説明

改良された耐引掻性を有する強化コーティング

本発明は、a)有機被膜形成バインダ、およびb)金属アルコラートまたは式(I)(式中、R1は、C1〜C8アルキル、C5〜C8シクロアルキル、フェニル、またはC1〜C4アルキル置換フェニルであり、R2は、C1〜C8 アルキルであり、そしてnは、0、1、2、または3である)で示される化合物の塩基を用いての加水分解を含む方法により製造した、水性またはアルコール性の溶媒に分散させた小さな粒子サイズの無機添加剤を含むコーティング組成物を開示する。表面を保護するためのこのコーティングは強化されており、そして改良された耐引掻性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機被膜形成バインダ、好ましくはコーティング材料と、水性またはアルコール性の溶媒に分散させた小さな粒子サイズの無機添加剤とを含むコーティング組成物、そして表面用コーティング組成物中でのコーティング強化剤および耐引掻性向上剤としてのコーティング組成物中での該無機添加剤の使用に関する。
【0002】
有機コーティングは通常、磨耗および引掻きにより損傷しやすい。金属酸化物のような無機添加剤は硬い材料であり、コーティングの強化に用いることで、損傷に対するその耐性を向上させることができる。しかし、無機添加剤の欠点は、可視光線の透過性が低いことである。このことは、不透明さまたは基体に望ましくないカラーシフトを引き起こすおそれがある。この欠点は、無機添加剤が可視光線を干渉しないほど十分に小さな場合には回避することができ、すなわちある一定の寸法未満で光回折を抑えることができる。小さな無機粒子の製造が、例えばStoeber, Fink and Bohn[J. Collod Interface Sci. 1969, 26, 62]に記載されている。粒子は小さいほど、凝集し凝結する傾向がある。期待する有益な結果を達成するためには、この傾向を抑えなければならない。通常、粒子を官能化することにより(例えば粒子の表面を、マトリックス系(例えばコーティング)と高い相溶性を呈する反応性基で変性することにより)凝集は抑えられる。実際、表面変性は有利な効果を達成するのに不可欠であることが指摘されてきた。
【0003】
コーティングを強化するために、無機添加剤の使用に基づく方法および組成物が見出された。意外なことには、無機粒子は、コーティング成分との良好な相溶性を呈するために、本質的には、その表面において変性する必要はない。更に注目すべきことには、このコーティングは、このような無機添加剤で処理しなかったコーティングと比べて、低い添加濃度ですでに、硬化後には著しく向上した耐引掻性を示す。最後に、本発明者らの手法による少量の添加剤の添加は、予期せざることに、コーティングの初期光沢度を向上させ、そして透明なコーティングをもたらす。この効果は、本発明者らの技術の更なる利点を提供する。
【0004】
したがって本発明は、
a)有機被膜形成バインダ、および
b)金属アルコラート、金属ハロゲン化物、または式(I):
【0005】
【化3】

【0006】
(式中、
1は、C1〜C8アルキル、C5〜C8シクロアルキル、フェニル、またはC1〜C4アルキル置換フェニルであり、
2は、C1〜C8アルキルであり、そして
nは、0、1、2、または3である)で示される化合物の塩基を用いての加水分解を含む方法により製造した、水性またはアルコール性の溶媒に分散させた小さな粒子サイズの無機添加剤、
を含む、コーティング組成物に関する。
【0007】
8個までの炭素原子を有するアルキルは、分岐状または非分岐状の基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチル−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、または2−エチルヘキシルである。
【0008】
5〜C8シクロアルキルは、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチルである。シクロヘキシルが好ましい。
【0009】
1〜C4アルキル置換フェニルは、好ましくは1〜3個の、特に1または2個のアルキル基を含有し、例えば、o−、m−、もしくはp−メチルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2−メチル−6−エチルフェニル、4−t−ブチルフェニル、2−エチルフェニル、または2,6−ジエチルフェニルである。
【0010】
特に関心がもたれるのは、硬化後に透明なコーティングをもたらす、透明コーティング組成物である。
【0011】
好ましくは、金属アルコラートおよび金属ハロゲン化物における金属は、ベリリウム、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、またはセリウムである。
【0012】
ハロゲン化物は、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、またはヨウ化物である。
【0013】
好ましくは、アルコール性の溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、またはt−ブタノール、あるいはこれらの混合物である。
【0014】
関心がもたれるのは、塩基が水性の塩基であるコーティング組成物である。
【0015】
特に関心がもたれるのは、塩基が式(II):
【0016】
【化4】

【0017】
(式中、R3、R4、およびR5は、互いに独立に、水素またはC1〜C8アルキルである)で示されるアミンであるコーティング組成物である。
【0018】
好ましくは、成分(b)の「無機添加剤」の粒子サイズは、2〜300nmの範囲にある。
【0019】
関心がもたれるのは、成分(b)の製造において、加水分解を−20〜80℃、特に−10〜50℃、例えば10〜25℃の温度範囲で行うコーティング組成物である。
【0020】
特に関心がもたれるのは、式(I)の化合物においてnが0である組成物である。
【0021】
特に、成分(b)が、アンモニア水で加水分解した式(I)の化合物(式中、R2は、エチルであり、そしてnは、0である)であるコーティング組成物が挙げられる。
【0022】
成分(b)の製造のための出発物質、例えば、金属アルコラート、金属ハロゲン化物、または式(I)の化合物は、文献で公知であり、そしてこれらのほとんどがFluka社またはAldrich社において市販されている。
【0023】
コーティング組成物は、好ましくはコーティング材料またはペイント、特に水性コーティング材料または水性ペイントである。
【0024】
コーティング材料の例は、ラッカー、ペイント、またはワニスである。これらは常に、有機被膜形成バインダを、他の任意成分のほかに含有する。
【0025】
好ましい有機被膜形成バインダは、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、アクリルコポリマー樹脂、ポリビニル樹脂、フェノール樹脂、スチレン/ブタジエンコポリマー樹脂、ビニル/アクリルコポリマー樹脂、ポリエステル樹脂、UV硬化性樹脂、またはアルキド樹脂、あるいはこれらの樹脂2種以上の混合物、あるいはこれらの樹脂またはこれらの樹脂の混合物の塩基性もしくは酸性の水性分散液、あるいはこれらの樹脂またはこれらの樹脂の混合物の水性エマルションである。
【0026】
特に関心がもたれるのは、水性コーティング組成物用の有機被膜形成バインダ、例えば、アルキド樹脂;アクリル樹脂、2成分エポキシ樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリエステル樹脂(通常飽和である);水希釈性フェノール樹脂またはそれから誘導された分散液;水希釈性尿素樹脂;ビニル/アクリルコポリマーをベースとする樹脂;およびハイブリッド系(例えば、エポキシアクリレートをベースとする)である。
