説明

操作装置

【課題】操作側の微妙な変動を作用側に正確に伝える装置を提供する。
【解決手段】伸縮装置5のロック解除操作をするために操作装置4が設けられる。操作装置4は、ピストン44Aを押し込むことで、油を弁室47Aへ送り出す。送り出される油の流量が過大となると、弁体46Aが圧縮スプリング465Aの付勢力に抗して開口472Aへ押し当てられ、作用部へ供給される油量の急激な増大が抑制される。さらに、絞り部466Aによって、供給される油量は、微少量に抑制され、作用部側での操作量の増大が抑止されるとともに、油の供給は維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置に係り、より詳細には、圧力伝達媒体を介して操作圧力を伝達する操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、油等の流体により圧力を伝達し、操作側から作用側で操作量を伝達する装置にあっては、例えば、操作側のピストンを押し込むことにより、シリンダから油を押し出し、通油管を介して作用側のピストンを移動させ、所定の機器に操作量を伝達する構成が一般的である。
【特許文献1】特開平5−4570号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の操作装置では、足で操作されるフットブレーキの操作量の伝達などに使用可能であるが、操作側の微妙な変動を作用側に正確に伝えることが難しいといった問題があった。さらに、操作側の操作量を、複数の作用側のピストンに伝達する場合には、作用側の各ピストンの変動量に差が生じ易く、微妙な変動を作用側に正確に伝えることが一層難しいといった問題があった。
【0004】
本発明は、上記事実に鑑み成されたもので、操作側の微妙な変動を作用側に正確に伝える装置及び、操作側の操作量を複数の作用側にそれぞれ同じ操作量を伝達することのできる装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的は、以下の本発明によって達成される。
(1) 外部操作による操作部材の変位によって、流体の圧力伝達媒体に圧力を加える加圧操作手段と、
前記加圧操作手段によって加えられた圧力を、位置決め手段の位置固定状態と固定解除状態との切換操作に変換して作用させる複数の作用手段と、
前記加圧操作手段からの圧力伝達媒体を導出する導通路と、
前記導通路から複数の作用手段へ圧力伝達媒体を分配する分岐部と、
前記分岐部から各作用手段へ圧力伝達媒体を導く枝路とを備え、
前記各枝路には、圧力伝達媒体の流量を制限する流量制限手段が設けられ、
前記各流量制御手段によって、前記各枝路を流通する圧力伝達媒体の流量が相互に等しくなるように構成されていることを特徴とする操作装置。
【0006】
(2) 前記位置決め手段は、シリンダとシリンダに挿入されたピストンを備えた伸縮装置の位置決め手段であって、
前記ピストンの両側に形成されたシリンダ室間を流れる流体の流れを開放または閉鎖する開閉弁を有する上記(1)に記載の操作装置。
【0007】
(3) 外部操作による操作部材の変位によって、流体の圧力伝達媒体に圧力を加える加圧操作手段と、
前記加圧操作手段によって加えられた圧力を、位置決め手段の位置固定状態と固定解除状態との切換操作に変換して作用させる作用手段と、
前記加圧操作手段から導出される圧力伝達媒体の流量を規制する流量規制手段と、
前記加圧操作手段からの圧力伝達媒体を導出する導通路とを備え、
前記流量規制手段は、前記加圧操作手段から送り出される圧力伝達媒体が流入する流入口と流出する流出口とを有する弁室と、前記流入口ヘ付勢部材によって押し当てられ、圧力伝達媒体の流出量が所定以上となった場合に流出口を閉鎖する弁体と、
前記弁体が流出口を閉鎖した場合に、流出口を通過する流量を規制する絞り部とを有することを特徴とする操作装置。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、各枝路に流量制限手段が設けられているので、複数の作用手段へ等しい操作量を伝達させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、複数の伸縮装置の位置決め手段の作動を、1つの操作側の加圧操作手段によって同時に操作することができ、かつ、位置決め手段の作動を同じタイミングとすることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明によれば、操作者による加圧操作手段側の操作量が所定値以上となると、弁体が流出口を塞ぎ、絞り部が作用するため、作用手段に伝達させる操作量の急激な変化を制限できる。