説明

改善された熱水安定性を有するニ成分修飾モレキュラーシーブ

二成分修飾モレキュラーシーブを製造する方法は、モレキュラーシーブをリン含有水溶液に加えて、混合物を形成させて、前記混合物をpH1〜10で、70〜200℃の温度で、かつ0.2〜1.2MPaの圧力で、10〜200分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、得られたものを焼成し、リン修飾モレキュラーシーブを得て、その後、前記リン修飾モレキュラーシーブを銀イオン含有水溶液に加えて、リン修飾モレキュラーシーブを銀イオンと、0〜100℃で暗所で30〜150分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、焼成することを含む。得られた二成分修飾モレキュラーシーブは、総て乾物ベースで、アルミナに対するシリカ割合が15〜60の間で、88〜99wt%のモレキュラーシーブと、(酸化物に基づき)0.5〜10wt%のリンと、(酸化物に基づき)0.01〜2wt%の銀と、を含む。二成分修飾モレキュラーシーブから製造された触媒は、改善された熱水安定性及びマイクロ活性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モレキュラーシーブ修飾の技術分野に属し、特に、改善された熱水安定性を有するニ成分修飾モレキュラーシーブ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、精製触媒の分野における国内及び国際的な研究者及び製造者は、FCC工場における軽質オレフィンの収率を上げるために、種々のタイプの構造を有するモレキュラーシーブによって、彼ら自身FCC触媒の性能改善のために力を注いでいる。これは、エチレン及びプロピレンの伝統的な生産の第一工程、すなわち、蒸気熱分解は、温度が高く、原料油への要求が厳格である、フリーラジカル反応によって行われているためである。対照的に、軽質オレフィンを生産する触媒的熱分解は、相対的に低コストで軽質オレフィンの可能性を増大させるために国内及び国際的な研究におけるホットスポットである。機能的な形状-選択モレキュラーシーブは、この種の触媒的な転換触媒において主要な活性要素として幅広く注目に値する。
【0003】
U.S.A.モービルカンパニーは、1972年にZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブ(米国特許第3,702,886号)を開発して以来、アルミナに対して相対的に高いシリカ割合、特有の孔構造、優れた熱及び熱水安定性の特性のために、炭化水素の形状-選択クラッキング(中国公開第1872415A号)、アルキル化、異性化、不均化、触媒的脱ろう、エーテル化及びその他など石油化学製品工程において、広く適用されている。特に、ZSM−5ゼオライトを通常の触媒への添加、又は触媒的クラッキングの補助は、軽質オレフィンの収率及びオクタン価を著しく増加させることができる(米国特許第5,997,728号)。
【0004】
しかしながら、ZSM−5ゼオライトモレキュラーシーブは、触媒的クラッキングの熱水条件下で容易に不活性化し、それゆえ、安定性及び選択性の両方が影響を受ける。それゆえに、多くの研究者達はZSM-5ゼオライトモレキュラ―シーブへの改善について行ってきた。
【0005】
米国特許第4,399,059号において、リン酸水素二アンモニウム又は無水リン酸アンモニウムを、NH-ZSM−5と混合し、乾燥させて、混合物を500℃で焼成して、リン修飾ZSM−5ゼオライトを生産し、それは、キシレンの異性化反応において使用したとき、パラ異性体生成物の選択性を顕著に改善することを可能にする。
【0006】
米国特許第5,171,921号は、リン化合物を含浸することによって修飾したZSM−5モレキュラーシーブを開示する。このような修飾モレキュラ―シーブは、オレフィン又は脂肪族炭化水素をC−Cオレフィンに変える触媒的活性成分として使用することができる。
【0007】
米国特許第3,972,382号、及び米国特許第3,965,208号は、トリメチル亜リン酸塩で修飾した後に、HZSM−5の反応選択性が改善されることを開示する。
【0008】
中国第85102828号は、含浸させて蒸発させる方法を使用してZSM-5モレキュラ―シーブを修飾することを報告し、リン修飾モレキュラーシーブは、トルエンをエチレンでアルキル化することによって、パラ-エチルトルエンを生成する形状-選択触媒において、実質上改善された活性を有する。
【0009】
中国第97120271号は、炭化水素クラッキング触媒としてリン含有ファージャサイトを報告し、前記リン含有ファージャサイトは、ファージャサイトとリン含有化合物の水溶液とを均一に混合し、次いで、450〜600℃で0.5時間以上の間、乾燥、焼成することによって製造され、相対的に良好な触媒活性を有する。
【0010】
中国第98117286号は、Pベースで、90〜99.9wt%のアルミノケイ酸塩ゼオライト、0.1〜10wt%のリンからなるリンゼオライトを報告し、それは、より高い炭化水素転換活性、より高いディーゼル選択性、及びバナジウム、ニッケル及び他の重金属に対する良好な耐性を有する。
【0011】
