説明

改良された表面硬度を有するポリカーボネート組成物

【課題】改良された表面硬度を有するポリカーボネート組成物、その製造方法、および混合物、成形物および押出物の生産への該製造方法を提供。
【解決手段】1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3メチル−フェニル)シクロヘキサンに代表される脂環式構造を有するジオールモノマー単位を主鎖に有するポリカーボネイト10〜90重量部と、下記式(4)のジオールモノマー単位を有するポリカーボネイト90〜10重量部からなる組成物および該組成物からなる成形物。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、全ての有用な目的のために、参照によって、全体がここに組み入れられている2009年12月12日に出願された欧州特許出願番号09015397.4にの利益を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、改良された表面硬度を有するポリカーボネート組成物、その製造方法、ならびに成形物および押出物の生産への該ポリカーボネート組成物の使用に関するものである。
【背景技術】
【0003】
芳香族ポリカーボネートは、工業用熱可塑性プラスチックからなる群に属している。それらは、透明性、耐熱変形性および靭性などの技術的に重要な特性の組み合わせによって特徴づけられる。
【0004】
WO2007/008390A2には、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンおよび場合により2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを含むコポリカーボネートが記載されている。このコポリカーボネートを含む窓および他の物品が、特に良好な耐スクラッチ性を持っていることが開示されている。
【0005】
WO2008/008599A2には、8ニュートンの引っ掻き力をかけた場合に、20ミクロン未満の引っ掻き深さを生じる耐炎性物品の製造用に、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび/または1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンを含んでいてもよいポリカーボネートの使用が記載されている。
【0006】
分子中に堅固な環架橋を含むジフェノールが、DE1300267Aに記載された。これらのジフェノールからの直鎖ポリカーボネートの製造も、ここに記載されている。しかし、ホモポリカーボネートのみが、実施例中で調製されている。したがって、例えば、飽和2環架橋炭化水素環を含むジフェノール4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノールが、ここに記載されている。該文献中においては、目的は、改良された高温特性を有するポリカーボネートを提供することである。記載されたホモポリカーボネートは、より良好な耐熱変形性(高ガラス転移温度)および揮発性溶媒への溶解性を有すると言われている。フィルムキャスティングによって得ることができる膜などの物品が、これを用いて得られるため、あるいは、有機溶液からの湿式あるいは乾式紡糸によって、ポリマーより糸をそれから得ることができるので、このことは、該発明による利点と見なされる。同一特許群に属するUS3517071Aも、実施例中にホモポリカーボネートのみを開示している。混合成分中に対応する構成要素を含むポリカーボネート組成物の表面硬度の耐引っ掻き性を増加させるために、該特許は、作用に関する教示を何ら提供していない。
【0007】
しかしながら、先行技術から公知のポリカーボネート組成物は、熱安定性および耐引っ掻き性が決定的な役割を持つ特定の用途には、適していない。
【0008】
したがって、高温において安定であり、かつ他の点で同等に良好な特性と組み合わせて、増加した耐引っ掻き性を有するポリカーボネート組成物に対する要望がある。
【0009】
本出願の文脈においては、ポリカーボネート組成物(あるいは混合物)は、2つ以上のポリカーボネートの混合物を意味するものと理解され、また場合により、添加物あるいは他の熱可塑性プラスチックを含むポリカーボネートを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、特に高い表面硬度を有するポリカーボネート組成物およびその製造方法を提供することであり、また、さらなる耐引っ掻き性層を適用することなく、表面の安定性に関する特定の要望が定められる用途のためのポリカーボネート組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施態様は、
A)成分AおよびBの合計重量部に対して、式(1a)、(1b)および(1c)の1つ以上のモノマー単位を含むポリカーボネート10〜90重量部と;
【化1】

(式中、R1は、互いに独立して、C〜Cアルキルであり、
nは、式(1a)および(1b)については0、1、2あるいは3であり、また式(1c)については、3、4、5あるいは6であり、
R2は、互いに独立して、水素あるいは、直鎖あるいは分岐状C〜C10アルキルである。)
B)成分AおよびBの合計重量部に対して、式(4)の化合物に由来する1つ以上のモノマー単位を含むポリカーボネート90〜10重量部;
【化2】

(式中、R3は、水素、直鎖あるいは分岐状C〜C10アルキルであり、
R4は、直鎖あるいは分岐状C〜C10アルキルである。)と
を含むポリカーボネート組成物である。
【0012】
本発明の別の実施態様は、R2およびR3は、互いに独立して、水素あるいはメチルである上記のポリカーボネート組成物である。
【0013】
本発明の別の実施態様は、成分Aあるいは成分Bの少なくとも1つが、さらに式(3a)のジフェノールに基づいたモノマー単位を含む、上記のポリカーボネート組成物である:
【化3】

(式中、R5およびR6は、互いに独立して、水素、C〜C18アルキル、C〜C18アルコキシ、ハロゲンあるいは場合により置換されたアリールあるいはアラルキルであり、
Xは、単結合、−SO−、−CO−、−O−、−S−、C〜Cアルキレン、C〜Cアルキリデン、あるいはC〜Cシクロアルキリデンであり、ここで、該C〜Cアルキレン、C〜Cアルキリデン、あるいはC〜Cシクロアルキリデンは、ヘテロ原子を含むさらなる芳香族環と場合により縮合してもよいC〜Cアルキル、あるいはC〜C12アリレンと場合により置換されている。)。
【0014】
本発明の別の実施態様は、該ポリカーボネート組成物が、成分AおよびBの合計重量部に対して、各場合において、20〜80重量部の成分Aと80〜20重量部の成分Bとを含む、上記のポリカーボネート組成物である。
【0015】
本発明の別の実施態様は、該ポリカーボネート組成物が、成分AおよびBの合計重量部に対して、各場合において、25〜65重量部の成分Aと75〜35重量部の成分Bとを含む、上記のポリカーボネート組成物である。
【0016】
本発明の別の実施態様は、成分Aが、式(2d)〜(2i)の化合物に由来する1つ以上のモノマー単位を含む、上記のポリカーボネート組成物である:
【化4】

