説明

操作機器の接続が変更可能なゲーム装置

【課題】ゲーム装置稼働時やゲーム中に入力操作部を有する操作機器の接続替えや追加を可能にすることにより、プレイ人数の増加,プレイ位置変更,ゲームキャラクタ・アイテムを変化させることなどを可能にした操作機器の接続を変更可能にするゲーム装置を提供する。
【解決手段】操作機器13,14のフレキシブル基板ケーブル9,10の先端にコネクタ11,12が設けられている。コネクタ11,12を4つある接続ポートの何れかに装着可能であり、ゲーム稼働時またはゲーム中であっても別の接続ポートに接続替えが可能である。また、外部操作機器であるパットを装着することにより、プレイヤ数を増加できるとともにゲーム中のアイテムやキャラクタを変化させることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置筐体と操作機器であるコントローラとを固定的に電気接続せず、ゲーム装置完成時にゲーム装置筐体とコントローラを装脱着手段で接続した後、ゲーム装置稼働時などに操作機器の接続替えや増加を行うことを可能にしたゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来のアーケードゲーム機の筐体構造が提案されている。
この提案によれば、従来とは異なる構成で設計自由度を高め、仕様変更にも柔軟に対処できるアーケードゲーム機の提供を目的に、操作パネルを備えたメイン筐体と、そのメイン筐体の上に取り外しが可能なビデオモニタと、ビデオモニタを取り囲むように延ばされて下端がメイン筐体の両側の一対筐体に支持されたフレームより構成したものである。
この構成により上記目的を達成することができるが、メイン筐体とコントローラは固定された状態で構成されるものである。
【0003】
そのためコントローラの数と同じ人数までしかプレイすることができず、プレイヤが増加した場合対応することができない。また、1P・2P操作パネルの位置を変更することも不可能であり、プレイヤのプレイに対し柔軟に対応できる構成ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−84251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みなしたもので、その目的は、ゲーム装置稼働時やゲーム中に入力操作部を有する操作機器の接続替えや追加を可能にすることにより、プレイ人数の増加,プレイ位置変更,ゲームキャラクタ・アイテムを変化させることなどを可能にした操作機器の接続を変更可能にするゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明の請求項1はアーケードゲーム装置本体と、入力操作部が設けられた操作機器とが電気的に分離して構成されるゲーム装置であって、前記アーケードゲーム装置本体はアーケードゲーム装置筐体の前面に配置された複数の接続ポートを有し、前記操作機器は1以上であって前記接続ポートに電気接続するために装脱着可能な接続部を有し、前記複数の接続ポートと1以上の操作機器とが接続された状態においてゲーム装置稼働時またはゲーム中に前記操作機器の接続替えを可能にしたことを特徴とする。
本発明の請求項2は請求項1記載の発明において前記アーケードゲーム装置の操作機器とは異なる形状の外部操作機器を用意し、前記複数の接続ポートの接続されていない接続ポートに前記外部操作機器を追加接続可能にしたことを特徴とする。
本発明の請求項3は請求項1または2記載の発明において前記接続ポートはUSB端子メスであり、前記接続部はUSB端子オスであることを特徴とする。
本発明の請求項4は請求項1,2または3記載の発明において前記入力操作部はジョイスティックまたは十字キーおよび複数のボタンで構成されたことを特徴とする。
本発明の請求項5は請求項1,2,3または4記載の発明においてゲーム中に前記接続ポートの接続替えに対するホットプラグ機能を有し、ゲーム動作中のゲーム内容を維持するゲームホットプラグ制御回路を有することを特徴とする。
本発明の請求項6は、請求項1,2,3,4または5記載の発明において特定の外部の操作機器が接続された場合、ゲーム中のアイテムもしくはキャラクタを変化させて表示するか、または追加させて表示するキャラクタ等変化制御回路を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
以上のように構成されているため、本発明は以下のような利点がある。
・プレイヤが、コントローラの差し込み口を選択することでコントロールする対象を切り替え可能である。
・接続部分が複数ある為、家庭用コントローラなどを接続することで筐体に備え付けられているコントローラの数よりも多い人数でプレイすることができる。
