説明

操作装置

【課題】静電気除去構造の合理化を図り、製造コストを低減することが可能な操作装置を提供する。
【解決手段】スイッチ操作領域6が設けられている前壁部12を有し、かつ内部に制御基板2を収容している筐体1と、少なくとも一部分が前壁部12の表面部側に位置するように設けられた静電気除去用の導体部3と、を備えている、操作装置OPであって、前壁部12に設けられた締結部材挿入用孔5に挿入されて、制御基板2を前壁部12に固定し、かつ制御基板2のグランド部20に導通している締結部材4を備えており、静電気除去用の導体部3の一部分は、締結部材挿入用孔5に進入し、または隣接した配置に設けられて、導体部3と締結部材4とは、互いに接触し、または導体部3から締結部材4に向けて静電気を放電させることが可能に互いに接近している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯装置やその他の装置のリモコンなどとして用いるのに好適な操作装置、さらに詳しくは、静電気に対する防護機能を備えたタイプの操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の操作装置の一例として、特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載された操作装置は、制御基板を内部に収容した筐体の前面部に、スイッチ操作領域や画面表示領域が設けられているが、これらスイッチ操作領域と画面表示領域との間には、静電気除去用の針金が設けられている。この針金は、たとえばコの字状に屈曲した形態とされて、筐体の前面側から制御基板に向けて延びた脚部を有しており、この脚部が制御基板のグランド電極に接触していることにより、グランド電位に設定されている。このような構成によれば、操作者が静電気を帯びている場合に、この静電気を前記針金を介して制御基板のグランド電極に導くことが可能である。したがって、画面表示領域や、制御基板上に設けられた他の電気回路に静電気が流れ込まないようにし、これらを保護することが可能である。
【0003】
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるような不具合がある。
【0004】
すなわち、前記した静電気除去用の針金については、全体をコの字状に形成するなどして、比較的大きなサイズに製作する必要がある。また、前記針金を筐体に組み付ける場合、この針金の一部分については筐体の前面側に配置させる一方、他の一部分については、筐体内に位置する制御基板のグランド電極に接触させる必要がある。したがって、コの字状に形成された比較的大きなサイズの針金を、前記した態様で筐体に組み付ける作業は、煩雑であり、装置の製造コストが高価となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−250218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、静電気除去構造の合理化を図り、製造コストを低減することが可能な操作装置を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本発明により提供される操作装置は、スイッチ操作領域が設けられている前壁部を有し、かつ内部に制御基板を収容している筐体と、少なくとも一部分が前記前壁部の表面部側に位置するように設けられた静電気除去用の導体部と、を備えている、操作装置であって、前記前壁部に設けられた締結部材挿入用孔に挿入されて、前記制御基板を前記前壁部に固定しており、かつ前記制御基板に設けられているグランド部に導通している制御基板用の締結部材を備えており、前記静電気除去用の導体部の一部分は、前記締結部材挿入用孔に進入または隣接した配置に設けられていることにより、前記導体部と前記締結部材とは、互いに接触し、または前記導体部から前記締結部材に向けて静電気を放電させることが可能に互いに接近した構成とされていることを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、静電気を帯びた操作者がスイッチ操作などを行なう際に、前記静電気を静電気除去用の導体部および締結部材を介して制御基板のグランド部に導き、制御基板の他の電気回路などに被害を生じないようにすることができる。加えて、前記構成によれば、次に述べるような効果も得られる。