中国第1211469A、及び中国第1211470Aは、五員環モレキュラ―シーブを、リン、アルカリ土類金属イオン、及び/又は遷移金属イオンからなる化合物の水溶液に加えて、均質になるまで混合し、含浸反応させることによって得られることを特徴とする、プロピレン及びエチレンの増大した収率を有するモレキュラ―シーブ組成物を報告し、前記組成物は、85〜95wt%の五員環モレキュラ―シーブと、酸化物ベースで2〜10wt%のリンと、酸化物ベースで0.3〜5wt%のアルカリ土類金属と、酸化物ベースで0.3〜5wt%の遷移金属元素からなる。
【0012】
また、中国第1072031C、及び中国第1072032Cは、プロピレン及びエチレン(特に、エチレン)の増大した収率を有する五員環モレキュラ―シーブ組成物を報告し、それは、88〜95wt%の五員環モレキュラ―シーブと、酸化物ベースで2〜8wt%のリンと、酸化物ベースで0.3〜3wt%のアルカリ土類金属と、酸化物ベースで0〜3wt%の遷移金属元素とからなる。前記組成物の製造方法は、ワンステップ含浸方法であり、手順は、相対的に簡易、かつかなり信頼性があるばかりでなく、実質的に増大したエチレン収率を有する。
【0013】
従来技術において産業で使用される触媒的クラッキング触媒の軽質オレフィン、特にプロピレンの収率は、精製と化学工業の製造業の実用的な要求を満足するのに十分ではない。したがって、プロピレン収率が実質的に増大することはかなり意味があることである。今までのところ、機能的な形状−選択モレキュラ―シーブへの修飾は、触媒的クラッキングにおいて軽質オレフィンの収率を増大させるための最も効率的な手段であるようである。
【0014】
しかしながら、第二の修飾成分が、従来のリン修飾モレキュラ―シーブへイオン交換を経て導入された時、モレキュラ―シーブ中のリン元素は、大部分は、流出して、それゆえ、二成分でモレキュラ―シーブを修飾する目的を達成することができない。その結果、モレキュラ―シーブの安定性及び触媒的活性に影響を及ぼしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第3,702,886号
【特許文献2】中国第1,872,415A号
【特許文献3】米国特許第5,997,728号
【特許文献4】米国特許第4,399,059号
【特許文献5】米国特許第5,171,921号
【特許文献6】米国特許第3,972,382号
【特許文献7】米国特許第3,965,208号
【特許文献8】中国第85102828号
【特許文献9】中国第97120271号
【特許文献10】中国第98117286号
【特許文献11】中国第1211469A号
【特許文献12】中国第1211470A号
【特許文献13】中国第1072031C号
【特許文献14】中国第1072032C号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
発明の開示
本発明の目的は、現状のモレキュラ―シーブ材料及び技術に関して、実質的に改善された熱水安定性を有する二成分修飾モレキュラ―シーブ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
改善された熱水安定性を有する二成分修飾モレキュラーシーブを製造する方法であって、モレキュラーシーブをリン含有水溶液に加えて、次いで、濾過し、乾燥させて、焼成する方法であり、前記方法によれば、前記モレキュラ―シーブをリン含有水溶液に加えて、pH1〜10(好ましくは、2〜7)で、70〜200℃(好ましくは、90〜160℃)の反応温度で、0.2〜1.2MPa(好ましくは、0.2〜0.8MPa)の反応圧力の下で、10〜200分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、焼成して、リン修飾モレキュラーシーブを得て、前記リン修飾モレキュラーシーブを、銀イオン含有水溶液に加えて、暗所で0〜100℃(好ましくは、20〜60℃)の反応温度で、30〜150分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、焼成し、二成分修飾モレキュラーシーブを製造することを特徴とする二成分修飾モレキュラーシーブを製造する方法である。
【0018】
本発明によって提供される方法において、前記修飾中の濾過、乾燥及び焼成は、総て従来技術において一般に使用される工程及び技術的なパラメーターを使用し、言い換えれば、本発明において特に限定されるものはなく、そして、乾燥温度は100〜120℃の範囲であること、焼成温度は200〜800℃の範囲であること、焼成時間は0.5〜10時間の範囲であることが推奨される。
【0019】
本発明の修飾条件は、従来のリン修飾方法のものとは異なり、一定の圧力を伴う間、高温度で構成される。モレキュラ―シーブの孔において修飾成分の拡散は、高温度と加圧の相乗効果によってさらに高めることができ、修飾成分がモレキュラ―シーブ内のより深い孔に入り、その表面においてB酸性部位と反応することを可能とする。このような満足する効果は、加圧なしに単に高温度が適用されるときや、もしくは加圧が低温度で実行されるときには達成することができない。水ももちろん媒体として必要である。
【0020】
本発明によって提供される方法においてリンを含有する前記水溶液は、特に限定されず、モレキュラ―シーブのリン修飾用に使用することができるいずれのリン含有水溶液も適当である。水に溶解できることを除いてリン含有水溶液におけるリン化合物も特に限定されない。例えば、リン含有水溶液は、リン酸の溶液、亜リン酸の溶液、可溶性リン酸塩の水溶液、可溶性亜リン酸塩の水溶液、及びその他の1又はそれ以上とすることができる。前記可溶性リン酸塩、又は可溶性亜リン酸塩の水溶液は、リン酸トリアンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、無水リン酸アンモニウムなどのリン酸塩、又は亜リン酸塩の水溶液とすることができる。モレキュラ―シーブのリン含有水溶液の重量比は、好ましくは2:1〜5:1の範囲である。