【0027】
より具体的には、アルキド樹脂は空気乾燥様式または焼付け系様式で、場合により水希釈性メラミン樹脂と組み合わせて使用することができる水希釈性アルキド樹脂系であることができ、この系はまた、場合によりアクリル樹脂またはその酢酸ビニルなどとのコポリマーをベースとする水性分散液と組み合わせて使用する、酸化乾燥、空気乾燥、または焼付け系であることもできる。
【0028】
アクリル樹脂は、単なるアクリル樹脂、エポキシアクリレートハイブリッド系、アクリル酸もしくはアクリルエステルコポリマー、ビニル樹脂との併用、またはビニルモノマー(例えば、酢酸ビニル、スチレン、またはブタジエン)とのコポリマーであることができる。これらの系は空気乾燥系または焼付け系であることができる。
【0029】
適切なポリアミン架橋剤と組み合わせて、水希釈性エポキシ樹脂は、優れた機械的および化学的耐性を示す。液体エポキシ樹脂を使用する場合、水系への有機溶媒の添加を省くことができる。固体樹脂または固体樹脂分散液を使用すると、被膜形成を向上させるために、通常、少量の溶媒の添加が必要になる。
【0030】
好ましいエポキシ樹脂は、芳香族ポリオールをベースとするもの、特にビスフェノール類をベースとするものである。エポキシ樹脂は架橋剤と組み合わせて使用する。後者は、特に、アミノもしくはヒドロキシ官能化合物、酸、酸無水物、またはルイス酸であることができる。これらの例は、ポリアミン、ポリアミノアミド、ポリスルフィドをベースにしたポリマー、ポリフェノール、フッ化ホウ素およびその錯化合物、ポリカルボン酸、1,2−ジカルボン酸無水物、またはピロメリット酸二無水物である。
【0031】
ポリウレタン樹脂は、末端ヒドロキシル基を有するポリエーテル、ポリエステル、およびポリブタジエンを一方として、脂肪族または芳香族ポリイソシアネートを他方として誘導する。
【0032】
好ましくは、ポリウレタンは、末端ヒドロキシル基を有するポリエーテル、ポリエステル、およびポリブタジエンを一方として、脂肪族または芳香族ポリイソシアネートを他方としてインサイチュで製造する。
【0033】
適切なポリビニル樹脂の例は、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、またはこれらのコポリマーである。
【0034】
適切なフェノール樹脂は、構造の中でフェノール類が主な成分である合成樹脂、すなわち、特にフェノール−、クレゾール−、キシレノール−、およびレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノール樹脂、ならびにフェノール類とアセトアルデヒド、フルフロール、アクロレイン、または他のアルデヒドとの縮合物である。変性フェノール樹脂も対象となる。
【0035】
UV(紫外線)硬化性樹脂は、オレフィン性二重結合1個以上を含有することができる。これは、低い分子量(モノマー)であっても比較的高い分子量(オリゴマー)であってもよい。二重結合を含有するモノマーの例は、アルキルまたはヒドロキシアルキルアクリレートもしくはメタクリレート、例えば、メチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシル、もしくは2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メチルメタクリレート、またはエチルメタクリレートである。他の例は、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル(例えば酢酸ビニル)、ビニルエーテル(例えばイソブチルビニルエーテル)、スチレン、アルキルスチレンおよびハロスチレン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、または塩化ビニリデンである。
【0036】
二重結合を2個以上含有するモノマーの例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、およびビスフェノールAジアクリレート、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートもしくはテトラアクリレート、ビニルアクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルスクシネート、ジアリルフタレート、トリアリルホスフェート、トリアリルイソシアヌレート、またはトリス(2−アクリロイルエチル)イソシアヌレートである。
【0037】
比較的高い分子量(オリゴマー)のポリ不飽和化合物の例は、アクリル化エポキシ樹脂およびアクリル化ポリエステルまたはビニルエーテル−もしくはエポキシ−官能ポリエステル、ポリウレタン、およびポリエーテルである。不飽和オリゴマーの更なる例は、不飽和ポリエステル樹脂であり、通常マレイン酸、フタル酸、およびジオール1つ以上から製造され、約500〜3000の分子量を有する。これらのほかに、ビニルエーテルモノマーおよびオリゴマー、ならびにポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリビニルエーテル、およびエポキシド主鎖を有するマレエート末端オリゴマーを使用することもできる。特に、WO−A−90/01512に記載されているような、ビニルエーテル基を有するポリマーおよびオリゴマーの組合せが適切である。しかし、マレイン酸およびビニルエーテルで官能化したモノマーのコポリマーも適切である。
【0038】
ラジカル重合性二重結合を1個以上含有する化合物も適切である。このような化合物中で、ラジカル重合性二重結合は、(メタ)アクリロイル基の形態であるのが好ましい。(メタ)アクリロイルおよび(メタ)アクリルそれぞれは、本段落および以下では、アクリロイルおよび/またはメタクリロイルならびにアクリルおよび/またはメタクリルをそれぞれ意味する。分子中に少なくとも2個の重合性二重結合が(メタ)アクリロイル基の形態で存在するのが好ましい。当該化合物は、例えば、(メタ)アクリロイル−官能オリゴマーおよび/またはポリ(メタ)アクリレートの高分子化合物を含むことができる。この化合物の数平均分子量は、例えば300〜10000、好ましくは800〜10000であることができる。好ましくはラジカル重合性二重結合を(メタ)アクリロイル基の形態で含有する化合物は、通常の方法により、例えばポリ(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸とを反応させることにより得ることができる。これらおよび他の製造方法は、文献に記載されており、当業者に公知である。この種の不飽和オリゴマーはプレポリマーと呼ぶこともできる。
【0039】
官能化アクリレートも適切である。このような官能化アクリレートおよびメタクリレートポリマーの主鎖(ベースポリマー)形成に通常用いる適切なモノマーの例は、アクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどである。更に、官能ポリマーを得るために、重合時に適切な量の官能モノマーを共重合する。酸官能化アクリレートまたはメタクリレートポリマーは、酸官能モノマー、例えば、アクリル酸およびメタクリル酸を用いて得られる。ヒドロキシ官能アクリレートまたはメタクリレートポリマーは、ヒドロキシ官能モノマー、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、および3,4−ジヒドロキシブチルメタクリレートから形成される。エポキシ官能化アクリレートまたはメタクリレートポリマーは、エポキシ官能モノマー、例えば、グリシジルメタクリレート、2,3−エポキシブチルメタクリレート、3,4−エポキシブチルメタクリレート、2,3−エポキシシクロヘキシルメタクリレート、10,11−エポキシウンデシルメタクリレートなどを用いて得られる。同様に、例えば、イソシアネート官能化ポリマーは、イソシアネート官能化モノマー、例えばメタイソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートから製造することができる。
