説明

改良された適合性を有するパンツ形状衣料

長さ方向(L)及び横方向(T)を有し、使用中使用者の尻上に配置されることを意図される後部分(4)、使用中使用者の腹上に配置されることを意図される前部分(3)、使用中使用者の股に配置されることを意図される股部分(5)を有し、さらに横方向(T)に延びる腰縁(13)を有する腰開口(14)、及び一般に前部分(3)上に位置される脚縁(15)の前部及び一般に後部分(4)及び股部分(5)上に位置される脚縁(15)の後部を有する脚縁(15)によって各々画成される二つの脚開口(16)を有する外部パンティ(2)を含むパンツ形状衣料。外部パンティ(2)の前部分(3)及び後部分(4)は実質的に弾性的に伸張可能な材料からなり、各脚縁(15)の後部が湾曲形状であり、かつ主に股部分(5)上に位置される凹状の湾曲区域(A)及び主に後部分(4)上に位置される凸状の湾曲区域(B)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長さ方向及び横方向を有し、使用中使用者の尻上に配置されることを意図される後部分、使用中使用者の腹上に配置されることを意図される前部分、使用中使用者の股に配置されることを意図される股部分を有し、さらに横方向に延びる腰縁を有する腰開口、及び一般に前部分上に位置される脚縁の前部及び一般に後部分及び股部分上に位置される脚縁の後部を有する脚縁によって各々画成される二つの脚開口を有する外部パンティを含み、後部分及び前部分が腰開口から各脚開口まで長さ方向に走る二つの側部接合部で相互に接続されるパンツ形状衣料に関する。
【背景技術】
【0002】
パンツおむつの形の失禁プロテクタを製造することは益々一般的になりつつある。かかるパンツおむつは一体的な吸収性内部を持つ外部パンティからなる。あるいは、外部パンティは別個の失禁シールドとともに使用されることができ、それは外部パンティ内に一時的に取り付けられ、従って同じ外部パンティを保持しながら新しい失禁シールドのために交換されることができる。両方の種類の失禁プロテクタは幼児用並びに失禁症の成人用に製造される。衛生パンティは月経と関連して使用するために与えられることも生じる。また、かかる衛生パンティは一体化された吸収部分ありで又はなしで利用可能である。
【0003】
ここで関連するパンツは使い捨ての種類のものであり、それはパンツが使用後に廃棄されることを意図され、洗浄されたり又はそうでなければ使用のために復元されたりすることを意図されないことを意味する。これは入手可能な材料及び製造方法がコスト的に有効なものでありかつ極めて高い価格を有する物品を生じないものであることを意味する。
【0004】
特にパンティが成人使用者による使用を意図されるとき、パンティができるだけ多く従来の繊維状パンツを模倣することが重要である。従って、パンティは可撓性で、目立たず、快適であり、“織物”のような仕立てられた印象を与えるべきである。
【0005】
しかしながら、失禁及び月経と関連して使用するために意図されるパンツおむつ及びパンツのための特別な条件は、それらが体液の漏出が防止されるように使用者の腰及び太ももに対して良好な適合性を有し、それらにタイトに一致しなければならないことである。かかる封止を達成するために、パンツおむつ、衛生パンティ及びパンツは腰開口のまわり及び脚開口のまわりに配置されるバンド又は紐の形の弾性要素を与えられる。しかしながら、タイトに適合した弾性要素及びしわを付けられた脚縁からの摩擦及び不快な圧力の危険が存在するという問題がある。弾性要素と使用者の体の間の隙間の形成を避けるため及び使用者の尻の上で脚縁が滑るのを防止するため、弾性要素はパンティが良好な適合性を有するときに必要であるものより多い予備延伸を伴って配置されることが多い。
【0006】
結果として、脚開口での体液の漏出に対して良好な保護を与える、パンツおむつ、衛生パンティ又はパンツの形の良く適合しかつ快適な物品に対する必要性がなお存在する。
【発明の開示】
【0007】
本発明によれば、冒頭に述べられた種類の衣料が作られ、その衣料は従来公知のかかる衣料に関する問題を実質的に除去する。
【0008】
本発明による衣料は外部パンティの前部分及び後部分が実質的に弾性的に伸張可能な材料からなること、及び各脚縁の後部が湾曲形状であり、主に股部分上に位置される凹状の湾曲区域及び主に後部分上に位置される凸状の湾曲区域を有することを特徴とする。
【0009】