【0017】
本発明の別の実施態様は、成分Aが、式(3c)および(3d)の化合物に由来するモノマー単位を含む、上記のポリカーボネート組成物である:
【化5】

【0018】
本発明の別の実施態様は、成分AおよびBの合計重量部に対して、0〜5重量部の添加物をさらに含む、上記のポリカーボネート組成物である。
【0019】
本発明のさらに別の実施態様は、上記のポリカーボネート組成物から得られた成形物、押出物、フィルムあるいはフィルム積層物である。
【0020】
本発明のさらに別の実施態様は、該ポリカーボネートが、コポリカーボネートである、上記のポリカーボネート組成物から得られた共押出層を含む成形物、押出物あるいはフィルムである。
【0021】
本発明のさらに別の実施態様は、該成形物、押出物、フィルムあるいはフィルム積層物が、電気あるいは電子素子におけるキーパッド、レンズ、スクリーン/ディスプレイカバーあるいはLED用途である、成形物、押出物、フィルムあるいはフィルム積層物である。
【0022】
本発明のさらに別の実施態様は、界面プロセスあるいは溶融エステル交換プロセスにより、ポリカーボネートを配合する工程を含み、該ポリカーボネートが、式(1a)、(1b)あるいは(1c)のモノマー単位を含む、請求項1記載のポリカーボネート組成物の製造方法である。
【0023】
驚くべきことに、2環あるいは3環脂肪族構造単位を経由した堅固な環架橋あるいは少なくとも1つの3置換シクロアルキル環を分子中に持つジフェノールをベースとしたポリカーボネート成分、およびさらなるポリカーボネート成分を含むポリカーボネート組成物は、既知の高耐引っ掻き性を有するコポリカーボネートよりも、さらに高い表面硬度を有していることが見出された。
【0024】
したがって、本発明は、
A)(成分A+Bの合計重量部に対して)、一般式(1a)、(1b)および(1c)の化合物に由来する1つ以上のモノマー単位を含むポリカーボネート10〜90重量部、好ましくは20〜80重量部、特に好ましくは25〜65重量部と、
【化6】

(式中、R1は、互いに独立して、C〜Cアルキル、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、特に好ましくは、メチルであり、
nは、構造(1a)および(1b)については0、1、2あるいは3であり、構造(1c)については、3、4、5あるいは6であり、
R2は、互いに独立して、水素あるいは、直鎖あるいは分岐状C〜C10アルキルであり、好ましくは、直鎖あるいは分岐状C〜Cアルキル、特に好ましくは、直鎖あるいは分岐状C〜Cアルキル、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、および非常に特に好ましくは、水素あるいはメチルである。)
B)(成分A+Bの合計重量部に対して)、一般式(4)の化合物に由来する1つ以上のモノマー単位を含むポリカーボネート90〜10重量部、好ましくは80〜20重量部、特に好ましくは75〜35重量部
【化7】

(式中、R3は、水素、直鎖あるいは分岐状C〜C10アルキルであり、好ましくは直鎖あるいは分岐状C〜Cアルキルであり、特に好ましくは直鎖あるいは分岐状C〜Cアルキルであり、特に非常に好ましくは水素あるいはCアルキル(メチル)であり、
また式中、R4は、直鎖あるいは分岐状C〜C10アルキルであり、好ましくは直鎖あるいは分岐状C〜Cアルキルであり、特に好ましくは直鎖あるいは分岐状C〜Cアルキルであり、非常に特に好ましくはCアルキル(メチル)である。)と、
C)(各場合において、成分A+Bの合計重量部に対して)、場合により、添加剤0〜5重量部、好ましくは0〜2.5重量部、特に好ましくは0〜1重量部とを含むポリカーボネート組成物に関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
成分A
該モノマー単位は、一般式(2a)、(2b)および(2c)の対応するジフェノールを経由して導入され、ここで、該R1およびR2は、式(1a)、(1b)および(1c)の下に記述される意味を持っている。
【化8】

【0026】
一般式(2d)〜(2i)により記述される本発明による化合物が、特に好ましい。
【化9】

【0027】
式(2e)、(2g)および(2i)により記述される化合物が、特に非常に好ましく、特にビスフェノールTMCの形式で式(2i)を有する化合物が、特に非常に好ましい。
【0028】
本発明により使用されることになる式(2)のジフェノールおよびホモポリカーボネートにおけるその使用は、部分的には、文献で公知である。しかしながら、これらのジフェノールから得られるコポリカーボネート、および必要とされる相対的に高い表面硬度を有する用途に対するその有用性は、今日まで記述されていない。
【0029】
式(2)の1つ以上のジフェノールに加えて、式(3a)の化合物の群から選択される1つ以上のジフェノールは、さらなるモノマー単位として存在してもよい:
【化10】

式中、R5およびR6は、互いに独立して、水素、C〜C18アルキル、C〜C18アルコキシ、ClあるいはBrなどのハロゲン、あるいは、各場合に場合により置換されたアリールあるいはアラルキル、好ましくは水素あるいはC〜C12アルキル、特に好ましくは水素あるいはC〜Cアルキル、また特に非常に好ましくは水素あるいはメチルを表し、
Xは、単結合、−SO−、−CO−、−O−、−S−、C〜Cアルキレン、C〜Cアルキリデン、あるいはC〜Cシクロアルキリデンであり、これらはC〜Cアルキル、好ましくはメチルあるいはエチルにより置換されていてもよく、またさらに、ヘテロ原子を含むさらなる芳香族環と場合により縮合してもよいC〜C12アリレンを表す。
好ましくは、Xは、単結合、C〜Cアルキレン、C〜Cアルキリデン、C〜Cシクロアルキリデン、−O−、−SO−、−CO−、−S−、−SO−、あるいは式
【化11】

の1つのラジカルを表し、
ここで、
互いに独立して、各Xについて個別に選択可能なR7およびR8は、水素あるいはC〜Cアルキル、好ましくは水素、メチルあるいはエチルを示し、
は、炭素を示し、
R7およびR8が、少なくとも1つの原子X上で同時にアルキルであるという条件の場合に、mは、4〜7、好ましくは4あるいは5の整数を示す。
【0030】
ハイドロキノン、レソルシノール、ジヒドロキシビフェニル、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホキシド、α、α’−ビス(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン、および核上でアルキル化され、また核上でハロゲン化されるそれらの化合物、およびα、ω−ビス(ヒドロキシフェニル)ポリシロキサンも、本発明による式(1)のジフェノールに加えて使用できる式(3a)のジフェノールについての例として記述される。
【0031】
式(3a)の好ましいジフェノールは、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(DOD)、4,4’−ジヒドロキシビフェニルエーテル(DODエーテル)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン(ビスフェノールM)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、および2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンである。
【0032】
特に好ましいジフェノールは、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(DOD)、4,4’−ジヒドロキシビフェニルエーテル(DODエーテル)、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン(ビスフェノールM)、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)である。
【0033】
式中、R5は、水素、直鎖あるいは分岐状C〜C10アルキル、好ましくは直鎖あるいは分岐状C〜Cアルキル、特に好ましくは直鎖あるいは分岐状C〜Cアルキル、特に非常に好ましくは水素あるいはCアルキル(メチル)を表し、また式中、R6は、直鎖あるいは分岐状C〜C10アルキル、好ましくは直鎖あるいは分岐状C〜Cアルキル、特に好ましくは直鎖あるいは分岐状C〜Cアルキル、特に非常に好ましくはCアルキル(メチル)を表している一般式(3b)の化合物:
【化12】

