説明

改良型の温かい食品配給器

【解決手段】手に持ったまま食べられる、温かい食品の一食分の持ち運び可能な部分を高速で供給するための装置であって、この温かい食品は、しっかりした食べられる容器(24)と、具体的にはチーズを含むピザのドレッシングから成る群から選択される少なくとも1つの食材の詰め物と、を有している。装置は、少なくとも1つの熱源(10)による照射に曝されるコンベヤーベルト(2)と、随意的に、補助コンベヤーベルト(1)を備えている。チーズを含んでいる加熱された食材(23)は、コンベヤーベルト(2)で出口へと運ばれ、そこで落下して食べられる容器(24)に入る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品配給分野に関しており、具体的には、一食分の調理済み食品を高速且つ迅速な方法で入手するための装置に関しており、本装置は、少なくとも1つの食材を細断し、加熱し、溶かし、その後、それを、食べられる持ち運び可能な容器に入れることができる。
【背景技術】
【0002】
持ち運び可能な食品、即ち、手に持ったまま食べられる食品については、様々な型式が知られており、ウェーハの様な食べられる容器に、異なる食材が詰められ、ラップなどが掛かっている場合もある。
【0003】
この種の製品は、大きく2つに分類され、即ち、温かい食物用と冷たい食物用の食べられる容器である。
温かい食物の部類、具体的には、端部に開口部を有する中空の食べられる容器としては、米国特許第4463021号に記載されているピザコーンが知られている。ピザコーンには、モッツァレッラ等のチーズ、トマト等のソース、調理食品、オリーブなどの様な従来のピザドレッシングを詰めることができる。他にも、温かい食品を詰めることのできる食べられるコーンについて、欧州特許公開第0313791号に記載されている。
【0004】
この種の温かい食品は、材料を冷たいままで食べられる容器に入れ、その後製品全体を加熱するか、又は、材料を加熱した後で容器に入れるか、の何れかで得ることができる。
前者に該当する装置は、国際公開WO2005039296号に記載されている。このシステムは、食べられる容器に手で食材が詰められた後で、製品が加熱室内に配置され、そこで、製品が外側表面から始まって中心領域に達するまで温められるため、準備時間が長いという欠点を有している。この操作は、食料配給地点での迅速性の要件と相容れない、極めて長い時間を要することも多い。このシステムには、製品が、取り扱い時にユーザーの手が触れる外側表面は高温で、中心部分は低温になるという別の欠点もある。
【0005】
後者に該当する装置は、国際公開WO2006061187号に記載されている。その装置は、接触によって加熱することのできる表面を有する加熱室を備えており、その表面上に少なくとも1つの予め刻まれた食材が配置されるようになっている。この様に、食材を加熱するための熱交換表面は相当に広くなっているので、食材を均一に加熱して、それを食べられる容器に迅速に入れることになる。従って、製造時間の問題と、食べられる容器の外側の温度が高くなるという問題は、解決される。考えられる代表的な実施形態では、加熱表面は、水平面内で回転する円板に属し、その上を刻まれた食材が動き、そこで、電気抵抗によって加熱が行なわれる。別の例では、加熱表面は固定された面である。このシステムは、迅速な加熱及び製品の質という技術的な問題を解決しても、溶けたチーズをプレートから剥がし、それを出口部分に持っていくための押圧要素が必要になるという欠点を有している。更に、表面のチーズを洗浄する操作が複雑になる。
【0006】
更には、様々なレシピに従って一食分の温かい食品を自動的に準備する必要があり、特に、チーズ、トマト、ハム、及び他の食材の部分を、様々な組み合わせに従って互いに組み合わせるピザには、当てはまると思われる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の特徴は、手で持ったまま食べることができる温かい食品の、持ち運び可能な一食分を、異なる食材を詰めることができる食べられる容器に高速で供給できるようにして、上記欠点を克服している装置を提供することである。
【0008】
本発明の別の特徴は、短時間で、チーズの様な少なくとも1つの食材を、細断し、加熱し、均質化して、食べられる容器に入れることによって変態させることができるような装置を提供することである。
【0009】
本発明の別の特徴は、洗浄操作を実行する際に簡単に検査できる装置を提供することである。
製品を短時間で準備できる装置を提供するのも、本発明の特徴である。
【0010】
