説明

改良リードロック装置およびその使用方法

【課題】リードロック装置、およびリードにロックする方法を提供する。
【解決手段】リードロック装置10は、リード係合部材12を有し、心棒14が内腔に沿って延びて、リード係合部材の遠位端22に取り付けられ、心棒は、リード係合部材の近位端20を越えて延びている。リードロック装置はまた、心棒の近位端に取り付けられているループハンドル16を有する。リード係合部材は、第1の構造を有し、該構造は、第2の構造よりも狭いが、とても長く患者の体から取り外されるように、実質的にリードの全体の長さに沿って延びている。遠位端において、バネコイルは、心棒のテーパー状の部分の周囲に配置され、ペーシングリードまたは細動除去リードの内側の内腔を通したリードロック装置のトラッキングを改良する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、米国特許出願第10/877,138号(2004年6月25日出願)およ
び米国特許出願第10/877,190号(2004年6月25日出願)の一部継続出願
であり、かつ該出願に対して優先権を主張し、該出願はそれぞれ、米国特許出願第09/
931,961号(2001年8月20日出願)の分割出願であり、該出願は、2004
年8月3日に米国特許第6,772,014号として発行され、該特許は、2001年1
1月27日に米国特許第6,324,434号として発行された米国特許出願第09/7
27,509号(2000年12月4日出願)、および2000年12月26日に米国特
許第6,167,315号として発行された米国特許出願第09/285,720号(1
999年4月5日出願)の一部継続出願であり、米国特許出願第09/725,509号
は、米国特許出願第09/285,720号の分割出願であり、上記出願および特許のそ
れぞれの全内容は、本明細書によって、参照により本出願に援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、リードロック装置、およびリードにロックする方法に関し、さらに詳細には
、リードロック装置、およびリードにロックし、患者の体からリード、例えばペースメー
カーリードを取り外す方法に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な医療処置において、ワイヤ状の装置、例えば、ペースメーカーまたはカテーテル
のための電気リードを人体の内部に取り付ける。ペースメーカーリードは、導電性のワイ
ヤであり、該ワイヤは電極に届き、該電極は、人の心臓の内壁に取り付けられる。ペース
メーカーリードは、一般的には、コイル状のワイヤであり、電気絶縁材料の円柱状の外側
のシースに囲まれている。コイル状のワイヤは、通常、中央のペーシングリードに延びて
いる中空の空間(「内腔」)を残している。
【0004】
ペーシングリードは、通常、数年間、患者内に残される意図でインプラントされる。そ
の期間の間に、繊維組織は、電極およびリードの一部分にわたって成長する。ペーシング
リードは、多くの場合に、さらなるトゲ状の構造またはらせん状の構造を提供され、患者
の心臓の内壁への付着を助長する。
【0005】
ときどき、ペーシングリードは、機能低下し、または以前の位置とは異なる位置に電極
を置くことが所望される。そのとき、どのように使用されないペーシングリードを処理す
るかを決定することが必要である。ペーシングリードを取り外すことと、ペーシングリー
ドを患者内に残すこととの両方が、関連するリスクを伴う。ペーシングリードを患者内に
残すことは、感染の機会を増加させ得るか、さらなるペーシングリードを妨害し得るか、
またはさらなる合併症をもたらし得る。一方、ペーシングリードを取り外すことは、重大
、かつ、致命的であり得る損傷を患者の心臓にもたらし得る。
【0006】
従って、多数の装置が開発され、該装置は、電極付近のリードの端に牽引を適用するた
めに、ペーシングリードの内腔の中へ挿入され、電極付近にペーシングリードを取り付け
得る。Goodeらに対する一連の特許(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文
献4、および特許文献5)は、様々な装置を開示し、該装置は、電極付近の局所的な領域
において、ペーシングリードを取り付ける。Peers−Trevarton(特許文献
6)、Hocherlら(特許文献7)、およびMcCorkel(特許文献8および特
許文献9)は、同様の装置を開示し、該装置は、電極付近にペーシングリードを取り付け
る。しかしながら、これらの装置の全ては、局所的なエリアにおいてペーシングリードを
取り付けるという不都合な点がある。従来技術に従った、ペーシングリードに牽引を適用
し、および/またはペーシングリードを取り外す装置は、ペーシングリードが患者から首
尾よく取り外される前に、捻られ得、および/または壊され得る。さらに、従来技術によ
る装置は、ペーシングリードのコイル状のワイヤのもつれの形状か、またはコイル状のペ
ーシングリードの局所的な捻じれの一部の形状のいずれかに従って、器具に牽引を適用し
ている間に、ペーシングリード取り外し器具と強固に噛み合う。その結果、ペーシングリ
ードから従来の装置を取り外し、ペーシングリード取り外し処置を中止し、また再開する
ことを困難にするか、または不可能にする。
【0007】
従来の装置の延長可能な部分がまた、それらの装置と共に、他のリード取り外し装置ま
たは処置を使用することを困難にするか、または不可能にする。例えば、中央に内腔を有
する実質的に円柱状であり、かつ、可撓性のカテーテルは、多くの場合に、ペーシングリ
ードをスライドし、ペーシングリードがカテーテルの内腔を通過し、カテーテルの先端は
、ペーシングリードから繊維が自由に成長するように使用される。レーザーカテーテルは
また、ペーシングリードをスライドすることで公知であり、該リードにおいて、レーザー
光が、カテーテルに沿って伝えられ、レーザーカテーテルが、ペーシングリードに沿って
進むにつれ、繊維組織は切り離される。結果として、ペーシングリード取り外し装置を有
することがまた所望され、該装置は、カテーテルまたはレーザーカテーテルを妨害しない
ように、内部にペーシングリードを取り付け得、該カテーテルは、ペーシングリード取り
外し装置と共に使用され得る。
【0008】
リードロック装置は、Coeらによる関連の特許文献10、特許文献11、および特許
文献12において開示され、該特許文献はそれぞれ、本明細書において、その全体が参照
により援用される。一部の実施形態において、Coeの装置は、コア心棒の周りに組み立
てられ、該コア心棒は遠位領域を有し、該遠位領域は第1の直径を特徴とし、該直径の周
囲において、金属ブレードまたは他の弾性のある材料が配置されている。金属ブレードの
遠位端は、心棒の遠位端付近で心棒に接着されている。心棒の近位領域は、遠位領域より
も多きい直径を有し、テーパー状の部分は、遠位領域と近位領域とを接続する。装置は、
リードの内部の内腔に配置され、一方、金属ブレードは、心棒にわたってしっかりと引き
延ばされている。いったん挿入されると、ブレードの近位端が緩み、ブレードが放射状に
延びることを可能にする。ブレードの直径が増加するにつれ、ブレードは、実質的にリー
ドの全体の長さに沿って、リードの内部の内腔と係合する。
【0009】
Coeによって開示された装置は、意図された目的には適しているが、例えば、屈曲し
た構造において一部のペーシングリードを使用する一部の限定された状況において、その
ような装置は、ペーシングリードの内部のコイルに引っかかりがちであり得る。従って、
まだ対処されていない必要性が、改良されたトラッキング性能を有するリードロック装置
に対して残されている。
本発明は、当該分野のまだ対処されていない必要性を考慮して開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,943,289号明細書
【特許文献2】米国特許第4,988,347号明細書
【特許文献3】米国特許第5,011,482号明細書
【特許文献4】米国特許第5,013,310号明細書
