説明

支持体上の導電性層のパターン形成

導電性基板上にパターンを形成するための要素であって、
該要素が支持体を含み、該支持体上には、
a) 導電性ポリマー、ポリアニオン及び導電率増強剤を含有する導電性層と、
b) 熱移動性材料を含有する混合層と
が配置されており、
該混合層を像様加熱すると、該熱移動性材料が該導電性層と混合し、これにより、該導電性層の初期の表面抵抗率(SR)を、105Ω/□よりも低い初期値SRiからSRiΔ(Δは102以上である)に像様に増大させる要素。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的デバイス又は半導体デバイスにおける電子回路素子として好適な有機ポリマー導電性層をパターン形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイ、光電池又はエレクトロクロミックウィンドウのような電気的デバイス又は半導体デバイスは典型的には、透明電極としてインジウム錫酸化物(ITO)層を備えた基板を含有する。ITOの塗被は、真空スパッタリング法によって行われる。この真空スパッタリング法は、最大250℃の高温条件を伴い、従ってガラス基板が一般に使用される。製作法のコストが高く、そして無機ITO層並びにガラス基板の脆弱性に起因してこのような電極の可撓性及び延伸性が低いことにより、潜在的な用途の範囲が限られる。結果として、有機材料だけから成るデバイスを形成することに対する関心が高まっている。このようなデバイスは、基板としてプラスチック樹脂を含み、そして電極として有機導電性ポリマー層を含む。このようなプラスチック電子装置は、新しい特性を有する低廉なコストのデバイスを可能にする(Physics World, 1999年3月、第25-39頁)。(スパッタリングのようなバッチ法と比較して)連続的なローラー塗布法によって、可撓性プラスチック基板に導電性ポリマー層を設けることができ、その結果得られる有機電極は、より高いフレキシビリティとより軽い重量とを特徴とする電子デバイスの製作を可能にする。
【0003】
導電性ポリマー、例えばポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン及びポリフェニレンスルフィドの製造及び使用が、当業者によく知られている。欧州特許出願公開第440 957号明細書には、ドーピング剤としてのポリアニオンの存在において酸化重合を行うことにより、水性混合物中のポリチオフェンを製造する方法が記載されている。欧州特許出願公開第686 662号明細書には、ポリチオフェン層の塗被溶液中に、ジ-又はポリヒドロキシ及び/又は炭酸、アミド又はラクタム基を含有する化合物を添加し、塗被された層を高温、好ましくは100〜250℃で、好ましくは1〜90秒間にわたって維持することにより、水性塗被溶液から塗被された、ポリチオフェンの高導電性層を形成できることが開示されている。
【0004】
周知の湿式エッチングマイクロリソグラフィ技術を用いて、有機導電性ポリマーの塗被済層を構造化して所定のパターンを形成することができる。国際公開第97/18944号パンフレットに記載された方法の場合、有機導電性ポリマーの塗被済層の上側に、ポジ型又なネガ型のフォトレジストが取り付けられ、そしてフォトレジストをUV線に選択的に当て、フォトレジストを現像し、導電性ポリマー層をエッチングし、そして最後に、現像されていないフォトレジストを剥ぎ取る工程後に、パターン形成された層が得られる。同様の技術が、有機材料だけから成る薄膜トランジスタの設計に関して、Synthetic Metals, 22(1987)第265〜271頁に記載されている。このような方法は、多くの工程を伴い、そして有害な化学物質の使用を必要とするので、厄介である。リサーチディスクロージャ(Research Disclosure), No.1473 (1998)には、有機導電性ポリマー層をパターン形成するのに適した方法として、フォトアブレーションが記載されている。フォトアブレーションの場合、選択された領域がレーザー照射によって基板から除去される。このようなフォトアブレーション法は、便利な乾式のワンステップ法であるが、しかし、破壊屑の発生が湿式の清浄化工程を必要とすることがあり、そしてレーザー構造化デバイスの光学系及び機械系を汚染するおそれがある。いくつかの従来の方法はまた、パターン形成された表面の導電性領域と非導電性領域との間に光学濃度の差を誘発し、このことは回避されるべきである。レーザーによって像様加熱することにより有機導電性ポリマー層をパターン形成する方法が、欧州特許出願公開第1 079 397号明細書に開示されている。この方法は、層をほとんどアブレート又は破壊することなしに、抵抗性を減少させる。しかし、これは、画像形成済領域と非画像形成領域との間の抵抗が、次数約3というささやかな変化に限られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、導電性有機ポリマー層をパターン形成するための便利な乾式のワンステップ法であって、湿式清浄化工程を必要とせず、ポリマー層の光学濃度にほとんど影響を与えず、導電性領域と抵抗性領域との間に極めて高いコントラストを有し、導電性層の除去を必要としない方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
