説明

撮像装置

【課題】 本発明は、コストアップやデザインの規制を防止すると共に、不要電波の外部への放出をシールドすることができる撮像装置を提供する。
【解決手段】 撮像装置200は、LCDフレーム231と、操作基板229と、メイン基板228と、メインシャーシ227とを備え、LCDフレーム231及び操作基板229は、メイン基板228の一方の面を覆うように、メイン基板228に対して略平行に配設され、メインシャーシ227は、メイン基板228の他方の面を覆うように、メイン基板228に対して略平行に配設されると共に、LCDフレーム231、操作基板229に含まれるグランドパターン、及びメイン基板228に含まれるグランドパターンに電気的に導通される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関し、特に、外部に放出される不要電波を遮蔽するシールド構造を有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子撮像装置は、撮影光学系を通して取得した被写体像をCCD等の撮像素子により信号に変換し、この変換された信号に対して複数のアナログ処理を行い、A/D変換を行ってこの信号をデジタル化されたデータに変換し、このデータに画像処理回路により適宜データ処理を行い、データ処理されたデータを圧縮し、電子撮像装置に内蔵された又は外付けされた記録媒体にこの圧縮されたデータを保存する。
【0003】
近年、撮像素子の高画素化や処理時間の短縮が望まれており、それに伴い画像処理回路の処理速度の高速化が求められているが、画像処理回路の処理速度の高速化を進めると、画像処理回路の周辺及び画像処理回路自体から放出される不要な電波が増大し、その電波が電子撮像装置自体や電子撮像装置の周辺の機器に影響を与える。
【0004】
そこで、不要な電波を遮蔽(以下、「シールド」という。)するために、電気回路基板のグランドパターンと接続された専用の金属シールドケースが、電気回路基板上の回路、特に不要電波を放出する回路の近傍を覆うように配置された撮像装置や、電気回路基板のグランドパターンと接続された専用のシート状金属シールド板が撮像装置全体を覆うように配置された撮像装置や、電気回路基板のグランドパターンと電気的に接続された導電材からなる外装カバーを有する撮像装置が提案されている。
【0005】
また、デジタル回路基板、アナログ回路基板、電源基板、メモリカードコネクタ、及び液晶表示装置の位置関係により、不要電波のシールドを実現する撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
更に、メモリカードコネクタと、液晶表示装置を支持する保持部材とを一体化し、これをメイン基板のグランドパターンと接続することにより、グランドを強化すると共に不要電波のシールド効果を向上する撮像装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−225282号公報(第5頁、図1、図1)
【特許文献2】特開平11−331667号公報(第7頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記専用の金属シールドケースやシート状金属シールド板を使用する撮像装置は、スペース効率の低下や、部品単価や組み立て工数の増加等によるコストアップにつながる。上記外装カバーに導電材を使用する撮像装置は、プラスチック製の外装カバーに導電塗装を施す場合や、導電性のある特殊な材料からなる外装カバーを使用する場合や、金属製の外装カバーを使用する場合が考えられるが、いずれもコストアップにつながると共に、外装カバーのデザインが規制される。
【0008】
また、特許文献1の撮像装置では、メモリカードコネクタの配置する位置が規制されるので、撮像装置のデザインが規制され、アナログ回路基板、デジタル回路基板等の複数の基板を使用するので、コストアップにつながる。
【0009】
また、特許文献2の撮像装置では、メモリカードコネクタを液晶表示装置と略同一平面上に配置するので、撮像装置の背面部の液晶表示装置の左右には操作ボタン等を配置することができず、撮像装置のデザインが規制される。
【0010】
