説明

撮像装置及び撮像方法

【課題】スポット光シーンの撮像時にスポット光が当たっている主要被写体の見栄えをよくすることができるようにする。
【解決手段】撮像手段により取得された画像信号に基づいて主要被写体にスポット光が当たっているスポット光シーンか否かを判定する。スポット光シーンと判定されると、スポット光が当たっているスポット光エリアのみの画像信号に基づいてスポット光エリアの明るさを測光し、該スポット光エリアの明るさに基づいて露出制御を行う(ステップS14)。これにより、スポット光エリアの明るい部分が白飛びしないようにしている。また、スポット光シーンと判定されると、スポット光が当たっている主要被写体の見栄えをよくするための、スポット光シーンに特化した信号処理を行うようにしている(ステップS22)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置及び撮像方法に係り、特にスポット光シーンの撮像に適した撮像装置及び撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗のショウウィンドウ、展示会場、結婚式場等では、主要被写体(展示品、人物等)を目立たせるとともに、見栄えをよくするために主要被写体にスポット光を当てている場合が多い。
【0003】
スポット光は指向性が強く、輝度も高いため、スポット光が当たっているシーン(以下、「スポット光シーン」という)をデジタルカメラで撮像すると、スポット光が当たっている主要被写体が白飛びし、また、画像の白飛び部分では、色回りすること(飽和する領域の周辺部で色相がずれること)があった。
【0004】
特許文献1には、明暗差が大きいシーンでも白飛び、黒潰れのない画像を得る技術が記載されている。即ち、特許文献1に記載の撮像装置は、明暗差が大きいシーンを撮像する場合、撮像素子のダイナミックレンジ(Dレンジ)の不足により、露光量の調節だけでは、明るい部分が飽和して白飛びが発生したり、暗い部分で黒潰れが発生したりするため、両方の部分を適正に再現できないという問題を解決するために、このようなシーンでは適正露出よりも露光量を小さくし、信号処理部において低輝度部に階調を多く割り当てるように階調補正を行うようにしている。
【0005】
また、特許文献2に記載のデジタルカメラは、スポット光シーンのように撮影対象の輝度差が大きくても、撮影対象のうち低輝度の部分の割合が大きいときには、Dレンジ拡大処理を行わずに通常の処理を行い、暗い背景は黒潰れ又はそれに近い状態にし、無用なDレンジ拡大処理を行わないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−109579号公報
【特許文献2】特開2002−290824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の発明によれば、明暗差が大きいシーンでもDレンジ拡大処理を行うことにより、白飛びや黒潰れのない画像を得ることができるが、例えば、スポット光を当てて主要被写体を目立たせているスポット光シーンでは、雰囲気を失った画像となってしまうという問題がある。
【0008】
また、特許文献2に記載の発明によれば、スポット光シーンのように撮影対象の輝度差が大きくても、撮影対象のうち低輝度の部分の割合が大きいときには、Dレンジ拡大処理を行わずに通常の処理を行い、暗い背景は黒潰れ又はそれに近い状態になることを許容することにより、背景との対比において、スポット光が当たっている主要被写体を目立たせることができるが、通常の処理を行っているだけであるため、スポット光が当たっている主要被写体に対して見栄えをよくする処理を行っていない。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、スポット光シーンの撮像時にスポット光が当たっている主要被写体の見栄えをよくすることができる撮像装置及び撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために請求項1に係る撮像装置は、被写体を撮像し、画像信号を取得する撮像手段と、前記撮像手段により取得された画像信号に基づいてスポット光が当たっているスポット光エリアを検出するスポット光エリア検出手段と、前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアの明るさを測光し、該スポット光エリアの明るさに基づいて露出制御する露出制御手段と、前記撮像手段により取得された画像信号に基づいて主要被写体にスポット光が当たっているスポット光シーンか否かを判定するスポット光シーン判定手段と、前記スポット光シーン判定手段による判定結果に応じて前記露出制御手段により露出制御され前記撮像手段により取得された画像信号に対し、スポット光シーンとそれ以外のシーンとで異なる信号処理を行う信号処理手段であって、スポット光シーンと判定されると、スポット光が当たっている主要被写体の見栄えをよくスポット光シーンに特化した信号処理を行う信号処理手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項1に係る発明によれば、スポット光エリアの明るさに基づいて露出制御を行うようにしたため、スポット光の当たっている主要被写体が白飛びすることがなく、また、スポット光シーンでは、スポット光シーンに特化した信号処理を行うことにより、スポット光が当たっている主要被写体の見栄えをよくするようにしている。
【0012】
請求項2に示すように請求項1に記載の撮像装置において、前記露出制御手段は、前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアのうちの一番大きいエリアの面積を算出する算出手段と、前記算出したエリアの面積が所定の閾値よりも大きいか否かを判別する判別手段とを有し、前記判別手段により前記算出したエリアの面積が所定の閾値よりも大きいと判別されると、前記一番大きいエリアの明るさのみに基づいて露出制御し、前記判別手段により前記算出したエリアの面積が所定の閾値以下と判別されると、前記検出されたスポット光エリアに依存しない被写体の明るさの測光を行い、該測光した明るさに基づいて露出制御することを特徴としている。
【0013】
例えば、一番大きいスポット光エリアの面積が所定の閾値よりも小さくなる場合には、主要被写体の見栄えをよくするシーンではないと判断し、画面全体の明るさを重視した露出制御を行うようにしている。
【0014】
請求項3に示すように請求項1又は2に記載の撮像装置において、前記露出制御手段は、前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアの面積を算出する算出手段を有し、前記スポット光エリア検出手段により複数のスポット光エリアが検出されると、前記算出手段により算出されたスポット光エリアの面積に基づいて一番大きいエリアと次に大きいエリアとの面積差を求め、その面積差が一定値以上の場合には、一番大きいエリアのみの明るさを測光し、該一番大きいエリアの明るさに基づいて露出制御を行い、前記求めた面積差が一定値未満の場合には、前記複数のスポット光エリアの明るさを測光し、該複数のスポット光エリアの明るさに基づいて露出制御を行うことを特徴としている。
【0015】
複数のスポット光エリアが検出された場合に、一番大きいエリアと次に大きいエリアとの面積差が一定値以上の場合、一番大きいエリアに対応するスポット光のみが主要被写体に当たっていると考えられる。そこで、上記の場合には、一番大きいエリアのみの明るさに基づいて露出制御を行うことにより主要被写体の見栄えをよくする露出制御を行うようにしている。一方、一番大きいエリアと次に大きいエリアとの面積差が一定値未満の場合には、全てのスポット光エリアの明るさに基づいて露出制御を行い、全てのスポット光エリアにわたって適切な露出制御を行うようにしている。
【0016】