【特許文献5】米国特許第5,207,683号明細書
【特許文献6】米国特許第4,574,800号明細書
【特許文献7】米国特許第5,549,615号明細書
【特許文献8】米国特許第4,471,777号明細書
【特許文献9】米国特許第4,582,056号明細書
【特許文献10】米国特許第6,167,315号明細書
【特許文献11】米国特許第6,324,434号明細書
【特許文献12】米国特許第6,772,014号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本発明の目的は、リードロック装置を提供することであり、該装置は、リード
の内腔の中へ挿入可能であり、かつ、リードの内部の領域の延ばされた部分と係合し、リ
ードの内部の領域の延ばされた部分とグリップを形成する。
【0012】
本発明の別の目的は、リードロック装置を提供することであり、該装置は、リードの内
腔の中へ挿入可能であり、かつ、リードの内部の領域の延ばされた部分と係合し、リード
の内部の領域の延ばされた部分とグリップを形成し、該延ばされた部分は、少なくとも近
位部分を含んでいる。
【0013】
本発明の別の目的は、リードロック装置を提供することであり、該装置は、リードの内
腔の中へ挿入可能であり、実質的にリードの全体の長さに沿って、リードと係合し、リー
ドとグリップを形成する。
【0014】
本発明の別の目的は、リードロック装置を提供することであり、該装置は、カテーテル
と共に使用することに適合性があり、該カテーテルは、リードの外面にわたって嵌め込ま
れている。
【0015】
本発明の別の目的は、限定するわけではないが、一部の実施形態において、改良された
最遠位部分を有するリードロック装置を提供することであり、その結果、該部分は、装置
の残りの部分よりも可撓性があり、装置が、リード内の捻じれた屈曲を、さらに容易にト
ラッキングすることを可能にする。
【0016】
本発明の別の目的は、リードの内腔内で、リードロック装置をリードの延ばされた部分
に取り付けることによって、患者の体からペーシングリードを取り外す方法を提供するこ
とである。
【0017】
本発明の別の目的は、実質的にリードの全体の長さに沿ってリードロック装置を取り付
けることによって、患者の体からリードを取り外す方法を提供することである。
【0018】
本発明の上記および関連の目的は、リード係合部材を有するリードロック装置を提供す
ることによって実現され、該リード係合部材は、長手方向に沿って延び、その中に内腔を
定義する。心棒は、内腔内に配置され、リード係合部材の遠位端に取り付けられ、心棒は
、実質的に内腔の全体の長さに沿って延び、リード係合部材の近位端を越えて突出する。
リード係合部材は、第1の構造を有し、該構造において、リード係合部材は、リード、例
えばペーシングリードによって定義される内腔内にスライドさせられる。好適には、リー
ド係合部材は、充分に長く、実質的にペーシングリードの全体の長さに沿って延びている
。心棒の最遠位部分は、リード係合部材の遠位端から末端へ延びている。心棒の最遠位部
分は、テーパー状であり得る。バネコイルは、心棒の最遠位部分の周囲に配置され、バネ
コイルの遠位先端において、心棒の遠位先端と固定するように取り付けられている。バネ
コイルの近位先端はまた、心棒に取り付けられる。心棒の最遠位部分とバネコイルの最遠
位部分とは共に、装置の最遠位部分を形成し、該最遠位部分は、装置の残りの部分よりも
可撓性がある。
【0019】
好適には、リード係合部材は、充分に長く、ペーシングリードの全体に長さの少なくと
も約30%の部分、さらに好適には、実質的にペーシングリードの全体の長さに沿って延
びている。リード係合部材が、実質的にペーシングリードの全体の長さを下回って延びて
いるときには、ペーシングリードが、少なくとも、ペーシングリードの遠位部分と近位部
分とに係合することが好ましい。しかしながら、本発明の範囲と意図とは、概ね、リード
係合部材の少なくとも約30%の部分と係合することを含む。リード係合部材は、第2の
構造を有し、該構造において、リード係合部材は、実質的にリードの内腔の全体の長さに
沿って、リードに係合する。リードに対するリード係合部材の係合は、リードに対する接
続またはロックを形成する。実質的にリードと全体の長さにわたり係合することによって
、牽引力が、リードに沿って分配され得、それにより、リード取り外しプロセスの間のリ
ードの歪みおよび破損を低減させる。
【0020】
実質的にリードの全体の長さに沿ってペーシングリードと係合するリード係合部材の包
括的な概念は、多様な実施形態において実現され得る。一部の好適な実施形態において、
リード係合部材は、弾性のあるシースであり、該シースは、第1の構造内で延び、第2の
構造内で実質的に弛緩する。第1の好適な実施形態において、リード係合部材は、ワイヤ
のブレード状のシースである。好適には、ワイヤは、平坦なワイヤであり、該平坦なワイ
ヤは、断面が長方形の形状を有する。第2の好適に実施形態において、リード係合部材は
、弾性のある材料、例えばゴムのシースである。
【0021】
限定ではない一部の好適な実施形態において、本発明は、リードロック装置を含み、該
装置は、中央のコア心棒を含み、該コア心棒は、テーパー状の遠位部分を有し、該部分の
周囲において、可撓性のコイルが配置されている。心棒とコイルとは、共通の遠位端にお
いて、互いに結合されている。コイルは、遠位先端から心棒のテーパー状の遠位部分を越
えて近位方向に延びている。
【0022】
本発明の他の局面は、以下の図面および発明を実施する最良の形態を検討することによ
って、当業者に理解される。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
リードロック装置であって、
遠位端と近位端とを有するリード係合部材であって、該遠位端と該近位端との間で長手
方向軸に沿って延びる内腔を定義する、リード係合部材と、
該内腔内に配置され、該リード係合部材の該遠位端に取り付けられた心棒であって、該
心棒が、実質的に該内腔の全体の長さに沿って延び、該心棒が該リード係合部材の最も近
位端を越えて、該リード係合部材の遠位端を越えて突出する、心棒と、
を備え、
該リード係合部材は、リードの内腔の中へ挿入されるように構成された第1の構造と、
該リードの該内腔内から該リードと係合するように構成された第2の構造とを有し、
該リード係合部材の該遠位端から末端へ突出する該心棒の部分の外径は、該心棒の残り
の部分の外径より小さく、
該リードロック装置は、該心棒の該末端へ突出する部分にわたって配置された可撓性の
コイルを備え、該コイルの遠位端が該心棒の遠位端に固定して取り付けられている、
リードロック装置。
(項目2)
前記リード係合部材は、前記第1の構造において、最大の横径を有し、該横径は、実質
的に前記リードの全体の長さに沿って、実質的に該リードの前記内腔の全直径を下回り、
該リード係合部材は、前記第2の構造において、横径を有し、該横径は、実質的に該リー
ドの全体の長さに沿って、少なくとも実質的に該リードの前記内腔の直径と等しい、請求
項1に記載のリードロック装置。
(項目3)
前記リード係合部材は、ブレード状のシースを備えている、項目2に記載のリードロ
ック装置。
(項目4)
前記リード係合部材は、前記リードの取り外しのために、該リードの前記内腔の少なく
とも約19.5cmに沿って、該リードに係合するように適応されている、項目1に記
載のリードロック装置。
(項目5)
前記リード係合部材は、前記リードの取り外しのために、該リードの前記内腔の少なく
とも約30%の部分に沿って、該リードと係合するように適応されている、項目1に記
載のリードロック装置。
(項目6)
前記リード係合部材は、弾性のある材料のシースを備えている、項目1に記載のリー
ドロック装置。
(項目7)
前記コイルの遠位先端のリード面は、ハンダボールを備えている、項目1に記載のリ
ードロック装置。
(項目8)
前記コイルは、ハンダまたはエポキシを使用して、前記心棒に取り付けられる、項目
1に記載のリードロック装置。
(項目9)
前記心棒の周囲に配置され、該心棒に固定するように取り付けられる金属のマーカーバ
ンドをさらに備え、