このため、例えば、エアースプリング付伸縮装置の位置決めなどにおいて、位置決め装置の弁が急激に開放され、前記伸縮装置が突然伸張するなどといったトラブルが抑制される。さらに、圧力伝達媒体は絞り部を介して微量に供給されるので、操作量の伝達は継続され、操作の中断は生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1及び図2は、第1実施形態として、本発明の操作装置1を介護用ベッド2に用いた際の構成を示す全体斜視図である。介護用ベッド2は、矩形状に形成された枠体21を水平に配置し、該枠体21の四隅において下方へ突出して設けられた4つの脚と、枠体21の上側に被せられた天板24、25とを備えている。天板24は、枠体21の上側に固定されており、天板24と、天板25は、ほぼ中央部で相互に突き合わされて配置されている。そして、天板25は、天板24に蝶番26a、26bを介して接続されており、天板24に対して天板25は上方へ揺動可能に構成されている。
【0011】
天板25側の脚22b、22cには、支持棒23が架設されており、該支持棒23には、2つの伸縮装置5A、5Bの基端部が揺動自在に接続されている。天板25の下側には、一対の支持凸部251a、251bが設けられ、支持凸部251a、251bの間には、支持棒252が架設されている。支持棒252には、基端が支持棒23に接続されている伸縮装置5A、5Bの先端部が揺動自在に接続されている。このような構成により、伸縮装置5A、5Bの伸縮によって、天板25の傾斜角度が調整される構成となっている。
【0012】
伸縮装置5A、5Bには、これらの長さを位置決め操作するための操作装置1が接続されている。操作装置4は、加圧操作手段としての操作部41Aと、作用手段としての作用部41Cと、操作部4と作用部41Cとの間で圧力伝達媒体である油を導く導通路としての枝路41B、42Bとを有している。
【0013】
図1又は2に示されているように、操作部41Aは、使用者が伸縮機構5のロックを解除する操作をするために設けられたものである。操作部41Aは、介護ベッド2の枠体21側面に固定され、天板25を揺動操作するときに、同時に解除操作することができるように、天板25に近い位置に設けられている。図3〜図5は、操作装置4の操作部41Aの断面図である。加圧操作手段である操作部41Aは、操作部本体410Aと、操作部本体410Aを枠体21に固定するための取付部411Aと、操作部材412Aと、ピストンロッド45Aを有するピストン44Aとを備えている。
【0014】
操作部本体410Aと取付部411Aは一体として形成され、操作部本体410A内には、シリンダ43Aが形成されており、シリンダ43A内にはピストン44Aが収容されている。シリンダ43Aは、連通路431Aを介して弁室47Aに連通し、弁室47Aの基端部には、蓋体48Aが挿入されている。蓋体48Aには、導出路473Aが連通しており、導出路473Aの一端は弁室47A内に開口472Aを有し、他端は連結管41Bの接続部に開口を有している。シリンダ43Aの先端部は、蓋体42Aよって塞がれている。ピストン44Aに接続されたピストンロッド45Aは、蓋体42Aを挿通し、操作部本体41Aの外側に、突出しており、その先端は、操作部材412Aに当接している。
【0015】
弁室47Aと連通路431Aとが接続される開口部471Aには、テーパが形成され、この開口部471Aに弁体46Aの先端部が嵌まり込む。弁体46Aは、弁室47A内に収容され、弁室46Aの軸方向に往復動自在に設けられている。弁体46Aの先端部には、シール材が埋設され、これが開口部471Aのテーパ面に当接する。また、弁体46Aの基端部にはテーパ面464Aが形成されている。このテーパ面464Aは、弁体46Aが基端側に移動した際、開口472Aに当接される。
【0016】
また、弁体46Aには、先端に流通開口461Aを有し、この流通開口461Aは、通路462Aを介して、弁体46の側面外側に連通している。この流通開口461Aと通路462Aによって、弁体46Aが開口部471Aを塞いでいる状態であっても、シリンダ43Aと弁室47Aとは、所定量以下で油が流通可能な状態が維持される。さらに、通路462Aと基端とを連通する絞り部466Aが形成されている。絞り部466Aは、弁体46Aが、開口472Aに当接した際、流量を制限する絞りとして機能する。絞り部466Aは、流通開口461Aに比較して横断面積が小さい流路である。
【0017】
弁体46Aと基端側の蓋体48Aの間には、付勢部材としての圧縮スプリング465Aが設けられ、弁体46Aを開口部471Aへ向けて常時付勢している。ピストンロッド45Aには、スプリング451Aが外装され、ピストンロッド45Aを引っ張り出す方向に付勢している。解除操作後、ピストンロッド45Aを復帰させるためのものである。
