説明

支持体、及び天板付き家具

【課題】ベースに対する天板等の支持対象物の相対位置変更を容易且つ的確に行うことができる支持体を提供する。
【解決手段】転動体4C、4Dに優先して当接体4A、4Bをレール溝21、22の起立壁21a、22bに当接させた移動規制状態と、当接体4A、4Bの当接状態を解除して転動体4C、4Dをレール溝21、22の起立壁21a、22bに添接させた移動許容状態との間で切替可能な切替機構4Eを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベースに支持され且つ天板等の支持対象物を支持する支持体、及び支持体を備えた天板付き家具に関するものである。
【0002】
従来より、オフィス空間等において床面上にそれぞれ独立して配置されワーカーが自由に移動させることにより用途や目的に応じて適宜レイアウト変更可能なデスクが知られている(例えば特許文献1参照)。このタイプのデスクは、天板を支持する支持体がベースに対して相対移動可能なものではないため、ベースに対する天板の相対位置を変更することができず、各デスク単体においてレイアウト変更できないものである。
【0003】
そこで、各デスク単体においてレイアウト変更可能なものとして、床面上に設けた天板支持ユニットに複数の嵌合孔を所定ピッチで形成し、天板の一端部を支持する支持体に設けた挿入部を嵌合孔に嵌合するとともに、天板の他端部を床面に接地する脚体に支持させたデスクが考えられている。このデスクは、支持体の挿入部を嵌合する嵌合孔を変更することにより、天板支持ユニットに対する支持体及び天板の取付位置を変更可能に構成したものである(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平9−299167号公報
【特許文献2】特開2004−159713
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のものは、天板支持ユニットに対する天板の相対位置を変更する際、支持体を天板と共に一旦持ち上げて支持体に設けた挿入部と嵌合孔との嵌合状態を解除した後、天板及び支持体を持ち上げたまま所望の位置まで移動させて、当該位置又は当該位置に直近の嵌合孔に挿入部を挿入するように天板及び支持体を下ろす作業、また必要であればネジ締め等の固定作業が必要となり、天板支持ユニットに対する天板の相対位置変更を容易且つ的確に行うことができないという問題があった。しかも、ベースに対する天板及び支持体の採り得る相対位置が嵌合孔の形成位置に依存するが、嵌合孔が天板支持ユニットに所定ピッチで形成されたものであるため、ベースに対する天板及び支持体の相対位置を微調整することができないという問題もあった。
【0005】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、ベースに対する天板等の支持対象物の相対位置変更を容易且つ的確に行うことができ、しかもベースに対する支持対象物の相対位置変更を無段階で調整可能な支持体、及びこのような支持体を備えた天板付き家具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明の支持体は、所定方向に延伸するベースに支持され且つ天板等の支持対象物を支持するものであって、前記支持対象物を支持する支持体本体と、前記ベースの延伸方向に沿って連続して設けたガイド部に沿ってスライド移動可能なスライド装置とを備えてなり、前記スライド装置が、前記ガイド部の一部に当接し得る当接体と、前記ガイド部の一部に添接し得る転動体と、前記転動体に優先して前記当接体を前記ガイド部の一部に当接させた移動規制状態と、前記当接体と前記ガイド部の一部との当接状態を解除して前記当接体に優先して前記転動体を前記ガイド部の一部に添接させた移動許容状態との間で切替可能な切替機構とを備えていることを特徴とする。
【0007】
このようなものであれば、ベースに対する支持対象物の相対位置を変更する場合には、切替機構によりスライド装置を移動規制状態から移動許容状態に切り替えることにより、転動体がガイド部の一部に添接し、支持体をベースのガイド部に沿ってスライド移動させることが可能となるため、従来のように支持体及び支持対象物を持ち上げて再度下ろす作業が不要となり、ベースに対する支持対象物の相対位置変更を極めて容易に行うことができる。加えて、延伸に連続して設けたガイド部に沿ってスライド移動させることができるため、ベースに対する支持対象物の相対位置変更を無段階で調整することができ、ベースに対する支持体及び支持対象物の相対位置を微調整することができ、実用性に優れたものとなる。しかも、相対位置変更後には、切替機構によりスライド装置を移動許容状態から移動規制状態に切り替えることにより、当接体がガイド部の一部に当接してベースに対する支持体ひいては支持対象物の移動を規制することができ、別途ネジ締め等の作業も不要となり、相対位置変更後における支持体及び支持対象物のベースに対する相対位置固定を容易且つ的確に行うことができる。
【0008】
好適な実施態様としては、前記ガイド部が、前記ベースに形成された略水平方向に連続して開口するレール溝であり、前記当接体が、前記レール溝の内壁に当接し得るものであり、前記転動体が、前記レール溝の内壁に当接し得るものである態様が挙げられる。
【0009】
特に、前記レール溝が前記ベースの高さ方向に離間した位置に対をなして設けられ、各レール溝内に、開口部側に設けた開口側起立壁と、開口部よりも奥方に設けられ前記開口側起立壁と対向する奥方側起立壁とをそれぞれ備えたものであって、前記スライド装置が、上方側のレール溝の前記開口側起立壁に当接又は添接する上方側当接体及び上方側転動体と、下方側のレール溝の前記奥方側起立壁に当接又は添接する下方側当接体及び下方側転動体とを備えたものであれば、各当接体がそれぞれのレール溝内における同じ側の起立壁に当接又は添接する態様と比較して、支持体及び支持対象物の荷重によって各当接体、各当接体を上方側レール溝の開口側起立壁又は下方側レール溝の奥方側起立壁に確実に当接又は添接させることができ、強固な移動規制状態、滑動性に優れた移動許容状態を実現することができる。
【0010】
さらに、前記スライド装置が、前記上方側当接体の移動と前記下方側当接体の移動、又は前記上方側転動体の移動と前記下方側転動体の移動を同期させる同期機構を備えたものであれば、各当接体ごとに又は各転動体ごとに個別に移動させる態様と比較して、操作性の向上に寄与する。
【0011】
同期機構の好適な実施態様としては、前記上方側当接体又は前記上方側転動体の何れか一方を先端部に直接又は間接的に設けた上方側リンクと、前記下方側当接体又は前記下方側転動体の何れか一方を先端部に直接又は間接的に設けた下方側リンクと、これら上方側リンク及び下方側リンクの共通の回転軸である鉛直軸とを具備してなり、操作部に付与された操作力に基づいて前記上方側リンク及び下方側リンクを前記鉛直軸を中心にそれぞれ水平旋回させることにより当接体同士の移動又は転動体同士の移動を同期させるものである態様が挙げられる。この場合、前記鉛直軸の中心を通り且つスライド移動方向に対して略直交する仮想直線を境にして、一方の領域に前記上方側リンクの先端部を位置付けるとともに、他方の領域に前記下方側リンクの先端部を位置付ければ、前記上方側リンク及び下方側リンクが前記鉛直軸を中心に回動した場合に、上方側リンクの先端部に設けた前記上方側当接体又は前記上方側転動体の何れか一方を前記上方側レール溝の開口側起立壁に向かって移動させるとともに、下方側リンクの先端部に設けた前記下方側当接体又は前記下方側転動体の何れか一方を前記下方側のレール溝奥方側起立壁に向かって移動させることができ、他方、前記上方側リンク及び下方側リンクが前記鉛直軸を中心に逆方向に回動した場合に、上方側リンクの先端部に設けた前記上方側当接体又は前記上方側転動体の何れか一方を前記上方側レール溝の開口側起立壁から離れる方向に向かって移動させるとともに、下方側リンクの先端部に設けた前記下方側当接体又は前記下方側転動体の何れか一方を前記下方側のレール溝奥方側起立壁に向かって移動させることができる。
【0012】
上方側リンク及び下方側リンクの変形を防止し、各リンクの良好な作動状態を確保するには、前記上方側リンクと前記下方側リンクとの間にリンク補強体を介在させればよい。
【0013】
また、前記当接体が剛性の高い素材から形成されたものであれば、レール溝の内壁への当接又は圧接にも耐えることができ、スライド装置が移動規制状態にある場合に良好な制動性を発揮する。
【0014】
前記スライド装置が、少なくとも前記当接体、前記転動体、及び前記切替機構をユニット化してなる切替ユニットをスライド移動方向に沿って複数設けたものであれば、スライド装置のより安定した移動規制状態及び移動許容状態を実現できる。
【0015】
スライド装置が複数の切替ユニットを備えたものである場合であっても各切替機構の切替操作を簡便なものとするには、前記スライド装置が、単一の操作部に対して付与される操作力に基づいて前記各切替機構同士の切替動作を連動させる連動機構を備えたものであることが好ましい。
【0016】
連動機構の好適な実施態様としては、各切替ユニットが、前記当接体又は前記転動体の何れか一方を先端部に直接又は間接的に設けたリンクを備えたものであり、前記連動機構が、各切替ユニットのリンクの基端部をそれぞれ接続した共通のリンク連動体を備えてなり、前記操作力に基づいて前記リンク連動体を作動させることにより各切替ユニットのリンクを介してこれら各リンクの先端部に設けた前記当接体同士又は転動体同士の何れか一方を連動して移動させるものである態様が挙げられる。このようなものであれば、連動機構の構造を簡略なものとしつつ、各切替機構同士の切替動作を確実に連動させることができる。
【0017】
移動許容状態におけるスライド移動の滑動性をさらに向上させるには、前記一のレール溝の内壁に対して複数の転動体を添接させるようにすればよい。
【0018】
また、前記スライド装置が、前記レール溝内において前記当接体を進退移動させることにより前記ベースに対する相対角度を調整可能な相対角度調整機構を備えたものであれば、相対角度調整機構を利用してベースに対する支持体の相対角度を調整することにより、支持体に支持される支持対象物のベースに対する相対角度を調整することができ、通常使用状態において支持対象物が略水平姿勢となるように設定することが可能である。
【0019】
相対角度調整手段の具体的な実施態様としては、前記スライド装置が、前記支持体本体に連結したスライダ本体を備えたものであって、前記相対角度調整機構が、前記スライダ本体に対して進退動作可能であり且つ先端部に前記当接体を設けた進退部材を具備してなり、当該進退部材を進退動作させることにより前記ベースに対する相対角度を調整するものである態様が挙げられる。この場合、前記進退部材がネジ送り作用により進退動作可能なボルトであれば、進退部材の進退動作を工具等を用いて簡単に行うことができ、しかも進退動作させない場合にはボルトの螺合作用により進退部材及び当接体の不意な進退移動を防止することができる。
【0020】
好適な実施態様としては、前記スライド装置が、前記支持体本体に連結したスライダ本体を備え、前記スライダ本体に対して相対移動可能な前記転動体のみを前記スライダ本体に対して相対移動不能な前記当接体に対して相対移動させることによって前記移動許容状態と前記移動規制状態との間で切替可能なものである態様が挙げられる。
【0021】
支持体に支持される支持対象物としては天板が挙げられる。
【0022】
また、前記移動規制状態から前記移動許容状態に切り替えた場合に、前記ベースに対する相対角度が変位して反ベース側が跳ね上がった角度姿勢をとる態様の支持体であれば、前記移動規制状態から前記移動許容状態に切り替える場合に、反ベース側が沈み込む沈込動作を制動する沈込動作制動手段を備えていることが望ましい。このようなものであれば、沈込動作制動手段によって支持体自体の急激な沈込動作を抑制することができ、操作性及び実用性に優れたものとなる。
【0023】
特に、操作部に対して付与された所定の操作力に基づいて前記移動規制状態と前記移動許容状態との間で切替可能なものであり、前記沈込動作制動手段が、前記移動許容状態から前記移動規制状態に切り替える所定の操作に対して抵抗を付与する切替操作抵抗付与要素を備えたものであれば、移動許容状態から移動規制状態へ切り替える操作自体がゆっくりした動作となり、支持体自体の沈込動作を確実に制動することができる。
【0024】
支持体自体の急激な沈込動作を抑制することができる一方で、移動規制状態から移動許容状態へ切り替える操作の円滑性を確保するためには、前記切替操作抵抗付与手段が、前記移動許容状態から前記移動規制状態に切り替える所定の操作に対してのみ抵抗を付与するものとすればよい。
【0025】
好適な実施態様としては、前記操作部が、前記移動規制状態にした場合に位置付けられる前記ロック位置と、前記移動許容状態にした場合に位置付けられる非ロック位置との間で移動可能なものであり、前記操作部を前記ロック位置に位置付けた場合に、前記当接体又は前記転動体の何れか一方を先端部に直接又は間接的に設けたリンクの基端部近傍領域を押圧しない非押圧位置に位置付けられるとともに、前記操作部を前記非ロック位置に位置付けた場合に、前記リンクの基端部近傍領域を押圧し得る押圧位置に位置付けられるリンク押圧体を備え、当該リンク押圧体の前記非押圧位置と前記押圧位置との間の移動に伴って前記リンクが移動することによって、前記移動規制状態と前記移動許容状態との間で切り替わるように構成し、前記切替操作抵抗付与要素が、前記リンク押圧体の前記押圧位置から前記非押圧位置への移動に対してのみ抵抗を付与することによって、前記移動許容状態から前記移動規制状態に切り替える所定の操作力に対してのみ抵抗を付与するものである態様が挙げられる。
【0026】
また、前記操作部が、反回動基端側、すなわち自由端側に使用者が把持可能なハンドル部を有する長尺なものであり、且つ前記ロック位置に位置付けた場合に長手方向がスライド移動方向に対して略直交するとともに、当該ロック位置から正方向に水平旋回させた場合に第1の前記非ロック位置に位置付けられ、前記ロック位置から逆方向に水平旋回させた場合に第2の前記非ロック位置に位置付けられるものであり、前記リンク押圧体が、前記操作部の回動に伴って当該操作部の回動方向と同一方向に回動し、且つ前記操作部を前記ロック位置から前記第1の非ロック位置へ水平旋回させた場合に第1の前記押圧位置に位置付けられるとともに、前記操作部を前記ロック位置から前記第2の非ロック位置へ水平旋回させた場合に第2の前記押圧位置に位置付けられるものであり、前記沈込動作制動手段が、前記リンク押圧体の前記第1の押圧位置から前記非押圧位置への回動に対してのみ抵抗を付与する第1の前記切替操作抵抗付与要素と、前記リンク押圧体の前記第2の押圧位置から前記非押圧位置への回動に対してのみ抵抗を付与する第2の前記切替操作抵抗付与要素とを備えたものであれば、ロック位置に位置付けられた操作部を正逆何れの方向に水平旋回させた場合にも、支持体を移動規制状態から移動許容状態へ切り替えることができる。つまり、操作部に対して使用者が正逆問わず常に引く操作力を付与することにより移動規制状態から移動許容状態へ切り替えることが可能であり、移動規制状態から移動許容状態へ切り替える操作方法が支持対象物に対する使用者の立ち位置に関係なく同じであるため、実用性に優れたものとなる。さらに、移動規制状態から移動許容状態へ切り替える場合に押す操作力が必要な態様と比較して、安定した操作力を付与し続けることができ、切替操作を的確に行うことができる。