本発明による脚カットを有するパンティは極めて良好な適合性を有し、使用者の脚のまわりでパンティの良好な造形を与える。パンティは使用者の尻の下の太ももの後側に対して特に十分に一致し、使用者の尻の上を滑らないだろう。
【0010】
脚縁の後部は有利にはS形状曲線を持ってもよい。かかる例では、脚縁はわずかなS形状を有する。あるいは、最も後に位置される脚縁の凸状湾曲部の部分は一般にまっすぐであることができる。
【0011】
本発明の一例によれば、脚縁の前部もまた湾曲され、凹状湾曲形状を有する。かかる凹状湾曲形状は使用者の太ももの前上の曲線に一致し、パンツに良好な適合性を与えることに寄与する。
【0012】
外部パンティの股部分は実質的に非弾性の材料からなり、それは前接合部において弾性前部分に、後接合部において弾性後部分に接合され、両接合部は外部パンティの横方向に配置される。股部分において非延伸性で非弾性の材料を配置することによって、股部分に吸収ユニットを取り付けるための良好な支持が得られる。吸収体は通常、非弾性であり、もしそれらが延伸にさらされるなら破壊する傾向がある。それゆえ吸収体がさらされる延伸力を最小にすることが望ましい。さらに、非弾性材料は一般に弾性材料より安価である。それは非弾性股部分が使い捨て物品のために特に有利なコスト節約をもたらすことを意味する。
【0013】
非延伸性股部分が外部パンティがその形状を使用者の体に適応する能力に影響を与えるのをできるだけ小さくするためには、股部分における非弾性材料と後部分における弾性材料の間の接合部は脚縁の凸状に湾曲した部分の曲率最大点と同じ高さで又はその前に位置されるべきである。曲率最大点という表現は凸状の曲率が最大となる脚縁の後部分上の点を意味する。
【0014】
対応するように、股部分における非弾性材料と前部分における弾性材料の間の接合部は腰縁から最も遠くに位置される脚縁の前部上の点と同じ高さに位置されるべきである。この点は一般に前部分と股部分を分割する横方向線上に位置され、パンツおむつ又はおむつパンツが装着されるときに使用者の鼠蹊部に位置されるだろう。
【0015】
外部パンティの前部分及び後部分のために特に好適な材料は二つの不織層及びそれらの不織層の間に配置された弾性有孔プラスチックフィルムを含む弾性及び呼吸性の積層体からなる。
【0016】
パンティがパンツおむつであるか又は月経保護のために意図されるとき、それは吸収ユニットを含み、吸収ユニットは液体透過性内部層と液体不透過性バリヤー層の間に包囲された吸収芯を含み、かつ外部パンティの少なくとも股部分に配置される。
【0017】
本発明の一例によれば、弾性要素は脚縁の後部に沿って配置される。従って、細長い弾性要素は各脚開口の脚縁の後部の好ましくは全てに沿って予備延伸を伴って配置される。弾性的に伸張可能であるが細長い弾性要素より低い延伸に対する抵抗を有する前部分のための材料を選択することによって、弾性要素は脚縁の後部分を収縮し、それによって脚縁の前部に沿って弾性材料を延伸するだろう。それによって、側部接合部は後部分に向かう方向に湾曲を示し、腰開口から脚開口に向かう方向で増大する曲率を有するだろう。
【0018】
前部分における弾性的に延伸可能な材料と脚開口の後脚縁に沿って予備延伸された状態で配置された弾性要素の組み合わせによって、幾つかの利点が得られる。従って、後弾性要素は後脚縁を収縮し、また前部分における材料に引張力を出す。その力は一般に後弾性要素の継続に向けられ、それによって主な延伸が各脚開口の前脚縁に起こり、延伸は腰縁に向かう方向で徐々に消失する。これはパンツおむつ又はパンツの側部接合部が衣料上で後方に引っ張られ、釣針又はJの形をとることを意味する。この造形は脚切り抜きの効果を増大すること及び使用者の尻の上の適合を改良することに寄与する。さらに、側部接合部の湾曲が好ましい。なぜならば側部接合部はそれによって使用中使用者の無名骨の後に配置され、従って無名骨上の摩擦及び圧力の危険が除去されるからである。さらに、パンツおむつ又はパンツは極めて良好な適合性を取得し、使用者の体形に密接に一致する。さらに、脚開口の前脚縁に沿っての弾性要素の使用を除外できることは利点である。これは摩擦及び不快な圧力の危険を最小にして柔らかくかつ快適な脚縁を与え、材料の節約と一つの製造工程の省略の点で製造上の利点をもたらす。
【0019】
