説明

操作位置検出装置及びシフト操作位置検出装置

【課題】操作手段の操作位置を検出する際のその検出精度を高いものとすることができる操作位置検出装置及びシフト操作位置検出装置を提供する。
【解決手段】シフトレバーが操作された際、スライダ34によって一対のセレクト側リテーナ38a,38bのうちの一方が押し込まれ、マグネット部品31(マグネット17)が収納されたホルダ23が、一対のリテーナ38a,38bの他方によって押されて、マグネット部品31がレバーに追従する動きをとる。そして、マグネット部品31のマグネット17を磁気センサ16で検出することにより、シフトレバーの操作位置を検出する。また、スライダ34とセレクト側リテーナ38との間に、Y軸方向の部品間バラツキを抑制するスライダ−リテーナ隙間Wa1を形成する。さらに、ホルダ23とセレクト側リテーナ38aとの間に、Y軸方向の部品間バラツキを抑制するスライダ−リテーナ隙間Wb1を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作手段の操作位置を検出部及び被検出部の位置関係を基に検出する操作位置検出装置及びシフト操作位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両では、車両のギア変速比を車速やエンジン回転数等に応じて自動で切り換える自動変速機によって走行するオートマチック車両が広く普及している。この種のオートマチック車両では、車両の運転席に自動変速機のレンジを切り換えるときに操作するシフトレバー(セレクトレバー)が設けられ、主にパーキングレンジ、ニュートラルレンジ、リターンレンジ、ドライブレンジ等に操作可能となっている。また、シフトレバーには、レバーの操作レンジ位置を検出するレバー位置検出装置が設けられ、この検出装置でレンジ位置を検出して自動変速機のギア位置が切り換えられる。なお、この種の検出装置は、例えば特許文献1等に開示されている。
【0003】
図20に、例えばシフトバイワイヤ構造のシフトレバー装置81を図示すると、シフトレバー装置81のハウジング82には、同装置81の操作箇所としてシフトレバー83がレバー中央付近の回動軸84を支点に回動可能(揺動可能)な状態で組み付けられている。また、シフトレバー装置81には、シフトレバー83の操作レンジ位置を検出するレバー位置検出装置85が設けられている。このレバー位置検出装置85が磁気式の場合、シフトレバー83の先端には、ボールジョイント86を介してマグネット87が取着されている。また、ハウジング82の内面においてマグネット87と向き合う位置には、マグネット87からの発生磁界を検出する磁気センサ88が複数取り付けられている。そして、シフトレバー83が回動操作された際には、ボールジョイント86によって平面方向に動くマグネット87の位置をこれら磁気センサ88によって割り出し、シフトレバー83のレンジ位置を判定する。
【特許文献1】特開2004−138235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、場合によっては、シフトレバー装置81に関係する各種部品に製造上のバラツキが発生したり、或いは部品組付の際に規定位置への組付ができていないことが原因で組付上のバラツキが発生したりすることが想定される。このとき、この種のバラツキが原因で、例えばシフト操作時においてシフトレバー83を目一杯倒し操作したにも拘わらず、シフトレバー83のストローク量が足りずにマグネット87が磁気センサ88に到達しなかったり、或いはマグネット87が磁気センサ88をオーバーランして磁気センサ88を通り過ぎたりすることもある。このような場合には、マグネット87が磁気センサ88に対して正規位置をとらないので、これはレンジ位置検出を精度良く行うことができない問題に繋がる。
【0005】
ところで、この種のシフトレバー装置81において各種部品の製造上のバラツキや部品組付上のバラツキは、製造精度や組付精度の関係上、全く発生しないようにするには限界があり、どうしても発生してしまうものであることは否めないのが現状である。よって、この種の部品間バラツキが発生してもレンジ位置検出精度(センシング精度)を確保できる技術、即ちこの種のバラツキを許容した高いレンジ位置検出精度を持つ技術の開発が要望されていた。
【0006】
本発明の目的は、操作手段の操作位置を検出する際のその検出精度を高いものとすることができる操作位置検出装置及びシフト操作位置検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するために、本発明では、操作手段に検出部及び被検出部の一方として第1検出体を設け、前記操作手段を可動可能に支持する支持手段に、前記した2者の他方として第2検出体を設け、前記操作手段の操作の際に前記2つの検出体の位置関係に応じて変わる前記検出部の検出値により、前記操作手段の操作位置を検出する操作位置検出装置において、前記操作手段と前記第1検出体とを間接的に連結するとともに、前記操作手段が操作された際には、該操作の反対方向から保持部材を介して前記第1検出体を押す付勢部材が撓んで、前記第1検出体が前記操作手段に追従して動いて前記操作位置の検出を許容しつつ、前記操作手段及び前記保持部材の間に形成された隙間と、前記操作手段を最大量操作位置付近まで操作した際に前記第1検出体は止まるものの前記保持部材が動くことによりこれらの間に生じ得る隙間とのうち、少なくとも一方の隙間を持つバラツキ吸収機構を備えたことを要旨とする。
【0008】
この構成によれば、操作手段を操作した際には、バラツキ吸収機構が利いて操作手段や第1検出体が好適な位置に動く動作をとる。よって、操作手段及び第1検出体の間に部品バラツキや組付バラツキが発生していても、このバラツキが吸収される。このため、操作手段を操作した際における第1検出体を、支持手段側の第2検出体に対して好適な位置に配置することが可能となり、高い位置検出精度を確保することが可能となる。
【0009】
本発明では、前記操作手段は、複数の操作方向に沿って操作可能であり、前記バラツキ吸収機構は、複数の操作方向に亘り操作可能な前記操作手段の操作位置を検出すべく、前記操作方向の数に合わせて複数設けられていることを要旨とする。
【0010】
この構成によれば、複数の操作方向(操作軸)に沿って操作可能な操作手段の操作位置を検出することが可能となる。
本発明では、前記バラツキ吸収機構を各々の操作方向に沿って複数設ける場合、上側に位置するバラツキ吸収機構の部品群を、下側に位置するバラツキ吸収機構のベース部材に収納し、これを前記下側のバラツキ吸収機構における前記第1検出体の部品群とすることを要旨とする。
【0011】
この構成によれば、操作手段を多軸方向に操作可能な構造をとっていて、これらの各々のバラツキ吸収機構を設ける場合であっても、これら2者間で種々の部品の共用化を図ることが可能となるので、部品点数を極力少なく抑えることが可能となる。
【0012】
本発明では、操作軸の直行方向を回動軸とした回動操作が可能な操作手段から付与される回動運動を直線運動の力に変換することにより、前記第1検出体を直線移動させる操作力直線方向変換手段を備えたことを要旨とする。
【0013】