【0040】
特に適切な化合物は、例えば、エチレン性不飽和の一官能または多官能カルボン酸とポリオールまたはポリエポキシドとのエステル、およびポリマー鎖または側基にエチレン性不飽和基を含有するポリマー(例えば不飽和ポリエステル)、ポリアミド、およびポリウレタン、およびこれらのコポリマー、アルキド樹脂、ポリブタジエンおよびブタジエンコポリマー、ポリイソプレンおよびイソプレンコポリマー、側鎖に(メタ)アクリル基を含有するポリマーおよびコポリマー、ならびにこのようなポリマー1種以上の混合物である。
【0041】
適切な一官能または多官能不飽和カルボン酸の例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、不飽和脂肪酸(例えば、リノレン酸またはオレイン酸)である。アクリル酸およびメタクリル酸が好ましい。
【0042】
しかし、飽和のジカルボン酸またはポリカルボン酸を、不飽和カルボン酸との混合物で用いることもできる。適切な飽和のジカルボン酸またはポリカルボン酸の例は、テトラクロロフタル酸、テトラブロモフタル酸、フタル酸、トリメリト酸、ヘプタンジカルボン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸などを含む。
【0043】
適切なポリオールは、芳香族および特に脂肪族および脂環式のポリオールを含む。好ましい芳香族ポリオールの例は、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ならびにノボラックおよびレゾールである。ポリエポキシドの例は、上述のポリオール(特に芳香族ポリオール)およびエピクロロヒドリンをベースとするものである。更に、適切なポリオールは、ポリマー鎖または側基にヒドロキシル基を含有するポリマーおよびコポリマー、例えば、ポリビニルアルコールおよびそのコポリマーあるいはポリヒドロキシアルキルメタクリレートまたはそのコポリマーを含む。ヒドロキシル末端基を含有するオリゴエステルは、更なる適切なポリオールである。
【0044】
脂肪族および脂環式のポリオールの例は、好ましくは2〜12個の炭素原子を有するアルキレンジオール、例えば、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−、または1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、好ましくは200〜1500の分子量を有するポリエチレングリコール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−、または1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセリン、トリス(β−ヒドロキシエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、およびソルビトールである。
【0045】
ポリオールは、1種又はそれ以上の異なる不飽和カルボン酸で、部分的にまたは完全にエステル化されていてもよく、部分エステルの遊離ヒドロキシル基が変性、例えば、エーテル化または他のカルボン酸でエステル化されていてもよい。このようなエステルの例は、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、トリペンタエリスリトールオクタメタクリレート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ジペンタエリスリトールトリスイタコネート、ジペンタエリスリトールペンタイタコネート、ジペンタエリスリトールヘキサイタコネート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、オリゴエステルアクリレートおよびメタクリレート、グリセロールジアクリレートおよびトリアクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、分子量200〜1500のポリエチレングリコールのビスアクリレートおよびビスメタクリレート、またはこれらの混合物である。
【0046】
適切なUV硬化性樹脂は、同一または異なる不飽和カルボン酸と、アミノ基を好ましくは2〜6個、特に2〜4個有する芳香族、脂環式、および脂肪族ポリアミンとのアミドを含む。このようなポリアミンの例は、エチレンジアミン、1,2−、または1,3−プロピレンジアミン、1,2−、1,3−、または1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、1,6−ヘキシレンジアミン、オクチレンジアミン、ドデシレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、フェニレンジアミン、ビスフェニレンジアミン、ジ−β−アミノエチルエーテル、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジ(β−アミノエトキシ)−またはジ(β−アミノプロポキシ)エタンである。更なる適切なポリアミンは、側鎖に更なるアミノ基を含有してもよいポリマーおよびコポリマー、ならびにアミノ末端基を有するオリゴアミドである。このような不飽和アミドの例は、メチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、ジエチレントリアミントリスメタクリルアミド、ビス(メタクリルアミドプロポキシ)エタン、β−メタクリルアミドエチルメタクリレート、およびN−[(β−ヒドロキシエトキシ)エチル]アクリルアミドである。
【0047】
適切な不飽和ポリエステルおよびポリアミドは、例えば、マレイン酸およびジオールまたはジアミンから誘導される。マレイン酸は一部分を他のジカルボン酸で置き換えてもよい。これらはエチレン性不飽和コモノマー、例えばスチレンと一緒に用いることができる。ポリエステルおよびポリアミドも、ジカルボン酸およびエチレン性不飽和ジオールまたはジアミン、特に、例えば、6〜20個の炭素原子を有する比較的長鎖のものから誘導することができる。ポリウレタンの例は、飽和または不飽和のジイソシアネートと不飽和または飽和のジオールから、それぞれ合成されるものである。
【0048】
ポリブタジエンおよびポリイソプレンならびにこれらのコポリマーは公知である。適切なコモノマーの例は、オレフィン、例えば、エチレン、プロペン、ブテン、ヘキセン、(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、スチレン、または塩化ビニルである。側鎖に(メタ)アクリレート基を含有するポリマーも同様に公知である。これは例えば、ノボラックをベースにするエポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸との反応生成物、(メタ)アクリル酸でエステル化されたビニルアルコールまたはそのヒドロキシアルキル誘導体のホモポリマーもしくはコポリマー、あるいはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートでエステル化された(メタ)アクリレートのホモポリマーおよびコポリマーを含むことができる。
【0049】
UV硬化性樹脂は、単独または所望の混合物で用いることができる。ポリオール(メタ)アクリレートの混合物を使用することが好ましい。
【0050】