前脚縁に沿って弾性要素が存在しないにもかかわらず、パンティは極めて良好な適合性を有し、使用者の脚のまわりに適切なガスケットを与える。これは後脚縁に沿った弾性要素が延伸して前部分における弾性材料を活性化するためであり、それによってパンツおむつ又はパンツが装着されるときに前脚縁においても弾性的に収縮する力が起こる。前部分の全てが弾性的に延伸可能であり、後弾性要素によって生じる延伸の度合いは腰縁に向かう方向で消失し、脚開口の前縁に沿った弾性封止はしわ又は他の不整なしで柔らかくかつ快適になる。前脚縁に沿って配置される糸又はバンドの形の従来の弾性要素は極めて局所的な圧力を出し、さらに摩擦ひだを生じるような方法でパンティ中の材料にしわを付けるだろう。
【0020】
後脚縁に沿って弾性要素を配置するさらなる利点は後弾性要素がエレガントな方法で側部接合部上を渡り、魅力的で仕立てられた印象を与えることである。特に失禁プロテクタの成人使用者にとって、失禁プロテクタができるだけ多く通常の下着を模倣すること及び“おむつ”の印象が低下することは極めて重要な側面である。
【0021】
図面の簡単な記述
以下において、本発明は添付図面に示された図を参照してより詳細に記載されるだろう。
図1は使用中使用者に面する側から見た本発明によるパンツおむつの平面図である。
図2は組み立てられた状態で表わした図1のパンツおむつの正面図である。
図3は使用中に表われる図1のパンツおむつの側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
明瞭のため、図1のパンツおむつ1は完全に組み立てられていない平面的に伸張された状態で示される。パンツおむつ1は長さ方向L及び横方向Tを持つ細長い形状を有する。図2では、パンツおむつ1は組み立てられた状態でかつ延伸力にさらされずに表われるように示される。パンツおむつは外部パンティ2を含み、それは使用中使用者の前部に面しかつ使用者の腹の上に配置されることを意図される前部分3、使用中使用者の後部に面しかつ使用者の尻の上に配置されることを意図される後部分4、及び前部分3と後部分4の間に位置されかつ使用中使用者の股に位置されることを意図される股部分5を含む。
【0023】
図1に示された伸張状態では、パンツおむつ1は直線前端縁又は前縁6、直線後端縁又は後縁7及び二つの側縁8を有し、それらは各々、前及び後直線側部区域9,10及びそれらの直線側部区域9,10の間に位置される湾曲脚区域15を有する。示された実施態様では、湾曲脚区域又は脚縁15は本質的に釣針の形状を有し、釣針部はパンツおむつの前部分3の方に曲げられる。湾曲した脚縁15の形状はパンツおむつの適合性に非常に重要である。従って、各脚縁15の後部が正確な方法で設計されることが特に不可欠である。図1から明らかなように、パンツおむつ1の脚縁15の後部はパンツおむつの股部分5に位置される凹状に湾曲された区域A及び後部分4上でそして少し股部分5の方へ延びかつ凸状湾曲を示す区域Bを有する。示された例では、区域Bの最も後の部分は実質的に直線である。しかしながら、この部分をわずかに凹状の曲線で設計して区域B全体がわずかにS形状にすることも代替的に可能である。本発明に従って脚縁を造形することによって、組み立てられたパンツおむつは極めて良好な適合性を与えられ、それは使用者の尻の下に特に良好な封止をもたらす。
【0024】
さらに、脚縁15は前区域Cを有し、それは使用者の太ももの前側上に良好な適合性を与えるために凹状に湾曲される。
【0025】
図2に示されたような組み立てられた状態では、各側縁8の前側部区域9は側部接合部12において対応する後側部区域に接合される。それによって、前縁6及び後縁7は腰開口14を包囲する腰縁13を形成し、側縁8の湾曲された脚縁15は脚開口16を包囲する。
【0026】
側部接合部12は、パンツおむつを装着して使用するときに起こる引張力に抵抗することができるが、使用された吸収性パンティを除去するときに引き裂かれることができるような方法で、作られることが好ましい。開放可能な側部接合部12は吸収性パンティにおける周囲材料を引き裂くために必要とされる力より低い力で接合部を破壊できるものより大きい結合力を持たない。側部接合部12は例えば溶接によって又は接着剤によって作られることができる。
【0027】
外部パンティ2の前部分3及び後部分4は弾性的に延伸可能な材料から形成される。好適な弾性材料は様々なタイプの弾性不織材料である。本発明による吸収性パンティに使用するために好適な弾性不織材料は前部分3上の脚開口16の縁15のまわりで十分な弾性封止を与えるためにパンティの横方向に少なくとも80%、好ましくは少なくとも100%弾性的に延伸されることができるべきである。さらに、もし弾性不織材料が吸収性パンティの長さ方向においても、即ち横方向に垂直な方向においても弾性的に延伸されることができるなら有利である。