支持体上で導電性層をパターン形成する方法を開示する。この支持体は、熱移動性材料を含有する混合層と、ポリチオフェン、ポリアニオン及びジ-又はポリヒドロキシ有機化合物を含有する導電性ポリマー層とを備えている。導電性層は、104Ω/□よりも低い値を有する初期の表面抵抗率(SRi)によって特徴付けられる。混合層の選択的な領域を加熱することにより、これらの領域の表面抵抗率がSRiΔに高められ(ここでΔは103以上)、好ましくは105以上、より好ましくは108以上である。こうして得られた導電性パターンは、電子デバイス又は半導体デバイス、例えばプリント回路基板、集積回路、ディスプレイ、エレクトロルミネッセントデバイス又は光電池を製造するための電子回路として使用することができる。
【0007】
本発明は、導電性基板上にパターンを形成するための要素であって、該要素が支持体を含み、該支持体上には、
a) 導電性ポリマー、ポリアニオン及び導電率増強剤を含有する導電性層と、
b) 熱移動性材料を含有する混合層と
が配置されており、該混合層を像様加熱すると、該熱移動性材料が該導電性層と混合し、これにより、該導電性層の初期の表面抵抗率(SR)を、105Ω/□よりも低い初期値SRiからSRiΔ(Δは102以上である)に像様に増大させる要素を提供する。
【0008】
また、熱移動性材料を含有する混合層と、ポリチオフェン、ポリアニオン及びジ-又はポリヒドロキシ有機化合物を含有する導電性ポリマー層とを有する支持体上で、導電性層をパターン形成する方法であって、該混合層を、選択された領域内で像様加熱して、該熱移動性材料を該導電性層と混合させ;
該導電性層の表面抵抗率(SR)が、該ポリマー層をほとんどアブレート又は破壊することなしに、前記選択された領域内で、105Ω/□よりも低い初期値SRiからSRiΔ(Δは102以上である)に減少又は増大させられ、支持体上で導電性層をパターン形成する方法も提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下の説明及び例から、本発明の更なる利点及び実施態様が明らかになるであろう。
【0010】
この文書で示される全ての表面抵抗率(SR)値は、ほぼ1インチ長のナイフエッジ電極を、電極間スペース0.25インチで使用して、2点プローブ法に従って、20℃及び50%の相対湿度で測定される。
【0011】
導電性ポリマー層をパターン形成するこの方法において、該支持体には、熱移動性材料を含有する混合層と、ポリチオフェン、ポリアニオン及びジ-又はポリヒドロキシ有機化合物を含有する導電性ポリマー層とが設けられており、該混合層を選択的に加熱して、該熱移動性材料を該導電性層と混合させ、該導電性層の表面抵抗率(SR)が、該ポリマー層をほとんどアブレート、除去又は破壊することなしに、前記選択された領域内で、105Ω/□よりも低い初期値SRiからSRiΔ(Δは102以上)に増大させられ、好ましくは105以上、より好ましくは108以上である。混合層は、熱移動性材料を含有するために高分子マトリックスを備えることができる。一つの態様では、混合層は、抵抗ヘッドアレイによって加熱される。より好ましい態様では、混合層はまた、光-熱変換材料、例えば色素、IR色素又は顔料を備え、そして層は集光レーザービームによって加熱される。この態様の場合、混合層は集光レーザービームによって加熱される。
【0012】
本発明において使用される熱移動性材料が懸濁される高分子マトリックスは、室温で熱移動性材料の拡散に抵抗する任意のポリマー材料となることができる。本発明において有用なマトリックス材料は、有機又は無機ポリマーを含む。本発明において使用することができるポリマーは下記のもの:ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(塩化ビニル−コ−塩化ビニリデン)、塩素化ポリプロピレン、ポリ(塩化ビニル−コ−酢酸ビニル)、ポリ(塩化ビニル−コ−酢酸ビニル−コ−無水マレイン酸)、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、ニトロセルロース、ポリ(アクリル酸)エステル、アマニ油改質型アルキド樹脂、ロジン改質型アルキド樹脂、フェノール改質型アルキド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリイソシアネート樹脂、ポリウレタン、ポリ(酢酸ビニル)、ポリアミド、クロマン樹脂、ガムダマール、ケトン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ビニルポリマー、例えばポリスチレン及びポリビニルトルエン、又はビニルポリマーとメタクリレート又はアクリレートとのコポリマー、低分子量ポリエチレン、フェノール改質型ペンタエリトリトールエステル、ポリ(スチレン−コ−インデン−コ−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−コ−インデン)、ポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル)、シロキサンとのコポリマー、ポリアルケン及びポリ(スチレン−コ−ブタジエン)、架橋ゼラチン、キサンタンガム(Kelco-Merck Co.