バインダを本発明の組成物に添加することも可能であり、これは光重合性の化合物が液体または粘稠な物質である場合、特に適切である。バインダの量は、全固形分に基づいて例えば5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%、特に40〜90重量%とすることができる。バインダの選択は、使用分野ならびにその分野に必要な特性、例えば、水性および有機溶媒系での展開性、基体への接着性、および酸素感受性に応じてなされる。
【0051】
不飽和化合物は、非光重合性の被膜形成成分との混合物で使用することもできる。これは、例えば、物理的に乾燥性ポリマーまたはその有機溶媒の溶液、例えばニトロセルロースまたはセルロースアセトブチレートであることができる。しかし、これらは化学的および/または熱的に硬化する樹脂、例えば、ポリイソシアネート、ポリエポキシド、またはメラミン樹脂であってもよい。メラミン樹脂は、メラミン(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン)の縮合物ばかりでなくメラミン誘導体の縮合物も意味する。一般に、成分は、熱可塑性プラスチックまたは熱硬化性樹脂をベースとし、主として熱硬化性樹脂をベースとする被膜形成バインダを含む。その例は、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、およびポリウレタン樹脂、ならびにこれらの混合物である。熱硬化性樹脂の追加使用は、光重合ならびに熱的な架橋の両方が可能であるハイブリッド系として公知であるものの使用にとって重要である。
【0052】
成分(a)は、例えば、
(a1)ラジカル重合性二重結合を1個以上含有し、更に付加反応および/または縮合反応(例を上で示した)の点で反応性である他の官能基を少なくとも1個含有する化合物、
(a2)ラジカル重合性二重結合を1個以上含有し、更に付加反応および/または縮合反応の点で反応性である他の官能基を少なくとも1個含有し、この追加の反応性官能基は成分(a1)の追加の反応性官能基に対して相補的であるか、または反応性である化合物、
(a3)所望ならば、付加反応および/または縮合反応の点で成分(a1)または成分(a2)からのラジカル重合性二重結合に加えて存在する官能基に対して反応性である官能基を少なくとも1個含有する、モノマー、オリゴマー、および/または高分子化合物の少なくとも1種
を含むコーティング組成物を含むことができる。
【0053】
成分(a2)は、いずれの場合も、成分(a1)に対して反応性であるか、または相補的である基を有する。このような関係において、いずれの場合も、1つの成分中に異なる種類の官能基が存在することが可能である。成分(a3)には、付加反応および/または縮合反応の点で反応性であり、そしてラジカル重合性二重結合に加えて存在する(a1)または(a2)の官能基と反応することができる官能基を含有する、利用可能な更なる成分がある。成分(a3)は、ラジカル重合性二重結合を含有しない。(a1)、(a2)、(a3)のこのような組合せの例を、WO−A−99/55785に見ることができる。適切な反応性官能基の例は、例えば、ヒドロキシル、イソシアナト、エポキシド、無水物、カルボキシル、またはブロックトアミノ基から選択される。例は前述した。
【0054】
コーティング組成物は、例えば、顔料、染料、充填剤、流れ調整剤、分散剤、チキソトロープ剤、接着促進剤、酸化防止剤、光安定剤、および硬化触媒からなる群より選択される成分の1つ以上を更に含むことができ、例えば次のものである。
【0055】
1.酸化防止剤
1.1.アルキル化モノフェノール、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチル−4,6−ジ−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、側鎖が直鎖状または分岐状であるノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1'−メチルヘプタデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデカ−1’−イル)フェノール、およびこれらの混合物。
【0056】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−t−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0057】
1.3.ヒドロキノン類およびアルキル化ヒドロキノン類、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシ−フェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0058】
1.4.トコフェロール類、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、およびこれらの混合物(ビタミンE)。
【0059】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル類、例えば、2,2’−チオビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−s−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−ジスルフィド。
【0060】
1.6.アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−t−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−t−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0061】
1.7.O−、N−、およびS−ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’−テトラ−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0062】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート類、例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジ−ドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0063】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0064】
1.10.トリアジン化合物、例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0065】
1.11.ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル−2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0066】
1.12.アシルアミノフェノール類、例えば、4−ヒドロキシラウルアニリド、4−ヒドロキシステアルアニリド、オクチルN−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0067】
1.13.β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の一価または多価アルコールとのエステル、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0068】
1.14.β−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸の一価または多価アルコールとのエステル、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス−(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル;3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカン。
