説明

撮像装置

【課題】 メインスイッチがオンの場合において測位に必要な電力の低減を図ることができる撮像装置を提供する。
【解決手段】 撮影レンズを介して入射した被写体光を撮像する撮像部6と、自己位置を測位する測位部20と、前記撮像部による動画撮影時または前記撮像部による静止画撮影の撮影準備動作時に前記測位部による前記自己位置の測位を停止させる測位制御部18とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、測位機能を備える撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この撮像装置においては、メインスイッチがオフである場合に定期的な測位を行う際の電源供給をGPSモジュールに対してのみ行い、他のブロックに対しては非供給とすることで低消費電力化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−38681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この撮像装置においては、カメラのメインスイッチがオンである場合においてGPSモジュールの駆動を行う際の低消費電力化は考慮されていなかった。
【0005】
本発明の目的は、メインスイッチがオンの場合において測位に必要な電力の低減を図ることができる撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下のような解決手段により上記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施の形態に対応する符号を付して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
本発明に係る撮像装置は、撮影レンズを介して入射した被写体光を撮像する撮像部(6)と、自己位置を測位する測位部(20)と、前記撮像部による動画撮影時または前記撮像部による静止画撮影の撮影準備動作時に前記測位部による前記自己位置の測位を停止させる測位制御部(18)とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る撮像装置によれば、メインスイッチがオンの場合において測位に必要な電力の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係るカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るカメラのGPSモジュールに対する電力供給処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係るカメラについて説明する。図1は、実施の形態に係るカメラのシステム構成を示すブロック図である。カメラ2は、ズームレンズやフォーカシングレンズを含む複数のレンズ群で構成される撮影光学系4、撮影光学系4を介して入射した被写体光を撮像して撮像信号(蓄積電荷としてのアナログ信号)を生成するCCD或いはCMOS等により構成される撮像素子6、撮像信号に対して相関二重サンプリングやゲイン調整等のアナログ処理を行うと共にアナログ処理後の画像信号をデジタル画像データに変換するAFE(Analog Front End)回路8、画像データに対して画像処理(色補完処理、階調変換処理、輪郭強調処理、ホワイトバランス調整処理等)を行う画像処理回路10、液晶パネルによって構成され撮影画像やメニュー画面等を表示するLCD表示部12、CPU18のワークメモリとして利用される他、画像処理回路10による画像処理の前工程や後工程での画像データを一時的に記憶するRAM14、CPU18に実行させるプログラムを記憶するフラッシュメモリ16、フラッシュメモリ16が記憶するプログラムを実行しカメラ2の制御を行う他、オートフォーカス(AF)動作制御を行うCPU18、GPS衛星からの電波を受信し、受信信号に含まれる情報を用いて演算を行い、緯度、経度、高度等の測位データを算出するGPSモジュール20、CPU18及びGPSモジュール20に対して電力を供給する電源制御回路22、カメラ2の電源のオン/オフ操作、ズーム操作、動画撮影や静止画撮影の指示を行う操作部材26を備えている。
【0011】
また、電源制御回路22には電力を供給するバッテリ28が接続され、電源制御回路22は、バッテリ28から供給された電力をGPSモジュール20に対して供給し、また、CPU18を介してカメラ2の各部に供給する。なお、カメラ2に図示しないACアダプタが接続され電力の供給を受ける場合にはCPU18を介してカメラ2の各部に電力を供給する他、バッテリ28の充電を行ってもよい。
【0012】
なお、画像処理回路10、LCDモニタ12、RAM14、フラッシュメモリ16、CPU18は、バス30を介してそれぞれ接続されている。
【0013】
次に、図2に示すフローチャートを参照して実施の形態に係るカメラの電力供給処理について説明する。操作部材26を用いてカメラ2の電源がオンにされると、電源制御回路22はバッテリ28から供給された電力をCPU18及びGPSモジュール20に対して供給する(ステップS1)。
【0014】
GPSモジュール20は、電力の供給が開始されると電源がオンとなり(ステップS2)、測位を開始する(ステップS3)。GPSモジュール20は、測位データを算出すると、CPU18に対して測位データを出力する(ステップS4)。
【0015】