本発明の別の特徴は、上記の全操作を、ユーザーの嗜好と採択に従って自動的に実行できるようになっている装置を提供することである。
本発明の別の特徴は、自動的にユーザーの嗜好と採択に従って、チーズ及び他の具材に基づいた様々なレシピに従って、温かい食品を自動的に作ることができる装置を提供することである。
【0011】
以上及びこの他の目的は、手で持ったまま食べることができる温かい食品の持ち運び可能な一食分を高速で供給するための装置により実現され、この温かい食品は、食べられる容器と、チーズを含む少なくとも1つの食材から成る詰め物と、で構成されており、前記装置は、
前記食べられる容器を支持するための手段と、
前記食材を素早く加熱するための手段と、
前記容器内に前記加熱済みの食材を入れ、前記加熱済みの食材と前記容器の組み合わせを作るための手段と、を備えており、
前記素早く加熱するための手段は、
入口と出口を有する、前記少なくとも1つの食材用の加熱室と、
前記少なくとも1つの食材を、第1位置から第2位置まで前記加熱室を通して運搬するための手段であって、前記第1位置で前記刻まれた食材を受け取る、運搬手段と、
前記少なくとも1つの食材を、前記第1位置から前記第2位置へ運搬されている間に、前記運搬手段上で加熱して溶かすための加熱要素と、を備えており、
前記運搬手段は、前記室内に配置された少なくとも1つのコンベヤーベルトであって、前記加熱要素が前記食材を加熱する間に、前記食材を前記第1位置から前記第2位置へ運搬する、コンベヤーベルトを備えていること、を特徴としている。
【0012】
好都合にも、前記加熱して溶かすための手段は、
電気抵抗、
ランプ、
マイクロ波源、
高温気流、
ガスクッカー、から成る群から選択される、前記運搬手段上に配置されている前記少なくとも1つの食材を加熱することのできる少なくとも1つの熱源を備えている。
【0013】
具体的には、前記熱源は、その強度を結合するための手段を備えている。
具体的には、前記少なくとも1つのランプは、ハロゲンランプである。
或る考えられる代表的な実施形態では、前記装置は、前記少なくとも1つの食材を前記運搬手段に向けて送給するための手段を備えている。
【0014】
具体的には、前記送給手段は、前記コンベヤーベルトの上方に配置され、前記食材を前記コンベヤーの上流に持って行くようになっている補助コンベヤーを備えている。
具体的には、前記補助コンベヤーは、ベルトコンベヤーである。
【0015】
好都合にも、シュートガイドが、前記補助コンベヤーの下流の最短距離に、前記刻まれた食材が前記コンベヤーベルトを離れるのを支援するために、配置されている。
具体的には、前記コンベヤーベルト及び/又は前記補助コンベヤーベルトは、
シリコンゴム、
紙、
ガム又はポリマー、
金属、
又は上記材料の組み合わせ、から成る群から選択された非粘着性材料で作られている。
【0016】
具体的には、前記装置は、前記又は各食材が前記運搬手段に達する前に、それを細断するための手段を備えている。
好都合にも、前記細断するための手段は、前記少なくとも1つの刻まれた食材を前記運搬手段の上に広げるために、前記運搬手段及び/又は前記送給手段に対し相対的に動くようになっている。
【0017】
具体的には、前記細断するための手段は、以下の群から選択された位置に従って配置され、前記群は、
前記食材を、前記補助コンベヤーベルト上に配給する前に細断するための、前記刻まれた食品を前記コンベヤーベルトの上流に運搬する前記補助コンベヤーベルトの上流の、前記送給するための手段の上方、
前記細断するため手段が、刻まれた食材を、前記補助コンベヤーベルトから受け取る、前記補助コンベヤーベルトの下流であって、前記細断するため手段は、前記刻まれた食材を前記コンベヤーベルトの上流に供給し、前記補助コンベヤーベルトは、前記ランプから断熱されているのが望ましい、前記補助コンベヤーベルトの下流、及び、
刻まれた食材を前記コンベヤーベルトに直接供給する、前記コンベヤーベルトの上流、で構成されている。
【0018】
或る考えられる代表的な実施形態では、前記装置は、少なくとも1つの食材の自動送給装置を備えており、前記食材は、
カートリッジと、
密閉された袋と、から成る群から選択される単一の密封ユニットに入っている。
【0019】
具体的には、前記送給装置は、前記カートリッジ又は袋を開封して前記食材を絞り出し、前記食材を、前記コンベヤーベルト又は前記補助コンベヤーベルト又は前記細断するための手段に供給することができる。この様に、カートリッジ又は袋を手動又は自動で開封することによって、既に刻まれている食材が、ベルトの上流か、又は補助コンベヤーベルトの上流又は下流に配置することのできる前記細断するため手段に直接供給される。
