及び垂直(チルト)回転モータ7、8の制御、コントローラ300からのプリセットデータの読み出しや入力操作の読み込み、プリセットデータに基づくカメラ装置100の直線制御処理等のカメラ装置100を旋回する旋回装置200全体を制御する。尚、マイクロコンピュータ17a、17bは、それぞれCPU、ROM、及びRAM等を内蔵する。
【0028】
さらにまた、コントローラ300において、18はプリセットデータを格納するプリセットメモリ部である。また、19はプリセット動作等を実行させる操作部であり、カメラマン或いは遠隔操作を行う遠隔カメラの場合は通常コントロール室に設置されてオペレータが操作する。
【0029】
図2は、第1の実施形態におけるマイクロコンピュータ17bのハードウェア構成図である。マイクロコンピュータ17bにおいて、CPU201は、撮像装置全体を制御するプロセッサである。RAM202は、CPU201が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記憶するためのプログラムメモリや、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM203は、システムのブートプログラムやシステムソフトウェアやアプリケーションプログラムや各種データを格納する。尚、マイクロコンピュータに不図示のハードディスクドライブを外付けして、システムソフトウェアや各種データを格納する構成としても良い。
【0030】
カメラ装置I/F205は、カメラ装置100に接続し、情報の入出力を行うためのインタフェースである。操作部I/F206は、コントローラ300の操作部19とのインタフェース部であり、操作部19との間で各種情報の授受や操作指示等を受け付ける。また、メモリ部I/F207は、コントローラ300のプリセットメモリ部18に記憶されている撮像開始地点や撮像終了地点等の情報を受信する。以上のデバイスが図3に示すようにシステムバス208上に配置される。
【0031】
図3は、第1の実施形態に係るマイクロコンピュータ17bによって実行されるプリセット制御処理の処理動作を説明するためのフローチャートである。マイクロコンピュータ17bは、カメラ装置100及びコントローラ300と連携してプリセット制御処理を実行する。このプリセット制御処理のプログラムはROM203に予め記憶されており、CPU201の制御の下で実行される。また、プログラム実行時の変数やデータ等はRAM202に記憶され、これら変数やデータ等はCPU201の制御の下で、適宜RAM202に読み込まれ、或いは書き込まれる。
【0032】
まず、操作部19を介してカメラマン等によって、撮像開始地点と撮像終了地点との間を自動的に直線撮像を行うプリセット制御撮像の実行命令があったか否かを判定する(ステップS1)。そして、プリセットキーの入力等によって実行命令があったと判定された場合(Yes)は、続いてプリセットメモリ部18に記録された撮像開始地点と撮像終了地点のズーム値、フォーカス値、パン角度、チルト角度等を含むプリセットデータ(メモリ情報)を参照する(ステップS2)。そして、参照されたプリセットデータを目標にして、ズーム、フォーカス、パン角度、チルト角度を目標値としてレンズやカメラ装置自身の回転、移動を始める(ステップS3)。
【0033】
ここで、駆動モードを参照して、実行命令による撮像が直線制御モードであるか否かを判定する(ステップS4)。その結果、直線制御モードであると判定された場合(Yes)は、位置センサ11からの入力信号に基づいて現在のパン角度を検知して(ステップS5)、2点間のプリセット制御が曲線にならずに直線になるように被写体距離やパン角度情報から最適なチルト角度を演算する(ステップS6)。そして、現在のパン角度に連動させながら位置センサ12からの入力信号が示す現在のチルト角度に基づいてチルト角度を補正する(ステップS7)。
【0034】
ここで、チルト角度の演算方法の具体例について説明する。図4は、ドーム式野球場の天井に設置された撮像装置を用いて一塁ベースを撮像開始地点B、二塁ベースを撮像終了地点Cとしたときのカメラ装置の直線制御の方法を説明するための図である。
【0035】
図4では、撮像装置が設置されている天井の鉛直下方(真下)の点Aと、1塁ベースBと、2塁ベースCとで直角三角形が構成されている場合の例について示している。ここで、カメラ位置から真下までを撮像したときのフォーカス位置とチルト角度からその距離をLAとする。また、一塁ベースを撮像し、そのフォーカス位置とチルト角度から、点Aと一塁ベースBとの距離をLBとする。同様にして、点Aと二塁ベースCとの距離をLCとする。
【0036】
