説明

操作パネルの表示部の照明構造

【課題】白色光等の広範な波長領域を含む光を出射する光源により複数の色を発光する表示部をそれぞれ照明しつつ、各表示部の発光色の濁りを防止することができる操作パネルの表示部の照明構造を提供する。
【解決手段】情報を表示する複数の表示部8、10、11を外側に有する操作パネルの内側に主光源12とは別に調整光源13を配置し、この調整光源13から発する可視光を利用して、色味の調整を必要とする表示部8、10、11を透過した光の色彩の色味の増強を図り、各表示部8、10、11の発光色の濁りを防止する。そして、主光源12と調整光源13との合計数は、表示部8、10、11が有する発光色の色彩の総数よりも少なくなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば車両用空調装置等に用いられる操作パネルに関し、特にこの操作パネルの各種情報を搭乗者に提供する表示部を照明するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用空調装置の操作パネルは、夜間やトンネル内等における空調機器の操作時の視認性を確保し、操作パネルのデザイン性を向上させるために、搭乗者に各種情報を提供する表示部を照明するようになっている。このような表示パネルを照明する構造の一例について概説すると、例えば特許文献1に示されるように、白色光を出射する白色LED等の光源と可視光のうちの所定の波長域の光のみを透過させる標示部とを用いた構成となっている。
【0003】
そして、特許文献2に示されるように、例えば、第1表示を赤色に発光させ、第2表示を緑色に発光させ、第3表示を青色に発光させる場合に、これらの表示の発光色の合計数と一致させるかたちで、赤色光のみを透過させる第1カラーフィルタ、緑色光のみを透過させる第2カラーフィルタ及び青色光のみを透過させる第3カラーフィルタを適宜配置する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−123197号公報
【特許文献2】特開2007−41171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の標示部を透過する可視光の波長域は、例えば赤色用標示部であっても、図7(b)に示されるように透過分布特性を持つために赤色の波長域の可視光に限定されず、オレンジ色、黄色等の赤色の波長域に近い波長域の可視光の一部も透過してしまうので、白色光を出射する光源のみを用いたのでは、図7(c)に示されるような白色光の波長分布及び標示部の上記図7(b)の特性から、赤色用標示部を透過してきた光は、図7(a)に示されるように、赤色光110とオレンジ色光、黄色光等の雑成分120(120a乃至120d)とが混在して濁り、所望する鮮やかさで赤色表示が得られない場合がある。このような発光色の濁りは、緑色用標示部及び青色用標示部等においても、白色光を出射する光源のみを用い場合には同様に表れる。
【0006】
この点、特許文献2においては、白色発光ダイオード(LED)等の白色光を出射する光源を用いずに、異なる色の有色光を出射することができる光源を複数用いる構成、すなわち上記のように例えば第1標示部を赤色に発光させ、第2標示部を緑色に発光させ、第3標示部を青色に発光させる場合には、これらの表示にそれぞれ赤色LED、緑色LED、青色LEDからの赤色光、緑色光、青色光を、カラーフィルタを透過させつつ照射する構成を採ることにより、所望の色彩通りに各表示を発光させることを図っている。
【0007】
もっとも、特許文献2に示されるように、標示部の発光色の総数に対応して複数のそれぞれ異なる発光色のLEDを用いた場合には、操作パネルの製造コストが相対的に高くなると共に、基板に配置されるLEDの設置総和面積も大きくなってしまい、基板に配置される他の部品のレイアウトが困難となるという不具合を有する。
【0008】
そこで、本発明は、白色光等の広範な波長領域を含む光を出射する光源により複数の色を発光する表示部をそれぞれ照明しつつ、各表示部の発光色の濁りを防止することができる操作パネルの表示部の照明構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る操作パネルの表示部の照明構造は、情報を表示する複数の表示部を外側に有する操作パネルにおいて、前記表示部は、前記操作パネルの内側に配置された主光源から入射される所定長の可視光を受けて任意の色に発光すると共に、一の表示部の発光色と他の表示部の発光色とを異ならせることが可能であり、更に、前記操作パネルの内側に、前記表示部のうち調整を必要とする表示部の輝度及び/又は色味を増強させる光を発することが可能な調整光源が配置されていることを特徴としている(請求項1)。ここで、主光源から発する光は例えば白色光や黄色光であり、主光源は例えば白色LEDや電球である。操作パネルは、例えば車両等の空調を操作するためのものである。表示部は、文字や数字や図形、記号その他の意匠等の情報提供手段を表示するものである。これらの字句の説明はこの課題を解決するための手段の欄に記載された以下の段落でも同様である。