【0027】
さらに、前記リンク押圧体が、前記操作部の回転中心を通り且つ前記スライド装置のスライド移動方向に対して略直交する第2仮想直線を境にした一方の領域に、前記第1の押圧位置に位置付けた場合に前記リンクの基端部近傍領域を直接押圧し得る第1押圧体本体を設け、他方の領域に、前記第2の押圧位置に位置付けた場合に前記リンクの基端部近傍領域を直接押圧し得る第2押圧体本体を設けたものであり、前記第1の切替操作抵抗付与要素が、前記リンク押圧体を前記非押圧位置と前記第1の押圧位置との間で回動させた場合にのみ前記第2押圧体本体を挟持した状態で水平旋回する第1ダンパレバーと、前記リンク押圧体の前記第1の押圧位置から前記非押圧位置への回動に伴う前記第1ダンパレバーの水平旋回に対してのみ抵抗を付与する第1ダンパとを備えたものであり、前記第2の切替操作抵抗付与要素が、前記リンク押圧体を前記非押圧位置と前記第1の押圧位置との間で回動させた場合にのみ前記第2押圧体本体を挟持した状態で水平旋回する第2ダンパレバーと、前記リンク押圧体の前記第1の押圧位置から前記非押圧位置への回動に伴う前記第2ダンパレバーの水平旋回に対してのみ抵抗を付与する第2ダンパとを備えたものであれば、各切替操作抵抗付与要素(第1の切替操作抵抗付与要素、第2の切替操作抵抗付与要素)を簡単な構造によって実現することができるとともに、各ダンパ(第1ダンパ、第2ダンパ)が、リンク押圧体の第1の押圧位置又は第2の押圧位置から非押圧位置への回動に伴う各ダンパレバー(第1ダンパレバー、第2ダンパレバー)の水平旋回に対してのみ抵抗を付与するものであるため、リンク押圧体の第1の押圧位置又は第2の押圧位置から非押圧位置への回動に対してのみ確実に抵抗を付与することができ、その結果、移動許容状態から移動規制状態への移行速度が遅くなり、支持体の急な沈込動作を抑制することができる。しかも、第1の切替操作抵抗付与要素が、リンク押圧体を非押圧位置と第1の押圧位置との間で回動させた場合にのみ第2押圧体本体を挟持した状態で水平旋回する第1ダンパレバーを備えたものであるため、リンク押圧体を非押圧位置から第2の押圧位置へ回動させる場合には、第1の切替操作抵抗付与要素によるダンパ作用を一切受けず、操作部をロック位置から第2の非ロック位置へ水平旋回させる操作をスムーズに行うことができる。同様に、第2の切替操作抵抗付与要素が、リンク押圧体を非押圧位置と第2の押圧位置との間で回動させた場合にのみ第1押圧体本体を挟持した状態で水平旋回する第2ダンパレバーを備えたものであるため、リンク押圧体を非押圧位置から第1の押圧位置へ回動させる場合には、第2の切替操作抵抗付与要素によるダンパ作用を一切受けず、操作部をロック位置から第1の非ロック位置へ水平旋回させる操作をスムーズに行うことができる。
【0028】
また、本発明に係るデスクは、略水平方向に連続して開口するレール溝を有するベースと、当該ベースにスライド移動可能に支持される上述した支持体と、当該支持体に支持される天板とを具備していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように本発明によれば、スライド装置を切替機構により移動規制状態から移動許容状態に切り替えた場合には、支持体をベースのガイド部に沿ってスライド移動させることが可能となり、ベースに対する支持対象物の相対位置変更を極めて容易に行うことができるとともに、切替機構によりスライド装置を移動許容状態から移動規制状態に切り替えた場合には、ベースに対する支持体ひいては支持対象物の移動を規制することができ、ベースに対する支持体及び支持対象物の相対位置固定を容易且つ的確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0031】
本実施形態に係る支持体4は、例えば図1に示すデスク1に適用されるものである。
【0032】
デスク1は、水平方向に延伸するベース2と、ベース2を支持するベース支持体3と、ベース2に沿ってスライド移動自在に支持された支持体4と、支持体4に一端部を支持させた天板5(本発明の「支持対象物」に相当)と、天板5の他端部を支持し床面上に接地する脚体6とを備えたものである。なお、図1は、このようなデスク1を2台連設して形成したオフィス構成システムを示すものであり、各デスク1のベース2に、天板5とは異なる他の天板5Xを支持させている。この天板5Xは、本発明に係る支持体4とは異なる別の支持体4Xにのみ支持された片持ちタイプのものであり、ベース2に対してスライド移動不能なものである。
【0033】
ベース2は、図1、図4及び図5等に示すように、略直線状に延伸する概略四角柱状のものである。ベース2のうち長手方向に沿って相互に対向する一対の起立面部2Aに、支持体4の移動を案内する天板用ガイド部(本発明の「ガイド部」に相当)として機能するレール溝21、22を設けている。本実施形態では、各起立面部2Aに、その高さ方向に所定ピッチ離間し且つ相互に平行をなしてベース2の長手方向に沿って延伸する一対のレール溝21、22を形成している。以下の説明において相対的に上方側に形成したレール溝を「上方側レール溝21」とし、下方側に形成したレール溝を「下方側レール溝22」とする。これら上方側レール溝21及び下方側レール溝22は略同一形状をなし、開口部の高さ寸法(開口高さ寸法)よりも内部空間の高さ寸法(内空高さ寸法)を大きく設定したものである。以下の説明において、各レール溝21、22内において相互に対向する起立壁のうち、開口部側の起立壁を「開口側起立壁」(「上方側レール溝21の開口側起立壁21a」、「下方側レール溝22の開口側起立壁22a」)とし、奥方側の起立壁を「奥方側起立壁」(「上方側レール溝21の奥方側起立壁21b」、「下方側レール溝22の奥方側起立壁22b」)とする。なお、各開口側起立壁21a、22aは、各レール溝21、22の上縁部から下方に向かって延びるものである。
【0034】
なお、ベース2の上面部2Bには、図示しないオプション部材を移動案内するオプション部材用ガイド部として機能するレール溝を設けている。本実施形態では、上面部2Bに、ベース2の短寸方向に所定ピッチ離間し相互に平行をなして延伸する複数(図示例では5本)のレール溝23を形成している。そして、このオプション部材用ガイド部に沿ってオプション部材(図示省略)をスライド移動させることにより、ベース2に対するオプション部材の相対位置を変更することが可能である。オプション部材としては、デスクトップパネルやタスクライト等が挙げられる。
【0035】
これら各レール溝21、22、23は、それぞれベース2の一端から他端に亘って形成されている。また、ベース2の両端部にはそれぞれエンドキャップ2Cを着脱可能に装着している(図1参照、なお、図4、図5、後出の図9及び図10ではエンドキャップ2Cを取り外した状態のベース2を示している)。
【0036】
ベース支持体3は、図1に示すように、ベース2の両端部をそれぞれ支持するものである。このベース支持体3は、例えばベース2の短手寸法と略同一の奥行き寸法を有する角柱状又は角パイプ状をなし、複数台のデスク1をそれぞれのベース2が長手方向に沿って連続するように連設したオフィス構成システムでは、複数のベース支持体3のうち、少なくともオフィス構成システム全体から見て両端部に位置するベース支持体3に、第1補助ベース支持体31を適宜の手段で一体的に組み付け、他のベース支持体3に、第2補助ベース支持体32を適宜の手段で一体的に組み付け、オフィス構成システム全体の良好な自立性及び安定性を実現している。なお、図4、図5、後出の図9及び図10では各補助ベース支持体31、32は省略している。
【0037】
支持体4は、図3〜図6等に示すように、天板5を支持する支持体本体41と、前記レール溝21、22に沿ってスライド移動可能なスライド装置42とを備えたものである。
【0038】
支持体本体41は、天板5の一端部側の所定領域を下方から支持するものである。本実施形態に係る支持体本体41は、フレーム体411と、フレーム体411の上面部から上方に突出し且つフレーム体411よりも優先して天板5の下面に当接する優先支持部412とを備えたものである。
【0039】
フレーム体411は、ベース2に支持させた状態においてベース2の長手方向に略直交し且つ相互に対向する一対の対向フレーム411aと、対向フレーム411aの先端側に位置付けられる単一の先端フレーム411bと、各対向フレーム411aの先端部と先端フレーム411bの端部とを接続する一対の接続フレーム411cとを溶接等により一体的に剛結したものである。これら各フレーム411a、411b、411cの上面部は略面一である。なお、対向フレーム411aの基端部における内面部間に補強フレーム411dを一体的に剛結している。この補強フレーム411dの上面部が他のフレーム411a、411b、411cの上面部よりも低くなるように設定されている。各フレーム411a、411b、411c、411dはそれぞれ角筒状の剛体である。
【0040】
優先支持部412は、本実施形態では、優先支持部412として、フレーム体411の上面部よりも上方に突出した支持ピンによって構成されている。本実施形態では、後述するように天板5が支持体4に対して水平旋回可能なものであり、支持体4に対する天板5の相対角度が何れの角度であっても天板5を複数点支持し得るように複数の優先支持部412の取付位置を設定している。具体的には、計4個の優先支持部412を前記各対向フレーム411aの先端部近傍部位及び基端部近傍部位(より具体的には補強フレーム411d接合部位近傍)にそれぞれ設けている。各優先支持部412は、フレーム体411の上面部に固着したナット412aと、このナット412aに螺合可能なピン本体412bとからなる(図5参照)。
【0041】
スライド装置42についての詳細は後述する。
【0042】
このような支持体4とヒンジ機構Hを介して連結されている天板5は、図2及び図8に示すように、支持体4に対して水平旋回可能な可動天板51と、可動天板51を水平旋回可能に支持し且つヒンジ機構Hを介して支持体4に連結される旋回機構52とを備えたものである。なお、以下の天板5の説明において、支持体4に支持させた状態における支持体4側を前方とし、反対側を後方とする。
【0043】
可動天板51は、可動天板本体511と、可動天板本体511を支持する天板受け部512とを備えたものである。
【0044】
可動天板51は、例えば平面視略ひょうたん形(中央部が括れた楕円形状)をなすものであり、本実施形態では比較的大型のものを適用している。また、可動天板51の最大長手寸法をベース2の長手寸法と略同一又は若干小さく設定している。
【0045】
天板受け部512は、可動天板本体511の下面部(図示例では可動天板本体511の前半部領域における下面部)を支持する天板受け部本体5121と、天板受け部本体5121から下方に突出するように設けた旋回ストッパレール5122とを備えたものである。本実施形態では、天板受け部本体5121と旋回ストッパレール5122とを複数のネジ締め等の適宜の手段により一体的に組み付けている。旋回ストッパレール5122は、平面視略半円筒状をなし、起立部5122aと、起立部5122aの下縁から内方に向かって水平方向に延びる水平部5122bとを備えた横断面視略L字形状のものである(図8参照)。この旋回ストッパレール5122は、起立部5122aと水平部5122bとを連続して有する一体品である。このような旋回ストッパレール5122を、天板受け部本体5121の前半部領域における下面部に適宜の手段で一体的に組み付けている。
【0046】
旋回機構52は、回転台521と、回転台521を支持する回転台受け522とを備えたものである。
【0047】
回転台521は、例えばスラストベアリングを用いたものである。そして、回転台521と旋回ストッパレール5122とが相互に干渉しないように、回転台521の半径を、前記旋回ストッパレール5122の半径よりも小さく設定している。また回転台521の高さ寸法を、旋回ストッパレール5122の高さ寸法より小さく設定している。
【0048】
回転台受け522は、図2及び図8に示すように、回転台521の下面部全領域を支持する回転台受け本体5221と、回転台受け本体5221の下面側に設けたヒンジ軸支持体5222とを備えたものである。本実施形態では、回転台受け本体5221とヒンジ軸支持体5222とを複数のネジ締め等の適宜の手段により一体的に組み付けている。ヒンジ軸支持体5222は、水平片5222aと、水平片5222aの両側縁部から下方に垂下してなる一対の垂下片5222bを有し、各垂下片5222bにヒンジ軸H1が挿入可能なヒンジ軸用支持孔5222cを形成している。一対の垂下片5222bは、回転台受け522の後方側に位置付けられる。なお、回転台受け522の中央部に、旋回ストッパ機構4K(図2では省略)を設けるための旋回ストッパ機構用取付孔5223を形成している。旋回ストッパ機構用取付孔5223の開口形状は矩形状をなし、この旋回ストッパ機構用取付孔5223に旋回ストッパ機構4Kを取り付けた状態において、旋回ストッパ機構4Kが旋回ストッパ機構用取付孔5223内で回動し得ないように設定している。
【0049】
このような天板5と支持体4とを連結するヒンジ機構Hは、図8に示すように、前記回転台受け522のヒンジ軸支持体5222と、支持体4のフレーム体411に設けたヒンジ軸受け体4111と、ヒンジ軸H1とを備えたものである。
【0050】
ヒンジ軸受け体4111は、図3及び図8に示すように、フレーム体411のうち前記先端フレーム411bの内面部に設けたものである。本実施形態では、ヒンジ軸受け体4111が、先端フレーム411bの内向面に接する起立片4111aと、起立片4111aの両側端部から前方に延び相互に対向する一対の対向片4111bと、起立片4111aの下端から前方に延びる水平片4111cとを備えたものとし、各対向片4111bに、ヒンジ軸H1が挿入可能なヒンジ軸用挿入孔4111dを形成している。本実施形態では、各ヒンジ軸用挿入孔4111dとして、高さ方向に延びる長孔を適用している。なお、各対向片4111bの上端部が前記フレーム体411の上面部よりも低位置となるように設定している。
【0051】
そして、前記ヒンジ軸支持体5222の垂下片5222bに形成したヒンジ軸用支持孔5222cと、各対向片4111bのヒンジ軸用挿入孔4111dとを連通させた状態で、各孔5222c、4111dにヒンジ軸H1を挿入することにより、天板5と支持体4とがヒンジ機構Hを介して連結される。この連結状態において、ヒンジ機構Hは、前記優先支持部412による支持領域から外れた位置に位置付けられる。すなわち、本実施形態では、ヒンジ機構Hを、前記優先支持部412による支持領域よりも後方側(反ベース2側)に位置付けられるように設定している(図3及び図8参照、図8では優先支持部412にパターンを付している)。なお、ヒンジ軸H1は、大径の頭部や、Eリング等の留め具、或いはかしめ等によって抜け止めが施されている。
【0052】
天板5の他端部を支持する脚体6は、脚本体61と、脚本体61の下端部に設けた移動体62(図示例ではキャスタ)とを備えたものである。
【0053】
次に、支持体4のスライド装置42について説明する。
【0054】
スライド装置42は、図3〜図7に示すように、スライダ本体421と、一対の切替ユニット422と、これら切替ユニット422を連動して作動させる連動機構423と、所定の操作を行うための操作部424とを備えたものである。