該マーカーバンドは、前記コイルに隣接している、項目1に記載のリードロック装置

(項目10)
前記リード係合部材が、前記第1の構造であるときに、前記コイルと該リード係合部材
とは、実質的に同じ外径を有する、項目3に記載のリードロック装置。
(項目11)
前記コイルの外径と前記心棒の前記近位端の外径との比は、1.4:1を下回る、請求
項3に記載のリードロック装置。
(項目12)
リードロック装置であって、
遠位端と近位端とを有するリード係合部材であって、該遠位端と該近位端との間で長手
方向軸に沿って延びる内腔を定義する、リード係合部材と、
該内腔内に配置され、該リード係合部材の該遠位端に取り付けられた心棒であって、該
心棒が、実質的に該内腔の全体の長さに沿って延び、該心棒が該リード係合部材の最も近
位端を越えて、該リード係合部材の遠位端を越えて突出する、心棒と、
を備え、
該リード係合部材は、リードの内腔の中へ挿入されるように構成された第1の構造と、
該リードの該内腔内から該リードと係合するように構成された第2の構造とを有し、
該リード係合部材は、該第1の構造において、最大の横径を有し、該横径は、実質的に
該リードの全体の長さに沿って、実質的に該リードの該内腔の全直径を下回り、該リード
係合部材は、該第2の構造において、横径を有し、該横径は、実質的に該リードの全体の
長さに沿って、少なくとも実質的に該リードの該内腔の直径と等しく、
該リード係合部材は、ブレード状のシースを備え、
該リード係合部材の該遠位端から末端へ突出する該心棒の部分の外径は、該心棒の残り
の部分の外径より小さく、
該リードロック装置は、該心棒の該末端へ突出する部分にわたって配置された可撓性の
コイルを備え、該コイルの遠位端が該心棒の遠位端に固定して取り付けられている、
リードロック装置。
(項目13)
医療装置であって、
外科的にインプラント可能である電気リードであって、その中に内腔を定義する電気リ
ードと、
リードロック装置であって、
遠位端と近位端とを有するリード係合部材であって、該遠位端と該近位端との間で長手
方向軸に沿って延びる内腔を定義する、リード係合部材と、
該内腔内に配置され、該リード係合部材の該遠位端に取り付けられた心棒であって、該
心棒が、実質的に該内腔の全体の長さに沿って延び、該心棒が該リード係合部材の最も近
位端を越えて、該リード係合部材の遠位端を越えて突出する、心棒と、
を備え、
該リード係合部材は、リードの内腔の中へ挿入されるように構成された第1の構造と、
該リードの該内腔内から該リードと係合するように構成された第2の構造とを有し、
該リード係合部材は、該リードの取り外しのために、該リードの該内腔の長手方向の全
体の長さの少なくとも約30%に沿って、該リードと係合するように構成され、
該リード係合部材の該遠位端から末端へ突出する該心棒の部分の外径は、該心棒の残り
の部分の外径より小さく、
該リードロック装置は、該心棒の該末端へ突出する部分にわたって配置された可撓性の
コイルを備え、該コイルの遠位端が該心棒の遠位端に固定して取り付けられている、リー
ドロック装置と
を備えている、医療装置。
本発明のこれらの目的および他の目的、ならびに本発明の利点は、添付の図面と共に、
本発明の好適で例示的な実施形態の以下の発明を実施するための最良の形態から、さらに
明確になり、かつ、さらに容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に従った、リードロック装置を図示している。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態に従った、リードロック装置の概略図である。
【図3】図3Aは、図1の断面の拡大図である。図3Bは、図3Aにおいて図示されたリードロック装置の一部分の断面図である。
【図4】図4は、リードロック装置の概略図であり、該装置は、延ばされた構造においてリード係合部材を保持するメカニズムの第2の実施形態を有する。
【図4A】図4Aは、図1に従ったリードロック装置とペースメーカーリードとの概略図である。
【図5】図5Aおよび図5Bは、本発明に従った、リードロック装置の第2の実施形態の2つの構造を図示している。図5Aおよび図5Bは、本発明に従った、リードロック装置の第2の実施形態の2つの構造を図示している。
【図6】図6は、本発明に従った、リードロック装置の第3の実施形態を図示している。
【図7】図7Aおよび図7Bは、本発明の第4の実施形態に従った、リードロック装置の2つの構造を図示している。
【図8】図8は、最終的なアセンブリに先立つ、本発明の一実施形態の最遠位部分の内部のコンポーネントを図示している。
【図9】図9は、限定ではない、本発明の一実施形態の最遠位部分の最終的な形を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1〜図2に図示されているように、限定ではない一部の実施形態において、本発明は
、リードロック装置を含み、該装置は、リード係合部材12を有し、該部材は、長手方向
に沿って延び、その中に内腔を定義する。心棒34は、内腔内に配置され、リード係合部
材の遠位端3Aに取り付けられ、心棒は、実質的に内腔の全体の長さに沿って延び、リー
ド係合部材の近位端18を越えて突出する。リード係合部材は、第1の構造を有し、該構
造において、リード係合部材は、リード、例えばペーシングリードによって定義される内
腔内にスライドさせられる。リード係合部材は、第2の構造を有し、該構造において、リ
ード係合部材は、実質的にリードの内腔の全体の長さに沿ってリードに係合する。リード
に対するリード係合部材の係合は、リードに対する接続またはロックを形成する。実質的
にリードを全体の長さにわたり係合することによって、牽引力が、リードに沿って分配さ
れ得、それにより、リード取り外しプロセスの間のリードの歪みおよび破損を低減させる
。第1の好適な実施形態において、リード係合部材は、ワイヤのブレード状のシース12
である。好適には、ワイヤは、平坦なワイヤであり、該平坦なワイヤは、断面が長方形の
形状を有する。第2の好適に実施形態において、リード係合部材は、弾性のある材料、例
えばゴムのシースである。
【0025】
概して、リード係合部材は、第2の構造よりも第1の構造において、より小さい最大直
径を有する。第2の構造における大きい直径は、内腔の壁との摩擦力または他の接触力に
より、リード係合部材にリードを内腔内からグリッピングさせる。
【0026】
好適な実施形態に従った、リードロック装置は、リード係合部材を延ばされた構造内に
保持するメカニズムを有する。しかしながら、本発明の包括的な概念は、そのようなメカ
ニズムを有して、リード係合部材を延ばされた位置に保持することに限定されない。例え
ば、ユーザーは、所望のときに、リード係合部材を離すまで、リード係合部材を延ばされ
た位置に手で保持し得る。他の実施形態も、リード係合部材を提供し得、該部材は、弛緩
したリード保持構造においてより大きい直径を有し、かつ、弛緩していないリード非保持
構造においてより小さい直径を有する。
【0027】
メカニズム26の第1の好適な実施形態であって、リード係合部材を延ばされた構造に
保持する実施形態は、プレスフィットメカニズムである。上記のように、リードロック装
置は、リード係合部材を有し、該部材は、長手方向に沿って延び、かつ、その中に内腔を
定義する。プレスフィットメカニズムは、内側のハイポチューブ30と外側のハイポチュ
ーブ32を有し、該内側のハイポチューブと該外側のハイポチューブとは、その間にリー
ド係合部材の近位部分18を同心円状に挟むように配置されている。心棒34は、内腔内
に配置され、リード係合部材の遠位端に取り付けられ、心棒は、内腔の少なくとも約30
%の部分に沿って、さらに好適には、実質的に内腔の全体の長さに沿って延び、リード係
合部材の近位端を越えて突出する。この実施形態における心棒の一部分は、波状の捲縮さ
れた(crimped)パターン28に捲縮され、内側または外側のハイポチューブは、
リード係合部材の一部分をその間に挟み、心棒に沿って、心棒の捲縮された部分の実質的
に中央の部分までにスライド可能である。心棒における波状の捲縮は、内側または外側の