すなわち、本発明においては、静電気を制御基板のグランド部に導くための手段として、制御基板を筐体の前壁部に固定させるための締結部材を利用している。したがって、静電気除去用の導体部は、前記特許文献1に記載された静電気除去用の針金とは異なり、全体を略コ字状の大きなサイズのものに形成して制御基板のグランド部に直接接触させる必要はなく、小サイズに形成し、筐体の前壁部の表面部側に簡単に設けることができる。その一方、前記締結部材は、本来的には、制御基板を筐体に固定させるためのものであり、この締結部材を静電気除去用途に兼用したとしても、このことに起因して全体構造がとくに複雑化するといった不具合もない。このようなことから、本発明に係る操作装置は、特許文献1に記載されたものと比較して、構成が合理的であり、製造コストの低減を図るのに好適である。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記締結部材挿入用孔は、前記筐体の前壁部に貫通していることにより、前記前壁部の表面部に開口部を形成しており、前記締結部材と前記静電気除去用の導体部とは、前記開口部の形成箇所において互いに接触または接近している。
【0011】
このような構成によれば、静電気除去用の導体部を筐体に組み付ける場合に、静電気除去用の導体部の一部分を締結部材挿入用孔の開口部が形成されている箇所に配置させればよいこととなり、その組み付け作業は非常に容易なものとなる。したがって、装置の製造コストを低減するのにより好適となる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記締結部材挿入用孔および前記締結部材として、互いに間隔を隔てて位置する一対の締結部材挿入用孔および一対の締結部材を備えており、前記静電気除去用の導体部は、前記一対の締結部材挿入用孔の一方から他方に向けて延びており、前記導体部の両端部に対して前記一対の締結部材が接触または接近している。
【0013】
このような構成によれば、静電気を静電気除去用の導体部からグランド部に導くための経路として、前記導体部の一端部から1つの締結部材を介してグランド部に導く経路と、前記導体部の他端部から他の1の締結部材を介してグランド部に導く経路との2経路が構築されることとなる。このような2経路が構築されれば、万一、いずれか一方の経路が不良状態になったとしても、他方の経路を利用して静電気をグランド部に適切に導くことが可能であり、静電気除去機能についての信頼性を高めることができる。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記一対の締結部材の少なくとも一方は、前記静電気除去用の導体部の端部に接触しないように設定されており、前記導体部、前記一対の締結部材、および前記制御基板のグランド部は、非ループ状とされている。
【0015】
このような構成によれば、いわゆるループ電流に起因する悪影響を適切に防止することができる。すなわち、前記構成とは異なり、静電気除去用の導体部と一対の締結部材とが直接接触して、これら導体部、一対の締結部材、および制御基板のグランド部が、ループ状に繋がっている場合には、前記導体部が静電気を受けた場合に限らず、これ以外の場合であっても、前記ループ状の経路にループ電流が流れてこれが磁界源となり、他の電気回路に悪影響を及ぼす虞がある。これに対し、前記構成によれば、そのような虞を適切に解消することができる。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記静電気除去用の導体部は、金属製の線材を用いて構成されており、前記筐体の前壁部には、前記一対の締結部材挿入用孔の一方から他方に向けて延びた凹溝が形成されており、この凹溝に前記線材が嵌入されている。
【0017】
このような構成によれば、筐体の前壁部に設けられた凹溝に金属製の線材を嵌入させることにより、静電気除去用の導体部を筐体の前面部に簡易に設けることが可能であり、製造の容易化および低コスト化を図るのにより好適となる。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記筐体の前壁部に設けられ、かつ前記制御基板に搭載された光源からの光を前記前壁部の正面に向けて通過させるための透光用の孔部と、この透光用の孔部を覆うようにして前記前壁部に装着された透光性を有するカバー体と、を備えており、前記静電気除去用の導体部は、前記透光用の孔部と前記スイッチ操作領域との間に配置され、かつ前記カバー体によって覆われている。
【0019】
このような構成によれば、帯電した操作者がスイッチ操作などを行なう際に、静電気が透光用の孔部を通過して制御基板上の光源に向けて放電される現象を適切に防止することができる。また、静電気除去用の導体部は、前記透光用の孔部を覆うカバー体によって覆われているために、この導体部を外部から見え難くし、外観体裁を良好なものにすることも可能である。
【0020】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る操作装置の一例を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示す操作装置のカバー体を取り外した状態の外観斜視図である。
【図3】図2のIII−III断面図である。
【図4】図2のIV−IV要部断面図である。
【図5】本発明の他の例を示す断面図である。