本発明の目的は、コストアップやデザインの規制を防止すると共に、不要電波の外部への放出をシールドすることができる撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1記載の撮像装置は、表示手段と、前記表示手段を保持する金属フレームと、2層以上の配線層を有し1層以上のグランドパターンを含む第1の電気回路基板と、画像処理を行う画像処理回路素子及びグランドパターンを含む第2の電気回路基板と、主構造体である金属シャーシとを備え、前記金属フレーム及び前記第1の電気回路基板は、前記第2の電気回路基板の一方の面を覆うように、前記第2の電気回路基板に対して略平行に配設され、前記金属シャーシは、前記第2の電気回路基板の他方の面を覆うように、前記第2の電気回路基板に対して略平行に配設されると共に、前記金属フレーム、前記第1の電気回路基板に含まれるグランドパターン、及び前記第2の電気回路基板に含まれるグランドパターンに電気的に導通されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、金属フレーム及び第1の電気回路基板は、第2の電気回路基板の一方の面を覆うように、第2の電気回路基板に対して略平行に配設され、金属シャーシは、第2の電気回路基板の他方の面を覆うように、第2の電気回路基板に対して略平行に配設されると共に、金属フレーム、第1の電気回路基板に含まれるグランドパターン、及び第2の電気回路基板に含まれるグランドパターンに電気的に導通されるので、コストアップやデザインの規制を防止すると共に、不要電波の外部への放出をシールドすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳述する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る撮像装置の構成を概略的に示す正面斜視図である。
【0015】
図1において、撮像装置200は、その前面部に、撮影光学系、レンズバリア、CCD又はCMSO等の撮像素子、繰り出し機構、ズーム機構、及びシャッター等を具備した鏡筒ユニット201を備える。鏡筒ユニット201の内部に配置されている撮像光学系は、被写体像を撮像素子に結像する。
【0016】
撮像装置200の右側には、ユーザが撮像装置200を右手でホールドしやすいように、グリップ部202が設けられている。
【0017】
撮像装置200は、その前面部に、撮影時に光量が足りない時等に必要に応じて発光するストロボ発光窓203と、音声入力用のマイク204と、撮像装置200の前面部を覆う前カバー205と、対物レンズ206aと、バヨネットカップ207とを備える。
【0018】
前カバー205には、前述のストロボ発光窓203を露呈するための開口部205aと、ファインダ光学系の対物レンズ206aを露呈するための開口部205bとが形成されている。バヨネットカップ207は、アクセサリーレンズ(不図示)を使用しないときに、前カバー205に形成されいているアクセサリーレンズ取り付け座(不図示)を隠す役割を果たしている。
【0019】
図2は、図1の撮像装置200の構成を概略的に示す正面斜視図である。
【0020】
本図では、撮像装置200の電源を投入し、鏡筒ユニット201が繰り出された状態を示している。
【0021】
図2において、撮像装置200は、その上面部に、電源ボタン208と、ズームダイヤル209とを備える。
【0022】
電源ボタン208により撮像装置200の電源が投入されると、鏡筒ユニット201は、図2に示すように所定の位置まで繰り出される。
【0023】
ズームダイヤル209は、撮像装置200への入力インターフェースであり、時計回り及び反時計回りに所定の位置まで回動可能である。このズームダイヤル209により、鏡筒ユニット201内に配備された撮影光学系のレンズ群の位置関係を変更し、広角から望遠までズームを行う。
【0024】
図3は、図1の撮像装置200の構成を概略的に示す背面斜視図である。
【0025】
図3において、撮像装置200は、その背面部に、撮像装置200の背面部を覆う後カバー210と、文字や画像等を表示する表示手段である液晶表示装置211と、ファインダ光学系の接眼レンズ206bとを備え、上面部に、シャッタ−ボタン212と、音声再生用スピーカー213とを備える。
【0026】
液晶表示装置211は、撮像する被写体像の表示や、撮像された画像の再生表示や、撮像装置200の設定を変更するための選択メニュー及びアイコンの表示に用いられる。後カバー210には、液晶表示装置211を露呈するための開口部又は透視窓が形成されている。
【0027】
ユーザは接眼レンズ206bを覗くことにより、被写体を視認することができる。シャッタ−ボタン212の操作により、被写体が撮像され、撮像装置200内に内蔵されている記録媒体に撮像された被写体像の画像デ−タが記録される。このとき、マイク204(図1)からの音声データも画像データと共に記録される。記録媒体に保存された音声や、予め記録媒体に記録されている動作音等は、音声再生用スピーカー213により再生される。
【0028】
撮像装置200は、その底面部に、電池蓋(不図示)と、メモリカード蓋215とを備える。この電池蓋を開けることにより、電源となる主電池(不図示)が撮像装置200に挿抜可能である。また、メモリカード蓋215を開けることにより、記録媒体(不図示)を撮像装置200に挿抜可能である。
【0029】
