説明

攪拌脱泡装置のアダプタ

【課題】 大小様々なサイズの容器に対応可能で、かつ、その容器から被混練物の漏れを防止することができる攪拌脱泡装置のアダプタを提供する。
【解決手段】 被混練物を収容した収容容器(軟膏容器3)を自転および公転させる攪拌脱泡装置のアダプタ2であって、一端側が開口した有底状の容器本体21と、容器本体21の底面21a側に向けて進退自在であり、収容容器(軟膏容器3)を底面21a側との間で挟持可能な押圧部材23と、を有するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、攪拌脱泡装置のアダプタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、被混練物を収容した容器を容器ホルダに保持して公転させながら、その公転軌道上で自転させるように構成した攪拌脱泡装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の攪拌脱泡装置においては、容器の公転によって働く遠心力により容器内の内壁に被混練物を押し付けて、被混練物に内在する気泡を外部に放出すると共に、容器の自転運動によって容器内の被混練物を攪拌するようになっている。具体的には、容器の公転速度が大きいと被混練物の脱泡性能が良くなり、自転速度が大きいと攪拌性能が良くなることが明らかになっている。
【0003】
近年、このような攪拌脱泡装置が軟膏剤の攪拌脱泡に使用されている。軟膏剤は容器(軟膏容器)に充填された状態で攪拌脱泡されるが、軟膏剤を充填する容器(軟膏容器)の大きさは様々であり、各容器は、その大きさに対応したアダプタを介して、攪拌脱泡装置の容器ホルダにセットされていた。特に、外形寸法が小さい容器にあっては、1つのアダプタでは対応しきれず、アダプタ内に取り付ける別のアダプタを介して、つまり、アダプタを二重にして対応するのが現状であった。
【特許文献1】特開平10−43568号公報(段落0013〜0023、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、各容器サイズに対応したアダプタをすべて揃えるのは、コストがかかるとともに、アダプタごとに収納スペースが必要になるという問題があった。また、容器を変えるたびにアダプタを選択してセットし直すのは手間がかかるという問題があった。特に、アダプタを二重にして対応する場合は二重の作業が必要になり、作業者の手を煩わせるものであった。
【0005】
また、攪拌脱泡装置では、大きな遠心力が加わるため、容器に充填された軟膏剤が漏れ出し、飛散することがあった。このように軟膏剤が飛散すると、容器ホルダを洗浄しなければならず、その清掃に手間がかかるとともに、攪拌脱泡装置自身の故障原因になるおそれもあった。
【0006】
一方、攪拌脱泡装置では、軟膏剤の攪拌を効率的に行うべく、軟膏剤を充填した容器の中心を自転軸上に位置決めするのが特に重要である。
このような問題は、軟膏剤を攪拌脱泡する場合に限らず、あらゆる被混練物を攪拌脱泡する場合においても発生する問題である。
【0007】
そこで、本発明では、大小様々なサイズの容器に対応可能で、かつ、その容器から被混練物の漏れを防止することができる攪拌脱泡装置のアダプタを提供することを主たる課題とする。また、容器中心を自転軸上に容易に重ねることが可能な攪拌脱泡装置のアダプタを提供することを従たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、被混練物を収容した収容容器を自転および公転させる攪拌脱泡装置のアダプタであって、一端側が開口した有底状の容器本体と、前記容器本体の底部に向けて進退自在であり、前記収容容器を前記底部との間で挟持可能な押圧部材と、を有することを特徴とする。
【0009】
請求項1に係る発明によれば、被混練物を収容した収容容器を容器本体内に収容し、収容容器を底部と押圧部材との間で挟持させた状態で、このアダプタを攪拌脱泡装置の容器ホルダにセットする。これによれば、1つのアダプタで、あらゆるサイズの収容容器を、容器本体内で固定することができる。また、収容容器を、容器本体の底部と押圧部材の間で上下方向から押圧して挟持することができるため、あまり密閉性のよくない収容容器であっても、被混練物の漏れを防止することができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の攪拌脱泡装置のアダプタにおいて、前記容器本体の底部および前記押圧部材における前記底部に対する面のうち少なくとも一方は、テーパ状に凹むように形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載の攪拌脱泡装置のアダプタによる作用に加え、底部および押圧部材における前記底部に対する面のうち少なくとも一方を、テーパ状に凹むように形成しているため、収容容器をテーパ面に当接させて、他方の部材との間で挟持することで、収容容器の中心を自転軸上に重ねることができる。