説明

撮像装置及びプログラム

【課題】装置本体の保持状態に応じて3D画像と2D画像との切り替えを実現できるようにする。
【解決手段】制御部1は、装置本体(筐体)の保持状態を判別し、この保持状態に応じて表示部5の表示方式として3D方式と2D方式との切り替えを制御する。これによって安定して保持されている場合には集中して撮影しているとみなして、視差利用のために安定した保持が必要な3D方式での表示に切り替え、そうでない場合には気軽な撮影であるとみなして、2D方式での表示に適切に切り替えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D方式による画像撮影が可能な撮影手段を備えた撮像装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、平面状の表示部に画像(静止画、動画)などの表示情報を3D(三次元)表示する技術としては、例えば、互いに少しずらした右目用の表示情報と左目用の表示情報を同時に表示させる際に、右眼用の表示情報は右眼で見えて左眼では見えないようにし、左眼用の表示情報は左眼で見えて右眼では見えないようにするために光の経路を遮断する視差バリアを適切な位置に配置することによって静止画、動画などの表示情報を立体に見せるようにした技術がある。
また、3D撮影が可能なカメラ装置としては、所定間隔をあけて2台のカメラを配置し、同一の被写体を同時に撮影することによって右眼用の画像と左眼用の画像を個々に再生することによって立体映像を得るようにした技術がある。この場合、3D静止画像と2D静止画像の撮影が可能とした技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−317425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、上述した先行技術にあっては、視差を利用して立体映像を得るようにしているため、3D方式による画像撮影が可能な撮影手段を備えた撮像装置で3D方式による画像撮影を行う場合には、その装置本体を安定した状態で保持する必要があるが、例えば、片手持ちなどのような不安定な持ち方では、良好な立体映像を得ることができなくなる。
【0005】
本発明の課題は、装置本体の保持状態に応じて3D画像と2D画像との切り替えを実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、撮影方式としての3D方式での画像撮影が可能な撮影手段を備えた撮像装置であって、表示方式としての3D方式及び2D方式での表示が可能な表示手段と、当該撮像装置の保持状態を判別する判別手段と、前記撮影手段による3D方式での画像撮影時に、前記判別手段によって判別された保持状態に応じて前記表示手段の表示方式として3D方式と2D方式との切り替えを制御する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項1に従属する発明として、前記判別手段は、当該端末装置が両手で持たれているか片手で持たれているかに応じて保持状態を判別する、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項1に従属する発明として、前記判別手段は、当該端末装置が固定して保持されているか否かによって保持状態を判別する、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0009】
また、上述した課題を解決するために請求項4記載の発明は、撮影方式としての3D方式及び2D方式での画像撮影が可能な撮影手段を備えた撮像装置であって、当該撮像装置の保持状態を判別する判別手段と、この判別手段によって判別された保持状態に応じて前記撮影手段の撮影方式として3D方式と2D方式との切り替えを制する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項4に従属する発明として、前記制御手段は、前記撮影手段の撮影方式として3D方式での撮影が設定されている場合であっても、前記判別手段によって判別された保持状態によっては2D方式での撮影に切り替える、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項4に従属する発明として、前記判別手段は、当該撮像装置が両手で持たれているか片手で持たれているかに応じて保持状態を判別する、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項4に従属する発明として、前記判別手段は、当該撮像装置が固定して保持されているか否かによって保持状態を判別する、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0013】