【0018】
次に作用部41Cについて説明する。作用部41Cは、各伸縮機構5A、5Bのピストンロッド52A、52Bにそれぞれ設けられている。以下、伸縮機構5Aのピストンロッド52Aに設けられた作用部41Cについて説明する。図6は、作用部41Cの取付状態を示す全体斜視図、図7は、作用部41Cの断面図である。作用部41Cは、作用部本体410Cと、伸縮機構5のピストンロッド52の先端を連結固定するための連結部42Cと、ピストン44Cとを備えている。
【0019】
作用部本体410C内には、シリンダ43Cが形成され、シリンダ43C内にピストン44Cが収容されている。またシリンダ43C内には、連結部42Cを介して接続されたピストンロッド52の操作ボタン53Aが挿入され、ピストン44Cの片側の面に当接している。ピストン44Cの反対側の面には、シリンダ43Cとピストン44Cとによって油が充填されている油室が形成される(図7中では、油が押出された状態が示されている)。シリンダ43Cには、連通路45Cが接続され、連通路45Cには、接続部432Bを介して接続された枝路43Bが接続される。
【0020】
作用部本体410Cには、連結部として環状部47Cが形成され、その中心に形成された挿通孔471Cに、支持棒252が挿通している。作用部本体410Cは、環状部47Cにおいて、支持棒252に対して回動自在に接続される。操作部41Aと作用部41Cは、送油管を介して接続されており、圧力伝達媒体である油は、送油管を介して、操作部41Aのシリンダ43Aと作用部41Cのシリンダ43Cの間を流通する。
【0021】
送油管は、導通路41Bと分岐部6と2つの枝路42B、43Bとを備えている。導通路41B、枝路42B、43Bは、可撓性を有する材料で構成された管体であり、例えば合成樹脂で構成することができる。導通路41B、枝路42B、43Bを柔らかい材料で構成することによって、変形に対する抵抗を減少させ、天板25の昇降に加わる抵抗を小さくすることができる。
【0022】
導通路41Bと2つの枝路42B、43Bは、分岐部6を介して連結されている。分岐部6の構成について、図8の分岐部6の断面図に基づき説明する。分岐部6は、ハウジング61と、流量規制部60a、60bを収容する収容部63a、63bを分流室62と、分岐路67a、67bとを備えている。分流室62には、導通路41Bが接続される接続口621が設けられ、さらに、収容部63a、63bの一端が開口している。各収容部63a、63bには、流量規制部60a、60bが収容されている。各分岐路67a、67bには、枝路42B、43Bの接続端421B、431Bがそれぞれ接続されている。各流量規制部60a、60bは、構成が同じであるため、一方の流量規制部60aについて説明し、他方の流量規制部60bの構成の説明は省略する。
【0023】
収容部63aの分流室62側の開口632aには、環状のストッパ633aが内壁に埋設されている。該ストッパ633aには、筒状の弁体64aが当接され、弁体64aと収容部63aの内側に突出した突出部631aとの間に介挿された圧縮スプリング65aによって、弁体64aはストッパ633aへ向けて付勢されている。弁体64aの内側には弁座66aが配置されている。弁座66aは、円錐形状を有し、先端部は、弁体64aの中央部に形成された弁口644a内に達している。油は、弁口644aと弁座64aの先端部との間に形成された隙間を介して流通する。弁座66aの先端部には、テーパが形成されており、弁体64aが弁座66aの基端へ向けて移動すると、隙間が徐々に減少し、最終的に弁体64aの弁口644aが塞がれる構成となっている。弁座66aの基端662aは、収容部63a内に設けられた支持部671aに螺合されて固定されている。収容部63aの基端開口部には、筒状の接続部材68aが螺入され、枝路42Bの接続端421Bが接続される。弁口644aから弁座66aの基端方向へ流入した油は、支持部671aの周囲に形成された空間を経由して、枝路42Bへ流入する。
【0024】
スプリング65aと、弁体64aの弁口644aに流入する油の圧力とのバランスによって、弁口644aと弁座66aとの間に形成される間隔が適宜調整され、常時一定の流量が流れるように規制される。このような流量規制部60aと同じ構成の流量規制部60bが併設されているため、各枝路42B、43Bに供給される圧力伝達媒体である油の量をほぼ同一とすることができ、伸縮機構5A、5Bの位置決め操作量(つまり、ピストン44Cの移動量)をほぼ同一にすることができる。このようにすることによって、伸縮機構5A、5Bを同じタイミングで伸縮操作させることが可能となる。