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の攪拌脱泡装置のアダプタにおいて、前記容器本体の開口を覆う容器蓋を有し、前記押圧部材は、前記容器蓋に螺入されて取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項3は、請求項1または請求項2に記載の攪拌脱泡装置のアダプタにおいて、押圧部材の一態様を特定したものである。請求項3では、押圧部材を容器蓋に螺入することで、底部に向けて進退自在に構成する。これによれば、容器本体の底部と押圧部材との間に、収容容器を確実に挟持させることができる。また、容器本体と容器蓋の内部に収容容器を収容するため、収容容器から被混練物が漏れた場合であっても、その外部に飛散することがない。従って、攪拌脱泡装置の各機構等に被混練物が付着することがなく、その故障を防止することができる。また、被混練物が漏れた場合であっても、アダプタを洗浄するだけでいいので、取扱が容易になる。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の攪拌脱泡装置のアダプタにおいて、前記容器本体の開口を覆う容器蓋を有し、
前記押圧部材は、前記容器蓋に設けられた係止部にラチェット式に固定されるように構成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項4は、請求項1または請求項2に記載の攪拌脱泡装置のアダプタにおいて、押圧部材の一態様を特定したものである。請求項4では、押圧部材を容器蓋に設けられた係止部にラチェット式に固定されるようにして、底部に向けて進退自在に構成する。これによれば、押圧部材の逆転を防止して、容器本体の底部と押圧部材との間に、収容容器を確実に挟持させることができる。また、容器本体と容器蓋の内部に収容容器を収容するため、収容容器から被混練物が漏れた場合であっても、その外部に飛散することがない。従って、攪拌脱泡装置の各機構等に被混練物が付着することがなく、その故障を防止することができる。また、被混練物が漏れた場合であっても、アダプタを洗浄するだけでいいので、取扱が容易になる。
【0016】
請求項5に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の攪拌脱泡装置のアダプタにおいて、前記容器本体の開口を覆う容器蓋を有し、前記押圧部材は、前記容器蓋との間に介在する弾性部材で前記底部側に付勢されていることを特徴とする。
【0017】
請求項5は、請求項1または請求項2に記載の攪拌脱泡装置のアダプタにおいて、押圧部材のさらなる一態様を特定したものである。請求項5では、容器蓋と押圧部材との間に弾性部材を介在させ、この弾性部材の付勢力によって押圧部材を底部に向けて進退自在に構成する。これによれば、容器本体の底部と押圧部材との間に、収容容器を確実に挟持させることができる。また、容器本体と容器蓋の内部に収容容器を収容するため、収容容器から被混練物が漏れた場合であっても、その外部に飛散することがない。従って、攪拌脱泡装置の各機構等に被混練物が付着することがなく、その故障を防止することができる。また、被混練物が漏れた場合であっても、アダプタを洗浄するだけでいいので、取扱が容易になる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明によれば、1つのアダプタで、大小様々なサイズの収容容器に対応することができる。また、収容容器を上下方向から押圧して挟持するので、収容容器から被混練物が漏れ出すことを防止することができる。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、収容容器が、容器本体の底部または押圧部材に形成されるテーパ面に当接して位置決めされるので、自転軸上に収容容器の中心を容易に重ねることができる。
【0020】
請求項3または請求項5に係る発明によれば、収容容器を確実に挟持することができる。また、収容容器から被混練物が漏れた場合であっても、アダプタを洗浄するだけでいいので、取扱が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
まず、本実施形態に係るアダプタがセットされる攪拌脱泡装置について簡単に説明する。図1は、攪拌脱泡装置の縦断面図である。
【0022】