【0010】
これにより、所定の表示部を照明する光の輝度が足りなかったり、所定の表示部を透過した色彩の色味が濁ったりすることが表示部を操作パネルに組み付けた後に判明した場合でも、主光源とは別に、調整を必要とする色彩の有色光を発することが可能な調整光源が配置されているので、調整光源をONにすることによって、輝度が増加し、又は所望の色彩の色味が増強されて鮮やかになりカラーフィルタを透過した光の色彩が所望の色彩に比して濁るのを防止することができる。
【0011】
また、この発明に係る操作パネルの表示部の照明構造は、情報を表示する複数の表示部を外側に有する操作パネルにおいて、前記表示部は、前記操作パネルの内側に配置された主光源から入射される所定長の可視光を受けて任意の色に発光すると共に、一の表示部の発光色と他の表示部の発光色とを異ならせることが可能であり、更に、前記操作パネルの内側に、前記表示部のうち調整を必要とする表示部の輝度及び/又は色味を増強させる光を発する調整光源を配置することが可能な構成としたことを特徴としている(請求項2)。
【0012】
これにより、所定の表示部を照明する光の輝度や、所定の表示部を透過した色彩の色味の調整が要請されても、表示部は調整を必要とする表示部の輝度及び/又は色味を増強させる光を発する調整光源を配置することが可能な構成としているので、表示部に対し容易に調整光源の配置をすることができ、表示部の輝度の増加及び/又はカラーフィルタを透過した光の調整をすることが可能である。
【0013】
そして、この発明に係る操作パネルの表示部の照明構造にあっては、前記主光源と前記調整光源との合計数が前記複数の情報表示部の発する光の色の合計数よりも少ないことを特徴としている(請求項3)。このように、全ての表示部が発する光の色の合計数よりも光源の数を少なくしたので、表示部の有する色の合計数と光源数とを同じにする場合に比較して光源の数が減少し、しかも、表示部から発する有色光の輝度やその色味を所望のものに十分に調整可能であることから、操作パネル全体としての生産性が向上される。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、請求項1乃至請求項3に記載の発明によれば、所定の表示部を透過する有色光の輝度が足りず、或いはその色彩の色味が濁っていることが、表示部を操作パネルに組み付けた後に判明した場合でも、この調整したい表示部の色彩と同じ有色光を発することが可能な調整光源を主光源とは別に配置することが可能であるため、この調整光源にて輝度や色味の調整を行うことができることから、調整作業が簡易であり、表示部の交換、再製作を不要とすることができる。
【0015】
特に請求項3に記載の発明によれば、全ての表示部が発する光の色の合計数よりも光源の数を少なくしたことにより、表示部の有する色の合計数と光源数とを同じにする場合に比較して光源の数が減少したのにかかわらず、表示部から発する有色光の輝度やその色味を所望のものに十分に調整可能であることから、操作パネルとしての生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1(a)は、シーソー式スイッチを用いた操作パネルのケースの一部を示す概略図であり、図1(b)は、図1(a)の操作パネルのケースの一部からシーソー式スイッチの操作ノブを外した状態を示す概略図である。
【図2】図2は、シーソー式スイッチの操作ノブを裏側から見た状態を示す説明図である。
【図3】図3は、本発明の一例として、パネルの3つの表示部を主光源と調整光源との2つの光源で照明する構成を示す概略図である。
【図4】図4(a)は、調整光源によりカラーフィルタの透過後でも所望の色彩の色味が増強された状態を示す説明図であり、図4(b)は、カラーフィルタの透過特性を示す説明図であり、図4(c)は、主光源及び調整光源からの光の出力分布を示した説明図である。
【図5】図5は、回転式スイッチを用いた操作パネルのケースの一部を示す概略図である。
【図6】図6は、図5の操作パネルのケースの一部について回転式スイッチの操作ノブを外して裏側から見た状態を示す概略図である。