【0055】
スライダ本体421は、ベース2の長手方向に沿って延伸する本体部4211と、本体部4211との間に所定の間隙を形成し得る位置に配され且つ本体部4211と略平行をなす補強体4212とを備えたものである(図6及び図7参照)。
【0056】
本体部4211は、ベース2の起立面2Aに対向する起立片4211aと、起立片4211aの両端部から前方に向かって延びる一対の側片4211bと、起立片4211aの上下縁部からそれぞれ前方に向かって延びる上片4211c及び下片4211dとを備えたものである。本実施形態では、単一の鋼板を折曲成形することによりこれら起立片4211a、側片4211b、上片4211c及び下片4211dを形成している。また、本体部4211の両端部における上片4211cと下片4211dとの間に、本体部4211の変形を防止する補強片4211eを設けている(図3及び図5等参照)。
【0057】
また、本体部4211の両端部近傍部位にそれぞれ本体部4211の長手方向に略直交する方向に延伸する一対の第1接続用ステー43を溶着等により一体的に取り付け、これら第1接続用ステー43の内向面間に補強体4212を設けている。第1接続用ステー43の後端部における上面と前記フレーム体411の対向フレーム411aの前端部における下面との間に第2接続用ステー44を溶着等により一体的に取り付けている(図3及び図5等参照)。
【0058】
補強体4212は、本体部4211の起立片4211aに対向する起立片4212aと、起立片4212aの上下縁部からそれぞれフレーム体411側(反ベース2側)に向かって延びる上片4212b及び下片4212cとを備えた横断面視略コ字状をなすものである。この補強体4212は、両端部を溶接等により第1接続用ステー43の内向面に一体的に取り付けている(図6及び図7参照)。
【0059】
各切替ユニット422は、図3〜図7に示すように、上方側レール溝21の開口側起立壁21aに当接し得る上方側当接体4Aと、下方側レール溝22の奥方側起立壁22bに当接し得る下方側当接体4Bと、上方側レール溝21の開口側起立壁21aに添接し得る上方側転動体4Cと、下方側レール溝22の奥方側起立壁22bに添接し得る下方側転動体4Dと、スライド装置42の移動を規制する移動規制状態とスライド装置42の移動を許容する移動許容状態との間で切替可能な切替機構4Eとを備えたものである。
【0060】
上方側当接体4Aは、移動規制状態において上方側転動体4Cよりも上方側レール溝21の開口側起立壁21a側に寄った位置に位置付けられるものである。本実施形態では、上方側当接体4Aとして、前記本体部4211の上片4211cをベース2側(前方)に持ち出し且つ上方に向かって突出する上方突出片を適用している。すなわち、上方側当接体4Aは、スライダ本体421を構成する本体部4211に一体成形されたものであり、鋼板からなる剛性に優れたものである。
【0061】
下方側当接体4Bは、移動規制状態において下方側転動体4Dよりも下方側レール溝22の奥方側起立壁22b側に寄った位置に位置付けられるものである。本実施形態では、下方側当接体4Bとして、剛性の高い素材から成形したブロック状のものを適用している。この下方側当接体4Bは、スライダ本体421の本体部4211に対して進退動作可能な進退部材4Fの先端部に取り付けられている(図5及び図7参照)。本実施形態では、進退部材4Fとしてネジ送り作用によって進退動作可能なボルトを適用している。この進退部材4Fは、前記本体部4211の下片4211dに連続して設けたナット保持片4211fに回動不能に保持されたナット4211gに螺合可能なものであり、先端部に下方側当接体4Bの背面部を押圧し得る鍔部4Faを有するものである。なお、下方側当接体4Bは、背面部から後方に向かって延伸するガイド部材4Baを設け、これらガイド部材4Baを、ナット4211gに形成したガイド孔(図示省略)に挿入することにより、進退部材4Fの進退移動に伴う下方側当接体4Bの進退移動を的確且つスムーズに行えるようにしている。本実施形態では、ガイド部材4Baとして、進退部材4Fと平行をなし且つ進退部材4Fを挟んだ位置に設けた一対のピン状の部材を適用している。
【0062】
上方側転動体4Cは、移動規制状態において上方側当接体4Aよりも上方側レール溝21の開口側起立壁21aから離れた位置に位置付けられるものである。本実施形態では、上方側転動体4Cとして、鉛直軸回りに回動可能な一対のローラを適用している。これら一対の上方側転動体4Cは、共通の上方側ローラ支持体4Caに支持されている。
【0063】
下方側転動体4Dは、移動規制状態において下方側当接体4Bよりも下方側レール溝22の奥方側起立壁22bから離れた位置に位置付けられるものである。本実施形態では、下方側当接体4Bとして、鉛直軸回りに回動可能な一対のローラを適用している。これら一対の下方側転動体4Dは、共通の下方側ローラ支持体4Daに支持されている。
【0064】
切替機構4Eは、各転動体4C、4Dに優先して各当接体4A、4Bを各レール溝21、22の起立壁21a、22bに当接させた移動規制状態と、各当接体4A、4Bに対して各転動体4C、4Dを相対的に移動させることにより各当接体4A、4Bと各レール溝21、22の起立壁21a、22bとの当接状態を解除して各転動体4C、4Dを各レール溝21、22の起立壁21a、22bに添接させた移動許容状態との間で切替可能なものである。
【0065】
そして、本実施形態では、スライド装置42に、上方側転動体4Cの移動と下方側転動体4Dの移動とを同期させる同期機構4Gを設けている。
【0066】
同期機構4Gは、図6及び図7に示すように、上方側転動体4Cを先端部に設けた上方側リンク4G1と、下方側転動体4Dを先端部に設けた下方側リンク4G2と、これら上方側リンク4G1と下方側リンク4G2の共通の回転軸である鉛直軸4G3とを備え、操作部424に付与された操作力に基づいて上方側リンク4G1及び下方側リンク4G2を鉛直軸4G3を中心にそれぞれ水平旋回させることにより上方側転動体4Cの移動と下方側転動体4Dの移動とを同期させるものである。
【0067】
上方側リンク4G1は、上方側転動体4Cを支持する前記上方側ローラ支持体4Caを先端部4G1aに設けたものである。この上方側リンク4G1は、先端部4G1aと基端部4G1bとが略直交し得る相対角度をなし、これら先端部4G1aと基端部4G1bとを長尺の接続部4G1cによって接続している(図6参照)。上方側リンク4G1の先端部4G1a近傍領域に内方に膨出する内方膨出部4G1dを設け、この内方膨出部4G1dに鉛直軸4G3が挿入可能な鉛直軸用挿入孔(図示省略)を形成している。また、上方側リンク4G1の基端部4G1bに長孔4G1eを形成している。この上方側リンク4G1の先端部4G1a近傍領域がスライダ本体421の本体部4211の上片4211cに載置され得る。
【0068】
下方側リンク4G2は、下方側転動体4Dを支持する前記下方側ローラ支持体4Daを調整リンク4G21を介して先端部4G2aに設けたものである。下方側リンク4G2は、先端部4G2aと基端部4G2bとが略直交し得る相対角度をなし、これら先端部4G2aと基端部4G2bとを長尺の接続部4G2cによって接続している(図7参照)。接続部4G2cの長手寸法を上方側リンク4G1の接続部4G1cよりも小さく設定し、下方側リンク4G2と上方側リンク4G1とを重ねた場合に平面視において下方側リンク4G2の先端部4G2aが上方側リンク4G1の先端部4G1aよりも内方側に位置付けられるように設定している。下方側リンク4G2の先端部4G2a近傍領域に外方に膨出する外方膨出部4G2dを設け、この外方膨出部4G2dに、上方側リンク4G1に形成した鉛直軸用挿入孔に連通し得る鉛直軸用軸孔を形成している。また、下方側リンク4G2の基端部4G2bに、長孔4G2eを形成している。この下方側リンク4G2の先端部4G2a近傍領域が前記本体部4211の下片4211dの下面側に位置付けられる。
【0069】
本実施形態では、上方側リンク4G1と下方側リンク4G2との間に補強リンク4G4を介在させている。補強リンク4G4は、板状をなし、起立姿勢で上方側リンク4G1と下方側リンク4G2との間に介在するものである。より具体的には、上方側リンク4G1及び下方側リンク4G2の接続部4G1c、4E21a間に補強リンク4G4を介在させている(図6及び図7参照)。なお、各リンク4G1、4G2と補強リンク4G4との組み付けは、各リンク4G1、4G2の接続部4G1c、4G2cに設けた取付孔4G1f、4G2fに補強リンク4G4の突部4G41を係合することにより行うことができる。
【0070】
鉛直軸4G3は、上方側リンク4G1及び下方側リンク4G2に形成した各鉛直軸用軸孔に連続して挿入可能なものである。なお、本実施形態では、本体部4211の上片4211c及び下片4211dにも各鉛直軸用軸孔に連通する連通孔(図示省略)を形成し、これら連通孔にも鉛直軸4G3を連続して挿入している。なお、鉛直軸4G3は、大径の頭部や、Eリング等の留め具、或いはかしめ等によって抜け止めが施されている。
【0071】
そして、図6及び図7に示すように、この鉛直軸4G3の中心を通り且つスライド移動方向に対して略直交する仮想直線Lを境にして、一方の領域(具体的には外方側の領域)に上方側リンク4G1の先端部4G1aを位置付けるとともに、他方の領域(具体的には内方側の領域)に下方側リンク4G2の先端部4G2aを位置付けている。その結果、上方側リンク4G1及び下方側リンク4G2に対して鉛直軸4G3を中心に回動させる力が作用した場合に、上方側リンク4G1の先端部に設けた上方側転動体4Cが上方側レール溝21の開口側起立壁21aに向かって移動するとともに、下方側リンク4G2の先端部に(調整リンク4G21を介して)設けた下方側転動体4Dが前記下方側レール溝22の奥方側起立壁22bに向かって移動し、一方、上方側リンク4G1及び下方側リンク4G2に対して鉛直軸4G3を中心に逆方向に回動させる力が作用した場合に、上方側リンク4G1の先端部に設けた上方側転動体4Cが上方側レール溝21の開口側起立壁21aから離間する方向に向かって移動するとともに、下方側リンク4G2の先端部に(調整リンク4G21を介して)設けた下方側転動体4Dが前記下方側レール溝22の奥方側起立壁22bから離間する方向に向かって移動する。以上のような構成により、切替操作に伴う上方側転動体4Cの移動と下方側転動体4Dの移動とを同期可能にしている。
【0072】
このような構成をなす切替ユニット422をスライド移動方向に沿って離間させた位置に対にして設けた本実施形態に係るスライド装置42は、これら切替ユニット422を連動して作動させる連動機構423を備えている。
【0073】
連動機構423は、図6及び図7に示すように、各切替ユニット422の各リンク4G1、4G2の基端部4G1b、4G2bをそれぞれ接続した共通のリンク連動体4231を備えてなり、操作部424に付与される操作力に基づいてリンク連動体4231を作動させることにより各切替ユニット422の各リンク4G1、4G2を連動させ、各リンク4G1、4G2の先端部4G1a、4G2aに設けた転動体4C、4D同士を同時又は略同時に移動させるものである。
【0074】
リンク連動体4231は、上方側リンク4G1と下方側リンク4G2との高さ方向に沿った離間寸法より小さい高さ寸法を有する起立片4231aと、起立片4231aの両端部から前方に向かって延びる一対の側片4231bと、起立片4231aの上下縁部からそれぞれ前方に向かって延びる上片4231c及び下片4231dとを備えたものである。本実施形態では、単一の鋼板を折曲成形することによりこれら起立片4231a、側片4231b、上片4231c及び下片4231dを形成している。リンク連動体4231の上片4231c及び下片4231dにそれぞれ一対のリンク軸用挿入孔(図示省略)を形成し、これら各リンク軸用挿入孔と、各切替ユニット422の各リンク4G1、4G2に形成した長孔4G1e、4G2eとを連通させた状態で、リンク軸4232を挿入することにより、リンク連動体4231と各切替ユニット422とが相互に関連付けられる。なお、各リンク軸4232は、大径の頭部や、Eリング等の留め具、或いはかしめ等によって抜け止めが施されている。このような構成をなすリンク連動体4231は、次に説明する操作部424に付与される操作力に基づいて、スライダ本体421の前記本体部4211と前記補強体4212との間に形成されるスペース(間隙)を利用して進退動作可能に設定されている。
【0075】
操作部424は、図6及び図7に示すように、使用者が直接操作力を付与するためのスライド操作レバー4241と、スライド操作レバー4241の回転軸であるスライド操作レバー軸4242と、当該スライド操作レバー4241の回転角度を規制するスライド操作レバー当板4243とを備えたものである。
【0076】
スライド操作レバー4241は、先端部に摘み部4241aを有し、基端部にカム面4241bを有するものである。このスライド操作レバー4241の高さ寸法を、前記補強体4212の上片4212bと下片4212cとの離間距離よりも小さく設定し、補強体4212の内部に収容可能にしている。
【0077】
スライド操作レバー当板4243は、スライド操作レバー4241の一部が当接し得る左右一対の当接部4243aと、各当接部4243aの上端部同士を接続する上片4243bと、各当接部4243aの下端部同士を接続する下片4243cと、各当接部4243aの側縁部から前方に向かって延びる一対の側片4243dとを備え、当接部4243a間に、スライド操作レバー4241の所定角度範囲内の回動を許容する空間を形成したものである。本実施形態では、単一の鋼板を折曲成形することによりこれら当接部4243a、上片4243b、下片4243c及び側片4243dを形成している。このスライド操作レバー当板4243の高さ寸法を、スライド操作レバー4241の高さ寸法より大きく且つ前記補強体4212の上片4212bと下片4212cとの離間距離よりも小さく設定し、スライド操作レバー4241と共に補強体4212の内部に収容可能にしている。このスライド操作レバー当板4243は、補強体4212の起立片4212aの後面部に溶着等により一体的に取り付けられる。そして、補強体4212の上片4212bと下片4212c、スライド操作レバー当板4243の上片4243bと下片4243c、及びスライド操作レバー4241の基端部にそれぞれスライド操作レバー軸4242が挿入可能なスライド操作レバー軸用挿入孔(図示省略)を形成し、これら各スライド操作レバー軸用挿入孔を連通させた状態で、スライド操作レバー軸4242を挿入することにより、補強体4212、スライド操作レバー当板4243、及びスライド操作レバー4241が相互に関連付けられ、スライド操作レバー4241がスライド操作レバー軸4242を中心に回動可能な状態となる。なお、補強体4212の起立片4212aには、スライド操作レバー4241の回動時に、スライド操作レバー4241の基端部と補強体4212との干渉を回避するための切欠部が形成されている。
【0078】
次に、このデスク1の使用方法、特に天板5を支持体4と共にベース2に沿ってスライド移動させる又はスライド移動を規制する際の操作及び作用に着目して説明する。
【0079】