また、上述した課題を解決するために請求項8記載の発明は、コンピュータに対して、撮影方式としての3D方式での画像撮影を行う機能と、撮像装置の保持状態を判別する機能と、前記3D方式での画像撮影時に、前記判別された保持状態に応じて表示手段の表示方式として3D方式と2D方式との切り替えを制御する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【0014】
また、上述した課題を解決するために請求項9記載の発明は、コンピュータに対して、撮影方式としての3D方式及び2D方式での画像撮影を行う機能と、撮像装置の保持状態を判別する機能と、前記判別された保持状態に応じて前記撮影方式として3D方式と2D方式との切り替えを制御する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、装置本体の保持状態に応じて3D画像と2D画像との切り替えを実現することができ、実情に即したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】撮像装置(デジタルカメラ装置)の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】(1)〜(3)は、接触センサ7によって検出される撮像装置の保持状態を説明するための図。
【図3】安定度フラグFを説明するための図。
【図4】電源投入に応じて実行開始される撮像装置の全体動作のうち、本実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャート。
【図5】保持状態判別処理(図4のステップA4、図6のステップC4)を詳述するためのフローチャート。
【図6】第2実施形態において、電源投入に応じて実行開始される撮像装置の全体動作のうち、本実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施形態1)
【0018】
以下、図1〜図5を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
本実施形態は、撮像装置(デジタルカメラ装置)の基本的な構成要素を示したブロック図である。
撮像装置は、デジタルカメラ装置を構成するもので、制御部1は、二次電池を備えた電源部2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこの撮像装置の全体動作を制御するもので、この制御部1にはCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。記憶部3は、ROM、RAMなどの内部メモリで、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図4及び図5に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納されている。また、記憶部3のデータ領域には、フラグ情報(後述する安定度フラグFなど)、タイマ情報、この撮像装置の動作に必要な各種の情報が一時記憶されているほか、撮影された画像を記録保存するようにしている。
【0019】
操作部4は、シャッターキー、再生キーなど、各種の押し釦式のキーを備え、制御部1は、操作部4からの操作信号に応じた処理を行う。表示部5は、例えば、高精細液晶あるいは有機ELを使用し、モニタ画像や保存画像などを表示するもので、表示方式としての3D方式及び2D方式での表示が可能となっている。すなわち、表示部5には、視差バリア(図示省略)を生成するための液晶の層が形成可能となっており、3D方式による表示時には視差バリアを生成し、2D方式による表示時には視差バリアを消去することによって表示方式を3D方式と2D方式とに切り替え可能となっている。
【0020】
撮像部6は、デジタルカメラを構成する構成要素で、撮像素子(例えば、CCDあるいはCMOS)を有し、静止画撮影のほかに動画撮影も可能となっている。そして、撮像部6は、撮影レンズ、ミラーなどのレンズ・ミラーブロック、照明用のフラッシュ、それらの駆動系のほか、測距センサ、光量センサ、アナログ処理回路、信号処理回路、圧縮伸張回路などを備え、光学ズームを調整制御したり、オートフォーカス時の駆動制御、シャッター駆動制御、露出、ホワイトバランスなどを制御したりする。また、撮像部6は、被写体に応じて望遠/広角の切り替えができる2焦点式レンズやズームレンズを備え、焦点距離を可変する画角変更機構を作動させて望遠/広角やズーム撮影を行うようにしている。
【0021】