が、特に非常に好ましい。
【0034】
特に、ジフェノール(3c)および(3d)が、ここでは、特に非常に好ましい。
【化13】

【0035】
一般式(3)のジフェノールは、単独でおよび互いの混合物として使用できる。該ジフェノールは、文献から公知であり、あるいは文献(例えば、H.J.Buyschら編、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,VCH、ニューヨーク1991、第5版、第19巻、348頁参照)から公知の方法により製造できる。
【0036】
該コポリカーボネート中の本発明によるジフェノールの割合は、(使用されるジフェノールの合計モル数に対して)0.1〜88モル%、好ましくは1〜86モル%、特に好ましくは5〜84モル%、特に非常に好ましくは10〜82モル%である。
【0037】
本発明によるコポリカーボネートの好ましいジフェノレート単位は、上記した式(2)および(3)の一般構造を持つモノマーに由来する。
【0038】
該ポリカーボネート組成物のコポリカーボネート成分は、ブロックおよびランダムコポリカーボネートとして存在していてよい。次の式のジフェノールに由来するジフェノレート単位を含むランダムコポリカーボネートが、特に好ましい:
【化14】

ここで、該コポリカーボネート中のジフェノレートモノマー単位の頻度の割合は、使用されるジフェノールのモル比から得られる。
【0039】
成分B
ポリカーボネート組成物の成分Bは、以下のジフェノール単位に由来する:
【化15】

式中、R3は、水素、直鎖あるいは分岐状C〜C10アルキルであり、好ましくは直鎖あるいは分岐状C〜Cアルキルであり、特に好ましくは直鎖あるいは分岐状C〜Cアルキルであり、特に非常に好ましくは水素あるいはCアルキル(メチル)であり、
また式中、R4は、直鎖あるいは分岐状C〜C10アルキルであり、好ましくは直鎖あるいは分岐状C〜Cアルキルであり、特に好ましくは直鎖あるいは分岐状C〜Cアルキルであり、非常に特に好ましくはCアルキル(メチル)である。
【0040】
特に非常に好ましくは、ポリカーボネート組成物の成分Bは、ジフェノール(5)のホモポリカーボネートを表す。
【化16】

【0041】
成分Aについて既に記述したように、式(4)の1つ以上のジフェノールに加えて、式(3a)の化合物の群から選択される1つ以上のジフェノールが、さらなるモノマー単位として存在していてもよい。
【0042】
該ポリカーボネートあるいはコポリカーボネートも、分岐していてもよい。この目的のために、例えば、使用されるジフェノールのモル数に対して、イサチンビスクレゾール(IBK)あるいはフロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)へプタ−2−エン;4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシルフェニル)ヘプタン;1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン;1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン(THPE);トリ(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;2,2−ビス[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン;2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノール;2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール;2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン;ヘキサ(4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェニル)オルソテレフタル酸エステル;テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン;テトラ(4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノキシ)メタン;α,α’,α’’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン;2,4−ジヒドロキシ安息香酸;トリメシン酸;シアヌル酸クロライド;3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドール;1,4−ビス(4’,4’’−ジヒドロキシトリフェニル)メチルベンゼン、および特に1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン(THPE)およびビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールなどの特定の少量、好ましくは0.05〜5モル%の間の量、特に好ましくは0.1〜3モル%、特に非常に好ましくは0.1〜2モル%の3官能性化合物が、分岐剤として使用される。
【0043】
これらの分岐剤を使用することにより、分岐した構造が生じる。この生じた長鎖分岐が、一般的には、直鎖のタイプに比べて、構造粘性において顕在化する得られたポリカーボネートのレオロジー特性をもたらすことになる。
【0044】
界面プロセスによって高分子量ポリカーボネートを得るために、2相混合物中で、ジフェノールのアルカリ金属塩をホスゲンと反応させる。例えば、フェノール、tert−ブチルフェノールあるいはクミルフェノール、特に好ましくはフェノール、tert−ブチルフェノールなどの連鎖停止剤として作用するモノフェノールの量により、その分子量を制御できる。これらの反応において、事実上排他的に直鎖ポリマーが形成される。このことは、末端基分析によって検出することができる。いわゆる分岐剤、一般的にポリヒドロキシ化された化合物の標的使用により、分岐ポリカーボネートも得られる。
【0045】
本発明は、さらに、ジフェノールおよび場合によっては分岐剤を、アルカリ水溶液中に溶解させ、アルカリ水溶液、有機溶媒および触媒、好ましくはアミン化合物の2相混合物中で、場合により溶媒中に溶解したホスゲンなどのカーボネート源と反応させることを特徴とする、式(2)および(3)のジフェノールに由来するジフェノレート単位を含む本発明によるポリカーボネート成分の混合物の製造方法に関する。反応手順は、複数の段階で行われてもよい。
【0046】
そのようなポリカーボネート製造方法は、例えば、H.Schnell,Chemistry and Physics of Polycarbonates,Polymer Reviews,第9巻33頁、Interscience Publishers,ニューヨーク 1964年(以下参照)から、およびPolymer Reviews,第10巻,第8章325頁、”Condensation Polymers by Interfacial and Solution Methods”、Paul W.Morgan、Interscience Publishers,ニューヨーク、1965年から、その原理が界面プロセスとして公知であり、したがって、根本的な条件は、当業者にはよく知られている。
【0047】
アルカリ水溶液中のジフェノールの濃度は、2〜25重量%、好ましくは2〜20重量%、特に好ましくは2〜18重量%、特に非常に好ましくは3〜15重量%である。該アルカリ水溶液は、水からなり、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水酸化物が水中に溶解している。水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましい。
【0048】
カーボネート源としてホスゲンを使用する場合には、有機溶媒に対するアルカリ水溶液の体積比は、5:95〜95:5、好ましくは20:80〜80:20、特に好ましくは30:70〜70:30、また特に非常に好ましくは40:60〜60:40である。ホスゲンに対するジフェノールのモル比は、1:10未満、好ましくは1:6未満、特に好ましくは1:4未満、特に非常に好ましくは1:3未満である。有機相中での本発明による分岐ポリカーボネートおよびコポリカーボネートの濃度は、1.0〜25重量%、好ましくは2〜20重量%、特に好ましくは2〜18重量%、特に非常に好ましくは3〜15重量%である。
【0049】
アミン化合物の濃度は、使用したジフェノールの量に対して、0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜8モル%、特に好ましくは0.3〜6モル%、特に非常に好ましくは0.4〜5モル%である。
【0050】
ジフェノールは、上記の分岐剤の割合を有する上記の化合物から選択されるジフェノール混合物を意味するものと理解される。カーボネート源は、ホスゲン、ジホスゲンあるいはトリホスゲンであり、好ましくはホスゲンである。ホスゲンを使用する場合には、場合により溶媒を分注し、ホスゲンを直接混合物中に通す。
【0051】
トリエチルアミンあるいはN−アルキルピペリジンなどの第3級アミンを触媒として使用できる。適当な触媒は、トリアルキルアミンおよび4−(ジメチルアミノ)ピリジンである。トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジンおよびN−プロピルピペリジンが、特に適している。
【0052】
塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンあるいはそれらの混合物などのハロゲン化炭化水素、あるいは、例えば、トルエンあるいはキシレンなどの芳香族炭化水素が、有機溶媒として適している。反応温度は、−5℃〜100℃、好ましくは0℃〜80℃、特に好ましくは10℃〜70℃、特に非常に好ましくは10℃〜60℃であってよい。
【0053】
アルカリ金属塩、アンモニウム化合物、あるいはホスホニウム化合物などの触媒の存在下、溶融状態で、ジフェノールをジアリールカーボネート、一般的にはジフェニルカーボネートと反応させる溶融エステル交換プロセスによるポリカーボネートの製造も可能である。
【0054】
該溶融エステル交換プロセスは、例えば、Encyclopedia of Polymer Science、第10巻(1969)、Chemistry and Physics of Polycarbonates,Polymer Reviews、H.Schnell,第9巻、John Wiley and Sons,Inc.(1964)およびDE−C1031512に記載されている。
【0055】
該溶融エステル交換プロセスにおいては、界面プロセスの場合に既に記述した芳香族ジヒドロキシ化合物が、溶融状態で、適当な触媒および場合によりさらなる添加剤の助けにより、炭酸ジエステルとエステル交換される。
【0056】
本発明の文脈における炭酸ジエステルは、式(6)および(7)のジエステルであり、
【化17】