【0020】
或いは、前記装置は、少なくとも1つの刻まれた食材の自動送給装置を備えており、前記又は各食材は、それぞれの補充可能な容器に入っており、前記容器は、前記自動送給装置に関係付けられており、要求に応じて操作される出口を有しており、前記食材は、前記出口の後、前記コンベヤーベルト又は前記補助コンベヤーベルトに運ばれ、前記操作される出口は、具体的には、前記刻まれた食材を細断するための手段を有しており、具体的には、前記細断するための手段は、一対の平行な反対方向に回転するローラーを備えている。ローラーは、前記自動装置の出口、又は装置の入口の何れかに配置することができる。
【0021】
好都合にも、前記自動送給装置は、前記少なくとも1つの刻まれた食材を、0℃より低い温度、具体的には−10℃より低く、望ましくは−18℃で保存するようになっている冷却手段を備えている。
【0022】
好都合にも、前記装置は、前記食べられる容器を、前記少なくとも1つの食材を前記容器に入れる前に、加熱するための手段を備えている。
或る考えられる代表的な実施形態では、前記装置は、液体又はクリーム状の食材を、前記少なくとも1つの食材に、或る位置、即ち、
前記コンベヤーベルトの表面の上、
前記コンベヤーベルトの下流、及び、
前記食べられる容器、から成る群から選択された位置で加えるための手段を備えている。
【0023】
この様に、この液体又はクリーム状の食材、例えばトマトソースをコンベヤーベルトの上で直接加えることもでき、その場合、紙の様な廃棄可能な材料のベルトが適しており、それを毎回、ベルトの下流か、又は食べられる容器に直接、取り付ける。
【0024】
液体又はクリーム状の食材を加えるための前記手段は、自動的に又は時間によって又は被駆動式で開く、一食分投与装置を備えているのが望ましい。
好都合にも、前記温かい食品の一食分を供給するための前記装置は、少なくとも1つのドレッシング食材を前記一食分に加えるための手段を備えている。
【0025】
本発明の或る代表的な実施形態では、前記装置は、堅いボックスの中に完全に入っていて、ユーザーの要求に応じて前記一食分を自動的に送り出すようになっている自動配給器を作っている。
【0026】
具体的には、前記少なくとも1つの食材は、
チーズ又はモッツァレッラと、
肉又は調理食品と、
新鮮な又は保存された野菜と、
オイル又はピクルス漬け食物と、
魚と、
上記食材の組み合わせと、から成る群から選択される。
【0027】
具体的には、前記食べられる容器は、焼いた食品である。
具体的には、前記食べられる容器は、
パニーノ、ブリオッシュ、ピアディーナの様な凸形と、
薄壁の中空の殻と、から成る群から選択された形状を有しており、
前記薄壁の中空の殻は、
球形、円筒形、円錐形、立方体のウェーハなどの様な幾何学的形状、
果物又は野菜の部片、
動物、キャラクタ、花など、及び、
一般的な物、から成る群から選択される。
【0028】
好都合にも、前記食べられる容器を支持するための前記手段は、前記食べられる容器を、前記加熱室の出口に保持し、配置するための要素を備えており、前記保持するための要素は、前記食べられる容器のためのハウジングと、ハンドルとを有しており、前記ハウジングは、固定された又は調整可能な開口部を有しており、前記保持するための要素は、具体的には、前記加熱室の出口に連結するための手段を有しており、前記連結するための手段は、差込連結器であるのが望ましい。
【0029】
本発明の別の態様によれば、温かい食品を準備する装置は、複数の細断された食材の自動送給装置と、前記食材の内の少なくとも2つを組み合わせたものを加熱するための手段とを備えており、前記自動送給装置は、各細断された食材用の容器を備えており、前記容器は、前記食品の充填入口と、要求に応じて、所定食分の前記食材を放出するための手段が装備されている出口とを有しており、前記食材は、前記出口の後、食べられる支持器上に運ばれ、前記容器が収納されている場所には、冷却手段が設けられており、前記少なくとも1つの刻まれた食材を、0℃より低い温度、具体的には−10℃より低く、望ましくは−18℃で保存するようになっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明は、以下の幾つかの代表的な実施形態の添付図面に関連付けた説明によって明白になるであろうが、それら実施形態は、例示であって、本発明を制限するものではない。
以下の説明で、手で持ったまま食べられる温かい食品の一食分の持ち運び可能な部分を高速で準備し、供給するための装置について述べる。具体的には、この温かい食品は、食べられる容器と、具体的にはチーズを含んでいるピザの代表的なドレッシング食材の様な少なくとも1つの食材である詰め物とで構成されている。