更に、撮像部6は、撮影方式としての3D方式及び2D方式での画像撮影が可能、つまり、2D静止画撮影/2D動画撮影のほか、3D静止画撮影/3D動画撮影が可能なもので、3D静止画撮影/3D動画撮影用として、所定間隔を空けて左眼用のカメラ部6Aと右眼用のカメラ部6Bが備えられている。3D静止画撮影/3D動画撮影時には、左眼用のカメラ部6A及び右眼用のカメラ部6Bをそれぞれ駆動して同一の被写体を同時に撮影するようにしているが、2D静止画撮影/2D動画撮影時には、左眼用のカメラ部6A、右眼用のカメラ部6Bのいずれか一方を駆動して2D撮影を行うようにしている。なお、左眼用のカメラ部6A、右眼用のカメラ部6Bは、その構成要素の一部分を共用するようにしてもよい。
【0022】
接触センサ7は、撮像装置の保持状態を検出するセンサで、撮像装置を構成する装置本体(全体が長方形の筐体)の左右両側部(横長方向両側部)には、接触センサ7がそれぞれ配設されている。すなわち、筐体の左側面部には、左側部接触センサ7が配設され、筐体の右側面部には、右側部接触センサ7が配設されている。この場合、左右両側部の接触センサ7は、筐体の両端部を覆うように形成された断面コ字型状の板部材であるが、平板状を成すものであってもよい。つまり、撮像装置をユーザが片手あるいは両手で保持した際に、その指や掌が接触可能となる形状であれば、その形状は任意である。また、筐体の下側部(底部)には、底部接触センサ7が配設されている。ここで、両側部接触センサ7は、人体接触を検出する静電容量型のタッチセンサであるのに対し、底部接触センサ7は、撮像装置が机上などに載置された際の自重を検出する感圧型のタッチセンサである。
【0023】
図2は、接触センサ7によって検出される撮像装置の保持状態を説明するための図である。
図2(1)は、全体が長方形の筐体が横長状となる状態において両手で筐体の左右両側部(横長方向両側部)を持って撮影を行う場合を示した図である。この場合、表示部5の左右近傍に配設されている左側部接触センサ7にはユーザの左手親指が接触し、右側部接触センサ7にはユーザの右手親指が接触するようになるため、制御部1は、左側部接触センサ7と右側部接触センサ7とが同時に人体に接触したことを検出した際に、両手で筐体が持たれていると判断する。
【0024】
図2(2)は、筐体が横長状となる状態において筐体の底部を机などのテーブル上に載置して撮影を行う場合を示した図である。この場合、表示部5の下側近傍に配設されている底部接触センサ7がテーブル面に接触するようになるため、制御部1は、底部接触センサ7が接触を検出した際に、筐体がテーブル面に載置されて固定的に保持されていると判断する。なお、テーブル上に載置する場合に限らず、専用の三脚などに設置した場合であっても固定的に保持されていると判断する。図2(3)は、筐体が横長状となる状態において片手で筐体の右両側部(横長方向右側部)を持って撮影を行う場合を示した図である。この場合、表示部5の右近傍に配設されている右側部接触センサ7には右手親指が接触するようになるため、制御部1は、右側部接触センサ7に人体が接触したことを検出した際に、片手(右手)で筐体が持たれていると判断する。
【0025】
図3は、安定度フラグFを説明するための図である。
この安定度フラグFは、筐体が安定して保持されているか否かを示すフラグで、図2(1)に示したように筐体が両手で持たれている場合、あるいは図2(2)に示したように筐体がテーブル上に載置されたり、三脚などに設置されたりしている場合には、筐体が安定した状態で保持されているため、安定度フラグFは、“1”となるが、図2(3)に示したように筐体が片手で持たれている場合には、筐体が不安定な状態で保持されているため、安定度フラグFは、“1”となる。制御部1は、この安定度フラグFを参照し、筐体の保持状態に応じて表示部5の表示方式として3D方式と2D方式との切り替えを制御するようにしている。
【0026】
次に、第1実施形態における撮像装置の動作概念を図4及び図5に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなど伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0027】
図4は、電源投入に応じて実行開始される撮像装置の全体動作のうち、本実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートである。
先ず、制御部1は、電源投入操作に応じて所定のメモリをクリアするなどの初期設定を行った後(ステップA1)、3D静止画撮影あるいは3D動画撮影の開始を指示する操作(シャッタ操作)が行われたかを調べたり(ステップA2)、その他の操作が行われたかを調べたりする(ステップA14)。ここで、その他の操作が行われたときには(ステップA14でYES)、その操作に応じた処理に移る(ステップA15)。例えば、2D静止画撮影あるいは2D動画撮影の開始を指示するシャッタ操作が行われたときには、撮像部6を構成する左眼用のカメラ部6A、右眼用のカメラ部6Bのいずれか一方を駆動して2D静止画撮影あるいは2D動画撮影を行い、また、画像保存を指示する操作、ズーム調整操作、望遠/広角の切替操作などが行われたときには、その操作に応じて撮影画像を記録保存する処理、ズーム調整処理、望遠/広角切替処理などを行う。