【図6】本発明の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0023】
図1〜図4は、本発明が適用された操作装置の一例を示している。本実施形態の操作装置OPは、たとえば給湯装置(図示略)の遠隔操作用であり、台所などの壁面に取り付けられて、前記給湯装置のメインコントローラと配線接続された状態で使用される。
【0024】
図3および図4によく表われているように、この操作装置OPは、筐体1、この筐体1内に収容された制御基板2、静電気除去用の導体部3、および制御基板2を筐体1内において固定するための少なくとも一対のネジ体4を備えている。これらのネジ体4は、本発明でいう「締結部材」の一例に相当する。これらのネジ体4は、筐体1の前壁部12に形成された一対のネジ孔5に螺合挿入されているが、これら一対のネジ孔5は、本発明でいう「締結部材挿入用孔」の一例に相当する。
【0025】
図1および図2に示すように、筐体1は、偏平な略直方体状であり、前壁部12を有する筐体本体部10と、この筐体本体部10の背面側(図1および図2では下面側)に位置する背板部11とを有している。これら筐体本体部10および背板部11は、ともにABS樹脂製あるいはその他の合成樹脂製である。ただし、筐体1については、背板部11を具備しない構成とすることもできる。筐体1の前壁部12には、スイッチ操作領域6、および画面表示領域7が設けられている。
【0026】
スイッチ操作領域6は、複数の静電スイッチ部SWを有している。図4に示すように、前壁部12のうち、各静電スイッチ部SWの裏面側に相当する部分には、各静電スイッチ部SWの位置を認識させるための凹溝19が形成されている。前壁部12の裏面側には、制御基板2に接続された静電容量センサ60が設けられている。静電スイッチ部SWに指を近付けると、静電容量センサ60の対応箇所に電流が流れ、これが制御基板2の所定の回路において検出されるようになっている。静電容量センサ60は、たとえば樹脂製フィルム60aに複数の銅製のコイル60bをパターン形成して構成されたものであり、その厚みは小さい。このことにより、筐体1、ひいては操作装置OPの全体の薄型化が図られている。ただし、本発明はこれに限定されず、スイッチ操作領域6をたとえば接点方式の押圧スイッチが設けられた領域として構成してもよいことは勿論である。
【0027】
画面表示領域7は、各種のデータ表示を行なうための領域であり、7セグメントあるいは液晶表示器などの表示機器71を、前壁部12に設けられた開口窓72に臨ませた構成である。開口窓72は、カバー体70によって覆われている。このカバー体70は、データ表示を外部から認識可能とする透光性部材からなるが、好ましくは、静電気除去用の導体部3やその他のデータ非表示部分を外部から明瞭に見えないようにする有色である。前壁部12には、開口窓72とは別に、複数の透光用の孔部73も設けられている。これらの孔部73は、制御基板2に搭載されたLED光源74から発せられる光を前壁部12の正面(図4の上側方向)に向けて通過させるための部分である。制御基板2は、たとえばエポキシ樹脂製などの基板本体上に種々の電気・電子部品群(図示略)を搭載したものである。
【0028】
図3によく表われているように、前壁部12の裏面には、一対のボス部13が突設されており、これらの部分に一対のネジ孔5が貫通して設けられている。制御基板2は、一対のボス部13の各先端面に当接するようにして一対のネジ体4により固定されている。ただし、制御基板2には、グランド部20が銅などを用いてパターン形成されており、このグランド部20に各ネジ体4の頭部40が接触している。このことにより、各ネジ体4は、グランド電位にある。
【0029】
静電気除去用の導体部3は、直線状に延びる金属製の線材3’を用いて構成されている。図2〜図4に示すように、前壁部12の表面には、一対のネジ孔5のそれぞれの開口部50,50に跨がって直線状に延びる細幅な凹溝14が形成されており、静電気除去用の導体部3は、この凹溝14に線材3’が嵌入して位置決め保持された構成である。導体部3は、スイッチ操作領域6と複数の透光用の孔部73との間に位置している。また、図3によく表われているように、導体部3の両端部30は、各ネジ孔5の開口部50に進入し、または開口部50に進入することなくその一側方から開口部50に臨む(面する)ように設けられ、各ネジ体4の先端部41に接近している。導体部3とネジ体4の先端部41との隙間s1の寸法は、たとえば0.6mm程度であるが、これに限定されるものではなく、導体部3が操作者の指から静電気を受けた際に、この静電気をグランド電位にあるネジ体4に放電可能な距離であればよい。
【0030】
次に、前記した操作装置OPの作用について説明する。
【0031】