【0069】
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の一価または多価アルコールとのエステル、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0070】
1.16.3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸の一価または多価アルコールとのエステル、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0071】
1.17.β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Uniroyalから供給されるNaugard(登録商標)XL-1)。
【0072】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)。
【0073】
1.19.アミン系酸化防止剤、例えば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−t−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン(例えばp,p’−ジ−t−オクチルジフェニルアミン)、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−t−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、t−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−およびジアルキル化t−ブチル/t−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシル−ジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化t−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−およびジアルキル化t−ブチル/t−オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−およびジアルキル化t−オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、ジノニルフェノチアジン、モノ−ノニルフェノチアジン、モノ−およびジアルキル化ノニルフェノチアジンの混合物、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブタ−2−エン、上述の非置換または置換ジフェニルアミン1種と上述の非置換または置換フェノチアジン1種との混合物。
【0074】
2.紫外線吸収剤および光安定剤
2.1.2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−s−ブチル−5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];2−[3’−t−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;
【0075】
【化5】

【0076】
(式中、R=3’−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル)、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0077】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン類およびホルムアミジン類、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ、および2’−ヒドロキシ−4,4’−ジ−メトキシベンゾフェノン;N−アルキル−N,N’−ジアリールホルムアミジン、例えば、安息香酸、4−[[(メチルフェニルアミノ)メチレン]アミノ]エチルエステル[Tinuvin 101 (登録商標)、Ciba Specialty Chemicals Inc.];安息香酸、4−[[(エチルフェニルアミノ)メチレン]アミノ]エチルエステル;2−プロペン酸、3−(4−メトキシフェニル)−、2−エチルヘキシルエステル[Uvinul 3088 (登録商標)、BASF];2−プロペン酸、2−シアノ−3,3−ジフェニル−、エチルエステル[Uvinul 3035 (登録商標)、BASF];または2−プロペン酸、2−シアノ−3,3−ジフェニル−、2−エチルヘキシルエステル[Uvinul 3039(登録商標)、BASF]。
【0078】
2.3.置換および非置換安息香酸のエステル、例えば、4−t−ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−t−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0079】
2.4.アクリレート、例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート、およびN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン。
【0080】
2.5.ニッケル化合物、例えば、2,2’−チオビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体(例えば1:1または1:2錯体;更なる配位子、例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、またはN−シクロヘキシルジエタノールアミンを有するか、または有さない)、ニッケルジブチルジチオカルバメート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルホスホン酸のモノアルキルエステル(例えばメチルまたはエチルエステル)のニッケル塩、ケトオキシム(例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトオキシム)のニッケル錯体、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体(更なる配位子を有するかまたは有さない)。
【0081】
2.6.立体障害アミン、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−t−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの線状もしくは環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1'−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの線状もしくは環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−および4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンおよび2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS Reg. No.[136504-96-6]);1,6−ヘキサンジアミンおよび2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびにN,N−ジブチルアミンおよび4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS Reg. No.[192268-64-7]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸の1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、無水マレイン酸−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物。