【0028】
外部パンティ2における弾性シート材料は二以上の層の積層体からなることができる。図1に示された例では、前部分3及び後部分4は弾性材料からなり、一方股部分5は本質的に非弾性の材料からなる。当然、弾性材料から外部パンティ全体を製造することもできる。目的のために好適な材料は有孔弾性フィルムの各側上に不織層を有する三層積層体である。かかる積層体は弾性的で呼吸可能な外部パンティを与える。また、他の好ましくは呼吸可能な弾性材料を使用することができる。例えば、SMS材料として知られるものを使用することができる。SMS材料はメルトブロー不織層の各側上にスパンボンド不織布の層を有する不織布積層体である。
【0029】
外部パンティ2の股部分5は本質的に非弾性の材料からなり、それは前接合部Sにおいて弾性前部分3に、そして後接合部Sにおいて弾性後部分4に接合され、二つの接合部S,Sは外部パンティ2の横方向Tに配置される。
【0030】
非弾性股部分5が外部パンティの形状を使用者の体に適応させる能力に対するマイナスの影響をできるだけ少なくするためには、股部分5における非弾性材料と後部分4における弾性材料の間の接合部Sは脚縁の凸状に湾曲した区域B上の曲率最大点Pと同じ高さに位置される。曲率最大点Pという表現は凸状曲率が最大となる脚縁15の後部上の点を意味する。従って、後接合部Sは脚縁15の各凸状に湾曲した区域B上の曲率最大点Pの間に横方向で走る。
【0031】
対応するように、股部分5における非弾性材料と前部分3における弾性材料の間の接合部Sは腰縁から最も遠くに位置される脚縁15の前区域C上の点Pと同じ高さに位置される。一般に、この点は前部分3と股部分5を分割する横方向線上に位置され、パンツおむつ1が装着されるときに使用者の鼠蹊部に位置されるだろう。
【0032】
弾性要素は脚開口16のまわりに脚弾性体18として及び腰開口14のまわりに腰弾性体20として配置される。外部パンティ2が二以上の層の積層体から形成されるとき、弾性要素18,20は二つのかかる層の間に取り付けられることが好適である。脚開口のまわりの弾性要素18は股部分5及び後部分4上に配置されるにすぎないが、前部分3上に延びる脚縁15の区域Cは特別な弾性要素を持たない。凸状に湾曲した区域Bに沿ってより脚縁15の凹状に湾曲した区域Aに沿ってより多くの弾性要素18がある。それによって、収縮力はパンツおむつの股部分5においてより大きい。かかる差のある弾性はもちろん一つの同じ弾性要素において緊張を変化することによって達成されることができる。しかしながら、本発明にとって異なる収縮能力を有する弾性体が脚縁15に沿って配置されることは必要でない。
【0033】
外部パンティ2は弾性材料を含むので、腰開口14に特別な弾性要素20を与える必要はなく、多くの用途のための外部パンティ2における弾性はおむつパンツ2が適所にしっかりと快適に存在しかつ使用者の腰のまわりでタイトに適合できれば十分である。
【0034】
脚弾性体18及び腰弾性体20における弾性要素は弾性糸、バンド又は同種物の形であることができる。もし弾性糸又はバンドが使用されるなら、これらの二以上は互いに平行に適用されることが多い。材料はゴム、弾性フォームなどであることができる。
【0035】
芯パッケージ21は例えば接着剤によって又は溶接によって弾性的に延伸可能な外部パンティ2の内側に取り付けられる。芯パッケージ21は外部パンティ2に相互に関係のある表面全体にわたって又はその部分のみにわたって取り付けられることができる。しかしながら、芯パッケージ21は使用中適切な位置から離れたり又は動いたりすることを避けるために外部パンティ2の内側に十分にしっかりと固定されるべきである。
【0036】