からKeltrol(商標)として商業的に入手可能)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリエステルイオノマー、ポリグリコール、ポリアクリルアミド、ポリアルキリデン-エーテルグリコール、ポリアクリレートなどを含む。上記マトリックス材料は単独又は組み合わせで使用することができる。マトリックス層の凝集力を高めるために、架橋又は枝分かれしたポリマー、例えばポリ(スチレン−コ−インデン−コ−ジビニルベンゼン)、ポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル−コ−ジビニルベンゼン)、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン−コ−ジビニルベンゼン)などを使用することができる。
【0013】
本発明において有用な熱移動性材料は、顔料及び色素の両方を含む。本発明において使用することができる顔料は望ましくは、ポリマーマトリックス中に溶融可能又は拡散可能であり、そして下記のもの:有機顔料、例えば金属フタロシアニン、例えば銅フタロシアニン、キナクリドン、エピンドリジオン、Rubine F6B(C.I.No. Pigment 184);Cromophthal(商標) Yellow 3G(C.I.No. Pigment Yellow 93);Hostaperm(商標) Yellow 3G(C.I.No. Pigment Yellow 154);Monastral(商標) Violet R(C.I.No. Pigment Violet 19);2,9-ジメチルキナクリドン(C.I.No. Pigment Red 122);Indofast(商標) Brilliant Scarlet R6300(C.I.No. Pigment Red 123);Quindo Magenta RV 6803; Monstral(商標) Blue G(C.I.No. Pigment Blue 15);Monstral(商標) Blue BT 383D(C.I.No. Pigment Blue 15);Monstral(商標) Blue G BT 284D(C.I.No. Pigment Blue 15);Monstral(商標) Green GT 751D(C.I.No. Pigment Green 7)、又は米国特許第5,171,650号、同第5,672,458号、又は同第5,516,622号の各明細書(これらの開示内容を引用することにより本明細書中に組み入れる)に開示された材料のいずれかを含む。本発明において有用な色素は下記のもの:アントラキノン色素、例えばSumikaron Violet RS(商標)(Sumitomo Chemical Co., Ltd.の製品)、Dianix Fast Violet 3R-FS(商標)(Mitsubishi Chemical Industries, Ltd.の製品)、及びKayalon Polyol Brilliant Blue N-BGM(商標)、及びKST Black 146(商標)(Nippon Kayaku Co., Ltd.の製品);アゾ色素、例えばKayalon Polyol Brilliant Blue BM(商標)、Kayalon Polyol Dark Blue 2BM、及びKST Black KR(商標)(Nippon Kayaku Co., Ltd.の製品)、Sumikaron Diazo Black 5G(商標)(Sumitomo Chemical Co., Ltd.の製品)、及びMiktazol Black 5GH(商標)(Mitsui Toatsu Chemicals, Inc.の製品);直接色素、例えばDirect Dark Green B(商標)(Mitsubishi Chemical Industries, Ltd.の製品)、及びDirect Brown M(商標)及びDirect Fast Black D(商標)(Nippon Kayaku Co., Ltd.の製品);酸性色素、例えばKayanol Milling Cyanine 5R(商標) (Nippon Kayaku Co., Ltd.の製品);塩基性色素、例えばSumiacryl Blue 6G(商標)(Sumitomo Chemical Co., Ltd.の製品)、及びAizen Malachite Green(商標)(Hodogaya Chemical Co., Ltd.の製品);又は米国特許第4,541,830号;同第4,698,651号;同第4,695,287号;同第4,701,439号;同第4,757,046号;同第4,743,582号;同第4,769,360号及び同第4,753,922号の各明細書(これらの開示内容を引用することにより本明細書中に組み入れる)に開示された色素のいずれかを含む。上記色素は単独又は組み合わせで採用することができる。顔料及び/又は色素の組み合わせを用いることもできる。上記色素は熱拡散可能又は熱溶融可能である。熱移動性材料の混合物を使用することにより、物理特性のうちのいくつかを変化させる(例えば融点の低下)というような、付加的な利点を提供することもできる。