【0025】
次の伸縮機構5A、5Bの構成について、説明する。図9は、伸縮機構5Aの断面側面図である。伸縮機構5Bは、伸縮機構5Aと構成が同一であるので、説明を省略する。伸縮機構5Aは、シリンダ本体51Aと、ピストン54Aと、ピストンロッド52Aと、ガス55rAと、ガススプリング用ピストン551rAと、位置決め機構56Aとを備えている。
【0026】
シリンダ本体51Aの一端には、連結部としての環状部511Aが設けられ、該環状部511Aの孔には、支持棒23が回動自在に挿通している。シリンダ本体51Aは筒状に形成され、内側にシリンダ55Aが形成されている。シリンダ55A内にはピストン54Aが収容され、シリンダ55Aを第1室55aAと第2室55bAとに分割している。第1室55aAと第2室55bAには、それぞれ油等の流体55wAが充填されている。
【0027】
ピストン54Aには、第2室55bA側にピストンロッド52Aの取付部542Aが設けられ、該取付部542Aにピストンロッド52Aの一端が接続されている。ピストンロッド52Aの他端は、シリンダ55Aの外側に突出し、その先端には操作ボタン53Aが突出している。ピストン54Aがシリンダ55A内で移動することによって、ピストンロッド52Aがシリンダ55Aに対して進退し、伸縮機構5A全体の長さが伸縮する構成となっている。
【0028】
ピストンロッド52Aの中心には、軸方向に操作ロッド541Aが挿通しており、操作ロッド541Aの一端は弁体561Aに接続され、他端は既述の操作ボタン53Aを構成している。弁体561Aは、ピストン54A内に収容されている。ピストン54Aには、流通路562Aが形成されており、流通路562Aの一端は第1室55aAに、他端は第2室55bAにそれぞれ開口している。この流通路562Aを介して、第1室55aAと第2室55bAとの間で、シリンダ55A内に充填されている流体55wAが移動可能となるように構成され、移動可能な状態で、ピストン54Aが移動可能となる。
【0029】
流通路562Aの第1室55aA側の開口には、弁体561Aが設けられている。操作ボタン53Aが押し込まれると、弁体561Aが第1室55aA側に突出して流通路562Aが開放され、ピストン54Aが移動可能状態、即ち伸縮可能状態となる構成となっている。また、弁体561Aが、流通路562Aの第1室55aA側の開口を塞いでいる状態では、伸縮機構5Aは伸縮不能状態であり、所定の長さで位置決めされた状態となる。このように、位置決め機構56Aは、操作ロッド541A、弁体561A、流通路562Aを備える。
【0030】
第1室55aAには、ガス55rAと、ガススプリング用ピストン551rAが設けられている。ガススプリング用ピストン551rAによって、ガス55rAと油55wAとが隔離され、伸縮機構5Aに圧縮方向の荷重が加わると、ガス55rAが圧縮されて体積が縮小し、緩衝機構として作用する。
【0031】
以上のような構成において、操作レバー471Aを操作するさい、レバーの操作量を大きく取った場合において、操作部41Aの弁体46Aの作用によって、圧力伝達媒体の操作量が急増することが抑制され、かつ、分岐部6によって、各伸縮機構5A、5Bの位置決め機構に伝わる操作量が等しくなるように調整される。即ち、圧力伝達媒体の操作量が急増することが抑制されるので、位置決め機構56Aの弁体561Aの移動量を微調整することが容易となり、天板25の昇降速度が緩やかとなるように操作することが容易となる。また、分岐部6によって、各伸縮機構5A、5Bの位置決め機構に伝わる操作量が等しくなるので、2つの伸縮機構5A、5Bの伸縮量を同一にすることができる。
【0032】
他の構成例について説明する。図10は、弁体46Aに形成された絞り部466Aに代えて、開口472Aのテーパー面において、径方向に形成された溝474Aが形成されている。溝474Aの両端は、開口472Aの外周端と内周端にそれぞれ達している。弁体46Aが開口472Aを塞いでいる状態で、溝474A内を油か流通し、絞り部として機能する。その他、絞り部としては、開口472Aに溝を形成する構成の他、弁室47Aと導出路473Aとを連通させる流通路475Aを別途形成し、該流通路475Aが絞り部として機能する構成としてもよい。
【0033】
図11及び図13は、第2実施形態として、本発明の操作装置が搭載された机3を示す全体斜視図である。机3は、高さ調整可能に構成されており、図11は、最も高い位置に設定されている状態、図13は、最も低い位置に設定された状態を示すものである。図12は、高さ調整機構を示す平面図である。
【0034】