ハイポチューブが捲縮を越えてスライドすることに抵抗する力を与える。しかしながら、
該抵抗する力はとても小さく、ユーザーが、リードロック装置を操作することによって、
該抵抗する力は克服され得る。いったん、内側または外側のハイポチューブが、実質的に
心棒の捲縮された部分の中央内に置かれると、心棒の捲縮された部分は、抵抗する力を与
え、該抵抗する力は、延ばされたリード係合部材の元に戻る力を相殺する。心棒の捲縮さ
れた部分の残りの抵抗する力は、とても小さく、ユーザーが、心棒の捲縮された部分から
離れて戻るように、内側のハイポチューブをスライドさせ得る。こうして、リード係合部
材は、実質的に弛緩した構造を獲得し、外側の直径を増加させ、該直径は、内腔の表面に
係合し、摩擦係合を提供する。
【0028】
他の好適な実施形態において、ラッチングメカニズムは、リード係合部材を延ばされた
構造に保持し、外科医は、リード係合部材を延ばされた構造に手で保持する必要がない。
ラッチングメカニズムの好適な実施形態は、スナップフィットメカニズムである。該スナ
ップフィットメカニズムは、第1のハイポチューブと第2のハイポチューブを有し、該第
1および第2のハイポチューブは、その間に挟まれているリード係合装置の近位部分と同
心円状に配置され、雌コネクタを形成する。第1のハイポチューブは、デテント(det
ent)を有し、該デテントは、第1のハイポチューブ内側の表面の周囲に同心円状に延
びている。スナップフィットメカニズムは、心棒に取り付けられた雄コネクタを有する。
雄コネクタは、外側の表面に沿って同心円状の延びているインデント(indent)を
有する。雄コネクタは、心棒の一部分に取り付けられ、第1のハイポチューブが、雄コネ
クタに向かって引っ張られるときに、第1のハイポチューブの雌コネクタは、雄コネクタ
と係合し、かつ、スナップする。雌コネクタ内のデテントは、雄コネクタ内のインデント
にフィットし、リード係合部材を延ばされた構造で保持する。ユーザーは、リード係合部
材をスナップを外すように、雄コネクタから離れて戻るように雌コネクタをスライドさせ
、それにより、リード係合部材が実質的に弛緩した構造を呈することを可能にする。
【0029】
好適には、リードロック装置は、心棒の近位端に、ループハンドル16を有する。ルー
プハンドルは、ユーザーが患者の体からリードを取り外すことを容易にする。ループハン
ドルは、心棒の近位部分をアニールし、心棒をループ状に曲げ、心棒本体38の周囲に心
棒の端を共にねじることによって構成され得る。代替的に、ループハンドルは、心棒とは
別の材料で構成され得、心棒40の近位端において、捲縮しているスリーブによって、心
棒に取り付けられ得る。好適な実施形態において、ループハンドルは、近位ループであり
、該近位ループは、可鍛性の材料、さらに好適には、心棒自体のアニールされた部分から
作成される。適切な材料は、アニールされたステンレス鋼ワイヤである。好適には、近位
端における心棒の一部分はアニールされ、心棒の別の部分の周囲で捻られ、近位ループハ
イポチューブ内に包まれる。近位ループハイポチューブは、捲縮され、近位ハンドルと心
棒との間に安定した接続を形成する。接着剤、ハンダ、または他の材料を加えることなく
、近位ループハイポチューブを捲縮することが好ましい。しかしながら、本発明の包括的
な概念は、近位ループハイポチューブを捲縮することに限定されない。
【0030】
リード係合部材の遠位端において、放射線不透過性の材料、例えばプラチナイリジウム
合金のマーカーバンド24、またはマーカーバンドの代わりの他の放射線不透過性の材料
は、心棒の周囲に配置され得る。他の実施形態においては、マーカーバンドの長さは、1
ミリメートルよりも短いか、または長いかであり得るが、限定ではない一部の実施形態に
おいて、マーカーバンドの長さは、1ミリメートルである。リード係合部材のバンドと遠
位端とは、単なる例であるが、接着剤、例えばエポキシ接着剤、またはハンダによって、
固定するように取り付けられる。代替的に、リード係合部材が金属を含む場合に、リード
係合部材は、心棒に溶接され得る。
【0031】
操作において、リードロック装置は、リードの内腔の中へ挿入され、リード係合部材は
、リードの少なくとも30%の部分に沿って延びる。さらに好適には、リードロック装置
は、リードの内腔の中へ挿入され、リード係合部材は、リードの少なくとも30%の部分
に沿って延び、該30%の部分は、リードの近位端および遠位端を含む。さらになお好適
には、リードロック装置は、リードの内腔の中へ挿入され、リード係合部材は、実質的に
リードの全体の長さに沿って延びる。
【0032】
リード係合部材が、リードの内腔の中へ挿入される間に、リード係合部材は、延ばされ
た構造にあり、リード係合部材は、内腔の直径よりも小さい直径を有する。いったん、リ
ード係合部材が、リードの内腔の中へ完全に挿入されると、外科医は、リード係合部材を
離すか、またはリード係合部材を延ばされた構造に保持しているメカニズムを外し、リー
ド係合部材は、実質的に弛緩した構造を獲得する。こうして、リード係合部材は、延ばさ
れた構造よりも大きい外側の直径を獲得する。実質的に弛緩した構造において、リード係
合部材は、リードと係合し、それにより、リード係合部材の外側の直径が増加した結果、
リードの少なくとも約30%の部分、さらに好適には、実質的にリードの全体の長さに沿
って、接続を形成する。外科医は、好適にはループハンドルを使用して、リードロック装
置の近位端に牽引を適用する。ループハンドルはまた、患者の体からのリードの取り外し
のために、リードロック装置に対してさらに優れた制御を提供する。リードを患者から取
り外す前か、または取り外した後に、リードロック装置は、リード係合部材を再び延ばし
て、リード係合部材を、再び延ばされた構造にすることによって、リードから選択的に取
り外され得る。延ばされた構造を再び獲得した後に、リードロック装置は、リードから外
され、かつ、リードから解放される。なぜならば、リードロック装置は、再び、内腔の直
径よりも小さい外側の直径を有するからである。リードへのリードロック装置の挿入およ
び取り外しは、ユーザーからの捻じる動作だけでなく、押す動作および引く動作も含み得
る。さらに、患者の体からリードを取り外すことはまた、好適にはループハンドルを使用
して捻じる動作だけでなく、牽引を適用する動作、引く動作、または押す動作を含み得る

【0033】
リードロック装置の第3の好適な実施形態において、リード係合部材は、コイルであり
、該コイルは、心棒の遠位端に取り付けられ、該心棒は、リードの全体の長さの少なくと
も約30%の部分、さらに好適にはリードの全体の長さに沿って延びている。第3の実施
形態に従った、リードロック装置は、リード係合部材に対してしっかりと巻かれた構造を
有し、リード係合部材は、内腔の直径よりも小さい外側の直径を有する。リードロック装
置は、リードの内腔の中へ挿入されるが、リード係合部材のコイルは、しっかりと巻かれ
た構造にあり、その結果、コイルは、リードの内腔内で、実質的にリードの全体の長さに
沿って延びる。外科医は、コイルの近位端に関して心棒を回転させ、これは、部分的にコ
イルを解き、その結果、コイルがゆるく巻かれた構造を呈し、該構造は、しっかりと巻か
れた構造と比較して、増加した外側の直径を有するようにするためである。ゆるく巻かれ
た構造のコイルは、しっかりと巻かれた構造よりも大きい直径を有し、その結果、コイル
は、リードの内腔内においてリードに係合し、かつ、リードにロックする。外科医は、心
棒の近位端に牽引を適用し、患者の体からリードを取り外す。
【0034】
第4の好適な実施形態において、リード係合部材は、らせん状のリボンであり、該らせ
ん状のリボンは、心棒の周囲に巻かれ、該心棒において、リボンの遠位端と心棒の遠位端
とは、好適には接着材料によって取り付けられる。リード係合部材のらせん状のリボンは
、第1の構造において重なっていない。リード係合部材のリボンが、重なっていない構造
にある間に、外科医は、リードロック装置をリードの内腔の中へ挿入し、リボンは、リー
ドの少なくとも30%の部分、さらに好適にはリードの全体の長さに沿って延びる。いっ