CPU18は、測位データを取得すると(ステップS5)、RAM14の所定の領域に測位データを上書きして記憶する(ステップS6)。次に、CPU18は、動画撮影モードが設定され動画撮影中であるか否かを判定する(ステップS7)。ここで動画撮影を行っていないと判定した場合には、撮影光学系4に含まれるフォーカシングレンズを図示しない駆動部により光軸方向に移動させるAF動作中であるか否かの判定を行う(ステップS8)。AF動作中ではないと判定した場合には、撮影光学系4に含まれるズームレンズを図示しない駆動部により光軸方向に移動させるズーム動作中であるか否かの判定を行う(ステップS9)。ズーム動作中でないと判定した場合には、ステップS5に示す処理に戻り、測位データの取得を行い、ステップS5〜ステップS9の処理を繰り返す。ここで、GPSモジュール20は、1秒毎など所定間隔毎に測位(ステップS3)及び即位データの出力(ステップS4)を行う。従って、動画撮影、AF動作及びズーム動作の何れの動作も行っていない場合には、ステップS5〜ステップS9の処理が1秒などの所定時間間隔で行なわれる。
【0016】
一方、ステップS7において動画撮影中であると判定した場合、ステップS8においてAF動作中であると判定した場合、及びステップS9においてズーム動作中であると判定した場合には電源制御回路22はGPSモジュール20に対する電力の供給を停止する(ステップS10)。これによりGPSモジュール20の電源はオフとなり、測位を停止する(ステップS11)。
【0017】
次に、CPU4はカメラ2が動画撮影、AF動作及びズーム動作のうちの何れかの動作を行っているか否かを判定する(ステップS12)。動画撮影、AF動作、及びズーム動作のうちの何れかの動作を行っていると判定した場合には、ステップS12に示す処理を繰り返す。
【0018】
一方、動画撮影、AF動作及びズーム動作の何れの動作も行っていないと判定した場合には、カメラ2のメインスイッチのオフ操作がされたか否かの判定を行う(ステップS13)。オフ操作が行われていないと判定した場合には、ステップS1に示す処理に戻り、GPSモジュール20による測位を再開する。一方、メインスイッチのオフ操作が行われたと判定した場合には処理を終了する。
【0019】
なお、動画撮影により得られた動画データに測位データを付加してメモリカード等の記録媒体に記録する場合には、ステップS6に示す処理によりRAM14の所定の領域に記憶されている動画撮影開始直前または画像データの記録直前の測位データを付加する。また、静止画撮影により得られた静止画データに測位データを付加してメモリカード等の記録媒体に記録する場合には、ステップS6に示す処理によりRAM14の所定の領域に記憶されている静止画撮影開始直前または画像データの記録直前の測位データを付加する。
【0020】
本実施の形態に係るカメラによれば、メインスイッチがオンの場合において測位が不必要であるときには測位を停止するため、測位に必要な電力の低減を図ることができる。また、撮影開始直前または画像データの記録媒体への記録直前の測位データを保持しておき、これを画像データに付加するため、動画撮影、AF動作及びズーム動作のうちの何れかが行なわれている場合に、GPSモジュール20による測位を停止しても、画像データに付加する測位データへの影響は無い。
【0021】
なお、上述の実施の形態においては、GPSモジュール20はカメラ2に内蔵されたものであっても外付けの装置であってもよい。
【0022】
また、上述の実施の形態において、図2のフローチャートのステップS10に示す処理において電源制御回路22がGPSモジュール20に対する電力の供給を停止することによりGPSモジュール20における測位を停止させる構成を説明したが、CPU18からGPSモジュール20に対して測位のための演算の停止を指示することによりGPSモジュール20における測位を停止する構成としてもよい。
【0023】
また、上述の実施の形態においては、動画撮影中、AF動作中及びズーム動作中である場合には測位を停止する構成を説明したが、撮影光学系4が備える撮影レンズが交換式である場合の撮影レンズの交換中においてGPSモジュール20における測位を停止する構成としてもよい。また、操作部材26を用いてLCD表示部12に表示されたメニュー画面の操作を行なっている場合に、GPSモジュール20における測位を停止する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0024】
2…カメラ、4…撮影光学系、6…撮像素子、18…CPU、20…GPSモジュール、22…電源制御回路、26…操作部材、28…バッテリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズを介して入射した被写体光を撮像する撮像部と、
自己位置を測位する測位部と、
前記撮像部による動画撮影時または前記撮像部による静止画撮影の撮影準備動作時に前記測位部による前記自己位置の測位を停止させる測位制御部と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮影準備動作は、オートフォーカス動作またはズーム動作であることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記測位制御部は、前記測位部に対する電力供給の停止または前記測位部に対する演算の停止の指示により前記測位部における前記自己位置の測位を停止させることを特徴とする請求項1または2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記測位制御部は、前記撮影レンズの交換が行われている場合に前記自己位置の測位を停止させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
各種設定を行うメニュー操作を受け付ける操作部を備え、
前記測位制御部は、前記メニュー操作が行われている場合に前記自己位置の測位を停止させることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−39571(P2012−39571A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180494(P2010−180494)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】