説明

撮像装置

【課題】セルフタイマ撮影において、対象画像撮影用の良好な評価値を取得する。
【解決手段】セルフタイマ機能が有効になっているときにおいてシャッタ操作が成されると、顔検出処理、動き検出処理及び追尾処理を実行開始する。所定の対象領域(撮影領域の中央領域等)内の被写体(人物等)を主被写体とみなし、主被写体が静止しているタイミングに主被写体の画像信号から対象評価値を取得する(S22〜S24)。対象評価値に基づきフォーカス状態及び露出状態を調整し(ステップS25)、更に、撮像部からの入力画像に対し対象評価値に応じた画像処理を成すことで対象画像を得る(ステップS27)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルスチルカメラ又はデジタルビデオカメラ等の撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラには、シャッタ操作後、所定の待機時間が経過してから対象画像の撮影を行うセルフタイマ機能が備えられていることが多い(例えば下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−218286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シャッタ操作時点から所定の待機時間が経過するまでのセルフタイマ期間では、一般的にデジタルカメラ側で特別な処理は行われない。一方で、セルフタイマ機能が用いられる状況では、撮影者がカメラから離れることが通常であるため、被写体の状態を十分に考慮した撮影が困難である。
【0005】
そこで本発明は、被写体の状態を考慮したセルフタイマ撮影が可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る撮像装置は、被写体の画像信号を出力する撮像部と、前記撮像部の出力信号に基づき前記被写体の動きを検出する動き検出部と、所定操作を受けた後、所定時間後に前記撮像部を用いて対象画像を撮影するセルフタイマ制御部と、を備えた撮像装置において、前記セルフタイマ制御部は、前記所定操作を受けてから前記所定時間が経過するまでのセルフタイマ期間中において、前記動き検出部の検出結果及び前記撮像部の出力信号に基づき評価値を取得し、前記評価値に応じた条件にて前記対象画像を撮影することを特徴とする。
【0007】
これにより、被写体の動きを考慮して対象画像撮影用の評価値を取得することができ、結果、被写体の動きを考慮して対象画像の画質適正化を図ることができる。
【0008】
具体的には例えば、前記セルフタイマ制御部は、前記動き検出部を用いて前記被写体の動きの有無を判断し、前記セルフタイマ期間中において、動きが無いと判断した被写体の画像信号から前記評価値を取得してもよい。
【0009】
動きの無い被写体の画像信号からは良好な評価値を取得することができる。或いは例えば、セルフタイマ期間中に静止している被写体は主たる撮影対象であると推測することができる。従って、動きが無いと判断した被写体の画像信号から評価値を取得するようにすれば、対象画像の画質適正化に貢献する良好な評価値の取得が期待される。
【0010】
更に具体的には例えば、前記被写体は、当該撮像装置の撮影領域中の所定領域内に位置する主被写体を含み、前記セルフタイマ制御部は、前記セルフタイマ期間中において、前記主被写体の動きが無いと判断したタイミングに前記主被写体の画像信号から前記評価値を取得してもよい。
【0011】
主被写体の動きが無いと判断したタイミングに評価値を取得するようにすることで、対象画像撮影用の評価値を適正化することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、被写体の状態を考慮したセルフタイマ撮影が可能な撮像装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像装置の概略全体ブロック図である。
【図2】図1の撮像部の内部構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係り、セルフタイマ機能の実現に関与する部位のブロック図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る撮像装置の動作フローチャートである。
【図5】撮影領域(入力画像)内に対象領域が設定される様子を示す図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る撮像装置の動作フローチャートである。
【図7】撮影領域(入力画像)内に動被写体及び静止被写体が存在する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、状態量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、状態量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置1の概略全体ブロック図である。撮像装置1は、静止画像及び動画像を撮影及び記録可能なデジタルビデオカメラである。但し、撮像装置1は、静止画像のみを撮影及び記録可能なデジタルスチルカメラであっても良い。撮像装置1は、撮像部11と、AFE(Analog Front End)12と、主制御部13と、内部メモリ14と、表示部15と、記録媒体16と、操作部17と、を備えている。図2は、撮像部11の内部構成図である。