この構成によれば、操作手段が回動動作(揺動動作)をとるものであっても、この操作力は操作力直線方向変換手段によって第1検出体の直線運動に変換されて、第1検出体に伝達される。このため、第1検出体は直線運動をとる形式で済むので、往復動する第1検出体に関係する部品群を簡素な構造のものとすることが可能となる。
【0014】
本発明では、前記操作手段は、形状が棒状をなすレバー部材であって、当該レバー部材をその軸の略直交方向に向けて操作可能な直線操作式であることを要旨とする。
この構成によれば、操作手段を直線操作式としたので、この種の広く普及した操作位置検出装置に本構成の技術を応用することが可能となる。
【0015】
本発明では、前記操作手段は、偏心軸を中心として平面方向に回動操作が可能な偏心回動操作式であることを要旨とする。
この構成によれば、操作手段を偏心回動式としたので、この種の偏心回動操作式にも本構成の技術を応用することが可能となる。
【0016】
本発明では、車両の変速機を切り換える際に操作するシフト操作部に検出部及び被検出部の一方として第1検出体を設け、前記シフト操作部を可動可能に支持する支持手段に、前記した2者の他方として第2検出体を設け、前記シフト操作部の操作の際に前記2つの検出体の位置関係に応じて変わる前記検出部の検出値により、前記シフト操作部の操作位置を検出するシフト操作位置検出装置において、前記シフト操作部と前記第1検出体とを間接的に連結するとともに、これら両者を連結している部品間の間に隙間を持ち、当該装置に発生する部品位置に関するバラツキを前記隙間によって吸収するバラツキ吸収機構を備えたことを要旨とする。
【0017】
本発明では、車両の変速機を切り換える際に操作するシフト操作部に検出部及び被検出部の一方として第1検出体を設け、前記シフト操作部を可動可能に支持する支持手段に、前記した2者の他方として第2検出体を設け、前記シフト操作部の操作の際に前記2つの検出体の位置関係に応じて変わる前記検出部の検出値により、前記シフト操作部の操作位置を検出するシフト操作位置検出装置において、前記シフト操作部と前記第1検出体とを間接的に連結するとともに、前記シフト操作部が操作された際には、該操作の反対方向から保持部材を介して前記第1検出体を押す付勢部材が撓んで、前記第1検出体が前記シフト操作部に追従して動いて前記操作位置の検出を許容しつつ、前記シフト操作部及び前記保持部材の間に形成された隙間と、前記シフト操作部を最大量操作位置付近まで操作した際に前記第1検出体は止まるものの前記保持部材が動くことによりこれらの間に生じ得る隙間とのうち、少なくとも一方の隙間を持つバラツキ吸収機構を備えたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、操作手段の操作位置を検出する際のその検出精度を高いものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した操作位置検出装置及びシフト操作位置検出装置の第1実施形態を図1〜図16に従って説明する。
【0020】
図1に示すように、オートマチック車両には、自動変速機(トランスミッション)の動作状態を切り換える際に操作する装置としてシフタ装置1が設けられている。本例のシフタ装置1は、レンジ位置切り換えの際の操作箇所であるシフトレバー2が自動変速機に機械的ではなく電気的に繋がったシフトバイワイヤ構造がとられている。シフタ装置1には、車体への組み付け箇所として箱形状のケース3が設けられている。本例のシフタ装置1は、車内のセンターコンソールに配置されたフロア型に限らず、例えばステアリングコラムに配置されたコラム型や、センタークラスターに配置されたインストルメントパネル型の何れを採用してもよい。なお、シフトレバー2が操作手段(シフト操作部)を構成し、ケース3が支持手段に相当する。
【0021】
ケース3の本体部4には、略棒形状のシフトレバー2がケース3に対して車両前後方向及び車幅方向に沿って回動操作可能な状態で取り付けられている。ケース3の上部パネル5には、小文字のhを左右反転させた形状をとるガイド孔6が形成され、このガイド孔6からシフトレバー2がケース3の外に引き出されている。このガイド孔6は、奥行き方向(以降、シフト方向と記す)において短く延びる第1ガイド孔7と、同じく奥行き方向において長く延びる第2ガイド孔8と、これらガイド孔7,8を連結すべく左右方向(以降、セレクト方向と記す)に延びる第3ガイド孔9とからなる。
【0022】
シフトレバー2は、ガイド孔6の孔経路に沿って5位置をとり、第1ガイド孔7と第3ガイド孔9とが交わる位置が中立位置に設定され、第1ガイド孔7の孔終端がブレーキ位置(B位置)に設定されている。また、第2ガイド孔8と第3ガイド孔9とが交わる位置がニュートラル位置(N位置)に設定され、第2ガイド孔8の一方(図1では上)の孔終端がリバース位置(R位置)に設定され、第2ガイド孔8の他方(図1では下)の孔終端がドライブ位置(D位置)に設定されている。なお、シフトレバー2は、中立位置に常時位置する状態をとり、R、N、D、Bの各位置に操作された後にシフトレバー2から手を離すと、中立位置に自動復帰するモーメンタリ式をとっている。
【0023】
また、ケース3の内部には、シフトレバー2をシフト方向及びセレクト方向の両方向に操作可能に支持する連結部材10が設けられている。連結部材10は、セレクト方向に対して直行する第1軸線L1の軸回り(図1の矢印Ra方向)に沿って回動可能な状態でケース3の側壁に軸支されている。また、この連結部材10は、シフトレバー2の基端に形成された例えば拡径の四角リング形状をなすレバー連結部11に対し、シフトレバー2と第1軸線L1の軸回りに沿って一体回動可能な状態をとって通されている。このため、シフトレバー2のセレクト方向のレバー操作は、連結部材10が第1軸線L1回りに沿って回動する動作をとることを以て許容されている。また、ケース3と連結部材10との間には、中立位置からセレクト方向に操作されたシフトレバー2を元の中立位置に戻すときにシフトレバー2に付勢力を付与するセレクト側付勢部材12が設けられている。セレクト側付勢部材12は、例えばトーションバネ(ねじりコイルバネ)が使用されている。
【0024】
さらに、シフトレバー2は、この連結部材10に対して、シフト方向に対して直行する第2軸線L2の軸回り(図1の矢印Rb方向)に沿って回動可能な状態をとるべく、係止ピン13を介して取り付けられている。このため、シフトレバー2のシフト方向のレバー操作は、シフトレバー2が連結部材10に対して第2軸線L2回りに沿って回動する動作をとることを以て許容されている。また、シフトレバー2と係止ピン13と間には、中立位置からシフト方向に操作されたシフトレバー2を元の中立位置に戻すときにシフトレバー2に付勢力を付与するシフト側付勢部材14が設けられている。シフト側付勢部材14は、例えばトーションバネ(ねじりコイルバネ)が使用されている。
【0025】