撮像装置200は、その背面部に、モードレバー214、ディスプレイ操作ボタン216、217、決定ボタン218、及び十字ボタン219を備える。モードレバー214は、撮影モード及び再生モードのいずれかのモードを選択するために用いられる。ディスプレイ操作ボタン216は、撮像装置200の設定やメニュー切り替えを行うために用いられる。ディスプレイ操作ボタン217は、液晶表示装置のオン/オフ切り替えや液晶表示装置の輝度等を変更するために用いられる。十字ボタン219は、上下左右の方向等を入力するために用いられる。
【0030】
ユーザは、液晶表示装置211に表示されるメニューやアイコンを見ながら操作ボタン216〜219を操作するので、操作ボタン216〜219を液晶表示装置211の近隣に配置することにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0031】
液晶表示装置211の表示領域の中心が、鏡筒ユニット201aの撮影光学系の光軸と一致するように、液晶表示装置211及び鏡筒ユニット201aを配置することにより、ユーザが違和感なく液晶表示装置211で被写体を確認することができる。
【0032】
図4は、図1の撮像装置200の内部構成を示す展開斜視図である。
【0033】
図4において、撮像装置200は、前カバー205と、後カバー210と、電池室ユニット220と、電池蓋ユニット221と、サイドカバーユニット222と、トップベースユニット223と、ストロボファインダユニット224と、メモリカード225と、メインユニット226とを備える。
【0034】
前カバー205には、ズームダイヤル209、シャッターボタン212、及び電源ボタン208等が形成されている。後カバー210には、操作ボタン216〜219、モードレバー214、及びメモリカード蓋215等が形成されている。メモリカード225は、画像データ、音声データ等を記録し、後述するメモリカードスロットに挿抜可能である。
【0035】
後カバー210には、操作ボタン216〜219に対応する突起部210a、及びモードレバー214に対応する引っ掛け部210bが形成されている。
【0036】
図5は、図4におけるメインユニット226の構成を示す正面斜視図である。
【0037】
図5において、メインユニット226は、鏡筒ユニット201と、主構造体である金属製のメインシャーシ227(金属シャーシ)と、電気回路基板からなるメイン基板228(第2の電気回路基板)と、ネジ230a〜230dとを備える。
【0038】
鏡筒ユニット201には、フランジ部201c、201dが突設されており、更にこのフランジ部201c、201dには穴が配設されており、この穴を介して、メインシャーシ227にネジ230a、230b、230cにより締結されている。鏡筒ユニット201の構成部材には、導電性を有するプラスチック樹脂が一部使用されている。
【0039】
メイン基板228は、撮像装置200の外部インターフェースであるAV出力コネクタ228a、USBコネクタ228b、及び外部電源コネクタ228cを備える。また、メイン基板228は、撮像装置200全体の制御を行うCPU、鏡筒ユニット201が有するCCDから出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路、変換されたデジタル信号を取得して適宜演算を行う画像処理回路、フラッシュメモリ、メモリカードスロット、及び主電池から受けた電源を適宜電圧に変換する電源回路等を備える(不図示)。
【0040】
本実施の形態では、メイン基板228上に各種コネクタを配置しているので、各種コネクタを別の基板に配置し、フラットケーブル等を用いて各種コネクタをメイン基板228と結線する場合に比べ、電気信号配線部を短くしている。これにより、電気信号配線部から放出される不要電波を低減することができる。
【0041】
金属製のトップシャーシ223aは、トップベースユニット223(図4)の構成部材であり、メインユニット226には含まれないが、説明を分かりやすくするためにここで述べた。トップシャーシ223aは、ネジ230dによりメインシャーシ227に締結される。
【0042】
図6は、図5のメインユニット226の構成を示す背面斜視図である。
【0043】
図6において、メインユニット226は、液晶表示装置211の構成部品であるLCD232(表示手段)(図6)と、LCD232を保持するLCDフレーム231(金属フレーム)と、電気回路基板からなる操作基板229(第1の電気回路基板)と、ネジ230e〜230i、230nとを備える。
【0044】
メイン基板228、メインシャーシ227、操作基板229、及びLCDフレーム231は、略平行に、かつ、鏡筒ユニット201の撮影光学系の光軸と直交するように配設されている。
【0045】
