説明

改良された超音波画像を生成するように構成されたエコー源性針カテーテル

装置の改良された超音波画像を生成する針カテーテルのようなエコー源性医療装置、及び本発明の装置を使用して医療処置を実行する方法。一側面は、カテーテルの超音波画像内でアーチファクトを減少させるカテーテルを対象とする。一実施形態において、カテーテルは、球形遠位チップを有する。本発明のもう1つの側面は、患者内部の所望の位置に対するカテーテルの回転配向の超音波撮像による決定を容易にするために配列に配置されたエコー源性部分を有するエコー源性カテーテルを対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置の分野、特には針カテーテルのようなエコー源性カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
介入カテーテルを使用する心臓組織又は循環器疾患の治療又は診断における不可欠なステップは、患者内部の所望の位置でのカテーテルの適切な設置であり、それは、結果として患者内部でのカテーテル位置の正確な撮像を必要とする。患者内部でカテーテルを撮像する種々の方法が可能であるが、超音波撮像(音響撮像とも呼ばれる)は、幾つかの利点を提供する。例えば、超音波撮像は、CT/EBCT(電子ビームコンピュータ断層撮影)又はバイプラナ蛍光透視法と異なり、治療指導に必要な予期される長期間にわたって非常に安全である。その上、超音波は、MRI又はCT/EBCTのような他の撮像様式と比較して比較的廉価であり、かつ壁の動きや厚さ情報のような組織診断を提供できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、1つの問題点は、カテーテルの超音波画像におけるアーチファクトや過度に明るい画像を含む視覚化異常である。かかるアーチファクトは、患者内部のカテーテル形状及び/又は位置の誤解を招きやすく、かつ不正確な印象を与えることがある。その上、カテーテル要素は、特に、解剖学的構造を撮像するために概して使用されるゲイン設定で、解剖学的構造に対するそれらの高度に反射する性質のため、超音波画像上で非常に明るく、かつ大きく見えることがある(「ブルーミング」と呼ばれる)ので、隣接した解剖学的構造の画像は、カテーテル画像によって暗くされる。例えば、カテーテルの金属部分は、ピラミッドアーチファクト(すなわち目視方向において次第に消える残響(「リンギング」)画像のピラミッド形状)によって、強い/高い振幅のエコー(明るい画像)を生成することがある。同様に、大部分の熱可塑性カテーテルシャフトは、強い/高い振幅の直接エコー(明るい画像)を生成する。カテーテル画像を改良するために、超音波撮像システムのゲイン設定を減少させる(その画像とアーチファクト輝度を減少させる)ならば、解剖学的構造の画像は、見えにくい、又は全く見えないまでに、著しく弱まる。従って、体内の診断と治療指導を強化するために、二次元及び三次元の超音波撮像システムによる、改良された撮像特性を有するカテーテルを提供することは、著しい前進であろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、装置の改良された超音波画像を生成する針カテーテルのようなエコー源性医療装置と、本発明の装置を使用して医療処置を実行する方法を対象とする。一側面は、カテーテルの超音波画像内でアーチファクトを減少させるカテーテルを対象とする。一実施態様において、カテーテルのチップが実質的に180°を超える(カテーテルに対する)角度範囲にわたって直接撮像される。本発明のもう1つの側面は、カテーテルシャフトによって生成される直接エコーの振幅が減少し、及び/又は直接エコーを生成しないカテーテルの部分の撮像を容易にする拡散エコーが生成される、エコー源性カテーテルシャフト構造を対象とする。本発明のもう1つの側面は、カテーテルの一部の撮像が、撮像方向に対するカテーテルの回転配向を示すエコー源性カテーテルを対象とする。
【0005】
一実施態様において、エコー源性針カテーテルは、非球形遠位チップよりも拡散的に音響エネルギーを反射する球形遠位チップを有する。カテーテル上の非球形チップは、カテーテルの長手方向軸に対して約180°以下の角度範囲にわたって超音波撮像装置の変換器に音響エネルギーを直接的に反射し返すことが可能である。例えば、丸い遠位端を有するカテーテルチップは、カテーテルチップの両側に約90°又は垂直まで、カテーテルチップの遠位前面からのみカテーテルチップの直接超音波撮像を可能にする。この範囲を超えると、非球形チップの非湾曲部分は、カテーテル本体によって音響エネルギーから遮蔽されるか、又は超音波撮像装置の変換器に直接戻らない音響反射を生成する。それ故に、本発明の球形遠位チップと異なり、カテーテル上の従来の非球形遠位チップは、カテーテルチップの実質的に後方から直接撮像できない。
【0006】
本発明の球形遠位チップは、約180°を超える角度範囲から(すなわち、カテーテルチップの前面から後方に伸長する角度範囲から)超音波撮像装置の変換器へ戻る直接音響反射を生成する球形部分を含む。球形状は、球形状がその直接反射角度範囲にわたって、実質的に同じ振幅で音響エネルギーを直接反射し、かつ平坦なチップ、又は丸いチップの円筒部分から見ると反射エコーの高い振幅と大きな振幅範囲を有さないので、遠位チップに関して好まれる。それ故に球形遠位チップは、チップが、従来のチップよりもカテーテルに対して大きな角度範囲から直接超音波画像を生成することを可能にする。具体的には、チップは、音響エネルギーを超音波撮像装置の変換器の方向に直接反射し、カテーテルは、超音波撮像装置の目視方向に対して広い角度範囲で位置する。結果としてカテーテルの遠位端が、例えばテンドンの撓み又は血管への挿入によって操作でき、かつ解剖学的構造内部で大きな角度範囲で位置決めされ、にもかかわらずその遠位チップが、超音波撮像装置によってなおも確実に撮像される。その上、遠位チップの球形状は、患者の解剖学的構造を不都合に傷つけることを防ぐ又は阻害するので非外傷性である。
【0007】
現在の好ましい実施態様において、球形遠位チップを付けたエコー源性針カテーテルは、患者の心腔へ経皮経管前進するように構成されるが、種々の代替的カテーテル形状が使用できる。エコー源性針カテーテルは、一般的に、近位端と、遠位端と、内部に伸長する針内腔とを有し、球形遠位チップが、遠位端にある細長いシャフトと、カテーテルの針内腔内に摺動自在に配置された針とを含む。現在の好ましい実施態様において、球形遠位チップは、シャフトの針内腔と、貫通して摺動自在に伸長する針を有するように構成された球形遠位チップ内のポートと連通する内腔を有する。カテーテルシャフト内に配置された針は、伸長形状で球形遠位チップポートから遠位に伸長する遠位端を有する。
【0008】
現在の好ましい実施態様において、球形遠位チップは、電極の役目を果たすために、導電材料から少なくとも部分的に形成される。球形遠位チップ電極は、金属材料から少なくとも部分的に形成される。球形遠位チップ内の金属は、チップが、主に診断目的であるが、必要に応じてあるいは治療目的(例えば除細動)で電極の役目を果たすことができる。その上、一実施態様において、金属材料で部分的に形成されたチップは、以下で詳細に論じるように、所望の輝度と持続時間のチップピラミッドアーチファクトを生成するように構成される。幾つかの実施態様において、従来の全部が金属の遠位チップ電極と比較して低レベルでのピラミッドアーチファクトの存在は、カテーテルチップの画像とカテーテル本体の画像をより確実に区別するために望ましく、かつそれ故に隣接する解剖学的構造の画像を実質的に暗くしないようにして、カテーテルのチップが撮像されることを示す。
【0009】
以前の非球形遠位チップ電極は、チップ後方の角度で、直接エコーが超音波撮像装置プローブの方向に戻らず、かつそれ故に直接画像を生成しないように、大きな振幅の直接エコー、及び多くの場合直接反射角度の範囲にわたる大きな範囲のエコー振幅を反射する。対照的に、本発明の球形遠位チップ電極は、超音波エネルギーをより拡散的かつ均等に反射する。結果として、球形遠位チップ電極は、超音波撮像装置の目視方向と比較して大きな角度範囲から撮像できる(例えば、従来の丸い端部遠位チップに関して約180°以下の角度範囲と比較して、180°を超える角度範囲)。同様に、チップのエコー振幅は、非球形金属チップよりも撮像角度範囲にわたって小さくかつ変化しない。
【0010】
金属材料から少なくとも部分的に形成されたカテーテル遠位チップは、超音波撮像装置の音響エネルギーを吸収し、保存し、かつ次に再放出し、チップ内の金属が、ベルのように鳴ることになり、保存した音響エネルギーが使い果たされるまで、超音波エネルギーを送る。この吸収され、保存され、かつ次に再放出される音響エネルギーは、超音波撮像装置によって受け取られ、かつ保存された音響エネルギーが使い果たされるにつれて輝度と大きさを減少させるカテーテルチップの後方に画像を作り、チップピラミッドアーチファクトを形成する。他方で、ポリマー材料は、従来の電極チップの厚い金属表面よりも通常振幅が少ない本体内の表面からエコーを生成する。その上、ポリマー材料は、一般的に金属材料よりも音響エネルギーが散逸性であり、かつそれ故に何らかのピラミッドアーチファクトが生成されるならば、完全に金属のチップによって生成されるものよりも小さい振幅を有する。一実施態様において、アーチファクトの存在は、カテーテルのチップが撮像されることを示すため望ましい。しかしながら、不都合に明るい/長い持続時間の/大きなチップピラミッドアーチファクトは、カテーテルチップと周囲の解剖学的構造の実際の画像を暗くする。遠位チップでの金属材料の量を最小限に抑えるように構成された本発明の遠位チップは、チップピラミッドアーチファクトの輝度と持続時間をそれにより減少させるために、チップが保存し、かつ次に再放出する音響エネルギーの量を減少させる。その上、一実施態様において、球形遠位チップは、チップピラミッドアーチファクトの輝度と持続時間を減少させるために、気泡、タングステン充填等を含むことがある、多くのプラスチック/エポキシ/エラストマー化合物及び混合物のような、減衰(音響エネルギー散逸)材料と接触する。例えば、一実施態様において、球形遠位チップは、減衰材料を充填され、及び/又は減衰材料で少なくとも部分的に形成されたシャフトの近位に隣接する区間に接続される。