請求項4に示すように請求項1から3のいずれかに記載の撮像装置において、前記スポット光シーン判定手段は、前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアのうちの一番大きいエリアの面積を算出する算出手段と、前記算出したエリアの面積が所定の閾値よりも大きいか否かを判別する判別手段とを有し、前記判別手段により前記算出したエリアの面積が所定の閾値よりも大きいと判別されたときのみ、スポット光シーンと判定することを特徴としている。
【0017】
スポット光エリアのうちの一番大きいエリア(スポット光エリアが1つの場合も含む)の面積が所定の閾値よりも大きいと判別されたときのみ、スポット光シーンと判定し、これにより、主要被写体の見栄えをよくするためにスポット光が主要被写体に当たっているスポット光シーンとそれ以外のシーン(スポット光エリアが極めて小さいシーン)とを区別できるようにしている。
【0018】
請求項5に示すように請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像装置において、前記信号処理手段は、前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアの面積を算出する算出手段を有し、前記スポット光エリア検出手段により複数のスポット光エリアが検出されると、前記算出手段により算出されたスポット光エリアの面積に基づいて一番大きいエリアと次に大きいエリアとの面積差を求め、その面積差が一定値以上の場合には、一番大きいエリアの見栄えをよくするように特化した信号処理を行い、前記求めた面積差が一定値未満の場合には、スポット光シーンに特化した信号処理を行うことを特徴としている。
【0019】
複数のスポット光エリアのうちの一番大きいエリア(次に大きいエリアとの面積差が一定値以上あるエリア)に主要被写体が存在すると考えられるため、その一番大きいエリアに特化した信号処理を行うようにしている。
【0020】
請求項6に示すように請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像装置において、前記信号処理手段は、前記撮像手段により取得した画像信号に対し、前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアと他のエリアとで異なる信号処理を行うことを特徴としている。
【0021】
スポット光シーンの画像内でスポット光エリアと他のエリアとで異なる信号処理を行うことにより、スポット光エリアの見栄えを更に良くできるようにしている。例えば、スポット光エリアの暗い部分(黒い被写体等)には階調をもたせ、他のエリアの暗い部分には階調をもたせないような処理を行うことができる。
【0022】
請求項7に示すように請求項6に記載の撮像装置において、前記信号処理手段は、前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアを強調し、前記スポット光エリア以外の他のエリアを目立たなくする信号処理を行うことを特徴としている。
【0023】
前記検出されたスポット光エリアを強調する信号処理は、前記スポット光エリアの明るさやホワイトバランス補正等を最適化し、前記スポット光エリア以外の他のエリアを目立たなくする信号処理(例えば、明るさや彩度を抑制したり、ぼかしたりする処理等)を行うことにより、相対的にスポット光エリアが強調される場合も含む。
【0024】
請求項8に示すように請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像装置において、前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアの画像信号に基づいてホワイトバランスゲインを算出するゲイン算出手段を備え、前記信号処理手段は、前記スポット光シーン判定手段によりスポット光シーンと判定されると、前記撮像手段により取得した画像信号に対し、前記ゲイン算出手段により算出されたホワイトバランスゲインに基づいてホワイトバランス補正を行うことを特徴としている。これにより、スポット光エリアのスポット光の光源色(色温度)に適したホワイトバランス補正を行うことができる。
【0025】
請求項9に示すように請求項8に記載の撮像装置において、前記スポット光エリア検出手段により複数のスポット光エリアが検出されると、スポット光エリア毎の色情報を求める色情報算出手段と、前記色情報算出手段により算出された各色情報同士をそれぞれ比較し、一定値以上の差分があるか否かを判別する判別手段と、を備え、前記ゲイン算出手段は、前記スポット光エリア検出手段により複数のスポット光エリアが検出され、かつ前記判別手段によりスポット光エリア毎の色情報に一定値以上の差分がないと判別されると、全てのスポット光エリアの画像信号に基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記判別手段によりスポット光エリア毎の色情報の差分に一つでも一定値以上の差分があると判別されると、予めスポット光シーンに対応する固定のホワイトバランスゲインが記憶されている記憶手段から該固定のホワイトバランスゲインを読み出すことを特徴としている。
【0026】
複数のスポット光エリアのうち、1つでも異なる色のスポット光が照射されているエリアが存在すると、適正なホワイトバランスゲインを算出することが難しくなるため、この場合には、一般的なスポット光シーンに対応した固定のホワイトバランスゲインを適用するようにしている。
【0027】
請求項10に示すように請求項1から9のいずれか1項に記載の撮像装置において、前記信号処理手段は、前記撮像手段により取得された画像信号の階調変換を行う階調変換手段を含み、該階調変換手段は、前記スポット光シーン判定手段によりスポット光シーンと判定されると、前記撮像手段により取得された画像信号の明るい部分が硬調化するように階調変換することを特徴している。
【0028】
これによりスポット光エリアの明るい部分に多くの階調を割り当て、スポット光が当たっている主要被写体の見栄えをよくするようにしている。
【0029】
請求項11に示すように請求項10に記載の撮像装置において、前記階調変換手段は、前記スポット光シーン判定手段によりスポット光シーンと判定されると、前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアの画像信号の明るい部分及び暗い部分が共に硬調化するように階調変換し、他のエリアの画像信号の暗い部分が軟調化するように階調変換することを特徴としている。
【0030】
これによりスポット光エリアの明るい部分及び暗い部分に多くの階調を割り当てるとともに、他のエリアの暗い部分には階調を割り当てないようにし、スポット光が当たっている主要被写体の見栄えをよくするようにしている。
【0031】
請求項12に係る撮像方法は、撮像手段により撮像された被写体を示す画像信号を取得する取得ステップと、前記取得した画像信号に基づいてスポット光が当たっているスポット光エリアを検出する検出ステップと、前記検出ステップにより検出されたスポット光エリアの明るさを測光し、該スポット光エリアの明るさに基づいて露出制御する露出制御ステップと、前記取得された画像信号に基づいて主要被写体にスポット光が当たっているスポット光シーンか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによる判定結果に応じて前記露出制御手段により露出制御され前記撮像手段により取得された画像信号に対し、スポット光シーンとそれ以外のシーンとで異なる信号処理を行う信号処理ステップであって、スポット光シーンと判定されると、スポット光が当たっている主要被写体の見栄えをよくスポット光シーンに特化した信号処理を行う信号処理ステップと、を含むことを特徴としている。
【0032】
請求項13に示すように請求項12に記載の撮像方法において、前記露出制御ステップは、前記検出ステップにより検出されたスポット光エリアのうちの一番大きいエリアの面積を算出し、該算出したエリアの面積が所定の閾値よりも大きい場合には、前記一番大きいエリアの明るさのみに基づいて露出制御し、前記算出したエリアの面積が所定の閾値以下の場合には、前記検出されたスポット光エリアに依存しない被写体の明るさの測光を行い、該測光した明るさに基づいて露出制御することを特徴としている。