LCD232は、LCDフレーム231のフック部231a、231bにより、中心方向に付勢するように係止されている。このフック部231a、231bは、LCD232を中心とした略対称の位置にも同様に配置され、LCD232とLCDフレーム231を電気的に導通している。LCDフレーム231は、ネジ230nによりメインシャーシ227に締結され、ネジ230eによりトップシャーシ223aに締結され、ネジ230gによりメイン基板228及びメインシャーシ227に締結されている。LCDフレーム231は、金属(例えば、厚さ約0.2mmのステンレス鋼板)からなる。
【0046】
メイン基板228には、メモリカードが挿入されるメモリカードスロット228dが設けられている。
【0047】
操作基板229は、両面配線プリントハード基板であり、後カバー210に配設されている操作ボタン216〜219が押下されたときに変形しない程度の厚さ及び十分な強度を有している。操作基板229は、ハード基板で構成されてもよく、1層以上にグランドパターンが配線されている2層以上のフレキシブルプリント基板(FPC)とその保持手段(十分な強度を有する金属板又はプラスチック樹脂板)との組み合わせにより構成されてもよい。
【0048】
操作基板229は、2層のパターン配線層を有している。操作基板229の一方の面229cには、タクトスイッチ229a、及びスライドスイッチ229bが配置されており、これらのスイッチは、後カバー210に形成された突起部210a、及び引っ掛け部210bによりそれぞれ作用するように構成されている。
【0049】
操作基板229の他方の面229dには、グランドパターン(例えば、厚さ約20μmの銅箔からなる)がベタで配線されており、電波シールドの役割を果たすように構成されている。操作基板229は、ネジ203fによりトップシャーシ223aに締結され、ネジ230hにより後述する図7の底シャーシ233に締結されている。
【0050】
LCDフレーム231及び操作基板229は、略同一平面上に並んで配設されており(LCDフレーム231の支持部等が操作基板229と一部重なりがあってもよい)、これらはメイン基板228に電気的に接続されている。
【0051】
図7は、図5のメインユニット226の構成を示す展開斜視図である。
【0052】
図7において、メインユニット226は、底シャーシ233と、LCD232を背後から照明するバックライト部材234と、ネジ230j〜230mとを備える。
【0053】
メイン基板228は、ネジ230j、230mによりメインシャーシ227に締結されている。
【0054】
金属製の底シャーシ223は、ネジ230k、230lによりメインシャーシ227に締結されている。
【0055】
このように、メイン基板228、操作基板229、LCDフレーム231は、直接メインシャーシ227に締結され、又はトップシャーシ223a及び底シャーシ233を仲介してメインシャーシ227に締結されている。
【0056】
メイン基板228は、鏡筒ユニット201内に配置されたCCD201aをメイン基板228に不図示のフレキシブルプリント基板(FPC)により接続するためのフレキコネクタ228iと、LCDフレーム231の内側に配置された画像処理回路228eと、LCD232とのI/Fであるコネクタ228jとを備える。
【0057】
底シャーシ233及びトップシャーシ223aは、主構造体であるメインシャーシ227の補助金属部材であり、メインシャーシ227、メイン基板228、操作基板229、及びLCDフレーム231の電気的な接続をより強めている。また、トップシャーシ223aは撮像装置200の上側において、底シャーシ233は撮像装置200の下側において、不要電波の放出をシールドする効果を有する。
【0058】
図5〜図7において、各基板及び各金属部材は、ネジ230a〜230nにより締結されると共に、図8(a)及び図8(b)に示すように、電気的に接続されている。
【0059】
図8(a)において、金属製のネジ303(ネジ230a〜230nのいずれか)により、基板301(メイン基板228又は操作基板229)は、金属部材302(メインシャーシ227、底シャーシ233、トップシャーシ223a、又はLCDフレーム231)に締結される。基板301には、ネジ303を通す穴の周囲に、ネジ303と電気的に接続するためのグランドパターン露呈部301aが設けられている。図8(a)のA−A断面を図8(b)に示す。
【0060】
図8(b)において、グランドパターン露呈部301aの直径は、ネジ303の頭部の直径よりも十分に大きく構成されている。これにより、ネジ303は、グランドパタン―ン露呈部301aに確実に電気的に接続される。
【0061】