【図7】図7(a)は、調整光源を用いない場合のカラーフィルタ透過後における色彩の濁りを示す説明図であり、図7(b)は、カラーフィルタの透過特性を示す説明図であり、図7(c)は、主光源からの光の出力分布を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1(a)及び(b)において、例えば車両用空調装置の操作パネルのケース構成部品1の一部が示されており、このケース構成部品1は、図1(b)に示されるように、貫通孔2を有し、この貫通孔2の周囲には、遮光性を有する素材から成り又はマスキング等の遮光用の加工が施された枠体3aが配置されている。この枠体3aは、例えば図3に示されるように後述する主光源12、調整光源13を有する基板4まで達しており、これらの光源12、13からの光が不用意に漏れるのを防止している。
【0019】
このケース構成部品1の枠体3には、図1(a)及び図3に示されるように、操作ノブ6等から成るシーソー式スイッチ5が組み付けられている。もっとも、シーソー式スイッチ5自体は公知のものであるので、これらの図では、操作ノブ6以外の具体的な構成を省略している。このようなシーソー式スイッチ5においても、操作ノブ6を傾動操作することにより、例えば車両用空調装置にあってはAUTOエアコンのON/OFF、送風機等の空調機器のON/OFF等の各種制御を行うことが可能である。
【0020】
そして、操作ノブ6は、この実施例では、図1に示されるように、長方形状の面6aの長手方向の一方側に円状の膨出部7を形成し、この膨出部7の外面に上向きの三角形状の表示部8を配置すると共に、長方形状の面6aの長手方向の他方側に円状の膨出部9を形成し、この膨出部9の外面に下向きの三角形状の表示部10を配置し、更に、長方形状の面6aのうち表示部8、10の間となる部位の外面に円形状の表示部11を配置したものとなっている。更に、例えば、表示部8は赤色、表示部10は青色、表示部11は黄色又は白色に着色されて、それぞれの表示部8、10、11を視認により識別することが可能になっている。
【0021】
また、操作ノブ6は、例えば、透光性を有する素材で面6aを有する部分を形成する一方で、表示部8、10、11を残して、遮光性の塗料等により面6aを塗装し、又は遮光性の被膜を面6aに装着すること等により、表示部8、10、11の範囲のみが透光性を有するものとなっており、更に、表示部8には赤色のカラーフィルタが配置され、表示部10には青色のカラーフィルタが配置されていると共に表示部11には何も配置されていないか白色若しくは黄色のカラーフィルタが配置されたものとなっている。図2に示されるように、操作ノブ6の裏側には枠体3aと嵌合する枠体嵌合部3bが形成されており、図1(b)に示されるシーソー式スイッチ5に操作ノブ6を取り付けることによって、図3に示されるように、枠体3a、基板4、及び操作ノブ6により区画された閉空間が形成される。そして、操作ノブ6の面6aに対し外面とは反対側からバックライトとして白色等の波長域の広い可視光を出す主光源12を配置した場合には、主光源12から発せられた可視光が面6aに向けて照射されて、表示部8、10、11を光が透過するので、夜間やトンネル内等でも表示部8、10、11の位置をその発光若しくは有色光により視認することが可能である。この主光源12には、例えばLEDのチップ等が用いられるが、それ以外の光源、例えば既存の白色電球等を用いても良い。
【0022】
ところで、この操作パネルのケース構成部品1は、図3に示されるように、白色等の波長域の広い可視光を出射する主光源12とは別に調整光源13も有している。この調整光源13も、例えばLEDのチップ等が使用され、赤色域、青色域、緑色域等の特定の波長域のみの可視光を出射することが可能なものが用いられる。
【0023】
更に、調整光源13と主光源12との合計数は表示部が有する色彩の総数よりも少なくなっている。すなわち、この実施例では、表示部8の発光色が赤色、表示部10の発光色が青色、表示部11の発光色が白色又は黄色である場合には、表示部が有する色彩の総数が3つであることから主光源12と調整光源13との合計数が2つになるように、調整光源13の数は1つとなっている。一方で、調整光源13は、調整の必要がないときには発光しないように、ON/OFF可能としても良いものとなっている。
【0024】
以上の構成において、操作パネルのケース構成部品1にシーソー式スイッチ5を組み付けて、表示部8、10、11の発光テストを行った場合等において、表示部8から発する赤色の輝度が低く暗いとか、白濁化してピンク色になっている等が判明した場合には、調整光源13として赤色LED等の赤色の波長域を出射するものを基板4に装着し、照明具合を調整する。
【0025】