【0033】
請求項14に示すように請求項12又は13に記載の撮像方法において、前記露出制御ステップは、前記検出ステップにより複数のスポット光エリアが検出されると、前記検出されたスポット光エリアのうちの一番大きいエリアと次に大きいエリアとの面積差を求め、その面積差が一定値以上の場合には、該一番大きいエリアのみの明るさを測光し、該一番大きいエリアの明るさに基づいて露出制御を行い、前記求めた面積差が一定値未満の場合には、前記複数のスポット光エリアの明るさを測光し、該複数のスポット光エリアの明るさに基づいて露出制御を行うことを特徴としている。
【0034】
請求項15に示すように請求項12から14のいずれか1項に記載の撮像方法において、前記スポット光シーンの判定ステップは、前記検出ステップにより検出されたスポット光エリアのうちの一番大きいエリアの面積を算出し、前記算出したエリアの面積が所定の閾値よりも大きいときのみ、スポット光シーンと判定することを特徴としている。
【0035】
請求項16に示すように請求項12から15のいずれか1項に記載の撮像方法において、前記信号処理ステップは、前記検出ステップにより複数のスポット光エリアが検出されると、前記検出されたスポット光エリアのうちの一番大きいエリアと次に大きいエリアとの面積差を求め、その面積差が一定値以上の場合には、一番大きいエリアの見栄えをよくするように特化した信号処理を行い、前記求めた面積差が一定値未満の場合には、スポット光シーンに特化した信号処理を行うことを特徴としている。
【0036】
請求項17に示すように請求項12から16のいずれか1項に記載の撮像方法において、前記信号処理ステップは、前記取得ステップにより取得した画像信号に対し、前記検出ステップにより検出されたスポット光エリアと他のエリアとで異なる信号処理を行うことを特徴としている。
【0037】
請求項18に示すように請求項17に記載の撮像方法において、前記信号処理ステップは、前記検出ステップにより検出されたスポット光エリアを強調し、前記スポット光エリア以外の他のエリアを目立たなくする信号処理を行うことを特徴としている。
【0038】
請求項19に示すように請求項12から18のいずれか1項に記載の撮像方法において、前記検出ステップにより検出されたスポット光エリアの画像信号に基づいてホワイトバランスゲインを算出するゲイン算出ステップを含み、前記信号処理ステップは、前記判定ステップによりスポット光シーンと判定されると、前記取得ステップにより取得した画像信号に対し、前記ゲイン算出ステップにより算出されたホワイトバランスゲインに基づいてホワイトバランス補正を行うことを特徴としている。
【0039】
請求項20に示すように請求項19に記載の撮像方法において、前記検出ステップにより複数のスポット光エリアが検出されると、スポット光エリア毎の色情報を求め、前記求めた各色情報同士に一定値以上の差分があるか否かを判別する判別ステップとを含み、前記ゲイン算出ステップは、前記検出ステップにより複数のスポット光エリアが検出され、かつ前記スポット光エリア毎の色情報に一定値以上の差分がないと判別されると、全てのスポット光エリアの画像信号に基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記スポット光エリア毎の色情報の差分に一つでも一定値以上の差分があると判別されると、予めスポット光シーンに対応する固定のホワイトバランスゲインが記憶されている記憶手段から該固定のホワイトバランスゲインを読み出すことを特徴としている。
【0040】
請求項21に示すように請求項12から20のいずれか1項に記載の撮影方法において、前記信号処理ステップは、前記取得ステップにより取得された画像信号の階調変換を行う階調変換ステップを含み、該階調変換ステップは、前記判定ステップによりスポット光シーンと判定されると、前記取得ステップにより取得された画像信号の明るい部分が硬調化するように階調変換することを特徴としている。
【0041】
請求項22に示すように請求項21に記載の撮像方法において、前記階調変換ステップは、前記判定ステップによりスポット光シーンと判定されると、前記検出ステップにより検出されたスポット光エリアの画像信号の明るい部分及び暗い部分が共に硬調化するように階調変換し、他のエリアの画像信号の暗い部分が軟調化するように階調変換することを特徴としている。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、スポット光エリアの明るさに基づいて露出制御を行うようにしたため、スポット光の当たっている主要被写体が白飛びすることがなく適切な階調を持たせることができ、また、スポット光シーンに特化した信号処理を行うようにしたため、スポット光が当たっている主要被写体の見栄えをよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る撮像装置の実施の形態を示すブロック図
【図2】スポット光シーンの一例を示す図
【図3】夜景シーンとスポット光シーンとを比較するために示した図
【図4】図1に示した撮像装置による撮像方法の第1の実施の形態を示すフローチャート
【図5】図1に示した撮像装置による撮像方法の第2の実施の形態を示すフローチャート
【図6】図1に示した撮像装置による撮像方法の第3の実施の形態を示すフローチャート
【図7】図1に示した撮像装置による撮像方法の第4の実施の形態を示すフローチャート
【図8】本図1に示した撮像装置による撮像方法の第5の実施の形態を示すフローチャート
【図9】階調変換特性が異なる3種類の階調変換LUTの入出力特性を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、添付図面に従って本発明に係る撮像装置及び撮像方法の実施の形態について説明する。
【0045】
<撮像装置>
図1は本発明に係る撮像装置の実施の形態を示すブロック図である。
【0046】
図1に示すように、本実施の形態の撮像装置1は、静止画や動画の撮像が可能なデジタルカメラであり、主として撮像部10、中央処理装置(CPU)20、操作部30、表示制御部32、液晶モニタ34、記録制御部36、圧縮/伸張処理部40、デジタル信号処理部42、AF検出部44、AE検出部46、VRAM48(Video Random Access Memory)、RAM50(Random Access Memory)、フラッシュメモリ52、ROM54(Read Only Memory)、スポット光エリア検出部56及びスポット光シーン判定部58から構成されている。
【0047】
撮像部10は、フォーカスレンズ等を含む撮影レンズ11A、絞り11B、及びメカシャッタ11Cを含む光学ユニット11と、CCDイメージセンサ、C−MOSイメージセンサ等の撮像素子(以下、「CCD」という)12と、アナログ信号処理部13と、A/D変換器14と、画像入力コントローラ15と、レンズ駆動部16と、絞り駆動部17と、シャッタ駆動部18と、CCD駆動部19とから構成されている。
【0048】
光学ユニット11の撮影レンズ11A、絞り11B、及びメカシャッタ11Cは、それぞれCPU20からの指令によりレンズ駆動部16、絞り駆動部17及びシャッタ駆動部18を介して駆動される。
【0049】
CPU20は、撮像、表示、記録などカメラ全体の動作を統括制御する制御手段として機能し、操作部30からの入力に基づき所定の制御プログラムに従って各部を制御する。
【0050】
光学ユニット11の撮影レンズ11A(フォーカスレンズ)は、CPU20からの指令によりレンズ駆動部16を介して光軸方向に適宜駆動され、自動焦点制御(AF)が行われる。
【0051】
光学ユニット11の絞り11Bは、例えばアイリス絞りで構成されており、絞り駆動部17により駆動されて動作する。CPU20は、絞り駆動部17を介して絞り11Bの開口量(絞り値)を制御し、CCD12への入射光量を制御する。
【0052】