【0082】
2.7.オキサミド類、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−t−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−t−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エトキサニリドおよびそれの2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−t−ブトキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、ならびにo−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0083】
2.8.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン類、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0084】
3.金属不活性化剤、例えば、N,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0085】
4.ホスファイト類およびホスホナイト類、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス(t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−12H−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2’’−ニトリロ−[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−t−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0086】
5.ヒドロキシルアミン類、例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミンから誘導したN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0087】
6.ニトロン類、例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、水素化牛脂アミンから誘導したN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンより誘導したニトロン。
【0088】
7.チオ相乗剤、例えば、ジラウリルチオジプロピオネートまたはジステアリルチオジプロピオネート。
【0089】
8.過酸化物スカベンジャー、例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル(例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチル、またはトリデシルエステル)、メルカプトベンゾイミダゾール、または2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0090】
9.塩基性共安定剤、例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウム、およびパルミチン酸カリウム、ピロカテコール酸アンチモン、またはピロカテコール酸亜鉛。
【0091】
10.充填剤および強化剤、例えば、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、ガラス球、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物および水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉、および他の天然産物の粉または繊維、合成繊維。
【0092】
11.他の添加剤、例えば、可塑剤、滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流れ調整剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、帯電防止剤、および発泡剤。
【0093】
12.ベンゾフラノン類およびインドリノン類、例えば、U.S.4,325,863、U.S.4,338,244、U.S.5,175,312、U.S.5,216,052、U.S.5,252,643、DE−A−4316611、DE−A−4316622、DE−A−4316876、EP−A−0589839、EP−A−0591102、もしくはEP−A−1291384に開示されているもの、または3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−t−ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−t−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−t−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−t−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−t−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−t−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−t−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−t−ブチルベンゾフラン−2−オン、あるいは3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチルベンゾフラン−2−オン。
【0094】
更なる添加剤は、例えば、コーティング組成物の合計重量を基準として0.01〜10%の濃度で加える。
【0095】
顔料は、例えば、二酸化チタン、酸化鉄、アルミニウム青銅、またはフタロシアニンブルーである。
【0096】
充填剤の例は、タルク、アルミナ、ケイ酸アルミニウム、バライト、マイカ、およびシリカである。
【0097】
流れ調整剤およびチキソトロープ剤は、例えば、変性ベントナイトをベースとする。
【0098】
接着促進剤は、例えば、変性シランをベースとする。
【0099】