この場合、点Aと一塁ベースBを結ぶ線分ABと、一塁ベースBと二塁ベースCとを結ぶ線分BCとがなす角Vは、LC=LB・tanVで表せる。また、点Aから線分BCへ伸ばした垂線が線分BCと交差する点をD、点Aと点Dとの距離LDとを用いて、LD=LB・sinVが求まる。従って、線分BC上の任意の点Eと点Aとの距離LE、線分AEが線分ABとなす角Yを用いて、LE=LD/cos(Y−(π/2−V))が得られる。尚、この実施例ではV=π/4である。
【0037】
以上より、撮像開始地点に向けたカメラ装置100をY度だけ水平(パン)方向に向けたときの直線制御を行うに当たって理想チルト角度Zは、tanZ=LE/LA=LD/(LA・cos(Y−(π/2−V)))で表せる。
【0038】
その後、チルト角度、パン角度補正後の撮像装置の各位置センサ11、12のセンサ情報を読み出す(ステップS8)。そして、プリセットデータのメモリ情報と読み出したセンサ情報とが一致するか否かを判定する(ステップS9)。その結果、両データが一致した場合(Yes)はプリセット動作が完了したものとして、各々の制御モータを停止させて、プリセット動作終了情報を出す(ステップS10)。一方、両データが一致しない場合(No)はまだ撮像終了地点に到達していないので、ステップS2に戻って上記処理を繰り返す。
【0039】
上述したように、本実施形態に係る撮像装置によれば、プリセット間の撮像が直線制御となり、走者が盗塁するシーンや塁間撮像を違和感なく実施することができる。
【0040】
尚、上述した実施形態ではLB=LCの場合(すなわち、線分ABとACとのなす角が90度の場合)について説明したものであるが、撮像装置の設置位置によってはLB≠LCとなる場合もあり得る。そこで、以下では線分ABと線分ACとのなす角度が90度未満の場合と90度以上の場合について説明する。
【0041】
図5は、線分ABと線分ACとのなす角度が90度未満又は90度超の場合の角度Vの演算方法を説明するための図である。最初に、図5(a)を用いて線分ABと線分ACとのなす角度が90度未満の場合の例について説明する。
【0042】
一塁ベース(点B)から線分ACに対する垂線を引き、その交点をB2とする。この場合、点B2と点Bとの距離LB2は、一塁ベースBと二塁ベースCとの間の撮像角度をWとすると、LB2=sinW・LBとなる。尚、角度Wは、撮像開始地点と撮像終了地点とが点Aとなす角度である。また、点Aと点B2との距離LC2は、同様にして、LC2=cosW・LBとなる。
【0043】
ここで、線分ACと線分BCとがなす角Xは、tanX=LB2/(LC−LC2)で表せる。従って、点Aから線分BB2に沿って平行な直線と線分BCとのなす角Vは、V=π−(π/2+X)で表すことができる。以後、前述した直角三角形の場合と同様にして理想チルト角度Zを求めることができる。
【0044】
次に、図5(b)を用いて線分ABと線分ACとのなす角度が90度超の場合の例について説明する。そこで、一塁ベース(点B)から線分ACの延長線に対する垂線を引き、その交点をB3とする。この場合、点B3と点Bとの距離LB3は、一塁ベースBと二塁ベースCとの間の撮像角度をWとすると、LB3=cos(W−π/2)・LBとなる。また、点Aと点B3との距離LC3は、同様にして、LC3=sin(W−π/2)・LBとなる。
【0045】
ここで、線分ACと線分BCとがなす角Xは、tanX=LB3/(LC+LC3)で表せる。従って、線分ABと線分BCとのなす角Vは、V=π−(W+X)で表すことができる。以後、前述した直角三角形の場合と同様にして理想チルト角度Zを求めることができる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態に係る撮像装置によれば、ズーム・フォーカス・パン・チルト等の撮像条件を設定できるプリセット手段を備えたカメラ装置において、2点間のプリセット制御時に発生する非直線撮像を被写体距離、パン角度、チルト角度情報からチルト角度補正を行って好適に直線撮像を行うことができる。従って、違和感なくランナーが盗塁するシーンや塁間撮像を視聴者に供給することができる。
【0047】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る撮像装置を用いたカメラ装置の制御処理について説明する。尚、第2の実施形態の撮像装置は、前述した第1の実施形態に係る撮像装置と同一の電気的構成を有しつつ、第1の実施形態とは異なる処理を行うものとする。具体的には、第2の実施形態では、チルト角度補正により被写体距離の変化に伴うピンボケ現象をフォーカス補正によって回避するための制御を行うものである。
【0048】
図6は、第2の実施形態におけるマイクロコンピュータ17bによって実行されるプリセット制御処理プログラムの処理手順を示すフローチャートである。マイクロコンピュータ17bは、カメラ装置100及びコントローラ300と連携してプリセット制御処理を実行する。このプリセット制御処理のプログラムはROM203に予め記憶されており、CPU201の制御の下で実行される。また、プログラム実行時の変数やデータ等はRAM202に記憶され、これら変数やデータ等はCPU201の制御の下で、適宜RAM202に読み込まれ、或いは書き込まれる。