まず、静電気を帯びた操作者の指が静電気除去用の導体部3に接近した際には、前記静電気を、導体部3および各ネジ体4に順次放電させていき、制御基板2のグランド部20に逃がすことができる。本実施形態とは異なり、導体部3が設けられていない場合には、操作者がスイッチ操作を行なっている際、あるいはその他の際に、操作者の指から発せられた静電気がカバー体70と前壁部12との隙間s2(図4を参照)、および透光用の孔部73を通過してLED光源74に到達し、このLED光源74や、これに導通した他の電子部分などを損壊させる虞がある。これに対し、本実施形態によれば、そのような虞を適切に回避することができる。
【0032】
本実施形態の操作装置OPにおいては、既述したように、静電気をグランド部20に導くための手段として、制御基板2を固定するためのネジ体4を利用しており、静電気除去用の導体部3は、単なる直線状に延びた金属製の線材3’を用いて構成されている。したがって、たとえば比較的長寸法の金属製の線材を略コの字状に屈曲させてその一部分を制御基板のグランド部に接続させる構成(従来技術に相当する構成)と比較すると、本実施形態の構成はかなり合理的であり、導体部3の形状の簡素化および小寸法化が図られ、しかも筐体1に導体部3を設けるための作業も容易となる。とくに、筐体1に導体部3を設ける作業は、前壁部12に形成されている凹溝14に線材3’を嵌入させるだけで行なうことができるために、その作業は一層容易である。
【0033】
静電気除去用の導体部3は、既述したように、一対のネジ孔5どうしの間に跨がった状態に設けられており、この導体部3の両端部30に対応して一対のネジ体4が設けられている。このような構成によれば、導体部3からグランド部20に向けて静電気が流れる経路が2経路となるため、たとえばそれら2経路のうち、いずれか一方に不具合を生じた場合であっても、他方の経路を利用して静電気をグランド部20に逃がすことが可能であり、信頼性に優れたものとなる。また、導体部3の取り付けに不備を生じるなどして、たとえば導体部3が本来の適正な位置よりも図3の右側方向に位置ずれし、導体部3の左側の端部30(30a)とこれに対応するネジ体4との隙間の寸法が過大になったとしても、これとは反対の導体部3の右側の端部30(30b)寄りの部分とこれに対応するネジ体4との隙間の寸法は静電気の伝達に適正な寸法に維持することができるといった利点も得られる。
【0034】
導体部3と各ネジ体4とは非接触であり、導体部3、一対のネジ体4、および制御基板2上のグランド部20は、機械的に連結されていない非ループ状にあるため、次のような利点も得られる。すなわち、本実施形態とは異なり、前記した部分をループ状に機械的に連結した場合には、導体部3が受けた静電気がループ状の経路を循環し、いわゆるループ電流となる虞がある。また、導体部3がそのような静電気を受けない場合であっても、なんらかの事情により、前記と同様なループ電流が発生する虞がある。このようなループ電流が発生すると、これが磁界源となり、制御基板2上などの他の電気回路に悪影響を与える可能性がある。これに対し、本実施形態によれば、そのようなことを適切に回避することができる。また、本実施形態とは異なり、導体部3とネジ体4とを接触させて連結する場合には、これらの部材の寸法管理などをかなり厳密に行なう必要がある。加えて、それらを機械的に連結する作業も必要となる。これに対し、本実施形態によれば、導体部3とネジ体4との隙間は、導体部3が受けた静電気をネジ体4に向けて放電可能な範囲の寸法に規定されればよいため、その寸法管理も容易となり、また前記両者を機械的に連結する作業も不要である。したがって、本実施形態の操作装置OPは、製造コストを低減するのにより好ましいものとなる。
【0035】
図5および図6は、本発明の他の実施形態を示している。これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付している。
【0036】
図5に示す構成においては、各ネジ孔5が非貫通孔として設けられており、筐体1の前壁部12の表面側に各ネジ孔5は開口していない。静電気除去用の導体部3の端部30は、各ネジ孔5の周壁部分に設けられた孔部18内に挿入されて各ネジ孔5内に進入し、または各ネジ孔5内に臨んでいる。本実施形態においては、孔部18が設けられている分だけ前記実施形態よりも筐体1の構造が複雑化しているものの、やはり前記実施形態と同様に、導体部3に受けた静電気をネジ体4およびグランド部20に順次導くことができる。
【0037】
図6に示す構成においては、カバー体70の裏面に、静電気除去用の導体部3Aが設けられており、カバー体70が筐体1の前壁部12に装着されることにより、導体部3Aの両端部30がネジ体4の先端部41に接近している。導体部3Aは、たとえば銅などの金属膜をカバー体70の裏面にパターン形成することにより構成されている。本実施形態においては、前記実施形態とは異なり、金属製の線材を筐体1の表面に組み付ける必要がなく、操作装置の組み立て作業をより容易にすることが可能である。本実施形態から理解されるように、本発明でいう静電気除去用の導体部は、金属製の線材を用いることなく構成することができる。