【0016】
撮像部11は、光学系35と、絞り32と、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどから成る撮像素子(固体撮像素子)33と、光学系35や絞り32を駆動制御するためのドライバ34と、を有している。光学系35は、撮像部11の画角を調節するためのズームレンズ30及び焦点を合わせるためのフォーカスレンズ31を含む複数枚のレンズから形成される。ズームレンズ30及びフォーカスレンズ31は光軸方向に移動可能である。主制御部13からの制御信号に基づき、光学系35内におけるズームレンズ30及びフォーカスレンズ31の位置並びに絞り32の開度(即ち絞り値)が制御される。撮像素子33は、水平及び垂直方向に複数の受光画素が配列されることによって形成される。撮像素子33の各受光画素は、光学系35及び絞り32を介して入射した被写体の光学像を光電変換し、該光電変換によって得られた電気信号をAFE12(Analog Front End)に出力する。
【0017】
AFE12は、撮像部11(撮像素子33)から出力されるアナログ信号を増幅し、増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換してから主制御部13に出力する。AFE12における信号増幅の増幅度は主制御部13によって制御される。
【0018】
主制御部13は、AFE12の出力信号によって表される画像に対して必要な画像処理を施し、画像処理後の画像についての映像信号を生成する。ここで生成される映像信号も、撮像部11(撮像素子33)の出力信号も、AFE12の出力信号も、被写体の画像信号の一種である。AFE12の出力信号そのものによって表される画像、又は、AFE12の出力信号そのものによって表される画像に対して所定の画像処理を施して得られる画像を、入力画像という。
【0019】
内部メモリ14は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等にて形成され、撮像装置1内で生成された各種データを一時的に記憶する。表示部15は、液晶ディスプレイパネル等の表示画面を有する表示装置であり、主制御部13の制御の下、入力画像や記録媒体16に記録されている画像などを表示する。表示部15にはタッチパネル19が設けられており、ユーザは、表示部15の表示画面を操作体(指やタッチペンなど)で触れることで撮像装置1に様々な指示を与えることができる。タッチパネル19を割愛することも可能である。記録媒体16は、カード状半導体メモリや磁気ディスク等の不揮発性メモリであり、主制御部13による制御の下、入力画像の映像信号等を記録する。操作部17は、静止画像の撮影指示を受け付けるシャッタボタン20及び動画像の撮影開始指示又は撮影終了指示を受け付ける録画ボタン21等を備え、ユーザからの各種操作を受け付ける。シャッタボタン20及び録画ボタン21は、タッチパネル19上のボタンであってもよい。
【0020】
撮像装置1は、セルフタイマ機能を有している。セルフタイマ機能が有効になっている状態において、ユーザによるシャッタボタン20の押し下げ操作(以下、シャッタ操作という)を受けると、撮像装置1は、所定の待機時間後に、撮像部11を用いて静止画像としての入力画像(以下、対象画像という)を撮影する。対象画像の枚数は2枚以上でも良い。シャッタ操作を受けた後、所定の待機時間が経過するまでの期間を、以下、セルフタイマ期間と呼ぶ。以下では、セルフタイマ機能が有効になっているときの撮像装置1の動作を説明する。
【0021】
図3は、セルフタイマ機能に特に関与する部位のブロック図である。対象画像の取得動作制御を成すセルフタイマ制御部54を、図1の主制御部13に設けておくことができる。更に、動き検出部51、顔検出部52及び評価値取得部53も主制御部13に設けておくことができる。図3では、評価値取得部53がセルフタイマ制御部54内に設けられているが、評価値取得部53はセルフタイマ制御部54外に設けられていても良い。撮像装置1は、所定のフレーム周期にて入力画像を順次撮影することができる。動き検出部51、顔検出部52、評価値取得部53及びセルフタイマ制御部54には、撮像部11の出力信号(入力画像の画像信号)が順次供給される。
【0022】
動き検出部51は、撮像部11の出力信号(入力画像の画像信号)に基づき、撮像装置1の各被写体の動きを検出する動き検出処理を実行する。動き検出処理の検出結果は、動き検出情報として動き検出部51からセルフタイマ制御部54に送られる。動き検出処理の検出結果には、例えば、時間的に隣接した入力画像間のオプティカルフロー並びに各被写体の動きの大きさ及び向きが含まれる。被写体の動きの大きさ及び向きとは、入力画像上におけるそれらを指す。動き検出部51は、撮像部11の出力信号に基づき、任意の被写体の追尾を成すこともでき、追尾の結果を表す追尾結果情報も動き検出部51からセルフタイマ制御部54に送られる。被写体の追尾により、複数の被写体を互いに区別しながら、時系列上に並ぶ入力画像の動画像上において各被写体の位置が逐次検出される。