【0014】
最も好ましい態様では、高分子マトリックスは、無色の熱移動性材料、例えば低臨界温度ポリマーそれ自体である。このような無色の熱移動性材料の例は下記式:
【0015】
【化1】

【0016】
の反復単位を有し、
上記式中:
R1は、シアノ、イソシアネート、アジド、スルホニル、ニトロ、リン酸、ホスホニル、ヘテロアリール、又は
【0017】
【化2】

【0018】
を表し、ここで、
XはO、S、NR、又はN+(R)2であり;
R3は、R、OR、O-M+、OCOOR、SR、NHCOR、NHCON(R)2、N(R)2又はN+(R)3であり;
M+はアルカリ又はアンモニア部分であり;
Rは水素、ハロゲン、又はアルキル又はシクロアルキル基であり;そして
R2は水素、又はアルキルであるか又はR1と同じ記載のものであり;像様加熱すると、熱移動高分子材料は導電性層内に混合されるようになっている。
【0019】
本発明において有用な光パターン形成可能な導電性層は、導電性ポリマー、導電率増強剤、及び随意選択的に塗膜形成高分子バインダーを含有する水性又は溶剤系の塗被用組成物から調製することができる。これらの塗被用組成物は、基板又は混合層に薄層として塗布し、そして乾燥させることにより、光パターン形成可能な導電性層要素に変換することができる。導電率を改善するために、乾燥済の光パターン形成可能な導電性層を、140℃以上の温度で10秒〜約10分間にわたってアニールすることができる。
【0020】
本発明において使用するための好ましい導電性ポリマーは、ポリピロール/ポリ(スチレンスルホン酸)、3,4-ジアルコキシ置換型ポリピロールスチレンスルホネート、及び3,4-ジアルコキシ置換型ポリチオフェンスチレンスルホネートを含む。特に好ましい導電性ポリマーは、式(I):
【0021】
【化3】

【0022】
のポリチオフェン(上記式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素又はC1-4アルキル基を表し、或いは一緒になって、随意選択的に置換されたC1-C4アルキレン基又はシクロアルキレン基、好ましくはエチレン基、随意選択的にアルキル置換されたメチレン基、随意選択的にC1-C12アルキル-又はフェニル置換された1,2-エチレン基、1,3-プロピレン基、又は1,2-シクロヘキシレン基を表し、そしてnは5〜1000である)である。
【0023】
好適な導電性ポリマー粒子の安定的なコロイド分散体、例えばBayer CorporationによってBaytron Pとして供給されるチオフェン含有ポリマーの安定化された分散体を、商業的に入手することができる。
【0024】
本発明において使用される導電率増強改質剤は、ジヒドロキシ又はポリヒドロキシ及び/又はカルボキシル基、又はアミド基、又はラクタム基を含有する有機化合物を含む。ジヒドロキシ又はポリヒドロキシ及び/又はカルボキシル基、又はアミド基を含有する好適な有機化合物は、
(a)下記式II:
(OH)n−R−(COX)m (II)
(上記式中、m及びnは独立して1〜20の整数であり、Rは炭素原子数2〜20のアルキレン基、当該アリーレン鎖内炭素原子数6〜14のアリーレン基、ピラン基又はフラン基であり、そしてXは、-OH又は-NYZであり、Y及びZは独立して水素又はアルキル基である);又は
(b)糖、糖誘導体、ポリアルキレングリコール、又はグリセロール化合物;又は
(c)N-メチルピロリドン、ピロリドン、カプロラクタム、N-メチルカプロラクタム、又はN-オクチルピロリドンから成る群から選択されるもの
に相当する。
【0025】
ラクタムを含有する好適な有機化合物の例は、n-メチルピロリドン、ピロリドン、カプロラクタム、n-メチルカプロラクタム、n-オクチルピロリドンである。
【0026】
好ましい基Rは、フラン構造又はピラン構造から誘導される。特に好ましい有機化合物は:糖及び糖誘導体、例えばスクロース、グルコース、フルクトース、ラクトース;糖アルコール、例えばソルビトール、マンニトール;フラン誘導体、例えば2-フランカルボン酸、3-フランカルボン酸;アルコール、例えばエチレングリコール、グリセロール、ジ-又はトリエチレングリコールである。
【0027】
本発明による光パターン形成可能な導電性層において有用な高分子塗膜形成バインダーの一例としては、水溶性又は水分散性の親水性ポリマー、ゼラチン、ゼラチン誘導体、無水マレイン酸コポリマー、セルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートブチレート、ジアセチルセルロース、及びトリアセチルセルロース)、合成親水性ポリマー(例えばポリビニルアルコール、ポリ-N-ビニルピロリドン、アクリル酸コポリマー、ポリアクリルアミド、これらの誘導体及び部分加水分解生成物、ビニルポリマー及びコポリマー、例えばポリビニルアセテート及びポリアクリレート酸エステル)、上記ポリマーの誘導体、及び画像形成の当業者には容易に明らかな他の親水性合成樹脂が挙げられる。他の好適なバインダーは、エチレン系不飽和型モノマー、例えばアクリル酸を含むアクリレート、メタクリル酸を含むメタクリレート、アクリルアミド及びメタクリルアミド、イタコン酸及びその半エステル及びジエステル、置換型スチレンを含むスチレン、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル、ビニルアセテート、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデン、及びオレフィンから調製された付加型のホモポリマー及びインターポリマーの水性エマルジョン、及びポリウレタン又はポリエステルイオノマーの水性分散体を含む。