【0011】
チップから直接エコーがない場合、チップの唯一の超音波画像は、吸収され、保存され、かつ次に再放出される音響エネルギーによるものであり、かつその画像が(撮像装置の方向に音響エネルギーを再放出する遅延のために)カテーテルチップの実際の位置の後方に位置することである。結果として、大きな角度範囲からの本発明の球形遠位チップによって生成された直接エコーは、遠位チップからの撮像された直接エコーの不在を回避することによって、超音波画像からの遠位チップの位置を読み誤る可能性を防ぐか、又は最小限に抑える。
【0012】
現在の好ましい実施態様において、球形遠位チップは、チップ内の金属量を最小限に抑え、かつそれ故にそのエコー振幅を減少させ、かつそのピラミッドアーチファクトを減少又は除去するために、プラスチック/ポリマー材料で部分的に形成される。一実施態様において、遠位チップは、エポキシ、ポリウレタン、シリコン、ポリエチレン、PRIMACORのようなエチレンアクリル酸官能化ポリオレフィンからなる群から選択される材料で形成されたプラスチック/ポリマー壁を有する。現在の好ましい実施態様において、チップは、球形チップの多くの形状で、金属からポリマー又はポリマーからポリマーを一緒にしっかりと接着すること、特にプラスチック/ポリマーをハイポチューブ、金属シェルのような金属部品、又は金属導体の薄いコーティング/めっきに接着することを確実にするために、PRIMACORのような接着ポリマーから少なくとも部分的に形成される。接着ポリマーは、多数の方法で球形チップアセンブリに組み込むことができる。例えば、接着ポリマーは、そのポリマーに接着特性を与えるために、他のポリマーと混合できるか、又は接着ポリマーは、溶液にし、かつ更なる処理のために接着表面とするために、溶剤が蒸発する時に接着ポリマーの薄いコーティングが表面に堆積するように、(すなわち浸漬、噴霧、刷毛塗りによって)表面に塗布できる。接着ポリマーの接着機能は、多くの場合、短時間(すなわち調整サイクルの一部として成形又は形成工程中に)、接着ポリマーの温度を上昇させることによって強化され、かつそれ故に多くの場合「ホットメルト接着剤」と呼ばれる。
【0013】
例えば、一実施態様において、球形遠位チップは、電極の役目を果たすために露出表面を有する金属部材を内部に含む。もう1つの実施態様において、チップの球形外面は、配合又は別の方法で組み合わされたポリマーと金属材料の混合物で形成された壁によって区画される。もう1つの実施態様において、球形チップは、ポリマー材料及び/又はポリマーと金属材料の混合物で形成され、かつその外面の少なくとも一部は、種々の従来の方法(すなわち、スパッタリング、化学溶液中の堆積工程、圧着)によって堆積又は付着できる薄い金属層である。しかしながら、(金属壁は、チップ内の金属量を最小限に抑え、かつそれによりチップピラミッドアーチファクトの輝度と持続時間を減少させるために、球形内部チャンバを好ましくは区画するが)金属材料の壁で形成された球形チップを含む、種々の適切な形状が使用できる。球形遠位チップの壁が球形内部チャンバを区画する実施態様において、チャンバは、好ましくはポリマー材料が充填される。
【0014】
現在の好ましい実施態様において、球形遠位チップは、ポリマー材料で少なくとも部分的に形成され、かつ内部に金属ピン部材を有するか、又は上部に金属外層を有する湾曲外面を有する壁を含む。
【0015】
一実施態様において、シャフト上に設けられた、追加の導電性電極又はマーカーのような金属材料で少なくとも部分的に形成された要素は、これらの追加の金属要素によって生成された超音波画像が球形遠位チップのそれと重複しない、球形遠位チップからの十分な距離で近位に間隔を空けて置かれる。結果として、本発明のカテーテルは、超音波画像内の球形遠位チップの位置を正確に解釈することを容易にする。かかる追加の電極又はマーカーはまた、限定された量の金属で構成でき、及び/又は球形チップに関して以前に記載したのと同じ輝度とアーチファクト減少利益を提供するために、音響エネルギー減衰材料と接触できる。
【0016】
一実施態様において、本発明のカテーテルは、約4分の1又は4分の3波長厚さのインピーダンス整合材料で形成された、カテーテルシャフトの少なくとも一部に沿って外側ジャケット層を有する。現在の好ましい実施態様において、層は、相殺的干渉を最大にするために、4分の1波長の厚さを有する。しかしながら、多くのエコープローブによって送られる超音波パルス波形は、多くの場合多くの波長の長さであるので、4分の3波長の厚さは、相殺的干渉も生成し、かつ反射音響エネルギーの振幅を減少させる際に適度に効果的である。例えば、表示されたエコーの中心周波数(撮像超音波変換器は、概して音響周波数のスペクトルを含む音波パルスを送る)が高く、及び/又は材料内の音速が低すぎる実施態様において、その場合ジャケットの材料厚さは、4分の1波長厚さで効率的に生成/設置されるためには小さすぎることがある。例えば、6MHzで、シリコンは、処理/制御することが難しくなる約0.0015インチの4分の1波長厚さを有するが、外側ジャケット層を正確に生成することを容易にする約0.0045インチの4分の3波長厚さを有する。この技術に適用できるエコーTTEとTEEシステムは、約1MHzから12MHzに及ぶ周波数範囲で作動することが言われ、かつ典型的な心臓変換器(プローブ)は、2〜4MHzの範囲又は3〜8MHzの範囲で作動することが言われている。
【0017】
外側ジャケット層は、外側ジャケット層の下のカテーテルシャフトの部分を形成する材料よりも、血液のそれと密接に整合する音響インピーダンスを有する材料で形成される。「音響インピーダンス」は、材料の密度を乗じたその材料内での音速と定義できる材料特性である。例えば、一実施態様において、外側ジャケット層は、弾性重合体、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン酢酸ビニル(EVA)からなる群から選択されるポリマーで形成され、かつ下層カテーテルシャフトは、金属編組線又は他の金属形状、及び/又はカテーテルシャフト外面を形成するために通常使用される、高音響インピーダンスポリマー又は熱可塑性ポリマー、例えばナイロン、Pebax、ポリエチレン、ポリエステル等を含む。幾つかの実施態様において、外側ジャケットは、外側ジャケットの摩擦と摩耗特性を実質的に減少させるために、潤滑剤(すなわちMDXのようなシリコン油を主成分とするコーティング)又は親水性若しくはヒドロゲルコーティングによって被覆される(親水性又はヒドロゲルコーティングは、摩擦及び摩耗特性を減少させるために湿らさねばならない)。好ましい実用的な外側ジャケット材料は、ほとんどの場合、性質が軟質/エラストマー/低弾性率であり、かつそれらを血管系に挿入しにくくし、かつ望まれるよりも血管系に摩擦を起こさせることがあり、それ故にかかるコーティングを必要とする、高めの摩擦係数を有する。その上、不規則/凹凸の多い/窪みのある外側ジャケットOD及び/又はID表面は、より散乱したエコー反射を提供するために好ましく、かつそれ故に、シャフトが平滑であったならば直接エコーを生成しない角度で円筒シャフトの撮像を容易にする。外側ジャケット材料の選択の結果として、カテーテルシャフトの外面から外れた音響エネルギーの反射は、血液と、カテーテルシャフト外側ジャケットとの間の大きな音響インピーダンス不整合にさもなければ起因するそれから減じられる。それ故に、外側ジャケット層は、より多くの超音波エネルギーをカテーテルに結合し、その結果、音響エネルギーのより多くの部分が、外側ジャケット層を貫通し、かつカテーテルを通して、又はカテーテルのシャフトへ伝達され、かつより少ない音響エネルギーが、外側ジャケット表面から反射される。もう1つの実施態様において、外側ジャケットは、カテーテルシャフトの内側部分によって反射されるエコーの振幅を減少させるために、外側ジャケット材料の音響エネルギー散逸特性を改良する材料/充填剤(すなわちタングステン充填)を含む。音響エネルギーは、カテーテルシャフトの内側部分によって反射される外側ジャケットを通過し、かつ次に撮像装置によって受け取られ、かつそれ故に撮像される外側ジャケットを再度通って戻る。外側ジャケットが散逸性であるほど、より少ないこの音響エネルギーが撮像装置に戻る。多くの実施態様において、外側ジャケットに含まれる材料又は充填剤により、直接エコーを生成しない円筒カテーテルシャフトの部分がより容易に撮像できるように、カテーテルシャフトがまた、ジャケットを貫通して撮像装置へ戻る音響エネルギーの一部をより拡散的に反射する。かかる材料/充填剤は、蛍光透視法のような他の撮像様式によるシャフトの撮像も改良できる。