メカシャッタ11Cは、CCD12への露光終了後、該CCD12から画像信号の読み出し時にCCD12に光が入射しないように遮光するもので、これによりスミアの発生を防止する。
【0053】
CCD12は、R(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタが所定のパターンで配列(ベイヤー配列、ハニカム配列等)されたカラーCCDで構成されている。CCD12は、その受光面に多数のフォトダイオードが二次元的に配列されている。光学ユニット11によってCCD12の受光面上に結像された被写体の光学像は、このフォトダイオードによって入射光量に応じた信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU20の指令に従ってCCD駆動部19から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)としてCCD12から順次読み出される。
【0054】
尚、CPU20からの指令によりCCD12からの電荷の排出及び読出しを制御し、フォトダイオードへの電荷蓄積時間(シャッタ速度)を制御する、いわゆる電子シャッタの機能が備えられている。
【0055】
アナログ信号処理部13は、CCD12から出力された画像信号に含まれるリセットノイズ(低周波)を除去するための相関二重サンプリング回路(CDS)、画像信号を増幅し、一定レベルの大きさにコントロールするためのAGS回路を含み、CCD12から出力される画像信号を相関二重サンプリング処理するとともに増幅する。A/D変換器14は、アナログ信号処理部13から出力されたアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換する。画像入力コントローラ15は、A/D変換器14から出力された画像信号を取り込んで、RAM50に一時的に格納する。
【0056】
デジタル信号処理部42は、ホワイトバランス補正回路、ガンマ補正回路、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して色信号を同時式に変換する処理回路)、輝度・色差信号生成回路、輪郭補正回路、色補正回路等を含み、CPU20からの指令に従い、A/D変換器14から入力されたデジタルのR、G、B信号に所要の信号処理を施して、輝度データ(Yデータ)と色差データ(Cr,Cbデータ)とからなる画像データ(YUVデータ)を生成する。デジタル信号処理部42で生成された画像データは、圧縮/伸張処理部40に出力される。尚、デジタル信号処理部42の詳細については後述する。
【0057】
操作部30は、シャッタボタン、電源スイッチ、モードダイヤル、ズームボタン、十字ボタン、MENU/OKボタン、DISPボタン、BACKボタンなどを含む。
【0058】
バス60を介して接続された表示制御部32は、VRAM48に一時記憶された表示用の画像データを読み出して液晶モニタ34に出力し、液晶モニタ34の表示制御を行い、撮像部10により所定のフレームレートで撮像される画像データに基づいてライブビュー画像(スルー画)を表示させたり、本撮像された静止画を再生表示させたりする。
【0059】
AF検出部44は、自動焦点制御(AF)用の焦点評価値を算出する部分であり、撮像部10の画像入力コントローラ15を介して入力するR、G、B信号のうちの、G信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、絶対値化処理部、画面に設定された所定のフォーカスエリア内の信号を切り出すフォーカスエリア抽出部、及びフォーカスエリア内の絶対値データを積算する積算部を含み、この積算部で積算されたフォーカスエリア内の絶対値データを焦点評価値としてCPU20に出力する。
【0060】
CPU20は、AF制御時にAF検出部44から出力される焦点評価値が極大となるフォーカスレンズの位置をサーチし、その位置にフォーカスレンズを移動させることにより、主要被写体への焦点合わせを行う。即ち、CPU20は、AF制御時、まずフォーカスレンズを至近から無限遠までレンズ駆動部16を介して移動させ、その移動過程で逐次AF検出部44から焦点評価値を取得し、その焦点評価値が極大となる位置を検出する。そして、検出された焦点評価値が極大の位置を合焦位置と判定し、その位置にフォーカスレンズを移動させる。これにより、フォーカスエリアに位置する被写体(主要被写体)にピントが合わせられる。
【0061】
AE検出部46は、撮像部10の画像入力コントローラ15を介して入力するR、G、B信号を取り込み、AE(自動露出制御)に必要な積算値を算出する。即ち、AE検出部146は、一画面を複数のエリア(例えば、16×16=256エリア)に分割し、分割された分割エリア毎にR、G、B信号の積算値を算出する。
【0062】
CPU20は、AE制御時にAE検出部46で算出された分割エリアごとのR、G、B信号の積算値(又はG信号のみの積算値)を取得し、被写体の明るさ(撮影EV値)を求めて、適正な露出量を得るための露出設定を行う。即ち、絞り値、シャッタ速度、及び感度を設定する。尚、上記露出設定の詳細については後述する。
【0063】
VRAM48は、画像表示専用の一時記憶領域として利用され、RAM50は、CPU20の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データの一時記憶領域として利用される。
【0064】
フラッシュメモリ52には、ユーザ設定情報等の撮像装置1の動作に関する各種設定情報等が格納され、ROM54には、このCPU20が実行する制御プログラム及び制御に必要な各種データ等が格納されている。
【0065】
圧縮/伸張処理部40は、CPU20からの指令に従い、デジタル信号処理部42で処理された画像データ(YCデータ)に所定形式の圧縮処理を施し、圧縮画像データを生成する。また、CPU20からの指令に従い、記録メディア38から記録制御部36を介して入力された圧縮画像データに所定形式の伸張処理を施し、非圧縮の画像データを生成する。尚、本実施の形態の撮像装置1では、静止画に対しては、JPEG規格に準拠した圧縮処理が施され、動画に対してはMPEG2規格に準拠した圧縮処理が施される。
【0066】
記録制御部36は、CPU20からの指令に従い、記録メディア(メモリカード)38に対してデータの読み/書きを制御する。
【0067】
スポット光エリア検出部56は、AE検出部46により算出された分割エリア毎の分割測光値に基づいて、スポット光が主要被写体に当たっているスポット光エリアを検出する。
【0068】
スポット光エリア検出部56は、画面中央部や人物の場合には顔検出された顔などの注目するエリアの周りのエリアが一定以上明るければ、スポット光が当たっていると判断する。例えば、図2に示す画像の場合、エリアA,Bは周辺が明るいからスポット光が当たっていると判断し、エリアCは周辺も暗いからスポット光が当たっていないと判断し、エリアDはエリア自身は暗いが、周りが明るいからスポット光が当たっていると判断する。また、スポット光による照明は、指向性が強く、該スポット光が当たっているエリアと当たっていないエリアとの境界が分かりやすいため、その境界の情報も利用することができる。
【0069】
スポット光シーン判定部58は、スポット光が使用されているシーンか否かを判定する。スポット光が使用されているかどうかは、例えば、スポット光源としてよく使われる、発光ダイオード(LED)の分光特性や指向性などの情報から推測することができる。
【0070】
また、スポット光は、主要被写体を強調するために使用するものであるため、画面内で一定の面積以上を占めるスポット光エリアが1つ以上存在していることが必要である。即ち、スポット光エリア検出部56により検出されたスポット光エリアの面積を求め、少なくとも1つのスポット光エリアの面積が、一定の面積以上であることをスポット光シーンの判定の条件とする。
【0071】
例えば、図3(A)に示す夜景シーンでは、明るい所が点として数多く写るが、1つの明るい点は小さいため、スポット光シーンとは判定せず、図3(B)に示すように画面内で一定の面積以上を占めるシーンをスポット光エリアとして判定する。尚、スポット光シーンの判定は、この実施の形態に限定されない。