【0028】
本発明の方法によって光パターン形成可能な導電性層の分散体及びコーティングを調製するのに有用な溶剤の一例としては、水、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、及びイソプロパノール)、ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン)、エステル、例えばメチルアセテート及びエチルアセテート、グリコールエーテル、例えばメチルセルソルブ、エチルセルソルブ)、及びこれらの溶剤のうちのいずれかの混合物が挙げられる。好ましい溶剤は水、アルコール及びアセトンを含む。
【0029】
バインダー及び溶剤に加えて、当業者によく知られたその他の成分を、本発明において使用される光パターン形成可能な導電性層内に含むこともできる。このような添加物の一例としては、艶消し剤、界面活性剤又は塗被助剤、寸法安定性を改善するためのポリマーラティス、増粘剤又は粘度改質剤、硬膜剤又は架橋剤、可溶性静電防止剤、可溶性及び/又は固形粒子色素、カブリ防止剤、滑剤、及び当業者に容易に明らかな種々のその他のコンベンショナルな添加剤が挙げられる。
【0030】
光パターン形成可能な導電性層は、種々可撓性又は剛性の支持体に塗布することができる。可撓性支持体は本発明の好ましい態様である。典型的な可撓性フィルム支持体が好ましく、その一例としては、セルロースニトレート、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリ(ビニルアセタール)、ポリ(カーボネート)、ポリ(スチレン)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、及びフィルム支持体の調製時に使用されるイソフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸又は4,4-ビフェニルジカルボン酸の一部を内部に含むポリ(エチレンナフタレート);ポリエステル{他のグリコール、例えばシクロヘキサンジメタノール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールが採用される)、米国特許第5,138,024号明細書(引用することにより本明細書中に組み入れる)に記載されたイオノマー(例えば5-ナトリウムスルホ-1,3-イソフタル酸の形の二価酸の一部を使用して調製されたポリエステルイオノマー、又は同様のイオン含有モノマー)、ポリカーボネート、及び上記ポリマーのブレンド又はラミネートが挙げられる。好ましい写真フィルム支持体は、セルロースアセテート、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)であり、最も好ましくは2,6-ナフタレンジカルボン酸又はこれらの誘導体から調製されるポリ(エチレンナフタレート)である。
【0031】
好適な支持体は、用途に応じて透明又は不透明であってよい。透明フィルム支持体は、無色であるか、或いは色素又は顔料を添加することによって着色することができる。フィルム支持体は、コロナ放電、グロー放電、UV照射、火炎処理、eビーム処理、又はジクロロ-及びトリクロロ酢酸、フェノール誘導体、例えばレゾルシノール及びp-クロロ-m-クレゾールを含む接着力促進剤による処理、溶剤洗浄を含む種々の方法によって表面処理することができ、又は、接着力促進プライマー、又はポリマー、例えば塩化ビニリデン含有コポリマー、ブタジエン系コポリマー、グリシジルアクリレート又はメタクリレート含有コポリマー、無水マレイン酸含有コポリマー、縮合ポリマー、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、及びこれらの混合物及びブレンドを含有する中間層を、フィルム支持体にオーバーコートすることができる。他の好適な不透明な、又は反射性の支持体は、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びエチレン-ブチレンコポリマーをコーティング又はラミネートされた紙を含むポリマーコート紙、合成紙、及び顔料含有ポリエステルである。これらの支持体材料のうち、セルローストリアセテート、ポリ(エチレンテレフタレート)、及び2,6-ナフタレンジカルボン酸又はこれらの誘導体から調製されるポリ(エチレンナフタレート)が好ましい。
【0032】
支持体の厚さは特に重要ではない。本発明の材料に一般に好適な支持体の厚さは、0.50〜10ミル(50 μm〜254 μm)である。
【0033】
光パターン形成可能な導電性層を調製するための塗被組成物を、よく知られた種々の塗被法のいずれかによって、上述の支持体に塗布することができる。手による塗被技術は、塗被用ロッド又はナイフ又はドクターブレードを使用することを含む。機械による塗被技術は、エアドクター塗布、リバースロール塗布、グラビア塗布、カーテン塗布、ビード塗布、スライドホッパー塗布、押出し塗布、スピンコーティング塗布など、及び当業者によく知られた他の塗布法を含む。