【0018】
不規則/凹凸の多い/窪みのある表面を有する外側ジャケットにおいて、ジャケットの平坦な表面の厚さが、直接反射の振幅を減少させるために4分の1波長の厚さ付近に保たれることが好ましい。現在の超音波撮像システム/装置が、高調波撮像と呼ばれ、かつそれ故に4分の1又は4分の3波長の外側ジャケットの厚さに影響を及ぼす(4分の1又は4分の3波長の外側ジャケットの厚さは、3MHzで、6MHzの場合よりも2倍厚い)、表示画像の分解能を改良するために、低い周波数をフィルタをかけて除去し得ることに注意すべきである。一般的に、0.001インチから0.008インチの範囲の外側ジャケット厚さが、好ましい。0.001インチ未満/付近ならば、金属編組線又は他の内側シャフト部品を覆うことは、不確実であり、かつジャケットチュービングの処理は、困難になる。0.008インチ超/付近ならば、ジャケットが、カテーテルの全体的輪郭を不都合に増加する傾向がある。外側ジャケット層を形成するために使用されるエラストマージャケットは、厚すぎる肉厚を有するチューブとして容易に押し出せるが、次に拡張され、かつ拡張された状態でシャフト上に設置され、そのことが肉厚を所望の厚さに減少させるように、(すなわち空気圧によって)拡張可能であるという特性を有する。
【0019】
外側ジャケットのODとID表面からの反射波間の相殺的干渉を生成することによって、4分の1又は4分の3波長の層は、超音波撮像装置によって受け取られるカテーテルシャフト表面からの直接反射される音響エネルギー量を減少させる。それ故に、4分の1又は4分の3波長の整合層は、カテーテル本体画像の表示輝度を減少させ、それにより隣接解剖学的構造(例えば心臓組織)の画像を暗くすることを回避し、かつ以下で詳細に論じるような、顕著な湾曲本体アーチファクトを生成することを回避する。
【0020】
変換器から患者の身体の血液や組織への(及び同様に反対方向での)音響エネルギーの伝達を改良するために変換器に提供される従前の4分の1波長の整合層とは異なり、本発明の特徴を具現するカテーテルは、電気から音響エネルギー及び/又は音響から電気エネルギー変換器でない、カテーテルシャフトの区間に沿って伸長する4分の1又は4分の3波長の整合層を有する。それ故に、カテーテルは、カテーテルシャフトからの直接音響反射を減少させるように特に構成された(かつ変換器への、及び変換器からの音響エネルギーをより効率的に結合するように構成されない)、4分の1又は4分の3波長の整合層を有する。
【0021】
現在の好ましい実施態様において、外側ジャケットは、不規則かつ凹凸の多いODと平滑なIDを生成する条件で、チューブに押し出される、2つのエラストマー化合物、スチレンブタジエンスチレン、ポリウレタンの混合物で形成される。ジャケットは、カテーテルシャフト上に設置される時、音響エネルギー(低振幅)を拡散的に反射し、ジャケットによって覆われるシャフト全体が、直接エコーを生成するシャフト部分だけでなく、撮像されることを可能にする。その上、シャフトの直接エコー部分は、従来のカテーテルシャフトと比較して遙かに減少した画像輝度を生成する。同様に、ジャケットは、シャフトの遠位端に位置するシャフトの金属(例えばNiTi)ケージ部分からのリンギングアーチファクトを除去する。
【0022】
カテーテルシャフトによって反射され、かつ撮像装置によって受け取られる直接エコーの振幅を減少させることによって、カテーテルシャフトの湾曲本体アーチファクトも減少する。大部分の超音波撮像装置は、画像を形成するために超音波エネルギーを送り、かつ受け取る小型超音波変換器の配列を含む。これらの小型超音波変換器は、一般的に変換器の表面に垂直な方向にその音響エネルギーの大部分を送り出すが、特に小型変換器において、相当量の音響エネルギーは、通例「サイドローブ」と呼ばれる方法で、他の方向にも出る。従来の高反射(高振幅エコー生成)円筒カテーテルシャフトにより、カテーテルシャフトの直接反射表面部分から3Dエコーシステムの撮像装置に戻るこれらのサイドローブの反射は、カテーテルシャフトの画像と勘違いされる明るい湾曲画像を生成する。その上、明るい湾曲画像は、カテーテルシャフトの他の部分から、撮像装置によって受け取られる比較的低振幅の拡散エコーによって生成される画像を暗くすることがあり、かつ隣接組織の画像も暗くすることがある。カテーテルシャフトによって直接反射されるエコーの振幅を減少させることにより、この明るい湾曲画像アーチファクトは、寸法と輝度が減少し、他方でシャフトの他の部分からの、かつ組織からの拡散エコーの画像輝度には、より弱い影響が与えられる(超音波撮像システムは、高振幅エコー信号よりも低振幅エコー信号を増幅するように設計される)。
【0023】
本発明の一側面は、本発明の球形遠位チップを付けたエコー源性針カテーテルを使用する医療処置を実行する方法を対象とする。方法は、細長いシャフトと、好ましくは導電又は金属材料で少なくとも部分的に形成され、かつ球形遠位チップの遠位端にポートを有する球形遠位チップと、伸長した形状で球形遠位チップポートから遠位に伸長する針とを含むエコー源性針カテーテルを患者の解剖学的構造内で前進させることを一般的に含む。方法は、球形遠位チップが、患者内部で遠位チップの超音波画像を生成するために、非球形遠位チップの少なくとも一部よりも音響エネルギーを拡散的に反射するように、超音波撮像装置から球形遠位チップで音響エネルギーを方向付けることを含む。
【0024】
カテーテル内腔が、水性溶液によって洗浄されることを可能にし、かつカテーテルシャフト内で空気を充填された空隙を防ぐような方法で、カテーテルが構成されることが好ましい。一実施態様において、方法は、カテーテルが、水性液のない場合に存在するプラスチック−空気界面よりも少ない音響エネルギーを反射するプラスチック−水性液界面を有するように、カテーテル内腔を水性液で充填することを含む。プラスチック−空気界面は、プラスチック−血液又はプラスチック−水界面よりも強い音響エネルギー反射体である。結果として、本発明の液体充填カテーテルは、超音波撮像装置プローブから離れて方向付けられるカテーテルの反対側でカテーテルから抜け出るために、代わりにカテーテルを貫通し、かつカテーテルを通って移動する音響エネルギー量を高めることによって、及び/又はカテーテル材料によって吸収され、かつ拡散的に再放出又は散逸する量を高めることによって超音波撮像装置プローブの方向に反射し戻される音響エネルギー量を減少させる。結果として、カテーテル本体の弓形又は屈曲長さを示すと間違って解釈される、カテーテル湾曲本体アーチファクトは、減少する。それ故に、身体への挿入前に水性溶液(通常、ヘパリン化食塩水又は蛍光透視対照)によりカテーテル内腔を充填する標準カテーテルラボ(Cath Lab)実務は、湾曲本体アーチファクトを除去又は適切に減少させるために、カテーテルシャフトに十分に低い振幅のエコーを反射させるためには通常十分でないが、それにもかかわらず超音波撮像には望ましい。
【0025】
代替的な実施態様は、患者内部の所望の位置に対するカテーテルの回転配向の超音波撮像による決定を容易にする配列で配置されたエコー源性部材を有する、針カテーテルのようなエコー源性カテーテルを対象とする。1つの好ましい実施態様において、回転配向エコー源性部材は、カテーテルシャフト遠位端に近位に位置する針遠位ポートと連通する針内腔を有する細長いシャフトと、カテーテルシャフト内の針遠位ポートを通って摺動自在に伸長するように構成された針内腔内の針とを一般的に含む経血管針カテーテル上にある。回転配向エコー源性部材は、部材に隣接するシャフト材料よりも高反射性であり、かつ隣接した各部材対が周方向と長手方向に互いに間隔を空けて置かれる配列で配置される。超音波撮像装置プローブに向かって配向された回転配向エコー源性部材が、最も明るい画像を生成する。カテーテルの超音波画像に対する超音波撮像装置プローブの位置は、解剖学的構造と共にディスプレイに示される。結果として、解剖学的構造に対するカテーテルの回転配向は、超音波画像によって決定できる。
【0026】
本発明の一側面は、カテーテルシャフトの区間の外面上に回転配向エコー源性部材を有し、かつ超音波撮像装置からシャフト区間で超音波エネルギーを方向付けることによって、体内腔内の所望の位置に対するカテーテルの回転配向を決定する、エコー源性針カテーテルを患者の体内腔内で前進させることを一般的に含む、医療処置を実行する方法を対象とする。音響エネルギーは、回転配向エコー源性部材が所与の配向に関して等しい輝度によって全部が現れないシャフト区間の超音波画像を生成する。現在の好ましい実施態様において、これは、針を所望の心臓組織に方向付け、かつ血管の自由壁の穿刺又は隣接血管の穿刺を回避するために、冠状静脈洞、静脈又は動脈のような患者の冠状血管内で、経血管カテーテルの針遠位ポートの回転配向を調整するために使用される。回転配向エコー源性部材の配列は、概して2つ以上、かつより好ましくは3つ以上のエコー源性部材によって形成される。結果として、回転配向エコー源性部材の周方向間隔次第で、複数の回転配向エコー源性部材が、カテーテルのいかなる所与の超音波画像においても概して見られるが、超音波撮像装置の目視方向に対する部材の回転配向によって異なる輝度になる。それ故に、詳細な回転配向情報は、回転配向エコー源性部材の配列の公知のレイアウトと超音波画像を比較することによって超音波画像から得られる。それ故にカテーテルは、針を所望の心臓組織に正確に位置決めし、かつ隣接血管又は血管の自由壁穿刺を回避するために、患者内部のカテーテルの回転配向を調整することを容易にする。