たん、リードロック装置が、リードの内腔の中へ完全に挿入されると、外科医は、心棒に
牽引を適用し、リード係合部材のらせん状のリボン自体を、部分的に重ならせ、その結果
、リード係合部材の直径が増加する。リード係合部材の直径の増加は、リードの内腔の少
なくとも30%の部分、さらに好適には、実質的にリード内腔の全体の長さに沿って、接
触を形成する。
【0035】
図1の参照番号10は、本発明の第1の実施形態に従った、リードロック装置を概して
表している。リードロック装置10は、リード係合部材12と、心棒14と、ループハン
ドル16と、プレスフィット型のラッチングメカニズム18とを有する。リード係合部材
12は、近位端20と遠位端22とを有する。図1は、リード係合部材12の一部分を示
し、該部分は、近位端20と遠位端22との間に、図示の目的のために切り取られた中央
部分を有する。その結果、図1は、長さのサイズを合わせたリード係合部材12を図示し
ていない。好適には、リード係合部材12は、少なくとも約65cmの長さである。しか
しながら、リード係合部材12の長さは、意図される用途に従って選択され得る。図2に
概略的に図示されている図を見ると、リード係合部材12は、内腔を定義し、該内腔は、
近位端20と遠位端22との間に延びている。心棒14は、リード係合部材12によって
定義される内腔内に配置され、リード係合部材12の遠位先端24に取り付けられる。好
適な実施形態において、リード係合部材12は、ブレード状のシースである。第1の実施
形態において、リード係合部材12は、遠位先端24において心棒14にハンダ付けされ
る。遠位先端24におけるハンダは、放射線不透過性のハンダであることが好ましい。放
射線不透過性のハンダに適した材料は、金と錫との合金である。さらに好適には、遠位先
端24におけるハンダは、約80%の金と約20%の錫との合金である。
【0036】
好適な実施形態において、プレスフィット型のラッチングメカニズム18は、少なくと
も部分26であって、リード係合部材12の近位端12に取り付けられる、部分と、心棒
14の捲縮された部分28とを有する。好適には、プレスフィットメカニズム26の該部
分は、リード係合部材12の近位端20に取り付けられ、内側のハイポチューブ30と外
側のハイポチューブ32とを有し、該内側および外側のハイポチューブは、その間にリー
ド係合部材12の近位端20を挟むように、同心円状に配置されている。好適には、内側
のハイポチューブ30と外側のハイポチューブ32とは捲縮され、リード係合部材12に
機械的に固定されている。互いに、かつ、リード係合部材12の近位端20に対してしっ
かりと固定されることが好ましい内側のハイポチューブ30と外側のハイポチューブ32
とは、リード係合部材12によって定義される内腔内に配置された心棒14に沿ってスラ
イド可能である。心棒14における捲縮された部分28は、リード係合部材12の近位端
20に関連のある位置に構成され、リード係合部材12の近位端20に取り付けられた内
側のハイポチューブ30と外側のハイポチューブ32とは、リード係合部材12が、延ば
された構造であるときに、心棒14の捲縮された部分28に重なる。さらに好適には、リ
ード係合部材12が延ばされた構造にあるときに、リード係合部材12の近位端20に取
り付けられた内側のハイポチューブ30と外側のハイポチューブ32とが、安定した状態
となり、その結果、概ね捲縮された部分28の中央において、適切に保持されるか、また
は「ラッチ」される。好適な実施形態において、リード係合部材12が実質的に弛緩した
構造にあるときに、リード係合部材12の近位端20に取り付けられた内側のハイポチュ
ーブ30と外側のハイポチューブ32とは、末端へ最遠位先端34を越えている。
【0037】
図1に図示されている図を見ると、リードロック装置10のループハンドル16は、近
位ループ36と端部分38とを有することが好ましく、該端部分は、心棒14の最近位端
40の周りにおいて、さらに捻じられている。好適な実施形態において、近位ループのハ
イポチューブ42は、ループハンドル16の捻られた端38を覆うように配置され、かつ
、捲縮されて、ループハンドル16を心棒14に機械的に取り付ける。好適には、近位ル
ープのハイポチューブ42は捲縮され、それにより、心棒14にループハンドル16を機
械的に強固に取り付ける
好適には、近位ループ36は、アニールされたステンレス鋼のワイヤで作成され、その
結果、ある程度の柔軟性を提供している。さらに好適には、近位ループ36のステンレス
鋼のワイヤは、心棒14自体の最近位の端のアニールされた部分である。約0.020イ
ンチの厚さであり、近位端において約20cmアニールされているステンレス鋼304V
のワイヤは、近位ループ36を有する心棒14に適していることが分かっている。好適に
は、近位ループのハイポチューブ42は、304Vのステンレス鋼である。
【0038】
好適な実施形態において、心棒14と、内側のハイポチューブ30と、ハイポチューブ
32とは、304Vのステンレス鋼である。第1の好適な実施形態において、リード係合
部材12は、ブレード状のシースである。好適には、リード係合部材12は、平坦なワイ
ヤのブレード状のシースであり、該ワイヤは、長方形の断面を有する。好適には、リード
係合部材12の平坦なワイヤのブレード状のシースは、304Vのステンレス鋼である。
さらに好適には、平坦なワイヤは、約0.001インチx約0.003インチの断面の寸
法を有する。リード係合部材12のためのブレード状のシースは、約16本の平坦なワイ
ヤから形成され、特定の用途に適していることが分かった。さらに、延ばされた構造にお
いて0.0016インチであり、かつ、実質的に弛緩した構造において約0.0045イ
ンチであるリード係合部材12の外径は、特定の用途に適していることが分かった。好適
には、リードロック装置の先端は、0.017インチ未満である。好適な実施形態におい
て、心棒14は、近位端から遠位端に向けてテーパーがついている。近位端から遠位端ま
で、約0.020インチから約0.011インチの範囲にある心棒14の厚みは、特定の
用途に適していることが分かった。隅肉を含まないことが、現在ではより好ましいが、リ
ードロック装置10はまた、隅肉を含み得、該隅肉は、外側のハイポチューブ32とリー
ド係合部材12との間の界面において与えられる。隅肉が含まれる場合に、隅肉に適した
材料は、接着剤か、またはハンダである。
【0039】
図3Aおよび図3Bにおいて図示されている別の好適な実施形態を見ると、リードロッ
ク装置10’は遠位バンド46を含み、該遠位バンドは、遠位端22’に取り付けられる
。図3Aは、リードロック装置10’の断面の拡大図であるが、遠位端46は、図2にお
いて図示されているハンダ先端24を取り替えている。遠位バンド46は、リード係合部
材12の遠位端48を覆うように配置されている。好適には、遠位バンド46と遠位部分
48とは、互いに接合される。リード係合部材12の遠位バンド46と遠位部分48とは
、それらの間に配置されるエポキシによって互いに接合されることが好ましい。エポキシ
は、リード係合部材12の遠位部分48のブレードを、ウィックの全体の長さ47まで浸
透する。さらに好適には、エポキシプラグ49は、リードロック装置10’の遠位端にお
いて形成され、遠位バンド46をリード係合部材12と心棒14とに機械的にロックする
。エポキシプラグは、1つ、またはいくつかのワイヤが壊れた場合においても、ブレード
状のリード係合部材を形成するワイヤのほぐれを低減する。他の実施形態において、他の
接着剤、ハンダ、溶接、または捲縮によって、遠位バンド46と遠位部分48とを接合す
ることがまた、適切である。遠位バンドのための適切な材料は、プラチナとイリジウム(
好適には、90%のPtと10%のIr)との合金である。
【0040】
図4は、リードロック装置10’’の概略図であり、該装置は、リードロック装置10
と同様であるが、プレスフィット型のラッチングメカニズム18の代わりに、ラッチング
メカニズム50を有する。リードロック装置10’’において、ループハンドル16’’
は、ループハンドル16と同様である。ループハンドル16’’は、近位ループ36’と