・ゲーム中にコントローラの接続を変更したり、追加でコントローラを接続したりして、コントロール対象を変更することができる。
・コントローラの差し込み口や種類によって出現するキャラクタやアイテムを変化させることができる。
・筐体のレバーやボタンの使用率が減る為、消耗率が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明による操作機器の接続が変更可能なゲーム装置の外観を示す斜視図である。
【図2】操作機器のコネクタを接続パネルの接続ポートに接続する前の状態を説明するための図である。
【図3】操作機器のコネクタを接続パネルの接続ポートに接続した一例を示す図である。
【図4】ゲーム機の回路と操作機器の接続を説明するための回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1において、ゲーム装置1は2つの操作機器13,14が操作パネル面に設置されており、背後にモニタ2およびスピーカ3a,3bが設けられている。操作機器13,14にそれぞれジョイスティック5,6,各種ボタン7,8が配置されている。操作機器13にフレキシブル基板ケーブル9が接続されており、その先端にコネクタ(オス)11が設けられている。また、操作機器14にもフレキシブル基板ケーブル10が接続されており、その先端にコネクタ(オス)12が設けられている。コネクタ11はゲーム装置に4つ設けられている接続ポートの内、最も左側の接続ポートに装着されている。またコネクタ12は4つ設けられている接続ポートの内、最も右側の接続ポートに装着されている。
【0010】
このような構成でゲームセンタなどに設置される。したがって、この状態でプレイヤは2名同時にプレイを行うことができる。
本図では家庭用ゲーム機のパッド15のパッドケーブル16のコネクタ17が右から2番目に接続ポートに接続されている。したがって、同時にプレイできるプレイヤは3名まで可能としている。また、それぞれのコネクタ(オス)は現在の接続ポートから外し他の接続ポートに接続替えすることが可能である。
さらにパッド15が特定のアイテムやキャラクタに変化するための信号を送出できるように構成すれば、パッド15の装着により、ゲーム中に登場する特定のアイテムやキャラクタを変化させて表示したり、新たに登場させたりすることが可能である。
【0011】
図2は操作機器のコネクタを接続パネルの接続ポートに接続する前の状態を説明するための図である。モニタ30の前面に設置されている操作機器は31,32および33の3台であり、接続ケーブルの先端にUSBコネクタ(A端子オス)20,21,22がそれぞれ設けられている。また、接続パネル43には接続ポートとして8個のUSBコネクタ(A端子メス)35,36,37,38,39,40,41および42が設置されている。このゲーム装置では8台の操作機器がいずれかの位置のUSBコネクタ(A端子メス)に接続可能である。
【0012】
図3は図2の操作機器のコネクタを接続パネルの接続ポートに接続した一例を示す図である。操作機器31に接続されているUSBコネクタ(A端子オス)20は最も左のUSBコネクタ(A端子メス)35に装着されている。また、操作機器32,33に接続されているUSBコネクタ(A端子オス)21,22はUSBコネクタ(A端子メス)37,42にそれぞれ接続されている。さらに外部操作機器であるパット45のUSBコネクタ(A端子オス)46はUSBコネクタ(A端子メス)36に接続されている。
この例は8つのUSBコネクタ(A端子メス)に対し、4個の操作機器のUSBコネクタ(A端子オス)が接続されている。
【0013】
図4はゲーム機の回路と操作機器の接続を説明するための回路ブロック図である。
操作機器31,32,33およびパッド45のUSBコネクタ(A端子オス)は図3に示すようにUSBコネクタ(A端子メス)35〜42に接続されることを想定したものである。
ゲーム装置1はCPU51,画像処理部52,サウンド制御部53,RAM54,ROM55およびUSB制御部50を備えている。USB制御部50はUSBコネクタ(A端子メス)35〜42に接続されている。画像処理部52にモニタ30が、サウンド制御部53にスピーカ3a,3bが接続されている。
【0014】
ROM55にゲーム装置のゲームプログラムおよび制御プログラムならびに必要なデータが格納されている。CPU51はROM55のゲームプログラムおよび制御プログラムを読み込むことによりゲーム制御部51a,ホットプラグ制御部51bおよびキャラクタ等変化制御部51cの機能を実現する。
RAM54はCPU51が演算する作業エリアとして、また一時的にデータを格納する機能を有する。