式中、R,R’およびR”は、互いに独立して、水素、場合により分岐したC〜C34アルキル/シクロアルキル、C〜C34アルカリルあるいはC〜C34アリールを表してもよく、例えば、ジフェニルカーボネート、ブチルフェニルカーボネート、ジブチルフェニルカーボネート、イソブチルフェニルフェニルカーボネート、ジイソブチルフェニルカーボネート、tert−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−tert−ブチルフェニルカーボネート、n−ペンチルフェニルフェニルカーボネート、ジ(n−ペンチルフェニル)カーボネート、n−ヘキシルフェニルフェニルカーボネート、ジ(n−ヘキシルフェニル)カーボネート、シクロヘキシルフェニルフェニルカーボネート、ジシクロヘキシルフェニルカーボネート、フェニルフェノールフェニルカーボネート、ジフェニルフェノールカーボネート、イソオクチルフェニルフェニルカーボネート、ジイソオクチルフェニルカーボネート、n−ノニルフェニルフェニルカーボネート、ジ(n−ノニルフェニル)カーボネート、クミルフェニルフェニルカーボネート、ジクミルフェニルカーボネート、ナフチルフェニルフェニルカーボネート、ジナフチルフェニルカーボネート、ジ−tert−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ(ジ−tert−ブチルフェニル)カーボネート、ジクミルフェニルフェニルカーボネート、ジ(ジクミルフェニル)カーボネート、4−フェノキシフェニルフェニルカーボネート、ジ(4−フェノキシフェニル)カーボネート、3−ペンタデシルフェニルフェニルカーボネート、ジ(3−ペンタデシルフェニル)カーボネート、トリチルフェニルフェニルカーボネート、ジトリチルフェニルカーボネート、好ましくは、ジフェニルカーボネート、tert−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−tert−ブチルフェニルカーボネート、フェニルフェノールフェニルカーボネート、ジフェニルフェノールカーボネート、クミルフェニルフェニルカーボネート、ジクミルフェニルカーボネート、特に好ましくは、ジフェニルカーボネートである。
【0057】
該炭酸ジエステルの混合物を使用することも可能である。
【0058】
該炭酸ジエステルの割合は、ジヒドロキシ化合物に対して、100〜130モル%、好ましくは103〜120モル%、特に好ましくは103〜109モル%である。
【0059】
本発明の文脈において、記載した文献中に記述したように、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物および酸化物、および以下にオニウム塩として言及するアンモニウム塩あるいはホスホニウム塩などの塩基性触媒が、該溶融エステル交換プロセスにおける触媒として使用される。好ましくはオニウム塩、特に好ましくはホスホニウム塩が、用いられる。本発明の文脈において、ホスホニウム塩は、次の一般式(8)の塩である。
【化18】