【0072】
CPU20は、AE検出部46から入力する分割エリア毎の分割測光値に基づいて、例えば、各分割測光値を重み付け平均した中央重点測光、各分割測光値を平均した平均測光等の通常の測光値を求めて撮影EV値を決定するとともに、スポット光シーン判定部58により撮影シーンがスポット光シーンと判定されると、スポット光シーン用の測光を行い、少なくともスポット光エリアが白飛びしないように撮影EV値を決定し、露出制御を行う。尚、顔検出機能を有する撮像装置において、顔検出が行われる場合には、顔エリアに対応する分割測光値を使用して撮影EV値を決定し、顔エリアが適正な明るさになるように露出制御する。
【0073】
また、デジタル信号処理部42は、撮像部10から出力されるR、G、B信号に対してホワイトバランス補正、ガンマ補正等の各種の信号処理を行うが、スポット光シーン判定部58により撮影シーンがスポット光シーンと判定されると、通常のシーンにおける信号処理とは異なるスポット光シーン用の信号処理(主要被写体の見栄えをよくするための信号処理)を行う。尚、スポット光シーン用の測光方法、及びスポット光シーン用の信号処理の詳細については後述する。
【0074】
<撮像方法>
〔第1の実施の形態〕
図4は図1に示した撮像装置1による撮像方法の第1の実施の形態を示すフローチャートである。
【0075】
撮影モードが設定されると、撮影スタンバイ状態になり、CPU20は、撮像部10により被写体を所定のフレームレートで連続的に撮像させ、連続したスルー画用の画像信号を取得するとともに、スルー画を液晶モニタ34に表示させているが、二段ストロークのシャッタが半押しされると、撮影準備状態となり、AE及びAF制御を行う。CPU20は、シャッタの半押し時にスポット光エリア検出部56及びスポット光シーン判定部58における検出結果に基づいて判定されるスポット光があるスポット光シーンか否かに応じて、露出制御(AE制御)を切り替える(ステップS10)。即ち、スポット光があるスポット光シーンの場合には、ステップS12に遷移させ、スポット光がないスポット光シーン以外のシーン(通常シーン)の場合には、ステップS16に遷移させる。
【0076】
CPU20は、スポット光シーンの場合には、スポット光エリア検出部56により検出されたスポット光エリアの情報(分割エリアの位置情報等)を取得し(ステップS12)、このスポット光エリアの情報に基づいてAE検出部46により算出された分割エリア毎の分割測光値のうち、スポット光が当たっている分割エリアの分割測光値のみを使用して、撮影EV値を算出する(ステップS14)。この撮影EV値の算出方法としては、スポット光が当たっているスポット光エリア内の輝度分布(分割測光値の分布)からスポット光エリアが適正な露出になるよう撮影EV値を算出したり、スポット光エリア内の分割測光値のうちの最大の分割測光値に基づいてその分割エリアに対応する画像データが飽和しないように撮影EV値を算出する。
【0077】
一方、CPU20は、スポット光シーン以外のシーンの場合には、AE検出部46により算出された分割エリア毎の分割測光値に基づいて中央重点測光等の通常の撮影EV値を算出する(ステップS16)。
【0078】
その後、二段ストロークのシャッタが全押しされると、CPU20は、本撮像を行う。即ち、CPU20は、ステップS14又はS16で算出された撮影EV値に基づいて絞り11B、及びCCD12における電荷蓄積時間(シャッタ速度)を制御することにより露出制御を行い、本撮像を行う(ステップS18)。
【0079】
続いて、CPU20は、ステップS18での本撮像が、スポット光が当たっているエリアがあるスポット光シーンに対応する露出制御が行われたものか、通常の露出制御が行われたかを判別し、その判別結果に応じてデジタル信号処理部42でのデジタル信号処理を切り替えさせる(ステップS20)。即ち、スポット光が当たっているエリアがあるスポット光シーンの場合には、ステップS22に遷移させ、通常シーンの場合には、ステップS24に遷移させる。
【0080】
デジタル信号処理部42は、CPU20からの指令によりスポット光シーンに対応するR、G、B信号のデジタル信号処理と、通常シーンに対応するR、G、B信号のデジタル信号処理とを切り替えて行い、スポット光シーンの場合には、そのスポット光シーンに特化したデジタル信号処理を行い(ステップS22)、通常シーンの場合には、通常のデジタル信号処理を行う(ステップS24)。
【0081】
ここで、スポット光シーンに特化したデジタル信号処理とは、スポット光が当たっている主要被写体の見栄えをよくするためのデジタル信号処理であり、例えば、スポット光が当たっている主要被写体を強調するような階調補正(ガンマ補正)や、スポット光が当たっている主要被写体の色再現性をよくするホワイトバランス補正等の信号処理を言う。
【0082】
例えば、図3(A)に示すような夜景シーンでは、暗い部分が階調を持つように(明るくなるように)補正して人の見た感じに近づける階調補正を行うのに対し、図3(B)に示すようなスポット光シーンでは、主要被写体の強調効果を狙っているため、暗い所は通常シーンのように階調を持たないように(又は敢えて黒潰れするように)階調補正を行う。
【0083】
また、スポット光シーンでは、スポット光エリアのみからスポット光の光源色(色温度)を特定し、その光源色下での主要被写体の色再現性を最適にするホワイトバランス補正を行う。更に、スポット光シーンでは、輪郭強調を強めにし、主要被写体をより鮮明にする。尚、スポット光シーンに特化したデジタル信号処理は、上記の例に限らず、種々のものが考えられ、要はスポット光が当たっている主要被写体の見栄えをよくする処理であれば、如何なるものでもよい。
【0084】
上記のようにスポット光シーンの場合には、スポット光エリアの明るさに基づいて露出制御を行うようにしたため、スポット光の当たっている主要被写体が白飛びすることがなく適切な階調を持たせることができ、また、スポット光シーンに特化した信号処理を行うようにしたため、スポット光が当たっている主要被写体の見栄えをよくすることができる。
【0085】
〔第2の実施の形態〕
図5は図1に示した撮像装置1による撮像方法の第2の実施の形態を示すフローチャートである。尚、図4に示した第1の実施の形態と共通する部分には同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0086】
図5に示す第2の実施の形態は、図4に示した第1の実施の形態と比較して、一点鎖線で囲んだ部分の処理が追加されている点で相違する。
【0087】
即ち、スポット光が当たっているエリアが検出された場合、スポット光が当たっている全エリアの面積を検出する(ステップS30)。そして、全エリアのうちの一番大きいエリアの面積が予め設定されている閾値よりも大きいか否かを判別する(ステップS32)。尚、前記閾値は、予めパラメータとして記憶された値を使用する。また、スポット光が当たっているエリアが1つの場合には、そのエリアが一番大きいエリアとなる。
【0088】
ステップS32で、一番大きいエリアの面積が閾値よりも大きいと判別された場合には、ステップS14に遷移させ、ここで、スポット光が当たっている分割エリアの分割測光値のみを使用した撮影EV値の算出を行う。
【0089】
同様に、デジタル信号処理を行う場合も、一番大きいエリアの面積が予め設定されている閾値よりも大きいか否かを判別し(ステップS34)、大きい場合(「Yes」の場合)には、スポット光シーンに特化したデジタル信号処理を行うステップS22に遷移させ、小さい場合(「No」の場合)には、通常のデジタル信号処理を行うステップS24に遷移させる。
【0090】
上記のようにスポット光が当たっているエリアがあった場合でも、それが予め設定した閾値よりも小さい場合(撮影画面内で非常に小さい場合)には、撮影者としてはスポット光が当たった主要被写体そのものだけではなく、例えば、ショウウィンドウの周りの町並みも撮像する狙いがある可能性が高い。そのような場合に、スポット光の面積を判断基準として、より撮影者の意図に近い画質を提供できるようにしている。