図5〜図7に示すように、撮像装置200は、メインシャーシ227の第1の層と、メイン基板228の第2の層と、略同一面に配備されたLCDフレーム231及び操作基板229の第3の層とを有する。第1、第2及び第3の層は、互いに略平行に配置され、第2の層は、第1及び第3の層に挟まれれるように配置されている。第1及び第3の層は、第2の層であるメイン基板228のグランドパターンに電気的に接続されている。
【0062】
また、特に不要電波の発信源となる画像処理回路228eは、第3の層の電波シールド効果の高いLCDフレーム231の内側に配置されている。
【0063】
図9は、図1の撮像装置200の内部構成を示すブロック図である。
【0064】
図9において、撮像装置200は、鏡筒ユニット201内に配設された撮像光学系201b及びCCD201aと、アナログ信号に各種処理を行うアナログ回路228fと、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器228gと、デジタル信号に各種処理を行う画像処理回路228eと、撮像装置200全体の制御を行う中央演算装置(CPU)228hと、表示装置(LCD)232と、メモリカード225とを備える。
【0065】
撮影光学系201bは、例えば、複数枚のレンズからなるズームレンズから成り、モーターを含むレンズ駆動部(不図示)からの駆動力によりテレ又はワイド方向へのズーミング駆動が行われる。また、撮影光学系201bは、CPU228hの制御によるオートフォーカス機能により移動可能なフォーカスレンズ系を含む。
【0066】
撮像光学系201bを介してCCD201aの受光面に結像した被写体像は、CCD201aにおいて光電変換され、映像信号として順次読み出される。CCD201aから読み出された映像信号は、アナログ処理回路228fのCDS回路部(不図示)により各画素毎にサンプリングホールドされ、アナログ処理回路228fのゲインコントロールアンプ(不図示)により増幅された後、A/D変換器228gによりR、G、Bの点順次デジタル信号に変換されて、画像処理回路228eに入力される。
【0067】
CCD201a、CDS回路、及び画像処理回路228eは、CPU228hにより制御されるタイミングジェネレーター(不図示)から取得されたタイミング信号により同期がとられている。
【0068】
画像処理回路228eの信号処理部は、輝度信号生成回路、色差信号生成回路、測光値演算回路、及び圧縮/伸長回路等のデジタル処理回路を含んでいる(不図示)。A/D変換器228gから出力された映像信号は、この画像処理回路228eにおいて適宜処理され、モニター出力信号としてLCD232に入力される。
【0069】
尚、LCD232がアナログ信号の入力に対応している場合には、画像処理回路228eの後段にD/A変換器を設け、画像データをアナログ信号に変換してから、そのアナログ信号をLCD232に入力するようにする。
【0070】
これにより、CCD201aから取得した映像がLCD232に表示される。このLCD232には、シャッターボタン212の押下(レリーズ操作)に応じて撮影された静止画のみならず、レリーズ操作前の映像(動画、又は間欠画)も表示が可能である。また、画像処理回路228eから出力された画像データは、JPEG等の所定の形式で圧縮処理され、撮影開始信号の入力に応じてメモリカード225等の記録媒体に記録される。
【0071】
本実施の形態では、記録媒体としてメモリカード225が用いられているが、これに限られるものではなく、撮像装置200に内蔵されたフラッシュメモリ、撮像装置200に着脱自在な光磁気ディスク、又はICカード等が用いられてもよい。
【0072】
また、この撮像装置200では、シャッターボタン212の押下に応じて撮影開始信号が発せられるが、外部機器との通信等により、外部機器から撮影開始信号が入力されるように構成されてもよい。
【0073】
CPU228hは、撮像装置200の各回路を統括・制御する。例えば、CPU228hは、シャッターボタン212の押下に応じて、撮影を行うためのフォーカシング等のCCD201aの駆動制御や、アナログ信号処理回路228g及び画像処理回路228eの制御を行う。
【0074】
CPU228hは、また、所定のアルゴリズムに従って露出値、フォーカス位置等の各種演算を行い、自動露光制御、オートフォーカス、オートストロボ、オートホワイトバランス等を制御する。例えば、CPU228hは、画像信号に基づいて算出した露出値に基づいてCCD201aの電子シャッター値を制御して露出値を設定したり、算出したRBゲイン値に基づいてゲインコントロールアンプを制御してホワイトバランスを設定する。
【0075】
CPU228hは、更に、画像信号に基づいて被写体像の鮮鋭度を示す焦点評価値を演算し、その焦点評価値に基づいてフォーカス位置を算出し、算出したフォーカス位置に基づいて撮影レンズ34のフォーカス系を制御し、フォーカス位置を設定する。尚、オートフォーカスは、上記の方法に限らず、AFセンサ等の公知の測距手段を用いて行われてもよい。