これにより、図4(b)に示されるように、カラーフィルタの透過特性として、所望の色彩(波長)110のみならず、雑成分120、すなわち所望の色彩に近似する領域の色彩(波長)の可視光についてその一部を透過させてしまう場合であっても、図4(c)に示されるように、主光源12から出射される白色等の波長域の広い可視光の出力分布100と、調整光源13から出射される赤色の域の可視光の出力分布101との和102が得られることとなる。従って、図3(a)に示されるように、所望の色彩(本件では赤色)110のみならずこれに近似する領域の色彩の雑成分120たる可視光が透過することは変わらないが、赤色の領域の可視光の光出力量102が図4(c)の主光源と調整光源とから主射される可視光の出力分布の和として示されるように増大するので、カラーフィルタを透過する所望の色彩110の割合を増やして、色彩の濁りを抑制することができる。また輝度も高めることができる。
【0026】
更にまた、全ての表示部8、10、11が発する光の色の合計数である3つよりも光源12、13の総数を2つと少なくしたので、表示部の有する色の合計数と光源数とを同じにする場合に比較して光源の数が減少することから、操作パネル全体としての生産性が向上される。
【0027】
尚、所望の色彩の輝度や色彩の鮮やかさの調整手段としては、調整光源13に入力する電流量を適宜調整し、調整光源13からの出射量を調整することが挙げられる。このような調整手段を有することにより、光透過率を修正したカラーフィルタを再制作して輝度や色彩の鮮やかさの調整を行う場合に比べて、容易に所望する状態を得ることができる。
【0028】
これまで示されてきた車両用空調装置の操作パネルのケース構成部品1の例示においては、シーソー式スイッチ5が使用され、しかも、このケース構成部品1とは別部品のシーソー式スイッチ5の操作ノブ6に表示部8、10、11がある場合について説明してきたが必ずしもこれに限定されるものではない。
【0029】
以下、回転式スイッチ14、15、16が使用され、且つケース構成部品1のケース19の外面に26乃至48を有する態様について、図5及び図6を用いて説明する。但し、先の実施例と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0030】
回転式スイッチ14、15、16は、それ自体は公知のもので、図6に示されるケース19の貫通孔20、21、22に、図5に示される操作ノブ23、24、25をそれぞれ装着することで基本的に構成されている。ここで、回転式スイッチ14は、空調モードをベントモード、バイレベル(B/L)モード、フットモード、デフフット(D/F)モード、デフモードのいずれかに切り換えるためのものであり、回転式スイッチ15は、送風機の回転速度を0から4までの範囲で増減するためのものであり、回転式スイッチ16は、吹き出し空気の温度を調整するためのものである。また、プッシュ式スイッチ17は、デフモードにするためのものであり、プッシュ式スイッチ18は、AUTOエアコンをON/OFFするためのものである。
【0031】
ケース19は、回転式スイッチ14の操作ノブ23の円状の基部の周囲となる部位に、各モード及びモードとモードとの間を示す表示部26乃至34が表され、回転式スイッチ15の操作ノブ24の円状の基部の周囲となる部位に、送風機及び送風機の回転数を示す表示部35乃至40が表され、更に、回転式スイッチ15の操作ノブ25の円状の基部の周囲となる部位に、設定温度の最低値、設定温度の最高値、及びその間の設定温度の値を簡易的に示した表示部41乃至48が表されている。そして、回転式スイッチ16は、この実施例では、表示部41乃至44が青色に着色されると共に表示部45乃至48が赤色に着色されて、冷暖房の区別を視認することができるようになっている。回転式スイッチ14の表示部26乃至34及び回転式スイッチ15の表示部35乃至40は、この実施例では、その色彩は基本的にカラーフィルタを透過した可視光の色彩に委ねられている。
【0032】
また、ケース19は、図6に示されるように、内面側から見て、回転式スイッチ14、15、16の操作ノブ23、24、25の円状の基部の周囲となる部位において、窪み部49、50、51が円環状に形成されている。更に、窪み部51は、この実施例では、仕切り壁52が形成されて、窪み部51を窪み部51aと窪み部51bとに区分けしている。
【0033】