【0027】
それ故に、本発明の一実施態様は、(例えば、画像の輝度を低くすることに加えて、カテーテル又はカテーテル部品の画像形状及び/又は位置の誤差を補正することによって)カテーテルの超音波画像内のアーチファクトを減少又は均等にするように構成されたエコー源性カテーテルを対象とする。一実施態様において、本発明のカテーテルは、実質的に180°を超える(カテーテルに対する)角度範囲にわたって直接撮像される球形遠位チップを有する。もう1つの実施態様において、本発明のエコー源性カテーテルは、異なるエコー源性特性/画像目視特性を有するカテーテルの部分を配列させることによって、患者の解剖学的構造に対するカテーテルの回転配向を超音波撮像することによる決定を可能にする。本発明のこれら及び他の利点は、以下の詳細な説明及び代表的な図面から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は、本発明の特徴を具現する針カテーテルを示す。図1に示した実施形態において、針カテーテル10は、近位シャフト区間と、遠位シャフト区間と、針内腔15とを有する細長いシャフト11と、シャフト11の遠位端に球形遠位チップ14とを含む。針16は、針遠位端がシャフトの遠位端から遠位に伸長する伸長形状(図1参照)、及び針遠位端がカテーテル内腔に近位に引っ込められる引っ込み形状(図示せず)で、シャフトの針内腔15内に摺動自在に配置される。示した実施形態において、カテーテル10は、カテーテル10の遠位端を撓ませるために、近位アダプタ19で撓み制御機構18に接続された撓み部材17(例えばテンドンワイヤ)を有する。カテーテルの遠位端を効果的に撓めるために、撓み部材17は、好ましくは撓み(湾曲)部分内でシャフトの表面に近い。しかしながら、本発明による球形遠位チップを有するカテーテルは、非撓み形状を含む種々の適切なカテーテル形状を有することができる。シャフトの近位端上の近位アダプタ19は、作用物質配送のために、又は吸引のために、針16の内腔を通して針16へアクセスできるように構成されたポート20を有する。種々の作動コネクタを、カテーテル10の所望の用途次第で、近位アダプタとすることができる。図2〜4は、それぞれ線2−2、3−3、4−4に沿って切った図1のカテーテル10の横断面図を示す。
【0029】
図1の実施形態において、シャフトは、一実施形態において、比較的可撓性の遠位部分52と、比較的可撓性でない近位部分51とを有する管状本体部材21を含む。全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願第10/676616号に記載された可撓性針カテーテルシャフトを含む、種々の適切なカテーテルシャフト設計が、本発明の球形遠位チップと使用できる。近位部分51は概して、編組又はコイル金属フィラメントで強化されたポリマー又はハイポチューブ又は溝付き金属チューブのような、金属で少なくとも部分的に形成されるが、代わりに、又は加えて高弾性率ポリマーからなることもできる。示した実施形態において、シャフト11は、カテーテルの近位端区間から遠位に伸長し、かつステンレス鋼のような金属の編組フィラメントで概して形成される巻線形管状支持層を封入するポリマー材料を含む編組本体層23を有する。編組線は、カテーテルの長さに沿って剛性変化を提供するために、端部と端部が結合された異なるデュロメータ/ポリマーの複数区間で概して形成される外層によって封入される。編組線は、ポリマーコア層24の上に形成される。
【0030】
示した実施形態において、シャフト11の管状本体部材21の遠位部分52は、概して溝付き金属チューブで形成されたケージを含む。圧縮ケージ22は、上記で参照によって組み込まれた’616出願で論じられるように、横方向に撓むように構成される。ケージ22は、一実施形態において、以下で詳細に論じるようなインピーダンス整合4分の1波長層である、外側ジャケット層50で概して覆われる。他の実施形態において、ケージ22は、シャフト11の撓み遠位区間へ復元力を提供するワイヤ、複数のワイヤ、ワイヤ構造、薄い金属ストリップ又は組み合わせ構造であっても良い。
【0031】
管状本体部材21内で伸長する内側管状部材26は、シャフトの針内腔15となっている。内側管状部材26は、カテーテルの近位から遠位端に伸長する単層の統合一体型チューブ、あるいは連通内腔及び/又は多層チューブを有する複数区間のチュービングで形成される。撓み部材17は、第2内側管状部材25の内腔内を伸長し、かつ管状本体部材21の遠位部分52の遠位端に隣接したシャフトに固定される。示した実施形態において、概して二重内腔押出品を含む安定化管状部材27は、内部で内側管状部材25、26の位置を安定化させるためにケージ22の少なくとも一区間内に位置決めされる。安定化部材27は、単一区間又は複数の長手方向隣接区間のチュービングで形成され、かつ概してケージ22内に、又はその近位の短い距離で位置する近位端を有する。一実施形態において、外側ジャケットと遠位カテーテルシャフトポリマー(ポリマー混合物)の両方の音響インピーダンスは、低い直接合成反射エコー振幅だけでなく、蛍光透視法での所望の視感度の両方を達成するために、タングステン充填を使用して調整される。安定化管状部材27は、ケージ22が安定化管状部材27の材料によって被覆又は覆われるようにケージ22と併せて処理できる。金属ケージ22(又はワイヤ若しくはストリップ)のこのコーティング又は覆いは、以下で詳細に論じるように、整合されるべき外側ジャケット50のシャフト内部に更に均等な音響インピーダンス(金属がある場所対金属がない場所)を提供する。代替的実施形態において、安定化管状部材27は、省略される。
【0032】
カテーテル球形遠位チップ14は、シャフトの遠位外面の遠位に伸長し、かつ球形部分30と、管状本体部材21の遠位部分52の遠位端に接続された近位端を有する近位支持部分31とを有する。現在の好ましい実施形態において、遠位チップ14の近位端区間は、例えば接着剤を使用して、ケージ22の内面に接着されるが、種々の適切な形状が、シャフト11と一体的に形成された球形遠位チップを含む球形遠位チップを取り付けるために使用できる。
【0033】
球形部分30は、実質的に180°を超える開先角度まで遠位チップの外周の周りで伸長する湾曲外面を有する。球形遠位チップ14の外径は、最大の撮像角度範囲を提供するために、管状本体部材21の遠位部分52の外径に概してほぼ等しい、硬質(すなわち潰れ/拡張しない)外径である。球形遠位チップ14は、そこで伸長する内腔を有し、該内腔を通って針内腔15の遠位区間を形成し、かつ内腔は球形遠位チップ14の遠位端でポート28と連通する。図1に示す実施形態において、内側管状部材26の遠位区間は、球形遠位チップ14内で内腔を形成する。しかしながら、内側管状部材の遠位端が、カテーテルの遠位端に近位である実施形態を含む種々の適切な形状が、使用できる。
【0034】
示した実施形態において、近位支持部分31は、小さな外径になるまで遠位で先細になる外面を有する円錐形区間を有する。支持部分31は、カテーテル10の使用中に球形遠位チップ14をしっかりと接続し、かつ支持するために、十分に強い材料で形成される。支持部分31の長さ及び先細角度は、設計された遠位チップ撮像角度範囲にわたって音響エネルギーから球形遠位チップ部分30を遮蔽又は遮断しないように好ましくは選択される。その上、球形遠位チップ部分30と支持部分31は、位置決め又は抜き取り中に解剖学的構造(すなわち乳頭筋索への弁)の部分又は挿入装置(すなわち導入器、ガイドカテーテル)の部分に引っ掛かることを防止するように構成される。具体的には、球形遠位チップ部分30と支持部分31のテーパと湾曲表面は、カテーテルが障害物から外れるために十分に撓む前に、球形遠位チップ14によって解剖学的構造又は他の装置に加えられる力を限定するように構成される。
【0035】
現在の好ましい実施形態において、チップアセンブリは、機械加工中空ピン34(例えば図1参照)、又は球形チップの中心に/中心付近にフレア端部を有する短いステンレス鋼ハイポチューブ35(例えば図5参照)のような、高強度支持部材の周りでポリマー/プラスチック33で成形されたインサートである。プラスチック材料33は、チップ14で音響エネルギーを散逸させるための減衰材料である。チップアセンブリの円錐部分31は、概して球形部分30と同じ材料から成形され、かつピン34又はハイポチューブ35の一部は、そこから外へ近位に伸長する。
【0036】
一旦カテーテルに取り付けられると、ピン34又はハイポチューブ35の近位端は、カテーテルシャフト21の内部にあり、かつチップアセンブリをカテーテルシャフトの遠位端に取り付ける。それ故に、チップアセンブリは、実質的な金属部分(すなわちピン34又はハイポチューブ35)を有するが、減衰性を有するプラスチックによって覆われ、かつそれと接触し、かつチップの超音波撮像に対するその影響を限定するために、音響エネルギーに直接露出されない少なくとも一区間を有する。カテーテルチップ14は、機械的に強く、しっかりした取り付け及び支持であるように構成され、他方でそれにもかかわらず、カテーテル遠位端の超音波画像内のチップピラミッドアーチファクトの輝度と持続時間を最小限に抑えるために、カテーテル遠位端での金属量を最小限に抑える。
【0037】