式中、R1〜4は、同一あるいは異なるC〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10アラルキルあるいはC〜Cシクロアルキル、好ましくは、メチルあるいはC〜C14アリール、特に好ましくは、メチルあるいはフェニルであってよく、
は、水酸化物、硫酸塩、硫酸水素塩、重炭酸塩、炭酸塩、ハロゲン化物、好ましくは塩化物、式ORのアルコラートなどのアニオンであってよく、Rは、C〜C14アリールあるいはC〜C12アラルキル、好ましくは、フェニルであってよい。
【0060】
好ましい触媒は、テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムハイドロキサイド、テトラフェニルホスホニウムフェノレート、特に好ましくは、テトラフェニルホスホニウムフェノレートである。
【0061】
該触媒は、ジフェノール1モルに対して、10−8〜10−3モルの量で使用されることが好ましく、10−7〜10−4モルの量で使用されることが特に好ましい。
【0062】
さらに、該触媒を単独で使用するか、あるいは、場合により、重合速度を高めるために、オニウム塩に加えて使用してもよい。これらは、リチウム、ナトリウムおよびカリウムの水酸化物、アルコキシドおよびアリールオキサイド、好ましくは、ナトリウムの水酸化物、アルコキシドおよびアリールオキサイド塩などのアルカリ金属の塩およびアルカリ土類金属の塩を包含する。水酸化ナトリウムおよびナトリウムフェノレートが、最も好ましい。共触媒の量は、各場合においてナトリウム量として計算して、1〜200ppb、好ましくは5〜150ppb、最も好ましくは10〜125ppbの範囲であってよい。
【0063】
溶融状態での芳香族ジヒドロキシ化合物のエステル交換反応および炭酸ジエステルのエステル交換反応は、2段階で行われることが好ましい。第1段階においては、芳香族ジヒドロキシ化合物の溶融および炭酸ジエステルの溶融は、大気圧下、80〜250℃、好ましくは100〜230℃、特に好ましくは120〜190℃の温度で、0〜5時間、好ましくは0.25〜3時間で起きる。触媒の添加後、真空(2mmHgまで)を適用し、温度を高める(260℃まで)ことにより、またモノフェノールを留去することにより、芳香族ジヒドロキシ化合物および炭酸ジエステルから、オリゴカーボネートが調製される。該プロセスから主要な量のの蒸気は、これにより生じる。このように調製されたオリゴカーボネートは、2000g/モル〜18000g/モル、好ましくは4000g/モル〜15000g/モルの範囲の重量平均分子量M(ジクロロメタン中あるいはフェノール/o−ジクロロベンゼンの等重量の混合物中で、光散乱により校正された相対溶液粘度を測定することにより求められる)を持つ。
【0064】
第2段階において、温度をさらに250〜320℃、好ましくは270〜295℃まで高め圧力を2mmHg未満に下げることにより、重縮合中にポリカーボネートが調製される。該プロセスからの蒸気の残りは、ここで除去される。
【0065】
該触媒は、互いに(2つ以上)組み合わせて使用してもよい。
【0066】
アルカリ金属およびアルカリ土類金属触媒を使用するためには、アルカリ金属およびアルカリ土類金属触媒を、後のタイミング(例えば、オリゴカーボネート合成後に、第2段階の重縮合中に)で添加することが、有利であり得る。
【0067】
例えば、撹拌槽、薄膜式蒸発器、流下膜式蒸発器、撹拌槽カスケード、押出機、ニーダー、単純な円盤状反応器および高粘度円盤状反応器中で、本発明による方法において、バッチ方式で、あるいは好ましくは連続的に、ポリカーボネートを与えるために芳香族ジヒドロキシ化合物の反応および炭酸ジエステルの反応を行うことができる。
【0068】
界面プロセスと同様に、多官能化合物を使用することにより、分岐ポリカーボネートあるいはコポリカーボネートを調製することができる。
【0069】
DIN51562によって求められる本発明によるコポリカーボネートの相対的溶液粘度は、好ましくは1.15〜1.35の範囲にある。
【0070】
成分C
本発明による組成に添加してもよい添加剤は、慣習的な量での充填剤、UV安定剤、IR安定剤、熱安定化剤、帯電防止剤および顔料、着色剤などの熱可塑性プラスチックに慣習的な添加剤であり;場合により、外部から離型剤、流動改良剤および/または難燃剤(例えば、アルキルおよびアリール亜リン酸塩、リン酸塩、ホスファン、低分子量カルボン酸エステル、ハロゲン化合物、塩、石灰、石英粉末、ガラス繊維および炭素繊維、顔料およびそれらの組み合わせ。そのような化合物は、例えば、WO99/55772、15〜25頁中に、および「Plastic Additives」R,Gaechter and H.Mueller,Hanser Publishers 1983中に記載されている。)の添加により、離型挙動、流動挙動および/または難燃性を改良することもできる。
【0071】
本発明による組成物に場合により添加される離型剤は、好ましくは、ペンタエリスリチルテトラステアレート、グリセリルモノステアレート、例えばステアリルステアレートおよびプロパンジオールステアレートなどの長鎖脂肪酸エステルおよびそれらの混合物からなる群から選択される。該離型剤は、成形材料に対して、0.05重量%〜2.00重量%の量で、好ましくは0.1重量%〜1.0重量%の量で、特に好ましくは0.15重量%〜0.60重量%の量で、また特に非常に好ましくは成形材料に対して、0.2重量%〜0.5重量%の量で使用される。
【0072】
適当な添加剤は、例えば、「Additives for Plastics Handbook、John Murphy,Elsevier,Oxford 1999」中に、また「Plastic Additives Handbook、Hans Zweifel,Hanser, Munich 2001」中に記載されている。
【0073】
適当な酸化防止剤あるいは熱安定剤の例は、アルキル化モノフェノール、アルキルチオメチルフェノール、ハイドロキノンおよびアルキル化ハイドロキノン、トコフェロール、ヒドロキシ化チオジフェニルエーテル、アルキリデンビスフェノール、O−、N−およびS−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化マロネート、芳香族ヒドロキシベンジル化合物、トリアジン化合物、アシルアミノフェノール、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステル、β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステル、β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステル、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、適当なチオ相乗作用剤、二次酸化防止剤、亜リン酸塩および亜ホスホン酸塩、ベンゾフラノンおよびインドリノンである。
【0074】
有機ホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィン)、亜リン酸塩、ホスホン酸塩およびリン酸塩(例えば、トリイソオクチルホスフェート、TOF)、一般に有機ラジカルが、完全にあるいは部分的に、場合により置換された芳香族ラジカルからなっている物が、好ましい。
【0075】
重金属用および微量のアルカリ金属の中和用の適当な錯化剤は、o/m−リン酸、完全にあるいは部分的にエステル化したリン酸塩、あるいは亜リン酸塩である。
【0076】
適当な光安定剤(紫外線吸収剤)は、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、置換もしくは未置換の安息香酸のエステル、アクリル酸エステル、立体障害アミン、オキサミドおよび2−(ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンあるいは置換されたヒドロキシアルコキシフェニル、1,3,5−トリアゾール;例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドエチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾールおよび2,2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]などの置換ベンゾトリアゾールが好ましい。
【0077】
適当な紫外線安定剤は、さらに、ベンゾトリアゾール(例えば、BASFからのTinuvin)、BASFからのトリアジンCGX−06、ベンゾフェノン(BASFからのUvinul)、シアノアクリレート(BASFからのUvinul)、桂皮酸エステルおよびオキサルアニリドおよびこれらの紫外線安定剤の混合物からなる群から選択される。
【0078】
適当な紫外線吸収剤の例は、以下のa)からh)である。
a)式(I)のマロン酸エステル;
【化19】