先ず、各切替ユニット422の切替機構4Eが、図4〜図7に示すように、上方側転動体4Cに優先して上方側当接体4Aを上方側レール溝21の開口側起立壁21aに当接させるとともに、下方側転動体4Dに優先して下方側当接体4Bを下方側レール溝22の奥方側起立壁22bに当接させた移動規制状態にある場合、ベース2に対する天板5の相対移動も規制される。なお、天板5は、支持体4のうち優先支持部412によって少なくとも複数点支持されている(図8参照)。また、切替機構4Eが移動規制状態にある場合、操作部424のスライド操作レバー4241の略全部位が補強体4212内に収まっており、リンク連動体4231が補強体4212の前面部(起立片4212a)に当接又は近接する位置に位置付けられる。
【0080】
そして、各切替ユニット422の切替機構4Eを移動規制状態(図4〜図7参照)から移動許容状態(図9〜図12参照)に切り替える場合は、スライド操作レバー4241に対して所定の操作力を付与する。具体的には、スライド操作レバー4241の摘み部4241aを把持して、スライド操作レバー軸4242を中心にスライド操作レバー4241を図6及び図7における矢印A方向に回動させる操作を行う。このスライド操作レバー4241の回動に伴って、スライド操作レバー4241のカム面4241bに押圧されるリンク連動体4231が前記補強体4212から前記本体部4211側に向かって移動する(図11及び図12参照)。すると、このリンク連動体4231に基端部4G1b、4G2bを接続した各切替ユニット422の各リンク4G1、4G2が連動して鉛直軸4G3を中心にそれぞれ回動する。各切替ユニット422において高さ方向に対向する上方側リンク4G1と下方側リンク4G2とが共通の鉛直軸4G3を中心に回動することにより、上方側ローラ支持体4Caを介して上方側リンク4G1の先端部4G1aに設けた上方側転動体4Cが上方側レール溝21の開口側起立壁21aに向かって移動するとともに、下方側リンク4G2の先端部4G2aに調整リンク4G21及び下方側ローラ支持体4Daを介して設けた下方側転動体4Dが下方側レール溝22の奥方側起立壁22bに向かって移動する。その結果、図10に示すように、スライダ装置42が、各切替ユニット422の切替機構4Eの作用により、図10に示すように、上方側レール溝21の開口側起立壁21aに対する上方側当接体4Aの当接状態を解除して上方側転動体4Cを上方側レール溝21の開口側起立壁21aに添接させ、且つ下方側レール溝22の奥方側起立壁22bに対する下方側当接体4Bの当接状態を解除して下方側転動体4Dを下方側レール溝22の奥方側起立壁22bに添接させた移動許容状態となる。これにより、支持体4と共に天板5をベース2に対してスライド移動させることが可能となる。本実施形態では、上記操作に伴って各当接体4A、4Bに対して各転動体4C、4Dを相対移動させる態様を採用しているため、切替機構4Eを移動規制状態から移動許容状態に切り替えた場合に、ベース2に対する支持体4の相対角度が変位し、支持体4のうち反ベース2側が跳ね上がった角度姿勢となる(図9及び図10参照)。このような支持体4のベース2に対する角度変更に応じて、前記ヒンジ機構Hによって支持体4に連結され且つ他端部を脚体6に支持させている天板5を、図4、図8及び図9に示すように、ヒンジ軸H1回りに回動して支持体4に対する相対角度変更可能に設定しているため、切替機構4Eによってスライド装置42を移動規制状態から移動許容状態に切り替える際に、ベース2に対して支持体4を角度変更させる操作力のみが必要となり、ベースに対して支持体と共に天板をも一体的且つ同時に跳ね上げる(角度変更させる)操作力が必要な態様と比較して格段に軽い操作力で切替操作を行うことが可能である。切替機構4Eによりスライド装置42を移動規制状態から移動許容状態に切り替えた場合、支持体4に対する天板5の角度変更に伴い、複数の優先支持部412のうち相対的にヒンジ機構Hから離れた位置(換言すればベース2側)にある優先支持部412と天板5との当接状態が解除される。なお、本実施形態では、スライド装置42の本体部4211に、上方側レール溝21の底壁21cに添接し得る補助転動体4Hを設けている(図5及び図10参照)。
【0081】
一方、各切替ユニット422の切替機構4Eを移動許容状態から移動規制状態に切り替える操作は、スライド操作レバー4241を元の位置に戻す操作力を付与することにより行う。具体的には、補強体4212から露出しているスライド操作レバー4241の摘み部4241aを把持して、スライド操作レバー軸4242を中心にスライド操作レバー4241を図11及び図12における矢印B方向に回動させる操作を行う。このスライド操作レバー4241の回動に伴って、リンク連動体4231が補強体4212側に向かって移動し、各切替ユニット422の各リンク4G1、4G2が連動して鉛直軸4G3を中心にそれぞれ回動する。上方側リンク4G1と下方側リンク4G2とが共通の鉛直軸4G3を中心に、移動規制状態から移動許容状態に切り替える場合とは逆方向に回動することにより、上方側リンク4G1の先端部4G1aに設けた上方側転動体4Cが上方側レール溝21の開口側起立壁21aから離間する方向に向かって移動するとともに、下方側リンク4G2の先端部4G2aに設けた下方側転動体4Dが下方側レール溝22の奥方側起立壁22bから離間する方向に向かって移動する。その結果、支持体4が、支持体4自体の自重及び天板5の自重により沈み込む方向に移動し、スライダ装置42が、各切替ユニット422の切替機構4Eの作用により、図5に示すように、上方側レール溝21の開口側起立壁21aに対する上方側転動体4Cの添接状態を解除して上方側当接体4Aを上方側レール溝21の開口側起立壁21aに当接又は圧接させ、且つ下方側レール溝22の奥方側起立壁22bに対する下方側転動体4Dの添接状態を解除して下方側当接体4Bを下方側レール溝22の奥方側起立壁22bに当接又は圧接させた移動規制状態となる。なお、補助転動体4Hも上方側レール溝21の底壁21cから浮き上がった状態となる。これにより、ベース2に対する支持体4、ひいては天板5のスライド移動が規制される。なお、切替機構4Eによりスライド装置42を移動許容状態から移動規制状態に切り替えた場合に、ベース2に対する支持体4の角度変更に応じて、天板5が前記ヒンジ機構Hのヒンジ軸H1回りに回動し、再度支持体4の前記優先支持部412に支持された状態となる。また、本実施形態では、切替機構4Eによるスライド移動/規制機能を補完すべく、スライド装置42にサイドロックレバー4Iを設けている。このサイドロックレバー4Iは、サイドロックレバー軸4Iaを中心に回動可能なものであり、基端部に設けた押圧面4Ibをベース2の起立面2Aに圧接又は当接させた状態と、当該圧接状態又は当接状態を解除した状態との間で切替可能なものである。なお、切替操作時におけるスライド操作レバー4241の回動は、スライド操作レバー4241の一部がスライド操作レバー当板4243の当接部4243aに当接することによってそれ以上の回動が規制される。
【0082】
さらに、本実施形態では、下方側当接体4Bが、上述したようにスライダ本体421の本体部4211に対して進退動作可能な進退部材4Fの先端部に取り付けられたものであり、切替機構4Eが移動規制状態にある場合に、六角レンチ等の工具を用いて進退部材4Fを進退移動させることにより、下方側レール溝22内における下方側当接体4Bの相対位置を調整することができる。これにより、ベース2に対する支持体4の相対角度を微調整することが可能となり、天板5が通常の使用状態において略水平姿勢となるように設定することができる。すなわち、下方側当接体4B及び進退部材4Fによって、ベース2に対する支持体4自体の相対角度を調整可能な本発明の「相対角度調整機構」を構成している。
【0083】
また、本実施形態では、天板5が支持体4に対して水平旋回可能なものであり、支持体4に、天板5の下面側に一体的に設けた咥込対象部たる旋回ストッパレール5122を咥え込んだ状態で下方に向かって引き込むことにより天板5の水平旋回を規制し且つ天板5の下面を優先支持部412に当接又は圧接させた旋回規制状態と、咥込状態を解除することにより天板5の水平旋回を許容する旋回許容状態との間で切替可能な咥込機構4Jを設けている(図4、図8及び図9参照)。咥込機構4Jについての詳細な説明は省略する。また、本実施形態では、支持体4に、咥込機構4Jとは別に、天板5の水平旋回を規制する旋回規制状態と、天板5の水平旋回を許容する旋回許容状態との間で切替可能な旋回ストッパ機構4Kを設けている。旋回ストッパ機構4Kについての詳細な説明は省略する。
【0084】
このような構成を有するデスク1は、天板5を支持体4と共に、ベース2の長手方向に沿ってスライド移動させることによりベース2に対する天板5の相対位置が変更可能であるとともに、天板5の長手方向をベース2の長手方向に対して略平行な姿勢、又は天板5の長手方向をベース2の長手方向に対して略直交する姿勢等、ベース2に対する天板5の旋回角度姿勢が適宜選択可能である。
【0085】
このように本実施形態に係る支持体4は、移動規制状態と移動可能状態との間で切替可能な切替機構4Eを設けているため、当該切替機構4Eを移動許容状態にした場合には各転動体2C、2Dの滑動によりベース2に対する支持体4及び天板5の移動をスムーズに行うことができ、デスク1単体におけるレイアウト変更を容易且つ的確に行うことができる一方、レイアウト変更後には切替機構4Eを移動規制状態に切り替えることにより各当接体2A、2Bが制動機能を発揮し、ベース2に対する支持体4及び天板5の意図しない移動を規制することができる。しかも、レイアウト変更する前後において、従来のように支持体及び支持対象物を持ち上げて再度下ろす作業や別途ネジ締め等の作業も不要となり、作業性及び実用性において極めて優れたものである。加えて、水平方向に連続して開口するレール溝21、22に沿って支持体4をスライド移動させることができるため、ベース2に対する支持体4の相対位置変更を無段階で調整することができ、ベース2に対する支持体4及び天板5の相対位置を微調整することが可能である。特に、本実施形態では、スライダ本体421に相対移動可能な各転動体4C、4Dを、スライダ本体421に対して相対移動不能な各当接体4A、4Bに対して相対移動させることによって切替機構4Eを移動許容状態と移動規制状態との間で切替可能にしているため、移動許容状態から移動規制状態に切り替えた場合に、天板5及び支持体4の荷重を利用して効率良くブレーキを掛け、支持体4及び天板5を所望の位置にロックすることができる。
【0086】
さらに、支持体4及び天板5の自重により支持体4がベース2に支持される部位を中心に沈み込む方向に傾動し得ることに着目して、上方側当接体4A、上方側転動体4Cを上方側レール溝21の開口側起立壁21aに当接又は添接させ、且つ下方側当接体4B、下方側転動体4Dを下方側レール溝22の奥方側起立壁22bに当接又は添接させるように設定しているため、各当接体又は各転動体がそれぞれレール溝の同じ側の起立壁に当接又は添接する態様と比較して、各当接体4A、4B、各転動体4C、4Dをそれぞれレール溝21、22の内壁に確実に当接又は添接させることができ、移動規制状態においては各当接体4A、4Bによる良好な制動機能を発揮し、移動許容状態においては各転動体4C、4Dによる良好な滑動機能を発揮する。
【0087】
加えて、スライド装置42が、上方側転動体4Cの移動と下方側転動体4Dの移動を同期させる同期機構4Gを備えたものであるため、各転動体ごとに個別に移動させる態様と比較して、操作性が向上し、実用性に優れたものとなる。
【0088】
同期機構4Gが、上方側転動体4Cを先端部4G1aに設けた上方側リンク4G1と、下方側転動体4Dを先端部4G2aに設けた下方側リンク4G2と、これら上方側リンク4G1及び下方側リンク4G2の共通の回転軸である鉛直軸4G3とを具備してなり、操作部424に付与された操作力に基づいて鉛直軸4G3を中心に上方側リンク4G1及び下方側リンク4G2をそれぞれ水平旋回させることにより上方側転動体4Cの移動と下方側転動体4Dの移動とを同期させるものであるため、同期機構4Gの構造簡略化を図ることができる。しかも、鉛直軸4G3の中心を通り且つスライド移動方向に対して略直交する仮想直線Lを境にして、一方の領域に上方側リンク4G1の先端部4G1aを位置付けるとともに、他方の領域に下方側リンク4G2の先端部4G2aを位置付けているため、切替機構4Eを移動規制状態から移動許容状態へ切り替える操作力を付与した場合には、上方側リンク4G1及び下方側リンク4G2が鉛直軸4G3を中心に水平旋回することにより、上方側リンク4G1の先端部4G1aに設けた上方側転動体4Cを上方側レール溝21の開口側起立壁21aに向かって移動させると同時に、下方側リンク4G2の先端部4G2aに設けた下方側転動体4Dを下方側レール溝22の奥方側起立壁22aに向かって移動させることができる。一方、切替機構4Eを移動許容状態から移動規制状態へ切り替える操作力を付与した場合には、上方側リンク4G1及び下方側リンク4G2が鉛直軸4G3を中心に水平旋回することにより、上方側リンク4G1の先端部4G1aに設けた上方側転動体4Cを上方側レール溝21の開口側起立壁21aから離間する方向(換言すれば奥方側起立壁21b側)に向かって移動させると同時に、下方側リンク4G2の先端部4G2aに設けた下方側転動体4Dを下方側レール溝22の奥方側起立壁22aから離間する方向(換言すれば開口側起立壁22a側)に向かって移動させることができる。このように、複雑な構造を必要とすることなく、上方側転動体4Cの移動と下方側転動体4Dの移動とを同期させることができ、移動許容状態と移動規制状態との間の切替動作の安定性向上に寄与する。
【0089】
また、上方側リンク4G1と下方側リンク4G2との間に補強リンク4G4を介在させているため、上方側リンク4G1及び下方側リンク4G2の変形を防止し、各リンク4G1、4G2の良好な作動状態を確保することができる。
【0090】
各当接体4A、4Bが剛性の高い素材から形成されたものであるため、移動規制状態における各当接体4A、4Bの変形、或いは切替操作の反復による各当接体4A、4Bの変形を防止して、ベース2に対する支持体4の適切な支持状態を確保することができる。
【0091】
さらに、スライド装置42が、少なくとも各当接体4A、4B、各転動体4C、4D、及び切替機構4Eをユニット化してなる切替ユニット422をスライド移動方向に沿って複数設けたものであるため、より安定した支持状態を実現し、スライド移動のスムーズ性も向上する。
【0092】
スライド装置42が、単一の操作部424に対して付与される操作力に基づいて各切替ユニット422の切替機構4Eの各転動体4C、4Dを連動して移動させる連動機構423を備えているため、各切替ユニット422ごとにそれぞれ個別の切替操作が必要な態様と比較して、操作の簡便化を図ることができる。
【0093】
特に、連動機構423が、各切替ユニット422のリンク4G1、4G2の基端部4G1b、4G2bをそれぞれ接続した共通のリンク連動体4231を備えてなり、操作部424への操作力に基づいてリンク連動体4231を作動させることにより各切替ユニット422のリンク4G1、4G2を介してこれら各リンク4G1、4G2の先端部4G1a、4G2aに設けた各転動体4C、4D同士を連動して移動させるものであるため、連動機構423の構造簡略化及び作動の安定性向上を図ることができる。
【0094】
また、スライド装置42が、下方側レール溝22内において下方側当接体4Bの進退移動させることによってベース2に対する支持体4全体の相対角度を調整可能な相対角度調整機構を備えたものであるため、相対角度調整機構を利用してベース2に対する支持体4の相対角度を調整することにより移動規制状態における天板5が略水平姿勢となるように微調整することができる。