【0028】
いま、3D静止画撮影/3D動画撮影の開始を指示するシャッタ操作が行われたときには(ステップA2でYES)、3D静止画/動画撮影処理に移り、撮像部6を構成する左眼用のカメラ部6A及び右眼用のカメラ部6Bをそれぞれ駆動し、同一の被写体を同時に撮影した左眼用の画像と右眼用の画像とを取得して、3D画像として一時記憶した後(ステップA3)、筐体の保持状態を判別する処理に移る(ステップA4)。
【0029】
図5は、保持状態判別処理(図4のステップA4)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、制御部1は、筐体の下側部(底部)に配設されている底部接触センサ7が接触を検出したかを調べたり(ステップB1)、筐体の左右両側部に配設されている両側部接触センサ7が接触をそれぞれ検出したかを調べたり(ステップB2)、両側部接触センサ7のいずれか一方が接触を検出したかを調べたりする(ステップB3)。
【0030】
いま、底部接触センサ7が接触を検出した場合には(ステップB1でYES)、筐体がテーブル上に載置されたり、三脚などに設置されたりして筐体が安定した状態で保持されていると判断し、また、両側部接触センサ7が接触をそれぞれ検出した場合には(ステップB2でYES)、筐体が両手で持たれていて安定した状態で保持されていると判断して、安定度フラグFを“1”にする(ステップB4)。また、両側部接触センサ7のいずれか一方が接触を検出した場合には(ステップB3でYES)、筐体が片手で持たれていて不安定な状態で保持されていると判断して、安定度フラグFを“0”にする(ステップB5)。
【0031】
このような保持状態判別処理(図4のステップA4)が終わると、次のステップA5に移り、安定度フラグFは“1”であるかを調べる。いま、安定度フラグFが“1”で、筐体が安定して保持されていると判断した場合には(ステップA5でYES)、表示部5に視差バリアが生成されているかを調べ(ステップA6)、視差バリアが生成されていなければ(ステップA6でNO)、表示部5に視差バリアを生成させた後(ステップA7)、同一の被写体を同時に撮影した左眼用の画像と右眼用の画像を表示部5に3D方式で表示させる(ステップA8)。
【0032】
また、安定度フラグFが“0”で、筐体が不安定な状態で保持されている場合(片手持ちされている場合)には(ステップA5でNO)、表示部5に視差バリアが生成されているかを調べ(ステップA9)、視差バリアが生成されていれば(ステップA9でYES)、表示部5から視差バリアを消去した後(ステップA10)、左眼用の画像と右眼用の画像を表示部5に2D方式で表示させる(ステップA11)。そして、今回の撮影は3D静止画撮影であるかを調べ(ステップA12)、静止画撮影であれば(ステップA12でYES)、3D静止画撮影/3D動画撮影のシャッタ操作の有無をチェックするステップA2に戻る。
【0033】
また、今回の撮影が3D動画撮影であれば(ステップA12でNO)、3D動画撮影の終了を指示する操作が行われたかを調べる(ステップA13)。ここで、終了操作が行われなければ(ステップA13でNO)、上述の撮影処理(ステップA3)に戻る。以下、同様に、3D動画撮影を行いながら筐体の保持状態を判別すると共に、撮影画像を保持状態に応じて3D表示あるいは2D表示させる動作を終了操作が行われるまで継続する(ステップA3〜A13)。
【0034】
以上のように、第1実施形態において制御部1は、装置本体(筐体)の保持状態を判別し、この保持状態に応じて表示部5の表示方式として3D方式と2D方式との切り替えを行うようにしたので、安定して保持されている場合には集中して撮影しているとみなして、視差利用のために安定した保持が必要な3D方式での表示に切り替え、そうでない場合には気軽な撮影であるとみなして、2D方式での表示に適切に切り替えることができ、実情に即したものとなる。
【0035】
接触センサ7の検出結果を参照し、筐体が両手で持たれているか片手で持たれているかに応じて保持状態を判別するようにしたので、安定して保持されているか否かを容易に判別することができる。
【0036】
撮像装置が固定して保持されているか否かによって保持状態を判別するようにしたので、撮影時に机などのテーブル上に載置させている、三脚などを使用している安定な状態であるか否かを容易に判別することができる。
【0037】
(実施形態2)