【0021】
本願による銀イオン含有水溶液は、硝酸銀の水溶液、酢酸銀の水溶液、又はそれらの混合物とすることができる。前記モレキュラ―シーブに対する銀イオン含有水溶液の重量比は、好ましくは2:1〜10:1の範囲であり、銀イオン含有水溶液は好ましくは0.01〜0.1mol/Lの濃度を有する。
【0022】
本発明において、方法及びその組成物において使用されるモレキュラ―シーブの型、リンの形態、又は銀の形態を特定化する必要は必ずしもなく、言い換えれば、それは要求に依存する。前記モレキュラーシーブは、好ましくは、ZSM型、β型、Y型、又はMCM型モレキュラーシーブの内の1つであり、より好ましくは、アルミナに対するシリカの割合が15〜100、好ましくは15〜60の範囲にある、ZSM型、及びβ型モレキュラーシーブの内の1つである。
【0023】
本発明は、また、本発明による修飾方法を使用して生産された修飾モレキュラ―シーブを請求し、本発明による修飾方法を使用して生産された最適な修飾モレキュラ―シーブを提供し、それは、無水ベースに基づきアルミナに対するシリカ割合が15〜60の、88〜99wt%のモレキュラーシーブと、酸化物に基づき0.5〜10wt%のリンと、酸化物に基づき0.01〜2wt%の銀と、を含む。前記二成分修飾モレキュラーシーブは、優れた熱水安定性及び活性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の詳細な説明
それぞれの実施例及び比較例における分析方法は以下の通りである。
【0025】
1.元素分析は、X線蛍光分光分析法(XRF)によって測定され、使用した装置は、日本のリガク「ZSX primus」型X線蛍光分光計である。
【0026】
2.安定性は、800℃で4時間、及び800℃で17時間の熱水時効の前後での相対的な結晶化度(ZSM−5%)間の違いによって評価され、前記結晶化度は、日本の株式会社リガク社製のX線回折計D/max-3Cで測定する。
【0027】
3.活性は、北京市のフアヤン社(Huayang Company)で入手可能なマイクロリアクター装置で評価する。原料油は、大港(Dagang)由来の軽質ディーゼル油である。評価条件は以下の通りである。触媒を100%水蒸気で800℃で4時間又は17時間処理し、触媒の量は5gであり、反応温度は460℃であり、反応時間は70秒であり、触媒/油割合は3.2である。
【実施例1】
【0028】
9.3gの(NHHPO4を500gの蒸留水に溶解する。100gのZSM−5モレキュラーシーブサンプルを溶液に攪拌下加えて、pH値を4に調整する。混合物を攪拌し、100℃の反応温度で0.2MPaの反応圧力下60分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で4時間焼成する。こうして得られたモレキュラ―シーブサンプルは、PZ−1と標識した。
【0029】
0.73gのAgNOを350gの蒸留水に溶解する。モレキュラーシーブPZ−1を銀含有溶液へ加える。混合物を攪拌し、暗所下、20℃の反応温度で120分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で2時間焼成し、二成分修飾モレキュラ―シーブAPZ-1を得る。その後、カオリン(45%)、アルミナゲル(15%)、及びAPZ-1(40%)を蒸留水中に上記割合で懸濁下加えて、120℃で乾燥し、450℃で1時間焼成し、次いで、破砕し、ふるい分けする。こうして得られた触媒サンプルをC−1と標識して、20〜40メッシュ触媒片をそれぞれの活性についてマイクロリアクターにおいて試験する。表1〜3は、サンプルの組成、時効前後の結晶化度、マイクロリアクターでテストされた当該モデル触媒の活性を示す。
【実施例2】
【0030】
18.6gの(NHHPOを400gの蒸留水に溶解する。100gのZSM−5モレキュラーシーブアンプルを溶液へ攪拌下加えて、pH値を3へ調整する。混合物を攪拌し、120℃の反応温度で0.4MPaの反応圧力下、120分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、550℃で4時間焼成する。こうして得られたモレキュラ―シーブサンプルをPZ−2と標識する。
【0031】
1.46gのAgNOを350gの蒸留水に溶解する。モレキュラーシーブPZ−2を銀含有溶液へ加える。混合物を攪拌し、暗所下、40℃の反応温度で100分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で2時間焼成し、二成分修飾モレキュラ―シーブAPZ-2を得る。その後、カオリン(45%)、アルミナゲル(15%)、及びAPZ-2(40%)を蒸留水中に固定的比率で懸濁下加えて、120℃で乾燥し、450℃で1時間焼成し、次いで、破砕し、ふるい分けする。こうして得られた触媒サンプルをC−2と標識して、20〜40メッシュ触媒片をそれぞれの活性についてマイクロリアクターにおいて試験する。表1〜3は、サンプルの組成、時効前後の結晶化度、マイクロリアクターでテストされた当該モデル触媒の活性を示す。
【実施例3】