【0023】
顔検出部52は、撮像部11の出力信号(入力画像の画像信号)に基づき、入力画像上に存在する人物の顔を検出する顔検出処理を実行する。顔検出処理によって検出された顔の位置及び大きさを表す顔検出情報が、顔検出部52からセルフタイマ制御部54に送られる。
【0024】
評価値取得部53は、撮像部11の出力信号(入力画像の画像信号)に基づく評価値を算出する。撮像装置1は、評価値に基づいて任意の入力画像の取得条件(撮影条件)を最適化することができる。対象画像の取得条件(撮影条件)を最適化するための評価値を対象評価値と呼ぶ。対象評価値には、例えば、対象画像のピント状態を最適化するためのAF評価値、対象画像の露出を最適化するためのAE評価値及び対象画像のホワイトバランスを最適化するためのAWB評価値が含まれる。
【0025】
セルフタイマ制御部54は、セルフタイマ期間中おいて、動き検出部51の動き検出結果及び撮像部11の出力信号(入力画像の画像信号)に基づき対象評価値を取得し(評価値取得部53に対象評価値を取得させ)、セルフタイマ期間の満了後、対象評価値に応じた条件にて対象画像の撮影を行う。換言すれば、セルフタイマ制御部54は、セルフタイマ期間の満了後、対象評価値に応じた条件にて対象画像が得られるように撮像部11及びAFE12を制御すると共に対象画像の画像信号を得るための特定画像処理の内容を制御する。特定画像処理は、セルフタイマ期間の満了後の撮像部11の出力信号に対して成す画像処理(色補正処理等)を指し、特定画像処理を経た画像信号が対象画像の画像信号として得られる。特定画像処理を成す画像処理部(不図示)は、セルフタイマ制御部54又は主制御部13に設けられている。
【0026】
上述の構成を有する撮像装置1の具体的な動作例を、以下の第1及び第2実施例の中で説明する。
【0027】
<<第1実施例>>
図4を参照して、撮像装置1の第1実施例を説明する。図4は、第1実施例に係る撮像装置1の動作フローチャートである。セルフタイマ機能が有効であるときに、シャッタ操作が成されると(ステップS11)、セルフタイマ制御部54は、シャッタ操作が成された時点からの経過時間TELの計測を開始し(ステップS12)、更に、主制御部13はフォーカスロックが成されているか否かを確認する(ステップS13)。フォーカスロックが成されている場合には、以後、ステップS31からステップS37に至るまでの処理が成され、フォーカスロックが成されていない場合には、以後、ステップS21からステップS27に至るまでの処理が成される。
【0028】
フォーカスロックとは、フォーカスレンズ31の位置が固定される状態を指す。ユーザは、シャッタ操作に先立って、フォーカスロックを成すか否かを任意に選択指定することができる。或いは、セルフタイマ機能が有効であるときにシャッタ操作が成されると強制的にフォーカスロックが成されるということが、予め撮像装置1の仕様において定められていてもよい。
【0029】
ステップS21からステップS27に至るまでの処理について説明する。ステップS21において、顔検出部52による顔検出処理、動き検出部51による動き検出処理及び追尾処理が実行開始される。尚、それらの処理は、ステップS21以前から継続的に実行されていても良い。
【0030】
第1実施例に係る撮像装置1は、所定の対象領域内の被写体が主被写体であるとみなす。対象領域は、撮像装置1の撮影領域内に設定された所定領域である。撮像装置1の撮影領域内の画像が入力画像であるため、対象領域は、入力画像の画像領域内に設定された所定領域でもある。ここでは、図5に示す如く、対象領域が、撮像装置1の撮影領域の中央付近に配置された、撮像装置1の撮影領域の一部であるとする(換言すれば、入力画像の画像領域の中央付近に配置された、入力画像の画像領域の一部であるとする)。
【0031】
ステップS21に続くステップS22において、セルフタイマ制御部54は、対象領域内の被写体である主被写体が静止しているか否かを判断する。この判断に、顔検出情報、動き検出情報及び追尾結果情報を利用可能である。ここでは、主被写体が人物であることを想定する(主被写体としての人物は2以上でありうる)。そうすると、セルフタイマ制御部54は、顔検出情報を用いて対象領域内に位置している人物を主被写体に設定した後、主被写体の動きの大きさを動き検出情報及び追尾結果情報を用いて監視する。そして、セルフタイマ制御部54は、入力画像上における主被写体の動きの大きさが所定の基準大きさ以下であるとき、主被写体が静止している(即ち、主被写体に動きが無い)と判断することができ、そうでないとき、主被写体が静止していない(即ち、主被写体に動きが有る)と判断することができる。被写体が静止していることと被写体の動きが無いことは同義であり、被写体が静止していないことと被写体の動きが有ることは同義である。
【0032】