球形遠位チップ14は、好ましくは電極の役目を果たし、かつそれ故にそこに電気的に接続された導体(例えば金属ワイヤ)を有する。図1に示した実施形態において、撓み部材17は、部材17が撓みと伝導ワイヤを兼ねるようにピン34に電気的に接続される。しかしながら、カテーテルの全長を伸長するか、又は撓み部材と、球形遠位チップとの間で伸長する別個の伝導ワイヤが設けられる実施形態を含む種々の適切な形状が、使用できる。従って、代替的実施形態において、シャフト11は、管状本体部材21内で伸長する別個の導体内腔を含んでも良いことが理解されるべきである。伝導ワイヤは、球形遠位チップ14にはんだ付け、溶接、機械的圧着又は埋設されるか、又は他の方法で電気的に接続される。
【0038】
示さないが、少なくとも第2電極が、典型的には、対応する電気導体によってシャフト11上に設けられる。第2電極は、例えば球形遠位チップ電極のための参照電極の役目を果たす。第2電極は、心腔の外に位置し、好ましくはチップ組織接触/組織ECG監視用途で、大動脈弓又は大静脈内のように心腔より上にあり、及び/又はECG異常検出用途で、チップの後方約1センチメートルにあるように、管状本体部材21の近位部分51上に好ましくは設けられる。ペーシングを必要とすることが予期される用途において、多くの電極は、少なくとも、1つの電極(表面電極を有する)又は電極対が現在のカテーテル位置で、首尾良くペーシングを行うように、カテーテルシャフトの遠位部分に沿って間隔を空けて置くことができる。導体ワイヤは、カテーテル10を診断又は治療装置(図示せず)に接続するために、近位アダプタ19に設けられる電気コネクタ41に電気的に接続される。
【0039】
図1に示す実施形態において、金属ピン34は、撓み/導体部材17に電気的に接続された近位端36を有し、かつ遠位チップ電極を形成するために、球形遠位チップ14の遠位端に露出した遠位端を有する。ピン34は、ピン34の近位区間の反対側に(図1に破線で示す)2つの溝を有し、かつ撓み/導体部材17の遠位端は、溝の一方の中にある。
【0040】
図5は、球形遠位チップ14bが露出された遠位表面を有さないハイポチューブ35を有する代替的実施形態を示す。結果として、電極の役目を果たすために、チップ14bのポリマー層33の外面の少なくとも一部は、例えば金外層や銅内層のような導体(金属)外層で被覆されるか、又は他の方法でそれが形成される。導体(金属)コーティングは、非常に薄く、かつ図5に示さない。チップ上の薄い金属コーティングは、多量の音響エネルギーを保存するためには、あまりにも少ない質量/寸法を有し、かつまた減衰プラスチックと接触し、かつ非常に薄いので、その反射特性の一部が、その後方のプラスチックの特性によって決定される。薄い金属コーティング(図示せず)は、好ましくは球形外面と球形内部チャンバを形成する球形内面とを有する壁を形成し、プラスチック33が球形遠位チップの針内腔の周りで球形内部チャンバを充填する。図6は、線6−6に沿って切った図5のチップ14bの横断面図を示す。
【0041】
図5に示した実施形態において、別個の伝導ワイヤ40は、外側導体(金属)コーティングに電気的に接続するためにハイポチューブに電気的に接続される。概して金属で形成されるバンド41は、示した実施形態において、ハイポチューブ35と、ケージ22との間に撓み部材17を接続する。図5に示さないが、シャフトは概して、内側管状部材26内に針16と、図1の内側管状部材25に類似し、かつ図5の実施形態において、撓み部材17及び/又は伝導ワイヤ40を含む1つ以上の追加の内側管状部材とを含む。
【0042】
図7は、ポリマー材料及び金属材料42の混合物で形成された壁を有する、本発明の特徴を具現する球形遠位チップ14cの代替的実施形態の縦断面図を示す。混合物は、配合されるか、又は他の方法で組み合わされ、かつ球形遠位チップ14が、診断又は治療装置に電気的に接続される時、電極の役目を果たすように、十分な量の金属材料33を含む。現在の好ましい実施形態において、ポリマー/金属材料混合物は、約80重量%から約98重量%の金属材料33を有する。タングステン、タングステンイリジウム、ステンレス鋼、金又は白金からなる群から選択される金属材料33を含む種々の適切な材料が、使用でき、かつエポキシ、シリコン、熱可塑性樹脂からなる群から選択されるものを含む種々のポリマー材料が、適している。
【0043】
図7の実施形態において、遠位チップ14cの壁は、球形外面と、球形遠位チップ内で針内腔43を形成する内面とを有し、その結果チップ14cが、内部の針内腔43と、遠位チップ14cの球形外面との間の空間を充填する厚くした壁部分を有する。壁によって区画される内腔43は、内側管状部材26の針内腔15の近位区間と連通するか、あるいは内側管状部材26の遠位区間のような管状部材、又は別個の管状部材を受けるように構成される。
【0044】
それ故に、図7に示す実施形態において、ポリマー/金属混合物は、チップ14の外面から内面に伸長する球形遠位チップ壁を形成するために、成形されるか、又は他の方法で形作られる。あるいは、金属/ポリマー混合物は、図5に関して論じた実施形態と類似する球形遠位チップ上に外層を形成するために使用できる。混合物による加工を容易にするために、十分な量のポリマーを含むポリマー/金属混合物は、導電性であるために十分な量の金属を概して含まない。従って、現在の好ましい実施形態において、かかるポリマー/金属材料混合物は、金属材料をポリマー又はポリマー部分と最初に混合することによって導電性にされ、他方でポリマー又はポリマー部分は、液体状態にあり、かつ非導電混合物は、次に球形チップに適用され、かつチップは、金属材料の大部分が金型内に保持されのに反して、ポリマーが金型から流れ出ることを可能にするように構成された金型内で熱と圧力を受ける。このようにして、金属材料の濃度は、金属材料粒子の多くが互いに接触し、かつそれ故に、導電層が、球形チップ上に(又は同様にチップの他の部分上に)形成されるまで上昇する。数サイクルの非導電混合物の添加、及び熱と圧力の再適用が、所望の形状と大きさの導電チップを作るために幾つかの工程において必要とされる。
【0045】
球形遠位チップ14は、チップ14の外周の周りで伸長する均一に湾曲する外面を有する。球形遠位チップ14の外径は、好ましくは、球形遠位チップ14に近位に隣接するシャフトの遠位外面となるシャフト11の一部の外径以下である(但し遠位チップ14の球形部分30の外径は、円錐形部分31の遠位区間よりも大きい)。遠位チップ14の外径(OD)を、カテーテルシャフトのODよりも大きくないように、最小限に抑えることは、カテーテルを内部に収容せねばならないカテーテル挿入部位で必要とされる導入器の寸法(OD/ID)を最小限に抑えるために好ましい。大きな導入器ODは、大きな刺創を引き起こし、それは研究により疼痛、出血、感染症、治癒に要する時間の延長のような合併症の高い発生率を有することが分かっている。物質を注入するために使用される典型的なカテーテルは、血管針又は他の注射用の約4F(約1.3mmのOD)から心室針又は他の注射用の約9F(約3mmのOD)まで、寸法が変動する。遠位チップの球形部分30は、超音波画像のチップピラミッドアーチファクトとエコーの輝度と持続時間を最小限に抑えることを支援するために、カテーテル本体の半径よりも小さい半径を有することができるが、しかしながら、他の全ての条件が同じならば、球形遠位チップの半径が小さいほど、そのチップが撮像できる角度範囲は小さい。
【0046】
有効な滅菌に関する懸念から一般的に好まれないが、代替的な球形遠位チップ(図示せず)は、中空構造を有することができ、球形壁が中空内部チャンバ(すなわちプラスチック33で充填されない)を形成し、かつ遠位チップ電極の役目を果たすために任意に金属又はポリマー−金属ブレンドで形成される。
【0047】
図8は、カテーテル10の遠位端が患者の心臓46の左心室45内にある、針カテーテル10を示す。カテーテル10は、概して大腿動脈に挿入される導入器シースの内腔を介して大動脈47内を逆行的に前進する。図1の実施形態に示したカテーテル10は、ガイドワイヤの上を前進するように構成されていないが、代替的実施形態、及び例えば静脈又は動脈への配送部位において、ガイドワイヤ内腔が、内部でガイドワイヤを摺動自在に受けるためにシャフト11内に設けられる。その上、かかる血管の適用において、ガイドワイヤとカテーテルは、最初に導入器に挿入される案内カテーテルを使用して所定の位置に挿入できる。この心臓内用途において、撓み機構が望まれる。撓み制御機構18を使用して撓み部材17を作動させることによって、カテーテルの遠位端は、シャフト11の長手方向軸から離れるようにして撓む。心室壁の所望の部位と接触してこのように位置決めされた球形遠位チップ14の遠位端によって、電気データが、球形遠位チップ電極14から収集できる。電気データ(例えば組織接触ECG)は、部位が治療されるべきか否かを決定するために、(エコー画像心室壁の動き測定と組み合わせて)組織診断を容易にする。部位は、針16からの生物又は化学剤のような、治療剤の直接注射によって治療できる。図8は、球形遠位チップ14の遠位端と、心室壁に対するポート28とを示し、伸長形状の針16は、ポート28の外に、かつ心室壁の心臓組織48へ進められる。左心室内の複数部位は、それ故に本発明のカテーテルを使用して進入及び治療できる。
【0048】