【0095】
殊に、相対角度調整機構が、スライダ本体421に対して進退動作可能であり且つ先端部に下方側当接体4Bを設けた進退部材4Fを用いてなり、この進退部材4Fを進退動作させることによりベース2に対する相対角度を調整するものであるため、相対角度調整機構の構造を簡素なものとし、さらに、進退部材4Fがネジ送り作用により進退動作可能なボルトであるため、進退部材として既知のものを適用することができ、専用の進退部材を用意する態様と比較してコストの削減につながる。
【0096】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0097】
例えば、支持体が、移動規制状態から移動許容状態に切り替えた場合に、ベースに対する相対角度が変位して反ベース側が跳ね上がった角度姿勢をとるものである場合、移動許容状態から移動規制状態に切り替える場合に、反ベース側が沈み込む沈込動作を制動する沈込動作制動手段を設け、支持体の急激な沈込動作を抑制するようにしても構わない。
【0098】
以下に、沈込動作制動手段を備えた支持体の一変形例について説明する。なお、前記実施形態に係る支持体と略同様の構成を適用している箇所については詳細な説明を省略し、以下の説明及び図13〜図21において、前記実施形態で示した各部位に対応する部位には、それぞれ符号の頭に「X」を付して示す。また、図13〜図21では、符号のみを付し、名称は省略している。
【0099】
当該変形例に係る支持体X4は、図13〜図16等に示すように、ベースX2のレール溝X21、X22に沿ってスライド移動可能なスライド装置X42を備えたものである。このスライド装置X42は、スライダ本体X421と、一対の切替ユニットX422と、これら切替ユニットX422を連動して作動させる連動機構X423と、所定の操作を行うための操作部X424とを備えたものである。
【0100】
なお、以下の説明において、ベースX2側を前方とし、反対側を後方とする。
【0101】
スライド装置X42は、スライダ本体X421と、一対の切替ユニットX422と、これら切替ユニットX422を連動して作動させる連動機構X423と、所定の操作を行うための操作部X424とを備えたものである。
【0102】
スライダ本体X421は、ベースX2の起立面X2Aに対向する起立片X4211aと、起立片X4211aの上下縁部からそれぞれ前方に向かって延びる上片X4211c及び下片X4211dとを備えたものである。本変形例では、スライダ本体X421にコンセントユニットXCを取り付けている。
【0103】
また、スライダ本体X421の両端部に、スライダ本体X421とフレーム体X411の対向フレームX411aの前端部とを接続するステーX43を溶着等により一体的に取り付けている。
【0104】
各切替ユニットX422は、上方側レール溝X21の開口側起立壁X21aに当接し得る上方側当接体X4Aと、下方側レール溝X22の奥方側起立壁X22bに当接し得る下方側当接体X4Bと、上方側レール溝X21の開口側起立壁X21aに添接し得る上方側転動体X4Cと、下方側レール溝X22の奥方側起立壁X22bに添接し得る下方側転動体X4Dと、スライド装置X42の移動を規制する移動規制状態とスライド装置X42の移動を許容する移動許容状態との間で切替可能な切替機構X4Eとを備えたものである。
【0105】
上方側当接体X4Aは、移動規制状態において上方側転動体X4Cよりも上方側レール溝X21の開口側起立壁X21a側に寄った位置に位置付けられるものである。本変形例では、上方側当接体X4Aとして、ステーX43の前向面から前方に延伸し、前端部に側面視略L字状の引掛部を一体に設けた前方突出部を適用している。本変形例における各ステーX43は、一対の対向壁X431と、これら対向壁X431の後端部同士を接続する後壁X432とを一体に備えた平面視略コ字状をなすものであり、各対向壁X431の前向面にそれぞれ上方側転動体X4Cとして機能する前記前方突出部を一体に形成したものである(図13参照)。すなわち、本変形例では、各切替ユニットX422が、それぞれ一対の上方当接体4Aを備えたものとしている。上方側当接体X4Aは、ステーX43に一体成形されたものであり、鋼板からなる剛性に優れたものである。
【0106】
下方側当接体X4Bは、移動規制状態において下方側転動体X4Dよりも下方側レール溝X22の奥方側起立壁X22b側に寄った位置に位置付けられるものである。本変形例では、下方側当接体X4Bとして、スライダ本体X421に対して進退動作可能な進退部材を適用している。この進退部材は剛性の高い素材から成形したものである。本変形例では、進退部材としてネジ送り作用によって進退動作可能なボルトを適用している。下方側当接体X4Bとして機能する進退部材は、前記スライダ本体X421の下片X4211dに設けた図示しないナットに螺合可能なものであり、先端部に、下方側レール溝X22の奥方側起立壁X22bに当接し得る大径の鍔部を有するものである。
【0107】
また、本変形例では、上方側転動体X4C、及び下方側転動体X4Dとして、それぞれ鉛直軸回りに回動可能なローラを適用している。
【0108】
同期機構X4Gは、前記実施形態と略同様の原理で上方側転動体X4Cの移動と下方側転動体X4Dの移動とを同期させるものである。同期機構X4Gは、上方側転動体X4Cを先端部に設けた上方側リンクX4G1と、下方側転動体X4Dを先端部に設けた下方側リンクX4G2と、これら上方側リンクX4G1と下方側リンクX4G2の共通の回転軸X424Aである鉛直軸X4G3とによって、同期機構X4Gは、操作部X424に付与された操作力に基づいて上方側リンクX4G1及び下方側リンクX4G2を鉛直軸X4G3を中心にそれぞれ水平旋回させることにより上方側転動体X4Cの移動と下方側転動体X4Dの移動とを同期させるものである。
【0109】
上方側リンクX4G1は、先端部X4G1aと基端部X4G1bとが略直交し得る相対角度をなし、これら先端部X4G1aと基端部X4G1bとを平面視略L字状の接続部X4G1cによって接続したものである。また、上方側リンクX4G1の先端部X4G1aは、接続部X4G1cの先端から内方に変位しながら前方に延伸するものである(図13参照)。なお、接続部X4G1cと先端部X4G1aとの接続部分近傍領域がスライダ本体X421の上片X4211cに載置され得る。また、上方側リンクX4G1の基端部X4G1bに段部X4G1dを設けている。
【0110】
下方側リンクX4G2は、上方側リンクX4G1と略同一形状をなし、先端部X4G2aを、接続部X4G2cの先端から外方に変位しながら前方に延伸させたものである(図13参照)。また、下方側リンクX4G2の基端部X4G2bに段部X4G2dを設けている。上方側リンクX4G1と下方側リンクX4G2との間に補強リンクX4G4を介在させている(図15参照)。
【0111】
鉛直軸X4G3は、スライダ本体X421の上片X4211c、上方側リンクX4G1、下方側リンクX4G2、及びスライダ本体X421の下片X4211dに形成した各鉛直軸用軸孔に、この順で連続して挿入したものであり、両端部に取り付けたEリング等の留め具によって抜け止めが施されている。
【0112】
そして、この鉛直軸X4G3の中心を通り且つスライド移動方向に対して略直交する仮想直線XLを境にして、一方の領域(具体的には内方側の領域)に上方側リンクX4G1の先端部X4G1aを位置付けるとともに、他方の領域(具体的には外方側の領域)に下方側リンクX4G2の先端部X4G2aを位置付け、上方側リンクX4G1及び下方側リンクX4G2に対して鉛直軸X4G3を中心に回動させる力が作用した場合に、上方側転動体X4C及び下方側転動体X4Dが同期して作動し得るように可能にしている。
【0113】
以上に述べた各部の基本的な構成は、前記実施形態で示したものと略同様のものであるが、スライド移動方向に沿って離間させた位置に対にして設けた切替ユニットX422を操作部X424に対して付与される操作力に基づいて連動させる連動機構X423、及び操作部X424の構成は、前記実施形態で示したものと比較して構造上大きな差異点がある。以下、連動機構X423、及び操作部X424について詳述する。
【0114】
連動機構X423は、各切替機構X4Eの各リンクX4G1、X4G2の基端部X4G1b、X4G2bを押圧し得るリンク押圧体X4231を備えてなり、操作部X424に付与された操作力に基づいてリンク押圧体X4231を作動させることにより各切替機構X4Eの各リンクX4G1、X4G2を鉛直軸X4G3を中心に旋回させ、各リンクX4G1、X4G2の先端部X4G1a、X4G2aに設けた転動体X4C、X4D同士を同時又は略同時に移動させるものである。なお、本変形例では、一方の切替機構X4Eの各リンクX4G1、X4G2の基端部X4G1b、X4G2bと、他方の切替機構X4Eの各リンクX4G1、X4G2の基端部X4G1b、X4G2bとがそれぞれ前記段部X4G1d、段部X4G2dを利用して高さ方向に互い違いになるようにし、リンク押圧体X4231がこれら高さ方向に対向している各リンクX4G1、X4G2の基端部X4G1b、X4G2bを同時に押圧し得るようにしている(図15参照)。そのために、一方の切替機構X4Eの各リンクX4G1、X4G2の基端部X4G1b、X4G2bが接続部X4G1c、X4G2cよりも相対的に上方側に位置付けられるように設定し、他方の切替機構X4Eの各リンクX4G1、X4G2の基端部X4G1b、X4G2bが接続部X4G1c、X4G2cよりも相対的に下方側に位置付けられるように設定している。
【0115】
リンク押圧体X4231は、図13〜図15等に示すように、操作部X424の回転軸X424A近傍に設けられ、操作部X424の回動に伴って操作部X424の回転方向と同一方向に回動するものである。ここで操作部X424について説明する。
【0116】
操作部X424は、図13〜図17等に示すように、後端部側に使用者が把手可能なハンドル部X4241aを有する操作レバー本体X4241と、操作レバー本体X4241の前端部近傍領域を支持する操作レバーベースX4242と、操作レバーベースX4242の前端部に設けられ操作部X424の回転軸X424Aを被覆し得るカバー体X4243とを備えたものである。この操作部X424は、側面視略L字状をなし、操作レバー本体X4241及び操作レバーベースX4242を平面視略直線上に配した長尺のものである。
【0117】
操作レバー本体X4241は、前端部近傍を、第1水平軸X424Bを介して操作レバーベースX4242の後端部に枢着したものであり、図16に示すように、側面視においてその長手方向を操作レバーベースX4242の長手方向と略一致させたフラット位置(P)と、図17に示すように、第1水平軸X424Bを中心に前端部が操作レバーベースX4242から持ち上がる方向に回転し、操作レバーベースX4242に対して所定角度傾斜した傾斜位置(Q)との間で回動するものである。本変形例では、操作レバー本体X4241の後端部が、前記フレーム体X411の第2補強フレームX411eの手前に位置付けられるように設定し、第2補強フレームX411eに形成したピン保持用孔に保持されているピン部材X4244によって操作レバー本体X4241を前記フラット位置(P)に維持している。具体的には、ピン部材X4244の先端部に、操作レバー本体X4241の後端部に嵌合可能な爪部X4244aを設け、この爪部X4244aを操作レバー本体X4241の後端部に嵌合することによって操作レバー本体X4241を前記フラット位置(P)に維持している。一方、ピン部材X4244を、操作レバー本体X4241の長手方向に沿って後方へ移動させた場合には、爪部X4244aが操作レバー本体X4241の後端部から離間し、操作レバー本体X4241が自重によりフラット位置(P)から前記傾斜位置(Q)に移動するようにしている。なお、ピン部材X4244は、軸部X4244bに他の領域より外方に突出させた弾性変形し得る凸部を設け、この凸部を第2補強フレームX411e内からピン保持用孔に係合させることによって、ピン部材X4244が不意に後方へ移動しないようにしている。また、ピン部材X4244は、軸部X4244bの先端部に、後方へ所定距離移動させた場合に第2補強フレームX411eに当接し、ピン部材X4244が第2補強フレームX411eから抜け外れることを防止する抜止部X4244cを設けている。
【0118】
操作レバーベースX4242は、下片X4242aと、下片X4242aの両側縁部からそれぞれ起立し相互に対向する一対の対向側片X4242bとを備え、上方及び前後方向に開口したチャネル状のものである。本変形例では、操作レバーベースX4242に、天板X5の下面側に一体又は一体的に設けた咥込対象部たる旋回ストッパレールX5122を咥込可能な咥込可能位置(R)と、咥込状態を解除した咥込解除位置(S)との間で移動可能な引込体X4J1を設けている。
【0119】
引込体X4J1は、後端部を操作レバー本体X4241の前端部に第2水平軸X424Cを介して枢着したベースX4J11と、ベースX4J11の前端部から起立する起立片X4J12と、起立片X4J12の上端部から後方に向かって延びる咥込爪4J13とを備えたものである。本変形例では、ベースX4J11、起立片X4J12及び咥込爪4J13を一体に設けた側面視略コ字状をなす引込体本体を対向配置し、これら引込体本体間に補強片X4J14を介在させている。そして、ベースX4J11の後端部を、操作レバー本体X4241の前端部に第2水平軸X424Cを介して枢着するとともに、ベースX4J11の前端部側を、操作レバーベースX4242に第3水平軸X424Dを介して枢着している。なお、各水平軸X424B、X424C、X424Dはそれぞれ両端部に取り付けたEリング等の留め具により抜け止めが施されている。また、操作レバーベースX4242の各対向側片X4242bには、第2水平軸X424Cの高さ方向への移動を許容する切欠X4242cを形成している。したがって、操作レバー本体X4241が前記フラット位置(P)に位置付けられている場合、引込体X4J1は、略水平な姿勢をとる咥込爪4J13によって旋回ストッパレールX5122を咥え込むことが可能な咥込可能位置(R)に位置付けられ、一方、操作レバー本体X4241がフラット位置(P)から前記傾斜位置(Q)に移動した場合、引込体X4J1は、第3水平軸X424Dを中心に、第2水平軸X424Cを介して操作レバー本体X4241の前端部に枢着したベースX4J11の後端部が操作レバー本体X4241の前端部と共に操作レバーベースX4242から持ち上がる方向に回転し、咥込爪4J13による咥込状態が解除された咥込解除位置(S)に位置付けられる。本変形例に係る支持体X4は、この引込体X4J1を用いて、天板X5の下面側に一体的に設けた咥込対象部たる旋回ストッパレールX5122を咥え込んだ状態で下方に向かって引き込むことにより天板X5の水平旋回を規制した旋回規制状態と、咥込状態を解除することにより天板X5の水平旋回を許容する旋回許容状態との間で切替可能な咥込機構X4Jを構成している。つまり、咥込機構X4Jは、引込体X4J1が前記咥込可能位置(R)に位置付けられている場合、旋回規制状態となり、引込体X4J1が前記咥込解除位置(S)に位置付けられている場合、旋回規制状態となる。なお、本変形例では、引込体X4J1のベースX4J11を操作レバーベースX4242の下片X4242aから離間させ、引込体X4J1の咥込可能位置(R)と咥込解除位置(S)との移動を円滑に行えるようにしている(図16及び図17参照)。