また、ケース3の内部には、図2〜図8に示すように、シフトレバー2の操作レンジ位置を検出するレバー操作位置検出装置15が設けられている。本例のレバー操作位置検出装置15は、磁気センサ16とマグネット17とによりレバー位置検出を行う磁気式となっている。また、レバー操作位置検出装置15は、シフトレバー2をシフト方向又はセレクト方向にレバー操作したときのシフトレバー2の回動方向動作を平面方向動作(水平方向動作)に変換して位置検出部品(本例はマグネット17)を動作させる操作力平面方向変換機構Kss(図3参照)を持つとともに、シフトレバー2側に備え付けられる位置検出部品(本例はマグネット17)をシフトレバー2に直接連結せずに間接的に連結する間接連結機構18を持つ。また、この間接連結機構18には、シフトレバー2のシフト方向の動きを許容するシフト側間接連結機構18aと、シフトレバー2のセレクト方向の動きを許容するセレクト側間接連結機構18bとからなる。なお、磁気センサ16が第2検出体(検出部)に相当し、マグネット17が第1検出体(被検出部)に相当する。また、間接連結機構18(18a,18b)がバラツキ吸収機構に相当し、操作力平面方向変換機構Kssが操作力直線方向変換手段に相当する。
【0026】
まず、シフト側間接連結機構18aを説明すると、レバー操作位置検出装置15には、同検出装置15の各種部品を収める収納先として、上面が開口するとともに略箱形状をなしたベースプレート19が設けられている。このベースプレート19の上面には、ベースプレート19の開口を閉じる蓋部20が、プレート19の四隅にそれぞれネジ21,21…を螺着することによってベースプレート19に一体に組み付けられている。よって、これらベースプレート19及び蓋部20がレバー操作位置検出装置15のケースを構成することになる。
【0027】
また、ベースプレート19の裏面には、レバー操作位置検出装置15の各種電子部品の実装先として板状のPCボード(Printed Circuit Board:プリント回路基板)22が複数のネジ(図示略)によってベースプレート19に取り付け固定されている。このPCボード22の上面には、レバー操作位置検出装置15の磁気検出部品として磁気センサ16がPCボード22(即ち、ベースプレート19)に対して動かない状態で取り付けられている。また、この磁気センサ16は、例えばMRE(Magnetic Resistance Element:磁気抵抗素子)が使用されるとともに、複数のレンジ位置を検出すべく複数個配置されている。
【0028】
ベースプレート19の内部には、プレート内部の独立した部品収納先としてホルダ23がシフト方向(図2のX軸方向)に沿って往復動可能に取り付けられている。本例のホルダ23は、上面が開口するとともに、中央が広面積に形成されつつ、しかもそのセレクト方向両側が小面積をとる形状に形成されている。ベースプレート19の底面には、シフト方向に沿って延びる一対のホルダ用案内溝24,24が形成され、ホルダ23のシフト方向の移動がこのホルダ用案内溝24,24によって案内される。なお、ホルダ23がベース部材を構成する。
【0029】
また、ベースプレート19の内部には、シフト方向の両側からホルダ23をシフト方向において保持する一対のシフト側リテーナ25,25が収納されている。これらシフト側リテーナ25,25は、各々に取り付けられたシフト側付勢部材26,26によって互いに接近する方向に付勢され、ホルダ23をシフト方向中央位置に向かわせるように付勢する。なお、本例のシフト側リテーナ25は、手前側(図2の+X軸方向)のものを第1シフト側リテーナ25aとし、奥側(図2の−X軸方向)のものを第2シフト側リテーナ25bとする。また、本例のシフト側付勢部材26は、手前側のものを第1シフト側付勢部材26aとし、奥側のものを第2シフト側付勢部材26bとする。また、ベースプレート19の底面には、シフト方向に沿って延びる一対の案内溝27,27が各々のシフト側リテーナ25a,25bごとに形成され、シフト側リテーナ25a,25bのシフト方向の移動がこれら一対の案内溝27,27によって案内される。なお、シフト側リテーナ25(25a,25b)が保持部材を構成し、シフト側付勢部材26(26a,26b)が付勢部材を構成する。
【0030】
ホルダ23においてセレクト方向(図2のY軸方向)の両側には、ホルダ23をシフト方向において位置決めするときの押し当て箇所として一対の係止部28,28が形成されている。なお、これら係止部28,28は、ホルダ23においてセレクト方向両側の小面積を構成する部位に相当する。また、ベースプレート19の内部には、ホルダ23がシフト方向に移動したときの係止部28,28の当接先としてセレクト方向に並ぶ一対のシフト方向ストッパ部29、29が立設されている。本例のシフト方向ストッパ部29,29は、ホルダ23が手前側に移動したとき、即ちシフトレバー2をR位置に操作したときにホルダ23の移動を制限する手前側シフト方向ストッパ部29aと、ホルダ23が奥側に移動したとき、即ちシフトレバー2をB位置又はD位置に操作したときにホルダ23の移動を制限する奥側シフト方向ストッパ部29bとからなる。このため、ホルダ23は、シフトレバー2がR位置に操作された際、手前側シフト方向ストッパ部29aに係止部28が当接することでそれ以上の移動が制限され、シフトレバー2がB位置又はD位置に操作された際、奥側シフト方向ストッパ部29bに係止部28が当接することでそれ以上の移動が制限される。
【0031】
また、ホルダ23の中央位置には、同ホルダ23における大きめの収納部として大収納部30が設けられている。この大収納部30には、マグネット17が取り付いたマグネット部品31が収納されている。このマグネット部品31は、プラスチック製の本体部の裏面にマグネット17が固着された形状をとっている。また、マグネット部品31は、セレクト方向には往復移動可能ではあるものの、シフト方向には位置決め状態をとってホルダ23の大収納部30に収納されている。よって、マグネット部品31がシフト方向に移動した際には、ホルダ23も一体となってシフト方向に動き、マグネット部品31がセレクト方向に移動した際には、マグネット部品31のみがホルダ23に対してセレクト方向に移動する動きをとる。
【0032】
また、ベースプレート19の底壁中央部には、シフトレバー2がどのレンジ位置をとっていてもマグネット部品31のマグネット17を下方に露出させるベースプレート通し孔32が貫設されるとともに、ホルダ23の底壁中央部にも、同様の働きを持つホルダ通し孔33が貫設されている。これにより、マグネット部品31のマグネット17は、磁気センサ16との間に他の部品を介在することなく、磁気センサ16と直に向き合う位置状態をとる。なお、磁気センサ16とマグネット17との間は、必ずしも他部品が介在されないことに限定されず、例えば磁性体以外(例えば樹脂等)であれば、両者の間に部品が介在していても問題はない。
【0033】
さらに、ホルダ23(マグネット部品31も含む)の上面には、レバー操作位置検出装置15におけるシフトレバー2の連結先として、略平板形状をなしたスライダ34が平面方向に移動可能、要はシフト方向及びセレクト方向の両方に移動可能な状態で載置されている。このスライダ34には、シフトレバー2が操作力平面方向変換機構Kssとしてのボールジョイント35を介して連結されている。即ち、スライダ34の上面に筒状のボス部36が形成され、シフトレバー2の下端に形成された球体37がこのボス部36に挿嵌されることにより、シフトレバー2がレバー操作位置検出装置15に連結されている。これにより、シフトレバー2が操作された際には、シフトレバー2で発生する回動方向運動がこのボールジョイント35によってスライダ34の平面方向運動に変換され、スライダ34が平面方向に移動する。なお、なお、蓋部20の中央部には、略四角形状の透孔20aが貫設され、この透孔20aを通してボス部36が球体37側に引き出されている。