【0032】
37.2gの(NHHPOを500gの蒸留水に溶解する。100gのZSM−5モレキュラーシーブサンプルを溶液へ攪拌下加えて、pH値を2へ調整する。混合物を攪拌し、140℃の反応温度で1MPaの反応圧力下、200分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、450℃で6時間焼成する。こうして得られたモレキュラ―シーブサンプルをPZ−3と標識する。
【0033】
2.19gのAgNOを400gの蒸留水に溶解する。モレキュラーシーブPZ−3を銀含有溶液へ加える。混合物を攪拌し、暗所下、60℃の反応温度で60分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で2時間焼成し、二成分修飾モレキュラ―シーブAPZ-3を得る。その後、カオリン(45%)、アルミナゲル(15%)、及びAPZ-3(40%)を蒸留水中に固定的比率で懸濁下加えて、120℃で乾燥し、450℃で1時間焼成し、次いで、破砕し、ふるい分けする。こうして得られた触媒サンプルをC−3と標識して、20〜40メッシュ触媒片をそれぞれの活性についてマイクロリアクターにおいて試験する。表1〜3は、サンプルの組成、時効前後の結晶化度、マイクロリアクターでテストされた当該モデル触媒の活性を示す。
【実施例4】
【0034】
25.1gの(NHHPOを500gの蒸留水に溶解する。100gのZSM−5モレキュラーシーブサンプルを溶液へ攪拌下加えて、pH値を3へ調整する。混合物を攪拌し、140℃の反応温度で0.4MPaの反応圧力下、200分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、550℃で4時間焼成する。こうして得られたモレキュラ―シーブサンプルをPZ−4と標識する。
【0035】
2.19gのAgAcを400gの蒸留水に溶解する。モレキュラーシーブPZ−4を銀含有溶液へ加える。混合物を攪拌し、暗所下、20℃の反応温度で300分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で2時間焼成し、二成分修飾モレキュラ―シーブAPZ-4を得る。その後、カオリン(45%)、アルミナゲル(15%)、及びAPZ-4(40%)を蒸留水中に固定的比率で懸濁下加えて、120℃で乾燥し、450℃で1時間焼成し、次いで、破砕し、ふるい分けする。こうして得られた触媒サンプルをC−4と標識して、20〜40メッシュ触媒片をそれぞれの活性についてマイクロリアクターにおいて試験する。表1〜3は、サンプルの組成、時効前後の結晶化度、マイクロリアクターでテストされた当該モデル触媒の活性を示す。
【実施例5】
【0036】
16.2gのNHPOを250gの蒸留水に溶解する。100gのZSM−5モレキュラーシーブサンプルを溶液へ攪拌下加えて、pH値を2へ調整する。混合物を攪拌し、120℃の反応温度で0.4MPaの反応圧力下、60分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、600℃で2時間焼成する。こうして得られたモレキュラ―シーブサンプルをPZ−5と標識する。
【0037】
1.46gのAgNOを300gの蒸留水に溶解する。モレキュラーシーブPZ−5を銀含有溶液へ加える。混合物を攪拌し、暗所下、20℃の反応温度で200分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で2時間焼成し、二成分修飾モレキュラ―シーブAPZ-5を得る。その後、カオリン(45%)、アルミナゲル(15%)、及びAPZ-5(40%)を蒸留水中に固定的比率で懸濁下加えて、120℃で乾燥し、450℃で1時間焼成し、次いで、破砕し、ふるい分けする。こうして得られた触媒サンプルをC−5と標識して、20〜40メッシュ触媒片をそれぞれの活性についてマイクロリアクターにおいて試験する。表1〜3は、サンプルの組成、時効前後の結晶化度、マイクロリアクターでテストされた当該モデル触媒の活性を示す。
【実施例6】
【0038】
28.2gのNHPOを500gの蒸留水に溶解する。100gのZSM−5モレキュラーシーブサンプルを溶液へ攪拌下加えて、pH値を2へ調整する。混合物を攪拌し、130℃の反応温度で0.6MPaの反応圧力下、120分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、600℃で2時間焼成する。こうして得られたモレキュラ―シーブサンプルをPZ−6と標識する。
【0039】
2.19gのAgAcを300gの蒸留水に溶解する。モレキュラーシーブPZ−6を銀含有溶液へ加える。混合物を攪拌し、暗所下、60℃の反応温度で300分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で2時間焼成し、二成分修飾モレキュラ―シーブAPZ-6を得る。その後、カオリン(45%)、アルミナゲル(15%)、及びAPZ-6(40%)を蒸留水中に固定的比率で懸濁下加えて、120℃で乾燥し、450℃で1時間焼成し、次いで、破砕し、ふるい分けする。こうして得られた触媒サンプルをC−6と標識して、20〜40メッシュ触媒片をそれぞれの活性についてマイクロリアクターにおいて試験する。表1〜3は、サンプルの組成、時効前後の結晶化度、マイクロリアクターでテストされた当該モデル触媒の活性を示す。
【実施例7】
【0040】