机3は、天板31と、2つの昇降支持装置32a、32bと、昇降支持装置32a、32bを介して天板31の高さを調整する高さ調整機構33a、33bと、操作装置4とを有している。天板31は、矩形状に形成され、天板31の下面側には、対向する端辺に沿って、高さ調整機構33a、33bが配置されている。各高さ調整機構33a、33bには、昇降支持装置32a、32bがそれぞれ接続されている。両端の各高さ調整機構33a、33bと昇降支持装置32a、32bは、それぞれ構造が同じであるため、高さ調整機構33bと昇降支持装置32bについて、その構成を説明し、高さ調整機構33aと昇降支持装置32aについては、説明を省略する。
【0035】
高さ調整機構33bには、昇降支持装置32bが接続され、高さ調整機構33bには、昇降支持装置32bが接続されている。昇降支持装置32bは、2本の脚部材321b、322bと、これらの脚部材321b、322bを中央部で相互に回動自在に接続する支点軸323bとを備え、支点軸323bは、天板31の下面に固定された側板311bに形成された長孔312bを挿通している。長孔312bは、鉛直方向に形成され、天板31の高さの変動に応じて支点軸323bは、長孔312b内を昇降する。
【0036】
各脚部材321b、322bの下端には、ローラがそれぞれ設けられ、上端にはスライドピン321p、322pがそれぞれ挿通している。高さ調整機構33bは、天板31の下面に平行に配置されて案内部材331、332と、伸縮機構5Cbとを備えている。案内部材331、332の間の案内空間333には、脚部材321b、322bの上端部が収納されている。各脚部材321b、322bの上端部を挿通するスライドピン321p、322pは、案内部材331、332に形成されたスリット331s、332s内を挿通している。
【0037】
案内空間333の外側に突出したスライドピン321p、322pの間には、伸縮機構5Cbが架設されている。伸縮機構5Cbの構成は、伸縮機構5A、5Bと同様であるので説明を省略する。また、伸縮機構5A、5Bの構成において、第1室55aAにおける、ガス55rAと、ガススプリング用ピストン551rAを省略した構成としてもよい。或いは、第2室55bA側にガス55rAと、ガススプリング用ピストン551rAを設けた構成としてもよい。
【0038】
対向辺側に位置する高さ調整機構33aについても、同様に伸縮機構5Caが設けられ、昇降支持装置32aは、についても、脚部材321a、322aと、支点軸323aとを備えている。伸縮機構5Cbが縮む方向に変化した場合には、脚部材321b、322bの交差角度αが小さくなり、図11に示されているように、天板31の高さは上昇する。また、伸縮機構5Cbが伸びる方向に変化した場合には、脚部材321b、322bの交差角度αが大きくなり、図13に示されているように、天板31の高さは下降する。
【0039】
伸縮機構5Ca、5Cbは、操作装置4に操作される。操作装置4の構成及び作用については、図1〜図8に基づいて説明した既述の構成と同一であるので、構成要素に符号を付し、説明を省略する。天板31において、対角線上に位置するスライドピンには、接続ピン345a、345bが設けられ、該接続ピン345a、345bは、リンク機構34で連結されている。リンク機構34は、天板31の下面の中央に回動軸342によって回動自在に支持された揺動部材341と、揺動部材341の両端に揺動自在に接続された連結部材343a、343aとを有している。連結部材343a、343bの一端は、支点344a、344aを介して揺動部材341に接続され、他端は、接続ピン345a、345bにそれぞれ揺動自在に接続されている。このようなリンク機構34は、両端の高さ調整機構33a、33bにおける脚部材の移動量を同一とするための機構である。
【0040】
図14は、操作装置4の他の使用例を示す、卓7の全体斜視図である。卓7は、円形の天板71と、3つの脚部72a、72b、72cとを備えている。各脚部72a、72b、72cは同一の構成であるため、脚部72aの構成を説明し、他の説明は省略する。図15は、脚部72aの断面斜視図である。脚部72aは、筒状の内側収容部74aと、外装体73aとを備えている。外装体73aは、天板71の下面に固定され、下端が開放されており、この開放部分に内側収容部74aが挿入されている。内側収容部74a内には、伸縮機構5Daが収容されており、下側にシリンダ本体51Aが位置し、上方へ向けてピストンロッド52Aが突出している。ピストンロッド52Aの先端に接続された作用部41Cは、天板71側に固定されている。作用部41Cには、枝路422Bが接続され、外装体73aから外側へ延出している。
【0041】