【0120】
カバー体X4243は、前方起立片X4243aと、前方起立片X4243aの両側縁部からそれぞれ後方に延びる一対の対向片4243bとを備え、前方起立片X4243aの上端部を後方に折り返し(図15参照)、この折り返し部に操作部X424の回転軸X424Aを挿通可能にしている。各対向片4243bの上端部を前記操作レバーベースX4242の対向側片X4242bの前端部に溶着等により一体的に取り付けている。このようにして一体的に取り付けた操作レバーベースX4242及びカバー体X4243は、前記スライダ本体X421の長手方向中央部位に一体的に設けた操作レバーベース保持体X4213に保持されている。本変形例では、操作レバーベース保持体X4213に、操作部X424の回転軸X424Aも保持させている。
【0121】
操作レバーベース保持体X4213は、下半部をスライダ本体X421の起立片X4211aの後向面に溶着等により一体的に取り付けた起立片X4213aと、起立片X4213aの上下縁部からそれぞれ後方に向かって延び相互に対向する上片X4213b及び下片4213cを一体に備えたものである。上片X4213bのうち前端部領域を前記フレーム体X411の補強フレームX411dの下向面に添接させている。そして、上片X4213b及び下片4213cの先端部にそれぞれ形成した軸孔に、操作部X424の回転軸X424Aを挿入している。また、カバー体X4243は、上片X4213b及び下片4213cとの間に配され、回転軸X424Aと同期して回動するように設定されている。なお、操作部X424の回転軸X424Aは、両端部に取り付けたEリング等によって抜け止めが施されている。
【0122】
本変形例では、回転軸X424Aと同期して回動するカバー体X4243にリンク押圧体X4231を溶着等により一体的に取り付けている。操作部X424の回転軸X424A、カバー体X4243、及びリンク押圧体X4231は、各リンクX4G1、X4G2の基端部X4G1b、X4G2bよりも前方側に位置付けられる。
【0123】
リンク押圧体X4231は、高さ方向に対向する上方側対向片X4231a及び下方側対向片X4231bと、これら上方側対向片X4231a及び下方側対向片X4231bの前端部同士を接続する接続片X4231cとを一体に備えたものである。上方側対向片X4231a及び下方側対向片X4231bにはそれぞれカバー体X4243が嵌合可能な嵌合孔を形成し、これら嵌合孔にカバー体X4243を嵌合させることにより、リンク押圧体X4231がカバー体X4243の回転動作に伴って回転するようにしている。上方側対向片X4231a及び下方側対向片X4231bは、各リンクX4G1、X4G2の基端部X4G1b、X4G2b側(後方)に向かって漸次幅広となる平面視略台形状をなすものである。リンク押圧体X4231は、操作部X424の回転中心を通り且つスライド移動方向に対して略直交する第2仮想直線XL2を境にした一方の領域に第1押圧体本体X4231Aを設け、他方の領域に第2押圧体本体X4231Bを設けている(図14参照)。本変形例では、第1押圧体本体X4231A及び第2押圧体本体X4231Bとして、上方側対向片X4231a及び下方側対向片X4231bに回転可能に保持された軸を適用している。
【0124】
次に、この支持体X4を備えたデスクの使用方法、特に天板X5を支持体X4と共にベースX2に沿ってスライド移動させる又はスライド移動を規制する際の操作及び作用に着目して説明する。
【0125】
先ず、各切替ユニットX422の切替機構X4Eが前記移動規制状態にある場合、操作部X424は、その長手方向がスライド移動方向に対して略直交するロック位置(L)に位置付けられ(図13参照)、リンク押圧体X4231は、第1押圧体本体X4231A及び第2押圧体本体X4231Bが各リンクX4G1、X4G2の基端部X4G1b、X4G2bに添接又は近接し、且つ各リンクX4G1、X4G2を押圧しない非押圧位置(W)に位置付けられる(図14参照)。
【0126】
そして、各切替ユニットX422の切替機構X4Eを移動規制状態から前記移動許容状態に切り替える場合は、先ず、操作部X424の前記ピン部材X4244を後方に引っ張り、ピン部材X4244の爪部X4244aを操作レバー本体X4241の後端部から離間させることによって、操作レバー本体X4241を前記フラット位置(P)から前記傾斜位置(Q)に移動させる。これにより、引込体X4J1が前記咥込可能位置(R)から前記咥込解除位置(S)へ移動する(図17参照)。この状態で、前記ロック位置(L)にある操作部X424の前記ハンドル部X4241aを把持し、正方向又は逆方向に水平旋回させる操作力を付与する。この操作力により、操作部X424が回転軸X424Aを中心に前記ロック位置(L)から図18に示す前記第1の非ロック位置(U)又は図20に示す第2の非ロック位置(V)に回動する。操作部X424の回動に伴って、カバー体X4243及びリンク押圧体X4231も操作部X424の回転方向と同一方向に回動する。これにより、リンク押圧体X4231が、前記非押圧位置(W)から、第1押圧体本体X4231Aによって各リンクX4G1、X4G2の基端部X4G1b、X4G2b近傍領域を押圧する第1の押圧位置(Y)(図18及び図19参照)、又は第2押圧体本体X4231Bによって各リンクX4G1、X4G2の基端部X4G1b、X4G2b近傍領域を押圧する第2の押圧位置(Z)(図20及び図21参照)に回動する。このリンク押圧体X4231の回動に伴って、第1押圧体本体X4231A又は第2押圧体本体X4231Bにそれぞれ基端部X4G1b、X4G2bを押圧された各切替機構X4Eの上方側リンクX4G1及び下方側リンクX4G2が連動して鉛直軸X4G3を中心にそれぞれ回動し、上方側リンクX4G1の先端部X4G1aに設けた上方側転動体X4Cが上方側レール溝X21の開口側起立壁X21aに向かって移動するとともに、下方側リンクX4G2の先端部X4G2aに設けた下方側転動体X4Dが下方側レール溝X22の奥方側起立壁X22bに向かって移動する。その結果、各切替機構X4Eが、上方側レール溝X21の開口側起立壁X21aに対する上方側当接体4Aの当接状態を解除して上方側転動体X4Cを上方側レール溝X21の開口側起立壁X21aに添接させ、且つ下方側レール溝X22の奥方側起立壁X22bに対する下方側当接体X4Bの当接状態を解除して下方側転動体X4Dを下方側レール溝X22の奥方側起立壁X22bに添接させた移動許容状態となる。これにより、支持体X4と共に天板X5をベースX2に対してスライド移動させることが可能となる。
【0127】
このような操作により、移動規制状態から移動許容状態に切り替えた場合、ベースX2に対する支持体X4の相対角度が変位し、支持体X4のうち反ベースX2側が跳ね上がった角度姿勢となる。このような支持体X4のベースX2に対する角度変更に応じて、ヒンジ機構XHによって支持体X4に連結され且つ他端部を脚体に支持させている天板X5を、ヒンジ機構XHのヒンジ軸XH1回りに回動して支持体X4に対する相対角度変更可能に設定している。
【0128】
一方、移動許容状態から移動規制状態に切り替える操作は、操作部X424を前記第1の非ロック位置(U)又は前記第2の非ロック位置(V)から前記ロック位置(L)へ旋回移動させる操作力を付与することにより行う。操作部X424の回動に伴って、カバー体X4243及びリンク押圧体X4231も操作部X424と同一方向へ回転する。これにより、リンク押圧体X4231が、前記第1の押圧位置(Y)又は第2の押圧位置(Z)から非押圧位置(W)に回転移動する。このリンク押圧体X4231の回動に伴って、各切替ユニットX422の各リンクX4G1、X4G2が連動して鉛直軸X4G3を中心にそれぞれ回動する。そして、上方側リンクX4G1及び下方側リンクX4G2が共通の鉛直軸X4G3を中心に、移動規制状態から移動許容状態に切り替える場合とは逆方向に回動することにより、上方側リンクX4G1の先端部X4G1aに設けた上方側転動体X4Cが上方側レール溝X21の開口側起立壁X21aから離間する方向に向かって移動するとともに、下方側リンクX4G2の先端部X4G2aに設けた下方側転動体X4Dが下方側レール溝X22の奥方側起立壁X22bから離間する方向に向かって移動する。その結果、移動規制状態となり、支持体X4が、支持体X4自体の自重及び天板X5の自重により沈み込む方向に移動し、ベースX2に対する支持体X4の角度変更に応じて、天板X5が前記ヒンジ機構XHのヒンジ軸XH1回りに回動し、支持体X4の優先支持部X412に支持された状態となる。
【0129】
本変形例では、操作部X424のうち、回転軸X424aの近傍領域に第1摩擦体X4M1を設けるとともに、フレーム体X411のうち、操作部X424をロック位置(L)に位置付けた場合に前記第1摩擦体X4M1と高さ方向に対面し得る部位に第2摩擦体X4M2を設け、これら摩擦体X4M1、X4M2同士を相互に圧接させることにより、ロック位置(L)に位置付けた操作部X424を少なくとも高さ方向にがたつきのない状態で姿勢保持できるようにしている(図14及び図15参照)。本変形例では、第1摩擦体X4M1を前記操作レバーベースX4242の前端部近傍にネジ等を介して固定し、第2摩擦体X4M2を前記フレーム体X411の補強フレームX411dの幅方向中央部から後方に突出させた後方突出フレームX411fにネジ等を介して固定している。各摩擦体X4M1、X4M2は、例えば合成樹脂素材からなる成形品であり、相互に圧接させた状態で弾性変形し得るものである。本変形例では、第1摩擦体X4M1の上向面に所定ピッチでスリットを形成し、弾性変形し易くしている。なお、第1摩擦体X4M1の上向面を、操作レバーベースX4242の上縁よりも上方に位置付け、第2摩擦体X4M2の下向面を、後方突出フレームX411fの下縁よりも下方に位置付け、これら第1摩擦体X4M1と第2摩擦体X4M2とが他の部位に優先して相互に当たるようにしている。
【0130】
また、引込体X4J1が前記咥込解除位置(S)に位置付けられている状態では、天板X5を支持体X4に対して水平旋回移動させることが可能であり、支持体X4に対する天板X5の旋回角度を決定した場合には、操作部X424を第1の非ロック位置(U)又は第2の非ロック位置(V)からロック位置(L)へ移動させた後、操作レバー本体X4241を前記傾斜位置(Q)から前記フラット位置(P)に戻す操作力を付与することによって、引込体X4J1が咥込解除位置(S)から旋回ストッパレールX5122を下方に引き込んだ状態で咥え込む前記咥込可能位置(R)に移動し、天板X5の水平旋回が規制される。最後に、操作レバー本体X4241を前記フラット位置(P)に位置付けた状態で前記ピン部材X4244を前方に押し、ピン部材X4244の爪部X4244aを操作レバー本体X4241の後端部に嵌合させることにより、操作レバー本体X4241をフラット位置(P)に固定する。
【0131】
このように本変形例に係る支持体X4は、操作部X424を水平旋回させる操作を行うことにより、ベースX2に対する支持体X4のスライド移動を規制した状態と解除した状態との間で切替可能であり、操作部X424を水平軸回りに回転させる操作を行うことにより、支持体X4に対する天板X5の水平旋回を規制した状態と解除した状態との間で切替可能である。つまり、単一の操作部X424に対して異なる2つの操作を行うことによって、切替機構X4Eの移動規制状態と移動許容状態との間の切替、及び咥込機構X4Jの旋回規制状態と旋回許容状態との間の切替を行うことができる。
【0132】
なお、本変形例では、後方突出フレームX411fに、天板X5の下面に優先して当接する優先支持部X412を設け、当該優先支持部X412が他の優先支持部X412と協働して、支持体X4に対する天板X5の旋回角度が何れの角度であっても天板X5を複数点支持し得るようにしている。後方突出フレームX411fに設けた優先支持部X412は、他の優先支持部X412と比較して引込体X4J1からの距離が短く、引込体X4J1を前記咥込解除位置(S)から前記咥込可能位置(R)へ移動させた場合、引込体X4J1による旋回ストッパレールX5122を下方に引き込む動作に伴って、天板X5のうち引込体X4J1の配置箇所に対応する部位近傍をこの優先支持部X412に確実に当接させて支持させることができる。なお、各優先支持部X412は、アジャスタ機能を備え、天板X5のレベル調整を行うことが可能である。
【0133】
しかして、本変形例に係る支持体X4は、前記移動規制状態から前記移動許容状態に切り替える際に反ベースX2側が沈み込む沈込動作を制動する沈込動作制動手段X4Nを備えたものである点に特徴がある。
【0134】
沈込動作制動手段X4Nは、移動許容状態から移動規制状態へ切り替える操作力に対して抵抗を付与する切替操作抵抗付与要素を備えたものである。本変形例では、操作部X424を前記第1の非ロック位置(U)から前記ロック位置(L)に旋回移動させる操作力に対して抵抗を付与する第1の切替操作抵抗付与要素X4N1と、操作部X424を前記第2の非ロック位置(V)から前記ロック位置(L)に旋回移動させる操作力に対して抵抗を付与する第2の切替操作抵抗付与要素X4N2とを備えている。本変形例では、操作部X424の回転中心を通り且つスライド移動方向に対して略直交する前記第2仮想直線XL2を境にした領域のうち、前記第2押圧体本体X4231Bを配した側の領域に第1の切替操作抵抗付与要素X4N1を配し、前記第1押圧体本体X4231Aを配した側の領域に第2の切替操作抵抗付与要素X4N2を配している。
【0135】
第1の切替操作抵抗付与要素X4N1は、リンク押圧体X4231が前記非押圧位置(W)と前記第1の押圧位置(Y)との間で水平旋回した場合にのみ前記第2押圧体本体X4231Bを挟持した状態で水平旋回する第1ダンパレバーX4N11と、リンク押圧体X4231の第1の押圧位置(Y)から非押圧位置(W)への水平旋回に連動する第1ダンパレバーX4N11の水平旋回に対してのみ抵抗を付与する第1ダンパX4N12とを備えたものである。
【0136】
第1ダンパレバーX4N11は、一端部に第2押圧体本体X4231Bを挟持し得る二股状の第1挟持部X4N11aを設け、他端部に第1ダンパX4N12のダンパ軸X4N12bが嵌合可能なダンパ軸嵌合孔を形成したものである。
【0137】
第1ダンパX4N12は、略円柱状のダンパ本体X4N12aと、ダンパ本体X4N12aの上向面よりも上方に突出するダンパ軸X4N12bとを備えている。そして、ダンパ軸X4N12bを第1ダンパレバーX4N11のダンパ軸嵌合孔に嵌合させることにより、第1ダンパレバーX4N11及びダンパ軸X4N12bが同期して回動する。
【0138】
一方、第2の切替操作抵抗付与要素X4N2は、リンク押圧体X4231が前記非押圧位置(W)と前記第2の押圧位置(Z)との間で水平旋回した場合にのみ前記第1押圧体本体X4231Aを挟持した状態で水平旋回する第2ダンパレバーX4N21と、リンク押圧体X4231の第2の押圧位置(Z)から非押圧位置(W)への水平旋回に連動する第2ダンパレバーX4N21の水平旋回に対してのみ抵抗を付与する第2ダンパX4N22とを備えたものである。
【0139】
第2ダンパレバーX4N21は、一端部に第1押圧体本体X4231Aを挟持し得る二股状の第2挟持部X4N21aを設け、他端部に第2ダンパX4N22のダンパ軸X4N22bが嵌合可能なダンパ軸嵌合孔を形成したものである。なお、図15では、各ダンパレバーX4N11、X4N21を省略している。
【0140】