【0034】
また、図9に示すように、シフト側リテーナ25a,25bは、ホルダ23よりも高い形状をとることにより、ホルダ23の上に乗るスライダ34のそれぞれの側壁に接触可能となっている。このため、例えばシフトレバー2を中立位置からR位置にシフト操作した際には、スライダ34が手前方向(図2及び図9の+X軸方向)に移動して第1シフト側リテーナ25aが+X軸方向に押し込まれ、第1シフト側リテーナ25aによる位置規制が外れて、ホルダ23が+X軸方向に動くことが許容される。よって、第2シフト側付勢部材26bの付勢力で+X軸側に動く第2シフト側リテーナ25bによって、ホルダ23(即ち、マグネット17)がスライダ34に追従する形をとって+X軸方向に移動する。なお、シフトレバー2がB位置やD位置に操作された際には、シフト側リテーナ25a,25bが逆になるだけで同様の動きをとる。
【0035】
続いて、セレクト側間接連結機構18bを説明すると、図2、図4〜図10に示すように、ホルダ23の内部には、セレクト方向の両側からホルダ23をセレクト方向において保持する一対のセレクト側リテーナ38,38が収納されている。これらセレクト側リテーナ38,38は、各々に取り付けられたセレクト側付勢部材39,39によって、マグネット部品31(スライダ34も含む)を図10の+Y軸方向においてその中央位置に位置させるように付勢する。なお、本例のセレクト側リテーナ38,38は、右側(図10の+Y軸方向)のものを第1セレクト側リテーナ38aとし、左側(図10の−Y軸方向)のものを第2セレクト側リテーナ38bとする。また、本例のセレクト側付勢部材39,39は、右側のものを第1セレクト側付勢部材39aとし、左側のものを第2セレクト側付勢部材39bとする。なお、セレクト側リテーナ38(38a,38b)が保持部材を構成し、セレクト側付勢部材39(39a,39b)が付勢部材を構成する。
【0036】
さらに、セレクト側リテーナ38a,38bは、マグネット部品31よりも高い形状をとることにより、マグネット部品31の上に乗るスライダ34のそれぞれの側壁に接触可能となっている。このため、例えばシフトレバー2を中立位置からN位置に操作した際には、スライダ34が左方向(図3及び図10の−Y軸方向)に移動して第2セレクト側リテーナ38bが−Y軸方向に押し込まれ、第2セレクト側リテーナ38bによる位置規制が外れて、マグネット部品31が−Y軸方向に動くことが許容される。よって、第1セレクト側付勢部材39aの付勢力で−Y軸側に動く第1セレクト側リテーナ38aによって、マグネット部品31(即ち、マグネット17)がスライダ34に追従する形をとって−Y軸方向に移動する。なお、シフトレバー2がN位置から中立位置に復帰する際には、セレクト側リテーナ38a、38bが逆になるだけで同様の動きをとる。
【0037】
また、ホルダ23の内部において大収納部30と小収納部40との境目には、マグネット部品31がセレクト方向に移動したときの当接先として、シフト方向に並ぶ一対のセレクト方向ストッパ部41,41が立設されている。本例のセレクト方向ストッパ部41,41は、マグネット部品31が右側に移動したとき、即ちシフトレバー2を中立位置に操作したときにマグネット部品31の移動を制限する右側セレクト方向ストッパ部41aと、マグネット部品31が左側に移動したとき、即ちシフトレバー2をN位置に操作したときにマグネット部品31の移動を制限する左側セレクト方向ストッパ部41bとからなる。このため、マグネット部品31は、シフトレバー2を中立位置に操作した際、右側セレクト方向ストッパ部41aに当接することでそれ以上の移動が制限され、シフトレバー2をN位置に操作した際、左側セレクト方向ストッパ部41bに当接することでそれ以上の移動が制限される。
【0038】
ところで、例えば仮に本例のシフタ装置1が従来構造をとった場合を仮定すると、この構造はシフトレバー2とマグネット17とが直接連結される構造であるので、例えばシフトレバー2がシフト操作前の初期位置(本例は中立位置)をとる際、このときのマグネット17の位置は構造上、自ずと決まる。しかしながら、背景技術の問題点でも述べたように、シフタ装置1には部品バラツキや組付バラツキが現状のところ発生してしまうことから、マグネット17の位置はどうしてもばらつく現状がある。ここで、例えばシフトレバー2のストローク量を15mmとし、マグネット17のストローク量を6mmとすると、バラツキの精度は磁気センサ16の精度にもよるが±0.5mm程度が要求され、実際のところは±1mm程度ばらつく現状がある。このように、シフトレバー2が初期位置をとるときにマグネット17の位置がばらつくと、これが原因で正確なシフトレバー2の初期位置の検出ができなくなる問題が発生する。
【0039】
そこで、図10及び図11に示すように、本例のセレクト側間接連結機構18bには、シフトレバー2が初期位置をとるときの位置ズレを吸収する初期位置補正機能が含まれている。この初期位置補正機能を満たすにあたっては、スライダ34とリテーナ38との間に、スライダ−リテーナ隙間Wa1が形成されている。この隙間Wa1(実際は両側を合計した図11に示す2×Wa1)は、シフトレバー2がレバー操作前の初期位置をとる際、図11に示すようにこの位置においてシフトレバー2がセレクト方向にガタついても、この隙間Wa1分だけシフトレバー2の動きを許容することにより、初期位置における位置ズレを吸収する。なお、マグネット17は、付勢部材39(39a,39b)の付勢力によって互いに接近するように動くリテーナ38(38a,38b)によって正規位置、即ちマグネット17に対して正しく向き合う位置で保持される。
【0040】
また、シフトレバー2が各レンジ位置にシフト操作された場合を想定すると、このときにシフトレバー2がとるストローク量は、シフトレバー2を目一杯に倒してレバー2がガイド孔6の端縁に接触する時点という一定量で規制される。このため、例えば仮に上記したシフタ装置1に部品バラツキや組付バラツキが発生してしまうと、これが原因でシフトレバー2のストローク量が変化することになる。よって、上記したシフトレバー2とマグネット17とが直接連結した構造の場合には、この種のバラツキに応じて、マグネット17が磁気センサ16の手前で止まったり、或いはマグネット17が磁気センサ16を通り過ぎてオーバーランしたりする問題に繋がる。例えば、シフトレバー2のストローク量のバラツキを15mm±2mmとすると、マグネット17のストローク量のバラツキが約6mm±1mm程度になってしまい、マグネット17の位置が±1mmもずれてしまうと、シフトレバー2の正確な位置検出に支障を来すことになる。
【0041】
そこで、図10〜図13に示すように、本例のセレクト側間接連結機構18bには、シフトレバー2をセレクト方向において最大にストロークしたときのシフトレバー2の位置ズレを吸収するストローク位置補正機能が含まれている。このストローク位置補正機能を満たすにあたっては、図12に示すようにシフトレバー2のセレクト方向におけるストローク量を予め大きめ(例えば、15mm+2mm程度)に設定しつつ、図10、図11及び図13に示すようにホルダ23とリテーナ38aとの間に、ホルダ−リテーナ隙間Wb1を形成する。なお、ホルダ23とリテーナ38bとの間にも、ホルダ−リテーナ隙間Wb1と同様の機能を持つ隙間Wb2が形成されているが、図10及び図11では、ホルダ−リテーナ隙間Wb1を以てこれを図示する。