適切な硬化触媒は、例えば光開始剤である。本発明の方法で使用するのに適切な光開始剤は、基本的に、電磁波を照射した時に、ラジカル1つ以上を形成する全ての化合物および混合物である。これらは、互いに独立にまたは相乗的に作用する複数の開始剤および系からなる開始剤系を含む。共開始剤、例えばアミン、チオール、ホウ酸塩、エノレート、ホスフィン、カルボキシレート、およびイミダゾールのほかに、増感剤、例えばアクリジン、キサンテン、チアジン、クマリン、チオキサントン、トリアジン、および染料を使用することもできる。このような化合物および開始剤系の記載は、例えば、Crivello J.V., Dietliker K.K., (1999): Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings, Inks & Paints、およびBradley G.(ed.)Vol. 3: Photoinitiators for Free Radical and Cationic Polymerisation 2nd Edition, John Wiley & Son Ltd.に見ることができる。このような化合物および誘導体は、例えば、以下の種類の化合物:ベンゾイン、ベンジルケタール、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ヒドロキシアルキルフェノン、アミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、アシルホスフィンスルフィド、ビスアシルホスフィンスルフィド、アシルオキシイミノケトン、アルキルアミノ置換ケトン(例えばミヒラーケトン)、ペルオキシ化合物、ジニトリル化合物、ハロゲン化アセトフェノン、フェニルグリオキシレート、フェニルグリオキシレート二量体、ベンゾフェノン、オキシムおよびオキシムエステル、チオキサントン、クマリン、フェロセン、チタノセン、オニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、ホウ酸塩、トリアジン、ビスイミダゾール、ポリシラン、ならびに染料から誘導する。上記種類の化合物からの化合物の互いの組合せ、ならびに対応する共開始剤系および/または増感剤との組合せを使用することもできる。
【0100】
特に関心がもたれるのは、成分(b)の固形分が、コーティング組成物の全固形分の重量に基づいて、0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%、特に0.1〜5重量%、もっとも好ましくは0.1〜4重量%の量で存在するコーティング組成物である。
【0101】
本発明は、第1の成分(a)と成分(b)とを混合する工程;常圧下、50〜140℃の温度範囲で、溶媒の大部分または全てが蒸発するまで溶媒を蒸留する工程;そして場合により、第2の成分(a)を添加する工程を含む、コーティング組成物の製造の方法にも関する。
【0102】
特に関心がもたれるのは、第1の成分(a)がポリオールであり、かつ第2の成分(a)がポリイソシアネートであるか、あるいは第1の成分(a)がポリアクリレートであり、かつ第2の成分(a)がメラミンである、コーティング組成物の製造の方法である。
【0103】
コーティング材料は、通常の手法により、例えば、噴霧法、浸漬法、塗布法、または電着法により、基体に適用することができる。多くの場合、複数のコートを適用する。バインダが物理的、化学的、もしくは酸化的に乾燥する樹脂であるか、または熱硬化もしくは放射線硬化樹脂であるかによるが、コーティングは室温でか、もしくは加熱(焼付け)によるか、または照射により硬化される。
【0104】
コーティング材料は好ましくは、金属基体、例えば、鉄、スチール、銅、亜鉛またはアルミニウム、およびこれらの合金;プラスチック;または自動車基体用のクリヤコートまたはトップコートである。
【0105】
更に関心がもたれるのは、着色されたコーティング組成物で被着されたベースコート、およびベースコート上のトップコートとして形成された上述の本発明のいずれか1つの硬化組成物を含む、多成分複合コーティング組成物である。
【0106】
成分(b)は、更に、コーティングと金属との間の接着性に有利な影響を及ぼす利点を有し、新規な本コーティング組成物の貯蔵安定性への悪影響を示さず、そしてバインダとの良好な相溶性を示す。
【0107】
したがって、本発明の好ましい実施態様は、成分(b)の、表面用コーティング組成物中でのコーティングの強化剤および耐引掻性の改善剤としての使用である。
【0108】
本発明は、成分(a)および(b)含むコーティング組成物を基体に適用し、次いでそれを乾燥および/または硬化させることを含む、基体を保護するための方法にも関する。
【0109】
本発明は、同様に、表面の耐引掻性が改良された強化コーティングを製造する方法であり、成分(a)および(b)を含むコーティング組成物で該表面を処理し、次いでそれを乾燥および/または硬化させることを含む方法に関する。
【0110】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。部および%は重量によるものである。
【0111】
実施例1:ゾル101の製造
a)ポリオール成分P1の製造
Macrynal SM 510n(60%の供給形態、Solutiaから)54.8g、ブチルグリコールアセテート11.5g、Solvesso 100(Exxonから入手)4.70g、メチルイソブチルケトン5.68g、オクタン酸亜鉛0.07g、およびBYK 300(Byk-Chemie、Germany、消泡剤)0.15gを混合して、ポリオール成分P1 76.9を得た。
【0112】
b)ゾル101の製造
テトラエトキシシラン(Fluka AG、Switzerland)64.6gをメタノールで全容量500mLに希釈した。この透明な溶液を、アンモニア12.5gおよび水37.5gの両方が全体として500mLのメタノールに溶解した溶液と同時に、1Lの丸底フラスコに加えた。溶液を2時間攪拌した。この時間の後、動的光散乱は粒子サイズ23nmを示した。この溶液21.55gを、実施例1aにより製造したポリオール成分P1 29.98gに加え、攪拌により十分に混合した。混合物を揮発分の蒸留により、最終重量28.06g(残留固形分35.8%)のゾル101に濃縮した。
【0113】
実施例2:ゾル102の製造
実施例1bにより製造したメタノール溶液3.17gを、実施例1aにより製造したポリオール成分P1 30.02gに加え、攪拌により十分に混合した。混合物を揮発分の蒸留により、最終重量30.78g(残留固形分40.6%)のゾル102に濃縮した。
【0114】
実施例3:ゾル103の製造
テトラエトキシシラン(Fluka AG、Switzerland)11.2gをエタノールで全容量90mLに希釈した。この透明な溶液を、アンモニア2.59gおよび水7.77gの両方が全体として90mLのエタノールに溶解した溶液と同時に、250mLの丸底フラスコに加えた。溶液を5時間攪拌した。この時間の後、動的光散乱/透過電子顕微鏡は、粒子サイズ100nmを示した。この溶液60.05gを、実施例1aにより製造したポリオール成分P1 51.30gに加え、攪拌により十分に混合した。混合物を42℃、225mmbarで、蒸発により濃縮して、ゾル103 56.68g(残留固形分49.8%)を得た。
【0115】
実施例4:ゾル104の製造
テトラエトキシシラン(Fluka AG、Switzerland)27.50g をメタノールで全容量250mLに希釈した。この透明な溶液を、アンモニア8.75gおよび水26.25gの両方が全体として250mLのメタノールに溶解した溶液と同時に、500mLの丸底フラスコに加えた。溶液を2時間攪拌した。この時間の後、動的光散乱は粒子サイズ162nmを示した。この溶液3.43gを、実施例1aにより製造したポリオール成分P1 40.04gに加え、攪拌により十分に混合した。この混合物の重量を揮発分の蒸留により調節し、ゾル104 25.75g(残留固形分43.1%)を得た。
【0116】
実施例5:ゾル105の製造
エタノール1.2Lおよびアンモニア水(25%)70mLを、1.5Lのフラスコ中で混合し、5分間攪拌した。次に、テトラエトキシシラン167.1g(180mL)を一度に加え、溶液を周囲温度で2日間攪拌した。この溶液1Lを別の1.5Lのフラスコに移し、3−メタクリロイルオキシプロピル−トリメトキシシラン(Silan A174、Fluka、purum)31.35g(30mL)を一度に加え、1時間攪拌した。窒素をこの「ゾル」に、まず室温で2時間、次に75℃でゾルの容量が約250mLに減少するまでバブリングした。ヘキサン100mLを加え、白色の沈殿物を遠心分離(2000rpm、7分)により単離した。沈殿物を、ヘキサン100mLとエタノール30mLとの混合液に再懸濁させ、上述したように遠心分離で単離することにより精製した。酢酸n−ブチル50mLを加え、均質で安定したわずかに不透明なシリカナノ粒子の分散液を得るまで、混合物を2時間激しく振盪した。透過電子顕微鏡(TEM)で測定した粒子サイズは132nmであり、固形分は35重量%であった。