芯パッケージ21は液体バリヤー層22、吸収芯23、及び液体透過性内部層24を含む。芯パッケージ21は外部パンティ2に対して液体バリヤー層22で取り付けられる。図1は二つの重ねられた吸収層25,26からなる吸収芯23を示し、そこでは液体バリヤー層22の最も近くに位置される下部吸収層25は内部層24の最も近くに位置される上部吸収層26より幾分大きい。示された例では、芯パッケージ21は平面において角のある砂時計形状を有し、芯パッケージの平面形状は吸収芯23を一緒に包囲する液体バリヤー層22及び液体透過性内部層24の形状によって規定される。当然、異なる平面形状を有する芯パッケージ21を使用することができる。液体バリヤー層22及び内部層24は例えば、より丸められた砂時計形状、矩形形状、台形形状、楕円形状などを有してもよい。さらに、芯パッケージ21は図に示されたサイズを持つ必要はない。パンツおむつに望まれる吸収能力によって、より大きい又はより小さい吸収芯23を使用することができる。さらに、特別な芯パッケージに吸収芯23を配置することは必要でない。代わりに、液体バリヤー層22及び液体透過性内部層24は外部パンティ2の一体化された部分であってもよい。
【0037】
外部パンティ2の股部分5における材料は非延伸性で非弾性であるので、股部分において芯パッケージ21を取り付けるためのより良好な支持が得られる。吸収芯は通常、かなり低い結合力を有する非弾性材料からなり、もしそれらが延伸にさらされるなら破壊する傾向がある。従って、かかる芯がさらされる延伸力を最小にすることが望ましい。
【0038】
液体透過性内部層24は不織材料の層、有孔プラスチックフィルム、ネット、トウ(平行繊維)又は同種物の如き目的のために公知のいかなる材料からなることもできる。内部層24はもちろん同じ又は異なる材料の二以上の層の積層体からなることもできる。
【0039】
液体バリヤー層22は液体不透過性プラスチックフィルム、疎水性不織層又は液体バリヤー特性を有するように処理された不織層、又は液体透過に抵抗する能力を有する他の可撓性材料層からなることができる。しかしながら、もし液体バリヤー層22がある程度の呼吸性を示すなら、即ち層22が水蒸気の通過を可能とするなら、有利でありうる。
【0040】
吸収芯23はセルロース毛羽パルプ、ティッシュ、吸収フォームなどの吸収材料から形成されることができる。また、吸収芯23は超吸収材、即ち水性ゲルを形成しながら自重の数倍に相当する体液を吸収できるポリマー材料、を含むことが一般的である。かかる超吸収材は通常、粒子の形で存在するが、繊維、フレーク、顆粒及びフィルムも見出される。さらに、吸収芯23は剛化要素、造形要素、結合剤などの非吸収性構成要素を含んでもよい。繊維詰物、連続気泡フォーム、吸い上げ層又は同種物の如き様々な種類の体液受容及び体液分配構造を芯パッケージ21に含めてもよい。
【0041】
芯パッケージ21に含められる様々な構成要素は例えば接着又は熱もしくは超音波での溶接によって従来の方法で互いに接続されてもよい。明らかに、芯パッケージ21はここで記載されたものとは別のさらなる構成要素を含んでもよく、例えば芯パッケージは液体輸送層、弾性要素、形状安定要素、造形要素などを含んでもよい。たとえ二つの吸収層25,26を有する吸収芯が示されたとしても、代替配置を使用することができる。例えば、ある用途に対しては、それは単一の吸収層で十分であるかもしれず、一方他の用途は二つより多い吸収層を要求するかもしれない。従って、吸収芯のデザインは吸収芯が吸収することを期待される液体の量に適応されることができる。同様に、吸収される体液の種類及び体液が吸収芯に送出される態様は吸収芯のサイズ及び特性のために当然重要である。
【0042】
前に述べられたように、図2はパンツおむつが装着前にどのように表わされるかを示す。全ての弾性要素及び構成要素は実質的に延伸されない。脚弾性体18及び腰弾性体20は延伸された状態で外部パンティ2に取り付けられるので、それらは延伸が終わるときに外部パンティ2において材料を収縮する。これはパンツおむつ1が装着される前に幾分しわを付けられた腰縁13を有すること及び脚縁15が股部分5及び後部分4においてしわを形成されることを意味する。
【0043】
図3には、使用者によって装着されているパンツおむつ1が示されている。後部分4及び股部分5上の脚縁15に沿った脚弾性体18における緊張が前部分3上の外部パンティ2の弾性材料における延伸に対する抵抗より大きいことによって、脚開口16の最も近くに位置される側部接合部12の部分はパンツおむつ1上で後方に引っ張られる。それによって、側部接合部12は腰縁13から脚縁15に向かう方向で増大する曲率半径を有する湾曲形状を与えられる。側部接合部12の湾曲は結果として側部接合部12がパンツおむつ装着時に使用者の無名骨30の後に置かれることを生じる。これは側部接合部12からの不快な圧力及び摩擦の危険がそれによって除去されるので、主要な利点である。さらに、パンツおむつ1上に装着される衣料上の側部継目と側部接合部12の間の重複が避けられる。