【0042】
これにより、例えばシフトレバー2のストローク量が不足した場合には、大きめに長さ設定したシフトレバー2のストローク量が利いて、シフトレバー2のストローク量は、最悪でも17mmから位置ズレの2mmを減算した15mmの長さを確保することが可能となる。このため、シフトレバー2のストローク不足を原因とする誤検出は発生し難くなる。また、例えばシフトレバー2のストローク量が過多(例えば17mm+2mm)となった場合、このときはマグネット17が6mmの位置から更に奥に動こうとするが、この際にはストッパ部41が利いてそれ以上の移動を規制し、マグネット17のオーバーストロークが防がれる。
【0043】
また、図14及び図15に示すように、シフト側間接連結機構18aにも、セレクト側間接連結機構18bと同じような初期位置補正機能及びストローク位置補正機能とが含まれている。即ち、初期位置補正機能を満たすにあたって、スライダ34とリテーナ25との間に、スライダ−リテーナ隙間Wc1(実際は両側を合計した2×Wc1)が形成されるとともに、ストローク位置補正機能を満たすにあたって、シフトレバー2のシフト方向におけるストローク量を予め大きめに設定しつつ、ベースプレート19とリテーナ25a(25b)との間に、ベース−リテーナ隙間Wd1(Wd2)を形成する。なお、シフト側間接連結機構18a側のこれら機能は、セレクト側間接連結機構18b側のものと同じ構造及び目的をとるものであるので、詳細は省略する。
【0044】
図16に示すように、レバー操作位置検出装置15には、同検出装置15のコントロールユニットとしてシフトECU42が設けられている。このシフトECU42には、磁気センサ16,16…が接続され、これら磁気センサ16,16…から取得する検出信号を基に、シフトレバー2のレンジ位置を判定する。そして、シフトECU42は、自動変速機がシフトレバー2のレンジ位置に応じたギア位置をとるように、割り出したレンジ位置を基に自動変速機を制御する。また、シフトECU42は、磁気センサ16,16から割り出したレンジ位置を、必要に応じて他のECUにも出力可能となっている。
【0045】
次に、本例のレバー操作位置検出装置15の動作を説明する。
まず、シフトレバー2を中立位置からR位置に操作する場合を想定する。この場合、シフトレバー2は中立位置から+Y軸方向のセレクト方向に操作されてレンジ位置がN位置に一旦操作され、その後、−X軸方向のシフト方向に操作されてR位置に操作される。このとき、マグネット部品31は、シフトレバー2の動きに案内されて、第2セレクト側付勢部材39bの付勢力に抗して−Y軸方向に動き、N位置に到達した後、今度はシフトレバー2が中立位置からR位置にフルストローク操作された際、第1シフト側付勢部材26aの付勢力に抗して+X軸方向に動いて、R位置に到達する。
【0046】
このとき、シフタ装置1の部品バラツキや組付バラツキによっては、マグネット17がR位置検出位置に到達したにも拘わらずシフトレバー2がR位置まで到達していないストローク不足が発生する場合もある。しかし、本例では、シフト側間接連結機構18aのストローク位置補正機能としてシフトレバー2のストローク量を予め大きめに設定するので、仮にマグネット17がR検出位置に到達したにも拘わらずシフトレバー2が途中で止まるような状況になっても、この時点ではシフトレバー2は規定量を満たし得るに充分なストローク量(15mm)は確保できていることから、シフトレバー2にストローク不足は発生しない。
【0047】
また、シフタ装置1に部品バラツキや組付バラツキが発生していた場合、本例はシフトレバー2のストローク量を多めにとる関係上、例えば図13に示すように、状況によってはマグネット17がR検出位置に到達したにも拘わらずシフトレバー2が更に奥に移動してしまうストローク過多をとることもある。しかし、本例はシフトレバー2がこのようなストローク過多をとっても、マグネット部品31が手前側シフト方向ストッパ部29aで止まるので、マグネット17はR検出位置で保持される。このため、もし仮にシフトレバー2がストローク過多をとっても、この過多分のストローク量が吸収され、マグネット17をR検出位置に問題なく位置させることが可能となる。
【0048】
そして、このシフトレバー2のR位置への操作後、シフトレバー2から手を離すと、セレクト側付勢部材12及びシフト側付勢部材14が利いて、シフトレバー2が自動で中立位置に復帰しつつ、マグネット17(マグネット部品31)は、シフト側付勢部材26及びセレクト側付勢部材39の付勢力によりシフトレバー2の戻り動作に連動して、元の初期位置(中立検出位置)に復帰するように動く。シフトレバー2が中立位置に位置した際、例えば仮にシフタ装置1に部品バラツキや組付バラツキが発生していても、このバラツキは図11に示すようにセレクト側間接連結機構18bの初期位置補正機能によって吸収される。このため、シフトレバー2が中立位置をとったときにおけるマグネット17の位置ズレも発生し難くすることが可能となる。
【0049】
なお、ここでは、シフトレバー2がN位置及びD位置に操作された際にマグネット部品31(マグネット17)がオーバーランする例と、シフトレバー2がR位置及び中立位置に操作された際にシフトレバー2の操作ストロークが不足する例を挙げたが、シフトレバー2をこれら例以外の形式で操作する場合は部品が前後左右において逆になるだけで、同じ動作原理の動きをとる。よって、シフトレバー2を前述した例以外の形式で操作したときの動作説明は、前述した例を説明することを以て省略する。
【0050】
さて、本例においては、シフトレバー2とマグネット17とを直接連結するのではなく、これらをリテーナ25,38、付勢部材26,39、ホルダ23、マグネット部品31及びスライダ34を介して間接的に連結する間接連結機構18を設け、この間接連結機構18の構成部品であるスライダ34とリテーナ38と間にスライダ−リテーナ隙間Wa1を形成しつつ、スライダ34とリテーナ25との間にスライダ−リテーナ隙間Wc1を形成することにより、シフトレバー2をその初期位置において補正する初期位置補正機能を含ませた。よって、シフトレバー2が操作開始前の初期位置(中立位置)に位置した際の位置ズレを吸収することが可能となるので、マグネット17の配置位置を見ることでシフトレバー2の位置を検出する本例の位置検出を、位置検出精度の高いものとすることが可能となる。
【0051】
また、本例の場合、シフトレバー2のストローク量を予め大きめにとるとともに、間接連結機構18の構成部品であるホルダ23とリテーナ38との間に、ホルダ−リテーナ隙間Wb1,Wb2を形成しつつ、ベースプレート19とリテーナ25との間に、ホルダ−リテーナ隙間Wd1,Wd2を形成することにより、シフトレバー2を最大ストローク操作した際のそのストローク位置においてマグネット17の位置を補正するストローク位置補正機能を含ませた。このため、シフトレバー2をフルストローク操作した際にシフタ装置1が持つバラツキが原因で、もし仮にシフトレバー2にストローク不足やストローク過多が発生しても、このときの位置ズレがストローク位置補正機能によって吸収される。よって、シフトレバー2にストローク不足やストローク過多が発生しても、マグネット17を正規位置に位置させることが可能となり、マグネット17による位置検出精度を確保することが可能となる。