式中、Rは、アルキルを意味する。Rは、好ましくは、C1〜C6アルキル、特にC1〜C4アルキルを意味し、特に好ましくはエチルである。
b)式(II)によるベンゾトリアゾール誘導体;
【化20】

式(II)中、Rが存在し、Xは、同一あるいは異なっており、水素あるいはアルキルあるいはアルキルアリールを意味する。
X=1,1,3,3−テトラメチルブチルおよびR=HであるTinuvin(登録商標)329、X=tert−ブチルおよびR=2−ブチルであるTinuvin(登録商標)350、およびXおよびR=1,1−ジメチル−1−フェニルであるTinuvin(登録商標)234が、好ましい。
c)式(III)による二量体ベンゾトリアゾール誘導体;
【化21】


式(III)中、R1およびR2は、同一あるいは異なっており、水素、ハロゲン、C1〜C10アルキル、C5〜C10シクロアルキル、C7〜C13アラルキル、C6〜C14アリール、−OR5あるいは−(CO)−O−R5(R5=HあるいはC1〜C4アルキル)を意味する。
式(III)中、R3およびR4は、同様に同一あるいは異なっており、水素、C1〜C4アルキル、C5〜C6シクロアルキル、ベンジル、またはC6〜C14アリールを意味する。
式(III)中、mは、1、2あるいは3を意味し、nは、1、2、3あるいは4を意味する。
R1=R3=R4=H;n=4;R2=1,1,3,3−テトラメチルブチル;m=1であるTinuvin(登録商標)360が、好ましい。

d)式(IV)による二量体ベンゾトリアゾール誘導体;
【化22】


式中、架橋は、次式を意味し、
【化23】

、R、mおよびnは、式(III)について述べた意味を持ち、式中、pは、0〜3の整数、qは、1〜10の整数、Yは、−CH−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−あるいはCH(CH)−CH−であり、R3およびR4は、式(III)について述べた意味を持つ。
R1=H;n=4;R2=tert−ブチル;m=1;R2は、OH基に対してオルソの位置に結合しており;R3=R4=H;p=2;Y=−(CH−;q=1であるTinuvin(登録商標)840が、好ましい。

e)式(V)によるトリアジン誘導体;
【化24】

式中、R1、R2、R3およびR4は、同一あるいは異なっており、水素、アルキル、アリール、CNあるいはハロゲンであり、Xは、アルキル、好ましくはイソオクチルである。
R1=R2=R3=R4=H;X=ヘキシルであるTinuvin(登録商標)1577が、好ましく、R1=R2=R3=R4=メチル;XがオクチルであるCyasorb(登録商標)UV−1164が、好ましい。
f)式(Va)によるトリアジン誘導体;
【化25】

式中、R1は、C1アルキル〜C17アルキルを意味し、R2は、HあるいはC1アルキル〜C4アルキルを意味し、nは、0〜20である。
g)式(VI)の二量体トリアジン誘導体;
【化26】

式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、同一あるいは異なっていてもよく、水素、アルキル、CNあるいはハロゲンを意味し、Xは、アルキリデン、好ましくはメチリデンあるいは−(CH CH−O−)−C(=O)−であり、nは、1〜10、好ましくは1〜5、特には1〜3を表す。
h)式(VII)のジアリールシアノアクリレート;
【化27】