端38’とを形成し、該端は、心棒14の別の部分の周囲において捻られている。近位ル
ープハイポチューブ42’は、ループハンドル16’’の捻られた端38’を覆うように
配置され、該端は、捲縮されていることが好ましい。リードロック装置10’’の好適な
実施形態において、ラッチングメカニズム50は、部分52を有し、該部分は、リード係
合部材12の近位端に取り付けられている。好適には、ラッチングメカニズム50はまた
、部分54を有し、該部分は、心棒14の近位部分に取り付けられ、雄コネクタを提供す
る。リード係合部材12の近位端20に取り付けられる部分52は、心棒14の近位端に
取り付けられている部分54に、選択的に、かつ、取り外し可能に取り付け可能である。
さらに好適には、リード係合部材12の近位端に取り付けられている部分52と心棒14
の近位端に取り付けられている部分54とは、共同してスナップフィットのラッチングメ
カニズムを形成する。さらに好適には、リード係合部材12の近位端20に取り付けられ
ている部分52は、第1のハイポチューブであり、該ハイポチューブは、第1のハイポチ
ューブ52の内側の面によって定義されたデテント56を有する。好適には、心棒14の
近位部分に取り付けられている部分54は、外側の面を有し、該外側の面は、インデント
58を定義する。デテント56は、ラッチングメカニズム50のラッチされた構造におい
てインデント58内に確保され、その結果、リード係合部材を延ばされた構造において保
持する。好適な実施形態において、第2のハイポチューブ60は、心棒14を覆うように
スライド可能に配置され、第1のハイポチューブ52と同心円状に配置され、リード係合
部材12の近位部分20は、その間に配置される。第2のハイポチューブ60と、リード
係合部材12の近位部分20と、第1のハイポチューブ52との同心円状の配置は、接着
剤と、溶接と、捲縮とのうちの少なくとも一つ、しかし好適には捲縮によって、しっかり
と取り付けられ、雌コネクタを形成する。この実施形態において、リードロック装置10
’’は、リードロック装置10のように、遠位先端24を有するが、例えばリードロック
装置10’における遠位バンドのような遠位バンドがまた、使用され得る。第1のハイポ
チューブ52と第2のハイポチューブ60の材料は、ステンレス鋼であることが好ましい
。部分54の材料は、ステンレス鋼か、またはポリマーであることが好ましい。隅肉はま
た、リード係合部材12の第1のハイポチューブ52と近位端20との間の界面において
、提供され得る。隅肉が使用される場合に、隅肉は、接着剤か、またはハンダであること
が好ましい。
【0041】
リードロック装置10の操作において、ユーザーは、リード係合部材12の近位端20
に取り付けられているプレスフィット型のラッチングメカニズム18の部分26を、内側
のハイポチューブ30と外側のハイポチューブ32とが概ね捲縮28の中央に置かれるま
で、遠位先端24からループハンドル16に向けた方向に、心棒14に沿ってスライドさ
せる。心棒14の捲縮された部分28は、内側のハイポチューブ30と外側のハイポチュ
ーブ32とを、そこにスライドさせることに対して抵抗を与える。同様に、いったん、内
側のハイポチューブ30と外側のハイポチューブ32とが、心棒14の捲縮された部分2
8を覆うように置かれると、心棒14の捲縮された部分は、抵抗力を与え、該抵抗力は、
延ばされた構造においてリード係合部材12によって与えられる元に戻る力を相殺し、そ
の結果、リード係合部材12を適切に保持する。
【0042】
リード係合部材12は、リード102、例えばペースメーカーのためのペーシングリー
ドによって定義される内腔内に配置される(図4Aを参照)。ペーシングリードは、コイ
ル状であり、その結果、その中に内腔を形成する。リード係合部材12が、ペーシングリ
ードの長さの少なくとも約30%の部分、さらに好適には、実質的にペーシングリードの
全体の長さに沿って配置されるまで、リード係合部材12は、リードの内腔の中へ挿入さ
れる。外科医、またはリードロック装置10の他のユーザーは、内側のハイポチューブ3
0と外側のハイポチューブ32との組み合わされたユニットを遠位先端24に向けてスラ
イドさせることによって、プレスフィット型のラッチメカニズムを解放する。外科医によ
って与えられるさらなる力は、心棒14の捲縮された部分28によって与えられる抵抗す
る力に打ち勝つ。その結果、リード係合部材12は、実質的に弛緩した構造を獲得し、リ
ード係合部材が延ばされた構造にあるときよりも大きい直径を有する。リード係合部材1
2の広い直径は、リードの全体の長さの少なくとも約30%の部分、さらに好適には、実
質的にリードの全体の長さに沿って、リードの内腔内の内側の面にリード係合部材を摩擦
係合し、かつ、ロックするように作用する。従って、標準的な65cmのペーシングリー
ドに関しては、リード係合部材は、リードの内腔の少なくとも19.5cmと係合する。
リード係合部材12におけるブレード状の平坦なワイヤは、リード係合部材12とリード
の内側の部分との間のグリップの質を高める。さらに、リード係合部材12の可撓性は、
リードの内腔の形状およびサイズに関するバリエーションを補償し、内腔の延ばされた部
分に沿ってよいグリップを確保する。
【0043】
次に、牽引が、心棒14に適用され、これは、主に、ループハンドル16に牽引を適用
することによって提供され得る。リードロック装置10が、リードの少なくとも約30%
の部分、さらに好適には、実質的にリードの全体の長さに沿ってロックされるので、牽引
は、小さな局所的な領域に適用されるよりも、むしろリードの延ばされた部分にわたって
分配される。さらに、リードの少なくとも近位端と少なくとも遠位端とを含むように、リ
ードの内腔の少なくとも約30%の部分に沿って、リードを係合することによって、牽引
力は、リードの少なくとも近位端と少なくとも遠位端とに分配される。牽引力をリードの
延ばされた部分にわたって分配することによって、リードの捻れ、破裂、および破損は低
減される。
【0044】
リードを患者の体から取り外すことに先立って、リードロック装置10はまた、リード
から外され得、かつ、取り外され得る。これは、操作を中止するか、リードロック装置1
0を取り外して、再構成するか、リードロック装置10を取り外して、他の装置に取り替
えるか、またはリードロック装置を取り外して、他の方法および技術を適用するために行
われ得る。リードからリードロック装置を解放するために、外科医は、内側のハイポチュ
ーブ30と外側のハイポチューブ32との配列を近位端に向けて遠位先端24から離れる
ようにスライドさせ、その結果、リード係合部材12を再び延ばす。
【0045】
好適な実施形態において、リード係合部材12のブレード状のシースの平坦なワイヤは
、延ばされた長さのリードに沿ってロックする。リードロック装置10’と10’’とは
、リードロック装置10の操作と同様の方法で操作する。リードロック装置10’’をリ
ードの内腔の中へ挿入した後に、外科医は、牽引を心棒14に適用し、該牽引は、主に、
ループハンドル16’’を通じて適用され得る。第1のハイポチューブ52を遠位先端2
4から離れるように、ループハンドル16’’に向けてスライドさせることによって、患
者の体からリードを取り外す前か、または取り外した後かのいずれかで、リードロック装
置10’’は、リードから取り外され得、第1のハイポチューブ52は、心棒14に取り
付けられた部分54とスナップフィットを形成する。一旦、デテント56が、インデント
58内に確保されると、リード係合部材12は、延ばされた構造に保持され、その結果、
弛緩した構造よりも小さい外径を有する。次に、外科医は、心棒14を通じて牽引をリー
ドロック装置10’’に適用し、リードロック装置10’’をリードから取り外す。リー
ドロック装置10の好適な実施形態は、プレスフィットメカニズムを有し、リードロック
装置10’’はスナップフィットメカニズムを有するが、本発明の包括的な概念は、これ
らの方法でリード係合部材を前もって延ばすことに限定されない。当業者は、上記の教示
に基づいて、様々な他のメカニズムが使用され得ることを認識する。