以下、この発明の第2実施形態について図6を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、3D静止画あるいは動画の撮影時に、筐体の保持状態が安定している場合には3D方式での表示を行い、不安定な場合には2D方式での表示に切り替えるようにしたが、この第2実施形態においては、3D撮影を行う3D撮影モードに設定されている場合であっても、筐体の保持状態が安定している場合には3D方式での撮影を行うが、不安定な場合には2D方式での撮影に切り替えるようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0038】
図6は、第2実施形態において、電源投入に応じて実行開始される撮像装置の全体動作のうち、本実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートである。
先ず、制御部1は、電源投入操作に応じて所定のメモリをクリアするなどの初期設定を行った後(ステップC1)、静止画撮影あるいは動画撮影の開始を指示する操作(シャッタ操作)が行われたかを調べたり(ステップC2)、その他の操作が行われたかを調べたりする(ステップC13)。ここで、その他の操作が行われたときには(ステップC13でYES)、上述した第1実施形態と同様に、その操作に応じた処理として、例えば、画像保存を指示する操作、ズーム調整操作、望遠/広角の切替操作などが行われたときには、その操作に応じて撮影画像を記録保存する処理、ズーム調整処理、望遠/広角切替処理などを行う(ステップC14)。
【0039】
いま、静止画撮影/動画撮影の開始を指示するシャッタ操作が行われたときには(ステップC2でYES)、現在選択されている撮影モード(撮影方式)は、3D撮影モードであるかを調べる(ステップC3)。この3D撮影モードは、3D静止画撮影/3D動画撮影を行うために予めユーザ選択された撮影モードで、2D静止画撮影/2D動画撮影を行う撮影モード(2D撮影モード)に設定されている場合には(ステップC3でNO)、2D方式での撮影、つまり、左眼用のカメラ部6A、右眼用のカメラ部6Bのいずれか一方を駆動して2D静止画撮影あるいは2D動画撮影を行う(ステップC10)。
【0040】
そして、今回の撮影は2D静止画撮影であるかを調べ(ステップC11)、静止画撮影であれば(ステップC11でYES)、静止画撮影/動画撮影のシャッタ操作の有無をチェックするステップC2に戻るが、今回の撮影が2D動画撮影であれば(ステップC11でNO)、3D動画撮影の終了を指示する操作が行われたかを調べる(ステップC12)。ここで、終了操作が行われるまで(ステップC12でYES)、上述のステップC10に戻り、2D方式での撮影処理を行う。
【0041】
また、シャッタ操作時に3D静止画撮影/3D動画撮影を行う撮影モード(3D撮影モード)に設定されている場合には(ステップC3でYES)、筐体の保持状態を判別する処理に移る(ステップC4)。この保持状態判別処理も、上述した第1実施形態と同様に、図5のフローチャートに応じた処理を実行するもので、筐体の保持状態が安定している場合(両手持ち、テーブル載置、三脚使用などの場合)には、安定度フラグFを“1”とし、筐体の保持状態が不安定な場合(片手持ちの場合)には、安定度フラグFを“1”とする。
【0042】
このような保持状態判別処理が終わると、次のステップC5に移り、安定度フラグFは“1”であるかを調べる。いま、安定度フラグFが“1”、つまり、筐体が安定して保持されていると判断した場合には(ステップC5でYES)、3D方式での撮影、つまり、左眼用のカメラ部6Aと右眼用のカメラ部6Bをそれぞれ駆動して3D静止画撮影あるいは3D動画撮影を行う(ステップC6)。また、安定度フラグFが“0”、つまり、筐体が不安定な状態で保持されていると判断した場合には(ステップC5でNO)、2D方式での撮影、つまり、左眼用のカメラ部6A、右眼用のカメラ部6Bのいずれか一方を駆動して2D静止画撮影あるいは2D動画撮影を行う(ステップC7)。
【0043】
そして、今回の撮影は3D/2D静止画撮影であるかを調べ(ステップC8)、静止画撮影であれば(ステップC8でYES)、静止画撮影/動画撮影のシャッタ操作の有無をチェックするステップC2に戻るが、今回の撮影が3D/2D動画撮影であれば(ステップC8でNO)、3D/2D動画撮影の終了を指示する操作が行われたかを調べる(ステップC9)。ここで、終了操作が行われるまで(ステップC9でYES)、上述のステップC4に戻り、保持状態を判別しながらその判別結果に応じて3D方式/2D方式での撮影を行う(ステップC4〜C9)。
【0044】
以上のように、この第2実施形態においては、筐体の保持状態に応じて撮影方式として3D方式と2D方式とを切り替えるようにしたので、安定して保持されている場合には集中して撮影しているとみなして、視差利用のために安定した保持が必要な3D方式での表示となる撮影に切り替え、そうでない場合には気軽な撮影であるとみなして、2D方式での表示となる撮影に適切に切り替えることができ、実情に即したものとなる。