【0034】
本発明の光パターン形成可能な導電性層配合物は、具体的な用途の特定の要件に応じて随意選択的の好適な被覆量で、支持体に塗布することができる。例えば、光パターン形成可能な導電性層における好ましい導電性ポリマー粒子分散体の乾燥塗被重量は好ましくは、約0.002〜約0.5 g/m2の範囲にある。より好ましい乾燥被覆量は、約0.003〜約0.1 g/m2の範囲にある。
【0035】
本発明の方法は、導電性層内への熱移動性材料の混合に依存する。導電性層の抵抗率の変化は、移動性材料が導電性ポリマーの固有導電特性に影響を与えることから生じるか、或いは、層内の導電性ポリマーを物理的に希釈することにより、元の導電性網状構造を崩壊することから生じることができる。通常の場合、或る特定の温度閾値があって、この閾値を下回ると移動性材料は影響を受けなくなる。このように、混合層が入射光を吸収し得る周囲条件下では、変化は誘発されない。なぜならば、このプロセスから発生する熱の量は長時間かけて広がるので、移動性材料拡散の閾値には達しないからである。本発明によるレーザー誘発型抵抗変化を得るために、赤外ダイオードレーザーが採用されるのが好ましい。それというのは、このレーザーは、その小さなサイズ、低コスト、安定性、信頼性、耐久性、及び変調しやすさに関して多大な利点を提供するからである。本発明において使用することができるレーザーは、商業的に入手可能である。例えばSpectra Diode Labs製のLaser Model SDL-2420-H2、又はSony Corp製のLaser Model SLD 304 V/Wを採用することができる。
【0036】
サーマルプリント媒体上で画像を形成するために上記レーザーを使用するサーマルプリンターは、米国特許第5,168,288号明細書に記載され権利主張されている。この開示内容を引用することにより本明細書中に組み入れる。
【実施例】
【0037】
本発明を例示するために、下記実施例を提供する。
例1
塗被均一性を改善するための0.004 g/m2のFC431界面活性剤(3M Corporationから入手)とともに、0.054 g/m2のIR吸収色素(以下IR Dye-1)及び0.38 g/m2のポリメチルシアノアクリレート、分子量約50,000をアクリロニトリルから、0.1 mmポリエステル支持体にオーバーコートした。次いで乾燥済塗膜に、0.15 g/m2のポリエチレンジオキシチオフェン導電性ポリマー(Baytron P, Bayer Corp)と、バインダーとして0.075 g/m2のポリビニルアルコールと、0.004 g/m2のエポキシシラン(Witco Corp.の子会社であるOSi Specialitiesによって、CoatoSil 1770が製造されている)とを含有する層を、導電率増強剤として添加された5重量%ジエチレングリコールを含有する水性配合物から塗布してオーバーコートした。塗膜を2分間にわたって100℃で乾燥させた。
【0038】
【化4】

【0039】
フィルムを、フィルム平面において1チャネル当たり概算直径25 μm(1/e2)及び450 mWを有する集光レーザービームに当てた。表1に挙げた有効照射量をもたらす一連のドラム速度で、2.54 cm幅の固形領域を照射した。各照射領域の抵抗率を2点プローブで測定し、これも表1に挙げる。
【0040】
【表1】

【0041】
照射されていないフィルムの抵抗率は低かった(約4 × 103Ω/□)。閾値照射量(例1の場合約280 mJ/cm2)を上回ると、抵抗率の部分的な増大が観察される。きわめて高い照射量(1000 mJ/cm2を上回る)では、フィルムの層が明らかにアブレートされ、抵抗率は支持体の限界値に達する。中間照射量(300〜500 mJ/cm2)で照射されたフィルムの試験は、導電性層がアブレートされる前に、抵抗率が限界値に達することを示す。このように、最適な照射によって、導電性層を除去することなしに、未照射領域よりも8次数以上高い因数(Δ)だけ、照射領域の抵抗率を増大させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性基板上にパターンを形成するための要素であって、
該要素が支持体を含み、該支持体上には、
a) 導電性ポリマー、ポリアニオン及び導電率増強剤を含有する導電性層と、
b) 熱移動性材料を含有する混合層と
が配置されており、
該混合層を像様加熱すると、該熱移動性材料が該導電性層と混合し、これにより、該導電性層の初期の表面抵抗率(SR)を、105Ω/□よりも低い初期値SRiからSRiΔ(Δは102以上である)に像様に増大させる要素。
【請求項2】
電子デバイス又は半導体デバイス内で使用するためにパターン形成された、請求項1に記載の要素。
【請求項3】
プリント回路基板、集積回路、ディスプレイ、エレクトロルミネッセントデバイス又は光電池として使用するためにパターン形成された、請求項1に記載の要素。
【請求項4】
該熱移動性材料が高分子マトリックス中に含有されている、請求項1に記載の要素。
【請求項5】