16.2gのHPOを200gの蒸留水に溶解する。100gのZSM−5モレキュラーシーブサンプルを溶液へ攪拌下加えて、pH値を2へ調整する。混合物を攪拌し、200℃の反応温度で1.0MPaの反応圧力下、60分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、450℃で6時間焼成する。こうして得られたモレキュラ―シーブサンプルをPZ−7と標識する。
【0041】
1.46gのAgNOを400gの蒸留水に溶解する。モレキュラーシーブPZ−7を銀含有溶液へ加える。混合物を攪拌し、暗所下、40℃の反応温度で240分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で2時間焼成し、二成分修飾モレキュラ―シーブAPZ-7を得る。その後、カオリン(45%)、アルミナゲル(15%)、及びAPZ-7(40%)を蒸留水中に固定的比率で懸濁下加えて、120℃で乾燥し、450℃で1時間焼成し、次いで、破砕し、ふるい分けする。こうして得られた触媒サンプルをC−7と標識して、20〜40メッシュ触媒片をそれぞれの活性についてマイクロリアクターにおいて試験する。表1〜3は、サンプルの組成、時効前後の結晶化度、マイクロリアクターでテストされた当該モデル触媒の活性を示す。
【実施例8】
【0042】
28.2gのHPOを400gの蒸留水に溶解する。100gのZSM−5モレキュラーシーブサンプルを溶液へ攪拌下加えて、pH値を2へ調整する。混合物を攪拌し、120℃の反応温度で0.6MPaの反応圧力下、200分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、600℃で2時間焼成する。こうして得られたモレキュラ―シーブサンプルをPZ−8と標識する。
【0043】
1.09gのAgAc及び1.07gのAgNOを400gの蒸留水に溶解する。モレキュラーシーブPZ−8を銀含有溶液へ加える。混合物を攪拌し、暗所下、60℃の反応温度で300分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で2時間焼成し、二成分修飾モレキュラ―シーブAPZ-8を得る。その後、カオリン(45%)、アルミナゲル(15%)、及びAPZ-8(40%)を蒸留水中に固定的比率で懸濁下加えて、120℃で乾燥し、450℃で1時間焼成し、次いで、破砕し、ふるい分けする。こうして得られた触媒サンプルをC−8と標識して、20〜40メッシュ触媒片をそれぞれの活性についてマイクロリアクターにおいて試験する。表1〜3は、サンプルの組成、時効前後の結晶化度、マイクロリアクターでテストされた当該モデル触媒の活性を示す。
【実施例9】
【0044】
9.3gの(NHHPOを100gの蒸留水に溶解する。100gのβモレキュラーシーブサンプルを溶液へ攪拌下加えて、pH値を4へ調整する。混合物を攪拌し、110℃の反応温度で0.4MPaの反応圧力下、120分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で6時間焼成する。こうして得られたモレキュラ―シーブサンプルをPβ−1と標識する。
【0045】
0.73gのAgNOを300gの蒸留水に溶解する。モレキュラーシーブPβ−1を銀含有溶液へ加える。混合物を攪拌し、暗所下、20℃の反応温度で100分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で2時間焼成し、二成分修飾モレキュラ―シーブAPβ-1を得る。その後、カオリン(45%)、アルミナゲル(15%)、及びAPβ-1(40%)を蒸留水中に固定的比率で懸濁下加えて、120℃で乾燥し、500℃で1時間焼成し、次いで、破砕し、ふるい分けする。こうして得られた触媒サンプルをC−9と標識して、20〜40メッシュ触媒片をそれぞれの活性についてマイクロリアクターにおいて試験する。表1〜3は、サンプルの組成、時効前後の結晶化度、マイクロリアクターでテストされた当該モデル触媒の活性を示す。
【実施例10】
【0046】
18.6gの(NHHPOを250gの蒸留水に溶解する。100gのβモレキュラーシーブサンプルを溶液へ攪拌下加えて、pH値を3へ調整する。混合物を攪拌し、160℃の反応温度で0.8MPaの反応圧力下、60分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、450℃で6時間焼成する。こうして得られたモレキュラ―シーブサンプルをPβ−2と標識する。
【0047】
1.46gのAgNOを300gの蒸留水に溶解する。モレキュラーシーブPβ−2を銀含有溶液へ加える。混合物を攪拌し、暗所下、20℃の反応温度で200分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で2時間焼成し、二成分修飾モレキュラ―シーブAPβ-2を得る。その後、カオリン(45%)、アルミナゲル(15%)、及びAPβ-2(40%)を蒸留水中に固定的比率で懸濁下加えて、120℃で乾燥し、500℃で1時間焼成し、次いで、破砕し、ふるい分けする。こうして得られた触媒サンプルをC−10と標識して、20〜40メッシュ触媒片をそれぞれの活性についてマイクロリアクターにおいて試験する。表1〜3は、サンプルの組成、時効前後の結晶化度、マイクロリアクターでテストされた当該モデル触媒の活性を示す。
【実施例11】
【0048】