【0031】
本発明によるその様な装置は、この食材を細かく刻んだ後、短時間で加熱して溶かし、それを、食べられる容器に入れて、食べられる容器と詰め物の温かい組み合わせを作ることができる。その様な温かい食品は、サンドイッチの様に、手でもったまま食べるのに適しているが、新鮮な状態で取り扱われる食材を使って高速で作られるので、食材の新鮮さと詰め物の衛生状態、並びに食材を詰められた食べられる容器の香りが完全に保たれる。温かい食品は高速で作られるので、本発明による装置は、作業時間が短いという要件も実現している。
【0032】
本発明による第1実施形態のその様な装置を、図1に斜視図で示している。装置は、コンベヤーベルト2が、補助コンベヤーベルト1の様な補助コンベヤーの下に配置されているので、補助コンベヤーベルト1上に配置された食材は、補助コンベヤーベルト1の下流で且つコンベヤーベルト2の上流の領域で、コンベヤーベルト2の上に落下する。この様に、その様なコンベヤーベルト1と2は、実質的に水平で、互いに部分的に又は完全に重なっていてもよく、その様なコンベヤーベルト1と2は、図1の矢印30と31に従って互いに反対方向に動く。食材の取り扱いと粘性次第では、その様なコンベヤーベルト1と2を、僅かな傾斜を付けて配置してもよいことは明白で、図に示していない、重ならないやり方で取り付けてもよい。
【0033】
更に、図1に示す例では、装置は、食材を細断するための手段、具体的には先行技術のシュレッダー3が、補助コンベヤーベルト1の上方に、実質的にベルト1の上流に配置されている。補助コンベヤーベルト1とコンベヤーベルト2の間には、少なくとも1つのランプ、例えばハロゲンランプが在り、図1には示していないが、他の図面では10で図示されている。ランプ10から照射される熱エネルギーは、コンベヤーベルト2に自由に照射され、細断された食材、具体的にはこのベルトに載っているチーズを、通過する間に加熱し及び/又は溶かす。このエネルギーの伝達は、補助コンベヤーベルト1に対しては11で遮蔽され、コンベヤーベルト2だけを加熱するのが望ましい。コンベヤーベルト2の下流には、シュート面が、既に加熱されて溶けているこの食材を、食べられる容器内へと運搬し、温かい一食分の食品を完成できるようにする角度で配置されている。図1には、補助コンベヤーベルト1にある刻まれた冷たい食材を、コンベヤーベルト2に向けて送り、配給するのを支援する偏向要素4も示されており、コンベヤーベルト2の上でこの食材が加熱され、溶かされることになる。
【0034】
食べられる容器は、図に示していないが、入手済みの焼いた製品であり、小麦粉、水、イースト菌、塩など、ピザ生地の代表的な材料で作られており、例えば、円筒、円錐台、円錐、球形などの形状を有するカップ形容器の機能を有している。
【0035】
食材は、ピザのドレッシングの代表的な食材、例えば、チーズすなわちモッツァレッラ、ソース、ケーパー、オリーブ、調理食品、アンチョビーなどであるが、溶けたチョコレート、甘いクリームの様な他の食材を含んでいてもよい。
【0036】
この様にしてできた食品は、食べられる容器に食材を詰めた後で、少なくとも1つのドレッシング食材を食品の上に配置して完成する。
その様な機械は自動式になっており、例えば、ボックス型の自動販売機内に、ユーザーの求めに応じて、一食分の高速で温められる食品を自動的に送出できるように、配置される。
【0037】
図2は、図1で既に説明した装置を図解している。補助コンベヤーベルト1の上流に配置されているシュレッダー3は、少なくとも1つの刻まれた材料20、例えば、モッツァレッラ、の供給を受けて、まだ冷たい刻まれた食材21を送り出し、それが補助コンベヤーベルト1上に落下するのに任せ、補助コンベヤーベルト1は矢印30の方向に動いているので、食材は、コンベヤーベルト2上に落下し、ランプ10の照射に曝される。シュレッダー3と補助コンベヤーベルト1の間の刻まれた食材の経路21は、図には示していないが、カーターによって保護されていて、刻まれた食材の粒子が、シュレッダー3の出口で、その運動エネルギーによって散らばらないようになっているのが望ましい。刻まれた食材は、補助コンベヤーベルト1から、補助コンベヤーベルト1の下流にそこから最短の距離に配置されているシュートガイド25による支援を受けて、放出される。具体的には、シュートガイド25は、固定された位置に配置されていて、コンベヤーベルトの運動中にスクレーパーとして機能する。この様に、刻まれた食材21は、コンベヤーベルト2に達すると、ランプ10によるエネルギー照射によって加熱され、及び/又は溶けて、柔らかくて均質な材料22になり、シュート面5に送られ、温かい食材23を形成し、それが食べられる容器24に入れられる。