【0076】
CPU228hは、更に、ズームダイヤル209によりユーザが設定した撮影光学系の焦点距離に基づいてレンズ駆動部を介してズーム光学系を制御し、撮影光学系201bの焦点距離を設定する。
【0077】
メイン基板228は、アナログ処理回路228f、A/D変換器228g、画像処理回路228e、CPU228h、及びCCD201aからのアナログ信号線と接続するためのフレキコネクタ228iを含む。
【0078】
メイン基板228は、また、メモリカードのインターフェースであるメモリカードスロット228d、外部I/F部である各種コネクタ228a〜228c、主電池から受けた電源を適宜電圧に変換する電源回路(不図示)、LCD232とのI/Fであるコネクタ228jを含んでいてもよい。
【0079】
図10は、図1の撮像装置200の構成を模式的に示す正面図である。
【0080】
図10において、撮像装置200は、前カバー205と、後カバー210と、鏡筒ユニット201と、メインシャーシ227と、メイン基板228と、操作基板229と、LCDフレーム231とを備える。
【0081】
メインシャーシ227には、鏡筒ユニット201を配設するために切り欠き部227aが形成されている。
【0082】
図11は、図1の撮像装置200の構成を模式的に示す側面図である。
【0083】
図11において、撮像装置200は、金属製のメインシャーシ227の第1の層と、回路や部品が配設されたメイン基板228の第2の層と、略同一面に配備された金属製のLCDフレーム231及び操作基板229の第3の層とを有する。第1、第2及び第3の層は、互いに略平行に配置され、第2の層は、第1及び第3の層に挟まれれるように配置されている。
【0084】
図12は、図1の撮像装置200の構成を模式的に示す背面図である。
【0085】
図12において、操作基板229は、2層のパターン配線層を有している。操作基板229の一方の面229cには、タクトスイッチ229a、及びスライドスイッチ229bが配置されており、操作基板229の他の他方の面229dには、略全面にグランドパターンが配線されている。
【0086】
他方の面229dとLCDフレーム231は電気的に接続されており、操作基板229及びLCDフレーム231の2つの部材で第3の層の部分に電波シールド層(Bシールド層)を形成している。
【0087】
また、金属製のメインシャーシ227は、第1の層の部分に電波シールド層(Aシールド層)を形成している。
【0088】
Aシールド層及びBシールド層は、メイン基板228のグランドパターンに金属ネジ等により電気的に接続さている。メイン基板228には、画像処理回路228e及び画像処理回路228eを構成する素子が配置されており、画像処理回路228eは高周波回路であるため、不要な電波の放出源である。Aシールド層及びBシールド層は、この不要電波を遮蔽するので、撮像装置200の外部への不要電波の放出を防止することができる。
【0089】
Bシールド層において、LCDフレーム231は金属(例えば、厚さ約0.2mmのステンレス鋼板)からなり、操作基板229は229cのグランドパターン(例えば、厚さ約20μmの銅箔)からなるので、LCDフレーム231の方が操作基板229より高い電波シールド効果が得られる。従って、不要電波の主な放出源である画像処理回路228e及び画像処理回路228eを構成する素子の少なくとも一部は、図12に示すように、メイン基板228上において、LCDフレーム231に覆われる位置に設けられることが好ましい。これにより、高い電波シールド効果を得ることができる。
【0090】
CCD201aからの微弱信号の入り口であるフレキコネクタ228i、アナログ回路228f、A/D変換回路228g、CPU228hは、配線を短くするために、画像処理回路228eの近傍に設けられ、LCDフレーム231に覆われる位置に設けられることが好ましい。これにより、高い電波シールド効果を得ることができる。
【0091】
尚、本実施の形態において、メインシャーシ227には、鏡筒ユニット201を配設するために切り欠き部227aが形成されているが、必要に応じて鏡筒ユニット201を構成するプラスチック部材に導電性のあるカーボン入り部材や、導電層を塗布する等のコーティングを施し、メインシャーシ227に電気的に接続することにより、高い電波シールド効果を得ることができる。
【0092】
表示手段はLCDに限定されるものではなく、EL等の他の表示装置であってもよい。操作基板229に配設されるスイッチの種類や数は一例であり、これに限定されるものではない。操作基板229は3層以上からなる基板であってもよく、この場合、操作基板229に複数層のグランドパターン配設することにより、更に高い電波シールド効果を得ることができる。
【0093】