第2ダンパX4N22は、略円柱状のダンパ本体X4N22aと、ダンパ本体X4N22aの上向面よりも上方に突出するダンパ軸X4N22bとを備えている。そして、ダンパ軸X4N22bを第2ダンパレバーX4N21のダンパ軸嵌合孔に嵌合させることにより、第2ダンパレバーX4N21及びダンパ軸X4N22bが同期して回動する。
【0141】
第1ダンパX4N12及び第2ダンパX4N22は、それぞれダンパ保持部X4N3に保持されている。ダンパ保持部X4N3は、前記操作レバーベース保持体X4213の起立片X4213aの下縁部から後方に向かって延びるダンパ保持用下片(図示省略)と、このダンパ保持用下片X4N31と対向するダンパ保持用上片X4N31とを備えたものである。ダンパ保持用下片X4N31に各ダンパX4N12、ダンパX4N22を抜落不能に載置し、ダンパ保持用上片X4N31に形成したダンパ軸用孔から各ダンパ軸X4N12b、X4N22bの上端部を突出させている。本変形例では、各ダンパレバーX4N11、X4N21をダンパ保持用上片X4N31の下方側に位置付け、各ダンパ軸X4N12b、X4N22bから抜け外れないようにしている。また、各ダンパ軸X4N12b、X4N22bと操作部X424の回転軸X424Aとを結ぶ仮想直線が、スライド移動方向と略平行をなすように設定している。
【0142】
次に、このような構成をなす沈込動作制動手段X4Nの作用について説明する。
【0143】
操作部X424を前記ロック位置(L)に位置付けている場合、第1ダンパレバーX4N11が第1挟持部X4N11aに第2押圧体本体X4231Bを挟持し、第2ダンパレバーX4N21が第2挟持部X4N21aに第1押圧体本体X4231Aを挟持している状態となる。そして、操作部X424をロック位置(L)から前記第1の非ロック位置(U)に回動させた場合、リンク押圧体X4231が非押圧位置(W)から第1の押圧位置(Y)へ移動する。この際、第1ダンパレバーX4N11が第1挟持部X4N11aに第2押圧体本体X4231Bを挟持したまま正方向に回動し、第1押圧体本体X4231Aが第2ダンパレバーX4N21から離間し、各リンクX4G1、X4G2の基端部X4G1b、X4G2b近傍領域を押圧する(図19参照)。この操作により、支持体X4は、移動規制状態から移動許容状態に切り替わり、反ベースX2側が跳ね上がった角度姿勢をとる。
【0144】
一方、操作部X424を前記第1の非ロック位置(U)から前記ロック位置(L)に回動させた場合、リンク押圧体X4231が第1の押圧位置(Y)から非押圧位置(W)へ移動する。この際、第1ダンパレバーX4N11が第1挟持部X4N11aに第2押圧体本体X4231Bを挟持したまま逆方向に回動するが、第1ダンパX4N12によって第1ダンパレバーX4N11の逆方向への回動に対して抵抗が付与される。したがって、操作部X424を第1の非ロック位置(U)からロック位置(L)に回動させる操作に対して抵抗が付与され、操作部X424をロック位置(L)から第1の非ロック位置(U)に回動させる場合よりも大きな操作力が必要となる。その結果、操作部X424が第1の非ロック位置(U)からロック位置(L)へゆっくり移動することになり、移動許容状態から移動規制状態への移行速度が抑制され、支持体X4の沈込動作が制動される。なお、リンク押圧体X4231を第1の押圧位置(Y)から非押圧位置(W)へ移動することにより、第1押圧体本体X4231Aが第2ダンパレバーX4N21の第2挟持部X4N21aに挟持される。
【0145】
また、操作部X424をロック位置(L)から前記第2の非ロック位置(V)に回動させた場合、リンク押圧体X4231が非押圧位置(W)から第2の押圧位置(Z)へ移動する。この際、第2ダンパレバーX4N21が第2挟持部X4N21aに第1押圧体本体X4231Aを挟持したまま正方向に回動し、第2押圧体本体X4231Bが第1ダンパレバーX4N11から離間し、各リンクX4G1、X4G2の基端部X4G1b、X4G2b近傍領域を押圧する(図21参照)。この操作により、支持体X4は、移動規制状態から移動許容状態に切り替わり、反ベースX2側が跳ね上がった角度姿勢をとる。
【0146】
一方、操作部X424を前記第2の非ロック位置(V)から前記ロック位置(L)に回動させた場合、リンク押圧体X4231が第2の押圧位置(Z)から非押圧位置(W)へ移動する。この際、第2ダンパレバーX4N21が第2挟持部X4N21aに第1押圧体本体X4231Aを挟持したまま逆方向に回動するが、第2ダンパX4N22によって第2ダンパレバーX4N21の逆方向への回動に対して抵抗が付与される。したがって、操作部X424を第2の非ロック位置(V)からロック位置(L)に回動させる操作に対して抵抗が付与され、操作部X424をロック位置(L)から第2の非ロック位置(V)に回動させる場合よりも大きな操作力が必要となる。その結果、操作部X424が第2の非ロック位置(V)からロック位置(L)へゆっくり移動することになり、移動許容状態から移動規制状態への移行速度が抑制され、支持体X4の沈込動作が制動される。そして、リンク押圧体X4231を第2の押圧位置(Z)から非押圧位置(W)へ移動することにより、第2押圧体本体X4231Bが第1ダンパレバーX4N11の第1挟持部X4N11aに挟持される。
【0147】
なお、操作部X424をロック位置(L)から第1の非ロック位置(U)へ回動させた場合に、第1押圧体本体X4231Aが第2ダンパレバーX4N21から離間するため、第2ダンパX4N22のダンパ作用が発揮し得ず、操作部X424のロック位置(L)から第1の非ロック位置(U)への回動操作をスムーズに行うことが可能である。同様に、操作部X424をロック位置(L)から第2の非ロック位置(V)へ回動させた場合に、第2押圧体本体X4231Bが第1ダンパレバーX4N11から離間するため、第1ダンパX4N12のダンパ作用が発揮し得ず、操作部X424のロック位置(L)から第2の非ロック位置(V)への回動操作をスムーズに行うことが可能である。
【0148】
このように、本変形例に係る支持体X4は、前記移動許容状態から前記移動規制状態に切り替える場合に、反ベースX2側が沈み込む沈込動作を制動する沈込動作制動手段X4Nを備えたものであるため、支持体X4自体の急激な沈込動作を抑制することができ、操作性及び実用性に優れたものとなる。
【0149】
また、操作部X424が、自由端側に使用者が把持可能なハンドル部X4241aを有する長尺なものであり、且つ前記ロック位置(L)に位置付けた場合に長手方向がスライド移動方向に対して略直交するとともに、当該ロック位置(L)から正方向に水平旋回させた場合に第1の前記非ロック位置(L)に位置付けられ、前記ロック位置(L)から逆方向に水平旋回させた場合に第2の前記非ロック位置(L)に位置付けられるものであり、リンク押圧体X4231が、操作部X424の回動に伴って操作部X424の回動方向と同一方向に回動し、且つ操作部X424をロック位置(L)から第1の非ロック位置(U)へ水平旋回させた場合に第1の押圧位置(Y)に位置付けられるとともに、操作部X424をロック位置(L)から第2の非ロック位置(V)へ水平旋回させた場合に第2の押圧位置(Z)に位置付けられるものであり、沈込動作制動手段X4Nが、リンク押圧体X4231の第1の押圧位置(Y)から非押圧位置(W)への回動に対してのみ抵抗を付与する第1の切替操作抵抗付与要素X4N1と、リンク押圧体X4231の第2の押圧位置(Z)から非押圧位置(W)への回動に対してのみ抵抗を付与する第2の切替操作抵抗付与要素とX4N2を備えたものであるため、ロック位置(L)に位置付けられた操作部X424を正逆何れの方向に水平旋回させた場合にも、支持体X4を移動規制状態から移動許容状態へ切り替えることができる。つまり、操作部X424に対して使用者が正逆問わず常に引く操作力を付与することにより移動規制状態から移動許容状態へ切り替えることが可能であり、移動規制状態から移動許容状態へ切り替える操作方法が天板X5に対する使用者の立ち位置に関係なく同じであるため、実用性に優れたものとなる。さらに、移動規制状態から移動許容状態へ切り替える場合に押す操作力が必要な態様と比較して、安定した操作力を付与し続けることができ、切替操作を的確に行うことができる。
【0150】
また、本変形例では、各挟持部X4N11a、X4N21aの開口縁部における開口寸法を奥方の開口寸法よりも大きく設定しているため、リンク押圧体X4231の移動に伴って生じる第1押圧体本体X4231Aを第2挟持部X4N21aから離間させる動作、又は第2押圧体本体X4231Bを第1挟持部X4N11aから離間させる動作、及び第1押圧体本体X4231Aを第2挟持部X4N21aに再度挟持させる動作、又は第2押圧体本体X4231Bを第1挟持部X4N11aに再度挟持させる動作をスムーズ且つ的確に行うことができる。
【0151】
さらに、リンク押圧体X4231が、リンクX4G1、X4G2の基端部X4G1b、X4G2b近傍領域における異なる部位を押圧し得る第1押圧体本体X4231A、第2押圧体本体X4231Bを設け、操作部X424と共に旋回可能なものであり、操作部X424をロック位置(L)から第1の非ロック位置(U)へ水平旋回させた場合に、第1押圧体本体X4231A又がリンクX4G1、X4G2の基端部X4G1b、X4G2b近傍領域を押圧する第1の押圧位置(Y)に位置付けられ、操作部X424をロック位置(L)から第2の非ロック位置(V)へ水平旋回させた場合に、第2押圧体本体X4231BがリンクX4G1、X4G2の基端部X4G1b、X4G2b近傍領域を押圧する第2の押圧位置(Z)に位置付けられるようにしているため、ロック位置(L)に位置する操作部X424に対して正逆方向を問わず操作部X424を水平旋回させることによりリンク押圧体X4231を非押圧位置(W)から第1の押圧位置(Y)又は第2の押圧位置(Z)へ移動させることができ、操作の簡便化を図ることが可能である。また、リンク押圧体X4231の移動に連動してリンクX4G1、X4G2を水平旋回させて切替機構X4Eを移動規制状態と移動許容状態との間で切替可能にしているため、操作部X424に対して付与される操作力をリンク押圧体X4231を介してリンクX4G1、X4G2に確実に伝達することができ、切替機構X4Eの切替操作を的確に行うことができる。
【0152】
第1押圧体本体X4231A及び第2押圧体本体X4231Bが各リンクX4G1、X4G2の基端部X4G1b、X4G2b近傍領域に添接しながら回動可能な軸状のものであるため、軽い操作力で切替機構X4Eの切替操作を行うことができる。
【0153】
殊に、第1押圧体本体X4231A及び第2押圧体本体X4231Bが、それぞれ単独で、上方側リンクX4G1及び下方側リンクX4G2を同時又は略同時に押圧し得るものであるため、上方側リンクX4G1を押圧するための押圧体本体と、下方側リンク4Gを押圧するための押圧体本体とをそれぞれ個別に用意する態様と比較して、部品点数の削減、構造の簡素化を図ることができる。
【0154】
なお、本発明の「沈込動作制動手段」は、以上に詳述した一変形例に示すものに限られるものではない。
【0155】
例えば、操作部をロック位置と非ロック位置との2位置間で移動することによって移動規制状態と移動許容状態との間で切替可能なものである場合、沈込動作制動手段が、操作部の非ロック位置からロック位置への移動に対して抵抗を付与する単一の切替操作抵抗付与要素を備えたものであっても構わない。
【0156】
また、切替操作抵抗付与要素として、ダンパに代えて、又は併用して操作部をロック位置から非ロック位置に向かって付勢する付勢部材を適用し、付勢部材の付勢力によって操作部の非ロック位置からロック位置への移動に対して抵抗を付与するようにしてもよい。
【0157】
また、切替操作抵抗付与要素は、少なくとも移動許容状態から移動規制状態に切り替える所定の操作に対して抵抗を付与するものであればよく、移動許容状態から移動規制状態に切り替える所定の操作に対しても同様に抵抗を付与するものであってもよい。
【0158】
また、切替操作抵抗付与要素が、移動許容状態から移動規制状態に切り替える操作に連動して作動する部材(例えば各当接体や転動体、又はこれら当接体、転動体を先端部に直接又は間接的に設けたリンク)の動作に対して抵抗を付与するものであっても構わない。
【0159】
さらには、沈込動作制動手段が、操作部の移動に対して抵抗を付与せず、支持体の沈込動作自体を直接制動するものであっても構わない。その一例としては、ガススプリングを用いて支持体の沈込動作自体を直接制動する態様等が挙げられる。
【0160】
また、操作部が水平旋回可能なものではなく、水平軸周りに回動可能なもの、又は巾方向や高さ方向に進退動可能なもの、或いはシーソー動作(天秤動作)するものであっても構わない。同様に、引込体、リンク押圧体、及びリンクが、水平旋回可能なものではなく、水平軸周りに回動可能なもの、又は巾方向や高さ方向に進退動可能なもの、或いはシーソー動作(天秤動作)するものであっても構わない。
【0161】
また、沈込動作制動手段以外の部材や手段等についても、以上に詳述した実施形態及び変形例に限られるものではない。
【0162】
例えば、前記実施形態では、スライダ本体に相対移動可能な転動体のみをスライダ本体に対して相対移動不能な当接体に対して相対移動させることによって移動許容状態と移動規制状態との間で切替可能な態様であったが、転動体と当接体との関係が逆の態様、すなわち、スライダ本体に対して相対移動可能な当接体のみをスライダ本体に対して相対移動不能な転動体に対して相対移動させることによって移動許容状態と移動規制状態との間で切替可能な態様を採用してもよい。この場合、同期機構は、上方側当接体の移動と下方側当接体の移動とを同期させるものとなる。また、上方側リンクの先端部に上方側当接体を直接又は間接的に設け、下方側リンクの先端部に下方側当接体を直接又は間接的に設け、操作部に付与された操作力に基づいて上方側リンク及び下方側リンクを鉛直軸を中心にそれぞれ水平旋回させることにより当接体同士の移動を同期させるものとすれば、前記実施形態に示す同期機構と略同様の効果を奏する。
【0163】
さらに、当接体、転動体の何れもがスライダ本体に対して相対移動可能なものであり、何れか一方を選択的に移動させることにより移動規制状態から移動許容状態に切替可能であり、他方を選択的に移動させることにより移動許容状態から移動規制状態に切替可能である態様を採用しても構わない。
【0164】
また、スライド装置が、切替ユニットをスライド移動方向に沿って3以上設けたもの、或いは単一の切替ユニットを設けたものであっても構わない。
【0165】
また、一のレール溝の内壁に対して単一の転動体が添接可能な態様、又は一のレール溝の内壁に対して3以上の転動体が添接可能な態様を採用してもよい。
【0166】
また、当接体又は可動体が当接又は添接する対象が、レール溝の内壁のうち、天井壁又は底壁、或いは鉛直ではない起立壁(傾斜壁)であってもよい。
【0167】
さらには、ガイド部として、レール溝に替えて突状のものを適用しても構わない。
【0168】
ベースがガイド部を1本又は3本以上形成したものであってもよい。さらには、ベースとして、曲線状(円曲線状、楕円曲線状)に延伸するもの、又は蛇行しながら延伸するものを適用してもよい。
【0169】
また、天板の複数箇所(例えば両端部)を、同一のベースに支持された複数(例えば2個)の支持体にそれぞれ支持させた態様や、天板の一部(例えば一端部)を一のベースに支持された支持体に支持させるとともに、天板の他の部位(例えば他端部)を他のベースに支持された支持体に支持させた態様を採用しても構わない。