【0052】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)シフトレバー2をマグネット部品31(マグネット17)に間接的に連結する間接連結機構18を設け、この間接連結機構18の構成部品であるスライダ34とリテーナ38との間にスライダ−リテーナ隙間Wa1,Wc1を形成することにより、シフトレバー2の位置をその初期位置において補正する初期位置補正機能を含また。このため、シフトレバー2が初期位置に位置する際にシフトレバー2に位置ズレが発生していても、この位置ズレが吸収されるので、マグネット17を正規位置に位置させることが可能となり、高い位置検出精度を確保することができる。また、間接連結機構18の構成部品であるホルダ23とリテーナ38との間に、ホルダ−リテーナ隙間Wb1,Wb2を形成しつつ、ベースプレート19とリテーナ25との間に、ホルダ−リテーナ隙間Wd1,Wd2を形成することにより、シフトレバー2の位置をそのフルストローク位置において補正するストローク位置補正機能を含ませた。このため、シフトレバー2をフルストローク操作した際に、ストローク不足やストローク過多が発生しても、マグネット17をこの位置ズレに影響を受けさせずに済む。よって、マグネット17の位置精度を高いものとすることが可能となり、高い検出精度を確保することができる。
【0053】
(2)シフトレバー2のシフト方向の操作位置を検出するシフト側間接連結機構18aと、シフトレバー2のセレクト方向の操作位置を検出するセレクト側間接連結機構18bとを設けて、これら両方向の操作位置を検出する。このため、シフトレバー2のシフト方向及びセレクト方向の2軸の操作方向を1つの装置で検出することができる。
【0054】
(3)シフト側間接連結機構18aのホルダ23をケースとして、このホルダ23にセレクト側間接連結機構18bの部品群を収納する。このため、これら間接連結機構18a、18bの間で種々の部品の共用化を図ることが可能となるので、部品点数を少なく抑えることができる。
【0055】
(4)レバー軸(操作軸)の直交方向を回動軸として動くシフトレバー2をボールジョイント35でスライダ34に連結し、シフトレバー2から付与される回動運動を、ボールジョイント35で平面方向運動に変換してスライダ34に伝達することにより、ホルダ23(マグネット部品31、マグネット17も含む)を平面方向に沿って直線運動させる。このため、ホルダ23やマグネット部品31には、平面方向にスライド移動する機構を設ければ済むので、この種の機構を、例えば回動移動式等の場合に比べて簡素な構造とすることができる。
【0056】
(5)シフタ装置1の操作系は、シフトレバー2(レバー部材)をシフト方向やセレクト方向に直線移動する直線操作式である。よって、本例のレバー操作位置検出装置15をこの種の広く普及したシフタ装置1に応用することができる。
【0057】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図17〜図19に従って説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態に対してシフトレバー2の操作形式(入力機構)、言うならば隙間の利用形態を変更したのみの構成である。よって、本例は、第1実施形態と同一部分に関しては同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
【0058】
図17に示すように、レバー操作位置検出装置15には、同検出装置15の入力系として楕円形状の操作ノブ51が設けられている。この操作ノブ51の裏面には、操作ノブ51の楕円運動中心として偏心軸52が設けられ、この偏心軸52を中心として操作ノブ51が回動操作可能となっている。また、ケース3には、操作ノブ51の支持部品として板状の支持座部53がセレクト方向に往復動可能な状態で設けられ、この支持座部53に偏心軸52が回動可能な状態で連結されている。また、操作ノブ51の裏面には、楕円中心を基準に偏心軸52の反対側の位置に、偏心軸52と平行に延びる棒状の連結軸54が延設され、連結軸54をボールジョイント35のボス部36に嵌挿することで、レバー操作位置検出装置15に連結されている。即ち、シフトレバー2の操作方向とマグネット17の移動方向とが同一向きをとる。なお、操作ノブ51が操作手段を構成する。
【0059】
また、操作ノブ51は、セレクト方向において−Y軸方向の端に位置した状態(図17の状態)をとるとき、レンジ位置が中立位置をとる。そして、この中立位置から支持座部53ごと+Y方向のセレクト方向にスライド操作されるとレンジ位置がN位置に切り換わり、このN位置から−X方向に向かって回動操作するとR位置に切り換わり、これとは逆にN位置から+X軸方向に向かって回動操作するとD位置に切り換わる。なお、本例の操作ノブ51の場合、レンジ位置にB位置はなく、中立位置からはN位置、R位置及びD位置の3位置に操作可能となっている。
【0060】
また、図18に示すように、スライダ34と第2セレクト側リテーナ38bとの間には、若干大きめの間隔を有するスライダ−リテーナ隙間Wa1が設けられている。なお、図18に示すこのスライダ−リテーナ隙間Wa1は、シフトレバー2がN位置をとるときの間隔のものが図示されている。図19に示すように、本例のスライダ−リテーナ隙間Wa1と、ホルダ−リテーナ隙間Wc1のうちマグネット部品31及びリテーナ38a間に発生するマグネット部品−リテーナ隙間Wxは、操作ノブ51がN位置からR位置やD位置にシフト操作された際に、操作ノブ51(スライダ34)の回転運動をY軸方向の直線運動に変換してマグネット部品31(マグネット17)に伝達することにより、マグネット部品31(マグネット17)を直線運動させるためのものである。
【0061】
さて、中立位置に位置する操作ノブ51をR位置に操作する際、まずは操作ノブ51を中立位置から+Y軸方向に直線操作してN位置に位置させ、このN位置から−X軸方向に向かって操作ノブ51を回動操作する。操作ノブ51が−X軸方向に回動操作された際、操作ノブ51の回動移動に伴ってスライダ34が−X軸方向に回動し、その移動過程で第2シフト側リテーナ25bを押し込む。これにより、ホルダ23は第2シフト側リテーナ25bによる位置規制が外れて、第1シフト側リテーナ25a及びその付勢部材26aによる−X軸方向への動きが許容される。
【0062】
このノブ回動操作時、スライダ34は−X軸方向に向かって回動運動しながら少しずつ−Y軸方向にも動く動作をとるものの、スライダ34と第2セレクト側リテーナ38bとの間に形成されたスライダ−リテーナ隙間Wa1が利きつつ、しかもマグネット部品−リテーナ隙間Wxが確保されて動くため、この回動操作の際にスライダ34は第2セレクト側リテーナ38bに接触せず、第2セレクト側リテーナ38bを−Y軸方向に押し込む動作はとらない。よって、このときのマグネット部品31(マグネット17)の動きはホルダ23のみに影響を受けることになり、操作ノブ51の回動運動が第1セレクト側スライダ−リテーナ隙間Wd1によってX軸方向の直線運動に変換されてマグネット部品31(マグネット17)に伝達される。これにより、シフタ装置1の操作系を回動操作式の操作ノブ51としても、マグネット部品31(マグネット17)を直線運動させることが可能となる。