18.6gの(NHHPO及び16.2gのNHPOを400gの蒸留水に溶解する。100gのβモレキュラーシーブサンプルを溶液へ攪拌下加えて、pH値を5へ調整する。混合物を攪拌し、100℃の反応温度で0.2MPaの反応圧力下、180分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、600℃で2時間焼成する。こうして得られたモレキュラ―シーブサンプルをPβ−3と標識する。
【0049】
1.09gのAgAc及び1.07gのAgNOを350gの蒸留水に溶解する。モレキュラーシーブPβ−3を銀含有溶液へ加える。混合物を攪拌し、暗所下、20℃の反応温度で90分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で2時間焼成し、二成分修飾モレキュラ―シーブAPβ-3を得る。その後、カオリン(45%)、アルミナゲル(15%)、及びAPβ-3(40%)を蒸留水中に固定的比率で懸濁下加えて、120℃で乾燥し、500℃で1時間焼成し、次いで、破砕し、ふるい分けする。こうして得られた触媒サンプルをC−11と標識して、20〜40メッシュ触媒片をそれぞれの活性についてマイクロリアクターにおいて試験する。表1〜3は、サンプルの組成、時効前後の結晶化度、マイクロリアクターでテストされた当該モデル触媒の活性を示す。
【0050】
比較例1
18.6gの(NHHPOを400gの蒸留水に溶解する。100gのZSM-5モレキュラーシーブを溶液へ攪拌下加えて、pH値を3へ調整する。混合物を攪拌し、90℃の反応温度で120分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、550℃で4時間焼成する。こうして得られたモレキュラ―シーブサンプルをPZD−1と標識する。
【0051】
1.46gのAgNOを350gの蒸留水に溶解する。モレキュラーシーブPZD−1を銀含有溶液へ加える。混合物を攪拌し、暗所下、40℃の反応温度で100分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で2時間焼成し、二成分修飾モレキュラ―シーブAPZD-1を得る。その後、カオリン、アルミナゲル、及びAPZD-1(40%)を蒸留水中に固定的比率で懸濁下加えて、120℃で乾燥し、450℃で1時間焼成し、次いで、破砕し、ふるい分けする。こうして得られた触媒サンプルをCD−1と標識して、20〜40メッシュ触媒片をそれぞれの活性についてマイクロリアクターにおいて試験する。表1〜3は、サンプルの組成、時効前後の結晶化度、マイクロリアクターでテストされた当該モデル触媒の活性を示す。
【0052】
比較例2
18.6gの(NHHPOを400gの蒸留水に溶解する。100gのZSM-5モレキュラーシーブを溶液へ攪拌下加えて、pH値を3へ調整する。混合物を攪拌し、20℃の反応温度で0.4MPaの反応圧力下、120分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、550℃で4時間焼成する。こうして得られたモレキュラ―シーブサンプルをPZD−2と標識する。
【0053】
2.19gのAgNOを400gの蒸留水に溶解する。モレキュラーシーブPZD−2を銀含有溶液へ加える。混合物を攪拌し、暗所下、40℃の反応温度で100分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で2時間焼成し、二成分修飾モレキュラ―シーブAPZD-2を得る。その後、カオリン(45%)、アルミナゲル(15%)、及びAPZD-2(40%)を蒸留水中に固定的比率で懸濁下加えて、120℃で乾燥し、450℃で1時間焼成し、次いで、破砕し、ふるい分けする。こうして得られた触媒サンプルをCD−2と標識して、20〜40メッシュ触媒片をそれぞれの活性についてマイクロリアクターにおいて試験する。表1〜3は、サンプルの組成、時効前後の結晶化度、マイクロリアクターでテストされた当該モデル触媒の活性を示す。
【0054】
比較例3
18.6gの(NHHPO及び100gのZSM−5モレキュラーシーブを均質になるまで機械的に混合し、その後550℃で4時間焼成する。こうして得られたモレキュラ―シーブサンプルをPZD−3と標識する。
【0055】
2.19gのAgNOを400gの蒸留水に溶解する。モレキュラーシーブPZD−3を銀含有溶液へ加える。混合物を攪拌し、暗所下、40℃の反応温度で100分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で2時間焼成し、二成分修飾モレキュラ―シーブAPZD-3を得る。その後、カオリン(45%)、アルミナゲル(15%)、及びAPZD-3(40%)を蒸留水中に固定的比率で懸濁下加えて、120℃で乾燥し、450℃で1時間焼成し、次いで、破砕し、ふるい分けする。こうして得られた触媒サンプルをCD−3と標識して、20〜40メッシュ触媒片をそれぞれの活性についてマイクロリアクターにおいて試験する。表1〜3は、サンプルの組成、時効前後の結晶化度、マイクロリアクターでテストされた当該モデル触媒の活性を示す。
【0056】
比較例4
9.3gの(NHHPOを110gの蒸留水に溶解する。100gのZSM−5モレキュラーシーブを溶液に加え、300分間含浸させて、次いで、乾燥させて、その後500℃で4時間焼成する。こうして得られたモレキュラ―シーブサンプルをPZD−4と標識する。
【0057】