図1に示すように、攪拌脱泡装置1は、主に、支持体11に回転自在に軸支された公転軸12と、この公転軸12の上部に固定される公転テーブル13と、この公転テーブル13の外周側に回転自在に、かつ、公転軸12側に傾斜して軸支される自転軸14と、この自転軸14に固定される容器ホルダ15とから構成されている。この容器ホルダ15には、アダプタ2を介して、例えば、軟膏剤を充填された軟膏容器3(収容容器)がセットされる。なお、本実施形態では、軟膏容器3を想定して説明するが、本発明がこれに限定されるものではなく、種々の被混練物を収容する収容容器を保持する場合に適用することができる。
【0023】
図2は、小サイズの軟膏容器を保持した本実施形態に係るアダプタの断面図である。
図2に示すように、アダプタ2は、一端側が開口した有底円筒状の容器本体21と、この容器本体21の開口を覆う容器蓋22と、この容器蓋22に取り付けられる押圧部材23とから構成される。
【0024】
容器本体21は、軟膏容器3を収容するための容器であり、容器ホルダ15内に嵌入可能に形成される(図1参照)。容器本体21の内側下部には、円形状の底部部材211が配設されている。底部部材211は、平面視リング状の部材で、中央の開口部211aの内周面211bは、上から下に縮径する形状(テーパ状)に形成されている。また、容器本体21の上端外周部212は、開口部を覆う容器蓋22を螺着可能に形成される。ちなみに、本実施形態では、容器本体21を容器ホルダ15内に嵌入可能に構成したが、容器本体21は容器ホルダ15内で固定されるものであればよく、嵌入式でなくてもよい。なお、本実施形態では、底部部材211の内周面211bと容器本体21の底面21aが、特許請求の範囲の「底部」に相当する。
【0025】
容器蓋22は、容器本体21を密閉するもので、下面側には肉厚部材221が取り付けられて、構成されている。肉厚部材221の中央部には、貫通孔221aが形成されており、この貫通孔221aの内周面には、ネジ溝が形成されている。
【0026】
押圧部材23は、容器蓋22に取り付けられる取付軸231と、この取付軸231の下端側にワッシャWを介して取り付けられた押圧部232と、取付軸231の上端側にボルトBで取り付けられた把持部233とから構成される。
【0027】
取付軸231は、容器蓋22の中心軸上に位置した貫通孔221aに螺入可能に形成され、これにより、押圧部材23自身が、容器本体21の底面21a側に向けて進退自在になっている。また、取付軸231の先端部には、一回り小径の小径部231aが設けられており、押圧部232が挿通されて取り付けられるようになっている。
【0028】
押圧部232は、平面視円板状の部材であり、その下面の外周縁部232aは、下側に突出するように形成されている。この外周縁部232aの内周面232bは、下側から上側に縮径する形状(テーパ状)に形成されている。また、押圧部232の中央部には、貫通孔232cが穿設されている。押圧部232は、この貫通孔232cに前記小径部231aを挿通し、ワッシャWを介してボルトBで取付軸231に取り付けられるようになっている。なお、小径部231aの長さより、貫通孔232cの長さは若干短く形成されている。
【0029】
把持部233は、取付軸231を回転しやすいようにするためのもので、取付軸231の上部に2本のボルトBで固定されている。
【0030】
このように構成されたアダプタ2に、軟膏容器3は以下のようにして保持される。まず、軟膏容器3は、円形状の容器で、大小様々なサイズのものがあるが、ここでは、底部部材211の開口部211aより径が小さい、最小サイズの容器を想定する。
【0031】
容器本体21の底面21aに軟膏容器3を載置した後、容器蓋22を螺着する。そして、把持部233を把持して回転させることで、取付軸231が螺入し、押圧部232が下向きに前進する。このとき、軟膏容器3が容器本体21の中央部から外れた位置にある場合であっても、押圧部232の内周面232bがテーパ状に形成されていることで、軟膏容器3の上縁部に当接したとき、その位置を中央部にずらすように作用する。これにより、軟膏容器3の中心が、アダプタ2の中心軸上に一致し、ひいては、容器ホルダ15の自転軸上に重なるように位置決めされる。そして、このように位置決めされた状態で、押圧部232と底面21aとの間で軟膏容器3が挟持される。なお、押圧部232は、取付軸231の小径部231aよりも短く形成されているため、押圧部232が軟膏容器3に当接した後、さらに取付軸231を下方向に下げると、押圧部232が相対的に押し上げられその上面が段差部231bに当接する。つまり、押圧部232は、軟膏容器3に当接した後は、取付軸231の回転に追従しないようになっており、軟膏容器3と摺れないようになっている。
【0032】