【0063】
ところで、マグネット17の磁界を磁気センサ16で検出して位置検出を行うこの種の磁気式では、磁気センサ16の検出対象物であるマグネット17を、できるだけ直線移動させたい要望がある。これは、例えばマグネット17が円弧軌跡を描く動きをとると、磁気センサ16に付与される磁界を管理することが難しくなるので、高い位置検出精度を確保するためにも、マグネット17は磁気センサ16に対して直線移動するものが好ましい。そこで、本例の場合は、シフタ装置1の操作系が回動操作式をとっても、マグネット17は直線移動する動きをとるので、この種の入力系が回動操作式をとるものであっても、高い位置検出精度を確保することが可能となる。
【0064】
本実施形態の構成によれば、第1実施形態の(1)〜(3)に記載の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(6)シフタ装置1の入力系を偏心軸中心に平面回動する操作ノブ51とした場合でも、スライダ−リテーナ隙間Wa1及びマグネット部品−リテーナ隙間Wxが利いて、マグネット部品31を直線運動させることが可能となる。よって、シフトレバー2の操作位置を検出する際に、回転運動するマグネット17を見る形式をとらずに済むので、直線移動するマグネット17で位置検出するという高い位置検出精度を持つ方式でシフトレバー2の操作位置を検出することができる。
【0065】
(7)ベース−リテーナ間やスライダ−リテーナ間に隙間を持った本例のレバー操作位置検出装置15は、操作系がシフトレバー2の第1実施形態でも、操作系が操作ノブ51の本例でも、両方で使用することが可能となる。よって、これら2種間の間で1つのレバー操作位置検出装置15を共用することが可能となるので、これらの間で個別に装置を用意せずに済む。なお、第1実施形態と本例では、シフトECU42のレンジ検出位置が逆になるので、検出向きを逆にするプログラム変更については必要がある。
【0066】
(8)シフタ装置1の操作系は、シフトレバー2を偏心軸中心に平面回動することで操作する偏心回動操作式である。よって、本例のレバー操作位置検出装置15を、この種の開動作式のシフタ装置1にも応用することができる。
【0067】
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、レバー操作位置検出装置15は、必ずしも複数軸(本例は2軸)の位置検出を行うものに限定されず、例えば1軸方向のレバー操作位置のみ検出するものでもよい。
【0068】
・ 第1及び第2実施形態において、スライダ−リテーナ間の隙間Wb1,Wb2は、必ずしもセレクト側リテーナ38a,38bの両方に設けられることに限定されず、一方のみに形成されるものでもよい。同様に、ベース−リテーナ間の隙間Wd1,Wd2も、必ずしもシフト側リテーナ25a,25bの両方に設けられることに限らず、一方のみに形成されてもよい。
【0069】
・ 第1実施形態において、セレクト側リテーナ38には、必ずしもスライダ−リテーナ隙間Wa1(Wc1)とホルダ−リテーナ隙間Wb1,Wb2との両方が形成されることに限らず、少なくとも一方のみが形成されていればよい。なお、これはセレクト側リテーナ38でも同様に言える。また、第2実施形態においては、少なくともスライダ−リテーナ隙間Wa1が形成されていればよい。
【0070】
・ 第1及び第2実施形態において、レバー操作位置検出装置15を2軸検出とした場合、この軸方向は必ずしも直行する向きに限定されず、これらが非直行をとるものでもよい。
【0071】
・ 第1及び第2実施形態において、シフト側間接連結機構18aのホルダ23にセレクト側間接連結機構18bの部品群を収納することにより、これら間接連結機構18a,18bの間で部品の共用化がなされることに限定されない。即ち、これら間接連結機構18a,18bが各々個別の部品群からなって独立する構造をとっていてもよい。
【0072】
・ 第1及び第2実施形態において、シフトレバー2(操作ノブ51)の検出系は、必ずしも磁気式に限定されず、例えば光センサ等の他の検出形式を採用してもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、シフタ装置1の操作系は、前述したシフトレバー2や操作ノブ51に限定されず、これら以外の操作向きをとる種々のものが採用可能である。また、第1実施形態において、シフトレバー2はレバー軸に対して直交する軸を回動軸として操作可能な回動式(レバー軸揺動式)に限らず、レバー軸自体を直線方向にスライド操作するスライド式でもよい。
【0073】
・ 第1及び第2実施形態において、シフトレバー2(操作ノブ51)側にマグネット17が配置され、ケース側に磁気センサ16が配置される組み合わせに限定されず、これを逆に入れ換えてもよい。
【0074】
・ 第1及び第2実施形態において、スライダ34を省略して、シフトレバー2(操作ノブ51)を直にリテーナ25,38に押し当てる構造を採用してもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、PCボード22にもう一組の磁気センサ群を設けて二重系としてもよい。
【0075】
・ 第1及び第2実施形態において、リテーナ25及び付勢部材26は、必ずしもマグネット17の両側に一対設けられることに限らず、少なくともシフトレバー2の戻し側に設けられていればよい。なお、これはリテーナ38及び付勢部材39についても同様に言える。
【0076】
・ 第1及び第2実施形態において、シフトレバー2とスライダ34との連結部分は、必ずしもスライダ34側の穴にシフトレバー2の先端を嵌挿する構造に限らず、これを逆にして、例えばシフトレバー2の先端に設けた穴にスライダ34が持つ突部を嵌挿入してもよい。
【0077】
・ 第1及び第2実施形態において、シフトレバー2は、必ずしも操作後に自動で中立位置に復帰するものに限らず、各レンジ位置でシフトレバー2が保持されるものでもよい。
【0078】
・ 第1及び第2実施形態において、第1検出体は、必ずしもマグネット部品31にマグネット17を取着した部品であることに限定されず、マグネット17のみからなるものでもよい。
【0079】
・ 第1及び第2実施形態において、シフタ装置1は、例えばガイド孔6が大文字のHの経路をとり、この経路をとるガイド孔6の真ん中位置が中立位置となるものでもよい。
・ 第1及び第2実施形態において、本例のレバー操作位置検出装置15は、必ずしもシフタ装置1に適用されることに限らず、レバーやノブ等の各種操作系を持った装置や機器に応用可能であることは言うまでもない。