【0091】
〔第3の実施の形態〕
図6は図1に示した撮像装置1による撮像方法の第3の実施の形態を示すフローチャートである。尚、図4に示した第1の実施の形態と共通する部分には同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0092】
図6に示す第3の実施の形態は、図4に示した第1の実施の形態と比較して、一点鎖線で囲んだ部分の処理が追加されている点で相違する。
【0093】
即ち、スポット光が当たっているエリアが検出された場合、スポット光が当たっている全エリアの面積を検出する(ステップS40)。そして、スポット光が当たっている全エリアのうちの一番大きいエリアと次に大きいエリアとの面積差が一定値以上か否かを判別する(ステップS42)。尚、前記一定値は、予めパラメータとして記憶された値を使用する。また、スポット光が当たっているエリアが1つの場合には、そのエリアの面積がそのまま面積差となる。
【0094】
ステップS42で、一番大きいエリアと次に大きいエリアとの面積差が一定値以上と判別された場合には、ステップS44に遷移させ、面積差が一定値未満と判別された場合には、ステップS46に遷移させる。
【0095】
ステップS44では、一番大きいエリアに対応する分割エリアの分割測光値のみを使用した撮影EV値の算出を行い、ステップS46では、全てのスポット光エリアに対応する分割エリアの分割測光値のみを使用した撮影EV値の算出を行う。
【0096】
同様に、デジタル信号処理を行う場合も、スポット光が当たっている全エリアのうちの一番大きいエリアと次に大きいエリアとの面積差が一定値以上か否かを判別し(ステップS48)、一番大きいエリアと次に大きいエリアとの面積差が一定値以上と判別された場合には、ステップS50に遷移させ、面積差が一定値未満と判別された場合には、ステップS52に遷移させる。
【0097】
ステップS50、S52では、それぞれスポット光シーンに特化したデジタル信号処理を行うが、ステップS50では一番大きいエリアの情報を用いたデジタル信号処理を行い、ステップS52では、全てのスポット光エリアの情報を用いたデジタル信号処理を行う点で相違する。
【0098】
複数のスポット光エリアが検出された場合、その内の一番大きいエリアが他のエリアに比べて極端に大きい場合には、その一番大きいエリアが主要被写体が存在するエリアであり、そのエリアの見栄えをよくしたいと考えるのが普通である。よって、一番大きいエリアが他のエリアに比べて極端に大きい場合には、スポット光エリア毎に分割測光値や色温度情報が異なっていても、あくまで主要被写の見栄えを最適にするために、一番大きいエリアのみの分割測光値等を使用し、スポット光シーンの意図に応じた露出制御及びデジタル信号処理を行う。
【0099】
〔第4の実施の形態〕
図7は図1に示した撮像装置1による撮像方法の第4の実施の形態を示すフローチャートである。尚、図4に示した第1の実施の形態と共通する部分には同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0100】
図7に示す第4の実施の形態は、図4に示した第1の実施の形態と比較して、一点鎖線で囲んだ部分の処理が相違する。
【0101】
図7のステップS60では、スポット光エリアが1つか否かを判別し、スポット光エリアが1つの場合(「Yes」の場合)には、ステップS62に遷移させ、スポット光エリアが複数の場合(「No」の場合)には、ステップS66に遷移させる。
【0102】
ステップS62では、1つのスポット光エリア内の分割エリア毎の色情報(例えば、R、G、Bの積算値の比(B/G,R/B)の、B/G軸,R/B軸を有する色空間上における分布に基づいてそのスポット光エリアの色情報を算出し、この色情報を所定の色(例えば、B/G=R/B=1)にするためのホワイトバランスゲイン(WBゲイン)を算出する。この算出したWBゲインをR、G、B信号に乗算することにより、ホワイトバランス補正を行う。
【0103】
一方、スポット光エリアが複数存在する場合には、各エリアの色情報をそれぞれ算出し(ステップS66)、これらの色情報のうち1つでも色情報が大きく異なるエリアがあるか否かを判別する(ステップS68)。
【0104】
尚、色情報の定義は、上記のB/G軸,R/B軸を有する色空間上の色情報に限らず、RGB、L*a*b,CMYでもよく、要は色が識別できる情報であれば如何なるものでもよい。また、各スポット光エリアの色情報のうち1つでも色情報が大きく異なる(一定値以上異なる)エリアの検出は、定義された色情報(B/G,R/B、あるいはRGB等)に対してそれぞれ閾値をパラメータで与えたおき、全てのエリア同士の差分値のうちのいずれかが、閾値と比較して一定値以上異なるか否かにより検出する。また、全てのエリア同士の比較を行わずに、処理の特性上一定以上差分のあるエリア同士が1つでも見つかった場合は処理を中断してもよい。
【0105】
そして、1つでも色情報が大きく異なるエリアがある場合(「Yes」の場合)には、予めパラメータとして記憶されたスポット光シーン用の固定値であるWBゲイン値をホワイトバランス補正に適用する(ステップS70)。また、各エリアの色情報に大きな差がない場合(「No」の場合)には、全てのスポット光エリアの色情報に基づいてWBゲインを算出し、この算出したWBゲインをホワイトバランス補正に適用する(ステップS72)。
【0106】
上記のようにしてスポット光シーンに対するホワイトバランス補正を行った後、スポット光シーンに特化したホワイトバランス補正以外の他のデジタル信号処理を行う(ステップS64)。
【0107】
一方、ステップS20にてスポット光エリアがないと判別されると、画面全体のR、G、B信号から通常のWBゲインを算出し、この算出したWBゲインをホワイトバランス補正に適用し(ステップS74)、その後、通常のホワイトバランス補正以外の他のデジタル信号処理を行う(ステップS76)。尚、これらのステップS74、S76の処理は、図4に示したステップS24の処理と同等のものである。
【0108】
この第4の実施の形態によれば、例えば、ショウウィンドウなどで色の異なるスポット光が使用されている場合は、意図して別々の色のスポット光を使っている場合が多い。この場合、いずれの色のスポット光の光源色でWBゲインを算出すべきかが不明となるため、例えば、D50光源用のWBゲイン(いわゆる晴れゲイン)などを使用することにより、それぞれのスポット光の色をシーンの特徴として画像に現すことができる。
【0109】
〔第5の実施の形態〕
図8は図1に示した撮像装置1による撮像方法の第5の実施の形態を示すフローチャートである。尚、図4に示した第1の実施の形態と共通する部分には同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0110】
図8に示す第5の実施の形態は、図4に示した第1の実施の形態と比較して、一点鎖線で囲んだ部分の処理が相違する。
【0111】
第5の実施の形態では、スポット光シーンの画像に対する階調変換処理を行う際、1画面中のスポット光エリアと他のエリアとで階調変換特性を異ならせている。
【0112】
図8のステップS80では、1画面中の全エリアに対する階調変換処理が終了したか否かを判別する。終了した場合には(「Yes」の場合)には、ステップS82に遷移させ、終了していない場合(「No」の場合)には、ステップS84に遷移させる。
【0113】
ステップS84では、階調変換しようとする対象画素が、スポット光エリア内の画素か否かを判別し、スポット光エリア内の画素の場合(「Yes」の場合)には、ステップS86に遷移させ、スポット光エリア外の画素の場合(「No」の場合)には、ステップS88に遷移させる。
【0114】
ステップS86では、スポット光エリア内の画素の画像信号に対してDレンジを拡大する階調変換処理を行い、ステップS88では、スポット光エリア外の画素の画像信号に対して暗い部分の輝度を低減させる階調変換処理を行う。
【0115】