【0044】
前部分3上の脚縁15に沿った特定の弾性要素の不存在は幾つかの側面から有利である。特に、それは使用者の太ももの前部のまわりに滑らかで快適な封止を有する極めて良好な適合をパンツおむつに与える。太ももの内側及び前部上の摩擦の危険は完全に除去され、パンツおむつは通常の衣服の下で目立たずに装着されることができる。
【0045】
本発明は記載された例によって限定されるものとして見なすべきではない。従って、本発明の範囲内で、記載されたものとは異なる態様でパンツおむつの吸収部分を設計することができる。吸収芯の形状及びサイズ、並びに液体バリヤー層及び内部層の形状及びサイズはもちろん変更することができる。また、液体バリヤー層を完全に除外することができる。かかる場合において、パンツおむつの材料は少なくとも吸収芯の領域内で液体透過に抵抗できることが一般に好適である。
【0046】
さらに、脚弾性体は例えば後部分上で延びる脚縁の部分又は後部分及び股部分の一部の上の脚縁に沿ってのみ配置されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】使用中使用者に面する側から見た本発明によるパンツおむつの平面図である。
【図2】組み立てられた状態で表わした図1のパンツおむつの正面図である。
【図3】使用中に表われる図1のパンツおむつの側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向(L)及び横方向(T)を有し、使用中使用者の尻上に配置されることを意図される後部分(4)、使用中使用者の腹上に配置されることを意図される前部分(3)、使用中使用者の股に配置されることを意図される股部分(5)を有し、さらに横方向(T)に延びる腰縁(13)を有する腰開口(14)、及び一般に前部分(3)上に位置される脚縁(15)の前部及び一般に後部分(4)及び股部分(5)上に位置される脚縁(15)の後部を有する脚縁(15)によって各々画成される二つの脚開口(16)を有する外部パンティ(2)を含み、後部分(4)及び前部分(3)が腰開口(14)から各脚開口(16)まで長さ方向(L)に走る二つの側部接合部(12)で相互に接続されるパンツ形状衣料において、外部パンティ(2)の前部分(3)及び後部分(4)が実質的に弾性的に伸張可能な材料からなること、及び各脚縁(15)の後部が湾曲形状であり、かつ主に股部分(5)上に位置される凹状の湾曲区域(A)及び主に後部分(4)上に位置される凸状の湾曲区域(B)を有することを特徴とする衣料。
【請求項2】
前部分(3)上に位置される脚縁(15)の前部(C)が凹状湾曲形状を有することを特徴とする請求項1に記載の衣料。
【請求項3】
脚縁(15)の後部(A,B)がS形状曲線を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の衣料。
【請求項4】
外部パンティ(2)の股部分(5)が実質的に非弾性の材料からなり、それが前接合部(S)において弾性前部分(3)に、そして後接合部(S)において弾性後部分(4)に接合され、両接合部(S,S)が横方向(T)に配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載の衣料。
【請求項5】
股部分(5)における非弾性材料と後部分(4)における弾性材料の間の接合部(S)が脚縁(15)の凸状に湾曲した部分(B)の曲率最大点(P)と同じ高さで又はその前に位置されることを特徴とする請求項4に記載の衣料。
【請求項6】
股部分(5)における非弾性材料と前部分(3)における弾性材料の間の接合部(S)が腰縁(13)から最も遠くに位置される脚縁(15)の前部(C)上の点(P)と同じ高さに位置されることを特徴とする請求項4又は5に記載の衣料。
【請求項7】
外部パンティ(2)の前部分(3)及び後部分(4)が二つの不織層及びそれらの不織層の間に配置された弾性有孔プラスチックフィルムを含む弾性積層体からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の衣料。
【請求項8】
衣料が吸収パッケージ(21)を含み、吸収パッケージ(21)が液体透過性内部層(24)と液体不透過性バリヤー層(22)の間に包囲された吸収芯(23)を含み、かつ外部パンティ(2)の少なくとも股部分(5)において配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の衣料。