【0038】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る操作装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0039】
本発明でいう「締結部材」は、制御基板を筐体に締結(固定)させる機能を有し、かつ静電気を静電気除去用の導体部から受けてグランド部に伝達する導電機能を有するものであればよく、ボルトやビスなどのネジ体以外の部材を用いることもできる。したがって、本発明でいう「締結部材挿入用孔」も、ネジ孔とは異なる構成の孔として構成することができる。
【0040】
上述した実施形態では、いずれの場合においても静電気除去用の導体部と締結部材とを直接接触させていないものの、本発明はこれに限定されず、これらを直接接触させてもよい。本発明に係る操作装置は、給湯装置用以外として、種々の装置・機器類(たとえば、コージェネレーションシステム、ヒートホンプ、空調機、軟水器などの水処理装置など)の遠隔操作用、または遠隔操作用以外の操作装置として構成することができる。
【符号の説明】
【0041】
OP 操作装置
1 筐体
2 制御基板
3,3A 静電気除去用の導体部
3’ 金属製の線材
4 ネジ体(締結部材)
5 ネジ孔(締結部材挿入用孔)
6 スイッチ操作領域
12 前壁部(筐体の)
20 グランド部
30 端部(静電気除去用の導体部の)
50 開口部(ネジ孔の)
70 カバー体
73 透光用の孔部
74 LED光源(光源)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ操作領域が設けられている前壁部を有し、かつ内部に制御基板を収容している筐体と、
少なくとも一部分が前記前壁部の表面部側に位置するように設けられた静電気除去用の導体部と、
を備えている、操作装置であって、
前記前壁部に設けられた締結部材挿入用孔に挿入されて、前記制御基板を前記前壁部に固定しており、かつ前記制御基板に設けられているグランド部に導通している制御基板用の締結部材を備えており、
前記静電気除去用の導体部の一部分は、前記締結部材挿入用孔に進入または隣接した配置に設けられていることにより、前記導体部と前記締結部材とは、互いに接触し、または前記導体部から前記締結部材に向けて静電気を放電させることが可能に互いに接近した構成とされていることを特徴とする、操作装置。
【請求項2】
前記締結部材挿入用孔は、前記筐体の前壁部に貫通していることにより、前記前壁部の表面部に開口部を形成しており、
前記締結部材と前記静電気除去用の導体部とは、前記開口部の形成箇所において互いに接触または接近している、請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記締結部材挿入用孔および前記締結部材として、互いに間隔を隔てて位置する一対の締結部材挿入用孔および一対の締結部材を備えており、
前記静電気除去用の導体部は、前記一対の締結部材挿入用孔の一方から他方に向けて延びており、前記導体部の両端部に対して前記一対の締結部材が接触または接近している、請求項1または2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記一対の締結部材の少なくとも一方は、前記静電気除去用の導体部の端部に接触しないように設定されており、前記導体部、前記一対の締結部材、および前記制御基板のグランド部は、非ループ状とされている、請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
前記静電気除去用の導体部は、金属製の線材を用いて構成されており、
前記筐体の前壁部には、前記一対の締結部材挿入用孔の一方から他方に向けて延びた凹溝が形成されており、この凹溝に前記線材が嵌入されている、請求項3または4に記載の操作装置。
【請求項6】
前記筐体の前壁部に設けられ、かつ前記制御基板に搭載された光源からの光を前記前壁部の正面に向けて通過させるための透光用の孔部と、
この透光用の孔部を覆うようにして前記前壁部に装着された透光性を有するカバー体と、を備えており、
前記静電気除去用の導体部は、前記透光用の孔部と前記スイッチ操作領域との間に配置され、かつ前記カバー体によって覆われている、請求項1ないし5のいずれかに記載の操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−71050(P2011−71050A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223129(P2009−223129)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【出願人】(503116659)ノーリツエレクトロニクステクノロジー株式会社 (155)
【Fターム(参考)】