式中、R〜R40は、同一あるいは異なっていてもよく、水素、アルキル、CNあるいはハロゲンを意味する。R1〜R40=HであるUvinul(登録商標)3030が、好ましい。
【0079】
本発明による成形材料用に特に好ましい紫外線安定剤は、ベンゾトリアゾール(b)と二量体ベンゾトリアゾール(cおよびd)、マロン酸エステル(a)、シアノアクリレート(h)およびこれらの化合物の混合物からなる群からの化合物である。
【0080】
該紫外線安定剤は、成形材料に対して、0.01重量%〜15.00重量%の量で、好ましくは、組成物全体に対して、0.05重量%〜1.00重量%の量で、特に好ましくは0.08重量%〜0.5重量%の量で、特に非常に好ましくは0.1重量%〜0.4重量%の量で使用される。
【0081】
安定剤としてのポリプロピレングリコール単独、あるいは例えばスルホンあるいはスルホンアミドとの組み合わせは、ガンマ線による損傷を回避するために使用できる。
【0082】
これらの安定剤および他の安定剤を、個々にあるいは組み合わせて使用でき、これらは、ポリマーに対して、前記の形態で添加される。
【0083】
適当な難燃性添加剤は、リン酸エステル、すなわち、トリフェニルリン酸エステル、レゾルシノール2リン酸エステル、例えば臭素化リン酸エステル、臭素化オリゴカーボネートおよびポリカーボネートなどの臭素含有化合物、ならびに好ましくはフッ素化有機スルホン酸の塩である。
【0084】
適当な強化剤は、スチレン−アクリロニトリルあるいはメタクリル酸メチルをグラフト化したブタジエンゴム、無水マレイン酸をグラフト化したエチレン−プロピレンゴム、メタクリル酸メチルあるいはスチレン−アクリロニトリルをグラフト化したエチルおよびブチルアクリレートゴム、メタクリル酸メチルあるいはスチレン−アクリロニトリルをグラフト化した相互貫入シロキサンおよびアクリレートネットワークである。
【0085】
さらに、有機色素あるいは顔料あるいは無機顔料などの着色剤、赤外線吸収剤を、個別に、混合物として、あるいは安定剤、ガラス繊維、(中空)ガラス球、無機充填剤と組み合わせて添加してもよい。
【0086】
好ましくは、特に好ましくは、あるいは特に非常に好ましくは等の文言の下に記述されているパラメータ、化合物、定義および説明を用いた実施態様が、好ましい、特に好ましい、あるいは特に非常に好ましい。
【0087】
しかしながら、好ましい範囲で記載されている記述あるいは定義、パラメータ、化合物、および説明中に記載されている一般的な定義、パラメータ、化合物、および説明を、互いに任意に、すなわち、それぞれの範囲および好ましい範囲の間で組み合わせることができる。
【0088】
本発明によるポリカーボネート組成物は、好ましくは、例えば多軸押出機による配合によって調製される。
【0089】
本発明による熱可塑性プラスチック成型材料は、各成分を公知の様式で混合し、内部混練器、押出機および2軸装置などの通例のユニット中で、240℃〜300℃の温度で溶融物を配合して、その溶融物を押し出すことにより調製される。
【0090】
各成分の混合は、連続的に、あるいは同時に、公知の様式で行うことができる。
【0091】
同様に、本発明は、成形材料の製造方法および成形物の生産のための成型材料の使用に関するものであり、またそれらの成型物自体に関するものである。
【0092】
本発明による成形材料は、あらゆる種類の成型物の製造のために使用できる。これらは、射出成型、押し出しおよびブロー成形プロセスによって製造できる。さらなる処理の形態は、既に製造されたシートあるいはフィルムからの熱形成による成形物の製造である。
【0093】
本発明によるポリカーボネート組成物を、場合により、他の熱可塑性プラスチックおよび/または通例の添加物との混合物として加工し、如何なる所望の成型物/押出物をも与えることができ、これらは、既に公知のポリカーボネート、ポリエステルカーボネートおよびポリエステルが使用される場所ではどこでも使用可能である。その特性プロフィールのために、これらは、相対的に大きな成形物、例えば、自動車のフロントガラスの射出成型材料として、特に適している。しかしながら、その低吸水性および関連した改良された寸法安定性のために、それらは、例えば、CD、CD−R、DVD、DVD−R、ブルーレイデイスクあるいは先端光デイスク(AOD)などの光学データ保存用基板材料としても特に適しているが、例えば、電気セクターにおけるフィルムとして、自動車構築の成型物として、また安全領域におけるカバー用シートとしても、使用できる。本発明によるポリカーボネートのさらなる可能な用途は;
1.建物、車および飛行機の多くの領域で必要とされ、またヘルメットの識別プレートとして必要であることが知られている安全窓ガラス(safety pane)。
2.フィルムおよびフィルム積層体の製造。
3.鉄道の駅、温室および照明システムなどの建物被覆用の、特に多層シートの透明シートの製造。
4.光学データ保存装置の製造
5.交通照明ハウジングあるいは交通標識の製造用。
6.照明目的のためのガラス繊維の中身を持つ半透明プラスチックとして(例えば、DE−A1554020を参照のこと)。
7.硫酸バリウム、二酸化チタンおよび/または酸化ジルコニウムの中身を持つ半透明プラスチックとして、あるいは透明な光散乱成形物の製造用の有機ポリマーアクリレートゴム(EP−A634445、EP−A269324)として。
8.例えば、レンズ、レンズ保持材、コリメータ、導波路素子およびLED用途などの精密射出成型部品の生産用。
9.光学装置部品、特に写真ハウジングおよび映画撮影用カメラハウジングの製造用(例えば、DE−A2701173を参照)。
10.電気伝導体用およびプラグハウジングおよびコネクター用電気絶縁材料として。
11.携帯電話ハウジングの製造。
12.ネットワーク・インターフェース装置。
13.照明器具、例えば、ヘッドランプ、拡散スクリーンあるいは内部レンズ、およびロング・フィールドライト(long−field light)の製造用。
14.例えば、ビン、陶器類およびチョコレート型などの食品用途用。
15.場合により、ABSあるいは適当なゴムとの適当な混合物の形態における、例えばバンパーなどの、燃料および潤滑油との接触が起こり得る自動車部門での用途用。
16.例えば、電気配電器キャビネットなどの住宅用。
17.電気装置用ハウジング。
18.改良された耐引っ掻き性を有する透明な洗濯機のぞき窓。
19.安全メガネ、日よけおよび光補正ガラス。
20.改良された耐引っ掻き性を有する台所装置用ランプカバー。
21.改良された耐引っ掻き性を有する安全ヘルメット。
22.例えば、酸素発生器、透析装置(中空繊維透析装置)、3方向バルブ、管接続具、血液フィルタ、射出システム、吸入器、アンプルなどの医療用途、医療装置用。
23.例えば、血糖測定装置用のフィルム。
【0094】
特に好ましい用途は、電気/電子(E/E)用途におけるソフトキー、レンズ(例えば、赤外レンズ)、LED、スクリーン/ディスプレイカバーおよびフィルムである。キーパッドおよびハウジングにおける材料の使用などの、本発明によるポリマーを含む成形物および押出物の電子用途における使用は、特に好ましい。携帯電話、コンピュータおよびデジタルカメラが、好ましい使用分野である。
【0095】
本発明によるポリマー組成物を含む成形物、押出物およびフィルムならびにフィルム積層物は、本発明によるポリマー組成物を含む共押出層を含む成形物、押出物およびフィルムと同様に、本出願の主題である。
【0096】
以下の実施例は、本発明を説明するために意図されたものであるが、本発明はそれらに限定されることはない。
【0097】
全ての上記した参考文献は、全ての有用な目的のために、参照によってその全体が組み入れられている。
【0098】
本発明を具現化するある特定の構造が、示され記述されているが、部分の種々の変更および再構成が、以下の本発明の概念の精神および範囲を逸脱することなく行われること、また上記が、ここに示され記述された特定の形態に限定されないということが、当業者には明白であろう。
実施例
【0099】
該ポリカーボネートを、ガラス転移温度Tgおよび相対溶液粘度ηrelによって特性づけた。Tgの決定は、ISO11357による動的示差熱分析(DSC)によって行った。相対溶液粘度は、ウベローデ粘度計(DIN51562)を用い、0.5g/lの濃度で、25℃の温度で、溶媒としての塩化メチレン中で求めた。
【0100】
Makrolon(登録商標)M.3108は、300℃/1.2kgにおいて6cm/10分のMVRを持つビスフェノールAをベースとしたポリカーボネートである(Bayer Material Science AG)。
【0101】
Apec(登録書評)1895は、330℃/2.16kgにおいて18cm/10分のMVRを持つビスフェノールAおよびビスフェノールTMCをベースとしたコポリカーボネートである(Bayer Material Science AG)。
実施例1
【0102】
ポリカーボネート成分Bの調製
1150mlの塩化メチレンを、水1150ml中の153.81g(0.6モル)の構造式(5)のジメチルビスフェノールA(2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、連鎖停止剤として3.24g(0.0216モル、ビスフェノールに対して3.6モル%)のp−tert−ブチルフェノール(BUP)と55.2g(1.38モル)の水酸化ナトリウムの溶液(該溶液は、窒素で不活性になっている)中に、添加する。pH12.5〜13.5および20℃において、64.5g(0.9モル)のホスゲンを通過させる。pHが12.5未満に落ちるのを避けるために、ホスゲン化中に、30%濃度の水酸化ナトリウム溶液を添加した。ホスゲン化後に窒素の吹き込み後に、さらに5分間撹拌を行い、その後、0.83g(0.006モル、ジフェノールに対して1モル%)のN−エチルピペリジンを触媒として加え、さらに1時間撹拌を行う。水相を分離した後、有機相をリン酸で酸性にして、蒸留水1000mlで8回中和洗浄し、塩分無しとする。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、その後、80℃で水ジェットポンプから真空中に蒸発させて、最後に、水ジェットポンプから真空中130℃で、一定質量になるまで乾燥する。
透明なポリカーボネートが、得られる。
実施例2〜7
【0103】
改良された表面硬度を持った化合物
調製した化合物は、表1に示されている。
表面硬度の測定
乾燥オーブン中で、120℃で一晩、ポリカーボネート組成物を予備乾燥する。その後、ポリマーを、塩化メチレン中に溶解させ、直径5cmの小さな皿に注いだ。溶媒を蒸発除去して、残ったポリマー体を、真空乾燥オーブン中で、120℃で一晩再び乾燥させた。小さな皿からポリマーを除去した後、直径5cmで厚さ約1〜1.5mmの円形のサンプルデイスクが、得られる。
表面硬度の測定は、原子間力顕微鏡AFM(Digital Instruments Nanoscipe)によって、小さなパネル上で行われ、各場合に、μm単位でのスクリーン(材料のくぼみ)の生成によりサンプル表面から機械的に除去された体積が、該チップのスキャン速度(1Hz)および測定場のサイズ(30×30μm;256ラインのスクリーンの形状で)で、ナノインデント測定ヘッド(Hysitronから)のダイヤモンドの先端のポリマー表面(80μN)中への透過力の規格を用いて、測定された変数として、また表面硬度の測定の単位として得られる。体積が大きいほど、各コポリカーボネートの材料表面は、柔らい。したがって、より小さな体積値は、改良された表面硬度を示す。本発明によるコポリカーボネートについての測定値および比較例についての測定値を、表1中に示す。
【0104】
実施例2〜7(表1を参照のこと)からのポリカーボネート組成物の本発明による例は、ビスフェノールTMCおよびビスフェノールAをベースとした純粋なコポリカーボネートあるいはビスフェノールAをベースとしたホモポリカーボネートの比較例よりも、著しく小さなくぼみの体積値を有する。したがって、該ポリカーボネート組成物は、当業者が予期しなかった改良された表面硬度を有する。
【0105】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)成分AおよびBの合計重量部に対して、式(1a)、(1b)および(1c)の1つ以上のモノマー単位を含むポリカーボネート10〜90重量部と;
【化1】