心室内に示すが、本発明のカテーテルは、血管壁へ、又は血管を介して心筋又は他の隣接組織へ注入するために使用できる。それ故に、遠位針ポート28は、(針がカテーテルの長手方向軸と一直線で伸長する)図1の実施形態において、カテーテルの長手方向軸と同軸の球形遠位チップ14の最も遠位の端部内にあるが、代替的実施形態(図示せず、例えば血管へ又は血管を介して注入するもの)において、カテーテル10は、カテーテルの長手方向軸から離れた角度に針を方向付けるように構成された針ポートを有する。例えば、針が貫通して伸長するポートは、カテーテルの長手方向軸に対して偏心に、又は球形遠位チップの遠位端に近位のカテーテルの側壁に位置できる。
【0049】
超音波は、壁の動きと厚さの視覚化によって、組織診断を行うためにカテーテル供給ECGと併せて使用できる。その上、カテーテル10は、カテーテル10の視覚化と位置決めのために超音波画像を使用することを容易にする。具体的には、左心室内(又は心臓解剖学的構造内の他の所望の位置)でカテーテル10遠位端によって、音響エネルギーは、超音波撮像装置(図示せず)から球形遠位チップ14で方向付けられる。超音波撮像装置は、概して外部装置、TTEプローブ(経胸腔エコー、胸部上プローブ)であるが、TEEプローブ(経食道エコー、咽喉内プローブ)、ICEプローブ(心臓内エコー、心腔内プローブ)、又はIVUS(血管内超音波、血管内プローブ)が代替的に使用できる。
【0050】
球形遠位チップ14は、超音波撮像装置の目視方向に対する広い角度範囲からのカテーテルの遠位端の超音波画像を提供するために、非球形チップよりも拡散的に音響エネルギーを反射する。その上、ポリマーと金属材料で形成される球形遠位チップ14は、中実金属遠位チップ又はバンド電極よりも遠位チップ内で少ない金属を使用し、かつ金属部分は、音響エネルギー減衰プラスチック材料33と接触し、その結果チップピラミッドアーチファクトは、所望の低レベルの輝度と短い持続時間を有するか、又はディスプレイに完全に現れない。
【0051】
一実施形態において、カテーテル10の超音波撮像中に、カテーテルシャフトの内腔の1つ以上は、プラスチック−空気界面よりも少ない音響エネルギーを反射するプラスチック−水性液界面が形成されるように、水性液が充填される。具体的には、超音波画像は、シャフトの針内腔15内で水性液によって生成される。1つ以上の追加内腔を有する実施形態において、シャフトの針内腔15に加えて、1つ以上の追加内腔はまた、好ましくは超音波撮像中に水性液が充填される。例えば、管状本体部材21の内面と、内側管状部材25、26の外面との間の管状本体部材21の内腔空間は、もしあれば、好ましくは超音波撮像中に水性液が充填される。
【0052】
現在の好ましい実施形態において、カテーテル10は、カテーテルの反射波超音波信号を減少させるように構成された、シャフト11の少なくとも一部の外面上にインピーダンス整合外側ジャケット層50を有する。インピーダンス整合外側ジャケット層50は、シャフトの遠位区間の少なくとも一部に沿って概して伸長し、かつ好ましくは近位区間51の上には設けられない。示した実施形態において、層50は、円錐部分31と、球形遠位チップ14の球形部分30との近くに位置する遠位端を有する。層50は、一実施形態において、低密度ポリエチレン(LDPE)、EVA、又は以下を含むエラストマーからなる群から選択されるポリマー材料で形成される。エラストマーは、ネオプレン、シリコン、SBS(線状スチレン−ブタジエン−スチレントリブロックコポリマー)、SB(放射状スチレン−ブタジエンブロックコポリマー)、SIS(線状スチレン−イソプレン−スチレントリブロックコポリマー)、ブタジエン、ポリウレタンを含む。層50が、ポリウレタンのようなエラストマーで形成される実施形態において、潤滑性表面コーティング(図示せず)は、エラストマーの比較的高い摩擦を減少させるために、層50の外面に概して設けられる。示さないが、外側ジャケット層50は、好ましくは粗い外面を形成する不規則な肉厚を有する。
【0053】
図1、5に示した実施形態において、外側ジャケット層50は、圧縮ケージ22の外面上にあり、近位端は、近位シャフト区間の多層編組線で強化された本体の遠位端に接着される。一実施形態において、層50は、適合したポリマーで形成される下層のポリマー層(図示せず)に融着される。例えば、一実施形態において、層50は、LDPEで形成される一方、管状部材21の遠位区間52の一部を形成する下層のポリマー層は、高又は中密度ポリエチレン(HDPE、MDPE)で形成される。しかしながら、層50は、例えば層50がポリウレタンのようなエラストマー材料で形成され、かつ一時的に拡張された層50がシャフト11に引っ込むことを可能にすることによって、エラストマー層50が適用される実施形態でのように、代わりにシャフトに摩擦嵌合できる。
【0054】
インピーダンス整合外側ジャケット層50は、外側ジャケット層50の真下で遠位区間52に沿って外層を形成するポリマー材料よりも血液の音響インピーダンスを密接に整合させるように、血液の音響インピーダンスと、外側ジャケット層の下層にあるシャフト区間の隣接層の音響インピーダンスとの間に、ある音響インピーダンスを有する。例えば、血液の音響インピーダンスは、約1.4×105グラム/(cm2秒)であり、シリコンは、約1.6×105グラム/(cm2秒)であり、軟質ポリウレタンは、約1.8×105グラム/(cm2秒)であり、HDPEは、約2.2×105グラム/(cm2秒)であり、かつステンレス鋼は、約46×105グラム/(cm2秒)である。遠位区間52を形成する材料の音響インピーダンスの間の大きな不整合(すなわち層50のない場合)によって、大部分の超音波が血液/カテーテル界面から反射される。インピーダンス整合外側ジャケット層50は、遠位区間52を形成する材料と血液との間の中間のインピーダンスを有する材料で形成され、その結果各材料界面で、より少ない不整合があり、かつより多くの超音波が、後方に反射するよりも前方に伝搬する。
【0055】
インピーダンス整合外側ジャケット層50は、超音波撮像装置によって放出されか、又は超音波撮像システムによって表示される超音波の中心周波数の4分の1又は4分の3波長の厚さを好ましくは有し、その結果相殺的干渉が、ジャケット層50の外面と内面からの反射波の間で起こる。外側ジャケット層50(及び/又は遠位カテーテルシャフト11の内側部分)の音響特性(例えば音響インピーダンス)は、ジャケット層50の外面と内面からの反射波の振幅が、より等しく、かつそれ故により低い振幅の派生反射エコーを生成するために相殺的干渉するように選択又は調整できる。かかる調整は、当該技術分野において周知であるような、音響インピーダンスを音響反射と関係付け、かつ材料と混合物の物理的特性をその音響インピーダンスと関連付ける式に従って行うことができる。4分の1又は4分の3波長の、インピーダンス整合外側ジャケット層50は、3Dエコーシステムで、カテーテル湾曲本体アーチファクトを最小限に抑えるために、不都合に明るくない垂直(直接エコー)目視方向で、カテーテルシャフト11の超音波画像を生成することを容易にする。
【0056】
4分の1又は4分の3波長層の厚さは、層のポリマー材料の音速と、超音波撮像装置の所望の周波数設定とに基づいて決定される。例えば、一実施形態において、4分の1波長インピーダンス整合層50は、4MHzの中心周波数で超音波撮像に使用するために、約0.0049インチの厚さを有するポリエチレン層、及び約0.0044インチの厚さを有するポリウレタン層からなる群から選択される。上記に与えた値がLDPEと軟質ポリウレタンに特有であるが、しかしながら異なる音速特性を有する多くのポリウレタンやポリエチレン調合物があることに注意すべきである。
【0057】
図9は、回転配向マーカーを有する本発明の特徴を具現する代替的針カテーテル60の立面図を示す。図9の実施形態において、経血管針カテーテル60は、一般的に近位区間と、遠位区間と、遠位シャフト区間の側壁内にあり、かつカテーテルの遠位端から近位に間隔を空けて置かれた遠位ポート67と連通する針内腔65(図11参照)とを有する細長いシャフト61と、針内腔内に摺動自在に配置された針66とを含む。示さないが、シャフト61は概して、シャフト61の壁のポリマー材料内に埋設された金属編組強化フィラメントのような強化材を有する。図9は、カテーテル60の長手方向軸から離れて、ポート67を出て伸長する伸長形状での針を示す。シャフトの近位端上の近位アダプタ69は、作用物質配送のために、又は吸引のために、針66の内腔を通して針66へアクセスできるように構成されたポート70を有する。種々の作動コネクタが、カテーテル60の所望の用途次第で、近位アダプタとすることができる。カテーテル60は、従来知られているように、種々の適切なシャフト形状及び/又は作動遠位端を有することができる。例えば、本発明の実施形態による使用に適した、適切な経血管針カテーテル設計に関する詳細は、全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6283947、6692466、6554801、6855124号を参照せよ。例えば、一実施形態において(図示せず)、針内腔の遠位端部分は、伸長した針が、カテーテルシャフトの長手方向軸から離れるように方向付けられるように膨張バルーンの近位先細区間に沿って伸長する。
【0058】