そして、ケース19は、少なくとも窪み部49乃至51の貫通孔20乃至22の周縁面について、先の実施例の操作ノブ6の面6aと同様に、例えば、透光性を有する素材で形成する一方で、各表示部26乃至48を残して、遮光性の塗料等により窪み部49乃至51を塗装し、又は遮光性の被膜を窪み部49乃至51に装着すること等により、表示部26乃至48の範囲のみが透光性を有するものとなっている。更に、表示部41乃至44には青色のカラーフィルタが配置され、表示部45乃至48には赤色のカラーフィルタが配置されており、表示部26乃至34及び表示部35乃至40表示部には所望の色彩のカラーフィルタが配置されている。これにより、ケース19の窪み部49乃至51の貫通孔20乃至22周縁面に対し外面とは反対側からバックライトとして白色等の波長域の広い可視光を出す主光源12を配置した場合には、図3に示される場合と同様に、主光源12から発せられた可視光が窪み部49乃至51の貫通孔20乃至22周縁面に向けて照射されて、表示部26乃至48を光が透過するので、夜間やトンネル内等でも表示部26乃至48の位置をその発光若しくは有色光により視認することが可能である。
【0034】
ここで、例えば赤色のカラーフィルタが配置された表示部45乃至48の輝度や色彩の濁りへの調整が必要となった場合には、表示部45乃至48に照射可能な位置に調整光源13となる赤色LED等を装着する。これにより、図3(a)に示されるように、赤色の領域の可視光の出力量102が増大するので、表示部45乃至48を透過する可視光における所望の色彩110の量や割合を増大することができ、輝度不足や濁りによる色彩の不鮮明を解消することができる。
【0035】
尚、赤色LEDから出射された赤色波長の可視光が、表示部45乃至48だけでなく、青色のカラーフィルタが配置された表示部41乃至44にも到達するような設定がなされていても、赤色LEDから出射された赤色波長の可視光による表示部41乃至44の輝度や色彩への影響は出ない。これは、青色のカラーフィルタは青色の波長及びその近傍の波長の一部のみを透過する特性を有しているので、この青色のカラーフィルタに赤色の波長を照射したとしても、赤色の波長が青色のカラーフィルタを透過することがないことによるものである。
【0036】
ところで、例えば、回転式スイッチ14において、表示部26乃至表示部34を透過する発光色の色彩の総数が例えば4つの場合には、図示しないが、主光源の他に調整光源が2つ基板に配置されたものとなっており、この調整光源により先の実施例と同様にカラーフィルタを透過した色彩の濁りを抑制することができ、また輝度も高めることができる。
【符号の説明】
【0037】
1 ケース構成部品
2 貫通孔
3a 枠体
3b 枠体嵌合部
4 基板
5 シーソー式スイッチ
6 操作ノブ
7 膨出部
8 表示部
9 膨出部
10 表示部
11 表示部
12 主光源
13 調整光源
14乃至16 回転式スイッチ
17及び18 プッシュ式スイッチ
19 ケース
20乃至22 貫通孔
23乃至25 操作ノブ
26乃至48 表示部
49乃至51 窪み部
52 仕切り壁
100 主光源から主射される可視光の出力分布
101 調整光源から主射される可視光の出力分布
102 主光源と調整光源とから主射される可視光の出力分布の和
110 所望の色彩
120 雑成分


【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する複数の表示部を外側に有する操作パネルにおいて、
前記表示部は、前記操作パネルの内側に配置された主光源から入射される所定長の可視光を受けて任意の色に発光すると共に、一の表示部の発光色と他の表示部の発光色とを異ならせることが可能であり、
更に、前記操作パネルの内側に、前記表示部のうち調整を必要とする表示部の輝度及び/又は色味を増強させる光を発することが可能な調整光源が配置されていることを特徴とする操作パネルの表示部の照明構造。
【請求項2】
情報を表示する複数の表示部を外側に有する操作パネルにおいて、
前記表示部は、前記操作パネルの内側に配置された主光源から入射される所定長の可視光を受けて任意の色に発光すると共に、一の表示部の発光色と他の表示部の発光色とを異ならせることが可能であり、
更に、前記操作パネルの内側に、前記表示部のうち調整を必要とする表示部の輝度及び/又は色味を増強させる光を発する調整光源を配置することが可能な構成としたことを特徴とする操作パネルの表示部の照明構造。
【請求項3】
前記主光源と前記調整光源との合計数が前記複数の表示部の発する光の色の合計数よりも少ないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の操作パネルの表示部の照明構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−237694(P2011−237694A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110651(P2010−110651)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(500309126)株式会社ヴァレオジャパン (282)
【Fターム(参考)】