【0038】
図3、図4及び図5は、本発明の代表的な代替実施形態を示しており、具体的には、図3は、補助コンベヤーベルト1の下流にシュレッダー3を有している、本発明による装置を示している。この様に、刻まれた食材20は、補助コンベヤーベルト1上に載せられ、シュレッダー3に向けて運搬され、シュレッダーは、細断された食材21を出力する。細断された食材は、コンベヤーベルト2に載って移動し、ランプ10に照射されて加熱され、及び/又は溶ける。その後、溶けた食材22は、温かい食材23となり、先の図と同様に、食べられる容器24に達する。
【0039】
或いは、図4と図5に示す様に、本発明による装置は、補助コンベヤーベルト1が無く、コンベヤーベルト2だけを備えていてもよく、その場合は、刻まれた食材が、シュレッダー3又はコンベヤーベルト2上に直接送給される。
【0040】
図5に示している、食材送給ユニットの考えられる実施形態は、カートリッジ30の様な、密封ユニットに入った食材を提供しており、食材20を送給するための自動装置32が設けられていて、前記カートリッジ30を開き、前記食材20を絞り出して、それをコンベヤーベルト2又は補助コンベヤーベルト1又はシュレッダー3に供給することができるようになっている。
【0041】
自動装置32を先の図面で既に説明した全ての代表的な実施形態に用いれば、1つ又は複数の材料20を、シュレッダー3の入口でカートリッジ30から取出して投入し、シュレッダー3がその様な食材を細かく刻んで、全ての食材を迅速に溶かすための非常に高い熱交換面が得られるようにすることができることは明白である。
【0042】
その様なカートリッジに入っている食材が既に細かく刻まれていれば、シュレッダー3が不要であることも明らかである。
図6は、本発明の別の代表的な実施形態を示しており、既に刻まれているか又は細断されている食材21が、ホッパー27の様な配給器によって補助コンベヤーベルト1に提供され、その後、コンベヤーベルト2上に配給されている。この様に、食材が、既に、非常に素早く加熱され、溶けるのに適した状態にあるので、シュレッダーは不要である。
【0043】
図7は、同様の代表的な実施形態を示しており、この場合、補助コンベヤーベルト1は無く、既に刻まれているか又は細断されている食材が、コンベヤーベルト2上に直接置かれている。
【0044】
これらの場合も、図5で述べた様に自動送給装置32を使用できることは明白であり、その場合、カートリッジ30には、既に刻まれ/細断された少なくとも1つの食材が入っており、それがコンベヤーベルト2に達するときには既に、加熱されて溶ける準備が整っている。
【0045】
図8では、本発明による装置の好適な代表的実施形態を図解しており、この装置は、コンベヤーベルト2を有しており、その上流から、少なくとも1つの既に刻まれた食材21が載せられ、コンベヤーベルト2の経路に沿って加熱されて溶けて、高温で溶けた温かい食材23として、食べられる容器24に入れられる。加熱は、ランプ又は電気抵抗の様な熱源10による照射によって実行される。図8には図示していない別の電気抵抗を、コンベヤーベルト2の下か、又はコンベヤーベルト2が形成するループ内に配置してもよい。熱源10の電力、及び/又は熱源10と食材22の間の距離は、食材22に必要な熱処理の強さに従って変えることができる。
【0046】
本発明による図8の装置は、より多くの細断された食材を、ユーザーが選択したレシピに従って混ぜ合わせて送給することのできる送給装置27を備えている。更に詳しくは、この送給装置27の中には、既に細断されている緩い食材52が入っている1つ又は複数の異なるボックス57が備えられている。各容器57は、底部に開口部と、要求に応じて自動的に開くことのできる止め要素51とを有している。止め要素51を開くと、対応する食材が重力で落下し、送給装置27の出口53に達し、複数の食材がある場合は、互いに混ざり合う。この出口53には、外部駆動器を使って自動的に開くことができる止め要素55を設けてもよい。図8の送給装置27は、図示していないが、細断された食材52を最適な保存温度、例えば−18℃、に保存することができる冷凍手段を備えている。更に、凍結領域には、水分凝結を減らすために換気システム50を設けてもよい。
【0047】
図8は、更に、食べられる容器24の保持要素40の使用を示しており、それについては、図12と図13で更に詳しく述べる。