【0170】
同期機構又は連動機構として、前記実施形態に示すリンク体の回転動作を利用した態様の他、進退部材の進退動作や突没子の突没動作を利用した態様を採用しても構わない。
【0171】
また、相対角度調整機構として、前記実施形態では下方側当接体をレール溝内において進退移動させることによりベースに対する相対角度を調整可能なものを例示したが、これに限らず、例えば上方側当接体をレール溝内において進退移動させることによりベースに対する相対角度を調整可能なものとしてもよい。
【0172】
また、上方側当接体としてブロック状のものを適用し、下方側当接体と立壁状のものを適用する等、当接体の形状や構造或いは個数は適宜変更しても構わない。
【0173】
また、転動体として、ローラに替えて又は併用してボールベアリングを採用してもよい。
【0174】
一方、天板の一部が脚体によって支持される態様の場合、脚体として、下端部に移動体を設けていないものを適用してもよい。この場合、天板を移動させるには、脚体の下端が床面から浮上する位置まで天板を持ち上げた状態で移動させればよい。また、支持体が支持する支持対象物である天板が比較的小型のものであれば、支持体のみによって支持される片持ちタイプ(脚なしタイプ)のものとしても構わない。天板が水平旋回不能なものであってもよい。また天板として、平面視形状が、円形状の、楕円形、多角形状、L字状、T字状、矩形状(正方形状含む)、或いは一端部側が多角形状をなし他端部側が部分円弧状をなすもの等、種々の形状のものを適用してもよい。さらに、支持体対象物として、天板に替えて、間仕切りやディスプレイ等を採用しても構わない。
【0175】
また、本発明に係る支持体と、天板とを備えた天板付き家具としては、前記実施形態で示したデスクの他に、ダイニング等で使用可能なテーブルが挙げられる。
【0176】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の一実施形態に係る支持体を備えたデスクの全体概略図。
【図2】同実施形態に係る天板の分解透視図。
【図3】同実施形態に係る支持体の分解透視図。
【図4】同実施形態において切替機構が移動規制状態にあるデスクを一部破断して示す概略側面図。
【図5】同実施形態において切替機構が移動規制状態にあるデスクの要部拡大側面図。
【図6】同実施形態において切替機構が移動規制状態にある支持体の要部拡大平面図。
【図7】同実施形態において切替機構が移動規制状態にある支持体の要部拡大底面図。
【図8】図4における破断領域の拡大図。
【図9】同実施形態において切替機構が移動許容状態にあるデスクを一部破断して示す概略側面図。
【図10】同実施形態において切替機構が移動許容状態にあるデスクの要部拡大側面図。
【図11】同実施形態において切替機構が移動許容状態にある支持体の要部拡大平面図。
【図12】同実施形態において切替機構が移動許容状態にある支持体の要部拡大底面図。
【図13】移動規制状態にある本発明の一変形例に係る支持体を一部省略して示す平面図。
【図14】図13の要部拡大図。
【図15】図13のa−a線断面の前半部を模式的に示す図。
【図16】図13のa−a線断面の後半部を模式的に示す図。
【図17】同変形例に係る操作レバー本体が傾斜位置にある状態を図16に対応して示す図。
【図18】移動許容状態にある同変形例に係る支持体(操作部が第1の非ロック位置にある状態)を一部省略して示す平面図。
【図19】図18の要部拡大図。
【図20】移動許容状態にある同変形例に係る支持体(操作部が第2の非ロック位置にある状態)を一部省略して示す平面図。
【図21】図20の要部拡大図。
【符号の説明】
【0178】
1…天板付き家具(デスク)
2、X2…ベース
21、22、X21、X22…ガイド部(上方側レール溝、下方側レール溝)
21a、X21a…開口側起立壁
22b、X22b…奥方側起立壁
4、X4…支持体
41、X41…支持体本体
42、X42…スライド装置
421、X421…スライダ本体
422、X422…切替ユニット
423、X423…連動機構
4231…リンク連動体
424、X424…操作部
4A、X4A…上方側当接体
4B、X4B…下方側当接体
4C、X4C…上方側転動体
4D、X4D…下方側転動体
4E、X4E…切替機構
4F…進退部材
4G、X4G…同期機構
4G1、XG1…上方側リンク
4G2、XG2…下方側リンク
4G3、XG3…鉛直軸
4G4、XG4…補強リンク
5、X5…支持対象物(天板)
X4231…リンク押圧体
X4231A…第1押圧体本体
X4231B…第2押圧体本体
X4N…沈込動作制動手段
X4N1…第1の切替操作抵抗付与要素
X4N11…第1ダンパレバー
X4N12…第1ダンパ
X4N2…第2の切替操作抵抗付与要
X4N21…第2ダンパレバー
X4N22…第2ダンパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に延伸するベースに支持され且つ天板等の支持対象物を支持する支持体であって、
前記支持対象物を支持する支持体本体と、前記ベースの延伸方向に沿って連続して設けたガイド部に沿ってスライド移動可能なスライド装置とを備えてなり、
前記スライド装置が、
前記ガイド部の一部に当接し得る当接体と、
前記ガイド部の一部に添接し得る転動体と、
前記転動体に優先して前記当接体を前記ガイド部の一部に当接させた移動規制状態と、前記当接体と前記ガイド部の一部との当接状態を解除して前記転動体を前記ガイド部に添接させた移動許容状態との間で切替可能な切替機構とを備えていることを特徴とする支持体。
【請求項2】
前記ガイド部が、前記ベースに形成された略水平方向に連続して開口するレール溝であり、
前記当接体が、前記レール溝の内壁に当接し得るものであり、
前記転動体が、前記レール溝の内壁に当接し得るものである請求項1記載の支持体。
【請求項3】
前記レール溝が前記ベースの高さ方向に離間した位置に対をなして設けられ、各レール溝内に、開口部側に設けた開口側起立壁と、開口部よりも奥方に設けられ前記開口側起立壁と対向する奥方側起立壁とをそれぞれ備えたものであって、
前記スライド装置が、上方側のレール溝の前記開口側起立壁に当接又は添接する上方側当接体及び上方側転動体と、下方側のレール溝の前記奥方側起立壁に当接又は添接する下方側当接体及び下方側転動体とを備えたものである請求項2記載の支持体。
【請求項4】
前記スライド装置が、前記上方側当接体の移動と前記下方側当接体の移動、又は前記上方側転動体の移動と前記下方側転動体の移動を同期させる同期機構を備えたものである請求項3記載の支持体。
【請求項5】
前記同期機構が、前記上方側当接体又は前記上方側転動体の何れか一方を先端部に直接又は間接的に設けた上方側リンクと、前記下方側当接体又は前記下方側転動体の何れか一方を先端部に直接又は間接的に設けた下方側リンクと、これら上方側リンク及び下方側リンクの共通の回転軸である鉛直軸とを具備してなり、操作部に付与された操作力に基づいて前記上方側リンク及び下方側リンクを前記鉛直軸を中心にそれぞれ水平旋回させることにより当接体同士の移動又は転動体同士の移動を同期させるものである請求項4記載の支持体。
【請求項6】
前記鉛直軸の中心を通り且つスライド移動方向に対して略直交する仮想直線を境にして、一方の領域に前記上方側リンクの先端部を位置付けるとともに、他方の領域に前記下方側リンクの先端部を位置付けている請求項5記載の支持体。
【請求項7】
前記上方側リンクと前記下方側リンクとの間にリンク補強体を介在させている請求項5又は6記載の支持体。
【請求項8】
前記当接体が剛性の高い素材から形成されたものである請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の支持体。
【請求項9】
前記スライド装置が、少なくとも前記当接体、前記転動体、及び前記切替機構をユニット化してなる切替ユニットをスライド移動方向に沿って複数設けたものである請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の支持体。
【請求項10】
前記スライド装置が、単一の操作部に対して付与される操作力に基づいて前記各切替機構同士の切替動作を連動させる連動機構を備えている請求項9記載の支持体。
【請求項11】
各切替ユニットが、前記当接体又は前記転動体の何れか一方を先端部に直接又は間接的に設けたリンクを備えたものであり、前記連動機構が、各切替ユニットのリンクの基端部をそれぞれ接続した共通のリンク連動体を備えてなり、前記操作力に基づいて前記リンク連動体を作動させることにより各切替ユニットのリンクを介してこれら各リンクの先端部に設けた当接体同士又は転動体同士の何れか一方を連動して移動させるものである請求項10記載の支持体。
【請求項12】
前記一のレール溝の内壁に対して複数の転動体が添接可能である請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の支持体。
【請求項13】
前記スライド装置が、前記レール溝内において前記当接体を進退移動させることにより前記ベースに対する相対角度を調整可能な相対角度調整機構を備えたものである請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の支持体。
【請求項14】
前記スライド装置が、前記支持体本体に連結したスライダ本体を備えたものであり、
前記相対角度調整機構が、前記スライダ本体に対して進退動作可能であり且つ先端部に前記当接体を設けた進退部材を具備してなり、当該進退部材を進退動作させることにより前記ベースに対する相対角度を調整するものである請求項13記載の支持体。
【請求項15】
前記進退部材がネジ送り作用により進退動作可能なボルトである請求項14記載の支持体。
【請求項16】
前記スライド装置が、前記支持体本体に連結したスライダ本体を備え、前記スライダ本体に対して相対移動可能な前記転動体のみを、前記スライダ本体に対して相対移動不能な前記当接体に対して相対移動させることによって前記移動許容状態と前記移動規制状態との間で切替可能なものである請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15記載の支持体。
【請求項17】
前記支持対象物が天板である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16記載の支持体。
【請求項18】
前記移動規制状態から前記移動許容状態に切り替えた場合に、前記ベースに対する相対角度が変位して反ベース側が跳ね上がった角度姿勢をとるものであり、
前記移動規制状態から前記移動許容状態に切り替える場合に、反ベース側が沈み込む沈込動作を制動する沈込動作制動手段を備えている請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16又は17記載の支持体。
【請求項19】
操作部に対して付与された所定の操作力に基づいて前記移動規制状態と前記移動許容状態との間で切替可能なものであり、
前記沈込動作制動手段が、前記移動許容状態から前記移動規制状態に切り替える所定の操作に対して抵抗を付与する切替操作抵抗付与要素を備えたものである請求項18記載の支持体。
【請求項20】
前記切替操作抵抗付与手段が、前記移動許容状態から前記移動規制状態に切り替える所定の操作に対してのみ抵抗を付与するものである請求項19記載の支持体。
【請求項21】
前記操作部が、前記移動規制状態にした場合に位置付けられる前記ロック位置と、前記移動許容状態にした場合に位置付けられる非ロック位置との間で移動可能なものであり、
前記操作部を前記ロック位置に位置付けた場合に、前記当接体又は前記転動体の何れか一方を先端部に直接又は間接的に設けたリンクの基端部近傍領域を押圧しない非押圧位置に位置付けられるとともに、前記操作部を前記非ロック位置に位置付けた場合に、前記リンクの基端部近傍領域を押圧し得る押圧位置に位置付けられるリンク押圧体を備え、
当該リンク押圧体の前記非押圧位置と前記押圧位置との間の移動に伴って前記リンクが移動することによって、前記移動規制状態と前記移動許容状態との間で切り替わるように構成し、
前記切替操作抵抗付与要素が、前記リンク押圧体の前記押圧位置から前記非押圧位置への移動に対してのみ抵抗を付与することによって、前記移動許容状態から前記移動規制状態に切り替える所定の操作力に対してのみ抵抗を付与するものである請求項20記載の支持体。
【請求項22】
前記操作部が、反回動基端側に使用者が把持可能なハンドル部を有する長尺なものであり、且つ前記ロック位置に位置付けた場合に長手方向がスライド移動方向に対して略直交するとともに、当該ロック位置から正方向に水平旋回させた場合に第1の前記非ロック位置に位置付けられ、前記ロック位置から逆方向に水平旋回させた場合に第2の前記非ロック位置に位置付けられるものであり、
前記リンク押圧体が、前記操作部の回動に伴って当該操作部の回動方向と同一方向に回動し、且つ前記操作部を前記ロック位置から前記第1の非ロック位置へ水平旋回させた場合に第1の前記押圧位置に位置付けられるとともに、前記操作部を前記ロック位置から前記第2の非ロック位置へ水平旋回させた場合に第2の前記押圧位置に位置付けられるものであり、
前記沈込動作制動手段が、
前記リンク押圧体の前記第1の押圧位置から前記非押圧位置への回動に対してのみ抵抗を付与する第1の前記切替操作抵抗付与要素と、
前記リンク押圧体の前記第2の押圧位置から前記非押圧位置への回動に対してのみ抵抗を付与する第2の前記切替操作抵抗付与要素とを備えたものである請求項21記載の支持体。
【請求項23】
前記リンク押圧体が、前記操作部の回転中心を通り且つ前記スライド装置のスライド移動方向に対して略直交する第2仮想直線を境にした一方の領域に、前記第1の押圧位置に位置付けた場合に前記リンクの基端部近傍領域を直接押圧し得る第1押圧体本体を設け、他方の領域に、前記第2の押圧位置に位置付けた場合に前記リンクの基端部近傍領域を直接押圧し得る第2押圧体本体を設けたものであり、
前記第1の切替操作抵抗付与要素が、前記リンク押圧体を前記非押圧位置と前記第1の押圧位置との間で回動させた場合にのみ前記第2押圧体本体を挟持した状態で水平旋回する第1ダンパレバーと、前記リンク押圧体の前記第1の押圧位置から前記非押圧位置への回動に伴う前記第1ダンパレバーの水平旋回に対してのみ抵抗を付与する第1ダンパとを備えたものであり、
前記第2の切替操作抵抗付与要素が、前記リンク押圧体を前記非押圧位置と前記第1の押圧位置との間で回動させた場合にのみ前記第2押圧体本体を挟持した状態で水平旋回する第2ダンパレバーと、前記リンク押圧体の前記第1の押圧位置から前記非押圧位置への回動に伴う前記第2ダンパレバーの水平旋回に対してのみ抵抗を付与する第2ダンパとを備えたものである請求項22記載の支持体。
【請求項24】
前記切替操作抵抗付与要素が、ダンパを用いたものである請求項19、20、21又は22記載の支持体。
【請求項25】
略水平方向に連続して開口するレール溝を有するベースと、当該ベースにスライド移動可能に支持される請求項1〜24何れか記載の支持体と、当該支持体に支持される天板とを具備していることを特徴とする天板付き家具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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