【0049】
まず、操作部19を介してカメラマン等によって、撮像開始地点と撮像終了地点とが与えられて自動的に直線撮像を行うプリセット撮像の実行命令があったか否かを判別する(ステップS201)。そして、プリセットキーの入力等によって実行命令があったと判定された場合(Yes)は、続いてプリセットメモリ部18に記録された撮像開始地点と撮像終了地点のズーム値、フォーカス値、パン角度、チルト角度等を含むプリセットデータ(メモリ情報)を参照する(ステップS202)。そして、参照されたプリセットデータを目標にして、ズーム、フォーカス、パン角度、チルト角度を目標値としてレンズやカメラ装置自身の回転、移動を始める(ステップS203)。
【0050】
ここで、駆動モードを参照して、実行命令による撮像が直線制御モードであるか否かを判定する(ステップS204)。その結果、直線制御モードであると判定された場合(Yes)は、位置センサ11からの入力信号に基づいて現在のパン角度を検知して(ステップS205)、2点間のプリセット制御が曲線にならずに直線になるように位置センサ9からの入力信号に基づく被写体距離やパン角度情報から最適なチルト角度を演算して、上記第1の実施形態と同様にして、現在のパン角度に連動させながら位置センサ12からの入力信号に基づいてチルト角度を補正する(ステップS206)。
【0051】
また、現状のパン角度を参照しつつ、チルト補正により発生する被写体距離の変化に伴うフォーカスずれを補正するため、パン角度、チルト角度情報から最適フォーカス位置を演算し、チルト角度に連動させて位置センサ9からの入力信号に基づいてフォーカス位置補正をする(ステップS207)。
【0052】
そして、参照したプリセットデータのメモリ情報に従ってズームモータ、フォーカスモータ、水平モータ、及び垂直モータの回転或いは移動を行いつつ、各位置センサ9〜12のセンサ情報を読み出す(ステップS208)。そして、撮像終了点のプリセットデータのメモリ情報と読み出したセンサ情報とが一致するか否かを判定する(ステップS209)。その結果、両データが一致した場合(Yes)はプリセット動作が完了したものとして、各々の制御モータを停止させて、プリセット動作終了情報を出す(ステップS210)。一方、両データが一致しない場合(No)はまだ撮像終了地点に到達していないので、ステップS202に戻って上記処理を繰り返す。
【0053】
以上説明したように、第2の実施形態に係る撮像装置によれば、ズーム・フォーカス・パン・チルト等の撮像条件を設定できるプリセット手段を備えたカメラ装置において、チルト補正時に発生するフォーカスぼけ現象を、被写体距離、パン角度、チルト角度情報からフォーカス位置補正を行うことで、直線制御時においてもフォーカスぼけのない直線制御となり、違和感なくランナーが盗塁するシーンや塁間撮像を実施することができる。
【0054】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態に係る撮像装置を用いたカメラ装置の制御処理について説明する。尚、第3の実施形態の撮像装置は、前述した第1の実施形態に係る撮像装置と同一の電気的構成を有しつつ、第1の実施形態とは異なる処理を行うものとする。具体的には、第3の実施形態では、直線制御により発生する被写体の撮像サイズが可変する現象を画角補正により回避するための制御を行うものである。
【0055】
図7は、第3の実施形態におけるマイクロコンピュータ17bによって実行されるプリセット制御処理プログラムの処理手順を示すフローチャートである。マイクロコンピュータ17bは、カメラ装置100及びコントローラ300と連携してプリセット制御処理を実行する。このプリセット制御処理のプログラムはROM203に予め記憶されており、CPU201の制御の下で実行される。又プログラム実行時の変数やデータ等はRAM202に記憶され、これら変数やデータ等はCPU201の制御の下で、適宜RAM202に読み込まれ、或いは書き込まれる。
【0056】
まず、操作部19を介してカメラマン等によって、撮像開始地点と撮像終了地点とが与えられて自動的に直線撮像を行うプリセット撮像の実行命令があったか否かを判別する(ステップS301)。そして、プリセットキーの入力等によって実行命令があったと判定された場合(Yes)は、続いてプリセットメモリ部18に記録された撮像開始地点と撮像終了地点のズーム値、フォーカス値、パン角度、チルト角度等を含むプリセットデータ(メモリ情報)を参照する(ステップS302)。そして、参照されたプリセットデータを目標にして、ズーム、フォーカス、パン角度、チルト角度を目標値としてレンズやカメラ装置自身の回転、移動を始める(ステップS303)。
【0057】