図9又は図10は、複数の細断された食材を送給するための、本発明による自動装置27の2つの代表的な実施形態の断面図を示している。それは、図8で既に述べたのと同じ原理に基づいており、図8と同様の装置と結び付けてもよいし、様々な材料の組み合わせレシピに従って温かい食品を配給するための他の装置に結び付けてもよい。
【0048】
図9では、送給装置27の出口53に、2つの平行な水平の反対方向に回転するローラー54が設けられており、冷凍されているために纏って固着している虞のある細断された食材を分離させることができるようになっている。その様なシステムを使えば、細断されたものを、全て互いに確実に分離させることができる。図9と図10に示している様に、各容器57に入っている食材52を保護することのできる開閉可能なカバー54を設けてもよい。更に、送給装置27を冷凍ボックス58の中に入れて、細断された食材52を、最適な保存温度、例えば−18℃で保存することもできる。ボックス58に、図示していないが、検査ドアを備えることもできる。食材と作動的に接触する送給装置27の部分は、容易に洗浄できるように、取り外すことができる。
【0049】
図11に、本発明による図4の装置の代わりの代表的な実施形態を示している。それは、カーター60内に入っており、ユーザーによる入力制御を受けることのできるキーボード62を有しており、ユーザーは、要求に応じて、具体的な食材の組み合わせと、具体的な一連の準備段階に対応するレシピを選択することができる。この様に、高速の食品レシピを、本装置によって配給することができる。更に、何時でも、本装置によって、食品の上に載せるドレッシング又は「トッピング」を選択することもできる。食材と適切な一連の段階の組み合わせが、複数のレシピを記憶することのできるプログラム可能な中央制御ユニットによって計算される。
【0050】
図11に説明している装置は、加熱する食材の入口63を有しており、そこには、図8、図9、図10に示している送給装置27の様な送給装置を取り付けることができる。食品は、前記入口で、ローラー54の作用によってすり潰され、両ローラーは、反対方向に回転しながら、材料を、コンベヤーベルト2を備えた加熱室に供給する。コンベヤーベルト2の下流には、コンベヤーベルト2の表面を掃引し、溶けた食材を出口でコンベヤーベルト2から落下させるために、ブレード5が所定の角度で配置されている。照射による加熱手段11が、例えば、電気抵抗又はランプによって、食材を直接加熱するために、コンベヤーベルト2の上方に配置されている。加えて、補助の抵抗65を、コンベヤーベルト2の下方か、又は図11に示している様に、コンベヤーベルトが形成しているループ内に配置してもよい。その様な抵抗は、コンベヤーベルト2を、一定の所望の温度に保つことができる。コーン24又は他の食べられる容器用の加熱領域61を、詰め込み前にそれらを温めた状態に保つために設けてもよく、この領域61は、例えば、別の電気抵抗によって加熱される。
【0051】
図12は、加熱室の出口に配置される、食べられる容器を保持するための要素40を示している。この要素40は、食べられる容器24を置くことのできるハウジング43(図8も参照)、把握ハンドル41、並びに、図示していない協働部分と係合させることによって、保持要素40を温かい食材23の出口5で装置に連結させるための差込連結部(bayonet coupling portions)44を有している。
【0052】
図13は、その様な保持要素40の別の代表的な実施形態を示しており、ハウジング43は、開いており、2つの把握シュラウド45と46によって画定され、それらには蝶番が付けられていて、開レバー47の操作によって互いに相対的に動かせるようになっている。この様に、高温のコーンの挿入及び放出は、オペレーターがコーンに直接触れる必要無しに、支援されるようになっている。
【0053】
以上の特定の実施形態に関する説明は、概念的な視点に従って本発明を十分に示しているので、現在の情報を利用することによって、更に研究すること無く、本発明から離れること無く、その様な実施形態を様々な用途に合わせて修正及び/又は適用することができ、従って、その様な適用及び修正は、前記特定の実施形態と等価であると考えられるものと理解されたい。ここに述べた様々な機能を実現する手段と材料は、このため、本発明の分野から逸脱すること無く、異なる性質を有することもある。ここで用いている語句又は専門用語は、説明するためのものであって、本発明を限定するものではない旨理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】コンベヤーベルトと補助コンベヤーを有し、チーズなどの食材を、食べられる容器に入れる前に細断し、加熱することができる、本発明による装置の一例を示す斜視図である。