【0046】
図5Aと図5Bとは、本発明の第2の好適な実施形態を示している。リードロック装置
64は、リード係合部材66と心棒68とを有する。心棒68は、リード係合部材66に
よって定義される内腔内に配置され、リード係合部材66の遠位端70に取り付けられる
。リード係合部材66は、接着材料72によって、心棒68に取り付けられることが好ま
しい。隅肉74は、リード係合部材66と心棒の遠位端70との間の界面において取り付
けられ、より滑らかなフィットを形成する。さらに、球状の要素76は、リードロック装
置64の遠位端78に取り付けられ得、滑らかな円形の先端を形成する。第2の好適な実
施形態において、リード係合部材66は、弾性のある材料、例えばゴム材料である。図5
Aは、延ばされた構造におけるリード係合部材を示す。リードロック装置64はまた、リ
ードロック装置10および10’’と同様にプレスフィットか、またはラッチングのメカ
ニズムを使用し得るか、またはそのようなメカニズムを使用し得ず、その場合、外科医が
、リードロック部材66を延ばされた構造に保持する。同様に、リードロック装置10お
よび10’’はまた、プレスフィットおよびラッチングのメカニズムを伴うことなく使用
され得ず、その場合、外科医は、ブレード状のリードロック部材を延ばされた構造に保持
し得、実質的に該部材が弛緩した構造を獲得するために、該部材を解放し得る。
【0047】
図5Bは、実質的に弛緩した構造におけるリード係合部材66を示し、該構造において
、該リード係合部材は、図5Aに示されているような、延ばされた構造よりも大きい外径
を有する。
【0048】
リードロック装置64は、リードロック装置10、10’、および10’’と同様の方
法で使用される。外科医は、リード係合部材66を延ばし、リード係合部材66をリード
のよって定義される内腔の中へ挿入し、リード係合部材66を解放して、リード係合部材
66が、実質的に弛緩した構造を呈する。延ばされた構造におけるリード係合部材66は
、内腔の直径よりも小さい外径を有する。リード係合部材66を解放するときに、該部材
は、リードの少なくとも30%の部分、さらに好適には、実質的にリードの全体の長さに
沿って、リードの内腔に係合し、リードをロックする。なぜならば、リード係合部材は、
弛緩した構造における内腔の直径と実質的に等しいか、または内腔の直径よりも大きい直
径を有するからである。次に、外科医は、牽引を心棒68に適用し、該心棒は、取り付け
られたループハンドルを含み得る。リードが患者の体から取り外される前か、または取り
外された後かのいずれかで、リードロック装置64は、同様にリードから取り外し可能で
ある。
【0049】
図6は、本発明の第3の実施形態の図である。第3の実施形態に従った、リードロック
装置80は、心棒82を有し、その周囲をコイル84が巻いている。コイル84は、金属
ワイヤであることが好ましい。さらに好適には、コイル84は、ステンレス鋼ワイヤであ
る。リードロック装置80は、しっかりと巻かれた構造を有し、リードロック装置80が
、リードによって定義される内腔の中へ挿入されるときには、該装置の外径は、内腔の直
径よりも小さい。外科医が、リードロック装置80を挿入し、コイル84が、実質的にリ
ードの全体の長さに沿って延びた後に、外科医は、長手方向の軸の周囲で心棒82を回転
させ、コイル84を部分的に緩ませ、その結果、直径の増加したゆるく巻かれた構造を獲
得する。ゆるく巻かれた構造におけるコイル84は、摩擦か、または他の接触力によって
、リードの少なくとも約30%の部分、さらに好適には、実質的にリードの全体の長さに
沿ってリードにロックする。次に、外科医は、牽引を心棒82に適用し、患者の体からリ
ードを取り外す。コイル84をさらにしっかりと巻く方向に、心棒を回転させ、その結果
、しっかりと巻かれた構造を獲得することによって、リードが患者の体から取り外される
前か、または取り外された後かのいずれかに、リードロック装置80は、リードから取り
外され得る。次に、外科医は、牽引がリードにあまり適用されることなく、牽引を心棒8
2に適用することによって、リードからリードロック装置80を取り外し得る。
【0050】
図7Aおよび図7Bは、本発明に従った、リードロック装置の第4の実施形態を示す。
第4の実施形態に従った、リードロック装置86は、心棒88とらせん状のリボン90と
を有し、該らせん状のリボンは、心棒88の周囲に巻かれている。らせん状のリボン90
の最遠位部分92は、好適には、接着剤または溶接によって、心棒88に取り付けられる
。らせん状のリボン90の隣接する部分の間の界面は、心棒の遠位端94から近位端96
に向けた上り勾配を有することが好ましく、該勾配は、鋭角ガンマである。好適には、リ
ボンの隣接する全ての部分の間の角度は、実質的に均一の角度ガンマをなす。操作におい
て、らせん状のリボン90が、リードの少なくとも約30%の部分、さらに好適には、実
質的にリードの全体の長さに沿って延びるまで、外科医は、リードロック装置86をリー
ドによって定義される内腔の中へ挿入する。外科医は、牽引を心棒88に適用し、このこ
とが、図7Bに図示されているように、らせん状のリボン自体を部分的に重ならせる。図
7Bに図示されている構造におけるリード係合部材90の外径は、図7Aに図示されてい
る外径よりも大きい。結果として、リード係合部材90は、リードの少なくとも約30%
の部分、さらに好適には、実質的にリードの全体の長さに沿って、リードにロックする。
【0051】
患者の体からリードを取り外す前か、または取り外した後かのいずれかに、外科医は、
リードロック装置86をリードから取り外し得る。リードロック装置86をリードから取
り外すために、外科医は、心棒82を遠位先端94に向けて押す。次に、リード係合部材
90は、図7Aに図示された構造を再獲得し、該構造は、外科医が、牽引をリード88に
適用するが、リード係合部材が、牽引をリードにあまり伝えることなく、リード係合部材
をリードから取り外すことを可能にする。
【0052】
第3の実施形態80と第4の実施形態86とに従った、リードロック装置のそれぞれは
また、プレスフィットか、またはラッチのメカニズムを有し得、かつ、第1および第2の
実施形態のように、ループハンドルを有し得る。
【0053】
一部の好適な実施形態において、本発明は、装置の遠位端に加えられた追加の特性を有
するリードロック装置を含む。本発明の範囲を限定することのない、単なる一例として、
図8および図9は、好適な実施形態を示し、該実施形態において、リード係合部材12と
、(存在する場合には)マーカーバンド24から末端へ延びている心棒34の遠位端45
の直径は、単なる例として、心棒の最遠位部分の心なし研削によって、小さくされ、該遠
位端は、概ね円柱状であり、次第にテーパーされている。リード係合部材から末端へ延び
ている心棒の先端がテーパーされているときに、該心棒は、テーパーされたリーダと呼ば
れ得る。
【0054】
一部の好適な実施形態において、直径が小さく作成されている心棒の最遠位部分は、1
センチメートルの長さであるが、他の実施形態においては、長さは、長いかまたは短いか
であり得る。心棒の小さい遠位部分にわたって、0.015インチよりも小さい外径を有
するコイル46が、配置される。
【0055】
心棒34の小さい遠位部分にわたって配置されるコイル46は、任意の適切な材料、単
なる一部の例として、プラチナ/イリジウム、プラチナ/ニッケル、プラチナ/金、金、
ステンレス鋼、および/またはポリマーから構成され得る。コイルが、ワイヤから構成さ
れるときに、コイルワイヤは、0.0015インチから0.0035インチまでの直径か
ら構成され得、好適な直径は、0.0025インチである。限定ではない一部の実施形態
において、コイルの形状は、垂直に重ねられた形状、テーパー状、階段状、オープン形状
、単一、または多重であり得る。
【0056】
心棒34の遠位先端とコイル46の遠位先端とは、やはり単なる一例であるが、接着剤
またはハンダ48によって取り付けられる。非外傷性のリード面、単なる例としてハンダ
ボールは、コイルの最外部の遠位先端を構成し得る。リード係合部材の遠位端は、コイル