ホットプラグ制御部51bは例えば操作機器31が外される場合に現在のゲーム中のデータを破壊することなく安全に取り外しが行われるように制御する回路である。取り外しを行う場合には操作機器31の特定のボタンを長押しする。これによりホットプラグ制御部51bは操作機器31との電気的接続を解除し、物理的な取り外しが可能となる。また、操作機器の接続替えや新たなパッドが装着された場合、これを検知して接続替えした操作機器や新たなパッドとの電気的接続を行う。
【0015】
キャラクタ等変化制御部51cは例えばパッド45が接続された場合、パッド45特有の信号がUSB制御部50を介してキャラクタ等変化制御部51cに送られる。キャラクタ等変化制御部51cは送られてきた特有の信号を解析して現在登場しているキャラクタAを変化させたり、新たなキャラクタBを登場させたりする。これによりモニタ30に表示されているキャラクタAの姿が変えられることとなる。また、アイテムDであると分析した場合、モニタ30に表示されているアイテムDの絵を変化させるとともにそのデータもアイテムD対応のデータに変化する。さらにはキャラクタBの登場であると分析した場合、キャラクタBをモニタ30に表示する。
【0016】
以上の実施の形態は、接続ポートがUSB端子で構成する場合を説明したが、他のインターフェース端子でも本発明は実施することが可能である。例えば、eSATA,IEEE1394端子などのホットプラグ機能を有する端子を用いてもよい。
また、接続ポートが4個および8個の場合について説明したが、接続ポートの数はこれらの数に限定するものではなく、他の個数であっても同様に本発明を実施することができる。さらに、外部操作機器として家庭用ゲーム機のパッドを装着する例を説明したが、接続ポートに物理的に接続できる構造の入力操作部を有する操作機器であれば、これに限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0017】
ゲームセンタやイベント会場に設置されるアーケードゲーム装置である。
【符号の説明】
【0018】
1 ゲーム装置
2,30 モニタ
3a,3b スピーカ
5,6 ジョイスティック
7,8 各種ボタン
9,10 フレキシブル基板ケーブル
11,12,17 コネクタ
13,14,31,32,33 操作機器
15,45 パッド
16 パッドケーブル
20,21,22,46 USBコネクタ(A端子オス)
35〜42 USBコネクタ(A端子メス)
43 接続パネル
50 USB制御部
51 CPU
52 画像処理部
53 サウンド制御部
54 RAM
55 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーケードゲーム装置本体と、入力操作部が設けられた操作機器とが電気的に分離して構成されるゲーム装置であって、
前記アーケードゲーム装置本体はアーケードゲーム装置筐体の前面に配置された複数の接続ポートを有し、
前記操作機器は1以上であって前記接続ポートに電気接続するために装脱着可能な接続部を有し、
前記複数の接続ポートと1以上の操作機器とが接続された状態においてゲーム装置稼働時またはゲーム中に前記操作機器の接続替えを可能にしたことを特徴とする操作機器の接続が変更可能なゲーム装置。
【請求項2】
前記アーケードゲーム装置の操作機器とは異なる形状の外部操作機器を用意し、
前記複数の接続ポートの接続されていない接続ポートに前記外部操作機器を追加接続可能にしたことを特徴とする請求項1記載の操作機器の接続が変更可能なゲーム装置。
【請求項3】
前記接続ポートはUSB端子メスであり、
前記接続部はUSB端子オスであることを特徴とする請求項1または2記載の操作機器の接続が変更可能なゲーム装置。
【請求項4】
前記入力操作部はジョイスティックまたは十字キーおよび複数のボタンで構成されたことを特徴とする請求項1,2または3記載の操作機器の接続が変更可能なゲーム装置。
【請求項5】
ゲーム中に前記接続ポートの接続替えに対するホットプラグ機能を有し、ゲーム動作中のゲーム内容を維持するゲームホットプラグ制御回路を有することを特徴とする請求項1,2,3または4記載の操作機器の接続が変更可能なゲーム装置。
【請求項6】
特定の外部の操作機器が接続された場合、ゲーム中のアイテムもしくはキャラクタを変化させて表示するか、または追加させて表示するキャラクタ等変化制御回路を有することを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の操作機器の接続が変更可能なゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−172649(P2010−172649A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21398(P2009−21398)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【Fターム(参考)】