【図2】この食材を細断するための手段が補助コンベヤーベルトの上流に配置されている機械を図解している。
【図3】細断するための手段が、この場合は、刻まれた食材を運ぶようになっている補助コンベヤーベルトの下流に配置されている、別の代表的な実施形態を図解している。
【図4】1つの加熱されるコンベヤーベルトを有し、その上流に細断する手段が配置されている、別の代表的な実施形態を示している。
【図5】カートリッジの様な密封された一食分のユニット内に封入された食材を自動的に送給する装置を有する装置の例を示している。
【図6】本発明の更に別の代表的な実施形態を示しており、食材は、既に刻まれた状態に保たれて装置に供給され、その後、コンベヤーベルト又は補助コンベヤーベルトにそれぞれ配給される。
【図7】本発明の更に別の代表的な実施形態を示しており、食材は、既に刻まれた状態に保たれて装置に供給され、その後、コンベヤーベルト又は補助コンベヤーベルトにそれぞれ配給される。
【図8】本発明による装置の好適で代表的な実施形態を示しており、コンベヤーベルト、冷凍食材を送給するための装置、及び食べられる容器を保持するための要素を有している。
【図9】その様な送給装置の、考えられる1つの例を示している。
【図10】その様な送給装置の、考えられる1つの例を示している。
【図11】ボックス形のカーター内に入っていて自動配給器を形成している本発明による装置の部分断面図を示している。
【図12】食べられる容器を保持するための要素の、考えられる1つの代表的実施形態を示している。
【図13】食べられる容器を保持するための要素の、考えられる1つの代表的実施形態を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手で持ったまま食べることのできる温かい食品の持ち運び可能な一食分を高速で供給するための装置であって、この温かい食品は、食べられる容器と、チーズを含む少なくとも1つの細断された食材から成る詰め物と、で構成されており、前記装置は、
前記食べられる容器を支持するための手段と、
前記食材を素早く加熱するための手段と、
前記容器内に前記加熱済みの食材を入れ、前記加熱済みの食材と前記容器の組み合わせを作るための手段と、を備えており、
前記素早く加熱するための手段は、
入口と出口を有する、前記少なくとも1つの食材用の加熱室と、
前記少なくとも1つの食材を、第1位置から第2位置まで前記加熱室を通して運搬するための手段であって、前記第1位置で前記細断された食材を受け取る、運搬手段と、
前記少なくとも1つの食材を、前記第1位置から前記第2位置へ運搬されている間に、前記運搬手段上で加熱して溶かすための加熱要素と、を備えている装置において、
前記運搬手段は、前記加熱室内に配置された少なくとも1つのコンベヤーベルトであって、前記加熱要素が前記食材を加熱する間に、前記食材を前記第1位置から前記第2位置へ運搬する、コンベヤーベルトを備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記加熱して溶かすための加熱要素は、電気抵抗、マイクロ波源、ランプ、高温気流、又はガスストーブから成る群から選択される、前記運搬手段上に配置されている前記少なくとも1つの食材を加熱することのできる、少なくとも1つの熱源を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの食材を、補助コンベヤーを有する前記運搬手段に向けて送給するための手段であって、前記補助コンベヤーは、具体的にはベルトコンベヤーであり、前記コンベヤーベルトの上方に配置され、前記食材を前記コンベヤーベルトの上流に持っていくようになっている、送給手段を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記コンベヤーベルト及び/又は前記補助コンベヤーベルトは、
シリコンゴム、
紙、
ガム又はポリマー
金属、
又は上記材料の組み合わせ、から成る群から選択された非粘着性材料で作られている、請求項1又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記食材が前記運搬手段に達する前に、それを細断するための手段であって、具体的には、前記少なくとも1つの細断されている食材を前記運搬手段の上に広げるために、前記運搬手段に対し相対的に作動する、細断するための手段を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