【請求項9】
弾性要素(18)が脚縁(15)の後部(A,B)に沿って配置されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の衣料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向(L)及び横方向(T)を有し、使用中使用者の尻上に配置されることを意図される後部分(4)、使用中使用者の腹上に配置されることを意図される前部分(3)、使用中使用者の股に配置されることを意図される股部分(5)を有し、さらに横方向(T)に延びる腰縁(13)を有する腰開口(14)、及び一般に前部分(3)上に位置される脚縁(15)の前部及び一般に後部分(4)及び股部分(5)上に位置される脚縁(15)の後部を有する脚縁(15)によって各々画成される二つの脚開口(16)を有する外部パンティ(2)を含み、後部分(4)及び前部分(3)が腰開口(14)から各脚開口(16)まで長さ方向(L)に走る二つの側部接合部(12)で相互に接続されるパンツ形状衣料において、外部パンティ(2)の前部分(3)及び後部分(4)が実質的に弾性的に伸張可能な材料からなること、及び各脚縁(15)の後部が湾曲形状であり、かつ主に股部分(5)上に位置される凹状の湾曲区域(A)及び主に後部分(4)上に位置される凸状の湾曲区域(B)を有することを特徴とする衣料。
【請求項2】
前部分(3)上に位置される脚縁(15)の前部(C)が凹状湾曲形状を有することを特徴とする請求項1に記載の衣料。
【請求項3】
脚縁(15)の後部(A,B)がS形状曲線を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の衣料。
【請求項4】
外部パンティ(2)の股部分(5)が実質的に非弾性の材料からなり、それが前接合部(S)において弾性前部分(3)に、そして後接合部(S)において弾性後部分(4)に接合され、両接合部(S,S)が横方向(T)に配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の衣料。
【請求項5】
股部分(5)における非弾性材料と後部分(4)における弾性材料の間の接合部(S)が脚縁(15)の凸状に湾曲した部分(B)の曲率最大点(P)と同じ高さで又はその前に位置されることを特徴とする請求項4に記載の衣料。
【請求項6】
股部分(5)における非弾性材料と前部分(3)における弾性材料の間の接合部(S)が腰縁(13)から最も遠くに位置される脚縁(15)の前部(C)上の点(P)と同じ高さに位置されることを特徴とする請求項4又は5に記載の衣料。
【請求項7】
外部パンティ(2)の前部分(3)及び後部分(4)が二つの不織層及びそれらの不織層の間に配置された弾性有孔プラスチックフィルムを含む弾性積層体からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の衣料。
【請求項8】
衣料が吸収パッケージ(21)を含み、吸収パッケージ(21)が液体透過性内部層(24)と液体不透過性バリヤー層(22)の間に包囲された吸収芯(23)を含み、かつ外部パンティ(2)の少なくとも股部分(5)において配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の衣料。
【請求項9】
弾性要素(18)が脚縁(15)の後部(A,B)に沿って配置されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の衣料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−519938(P2006−519938A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507923(P2006−507923)
【出願日】平成16年2月23日(2004.2.23)
【国際出願番号】PCT/SE2004/000236
【国際公開番号】WO2004/078082
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(598166490)エスシーエー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー (21)
【Fターム(参考)】