46の近位端の直近において心棒に取り付けられ、マーカーバンド24は、リード係合部
材とコイルとの間に置かれ得る。本発明の範囲を限定しない一部の実施形態において、リ
ード係合部材、マーカーバンドおよびコイルの外径は、リード係合部材が、第1の(小さ
い)構成にあるとき、リードロック装置の外径は、リード係合部材の遠位端から近位端ま
で滑らかであり、概ね同様であるように選択される。
【0057】
本出願は、著者および/または特許番号によって、米国特許を含む様々な公開物を参照
し得る。これらの参照のそれぞれの開示は、その全体が本明細書において参照により、本
出願に援用されている。
【0058】
当業者が、本明細書の教示から理解することは、本発明の包括的な範囲と意図とから逸
脱することなく、他の構造を提供し得、該構造は、柔軟性の材料か、または伸張可能であ
り、かつ、収縮可能であるリード係合部材を含むか、あるいはバネ状または弾性のある材
料を含み、本明細書に記述された遠位コイルと同様の可撓性を提供するということである
。さらに、当業者が、上記の教示から理解することは、多数の修正およびバリエーション
が、本発明の範囲と意図とから逸脱することなく考えられるということである。
【0059】
本発明は、特に、上記の好適な実施形態および代替的な実施形態を参照して示され、記
述されてきたが、当業者が理解するべきことは、本明細書に記述された、本発明の実施形
態に対する様々な代替案が、特許請求の範囲において定義されるような、本発明の意図と
範囲とから逸脱することなく、本発明を実施する際に使用され得るということである。意
図されていることは、特許請求の範囲が、本発明の範囲を定義するということ、および特
許請求の範囲の範囲内の方法および装置、ならびにそれらの均等物が、それによって包含
されるということである。本発明の記述は、本明細書に記述された要素の新規であり、明
白ではない全ての組み合わせを含むことが理解されるべきであり、特許請求の範囲は、本
出願またはこれらの要素の新規であり、明白ではない任意の組み合わせに対する後の出願
において表され得る。上記の実施形態は、実例であり、1つの特性または要素が、考えら
れる全ての組み合わせに対して不可欠であるわけではなく、該組み合わせは、本出願また
は後の出願において請求され得るものである。特許請求の範囲が、「1つ」または「第1
の」要素の均等物を列挙する場合に、そのような特許請求の範囲は、そのような要素の1
つ以上の組み合わせを含むが、2つ以上のそのような要素を要求することも、または排除
することもないことが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置であって、
前記医療装置は、
遠位端と近位端とを有するリード係合部材であって、前記リード係合部材は、前記遠位端と前記近位端との間で長手方向軸に沿って延びる内腔を定義する、リード係合部材と、
前記内腔内に配置され、前記リード係合部材の前記遠位端に取り付けられた心棒であって、前記心棒が、実質的に前記内腔の全体の長さに沿って延び、前記心棒が、前記リード係合部材の最も近位端を越えて、前記リード係合部材の遠位端を越えて突出する、心棒と、
可撓性のコイルと
を備え、
前記リード係合部材は、リードの内腔の中へ挿入されるように構成された第1の構造と、前記リードの前記内腔内から前記リードと係合するように構成された第2の構造とを有し、
前記リード係合部材の前記遠位端から末端へ突出する前記心棒の部分の外径は、テーパー状であり、
前記可撓性のコイルは、前記テーパー状である末端へ突出する部分上に配置される、装置。
【請求項2】
前記リード係合部材は、前記第1の構造において、最大の横径を有し、前記横径は、実質的に前記リードの全体の長さに沿って、実質的に前記リードの前記内腔の全直径を下回り、前記リード係合部材は、前記第2の構造において、横径を有し、前記横径は、実質的に前記リードの全体の長さに沿って、少なくとも実質的に前記リードの前記内腔の直径と等しい、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記リード係合部材は、ブレード状のシースを備えている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記リード係合部材は、前記リードの取り外しのために、前記リードの前記内腔の少なくとも約19.5cmに沿って、前記リードに係合するように適応されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記リード係合部材は、前記リードの取り外しのために、前記リードの前記内腔の少なくとも約30%の部分に沿って、前記リードと係合するように適応されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記リード係合部材は、弾性のある材料のシースを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記コイルの遠位先端のリード面は、ハンダボールを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記コイルは、ハンダまたはエポキシを使用して、前記心棒に取り付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記心棒の周囲に配置された金属のマーカーバンドをさらに備え、
前記マーカーバンドは、前記心棒に固定するように取り付けられ、前記マーカーバンドは、前記コイルに隣接する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記リード係合部材が、前記第1の構造であるときに、前記コイルと前記リード係合部材とは、実質的に同じ外径を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項11】
前記コイルの外径と前記心棒の前記近位端の外径との比は、1.4:1を下回る、請求項3に記載の装置。
【請求項12】
リードロック装置であって、
前記リードロック装置は、
遠位端と近位端とを有するリード係合部材であって、前記リード係合部材は、前記遠位端と前記近位端との間で長手方向軸に沿って延びる内腔を定義する、リード係合部材と、
前記内腔内に配置され、前記リード係合部材の前記遠位端に取り付けられた心棒であって、前記心棒が、実質的に前記内腔の全体の長さに沿って延び、前記心棒が、前記リード係合部材の最も近位端を越えて、前記リード係合部材の遠位端を越えて突出する、心棒と、
可撓性のコイルと
を備え、
前記リード係合部材は、リードの内腔の中へ挿入されるように構成された第1の構造と、前記リードの前記内腔内から前記リードと係合するように構成された第2の構造とを有し、
前記リード係合部材は、前記第1の構造において、最大の横径を有し、前記横径は、実質的に前記リードの全体の長さに沿って、実質的に前記リードの前記内腔の全直径を下回り、前記リード係合部材は、前記第2の構造において、横径を有し、前記横径は、実質的に前記リードの全体の長さに沿って、少なくとも実質的に前記リードの前記内腔の直径と等しく、
前記リード係合部材は、ブレード状のシースを備えており、前記リード係合部材の前記遠位端から末端へ突出する前記心棒の部分の外径は、テーパー状であり、
前記可撓性のコイルは、前記テーパー状である部分上に配置される、リードロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−176262(P2012−176262A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−111667(P2012−111667)
【出願日】平成24年5月15日(2012.5.15)
【分割の表示】特願2007−556293(P2007−556293)の分割
【原出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(507086217)ザ スペクトラネティックス コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】