1.46gのAgNOを350gの蒸留水に溶解する。モレキュラーシーブPZD−4を銀含有溶液へ加える。混合物を攪拌し、暗所下、40℃の反応温度で200分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で2時間焼成し、二成分修飾モレキュラ―シーブAPZD-4を得る。その後、カオリン(45%)、アルミナゲル(15%)、及びAPZD-4(40%)を蒸留水中に上記割合で懸濁下加えて、120℃で乾燥し、450℃で1時間焼成し、次いで、破砕し、ふるい分けする。こうして得られた触媒サンプルをCD−4と標識して、20〜40メッシュ触媒片をそれぞれの活性についてマイクロリアクターにおいて試験する。表1〜3は、サンプルの組成、時効前後の結晶化度、マイクロリアクターでテストされた当該モデル触媒の活性を示す。
【0058】
比較例5
18.6gのNHPOを400gの蒸留水に溶解する。100gのβモレキュラーシーブを溶液に攪拌下加え、pH値を2へ調整する。混合物を攪拌し、50℃の反応温度で60分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後600℃で2時間焼成する。こうして得られたモレキュラ―シーブサンプルをPβD−1と標識する。
【0059】
2.19gのAgNOを350gの蒸留水に溶解する。モレキュラーシーブPβD−1を銀含有溶液へ加える。混合物を攪拌し、暗所下、40℃の反応温度で100分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後、500℃で2時間焼成し、二成分修飾モレキュラ―シーブAPβD-1を得る。その後、カオリン(45%)、アルミナゲル(15%)、及びAPβD-1(40%)を蒸留水中に固定的割合で懸濁下加えて、120℃で乾燥し、500℃で1時間焼成し、次いで、破砕し、ふるい分けする。こうして得られた触媒サンプルをCD−5と標識して、20〜40メッシュ触媒片をそれぞれの活性についてマイクロリアクターにおいて試験する。表1〜3は、サンプルの組成、時効前後の結晶化度、マイクロリアクターでテストされた当該モデル触媒の活性を示す。
【0060】
比較例6
18.6gの(NHHPOを400gの蒸留水に溶解する。100gのZSM−5モレキュラーシーブサンプルを溶液に攪拌下加え、その後、1.46gのAgNOを含有する10mL溶液を加え、pH値を3へ調整する。混合物を攪拌し、120℃の反応温度で0.4MPaの反応圧力下120分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、その後550℃で4時間焼成する。こうして得られたモレキュラ―シーブサンプルをAPZD−5と標識する。
【0061】
その後、カオリン(45%)、アルミナゲル(15%)、及びAPZD-5(40%)を蒸留水中に固定的割合で懸濁下加えて、120℃で乾燥し、450℃で1時間焼成し、次いで、破砕し、ふるい分けする。こうして得られた触媒サンプルをCD−6と標識して、20〜40メッシュ触媒片をそれぞれの活性についてマイクロリアクターにおいて試験する。表1〜3は、サンプルの組成、時効前後の結晶化度、マイクロリアクターでテストされた当該モデル触媒の活性を示す。
【0062】
産業上有用性
本発明は、本発明による修飾方法によって得られた最適な修飾モレキュラーシーブを提供する。前記モレキュラ―シーブは、無水ベースに基づき、アルミナに対するシリカ割合が15〜60の、88〜99wt%のモレキュラーシーブと、酸化物に基づき0.5〜10wt%のリンと、酸化物に基づき0.01〜2wt%の銀と、を含む。
【0063】
表1及び表2におけるデータによれば、実施例1〜11の修飾方法によって修飾されたモレキュラ―シーブは、熱水処理17時間後の他の方法により修飾されたモレキュラ―シーブより相対的により高い結晶化度を有していることを理解することができる。一方、表3におけるデータによれば、実施例1〜11の修飾方法によって修飾されたモレキュラ―シーブモデル触媒は、他の方法によって修飾されたモレキュラ―シーブ触媒よりマイクロリアクターにおいてより高い活性を有することもまた理解することができる。
【0064】
【表1】

【0065】
【表2】

【0066】
【表3】

【0067】
上述の研究によれば、リン導入は、ZSM-5フレームワークの脱アルミニウム化(dealuminification)を熱水条件の下で阻害し、かつゼオライトでの酸の保留(残存)を改善し、触媒活性及びその選択性を増加させることが判明した。一方、モレキュラーシーブの熱水安定性をさらに実質的に増加させて、同時にゼオライトの表面酸性度を調製するために、その修飾に対して第二の修飾元素を導入する必要がある。銀イオン、遷移金属がZSM−5モレキュラーシーブに導入されるとき、その酸化効果は、炭素陽イオンの形成を容易にし、結果として、反応をより容易に開始させることができることによって改善された反応性を生じる。銀に対するオレフィンの吸着は、他の遷移金属に対して相対的に弱いので、水素移行反応を軽減することができ、オレフィン収率を増加させるのに有利である。さらに、銀は、反応中遷移金属として電子を受容又は供給し、さらにオレフィンをクラックするフリーラジカルを生産することができ、言い換えれば、その酸化還元効果は、反応をフリーラジカル反応メカニズムに従って促進させることが可能であり、それゆえ軽質オレフィンの収率を増加させることができる。
【0068】