【0045】
3D撮影モードに設定されている場合であっても、筐体の保持状態が不安定な場合には2D方式での撮影に切り替えるようにしたので、筐体の保持状態を3D撮影モードよりも優先することができる。
【0046】
接触センサ7の検出結果を参照し、筐体が両手で持たれているか片手で持たれているかに応じて保持状態を判別するようにしたので、安定して保持されているか否かを容易に判別することができる。
【0047】
撮像装置が固定して保持されているか否かによって保持状態を判別するようにしたので、撮影時に机などのテーブル上に載置させている、三脚などを使用している安定な状態であるか否かを容易に判別することができる。
【0048】
なお、上述した各実施形態においては、接触センサ7によって筐体の保持状態を検出するようにしたが、接触センサ7に限らず、機械的なスイッチ、温度センタ、赤外線センサなどによって筐体の保持状態を検出するようにしてもよい。
【0049】
上述した各実施形態においては、撮像装置としてデジタルカメラ装置を例示したが、これに限らず、例えば、カメラ機能付きのPDA・携帯電話機・音楽プレイヤー、それらの複合機などであってもよい。
【0050】
上述した各実施形態において示した“装置”や“機”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 制御部
3 記憶部
4 操作部
5 表示部
6 撮影部
6A 左眼用のカメラ部
6B 右眼用のカメラ部
7 接触センサ
F 安定度フラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影方式としての3D方式での画像撮影が可能な撮影手段を備えた撮像装置であって、
表示方式としての3D方式及び2D方式での表示が可能な表示手段と、
当該撮像装置の保持状態を判別する判別手段と、
前記撮影手段による3D方式での画像撮影時に、前記判別手段によって判別された保持状態に応じて前記表示手段の表示方式として3D方式と2D方式との切り替えを制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記判別手段は、当該端末装置が両手で持たれているか片手で持たれているかに応じて保持状態を判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記判別手段は、当該端末装置が固定して保持されているか否かによって保持状態を判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
撮影方式としての3D方式及び2D方式での画像撮影が可能な撮影手段を備えた撮像装置であって、
当該撮像装置の保持状態を判別する判別手段と、
この判別手段によって判別された保持状態に応じて前記撮影手段の撮影方式として3D方式と2D方式との切り替えを制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記撮影手段の撮影方式として3D方式での撮影が設定されている場合であっても、前記判別手段によって判別された保持状態によっては2D方式による撮影に切り替える、
ようにしたことを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
【請求項6】
前記判別手段は、当該撮像装置が両手で持たれているか片手で持たれているかに応じて保持状態を判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
【請求項7】
前記判別手段は、当該撮像装置が固定して保持されているか否かによって保持状態を判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
【請求項8】
コンピュータに対して、
撮影方式としての3D方式での画像撮影を行う機能と、
撮像装置の保持状態を判別する機能と、
前記3D方式での画像撮影時に、前記判別された保持状態に応じて表示手段の表示方式として3D方式と2D方式との切り替えを制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータに対して、
撮影方式として3D方式及び2D方式での画像撮影を行う機能と、
撮像装置の保持状態を判別する機能と、
前記判別された保持状態に応じて前記撮影方式として3D方式と2D方式との切り替えを制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−55042(P2011−55042A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199375(P2009−199375)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】