【0080】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1)請求項1〜6のいずれかにおいて、前記操作手段は、非操作時には定常位置に位置し、当該定常位置から他の位置に操作された後、自動で元の前記定常位置に復帰するモーメンタリ式をとっている。この構成によれば、操作手段を操作した後は操作手段が自動で元の定常位置(中立位置)に戻るので、操作手段を元の位置に戻す際に別途操作が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】第1実施形態におけるシフトレバー装置を示す分解斜視図。
【図2】レバー操作位置検出装置の概略構成を示す分解斜視図。
【図3】レバー操作位置検出装置においてレバー連結部分を示す斜視図。
【図4】シフトレバーが中立位置のときのレバー操作位置検出装置を示す平面図。
【図5】シフトレバーがB位置のときのレバー操作位置検出装置を示す平面図。
【図6】シフトレバーがN位置のときのレバー操作位置検出装置を示す平面図。
【図7】シフトレバーがR位置のときのレバー操作位置検出装置を示す平面図。
【図8】シフトレバーがD位置のときのレバー操作位置検出装置を示す平面図。
【図9】図4のII −II 線断面。
【図10】図4のIII −III 線断面。
【図11】シフトレバーが中立位置のときに部品間のバラツキを吸収した状態を示す断面図。
【図12】シフトレバーのストローク量を予め大きめに設定した状態を示す説明図。
【図13】レバーが隙間によりセレクト方向に更に奥に押し込まれた際の断面図。
【図14】レバーをR位置にフルストローク操作したときの断面図。
【図15】レバーが隙間によりシフト方向に更に奥に押し込まれた際の断面図。
【図16】レバー操作位置検出装置の電気構成を示すブロック図。
【図17】第2実施形態における操作ノブの外観を示す斜視図。
【図18】レバー操作位置検出装置の概略構成を示す平面図。
【図19】シフトレバーをR位置に回動操作したときの状態を示す平面図。
【図20】従来におけるシフトレバー装置の概略構成を示す断面図。
【符号の説明】
【0082】
2…操作手段(シフト操作部)を構成するシフトレバー、3…支持手段としてのケース、16…第2検出体(検出部)として磁気センサ、17…第1検出体(被検出部)としてのマグネット、18(18a,18b)…バラツキ吸収機構としての間接連結機構、23…ベース部材に相当するホルダ、25(25a,25b)…保持部材を構成するシフト側リテーナ、26(26a,26b)…付勢部材を構成するシフト側付勢部材、38(38a,38b)…保持部材を構成するセレクト側リテーナ、39(39a,39b)…付勢部材を構成するセレクト側付勢部材、51…操作手段を構成する操作ノブ、52…偏心軸、Wa1,Wb1,Wb2,Wc1,Wd1,Wd2…隙間、Kss…操作力直線方向変換手段としての操作力平面方向変換機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作手段に検出部及び被検出部の一方として第1検出体を設け、前記操作手段を可動可能に支持する支持手段に、前記した2者の他方として第2検出体を設け、前記操作手段の操作の際に前記2つの検出体の位置関係に応じて変わる前記検出部の検出値により、前記操作手段の操作位置を検出する操作位置検出装置において、
前記操作手段と前記第1検出体とを間接的に連結するとともに、前記操作手段が操作された際には、該操作の反対方向から保持部材を介して前記第1検出体を押す付勢部材が撓んで、前記第1検出体が前記操作手段に追従して動いて前記操作位置の検出を許容しつつ、前記操作手段及び前記保持部材の間に形成された隙間と、前記操作手段を最大量操作位置付近まで操作した際に前記第1検出体は止まるものの前記保持部材が動くことによりこれらの間に生じ得る隙間とのうち、少なくとも一方の隙間を持つバラツキ吸収機構を備えたことを特徴とする操作位置検出装置。
【請求項2】
前記操作手段は、複数の操作方向に沿って操作可能であり、前記バラツキ吸収機構は、複数の操作方向に亘り操作可能な前記操作手段の操作位置を検出すべく、前記操作方向の数に合わせて複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の操作位置検出装置。
【請求項3】
前記バラツキ吸収機構を各々の操作方向に沿って複数設ける場合、上側に位置するバラツキ吸収機構の部品群を、下側に位置するバラツキ吸収機構のベース部材に収納し、これを前記下側のバラツキ吸収機構における前記第1検出体の部品群とすることを特徴とする請求項2に記載の操作位置検出装置。
【請求項4】
操作軸の直行方向を回動軸とした回動操作が可能な操作手段から付与される回動運動を直線運動の力に変換することにより、前記第1検出体を直線移動させる操作力直線方向変換手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の操作位置検出装置。
【請求項5】
前記操作手段は、形状が棒状をなすレバー部材であって、当該レバー部材をその軸の略直交方向に向けて操作可能な直線操作式であることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の操作位置検出装置。
【請求項6】
前記操作手段は、偏心軸を中心として平面方向に回動操作が可能な偏心回動操作式であることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の操作位置検出装置。
【請求項7】
車両の変速機を切り換える際に操作するシフト操作部に検出部及び被検出部の一方として第1検出体を設け、前記シフト操作部を可動可能に支持する支持手段に、前記した2者の他方として第2検出体を設け、前記シフト操作部の操作の際に前記2つの検出体の位置関係に応じて変わる前記検出部の検出値により、前記シフト操作部の操作位置を検出するシフト操作位置検出装置において、
前記シフト操作部と前記第1検出体とを間接的に連結するとともに、これら両者を連結している部品間の間に隙間を持ち、当該装置に発生する部品位置に関するバラツキを前記隙間によって吸収するバラツキ吸収機構を備えたことを特徴とするシフト操作位置検出装置。
【請求項8】
車両の変速機を切り換える際に操作するシフト操作部に検出部及び被検出部の一方として第1検出体を設け、前記シフト操作部を可動可能に支持する支持手段に、前記した2者の他方として第2検出体を設け、前記シフト操作部の操作の際に前記2つの検出体の位置関係に応じて変わる前記検出部の検出値により、前記シフト操作部の操作位置を検出するシフト操作位置検出装置において、
前記シフト操作部と前記第1検出体とを間接的に連結するとともに、前記シフト操作部が操作された際には、該操作の反対方向から保持部材を介して前記第1検出体を押す付勢部材が撓んで、前記第1検出体が前記シフト操作部に追従して動いて前記操作位置の検出を許容しつつ、前記シフト操作部及び前記保持部材の間に形成された隙間と、前記シフト操作部を最大量操作位置付近まで操作した際に前記第1検出体は止まるものの前記保持部材が動くことによりこれらの間に生じ得る隙間とのうち、少なくとも一方の隙間を持つバラツキ吸収機構を備えたことを特徴とするシフト操作位置検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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