カテーテルシャフト61は、現在の好ましい実施形態において、カテーテルシャフトの隣接部分と異なる(好ましくはより高反射性である)エコー反射特性を有する材料で形成される、マーカーバンド71を少なくとも遠位区間62上に有する。例えば、一実施形態において、マーカーバンド71は、金属又はポリマー/金属材料混合物で形成される。マーカーバンド71は、蛍光透視法で見えても、又は見えなくても良い。
【0059】
複数の回転配向部材72a〜72dが、カテーテルシャフト61の外面上にあり、かつカテーテルシャフトの隣接部分と異なる(好ましくはより高反射性である)エコー反射特性を有する材料で形成される。現在の好ましい実施形態において、回転配向エコー源性部材72は、金属(すなわち金、タングステン、タングステン−イリジウム)、高音響インピーダンスポリマー、又は金属充填ポリマーのような、マーカーバンド71と同じ材料で形成される。それ故に、部材72は、蛍光透視法で見えても、あるいはその上見えなくても良い。円10内で切った図9のカテーテルの拡大部分縦断面図を示す、図10に示す実施形態において、回転配向エコー源性部材72は、ポリマー材料と金属材料74との混合物で形成される。ポリマー/金属材料混合物は、例えば接着剤、又は好ましくは融着によるように、部材72を、ポリマーシャフト61の外面へ接着することを容易にする。あるいは、部材72は、金属からなることができ、かつ一実施形態において(図示せず)、金属で形成される部材72は、確実に取り付けるためにシャフト61のポリマー壁内で金属編組強化材にはんだ付け又は他の方法で接続される。
【0060】
現在の好ましい実施形態において、部材72a〜72dは、全部が、同じ寸法と、形状と、過度に明るくないカテーテルの超音波画像上にエコー(画像)を生成するように構成された材料組成とを有する。回転配向エコー源性部材72の相対厚さは、例示を簡単にするために図面中で幾らか誇張されることがあり、かつカテーテルの輪郭が不都合に増加することを回避するように、好ましくは選択される。回転配向エコー源性部材72は、概して約0.001インチから約0.008インチの厚さと、約0.010インチから約0.040インチの長さ/幅を有し、かつシャフト61の外面上に僅かに突き出るか、又はシャフト61の外面(例えばジャケット層)内に全体的又は部分的に引っ込めて作られても良く、かつ好ましくはシャフトの外面の下に僅かに引っ込めて作られる。
【0061】
現在の好ましい実施形態において、シャフトは、回転配向エコー源性部材72が設置されかつシャフトに接着され、孔を内部に有する外側ポリマージャケット層を有する一方、部材72は、カテーテルシャフトに対するプローブ角度の所望の範囲で、直接画像を提供するために湾曲した外面を有し、金属、金属充填ポリマー、又は高音響インピーダンスプラスチックで形成される。かかる形状は、(ジャケットによって)シャフトの超音波撮像と、マーカー71からの近位と遠位の位置の決定と、マーカー72からの回転配向の決定とを容易にし、撮像プローブを向いているカテーテルの側において容易に撮像される。
【0062】
図11は、線11−11に沿って切った図9のカテーテルの横断面図を示す。示した実施形態において、シャフト61は、シャフト61の針内腔65に加えて、膨張内腔62と、ガイドワイヤ内腔63とを有する。示した実施形態において、カテーテル60は、ガイドワイヤ内腔63内に、かつシャフトの近位端から遠位に間隔を空けて置かれたガイドワイヤ近位ポートを通って摺動自在に配置されたガイドワイヤ68によって、迅速に交換できるように構成される。しかしながら、種々の適切なカテーテルシャフト設計が、従来知られているように使用できる。カテーテル遠位区間上のバルーン64は、バルーンを膨張させるために、膨張内腔62と液体連通した内部を有する。膨張させられたバルーン64は、血管壁に対するシャフトの針遠位ポート67の位置決めを容易にすること、又は血管内腔内にカテーテルを固定化すること、又は血管内腔を閉塞することを含む、種々の適切な機能のために構成されている。しかしながら、バルーン64、膨張内腔62、及び/又はガイドワイヤ内腔63を有さないか、又はシャフト遠位区間内のポートから患者に薬剤又は対照剤のような液体を配送するように構成された液体配送内腔のような、1つ以上の追加内腔を有するシャフトを含む、種々の適切なシャフト形状が、使用できる。同様に、代替的実施形態において、シャフト61は、追加の針が内部に摺動自在に配置された1つ以上の追加の針内腔を含む(図示せず)。
【0063】
超音波撮像で、図9の実施形態における最も遠位のマーカーバンド71は、シャフト61の針ポート67の長手方向位置を示す。しかしながら、マーカーバンド71は、カテーテルシャフト61の外周全体の周りで均一なので、マーカーバンド71の超音波画像は、カテーテルの回転配向に関わりなく現れる。実際的な注射針66は、一般的に、エコーシステムによって撮像されるために十分に良好に音波を反射するためには小さすぎる。同様に、針66は、多くの場合カテーテルシャフト61によって音波から遮蔽される。それ故に針66は、超音波画像内で見られない/識別可能でない。
【0064】
回転配向エコー源性部材72は、部材72の各隣接対が周方向と長手方向に互いに間隔を空けた配列として配置される。図9の実施形態において、4つの部材72a〜dが、針ポート67の近くで隣接し、かつシャフトの外周の周りで90°の間隔で周方向に離して置かれる。しかしながら、代替的な数と間隔が、カテーテルの所望の配向決定性能特性、部材72のエコー源性と配向、カテーテルシャフト設計のような因子に応じて使用できる。現在の好ましい実施形態において、少なくとも4つの部材72が設けられる。
【0065】
図12は、超音波撮像プローブ80からの音波の直接反射を示すために、近位に間隔を空けて置かれる部材72b〜dが見えるように、かつ近位を向く図9のカテーテルの部材72aを通る斜視横図を示す。音波経路内に直接あり、かつエコーをプローブ80へ直接反射できる面を見せている部材72aは、最も明るく撮像される。超音波撮像プローブ80と反対のカテーテルの側の部材72cは、直接反射を生成するが、それにぶつかる音波、及びその反射エコーが、カテーテル本体を通過せねばならないので、そのエコーは、小さな振幅を有し、かつ部材72aよりも遙かに暗く(又は全く明るくなく)表示される(音響エネルギーの幾つかは、カテーテル本体/血液界面から反射され、かつ音響エネルギーの幾つかは、プラスチックカテーテル本体内で熱として散逸する)。部材72aから90度の2つの部材72bと72d(すなわち各部材72bと72dの面が音波経路から90度の向きに配向される)は、超音波撮像装置プローブから離れるように向けられるエコーを生成し、かつそれ故に撮像されない。
【0066】
図13は、図12に示したように配向されたプローブによる図9のカテーテルの区間の表示された3D超音波画像の表示である。最も直接に反射されたエコーを有する部材72aのみが、この表示において識別可能に現れている。代替的実施形態において、他の部材72b〜dは、(例えばより高エコー源性の材料/構造形状で形成された部材72、又は異なるエコーシステム表示設定を使用して)図13の視界において識別可能にできたが、部材72aよりも遙かに暗い。図14は、図13内のカテーテルの区間が、図12、13に矢印で示した方向で45°回転された場合、図13での同じ画像がどのように見えるかの表示である。この場合に、両方の部材72a、72dは、プローブの音波の直接経路内にあり、かつ図12に示した最も直接の反射経路から45°だけである。それ故に、それらは等しく明るく、かつ部材72bと72cよりも明るいが、図13での部材72aよりも薄暗い(輝度は、陰影の程度によって図中に表される)。一実施形態において、部材72の外面は、72aと72dが図13での部材72aと同じくらい等しく明るいように、曲げられた。
【0067】
図9の実施形態における少なくとも45°の間隔では、プローブ80に対するカテーテル60の回転配向は、カテーテル60のこの区間の識別力を有するエコー画像によって容易に識別できる。それ故に、針66の回転配向(又はカテーテル本体に固定された何らかの他の特徴)は、3Dエコー画像から決定できる。その上、このカテーテル区間の遠位端は、マーカーバンド71により、その近位端から識別できる。針66は、遠位マーカーバンド71の近くにあるので、超音波撮像における針66の位置を知ることができる。患者の体内の時、患者の体組織の3D画像は、存在しかつそれ故に針移動の位置と方向が、撮像された解剖学的構造に対して知られることも同様に明らかなはずである。プローブ80の位置/方向が知られているか、画像に示されるならば、このことはいかなる投影にも当てはまる。それ故に、カテーテル60は、3D画像ディスプレイを観察し、かつ必要に応じてカテーテルを操作すること(回転及び/又は長手方向操作)によって、針66を所望の方向で、所望の解剖学的構造に方向付けることが容易になる。多くの修正が、他の回転配向間隔又は他のカテーテル特徴を識別するために行えることも同様に明らかなはずである。回転配向エコー源性部材72の数と位置、及びマーカーバンド71の数と位置は、好ましくはカテーテルの回転配向及びカテーテルシャフトの区間を示す配向の近位端と遠位端に関する増分情報を提供するために、選択される。それ故に、少量の回転が、部材72の配列の超音波画像の識別可能な変化を生成し、カテーテル回転に関する高度に詳細な情報を提供する。例えば、図9の実施形態の部材72の配列は、カテーテルが、45°右回り又は左回りに回転されたかによって異なる画像を生成する。その上、図9の実施形態における回転配向エコー源性部材72の数と間隔のために、カテーテル60は、部材72の1つ以上が、カテーテルの超音波画像で見えるので、患者の体内でのカテーテルの回転配向を決定するために回転される必要がない。