ここで、駆動モードを参照して、実行命令による撮像が直線制御モードであるか否かを判定する(ステップS304)。その結果、直線制御モードであると判定された場合(Yes)は、位置センサ11からの入力信号に基づいて現在のパン角度を検知して(ステップS3205)、2点間のプリセット制御が曲線にならずに直線になるように被写体距離やパン角度情報から最適なチルト角度を演算して、上記第1の実施形態と同様にして、現在のパン角度に連動させながら位置センサ12からの入力信号に基づいてチルト角度を補正する(ステップS306)。
【0058】
また、現状のパン角度を参照しつつ、チルト補正により発生する被写体距離の変化に伴うフォーカスずれを補正するため、パン角度、チルト角度情報から最適フォーカス位置を演算し、チルト角度に連動させて位置センサ9からの入力信号に基づいてフォーカス位置補正をする(ステップS307)。
【0059】
さらに、現状のチルト角度を参照しつつ、チルト補正により発生する被写体距離の変化に伴う画角のずれについて、位置センサ9からの入力信号に基づく被写体距離、パン角度、チルト角度情報から最適ズーム位置を演算し、チルト角度に連動させて位置センサ10からの入力信号に基づいて画角補正をする(ステップS308)。
【0060】
そして、参照したプリセットデータのメモリ情報に従ってズームモータ、フォーカスモータ、水平モータ、及び垂直モータの回転或いは移動を行いつつ、各位置センサ9〜12のセンサ情報を読み出す(ステップS309)。そして、撮像終了点のプリセットデータのメモリ情報と読み出したセンサ情報とが一致するか否かを判定する(ステップS310)。その結果、両データが一致した場合(Yes)はプリセット動作が完了したものとして、各々の制御モータを停止させて、プリセット動作終了情報を出す(ステップS311)。一方、両データが一致しない場合(No)はまだ撮像終了地点に到達していないので、ステップS302に戻って上記処理を繰り返す。
【0061】
以上説明したように、第3の実施形態に係る撮像装置によれば、ズーム・フォーカス・パン・チルト等の撮像条件を設定できるプリセット手段を備えたカメラ装置において、チルト補正時に発生する画角のずれを被写体距離、パン角度、チルト角度情報からズーム補正を行うことにより、直線制御時においても好適に画角のずれを回避することができる。これにより、プリセット間の撮像が画角均一状態での直線制御が実現でき、違和感なくランナーが盗塁するシーンや塁間撮像を実施することができる。
【0062】
<その他の実施形態>
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0063】
また、上述の説明でマイクロコンピュータ17bが実行したプリセット制御処理の一部(例えば、フォーカスや画角の最適値の演算や、最適値との一致/不一致の判定、補正量の演算等)をマイクロコンピュータ17aに実行させる場合も本発明に含まれることは言うまでもない。また、マイクロコンピュータを1つとし、旋回装置200又はカメラ装置100内に設けて、上述のマイクロコンピュータ17aとマイクロコンピュータ17bが実行する処理を一括して実行させる場合も本発明に含まれることは言うまでもない。
【0064】
尚、本発明は、旋回装置200又はカメラ装置100が外部との通信手段(LANやRS−232C等)を備えるか、あるいはコントローラ300にプログラム記憶手段を更に備えることにより、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0065】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0066】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0067】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0068】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0069】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0070】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0071】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の細部構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるマイクロコンピュータ17bのハードウェア構成図である。
【図3】第1の実施形態に係るマイクロコンピュータ17bによって実行されるプリセット制御処理の処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】ドーム式野球場の天井に設置された撮像装置を用いて一塁ベースを撮像開始地点B、二塁ベースを撮像終了地点Cとしたときのカメラ装置の直線制御の方法を説明するための図である。