他の脚部72b、72cも同様に、内側収容部74b、74cと、外装体73b、74cとを備え、それぞれ内側に伸縮機構を収容している。これらの3つの伸縮機構は、操作装置4によって伸縮位置のロックと解除が行なわれ、伸縮機構の伸びで、天板71の高さが調整される。即ち、伸縮機構が伸びることで、天板71の高さが高くなり、縮むことで天板71の高さが低くなる。
【0042】
伸縮機構を操作する操作装置4の分岐部6は、3つ流量規制部と、これにそれぞれ連通する3つ分岐路を備え、各分岐路には、枝路421B、422B、423Bの一端が接続され、その他端は、各脚部72a、72b、72cに内蔵された伸縮機構の作用部41Cに接続される。このように構成することによって、操作部41Aから供給される圧力伝達媒体の流量は、各脚部72a、72b、72cへ均等に分配される。そして、脚部72a、72b、72cは同じタイミングで伸縮駆動を開始または停止する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の操作装置を用いた、第1実施形態としての介護用ベッドの全体斜視図である。
【図2】本発明の操作装置を用いた介護用ベッドの全体斜視図である。
【図3】操作装置の操作部の構成を示す断面図である。
【図4】操作装置の操作部の構成を示す断面図である。
【図5】操作装置の操作部の構成を示す断面図である。
【図6】操作装置の作用部の取付状態を示す全体斜視図である。
【図7】作用部の断面図である。
【図8】分岐部の断面図である。
【図9】伸縮機構の全体断面図である。
【図10】他の構成を示す、操作装置の部分拡大断面図である。
【図11】第2実施形態として、本発明の操作装置が搭載された机を示す全体斜視図である。
【図12】高さ調整機構を示す平面図である。
【図13】第2実施形態として、本発明の操作装置が搭載された机を示す全体斜視図である。
【図14】第3実施形態として、本発明の操作装置が搭載された卓を示す全体斜視図である。
【図15】第3実施形態における脚部の構成を示す断面斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
2 介護用ベッド
25 天板
4 操作装置
41A 操作部
41C 作用部
46A 弁体
5A、5B 伸縮機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部操作による操作部材の変位によって、流体の圧力伝達媒体に圧力を加える加圧操作手段と、
前記加圧操作手段によって加えられた圧力を、位置決め手段の位置固定状態と固定解除状態との切換操作に変換して作用させる複数の作用手段と、
前記加圧操作手段からの圧力伝達媒体を導出する導通路と、
前記導通路から複数の作用手段へ圧力伝達媒体を分配する分岐部と、
前記分岐部から各作用手段へ圧力伝達媒体を導く枝路とを備え、
前記各枝路には、圧力伝達媒体の流量を制限する流量制限手段が設けられ、
前記各流量制御手段によって、前記各枝路を流通する圧力伝達媒体の流量が相互に等しくなるように構成されていることを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記位置決め手段は、シリンダとシリンダに挿入されたピストンを備えた伸縮装置の位置決め手段であって、
前記ピストンの両側に形成されたシリンダ室間を流れる流体の流れを開放または閉鎖する開閉弁を有する請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
外部操作による操作部材の変位によって、流体の圧力伝達媒体に圧力を加える加圧操作手段と、
前記加圧操作手段によって加えられた圧力を、位置決め手段の位置固定状態と固定解除状態との切換操作に変換して作用させる作用手段と、
前記加圧操作手段から導出される圧力伝達媒体の流量を規制する流量規制手段と、
前記加圧操作手段からの圧力伝達媒体を導出する導通路とを備え、
前記流量規制手段は、前記加圧操作手段から送り出される圧力伝達媒体が流入する流入口と流出する流出口とを有する弁室と、前記流入口ヘ付勢部材によって押し当てられ、圧力伝達媒体の流出量が所定以上となった場合に流出口を閉鎖する弁体と、
前記弁体が流出口を閉鎖した場合に、流出口を通過する流量を規制する絞り部とを有することを特徴とする操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−58114(P2009−58114A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228494(P2007−228494)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(591068218)麓技研株式会社 (8)
【Fターム(参考)】