上記ステップS86、S88での階調変換処理は、例えば、デジタル信号処理部42のガンマ補正回路により行うことができる。
【0116】
即ち、ガンマ補正回路は、図9のグラフ(1)〜(3)に示すような複数の階調変換特性を示す階調変換ルックアップテーブル(階調変換LUT)を有しており、スポット光エリア内の画素の画像信号の場合には、グラフ(1)に対応する階調変換LUTを選択して階調変換し、明るい部分については白飛びしないように、かつ暗い部分については黒潰れしないように明暗共にDレンジが拡がって階調を持つように(硬調化するように)階調変換する。また、スポット光エリア外の画素の画像信号の場合には、グラフ(3)に対応する階調変換LUTを選択して階調変換し、暗い部分はより輝度を下げる(軟調化する)ように階調変換処理を行う。
【0117】
尚、図9に示す階調変換LUTでは、14ビットの入力データを階調変換して8ビットの出力データに変換している。また、ステップS24での通常シーンの場合の階調変換は、図9のグラフ(2)に対応する階調変換LUTを選択して階調変換を行う。
【0118】
上記のようにしてスポット光シーンの画像の全エリアの階調変換処理が終了すると、スポット光シーンに特化したその他のデジタル信号処理を行う(ステップS82)。
【0119】
スポット光は指向性が強いため、スポット光が当たっているエリアは明るく、当たっていないエリアは暗い傾向にある。第5の実施の形態によれば、スポット光が当たっているエリアは白飛びしないようにし(又は多くの階調が割り当てられるようにし)、スポット光が当たらずに暗いところはより暗くし(割り当てる階調を少なくし)、これにより主要被写体の見栄えをよくすることができる。
【0120】
尚、スポット光が当たっているエリアでも、主要被写体そのものが反射率の小さい黒や、凹凸があり影となる部分がある場合、単に暗い所を暗くするという処理では、主要被写体の見栄えはよくならないが、第5の実施の形態によれば、このような場合でも主要被写体の見栄えをよくすることができる。
【0121】
尚、第5の実施の形態では、スポット光シーンのうちのスポット光が当たっているスポット光エリアとスポット光エリア以外の他のエリアとで異なる信号処理を行い(階調変換特性を異ならせ)、スポット光エリアを強調するとともに、スポット光エリア以外の他のエリアを目立たなくするようにしているが、これに限らず、スポット光エリアを強調する信号処理は、スポット光エリア内の明るさやホワイトバランス補正等を最適化し、スポット光エリア以外の他のエリアを目立たなくする信号処理を行うことにより、相対的にスポット光エリアを強調するようにしてもよい。スポット光エリア以外の他のエリアを目立たなくする信号処理としては、例えば、明るさや彩度を抑制したり、ぼかしたりする処理等が考えられる。
【0122】
〔その他〕
第1の実施の形態から第5の実施の形態は、適宜組み合わせて適用してもよい。
【0123】
また、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0124】
1…撮像装置、10…撮像部、11…光学ユニット、12…撮像素子(CCD)、20…中央処理装置(CPU)、30…操作部、42…デジタル信号処理部、44…AF検出部、46…AE検出部、56…スポット光エリア検出部、58…スポット光シーン判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像し、画像信号を取得する撮像手段と、
前記撮像手段により取得された画像信号に基づいてスポット光が当たっているスポット光エリアを検出するスポット光エリア検出手段と、
前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアの明るさを測光し、該スポット光エリアの明るさに基づいて露出制御する露出制御手段と、
前記撮像手段により取得された画像信号に基づいて主要被写体にスポット光が当たっているスポット光シーンか否かを判定するスポット光シーン判定手段と、
前記スポット光シーン判定手段による判定結果に応じて前記露出制御手段により露出制御され前記撮像手段により取得された画像信号に対し、スポット光シーンとそれ以外のシーンとで異なる信号処理を行う信号処理手段であって、スポット光シーンと判定されると、スポット光が当たっている主要被写体の見栄えをよくスポット光シーンに特化した信号処理を行う信号処理手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記露出制御手段は、前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアのうちの一番大きいエリアの面積を算出する算出手段と、前記算出したエリアの面積が所定の閾値よりも大きいか否かを判別する判別手段とを有し、前記判別手段により前記算出したエリアの面積が所定の閾値よりも大きいと判別されると、前記一番大きいエリアの明るさのみに基づいて露出制御し、前記判別手段により前記算出したエリアの面積が所定の閾値以下と判別されると、前記検出されたスポット光エリアに依存しない被写体の明るさの測光を行い、該測光した明るさに基づいて露出制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記露出制御手段は、前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアの面積を算出する算出手段を有し、前記スポット光エリア検出手段により複数のスポット光エリアが検出されると、前記算出手段により算出されたスポット光エリアの面積に基づいて一番大きいエリアと次に大きいエリアとの面積差を求め、その面積差が一定値以上の場合には、一番大きいエリアのみの明るさを測光し、該一番大きいエリアの明るさに基づいて露出制御を行い、前記求めた面積差が一定値未満の場合には、前記複数のスポット光エリアの明るさを測光し、該複数のスポット光エリアの明るさに基づいて露出制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記スポット光シーン判定手段は、前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアのうちの一番大きいエリアの面積を算出する算出手段と、前記算出したエリアの面積が所定の閾値よりも大きいか否かを判別する判別手段とを有し、前記判別手段により前記算出したエリアの面積が所定の閾値よりも大きいと判別されたときのみ、スポット光シーンと判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記信号処理手段は、前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアの面積を算出する算出手段を有し、前記スポット光エリア検出手段により複数のスポット光エリアが検出されると、前記算出手段により算出されたスポット光エリアの面積に基づいて一番大きいエリアと次に大きいエリアとの面積差を求め、その面積差が一定値以上の場合には、一番大きいエリアの見栄えをよくするように特化した信号処理を行い、前記求めた面積差が一定値未満の場合には、スポット光シーンに特化した信号処理を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記信号処理手段は、前記撮像手段により取得した画像信号に対し、前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアと他のエリアとで異なる信号処理を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記信号処理手段は、前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアを強調し、前記スポット光エリア以外の他のエリアを目立たなくする信号処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアの画像信号に基づいてホワイトバランスゲインを算出するゲイン算出手段を備え、