【図5】線分ABと線分ACとのなす角度が90度未満又は90度超の場合の角度Vの演算方法を説明するための図である。
【図6】第2の実施形態におけるマイクロコンピュータ17bによって実行されるプリセット制御処理プログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第3の実施形態におけるマイクロコンピュータ17bによって実行されるプリセット制御処理プログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】従来の撮像装置におけるプリセット制御動作の手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】従来のドーム式野球場の天井に設置されたカメラ装置のプリセット撮像制御動作を説明するための概要図である。
【符号の説明】
【0073】
1 レンズ
2 撮像素子部
3 信号処理部
4 AF演算部
5 フォーカス用レンズ移動モータ
6 ズーム用レンズ移動モータ
7 水平方向回転モータ
8 垂直方向回転モータ
9、10、11、12 位置センサ
13、14、15、16 駆動回路
17a、17b マイクロコンピュータ(マイコン)
18 プリセットメモリ部
19 操作部
100 カメラ装置
200 旋回装置
300 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パン角度及びチルト角度を変化させることにより撮像方向を水平及び垂直に傾けて被写体を撮像する撮像手段と、
撮像開始地点及び撮像終了地点を撮像するときの前記撮像手段のパン角度及びチルト角度を記憶する記憶手段と、
撮像開始後の前記撮像手段のパン角度を検知する検知手段と、
前記撮像開始地点と前記撮像終了地点とを結ぶ直線上に位置する被写体を撮像する前記撮像手段のチルト角度を、前記検知手段により検知されるパン角度に基づいて演算する演算手段とを備え、
前記撮像手段は、パン角度と前記演算手段によって演算された該パン角度に対応するチルト角度で撮像方向を変化させながら前記撮像開始地点から前記撮像終了地点に達するまで被写体を撮像することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像手段がパン角度のみを変化させて被写体を撮像するときの撮像距離と、パン角度とチルト角度とを変化させて被写体を撮像するときの撮像距離との差分距離を検出する検出手段と、
前記差分距離に基づいて前記撮像手段のフォーカスを補正するフォーカス補正手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像手段が被写体を拡大縮小して撮像するズーム機構を有しており、
前記撮像手段が前記被写体を撮像するときの画角を検出する画角検出手段と、
被写体距離の変化に伴う画角の変化を、前記撮像手段のズーム機構を用いて画角を略一定に補正するズーム補正手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像手段が前記撮像開始地点から前記撮像終了地点までパン角度を変化させながら被写体を撮像する際に、前記ズーム補正手段が、前記画角を略一定の割合で減少又は増加させることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
パン角度及びチルト角度を変化させることにより撮像方向を水平及び垂直に傾けて被写体を撮像する撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置に接続する記憶装置から、撮像開始地点及び撮像終了地点を撮像するときの前記撮像手段のパン角度及びチルト角度を取得する取得工程と、
撮像開始後の前記撮像装置のパン角度を検知する検知工程と、
前記撮像開始地点と前記撮像終了地点とを結ぶ直線上に位置する被写体を撮像する場合の前記撮像装置のチルト角度を、前記検知工程により検知されたパン角度に基づいて演算する演算工程と、
前記パン角度及び前記演算工程によって演算されたチルト角度で前記撮像装置の撮像方向を変化させながら前記撮像開始地点から前記撮像終了地点に達するまで被写体を撮像する撮像工程と
を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−14173(P2006−14173A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191426(P2004−191426)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(390002761)キヤノン販売株式会社 (656)
【Fターム(参考)】