本実施の形態では、光学ズーム機構付き撮像装置を例に説明したが、単焦点の撮像装置であってもよい。
【0094】
本実施の形態では、LCDフレーム231及び操作基板229は、略同一平面に配設されるとしたが、これらは略同一平面に配設されることに限定されるものではない。
【0095】
例えば、LCDフレーム231及び操作基板229の一部又は全体が重なるように配置され、操作基板229のグランドパターン層とLCDフレーム231がメイン基板228に電気的に接続されるように設置されれば、Bシールド層は2層構造となり、更に高い電波シールド効果を得ることができる。
【0096】
また、例えば、操作基板229上にLCDフレーム231が配置されることにより、Bシールド層は2層構造となり、更に高い電波シールド効果を得ることができると共に、撮像装置200の更なる薄型化を実現することができる。
【0097】
前カバー205及び後カバー210等のカバーの一部又は全部は、金属により構成されてもよく、この場合、カバーを構成する金属をメイン基板228のグランドパターンに電気的に接続することにより、更に高い電波シールド効果を得ることができる。
【0098】
また、カバーの一部又は全部は、導電塗装を施したプラスチック樹脂、又はカーボン等の導電成分材入りのプラスチック樹脂により構成されてもよく、この場合、カバーを構成するプラスチック樹脂をメイン基板228のグランドパターンに電気的に接続することにより、更に高い電波シールド効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の実施の形態に係る撮像装置の構成を概略的に示す正面斜視図である。
【図2】図1の撮像装置の構成を概略的に示す正面斜視図である。
【図3】図1の撮像装置の構成を概略的に示す背面斜視図である。
【図4】図1の撮像装置の内部構成を示す展開斜視図である。
【図5】図4におけるメインユニットの構成を示す正面斜視図である。
【図6】図5のメインユニットの構成を示す背面斜視図である。
【図7】図5のメインユニットの構成を示す展開斜視図である。
【図8】図5のメインユニットのネジ締結部を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は断面図である。
【図9】図1の撮像装置の内部構成を示すブロック図である。
【図10】図1の撮像装置の構成を模式的に示す正面図である。
【図11】図1の撮像装置の構成を模式的に示す側面図である。
【図12】図1の撮像装置の構成を模式的に示す背面図である。
【符号の説明】
【0100】
200 撮像装置
201 鏡筒ユニット
226 メインユニット
227 メインシャーシ
228 メイン基板
228e 画像処理回路
228h CPU
229 操作基板
231 LCDフレーム
232 LCD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、前記表示手段を保持する金属フレームと、2層以上の配線層を有し1層以上のグランドパターンを含む第1の電気回路基板と、画像処理を行う画像処理回路素子及びグランドパターンを含む第2の電気回路基板と、主構造体である金属シャーシとを備え、前記金属フレーム及び前記第1の電気回路基板は、前記第2の電気回路基板の一方の面を覆うように、前記第2の電気回路基板に対して略平行に配設され、前記金属シャーシは、前記第2の電気回路基板の他方の面を覆うように、前記第2の電気回路基板に対して略平行に配設されると共に、前記金属フレーム、前記第1の電気回路基板に含まれるグランドパターン、及び前記第2の電気回路基板に含まれるグランドパターンに電気的に導通されることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記画像処理回路素子の少なくとも一部は、前記第2の電気回路基板において、前記金属フレームに覆われる位置に配設されることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第2の電気回路基板は電源回路を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第2の電気回路基板は外部接続端子を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第2の電気回路基板は、記録媒体が挿抜される記憶媒体接続部を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−203472(P2006−203472A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−11975(P2005−11975)
【出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】