前記信号処理手段は、前記スポット光シーン判定手段によりスポット光シーンと判定されると、前記撮像手段により取得した画像信号に対し、前記ゲイン算出手段により算出されたホワイトバランスゲインに基づいてホワイトバランス補正を行うことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記スポット光エリア検出手段により複数のスポット光エリアが検出されると、スポット光エリア毎の色情報を求める色情報算出手段と、
前記色情報算出手段により算出された各色情報同士をそれぞれ比較し、一定値以上の差分があるか否かを判別する判別手段と、を備え、
前記ゲイン算出手段は、前記スポット光エリア検出手段により複数のスポット光エリアが検出され、かつ前記判別手段によりスポット光エリア毎の色情報に一定値以上の差分がないと判別されると、全てのスポット光エリアの画像信号に基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記判別手段によりスポット光エリア毎の色情報の差分に一つでも一定値以上の差分があると判別されると、予めスポット光シーンに対応する固定のホワイトバランスゲインが記憶されている記憶手段から該固定のホワイトバランスゲインを読み出すことを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記信号処理手段は、前記撮像手段により取得された画像信号の階調変換を行う階調変換手段を含み、該階調変換手段は、前記スポット光シーン判定手段によりスポット光シーンと判定されると、前記撮像手段により取得された画像信号の明るい部分が硬調化するように階調変換することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記階調変換手段は、前記スポット光シーン判定手段によりスポット光シーンと判定されると、前記スポット光エリア検出手段により検出されたスポット光エリアの画像信号の明るい部分及び暗い部分が共に硬調化するように階調変換し、他のエリアの画像信号の暗い部分が軟調化するように階調変換することを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
撮像手段により撮像された被写体を示す画像信号を取得する取得ステップと、
前記取得した画像信号に基づいてスポット光が当たっているスポット光エリアを検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより検出されたスポット光エリアの明るさを測光し、該スポット光エリアの明るさに基づいて露出制御する露出制御ステップと、
前記取得された画像信号に基づいて主要被写体にスポット光が当たっているスポット光シーンか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定結果に応じて前記露出制御手段により露出制御され前記撮像手段により取得された画像信号に対し、スポット光シーンとそれ以外のシーンとで異なる信号処理を行う信号処理ステップであって、スポット光シーンと判定されると、スポット光が当たっている主要被写体の見栄えをよくスポット光シーンに特化した信号処理を行う信号処理ステップと、
を含むことを特徴とする撮像方法。
【請求項13】
前記露出制御ステップは、前記検出ステップにより検出されたスポット光エリアのうちの一番大きいエリアの面積を算出し、該算出したエリアの面積が所定の閾値よりも大きい場合には、前記一番大きいエリアの明るさのみに基づいて露出制御し、前記算出したエリアの面積が所定の閾値以下の場合には、前記検出されたスポット光エリアに依存しない被写体の明るさの測光を行い、該測光した明るさに基づいて露出制御することを特徴とする請求項12に記載の撮像方法。
【請求項14】
前記露出制御ステップは、前記検出ステップにより複数のスポット光エリアが検出されると、前記検出されたスポット光エリアのうちの一番大きいエリアと次に大きいエリアとの面積差を求め、その面積差が一定値以上の場合には、該一番大きいエリアのみの明るさを測光し、該一番大きいエリアの明るさに基づいて露出制御を行い、前記求めた面積差が一定値未満の場合には、前記複数のスポット光エリアの明るさを測光し、該複数のスポット光エリアの明るさに基づいて露出制御を行うことを特徴とする請求項12又は13に記載の撮像方法。
【請求項15】
前記スポット光シーンの判定ステップは、前記検出ステップにより検出されたスポット光エリアのうちの一番大きいエリアの面積を算出し、前記算出したエリアの面積が所定の閾値よりも大きいときのみ、スポット光シーンと判定することを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の撮像方法。
【請求項16】
前記信号処理ステップは、前記検出ステップにより複数のスポット光エリアが検出されると、前記検出されたスポット光エリアのうちの一番大きいエリアと次に大きいエリアとの面積差を求め、その面積差が一定値以上の場合には、一番大きいエリアの見栄えをよくするように特化した信号処理を行い、前記求めた面積差が一定値未満の場合には、スポット光シーンに特化した信号処理を行うことを特徴とする請求項12から15のいずれか1項に記載の撮像方法。
【請求項17】
前記信号処理ステップは、前記取得ステップにより取得した画像信号に対し、前記検出ステップにより検出されたスポット光エリアと他のエリアとで異なる信号処理を行うことを特徴とする請求項12から16のいずれか1項に記載の撮像方法。
【請求項18】
前記信号処理ステップは、前記検出ステップにより検出されたスポット光エリアを強調し、前記スポット光エリア以外の他のエリアを目立たなくする信号処理を行うことを特徴とする請求項17に記載の撮像方法。
【請求項19】
前記検出ステップにより検出されたスポット光エリアの画像信号に基づいてホワイトバランスゲインを算出するゲイン算出ステップを含み、
前記信号処理ステップは、前記判定ステップによりスポット光シーンと判定されると、前記取得ステップにより取得した画像信号に対し、前記ゲイン算出ステップにより算出されたホワイトバランスゲインに基づいてホワイトバランス補正を行うことを特徴とする請求項12から18のいずれか1項に記載の撮像方法。
【請求項20】
前記検出ステップにより複数のスポット光エリアが検出されると、スポット光エリア毎の色情報を求め、前記求めた各色情報同士に一定値以上の差分があるか否かを判別する判別ステップとを含み、
前記ゲイン算出ステップは、前記検出ステップにより複数のスポット光エリアが検出され、かつ前記スポット光エリア毎の色情報に一定値以上の差分がないと判別されると、全てのスポット光エリアの画像信号に基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記スポット光エリア毎の色情報の差分に一つでも一定値以上の差分があると判別されると、予めスポット光シーンに対応する固定のホワイトバランスゲインが記憶されている記憶手段から該固定のホワイトバランスゲインを読み出すことを特徴とする請求項19に記載の撮像方法。
【請求項21】
前記信号処理ステップは、前記取得ステップにより取得された画像信号の階調変換を行う階調変換ステップを含み、該階調変換ステップは、前記判定ステップによりスポット光シーンと判定されると、前記取得ステップにより取得された画像信号の明るい部分が硬調化するように階調変換することを特徴とする請求項12から20のいずれか1項に記載の撮像方法。
【請求項22】
前記階調変換ステップは、前記判定ステップによりスポット光シーンと判定されると、前記検出ステップにより検出されたスポット光エリアの画像信号の明るい部分及び暗い部分が共に硬調化するように階調変換し、他のエリアの画像信号の暗い部分が軟調化するように階調変換することを特徴とする請求項21に記載の撮像方法。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【図3】
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