【0117】
実施例6:ポリウレタンコーティングの耐引掻性
実施例1〜4により製造したゾル101〜104の特定量(表1を参照)を、Desmodur N 75(登録商標)(イソシアネート、Bayerから)2.31gで処理した。続いて、得られたクリヤコート配合物(固形分50%)を、透明なトップコートとして、黒色のベースコートでプレコートされたアルミニウムパネル(10cm×30cm)上に、乾燥被膜厚さ40μmで適用した。適用後、クリヤコートを80℃で45分間硬化させた。
【0118】
コーティングしたパネルの耐引掻性を、次の方法を用いて測定した:硬化48時間後、パネルの20°光沢度を測定した(DIN 67 530)。続いてパネルに、Amtec Kistler装置により、表1に示すようなサイクル数の引掻きを施した。各テストパネルの引掻かれた領域で、20°光沢度を再び測定した。結果を表1にまとめた。
【0119】
【表1】

【0120】
実施例7:UV硬化性コーティングの耐引掻性
実施例5により製造したゾル105の特定量(表3を参照)を、表2に記載の樹脂混合物50gに加えた。
【0121】
【表2】

【0122】
続いて、得られた20重量%のシリカを含有するクリヤコート配合物を、透明なトップコートとして、黒色ベースコートでプレコートされたアルミニウムパネル(10cm×30cm)上に、乾燥被膜厚さ40μmで適用した。適用後、オーブン中で、80℃で10分間、溶媒をフラッシュ蒸発させて除いた。クリヤコートを、2個の中圧水銀灯(それぞれ120W/cm)のもと、コンベヤベルト速度5m/分で硬化させた。
【0123】
コーティングしたパネルの耐引掻性を実施例6と同様に測定した。結果を表3にまとめた。
【0124】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)有機被膜形成バインダ、および
b)金属アルコラート、金属ハロゲン化物、または式(I):
【化1】


(式中、
1は、C1〜C8アルキル、C5〜C8シクロアルキル、フェニル、またはC1〜C4アルキル置換フェニルであり、
2は、C1〜C8アルキルであり、そして
nは、0、1、2、または3である)で示される化合物の塩基を用いての加水分解を含む方法により製造した、水性またはアルコール性の溶媒に分散させた小さな粒子サイズの無機添加剤
を含む、コーティング組成物。
【請求項2】
コーティングが透明である、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項3】
金属が、ベリリウム、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、またはセリウムである、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項4】
アルコール性の溶媒が、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、またはt−ブタノールである、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項5】
塩基が、式(II):
【化2】


(式中、R3、R4、およびR5は、互いに独立に、水素またはC1〜C8アルキルである)で示されるアミンである、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項6】
無機添加剤の粒子サイズが2〜300nmの範囲にある、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項7】
加水分解を−20〜80℃の温度で行う、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項8】
nが0である、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項9】
成分(b)が、アンモニア水で加水分解した式(I)の化合物(式中、R2は、エチルであり、そしてnは、0である)である、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項10】
コーティング組成物がペイントである、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項11】
コーティング組成物が水性ペイントである、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項12】
成分(a)が、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、アクリルコポリマー樹脂、ポリビニル樹脂、フェノール樹脂、スチレン/ブタジエンコポリマー樹脂、ビニル/アクリルコポリマー樹脂、ポリエステル樹脂、UV硬化性樹脂、アルキド樹脂、またはこれらの樹脂2種以上の混合物、あるいはこれらの樹脂またはこれらの樹脂の混合物の塩基性もしくは酸性の水性分散液、あるいはこれらの樹脂またはこれらの樹脂の混合物の水性エマルションである、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項13】
顔料、染料、充填剤、流れ調整剤、分散剤、チキソトロープ剤、接着促進剤、酸化防止剤、光安定剤、および硬化触媒からなるクラスから選択される成分1つ以上を更にを含む、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項14】
成分(b)の固形分が、コーティング組成物の全固形分重量に基づいて、0.01〜20%の量で存在する、請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項15】
第1の成分(a)と成分(b)とを混合する工程;常圧下、50〜140℃の温度範囲で、溶媒の大部分または全てが蒸発するまで溶媒を蒸留する工程;そして場合により、第2の成分(a)を添加する工程を含む、請求項1記載のコーティング組成物の製造方法。
【請求項16】
第1の成分(a)がポリオールであり、かつ第2の成分(a)がポリイソシアネートであるか、あるいは第1の成分(a)がポリアクリレートであり、かつ第2の成分(a)がメラミンである、請求項15記載の方法。
【請求項17】
請求項1記載のコーティング組成物を基体に適用し、次いでそれを乾燥および/または硬化させることを含む、基体を保護するための方法。
【請求項18】
表面の耐引掻性が改良された強化コーティングを製造する方法であり、請求項1記載のコーティング組成物で該表面を処理し、次いでそれを乾燥および/または硬化させることを含む方法。
【請求項19】
表面用のコーティング組成物における、コーティングの強化剤および耐引掻性の改善剤としての、請求項1記載の成分(b)の使用。

【公表番号】特表2007−508433(P2007−508433A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534750(P2006−534750)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【国際出願番号】PCT/EP2004/052448
【国際公開番号】WO2005/040289
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】