また、このアダプタ2に、底部部材211の開口部211aより径が大きい、大サイズの軟膏容器3’を保持させる場合は、以下のようである。図3は、大サイズの軟膏容器を保持した本実施形態に係るアダプタの断面図である。
大サイズの軟膏容器3’を、底部部材211の内周面211b上に載置した後、容器蓋22を螺着する。そして、把持部233を把持して回転させることで、取付軸231が螺入し、押圧部232が下向きに前進する。このとき、軟膏容器3が容器本体21の中央部から外れた位置にある場合であっても、底部部材211の内周面211bがテーパ状に形成されていることで、押圧部232が軟膏容器3を上から押圧するとき、内周面211bのテーパ面に沿って軟膏容器3の位置を中央部にずらすように作用する。これにより、軟膏容器3の中心がアダプタ2の中心軸上に一致し、ひいては、容器ホルダ15の自転軸上に重なるように位置決めされる。そして、このように位置決めされた状態で、押圧部232と底部部材211との間で軟膏容器3’が挟持される。
【0033】
そして、このように軟膏容器3を保持したアダプタ2を、攪拌脱泡装置1の容器ホルダ15内にセットする。攪拌脱泡装置1は、公転軸12周りに回転させることで、容器ホルダ15を公転させつつ、自転軸14周りに回転させることで、容器ホルダ15を自転させるようになっている。これにより、軟膏容器3内に充填された軟膏剤を攪拌するとともに脱泡することができる。
【0034】
以上によれば、本実施形態において以下の効果を得ることができる。
本実施形態に係るアダプタ2によれば、種々のサイズの軟膏容器3を容易に保持させることができる。これにより、軟膏容器3のサイズに合わせてアダプタ2を選択する等の手間が省けるとともに、収納スペースの削減も図ることができる。
【0035】
本実施形態に係るアダプタ2によれば、軟膏容器3は、容器本体21の底部と押圧部材23の間で上下方向から押圧して挟持されるので、密閉性のよくない軟膏容器3であっても、充填された軟膏剤の漏れを防止することができる。また、万が一漏れた場合であっても、容器本体21内に飛散するにとどまる。つまり、攪拌脱泡装置1の各機構に付着することがないので、攪拌脱泡装置1の故障を防止することができる。さらに、軟膏剤が漏れた場合は、アダプタ2だけを洗浄するだけでよいので、取扱が容易である。
【0036】
容器本体21の内周面211bおよび押圧部材23における押圧部232の内周面232bが、テーパ状に凹むように形成されているため、保持する軟膏容器3を中央部に位置決めすることができる。これにより、軟膏容器3は容器ホルダ15の自転軸上に重なるように位置決めされるため、攪拌脱泡装置1にセットされた際、効率の良い攪拌脱泡効果を得ることができる。
【0037】
以上、本実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
【0038】
図4は、変形例1に係るアダプタの断面図である。
変形例に係るアダプタ2Aは、前記実施形態におけるアダプタ2の容器蓋22の形状を変形したものである。具体的には、図4に示すように、容器蓋24は、その中央部に上側に立ち上がった筒状の軸受部241を有し、この軸受部241の内周面にはネジ溝が形成されている。そして、この軸受部241に前記押圧部材23が螺入されるようになっている。これによれば、前記容器蓋22の肉厚部材221を別個に設ける必要がなくなり、作製が容易になる。
【0039】
図5は、変形例2に係るアダプタの断面図である。
変形例2に係るアダプタ2Bは、変形例1に係るアダプタ2Aの押圧部材23を変形したものである。具体的には、図5に示すように、押圧部材25は、容器蓋24に取り付けられる取付軸251と、この取付軸251の下端側にワッシャWを介して取り付けられた押圧部252と、取付軸251の上端側にボルト止めされた把持部253と、コイルバネ254(弾性部材)とから構成される。取付軸251の小径部251aは長めに設定されており、この小径部251aにコイルバネ254を介装してから押圧部252を取り付けるようにした。これによれば、コイルバネ254は、取付軸251の段差部251bと押圧部252の間に介在し、押圧部252を下向きに付勢する。変形例2では、このようなコイルバネ254の付勢力により、容器本体21の底面21aと押圧部252との間に軟膏容器3を挟持することができる。
【0040】
図6は、変形例3に係るアダプタの容器蓋の要部拡大断面図である。