ステップS22において主被写体が静止していると判断された場合、ステップS23において、セルフタイマ制御部54は、静止している主被写体の画像信号に基づき対象評価値を取得する(即ち、静止している主被写体の画像信号に基づく評価値を対象評価値として評価値取得部53に取得させる)。具体的には、評価値取得部53は、ステップS22にて主被写体が静止していると判断された時点の入力画像を評価入力画像に設定すると共に、評価入力画像において主被写体の画像信号が位置している画像領域を含む画像領域を評価領域に設定する。その後、例えば、評価値取得部53は、評価領域内の画像信号の空間周波数成分に応じたAF評価値、評価領域内の輝度に応じたAE評価値及び評価領域内の色バランスに応じたAWB評価値を、対象評価値として求める。
【0033】
ステップS22において、主被写体が静止していないと判断された場合、ステップS22からステップS24への移行が発生する。ステップS24への移行が発生する場合、撮影者自身が主被写体になる所謂セルフ撮影の可能性が考えられる。ステップS24において、セルフタイマ制御部54は、順次得られる顔検出結果、動き検出結果及び追尾結果情報を参照して、主被写体が静止するのを待機し、主被写体が静止してから主被写体の画像信号に基づき対象評価値を取得する。主被写体が静止しているか否かの判断は、上述した通りである。評価値取得部53は、主被写体が静止していると判断された時点の入力画像を評価入力画像に設定して、上述の方法に従い、評価入力画像の評価領域から対象評価値を取得することができる。尚、ステップS24において、セルフタイマ期間の満了直前まで待っても主被写体の静止が認められない場合には、セルフタイマ期間の満了直前の入力画像から対象評価値が取得される。
【0034】
ステップS23又はS24にて対象評価値を取得した後、ステップS25において、セルフタイマ制御部54は、対象評価値に含まれるAF評価値に基づき主被写体のピント状態が最適化されるようにフォーカスレンズ31の位置を制御(AF制御)すると共に、対象評価値に含まれるAE評価値に基づき主被写体の露出が最適化されるように絞り32の開度及びAFE12における信号増幅度を制御(AE制御)する。
【0035】
その後、ステップS26において、セルフタイマ制御部54は、経過時間TELが予め定められた待機時間に達するまで対象画像の撮影を待機し、経過時間TELが待機時間に達すると(即ち、セルフタイマ期間が満了すると)、ステップS27にて対象画像を撮影する。より具体的には、経過時間TELが待機時間に達した時点で撮像部11から得られる入力画像に対して、対象評価値に応じた特定画像処理を施し、特定画像処理後の入力画像を対象画像として得る。対象評価値に応じた特定画像処理は、対象画像の画質を最適化するための画像処理であり、例えば、輪郭強調処理、色補正処理、色強調処理、コントラスト調整処理及びノイズ低減処理を含む。
【0036】
フォーカスロックが成されている場合、ステップS21〜S27の処理の代わりに、ステップS31〜S37の処理が成される。ステップS35においてフォーカスレンズ31の位置の制御(AF制御)が成されないことを除き、ステップS31〜S37の処理はステップS21〜S27の処理と同様である。
【0037】
本実施例によれば、セルフタイマ期間中の時間を利用することで、対象画像の画質適正化に利用される対象評価値を、主被写体の状態を考慮して良好に取得することができる(
主被写体の評価値を精度良く取得することができる)。この際、ステップS23及びS24の如く、主被写体の動きが無いと判断されたタイミングの主被写体の画像信号から対象評価値を取得する。これにより、対象評価値をより適正化することができる(主被写体が動いているとき得たAF評価値等では、対象画像の画質最適化が難しい)。
【0038】
<<第2実施例>>
図6を参照して、撮像装置1の第2実施例を説明する。図6は、第2実施例に係る撮像装置1の動作フローチャートである。第2実施例では、第1実施例のステップS22〜S24の処理の代わりに、ステップS22a及び23aの処理が実行され、且つ、第1実施例のステップS32〜S34の処理の代わりに、ステップS32a及び33aの処理が実行される。これらを除き、撮像装置1の動作は、第1及び第2実施例間で同じである。同様の動作に関する重複する説明を割愛する。
【0039】
ステップS21に続くステップS22aにおいて、セルフタイマ制御部54は、撮影領域(入力画像の画像領域)内に存在している被写体の内、静止している被写体(即ち、動きの無い被写体)を主被写体に設定する。この設定に、顔検出情報、動き検出情報及び追尾結果情報を利用可能である。
【0040】
ここでは、説明の簡略化上、撮像装置1の被写体には、常に静止している静止被写体と常に動いている動被写体しか存在していないと考える。図7に、静止被写体及び動被写体が存在する撮影領域(入力画像)の例を示す。この場合、セルフタイマ期間中において、セルフタイマ制御部54は、動き検出情報及び追尾結果情報に基づき撮像装置1の各被写体を静止被写体又は動被写体に分類し、静止被写体を主被写体に設定する。この際、主被写体に設定されるべき被写体の存在領域に制限を加えても良い。即ち、静止被写体の内、撮像装置1の撮影領域中の所定領域(入力画像の画像領域中の所定領域;例えば中央領域)内に位置している被写体のみを主被写体に設定するようにしてもよい。また、顔検出情報を利用し、人物を優先的に主被写体に設定するようにしてもよい。セルフタイマ制御部54は、入力画像上における注目被写体の動きの大きさが所定の基準大きさ以下であるとき、注目被写体が静止被写体である(注目被写体が静止している)と判断することができ、そうでないとき、注目被写体が動被写体である(注目被写体が静止していない)と判断することができる。