(式中、R1は、互いに独立して、C〜Cアルキルであり、
nは、式(1a)および(1b)については0、1、2あるいは3であり、また式(1c)については、3、4、5あるいは6であり、
R2は、互いに独立して、水素あるいは、直鎖あるいは分岐状C〜C10アルキルである。)
B)成分AおよびBの合計重量部に対して、式(4)の化合物に由来する1つ以上のモノマー単位を含むポリカーボネート90〜10重量部;
【化2】

(式中、R3は、水素、直鎖あるいは分岐状C〜C10アルキルであり、
R4は、直鎖あるいは分岐状C〜C10アルキルである。)と
を含むポリカーボネート組成物。
【請求項2】
R2およびR3は、互いに独立して、水素あるいはメチルである、請求項1記載のポリカーボネート組成物。
【請求項3】
成分Aあるいは成分Bの少なくとも1つが、さらに式(3a)のジフェノールに基づいたモノマー単位を含む、請求項1記載のポリカーボネート組成物:
【化3】

(式中、R5およびR6は、互いに独立して、水素、C〜C18アルキル、C〜C18アルコキシ、ハロゲンあるいは場合により置換されたアリールあるいはアラルキルであり、
Xは、単結合、−SO−、−CO−、−O−、−S−、C〜Cアルキレン、C〜Cアルキリデン、あるいはC〜Cシクロアルキリデンであり、ここで、該C〜Cアルキレン、C〜Cアルキリデン、あるいはC〜Cシクロアルキリデンは、ヘテロ原子を含むさらなる芳香族環と場合により縮合してもよいC〜Cアルキル、あるいはC〜C12アリレンと場合により置換されている。)。
【請求項4】
該ポリカーボネート組成物が、成分AおよびBの合計重量部に対して、各場合において、20〜80重量部の成分Aと80〜20重量部の成分Bとを含む、請求項1記載のポリカーボネート組成物。
【請求項5】
該ポリカーボネート組成物が、成分AおよびBの合計重量部に対して、各場合において、25〜65重量部の成分Aと75〜35重量部の成分Bとを含む、請求項1記載のポリカーボネート組成物。
【請求項6】
成分Aが、式(2d)〜(2i)の化合物に由来する1つ以上のモノマー単位を含む、請求項1記載のポリカーボネート組成物:
【化4】

【請求項7】
成分Aが、式(3c)および(3d)の化合物に由来するモノマー単位を含む、請求項1記載のポリカーボネート組成物:
【化5】

【請求項8】
成分AおよびBの合計重量部に対して、0〜5重量部の添加物をさらに含む、請求項1記載のポリカーボネート組成物。
【請求項9】
請求項1記載のポリカーボネート組成物から得られた成形物、押出物、フィルムあるいはフィルム積層物。
【請求項10】
該ポリカーボネートが、コポリカーボネートである、請求項1記載のポリカーボネート組成物から得られた共押出層を含む成形物、押出物あるいはフィルム。
【請求項11】
該成形物、押出物、フィルムあるいはフィルム積層物が、電気あるいは電子素子におけるキーパッド、レンズ、スクリーン/ディスプレイカバーあるいはLED用途である、請求項8記載の成形物、押出物、フィルムあるいはフィルム積層物。
【請求項12】
界面プロセスあるいは溶融エステル交換プロセスにより、ポリカーボネートを配合する工程を含み、該ポリカーボネートが、式(1a)、(1b)あるいは(1c)のモノマー単位を含む、請求項1記載のポリカーボネート組成物の製造方法。

【公開番号】特開2011−148988(P2011−148988A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−276987(P2010−276987)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】