該高分子マトリックスが、架橋ポリマー又は枝分かれポリマーを含む、請求項4に記載の要素。
【請求項6】
該架橋ポリマーが、ポリ(スチレン−コ−インデン−コ−ジビニルベンゼン)、ポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル−コ−ジビニルベンゼン)、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン−コ−ジビニルベンゼン)である、請求項5に記載の要素。
【請求項7】
該熱移動性材料が顔料、色素、又はこれら両方の組み合わせである、請求項1に記載の要素。
【請求項8】
該高分子マトリックスが熱移動性材料である、請求項4に記載の要素。
【請求項9】
該熱移動性材料が下記式:
【化1】

の反復単位を有する請求項1に記載の要素、
(上記式中:R1は、シアノ、イソシアネート、アジド、スルホニル、ニトロ、リン酸、ホスホニル、ヘテロアリール、又は
【化2】

を表し、ここで
XはO、S、NR、又はN+(R)2であり;
R3は、R、OR、O-M+、OCOOR、SR、NHCOR、NHCON(R)2、N(R)2又はN+(R)3であり;
M+はアルカリ又はアンモニア部分であり;
Rは水素、ハロゲン、又はアルキル基又はシクロアルキル基であり;そして
R2は水素、又はアルキル基であるか又はR1と同じ記載のものである)。
【請求項10】
該導電性層が、随意選択的に塗膜形成高分子バインダーを含有する、請求項1に記載の要素。
【請求項11】
該導電率増強剤が、ジヒドロキシ基、ポリ-ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミド基、又はラクタム基を含有する有機化合物である、請求項1に記載の要素。
【請求項12】
ジヒドロキシ基、ポリ-ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミド基、又はラクタム基を含有する該有機化合物が:
(a)下記式II:
(OH)n−R−(COX)m
II
(上記式中、m及びnは独立して1〜20の整数であり、Rは炭素原子数2〜20のアルキレン基、当該アリーレン鎖内炭素原子数6〜14のアリーレン基、ピラン基又はフラン基であり、そしてXは、-OH又は-NYZであり、Y及びZは独立して水素又はアルキル基である)によって表されるか;又は
(b)糖、糖誘導体、ポリアルキレングリコール、又はグリセロール化合物であるか;又は
(c)N-メチルピロリドン、ピロリドン、カプロラクタム、N-メチルカプロラクタム、又はN-オクチルピロリドンから成る群から選択される、
請求項11に記載の要素。
【請求項13】
前記導電率増強剤が、N-メチルピロリドン、ピロリドン、カプロラクタム、N-メチルカプロラクタム、N-オクチルピロリドン、スクロース、グルコース、フルクトース、ラクトース、糖アルコール、2-フランカルボン酸、3-フランカルボン酸、ソルビトール、グリコール、エチレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコール、又はトリエチレングリコール、又はこれらの化合物のうちのいずれか2種又は3種以上の混合物である、請求項1に記載の要素。
【請求項14】
前記導電率増強剤が、N-メチルピロリドン、ピロリドン、カプロラクタム、N-メチルカプロラクタム、又はN-オクチルピロリドンである、請求項1に記載の要素。
【請求項15】
前記導電率増強剤が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、又はグリセロールである、請求項1に記載の要素。
【請求項16】
前記導電率増強剤が、N-メチルピロリドン、ソルビトール、エチレングリコール、グリセロール、及びジエチレングリコールから成る群から選択された1種又は2種以上の化合物である、請求項1に記載の要素。
【請求項17】
n及びmが互いに独立して、2〜8の整数を表す、請求項5に記載の要素。
【請求項18】
ラクタム基を含有する該有機化合物が、n-メチルピロリドン、ピロリドン、カプロラクタム、n-メチルカプロラクタム、又はn-オクチルピロリドンである、請求項11に記載の要素。
【請求項19】
該導電率増強剤が、スクロース、グルコース、フルクトース、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、2-フランカルボン酸、3-フランカルボン酸、エチレングリコール、グリセロール、ジ-又はトリエチレングリコール溶液である、請求項12に記載の要素。
【請求項20】
該導電性ポリマーが、置換型又は無置換型のピロール含有ポリマー、置換型又は無置換型のチオフェン含有ポリマー、又は置換型又は無置換型のアニリン含有ポリマーである、請求項1に記載の要素。
【請求項21】
該導電性ポリマーを含有する層が、乾燥塗被重量10〜1000 mg/m2の該導電性ポリマーを含有する、請求項1に記載の要素。
【請求項22】
該導電性ポリマーを含有する層が、乾燥塗被重量20〜500 mg/m2の該導電性ポリマーを含有する、請求項1に記載の要素。
【請求項23】
該導電性ポリマーを含有する該層が:
a) 式Iに従うポリチオフェン
【化3】