【0041】
ステップS22aにて主被写体を設定した後、ステップS23aにおいて、セルフタイマ制御部54は、静止している主被写体の画像信号に基づき対象評価値を取得する。この取得方法は、第1実施例のステップS23のそれと同様である(静止している主被写体の画像信号を含む入力画像を上記の評価入力画像に設定すると良い)。対象評価値の取得後、ステップS25〜S27の処理が実行される。
【0042】
フォーカスロックが成されている場合、ステップS21、S22a、S23a、S25〜S27の処理の代わりに、ステップS31、S32a、S33a及びS35〜S37の処理が成される。ステップS35においてフォーカスレンズ31の位置の制御(AF制御)が成されないことを除き、ステップS31、S32a、S33a及びS35〜S37の処理はステップS21、S22a、S23a、S25〜S27の処理と同様である。
【0043】
実際には、任意の被写体は静止したり動いたりする。従って、セルフタイマ期間中において、セルフタイマ制御部54は、動き検出情報及び追尾結果情報に基づき一定時間以上継続して静止していると判断される被写体を、主被写体に設定するようにしてもよい。
【0044】
セルフタイマ期間中に静止している被写体は、主たる撮影対象であると考えられる。そこで、セルフタイマ期間中の時間を利用して静止被写体を見つけ、静止被写体を主被写体に設定した上で対象評価値を取得する。これにより、対象画像の画質適正化に利用される対象評価値を、主被写体の状態を考慮して良好に取得することができる。
【0045】
<<変形等>>
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。上述の実施形態に適用可能な注釈事項として、以下に、注釈1及び注釈2を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
【0046】
[注釈1]
撮像装置1は、任意の機器(携帯電話機などの携帯端末)に搭載されるものであっても良い。
【0047】
[注釈2]
図1の撮像装置1を、ハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成することができる。ソフトウェアを用いて撮像装置1を構成する場合、ソフトウェアにて実現される部位についてのブロック図は、その部位の機能ブロック図を表すことになる。ソフトウェアを用いて実現される機能をプログラムとして記述し、該プログラムをプログラム実行装置(例えばコンピュータ)上で実行することによって、その機能を実現するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 撮像装置
11 撮像部
30 ズームレンズ
31 フォーカスレンズ
33 撮像素子
51 動き検出部
52 顔検出部
53 評価値取得部
54 セルフタイマ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の画像信号を出力する撮像部と、
前記撮像部の出力信号に基づき前記被写体の動きを検出する動き検出部と、
所定操作を受けた後、所定時間後に前記撮像部を用いて対象画像を撮影するセルフタイマ制御部と、を備えた撮像装置において、
前記セルフタイマ制御部は、前記所定操作を受けてから前記所定時間が経過するまでのセルフタイマ期間中において、前記動き検出部の検出結果及び前記撮像部の出力信号に基づき評価値を取得し、前記評価値に応じた条件にて前記対象画像を撮影する
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記セルフタイマ制御部は、前記動き検出部を用いて前記被写体の動きの有無を判断し、前記セルフタイマ期間中において、動きが無いと判断した被写体の画像信号から前記評価値を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記被写体は、当該撮像装置の撮影領域中の所定領域内に位置する主被写体を含み、
前記セルフタイマ制御部は、前記セルフタイマ期間中において、前記主被写体の動きが無いと判断したタイミングに前記主被写体の画像信号から前記評価値を取得する
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−46208(P2013−46208A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182505(P2011−182505)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】