少なくとも1つの食材の自動送給装置であって、前記食材は、単一の密封ユニットに、具体的にはカートリッジに入っており、前記送給装置は、前記カートリッジを開封して前記食材を絞り出し、前記食材を、前記コンベヤーベルト又は前記補助コンベヤーベルト又は前記細断するための手段に供給することができる、自動送給装置を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つの刻まれた食材の自動送給装置を備えており、前記食材は、要求に応じて操作される出口を有するそれぞれの補充可能な各容器に入っており、前記食材は、具体的には、前記刻まれた食材を細断するための手段を有している前記出口に送られ、前記細断するための手段は、具体的には、一対の平行な反対方向に回転するローラーを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記自動送給装置は、前記少なくとも1つの刻まれた食材を、0℃より低い温度、具体的には−10℃より低く、望ましくは−18℃で保存するようになっている冷却手段を備えている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、前記食べられる容器を、前記少なくとも1つの食材を前記容器に入れる前に一度加熱する、加熱するための手段を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、液体又はクリーム状の材料を、前記少なくとも1つの材料に、或る位置、即ち、
前記コンベヤーベルトの表面の上、
前記コンベヤーベルトの下流、及び、
前記食べられる容器、から成る群から選択された位置で加えるための手段を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの食材は、
チーズ又はモッツァレッラと、
肉又は調理食品と、
新鮮な又は保存された野菜と、
オイル又はピクルス漬け食物と、
魚と、
上記食材の組み合わせと、から成る群から選択され、
前記食べられる容器は、焼いた食品であり、或る形状、即ち、
パニーノ、ブリオッシュ、ピアディーナの様な凸形と、
薄壁の中空の殻と、から成る群から選択された形状を有しており、
前記薄壁の中空の殻は、
球形、円筒形、円錐形、立方体のウェーハなどの様な幾何学的図形、
果物又は野菜の部片、
動物、キャラクタ、花など、及び、
一般的な物、から成る群から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記食べられる容器を支持するための前記手段は、前記食べられる容器を、前記加熱室の出口に保持し、配置するための要素を備えており、前記保持するための要素は、前記食べられる容器のためのハウジングと、ハンドルとを有しており、前記ハウジングは、固定された又は調整可能な開口部を有しており、前記保持するための要素は、具体的は、前記加熱室の出口に連結するための手段を有しており、前記連結するための手段は、差込連結であるのが望ましい、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
温かい食品を準備する装置において、複数の細断された食材の自動送給装置と、前記食材の内の少なくとも2つを組み合わせたものを加熱するための手段とを備えており、前記自動送給装置は、各細断された食材用のボックスを備えており、前記容器は、充填入口と、要求に応じて所定食分を放出するための手段が装備されている出口とを有しており、前記食材は、前記出口の後、食べられる容器の支持器上に運ばれ、前記ボックスが収納されている場所には、冷却手段が設けられており、前記少なくとも1つの刻まれた食材を、0℃より低い温度、具体的には−10℃より低く、望ましくは−18℃で保存するようになっている、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2009−538789(P2009−538789A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512509(P2009−512509)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【国際出願番号】PCT/EP2007/004894
【国際公開番号】WO2007/137870
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(508355208)スターステータス・トレイディング・インターナショナル・エルディーエイ (1)
【Fターム(参考)】