(上記式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素又はC1-C4アルキル基を表し、或いは一緒になって、随意選択的に置換されたC1-C4アルキレン基又はシクロアルキレン基、好ましくはエチレン基、随意選択的にアルキル置換されたメチレン基、随意選択的にC1-C12アルキル-又はフェニル置換された1,2-エチレン基、1,3-プロピレン基、又は1,2-シクロヘキシレン基を表し、そしてnは5〜1000である);
b) ポリアニオン化合物;及び随意選択的に、
c) 塗膜形成高分子バインダー
を含有する混合物を含む、請求項1に記載の要素。
【請求項24】
該ポリアニオンが、高分子カルボン酸のアニオンである、請求項23に記載の要素。
【請求項25】
該ポリアニオンが、ポリアクリル酸、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、又は高分子スルホン酸である、請求項23に記載の要素。
【請求項26】
該ポリアニオンが、ポリスチレンスルホン酸又はポリビニルスルホン酸である、請求項23に記載の要素。
【請求項27】
該塗膜形成高分子バインダーが、該導電性ポリマーを含有する該層の5〜95 wt%を含む、請求項23に記載の要素。
【請求項28】
該塗膜形成高分子バインダーが、水溶性又は水分散性の親水性ポリマー、マレイン酸又は無水マレイン酸コポリマー、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、及びポリ-N-ビニルピロリドンから成る群から選択される、請求項23に記載の要素。
【請求項29】
該塗膜形成高分子バインダーがゼラチン又はゼラチン誘導体である、請求項23に記載の要素。
【請求項30】
該塗膜形成高分子バインダーが、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートブチレート、ジアセチルセルロース、又はトリアセチルセルロースである、請求項23に記載の要素。
【請求項31】
該塗膜形成高分子バインダーが、エチレン系不飽和型モノマーから調製された付加型のホモポリマー及びコポリマーの水性エマルジョンである、請求項23に記載の要素。
【請求項32】
該モノマーが、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、イタコン酸ならびにその半エステル及びジエステル、置換型及び無置換型のスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルアセテート、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデン、ならびにオレフィンから成る群から選択される、請求項31に記載の要素。
【請求項33】
該塗膜形成高分子バインダーが、ポリウレタン又はポリエステルイオノマーの水性分散体である、請求項23に記載の要素。
【請求項34】
該支持体が透明、不透明、又は反射性である、請求項1に記載の要素。
【請求項35】
該支持体が、ガラス、高分子フィルム、紙、シリコンウェハー又はガラス強化型エポキシである、請求項1に記載の要素。
【請求項36】
該高分子フィルム支持体が、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、セルロースエステル、又はポリオレフィンである、請求項35に記載の要素。
【請求項37】
該支持体が可撓性又は剛性である、請求項1に記載の要素。
【請求項38】
該支持体がセルロースアセテート、ポリ(エチレンテレフタレート)又はポリ(エチレンナフタレート)を含む、請求項1に記載の要素。
【請求項39】
該支持体が表面処理されている、請求項1に記載の要素。
【請求項40】
該支持体の厚さが50 μm〜254 μmである、請求項1に記載の要素。
【請求項41】
該導電性層の乾燥被覆量が0.002〜0.5 g/m2である、請求項1に記載の要素。
【請求項42】
該導電性層が、水、アルコール又はアセトン中の導電性ポリマーの分散体から塗被される、請求項1に記載の要素。
【請求項43】
熱移動性材料を含有する混合層と、ポリチオフェン、ポリアニオン及びジ-又はポリヒドロキシ有機化合物を含有する導電性ポリマー層とを有する支持体上で、導電性層をパターン形成する方法であって、該混合層を、選択された領域内で像様加熱して、該熱移動性材料を該導電性層と混合させ;
該導電性層の表面抵抗率(SR)が、該ポリマー層をほとんどアブレート又は破壊することなしに、前記選択された領域内で、104Ω/□よりも低い初期値SRiからSRiΔ(Δは103以上である)に減少又は増大させられ、支持体上で導電性層をパターン形成する方法。

【公表番号】特表2007−503697(P2007−503697A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524765(P2006−524765)
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/027261
【国際公開番号】WO2005/022968
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】