【0068】
一実施形態において、本発明の方法は、本発明の針カテーテルの3−Dエコー画像を、針カテーテルに隣接する患者の血管の(3−Dエコー、3−Dバイプラナ蛍光又はCT画像のような)画像と重ねる又は交代することを含む。血管画像は、概して動脈及び/又は静脈への対照注射を使用して得られる。画像を重ねる又は交代することによって、方法はこのようにして、本発明の経血管又は心室内針カテーテルを使用して処置中に針を隣接血管に注射することを回避する。
【0069】
本発明は、本明細書において、幾つかの好ましい実施形態に関して記載されるが、当業者は、種々の修正及び改良が、その範囲から逸脱することなく本発明になされることを認識するであろう。例えば、遠位チップ電極の減衰特徴は、カテーテル上の他の電極又はマーカーのような、他の要素の超音波撮像アーチファクトを減少させるために使用できる。その上、針カテーテルに関して主として論じられたが、外科的及び埋め込み型装置、並びにバルーンカテーテル、案内カテーテル、アブレーションカテーテル、装置配送カテーテル、センサ(すなわち、温度、化学、酸素等)を収容又は組み込むカテーテルのような他のカテーテルを含む、本発明の特徴を具現する種々の医療装置が、使用できることが理解されるべきである。例えば、針が除去でき、かつ溶液がカテーテルの空の内腔を通して注入できる(例えば、治療する区域のすぐ近位の血流へ直接注入するため)。その上、血管注入システムにおいて、球形チップは、電極の役目を果たす必要がない可能性があり、従って伝導要件が省略できる。
【0070】
それ故に、開示されたエコー源性カテーテル特徴は、超音波によって案内でき、及び/又は超音波撮像中に解剖学的構造内に存在せねばならないあらゆるタイプのカテーテル/他の装置に適用できる。その上、カテーテルの特徴は、2D又は3D超音波撮像システムによる使用に有用であるが、カテーテルを案内するために、3Dエコーシステムが、2Dエコーシステムによって提供される「スライス」画像よりも好まれることに注意すべきである。2Dエコーシステムは、解剖学的構造とカテーテルを通して非常に薄い平坦なスライスを見るような画像を生成して、カテーテルを識別し/見つけること、カテーテルをそのチップ又は他の関連する部分まで辿ること、及び解剖学的構造のどこにカテーテルの関連する部分が位置し/配向されるか、又は以前の位置/配向に対して位置され/配向されるかを決定することを極めて困難にする。3Dエコーシステムは、解剖学的構造及びカテーテルの大きな3D容積の透視表示であるか、又はその3D表面画像であっても良い画像を生成する。3D画像において、解剖学的基準点は、画像内に豊富にあり、かつ(本出願において記載されたような)適切にエコー源性のカテーテルによって、画像容積内のカテーテルの全ての部分を見ることができ、かつ解剖学的構造に対するカテーテルシャフトの方向は、本明細書に記載したように容易に視覚化される。
【0071】
更に、本発明の一実施形態の個別の特徴が、本明細書で論じられるか、又は一実施形態の図面に示され、かつ他の実施形態では示されないことがあるが、一実施形態の個別の特徴が、もう1つの実施形態の1つ以上の特徴、又は複数の実施形態の特徴と組み合わせられることは、明らかなはずである。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】球形遠位チップを有する本発明の特徴を具現するエコー源性針カテーテルの部分的に断面での立面図である。
【図2】線2−2に沿って切った図1のカテーテルの横断面図である。
【図3】線3−3に沿って切った図1のカテーテルの横断面図である。
【図4】線4−4に沿って切った図1のカテーテルの横断面図である。
【図5】ハイポチューブ接続部材を有する球形遠位チップの代替的実施形態の縦断面図である。
【図6】線6−6に沿って切った図5のカテーテルの横断面図である。
【図7】代替的球形遠位チップ形状の遠位端区間の部分的に断面での立面図である。
【図8】患者の心臓の左心室内での図1のカテーテルを示す。
【図9】カテーテルシャフトの外面に回転配向エコー源性部材を有する、本発明の特徴を具現する代替的エコー源性針カテーテルの立面図である。
【図10】円10内で切った図9のカテーテルの拡大縦断面図を示す。
【図11】線11−11に沿って切った図9のカテーテルの横断面図である。
【図12】部材72aを通して切られ、かつ近位に間隔を空けて置かれる部材72b〜dが同様に見えるように近位に向く、図9のカテーテルの横断面斜視図に対する超音波撮像プローブからの音波の直接反射を示す。
【図13】図12に示したカテーテルに対して配向された超音波撮像装置プローブによる図9のカテーテルの区間の表示された3D超音波画像の表示である。
【図14】図12及び13に示した矢印の方向で45°のカテーテル回転後、表示された3D超音波画像の表示である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)近位端と、遠位端と、針内腔とを有する細長いシャフトと、
b)細長いシャフトの遠位端の球形遠位チップであって、シャフトの針内腔の近位区間及び球形遠位チップの遠位端のポートと連通する内腔を有する球形遠位チップと、
c)伸長形状で球形遠位チップポートから遠位に伸長し、かつ内腔を有する、シャフトの針内腔内の針と
を含むエコー源性針カテーテル。
【請求項2】
a)近位端と、遠位端と、針内腔とを有する細長いシャフトと、
b)細長いシャフトの遠位端の球形遠位チップであって、シャフトの針内腔の近位区間及び球形遠位チップの遠位端のポートと連通する内腔と、ポリマー材料で少なくとも部分的に形成された湾曲外面を有する壁と、球形遠位チップ内部にあり、かつそこから近位に伸長し、かつカテーテルシャフトの遠位端に固定された近位端区間を有する高強度支持部材とを有する、球形遠位チップと、
c)伸長形状で球形遠位チップポートから遠位に伸長し、かつ内腔を有する、針内腔内の針と
を含むエコー源性針カテーテル。
【請求項3】
a)i)近位端と、遠位端と、針内腔とを有する細長いシャフトと、
ii)細長いシャフトの遠位端の球形遠位チップであって、シャフトの針内腔及び球形遠位チップの遠位端のポートと連通する内腔を有する球形遠位チップと、
iii)伸長形状で球形遠位チップポートから遠位に伸長し、かつ内腔を有する針内腔内の針とを含むエコー源性針カテーテルを患者の解剖学的構造内で前進させることと、
b)球形遠位チップの超音波画像を生成するために、球形遠位チップが、非球形遠位チップよりも音響エネルギーを拡散的に反射するように、超音波撮像システムからカテーテルで音響エネルギーを方向付けることと
を含む医療処置を実行する方法。
【請求項4】
a)細長いシャフトであって、細長いシャフトの遠位端の近くで針遠位ポートと連通する針内腔と、隣接する細長いシャフトの材料よりも高度にエコー源性である材料で形成された、細長いシャフトの外面上の複数の回転配向エコー源性部材とを有し、回転配向エコー源性部材が、隣接した各部材対が周方向及び長手方向に互いに間隔を空けた配列として配置されている細長いシャフトと、
b)伸長形状で針遠位ポートから遠位に伸長する針内腔内の針と
を含むエコー源性針カテーテル。
【請求項5】
a)i)細長いシャフトであって、シャフトの遠位端の近くで針遠位ポートと連通する針内腔を有し、かつ、隣接するシャフトの材料よりも高度にエコー源性である材料で形成された、針遠位ポートに隣接して位置するシャフトの区間の外面上の複数の回転配向エコー源性部材とを有し、回転配向エコー源性部材が、隣接している各部材対が周方向と長手方向に互いに間隔を空けた配列として配置されている、細長いシャフトと、
ii)伸長形状で針遠位ポートを通って摺動自在に伸長するように構成された針内腔内の針とを含むエコー源性針カテーテルを患者の体内腔内で前進させることと、
b)回転配向エコー源性部材が等しい輝度で現れないシャフト区間の超音波画像を生成するために、超音波撮像装置からシャフト区間で、超音波エネルギーを方向付けることにより、体内腔内の所望の位置に関して針遠位ポートの配向を決定することと
を含む医療処置を実行する方法。
【請求項6】
細長いシャフトであって、隣接する細長いシャフトの材料よりも高度にエコー源性である材料で形成された、細長いシャフトの外面上に設けた複数の回転配向エコー源性部材を有し、回転配向エコー源性部材は、隣接した各部材対が周方向と長手方向に互いに間隔を空けた配列として配置される細長いシャフトを含むエコー源性医療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−517178(P2009−517178A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543321(P2008−543321)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/044628
【国際公開番号】WO2007/067324
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(307020763)アボット・カーディオヴァスキュラー・システムズ・インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】