変形例3は、変形例2の取付軸251の容器蓋24に対する取付態様を変形したものである。具体的には、図6に示すように、取付軸261にラチェット歯261aを形成するとともに、容器蓋27に係止部271を回動可能に取り付ける。係止部271には、取付軸261のラチェット歯261aに係合可能な係止爪271aが設けられ、また、係止部271は、容器蓋27の壁面27aに固定されたバネ272を介して、取付軸261側に付勢されるように取り付けられている。このように、通常、係止部271が取付軸261側に付勢されていることで、ラチェット歯261aの上面に係止爪271aの下面が接し、ラチェット歯261aと係止爪271aが係合して固定される。これにより、取付軸261の上昇が拘束される。なお、係止部271を矢印方向に押圧すれば、この拘束が解かれ、取付軸261を持ち上げることができる。変形例3では、このように、ラチェット式で押圧部材が取り付けられていることで、容器本体21の底面21aと押圧部252との間に軟膏容器3を挟持することができる(図5参照)。
ちなみに、本変形例3はラチェット式による固定方法の一例を示したものであり、本発明は、あらゆる公知のラチェット式による固定方法を用いることができる。
【0041】
その他、前記実施形態では、容器本体21に別部材の底部部材211を配設して、テーパ状に凹んだ底部を構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、同一材料で一体成形するものであってもよい。
【0042】
前記実施形態では、最良の実施形態として、容器本体21の底部側と押圧部材23の下面側にテーパ状の内周面をそれぞれ形成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、いずれか一方にのみ形成し、他方を平面に形成するものであってもよいし、両方ともに平面に形成するものであってもよい。なお、平面に形成する場合は、簡単な凹部を設けて、位置決めの目安としてもよい。
【0043】
さらに、すべての軟膏容器の下面側に同じ径の凹部を設けるとともに、アダプタの底部に前記凹部に嵌合する凸部を設け、これを軟膏容器の位置決め用に用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】攪拌脱泡装置の縦断面図である。
【図2】小サイズの軟膏容器を保持した本実施形態に係るアダプタの断面図である。
【図3】大サイズの軟膏容器を保持した本実施形態に係るアダプタの断面図である。
【図4】変形例1に係るアダプタの断面図である。
【図5】変形例2に係るアダプタの断面図である。
【図6】変形例3に係るアダプタの容器蓋の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 攪拌脱泡装置
2,2A,2B アダプタ
3,3’ 軟膏容器
11 支持体
12 公転軸
13 公転テーブル
14 自転軸
15 容器ホルダ
21 容器本体
21a 底面
22,24 容器蓋
23 押圧部材
211 底部部材
211b 内周面
231 取付軸
232 押圧部
232b 内周面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被混練物を収容した収容容器を自転および公転させる攪拌脱泡装置のアダプタであって、
一端側が開口した有底状の容器本体と、
前記容器本体の底部に向けて進退自在であり、前記収容容器を前記底部との間で挟持可能な押圧部材と、を有することを特徴とする攪拌脱泡装置のアダプタ。
【請求項2】
前記容器本体の底部および前記押圧部材における前記底部に対する面のうち少なくとも一方は、中央を中心にテーパ状に凹むように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の攪拌脱泡装置のアダプタ。
【請求項3】
前記容器本体の開口を覆う容器蓋を有し、
前記押圧部材は、前記容器蓋に螺入されて取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の攪拌脱泡装置のアダプタ。
【請求項4】
前記容器本体の開口を覆う容器蓋を有し、
前記押圧部材は、前記容器蓋に設けられた係止部にラチェット式に固定されるように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の攪拌脱泡装置のアダプタ。
【請求項5】
前記容器本体の開口を覆う容器蓋を有し、
前記押圧部材は、前記容器蓋との間に介在する弾性部材で前記底部側に付勢されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の攪拌脱泡装置のアダプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−289163(P2006−289163A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−109355(P2005−109355)
【出願日】平成17年4月6日(2005.4.6)
【出願人】(393030408)株式会社シンキー (34)
【Fターム(参考)】