本発明の利点は、リン修飾モレキュラーシーブが、遷移金属でイオン交換によって修飾されたとき、この方法が、リン成分が激しく洗い流されることを防ぐことができ、そして、このような修飾によって得られた二成分修飾モレキュラーシーブ及びそのモデル触媒が、優れた熱水安定性及び触媒活性を有するという事実にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
改善された熱水安定性を有する二成分修飾モレキュラーシーブを製造する方法であって、前記方法によれば、モレキュラーシーブをリン含有水溶液に加えて、pH1〜10で、70〜200℃の反応温度で、0.2〜1.2MPaの反応圧力の下で、10〜200分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、焼成し、リン修飾モレキュラーシーブを得て、前記リン修飾モレキュラーシーブを銀イオン含有水溶液に加えて、暗所で0〜100℃の反応温度で、30〜150分間反応させて、次いで、濾過し、乾燥させて、焼成し、二成分修飾モレキュラーシーブを製造することを特徴とする二成分修飾モレキュラーシーブを製造する方法。
【請求項2】
前記モレキュラーシーブが、ZSM型、β型、Y型、又はMCM型モレキュラーシーブの内の1つであることを特徴とする、請求項1記載の改善された熱水安定性を有する二成分修飾モレキュラーシーブの製造方法。
【請求項3】
前記モレキュラーシーブが、アルミナに対するシリカの割合が15〜100の範囲である、ZSM型又はβ型モレキュラーシーブであることを特徴とする、請求項2記載の改善された熱水安定性を有する二成分修飾モレキュラーシーブの製造方法。
【請求項4】
前記アルミナに対するシリカの割合が、15〜60の範囲であることを特徴とする、請求項3記載の改善された熱水安定性を有する二成分修飾モレキュラーシーブの製造方法。
【請求項5】
前記リン含有水溶液が、リン酸の溶液、亜リン酸の溶液、可溶性リン酸塩の水溶液、及び/又は可溶性亜リン酸塩の水溶液であることを特徴とする、請求項1記載の改善された熱水安定性を有する二成分修飾モレキュラーシーブの製造方法。
【請求項6】
前記可溶性リン酸塩が、リン酸トリアンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、無水リン酸アンモニウムの内の1つ又はそれ以上であることを特徴とする、請求項6記載の改善された熱水安定性を有する二成分修飾モレキュラーシーブの製造方法。
【請求項7】
前記銀イオン含有水溶液が、硝酸銀の水溶液、酢酸銀の水溶液、又は両方であることを特徴とする、請求項1記載の改善された熱水安定性を有する二成分修飾モレキュラーシーブの製造方法。
【請求項8】
前記モレキュラーシーブを前記リン含有水溶液に加える時、pHを2〜7に調整することを特徴とする、請求項1記載の改善された熱水安定性を有する二成分修飾モレキュラーシーブの製造方法。
【請求項9】
前記モレキュラーシーブを前記リン含有水溶液に加える時、反応温度を90〜160℃に維持することを特徴とする、請求項1記載の改善された熱水安定性を有する二成分修飾モレキュラーシーブの製造方法。
【請求項10】
前記モレキュラーシーブを前記リン含有水溶液に加える時、反応圧力を0.2〜0.8MPa下に維持することを特徴とする、請求項1記載の改善された熱水安定性を有する二成分修飾モレキュラーシーブの製造方法。
【請求項11】
前記リン含有水溶液が、0.05〜1.0mol/Lの濃度を有することを特徴とする、請求項1記載の改善された熱水安定性を有する二成分修飾モレキュラーシーブの製造方法。
【請求項12】
前記銀イオン含有水溶液の前記モレキュラーシーブに対する重量比が、3:1〜7:1の範囲であることを特徴とする、請求項1記載の改善された熱水安定性を有する二成分修飾モレキュラーシーブの製造方法。
【請求項13】
前記銀イオン含有水溶液が、0.01〜0.1mol/Lの濃度を有することを特徴とする、請求項1記載の改善された熱水安定性を有する二成分修飾モレキュラーシーブの製造方法。
【請求項14】
二成分修飾モレキュラーシーブが、無水ベースに基づき、アルミナに対するシリカ割合が15〜60の、88〜99wt%のモレキュラーシーブと、酸化物に基づき0.5〜10wt%のリンと、酸化物に基づき0.01〜2wt%の銀と、を含むことを特徴とする、請求項1記載の改善された熱水安定性を有する二成分修飾モレキュラーシーブの製造方法によって製造された二成分修飾モレキュラーシーブ。

【公表番号】特表2013−509344(P2013−509344A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535574(P2012−535574)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【国際出願番号】PCT/CN2009/001353
【国際公開番号】WO2011/050505
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(512111935)中国石油天然ガス股ふん有限公司 (1)
【氏名又は名称原語表記】PETROCHINA COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】Dongzhimen,No,9 North Main Street,Dongcheng District,Beijing China,100007
【Fターム(参考)】